JP2001155173A - カラー画像の処理方法 - Google Patents

カラー画像の処理方法

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JP2001155173A JP33354399A JP33354399A JP2001155173A JP 2001155173 A JP2001155173 A JP 2001155173A JP 33354399 A JP33354399 A JP 33354399A JP 33354399 A JP33354399 A JP 33354399A JP 2001155173 A JP2001155173 A JP 2001155173A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像におけるエッジを検出するに際
し、計算量が少なく、汎用のコンピュータで処理でき、
ノイズの影響を受けにくく、二つの色の差の少ない境界
部も容易に検出できるようにする。 【解決手段】 カラー画像から頻度情報を持つカラーヒ
ストグラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから
前記頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分
をエッジとして検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー画像の処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばロボットビジョンにおいて、シ
ーンの特徴を環境に影響されずに素早く的確に認識する
ことは重要な課題である。シーンの特徴を抽出するため
には、画像におけるエッジの検出が不可欠である。白黒
画像すなわち濃淡画像においてエッジを検出する手法と
して、一次微分や二次微分を用いる差分法が知られてい
る。これらは、画像のエッジにおいてはその画像の濃淡
が大きく変化するため、近隣の画素における濃淡の差を
求めることでエッジを検出しようとするものである。そ
の他に、フーリエ変換を用いて周波数領域のフィルタ処
理によりエッジを求める方法なども提案されている。
【0003】これに対し、近年、CCDカメラにより取
得したカラー画像を用いたエッジの検出方法が多種提案
されている。カラー画像を用いると、濃淡画像に比べて
より高精度にエッジを検出できるのみならず、より多く
の情報量を利用して、物体表面の反射境界の識別など、
濃淡画像では難しかった対処を付加することが可能であ
る。従来のカラー画像を用いたエッジの検出方法は、R
GBの各成分に分けた三つの画像について処理を行った
後に統合処理を行うようにするのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カラー画像を
用いた従来のエッジ検出方法は、いずれも基本的には局
所微分を求める空間オペレータを使用しており、濃淡画
像に比べて検出精度は上がるが、情報量が多くなった分
だけ計算量が増大して処理時間が掛かるという問題点が
ある。なお、濃淡画像によって処理するものでさえ、い
ずれもかなりの計算量を必要とするのが現状であり、カ
ラー画像を用いるとその計算量は飛躍的に増大する。ま
た、専用のハードウェアがないと実時間での処理が難し
いという問題点がある。
【0005】しかも、従来のエッジ検出方法では、ノイ
ズの影響を受けやすく、かつ、それにもかかわらず実環
境では照明のゆらぎや撮像系のノイズはどうしても避け
られないという問題点がある。また、特に従来の微分を
使用するものでは、エッジのグラジエント(微分強度)
の影響を受けやすいため、二つの色の差の少ない境界部
を検出しにくい、すなわち微妙な色境界の検出が難しい
という問題点もある。
【0006】そこで本発明は、このような問題点をこと
ごとく解決して、計算量が少なく、汎用のコンピュータ
で処理でき、ノイズの影響を受けにくく、二つの色の差
の少ない境界部も容易に検出できるようにすることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、カラー画像から頻度情報を持つカラーヒスト
グラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから前記
頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前
記カラー画像におけるエッジまたはピントの合っている
箇所として検出するものである。
【0008】すなわち本発明は、カラー画像におけるエ
ッジ部分は同じ色の画素の数が少ないという知見を得る
ことによってなされたものであり、頻度情報を持つカラ
ーヒストグラムを作成してその頻度情報を抽出し、この
抽出された頻度の低い部分をエッジとして検出すること
で、少ない計算量で、また専用のハードウェアを必要と
せずに、エッジを検出することが可能である。しかも、
エッジ部であるカラーヒストグラム上の少数領域に着目
するため、従来の空間微分を用いる手法に比べてエッジ
のグラディエント(微分強度)の影響が少なく、このた
め二つの色の差の少ない境界をも確実に検出することが
できるという利点がある。しかも、画像取込中に照明変
動などのノイズがあっても、少数部分の頻度に影響を与
えないという利点もある。なお、上記手法により検出さ
れた頻度の低い部分はその画像におけるピントの合って
いる箇所に該当するため、エッジの検出と同時に、上述
のようにその画像におけるピントの合っている箇所を検
出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】カラーヒストグラムは、カラー画
面を構成する各画素のたとえばRGB値をRGBの直交
空間にプロットするものである。本発明で利用するカラ
ーヒストグラムは、このプロットした各点に、画素数の
情報すなわち頻度を持たせる。なお、カラーヒストグラ
ムは、RGB以外の表色系を用いることもできる。
【0010】室内のような人工物の多いシーンを撮影し
た場合に、壁や各種の機器を構成する平面は、同じ色分
布であることが通例であるため、カラーヒストグラム上
で密集して存在し、画素数の情報である頻度に着目する
と、この頻度が高くなる部分となる。以下、この部分を
「多数領域」と称する。一方、面と面との境界や、光の
反射部と影との境界や、円筒状の物体のような濃度変化
の大きな局面部などは、カラーヒストグラム上でまばら
に点在するだけであり、上記頻度の低い部分であると考
えられる。以下、この部分を「少数領域」と称する。カ
ラー画像をその画像に含まれる各カラー値の頻度に置き
換えると、大まかには多数領域と少数領域とに分けるこ
とができる。
【0011】カラーヒストグラム空間上で二つの色の境
界付近の画素は、両方の色成分を持つと考えられる。た
とえば図2はx−y平面における赤色と黄色との境界で
あるエッジの例を示す。このエッジは、ここではy軸の
方向に存在する。カラーヒストグラムを作成すると、図
2のエッジは図3のように示される。この図3のカラー
ヒストグラムにおいて、A点とG点はそれぞれエッジの
両側における赤色と黄色とを示し、B点〜F点は境界の
色であって赤色と黄色との双方の色成分を持つことから
橙色となる。図3において、各点の大きさはその頻度を
表し、エッジの両側における赤色と黄色すなわちA点と
G点とは、多数領域となる。これに対しエッジすなわち
B点〜F点は、少数領域となる。
【0012】図4および図1は、実際の物品の画像とそ
のカラーヒストグラムとの具他例を示す。図4は並んだ
二本の円筒状体のカラー画像の例を示すもので、一方の
円筒状体は一端部が赤色を呈するとともに他端部が黄色
を呈するように構成されている。他方の円筒状体は、一
端部が緑色を呈するとともに他端部が青色を呈するよう
に構成されている。図1は、図4における枠FLで囲っ
た部分についてのカラーヒストグラムを示す。図1で
は、円筒体の4つの色は、それぞれ原点から延びる4つ
のクラスタとして表示されており、これらのクラスタは
多数領域に該当する。一方、赤色部と黄色部、緑色部と
青色部の各境界部分は、それぞれ、赤色部と黄色部を表
すクラスタ間および緑色部と青色部を表すクラスタ間に
点在し、これらの点は少数領域に該当する。
【0013】本発明では、作成されたカラーヒストグラ
ムから頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の少ない
部分をエッジとして検出する。このため、計算量が少な
く、また専用のハードウェアを必要とせずに、汎用のコ
ンピュータで処理できるという利点がある。次に本発明
におけるノイズの影響について説明する。エッジ部分を
含むカラー画像におけるノイズとしては、CCDカメラ
のランダムノイズや照明の変動にもとづく第1のノイズ
と、CCDカメラからコンピュータのメモリへデータを
転送するときに生じる第2のノイズとが主である。
【0014】図5、6は、図2に示す境界部に関し、R
GBのうちの緑色成分について、図2と同様のx方向に
沿った輝度の分布を例示する。図中、A点〜G点は、図
3におけるA点〜G点に相当する。また図中の破線は、
各画素の色彩についての誤差の範囲を表す。図5は、上
述の第1のノイズによって生じた誤差を示す。これに対
し図6は、上述の第2のノイズによって生じた誤差を示
す。
【0015】ここでエッジ点であるD点に着目すると、
CCDカメラのランダムノイズや照明の変動にもとづく
第1のノイズに対応する誤差ΔNg1は、他のA点〜C
点、E点〜G点と同様に発生する。これに対し、CCD
カメラからコンピュータのメモリへデータを転送すると
きに生じる第2のノイズに対応する誤差ΔNg2は、本
来ならC点またはE点に対応するメモリに転送されるは
ずの輝度値が、D点に対応するメモリに転送されること
などによって発生するものであり、D点では大きく、D
点から離れるにつれて小さくなる。したがって、D点で
は大きな誤差(ΔNg1+ΔNg2)が発生する。な
お、RGBのうちの赤色成分や青色成分についても同様
のこととなる。
【0016】以上より、カラー画像のエッジ部分の特徴
をまとめると、次のようになる。 (1)画像全体の画素数に比べてエッジ部分の色情報を
持つ画素数は少なく、エッジ部分にノイズによる色変化
があったとしてもそれは少数領域に属する。 (2)エッジ部分の画素のとり得る色範囲は他の部分の
色範囲よりも広く、エッジの両側の多数領域は似かよっ
た色情報をもつので、ノイズによる変動があったとして
も色変化は少ない。
【0017】すなわち、カラーヒストグラム空間におい
て少数領域に属するエッジ部分では、エッジ点の画素は
色変化の範囲が広く、ノイズにより変動しているため、
同じ色を持つ画素はきわめて少ない。したがって本発明
によると、カラーヒストグラム上でこの少数領域を検出
することで、エッジの検出を行うことができる。しか
し、少数領域には、撮影条件によっては、本来なら多数
領域に存在するはずの画素のノイズが含まれることもあ
る。以下、この少数領域を安定に検出する方法を説明す
る。
【0018】図7に示すように、時刻tに取得したカラ
ー画像をf(t) とし、このf(t) をカラーヒストグラム
空間上にプロットしたものをh(t) とする。このh(t)
は、RGBそれぞれの座標値とその座標における頻度値
とを持っている。f(t) において、h(t) の頻度が1の
みの色を残し2以上の色を消去すると、最も少数領域と
なる部分の画像が得られることになる。この部分はエッ
ジ部分を表しているが、ノイズの影響で、本来なら多数
領域に該当する筈の画素も含まれている。
【0019】そこで、この多数領域に該当する筈の画素
を取り除くために、まず、f(t) の各画素のカラー値
を、h(t) より得られる頻度に置き換える。これによっ
て、各画素の色の頻度を表す濃淡画面となる。以後、こ
の画像を頻度画像と呼ぶ。この頻度画像をg(t) とする
と、{f(t) 、t=1、2、…、n}から得られるn枚
の頻度画面の平均gmeanは、次式で表される。
【0020】
【数1】 ある1枚の画像上で、本来なら多数領域にあるべき画素
が、ノイズによる色変化で少数領域として検出されたと
しても、複数枚のデータを加算平均すると、その画素へ
のノイズによる影響はほとんど無くなり、この画素はこ
れによって本来の多数領域として検出される。一方、少
数領域の画素にノイズが加わった場合は、エッジ部分で
はノイズにより変色した色の頻度も少数であるため、そ
の部分の画素の頻度は小さいままであり、したがって少
数領域として検出される。
【0021】なお、ノイズの影響が無視できる場合など
においては、1枚の頻度画像だけで少数領域を検出でき
ることもある。しかし、現実問題として、上式は全体の
頻度の分布を見るには適しているが、必ずしも少数領域
の検出に適しているとはいえない場合もある。そこで、
加算結果を加算枚数n以下の値mで割り算し、下位のビ
ットのみ利用する。すなわち、頻度画像g(t) のt=1
〜nの合計をGとすると、
【0022】
【数2】 と書くことができるため、少数領域の特徴を表す画像g
m は、頻度画像g(t) のビット数をsとするとともに、
0<m≦nとして、次式のように表すことができる。
【0023】 gm =G/m [G/m<2S −1] gm =2S −1 [G/m≧2S −1] 得られた画像gm における暗い部分は、少数領域を表
す。以上にもとづき、エッジを検出するためには、mと
nとの組み合わせにより決まる値で二値化する。通常の
コントラストの画像では、エッジ部分の画素の頻度は2
以下であることが多いので、この閾値をn/m+1〜2
n/mの範囲に設定して二値化すれば、エッジの検出を
行うことができる。
【0024】たとえば、画像メモリが8ビットであると
きには、加算結果をmで割り算した後に、下位の8ビッ
トのみを利用する。なお、複数枚の頻度画像を加算して
いくと、mで割り算してもその画素値が8ビットを超え
る場合があるが、その場合には当該画素に最大値(25
5)を割り当てる。m=1のとき、得られた8ビットの
濃淡画像を2nの値で2値化すると、0画素の部分はn
回の画像取り込みの間に平均の頻度が2未満である少数
部分に該当する。
【0025】Gの値を加算枚数n以下の値mで割り、下
位のビットを利用する上記の方法は、限られたビット数
の画像メモリで頻度情報を表示するために有効な手段で
あり、Gの値を直接調べることによっても少数領域の検
出は可能である。たとえば、上記の検出例であれば、G
の値を2nで2値化してもよい。
【0026】
【実施例】RGB各256階調で画像を取り込んだ。し
たがって、上述の式より、ヒストグラム加算画像の少数
領域を表す式は、G/mが255(0xFF)を超えな
い範囲では次式となる。
【0027】
【数3】 日中の実験室内で、窓からの自然光により36枚の加算
平均を行って取り込んだカラー画像の例を図8に示す。
この画像は、LSIの製品パッケージを対象としたもの
であり、図8では白黒の濃淡画像で表示している。
【0028】同じシーンから上式によりn=25、m=
1の条件で得られた検出画像gm を図9に示す。この図
9においては、画像が明るいほど頻度が高いことを示
し、頻度が255を超えるものは255として表示し
た。比較のために、図8のRGBの各画像に従来の差分
法の一つであるSobelフィルタを用いた結果をYI
Q表色系のY信号に変換し、反転処理を行った結果を図
10に示す。この図10では、暗い部分ほど差分の結果
が大きいことを表している。
【0029】これらの結果より、Sobelフィルタを
用いた手法ではエッジ両側の色の濃度差により差分の大
きさが異なってくるために検出結果に対する二値化の閾
値に工夫が必要であるのに対し、本発明の手法では頻度
の少数部分を検出しているためエッジの両側の濃度差に
はほとんど影響されずにエッジ検出が行えることが判っ
た。また、Sobelフィルタを用いた手法では微妙な
色彩変化部分が検出されないのに対し、本発明の手法に
よれば少し頻度が高くなり広がりを持って検出されるこ
とが判った。
【0030】次に、検出の精度を調べた。すなわち、図
11に示すように、雑誌(CQ出版社「トランジスタ技
術」誌)のカラー表紙を日中の実験室内で36枚の加算
平均により取得した画像を得た。ただし、ここでは図1
1は白黒の濃淡画像で表示している。このときの照明
は、窓からの自然光と蛍光灯の光とを併用した。また、
同じシーンについて、本発明にもとづき、n=25、m
=1の条件で、検出画像gm を得た。この検出画像gm
を図12に示す。
【0031】図13(a)は、図12の上部の小さい文
字の拡大図を示す。また図13(b)は、同じ部分につ
いての従来のSobelフィルタによる処理結果を示
す。この図13より、本発明の手法によれば細かい文字
まで画素の精度で明瞭に検出できることが判る。これ
は、本発明によれば、特に検出対象が線画のときは、線
の両側を検出するのではなく、線そのものを少数領域と
みなして検出するためである。
【0032】次に、本発明にもとづき、エッジ検出とと
もに、画像における他の情報の検出も可能であることを
確認した。図14に示すように、日中の実験室内の風景
を36枚の加算平均を行って取り込んだカラー画像を得
た。ただし、ここでは図14は白黒の濃淡画像で表示し
た。このときの照明は蛍光灯の光および窓からの自然光
で、ピントは画像中央の鳥の人形に合わせた。この図1
4のシーンをn=25で取り込みm=4で表示した画像
を図15に示す。この図15より、エッジのみならず濃
度変化の多い曲面などが検出されている様子がわかる。
図16は、同じシーンをn=25で取り込みm=1で表
示したものである。この図16では、後方のボケ領域や
曲率の小さい平面部などが多数領域として検出されてい
る。一方、エッジや、曲率の大きな曲面である鳥の人形
の表面や、鏡面反射領域などは、少数領域となってい
る。
【0033】図17は、図14の画像をSobelフィ
ルタにより処理した結果を、比較のために示す。ここで
は、図10の場合と同様に、暗い部分ほど差分の結果が
大きいことを表している。図16における頻度の低い部
分すなわち画面の暗い部分を観察すると、当該画像にお
けるピントの合っている箇所のエッジ情報のみを選択的
に抽出できることが判った。すなわち、図18(a)は
図16の画像を1.5nの閾値で二値化した画像であ
り、ピントの合っている鳥の人形の部分だけが検出され
ている。図18(b)は、比較のために、図14の画像
に対し中央部の人形が検出できるレベルで二値化処理を
行った画像を示す。ここでは、人形の後方のピントの合
っていない部分もが検出されており、どの部分のピント
が合っているかを明確に検出することは不可能であっ
た。
【0034】したがって本発明によると、上式における
検出用パラメータn、mを変えることで、シーンのマク
ロな情報を抽出したり、ピントの合っている箇所を細か
く検出したりすることが可能であった。すなわち、未知
のシーンをカメラで撮影したときに、図15では明度の
高い面積の大きい領域は平面と認識でき、図16では明
度が低いある程度の面積を有する領域は曲面であると認
識できた。さらに、この明度の低い部分について調べる
と、図18のようにピントの合っている箇所のエッジ情
報を検出することができた。これは、ボケのあるエッジ
はその幅が広くなり、これに対しピントの合っているエ
ッジは最少の頻度を持つことにもとづくものであった。
【0035】mの値を大きくすると、ゆるやかな曲面
や、陰および照明のむらなどを検出でき、逆にmの値を
小さくしていくと曲率の大きな面やエッジを検出できる
ことが判った。これは、ちょうど人間の目の働きに似て
おり、シーンの必要な情報を選択的に取得できることが
判った。画像取得回数nの値は、撮影システムのノイズ
や照明環境に合わせて設定する必要があった。色変化の
周波数の低い画像では数回程度の取り込みで十分である
が、逆に色数が多く色変化の周波数が高い画像やコント
ラストの高い画像では、nの値を大きくする必要があっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によると、上述のように計算量が
少なく、また専用のハードウェアを必要とせずに、汎用
のコンピュータで処理できるという利点がある。しか
も、簡単な計算だけで迅速にしかも安定してエッジまた
はピントの合っている箇所を検出できるため、シーンの
特徴を高速に取得でき、したがってリアルタイム性の要
求されるロボットビジョンに適用することができる。
【0037】また、本発明はエッジ部であるカラーヒス
トグラム上の少数領域に着目するため、図9および図1
0から判るように、従来の空間微分を用いる手法に比べ
てエッジのグラディエント(微分強度)の影響が少な
く、このため二つの色の差の少ない境界部をも確実に検
出することができるという利点がある。しかも、画像取
込中に照明変動などのノイズがあっても少数部分の頻度
に影響を与えないという特長を有する。
【0038】また、実環境において、図11のような少
数領域と多数領域との区別がはっきりしているカラー印
刷物の文字境界の検出に適しており、検出の分解能も高
いという利点がある。さらに本発明によれば、同一のシ
ーンにつきn枚のカラー画像を取得し、それぞれのカラ
ー画像をカラーヒストグラム空間上にプロットすること
で、各画素の色の頻度を表す濃淡画面からなるn枚の頻
度画像を作成し、このn枚の頻度画像を加算したうえで
頻度情報を検出するものであり、またさらに、その加算
結果を加算枚数n以下の値mで割り算することで検出画
像を得るものであり、検出用パラメータn、mを変える
ことにより、エッジ以外の平面や曲面やピントの合って
いる箇所などの情報も検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく頻度情報を持つRBGカラー
ヒストグラムの例を示す図である。
【図2】赤色と黄色との二色の境界部を例示する図であ
る。
【図3】図2の画像のカラーヒストグラムの例を示す図
である。
【図4】実際の物品のカラー画像の例を示す図である。
【図5】図2の境界部における、CCDカメラのランダ
ムノイズや照明の変動にもとづくノイズによる誤差を示
す図である。
【図6】図2の境界部における、コンピュータのメモリ
へデータを転送するときに生じるノイズによる誤差を示
す図である。
【図7】本発明にもとづくエッジ検出手順を説明するた
めの図である。
【図8】LSIの製品パッケージのカラー画像の例を示
す図である。
【図9】図8の画像にもとづく検出画像の例を示す図で
ある。
【図10】図8の画像を従来の手法で処理した結果を示
す図である。
【図11】雑誌の表紙のカラー画像の例を示す図であ
る。
【図12】図11の画像にもとづく検出画像の例を示す
図である。
【図13】図12における小さい文字の拡大図、およ
び、同じ部分について従来の手法で処理した結果を示す
拡大図である。
【図14】日中の実験室内の風景のカラー画像の例を示
す図である。
【図15】図14の画像にもとづく検出画像の例を示す
図である。
【図16】図15に比べ検出用パラメータを変化させた
ときの検出画像の例を示す図である。
【図17】図14の画像を従来の手法で処理した結果を
示す図である。
【図18】図16の画像の一部を一定の閾値で二値化し
た図、および、図14における同じ部分を従来の手法で
二値化した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 賢治 徳島県徳島市南常三島町2−1 徳島大学 工学部内 Fターム(参考) 5C077 LL18 MP08 PP32 PP34 PP43 PQ19 5C079 HB01 HB04 LA01 NA11 5L096 AA02 FA06 FA35 GA40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像から頻度情報を持つカラーヒ
    ストグラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから
    前記頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分
    を前記カラー画像におけるエッジまたはピントの合って
    いる箇所として検出することを特徴とするカラー画像の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 nを自然数として同一のシーンにつきn
    枚のカラー画像を取得し、それぞれのカラー画像をカラ
    ーヒストグラム空間上にプロットすることで、各画素の
    色の頻度を表す濃淡画面からなるn枚の頻度画像を作成
    し、このn枚の頻度画像を加算して、その加算結果から
    頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前
    記カラー画像におけるエッジまたはピントの合っている
    箇所として検出することを特徴とする請求項1記載のカ
    ラー画像の処理方法。
  3. 【請求項3】 nを自然数として同一のシーンにつきn
    枚のカラー画像を取得し、それぞれのカラー画像をカラ
    ーヒストグラム空間上にプロットすることで、各画素の
    色の頻度を表す濃淡画面からなるn枚の頻度画像を作成
    し、このn枚の頻度画像を加算したうえで、mを0より
    大きくn以下である正の数として、前記加算の結果をm
    で割り算することでエッジまたはピントの合っている箇
    所の検出用の画像を作成し、この画像から頻度情報を抽
    出し、この抽出された頻度の低い部分をエッジまたはピ
    ントの合っている箇所として検出することを特徴とする
    請求項1記載のカラー画像の処理方法。
  4. 【請求項4】 nを自然数として同一のシーンにつきn
    枚のカラー画像を取得し、それぞれのカラー画像をカラ
    ーヒストグラム空間上にプロットすることで、各画素の
    色の頻度を表す濃淡画面からなるn枚の頻度画像を作成
    し、このn枚の頻度画像を加算したうえで、mを0より
    大きくn以下である正の数として、前記加算の結果をm
    で割り算することで平面検出用の画像を作成し、この画
    像において頻度が高くかつ面積を有する領域を平面とし
    て検出することを特徴とするカラー画像の処理方法。
  5. 【請求項5】 nを自然数として同一のシーンにつきn
    枚のカラー画像を取得し、それぞれのカラー画像をカラ
    ーヒストグラム空間上にプロットすることで、各画素の
    色の頻度を表す濃淡画面からなるn枚の頻度画像を作成
    し、このn枚の頻度画像を加算したうえで、mを0より
    大きくn以下である正の数として、前記加算の結果をm
    で割り算することで曲面検出用の画像を作成し、この画
    像において頻度が低くかつ面積を有する領域を曲面とし
    て検出することを特徴とするカラー画像の処理方法。
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