JP2001153855A - 不純物濃度分析方法およびシステム - Google Patents

不純物濃度分析方法およびシステム

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JP2001153855A
JP2001153855A JP33818899A JP33818899A JP2001153855A JP 2001153855 A JP2001153855 A JP 2001153855A JP 33818899 A JP33818899 A JP 33818899A JP 33818899 A JP33818899 A JP 33818899A JP 2001153855 A JP2001153855 A JP 2001153855A
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fluid
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porous membrane
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Noriko Daishin
紀子 大信
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物濃度が極めて低い超純水や工程水等中
の不純物の濃度を、溶離操作を伴わずに容易に精度良く
分析できる方法およびシステムを提供するとともに、望
ましくは、その不純物の濃度分析を連続的に行って流体
中の濃度変化等を精度良く監視できるようにした不純物
濃度分析方法およびシステムを提供する。 【解決手段】 イオン交換機能を有する官能基を持つ多
孔質膜に流体を所定量通過させることにより、流体中の
不純物を多孔質膜に捕捉し、多孔質膜に捕捉した不純物
の量を表面分析装置で測定し、その測定値から前記流体
中の不純物濃度を算出することを特徴とする、不純物濃
度分析方法およびシステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物濃度分析方
法およびシステムに関し、とくに、電子工業用途や医薬
品用途などに用いられる不純物濃度が極めて低い超純水
や工程水中の不純物の濃度を、精度良く容易に、好まし
くは連続的に監視できるようにした不純物濃度分析方法
およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、電子工業用に使用される超純
水や、デバイス製造工程やウエハ製造工程の工程水(洗
浄、研磨、エッチング工程等に用いられる水あるいは薬
液、以下単に「工程水」と略す。)には、極めて低い金
属濃度やアニオン濃度が要求される。現状、超純水およ
び工程水は、比抵抗計、TOC計、水質分析(シリカや
金属類等をボトルサンプリングにて分析)などで監視さ
れており、そのうち、特に金属類は微量でもデバイス特
性に影響を及ぼすことがわかってきているため、厳しい
監視が必要とされている。現状の超純水や工程水中の金
属濃度は、ng/L〜pg/Lレベルと極めて少ない。
【0003】たとえば、超純水中の不純物の分析を例に
とって説明すると、超純水中の不純物濃度は極めて少な
く、分析前には必ずと言っていいほど濃縮操作が必要に
なる。濃縮方法としては、サンプルを現場にてボトル
にサンプリングして、分析操作を行う場所へ持ち帰りク
リーンルームなどで濃縮操作を行った後、分析装置にか
け分析を行う方法と、現地でイオン交換樹脂や特開平
5−45351号公報に記載されているようにイオン交
換機能を有する多孔性膜にサンプルを通水濃縮して、吸
着した不純物を酸やアルカリ等の溶離液で再生したの
ち、分析装置にかけ分析を行う方法が挙げられる。
【0004】現状の超純水の水質レベルはng/l〜pg/lレ
ベルという大変低い濃度であることがわかっているが、
の方法では、濃縮時の濃縮倍率が限られること、サン
プリング環境、サンプリング容器、サンプルの保存方
法、濃縮操作など前処理時のコンタミネーションによる
影響が大きな問題となることから、現状ではng/lレベル
の分析が限界となっている。の方法では、実質的にオ
ンラインサンプリングなのでサンプリング時のコンタミ
ネーションが少ない上に、その後の溶離操作などの前処
理時のコンタミネーションが無視できるレベルを定量下
限値とすれば、サンプルの通水量を増やすことで測定感
度を上げることができる。したがって、の方法を用い
れば現状の超純水の不純物の測定も可能になるが、分析
操作として必ず溶離液による再生操作が必要となり、濃
度算出までの工程数が多く時間がかかること、再生に用
いられる溶離液が高濃度の酸やアルカリなどで、取り扱
いに注意が必要な薬品であること、また、溶離液には分
析時のバックグラウンドを下げるために高価で高純度な
薬品が要求されるなど問題点も多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、不純物濃度が極めて低い超純水や工程水等中の不純
物の濃度を、溶離操作を伴わずに容易に精度良く分析で
きる方法およびシステムを提供するとともに、望ましく
は、その不純物の濃度分析を連続的に行って流体中の濃
度変化等を精度良く監視できるようにした、不純物濃度
分析方法およびシステムを提供することにある。つま
り、前述のような従来のボトルサンプリング法では測定
不可能なng/L〜pg/Lレベルの不純物濃度まで容
易に測定可能とするとともに、その分析を、前述の特開
平5−45351号公報に記載の方法のように溶離操作
を伴うことなく容易に、しかも必要に応じて実質的に連
続的に行うことが可能な不純物濃度分析方法およびシス
テムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る不純物濃度分析方法は、イオン交換機
能を有する官能基を持つ多孔質膜に流体を所定量通過さ
せることにより、流体中の不純物を多孔質膜に捕捉し、
多孔質膜に捕捉した不純物の量を表面分析装置で測定
し、その測定値から前記流体中の不純物濃度を算出する
ことを特徴とする方法からなる。
【0007】この不純物濃度分析方法においては、多孔
質膜による不純物の捕捉から不純物濃度の算出までの一
連の操作を、所定のタイミングで繰り返し行うことによ
り、流体中の不純物濃度を連続的に得るようにすること
が可能である。
【0008】また、この不純物濃度分析方法において
は、測定対象流体から、不純物濃度測定用試料流体の流
れを分岐させ、該試料流体に対して不純物濃度を算出す
ることができる。つまり、測定対象流体を、必ずしも全
量多孔質膜に通過させる必要はない。
【0009】濃度を算出する不純物としては、金属、あ
るいはアニオン類等が挙げられる。これらは、電子工業
用途等で極めて低濃度の管理が要求されるものである。
【0010】多孔質膜による不純物の捕捉から不純物濃
度の算出までの一連の操作を繰り返し行う場合には、該
一連の操作は、予め定めた一定時間毎に行い、測定を繰
返し行うことによって実質的に連続的な濃度監視を可能
とすることができる。また、一連の操作を、時間的にオ
ーバーラップさせて繰り返し行えば、より短い時間間隔
で濃度データを算出することができる。
【0011】測定対象流体としては、基本的には超純水
や工程水のような不純物が低濃度に含まれる水が主体で
あるが、本発明は、たとえば海水、薬品、油等の液体
や、空気、上記、有機ガス、エアロゾル等の気体中の不
純物の濃度分析にも適用可能である。さらに、純水や超
純水の他に薬剤が添加された水(たとえば、ウエハー等
の洗浄の際に使用される界面活性剤やアルカリを添加し
た水等)も含まれる。添加される薬剤としては、たとえ
ば、アルカリ(アンモニア、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム等)、酸(硫酸、塩酸等)、有機溶媒(イソプロ
ピルアルコール、モノエタノールアミン、界面活性剤
等)が挙げられる。
【0012】ここで超純水とは、一般的には一次純水処
理系に続いて二次処理系を設けた純水製造装置により製
造される高度な水(二次純水)を言うが、必ずしも処理
手順により定義されるものではなく、半導体基盤のよう
な極めて清浄な表面を得ることが求められる電子部品等
の洗浄用水として適当な用水(高純度な水)を指す。
【0013】また、工程水とは半導体基盤製造工程やデ
バイス製造工程等における各工程間に必要とされる洗浄
工程水等を指す。各製造工程とは例えば半導体基盤であ
るウエハ製造工程を例にとると、ウエハをスライスした
後の種々の研磨工程を指す。種々研磨工程の間には洗浄
工程、研磨工程終了後には最終洗浄が行われる。また、
各製造工程とは例えばデバイス製造工程を例にとると、
半導体製造工程中の成膜やリソグラフィ、エッチング、
不純物導入、ダイシング等の工程を指す。これらの各主
要工程間では、必ずと言っていいほど洗浄工程があり、
ゴミや不純物を極限まで取り除いた製造が行われる。
【0014】洗浄には一般にバッチ洗浄法と呼ばれる薬
品(又は超純水)を貯めた洗浄槽に複数の洗浄対象(ウ
エハ、デバイス)をまとめて浸漬させる方法が多用され
ている。また、バッチ洗浄方式の他には洗浄対象表面に
薬品や超純水をシャワー状にかける方法や、洗浄対象を
高速回転させてその中央に薬品をかけて洗浄する方法等
のいわゆる枚破洗浄法なども採用されている。このよう
な洗浄の際に使用される薬液や超純水を工程水と呼ぶ。
【0015】洗浄の際に使用される超純水は超純水製造
装置から数十から数百メートルもの長い距離を配管によ
って運ばれ、各洗浄工程にて使用される場合が多いこと
から、輸送による不純物の溶出によって不純物量が増加
していることがある。また、たとえばウエハバッチ洗浄
方式は、薬品(又は超純水)を貯めた洗浄槽に複数のウ
エハをまとめて浸漬させる方法なので、洗浄中に薬品や
超純水が汚染されることがある。以上のような用途にお
いて、本発明に係る不純物濃度分析方法およびシステム
は極めて有用である。
【0016】本発明に係る不純物濃度分析システムは、
不純物濃度の測定対象流体を所定量通過させる、イオン
交換機能を有する官能基を持つ多孔質膜を備えたフロー
セルと、多孔質膜に捕捉された流体中の不純物の量を測
定する表面分析装置と、表面分析装置での測定値から前
記流体中の不純物濃度を算出する手段とを有することを
特徴とするものからなる。
【0017】この不純物濃度分析システムにおいても、
多孔質膜による不純物の捕捉から不純物濃度の算出まで
の一連の操作を所定のタイミングで繰り返し行う手段を
有することにより、流体中の不純物濃度を連続的に得る
ようにすることが可能である。
【0018】また、このシステムにおいて、上記イオン
交換機能を有する官能基としては、濃度測定対象不純物
に応じて、カチオン交換基、キレート形成基、アニオン
交換基の中から選ぶことができる。
【0019】さらに、このシステムにおいては、上記フ
ローセルを単に繰り返し交換する構成とすることも可能
であるが、たとえば、上記フローセルが併設されている
とともに、上記測定対象流体の各フローセルへの導入を
順次切り換える手段を有する構成とし、できれば切換を
自動で行うようにすることが好ましい。
【0020】上記のような本発明に係る不純物濃度分析
方法およびシステムにおいては、測定対象流体を、たと
えばその試料流体を、所定量(または、所定の通水時
間)、多孔質膜に通過させることにより、流体中の金属
やアニオン類等の不純物濃度がたとえ極めて低い場合に
あっても、それらが多孔質膜に濃縮されて捕捉されるこ
とになる。そして、多孔質膜に捕捉された不純物の量
が、溶離操作を伴うことなく、表面分析装置によって測
定され、表面分析装置での不純物量の測定値を通水量で
除すことにより、測定対象流体中の不純物濃度が算出さ
れる。多孔質膜で不純物量が濃縮捕捉されているので、
測定対象流体中の極めて低い不純物濃度が高精度で測
定、分析可能となる。溶離操作を伴わないので、不純物
の量の測定が容易になり、分析までの作業、時間が低減
される。
【0021】また、この分析を繰り返し行うことによ
り、実質的に連続的に、流体中の不純物濃度を監視する
ことができるようになる。さらに、上記不純物の濃縮レ
ベルに合わせて通水量または通水期間(濃縮量)を変え
ることで、広範囲に亘る濃度を精度良く測定することが
できる。測定結果は通水期間の平均値として得られるこ
とになる。濃縮捕捉が終了した時点で、あるいは一つの
フローセル中への濃縮捕捉の途中で、次の膜に交換する
操作を繰り返せば、ある期間毎の水質を連続的に把握す
ること、つまり水質を実質上連続的にモニタリングする
ことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、
本発明の一実施態様に係る不純物濃度分析システムの概
略構成を示している。図1において、1は、超純水また
は不純物濃度が低い工程水のラインを示しており、2は
ライン1から分岐した試料流体のラインを示している。
試料流体ライン2には、フローセル3が着脱可能に配置
されている。フローセル3中には、不純物濃度の測定対
象である試料流体を予め定めた所定量または所定時間通
過させる、イオン交換機能を有する官能基を持つ多孔質
膜4が設けられている。フローセル3の前後には、本実
施態様では、多孔質膜4をフローセルごと交換可能とす
るため、バルブ5、6が設けられている。
【0023】多孔質膜4に試料流体を所定量通過させる
ことにより、流体中の不純物が多孔質膜4に濃縮された
状態で捕捉される。所定量通水後または所定時間通水
後、多孔質膜4が取り出され、多孔質膜4に捕捉されて
いた不純物の量が表面分析装置7で測定される。この表
面分析装置7による測定値から、元の測定対象流体(本
実施態様では試料流体)中の不純物濃度が算出される。
図1には、不純物濃度算出工程または不純物濃度算出手
段8として図示してある。
【0024】多孔質膜4の脱着から不純物濃度算出まで
の一連の操作は、予め定めた所定のタイミングで行われ
る。たとえば、図1に示したシステムにおいて、多孔質
膜4を有するフローセル3を単に順次新しいものに交換
するだけでもよい。あるいは、図2の(A)に示すよう
に、試料流体の通水ライン2a、2b、2c、・・・を
並列に分岐し、各ラインに多孔質膜4a、4b、4c、
・・・を備えた各フローセル3a、3b、3c、・・・
を並設して、各バルブ5a、5b、5c、・・・と6
a、6b、6c、・・・を切り換えて、不純物濃度測定
のための多孔質膜を順次一定時間毎に更新していくよう
にしてもよい。さらに、図2の(B)に示すように、た
とえばターンテーブル10に複数のフローセル11を配
置し、試料流体ライン2から通水させるフローセル11
をターンテーブル10の回転により順次切り換えていく
ようにすることもできる。不純物を濃縮捕捉した多孔質
膜を有するフローセルと新しいフローセルとは、ターン
テーブル10の回転方向の適当な位置で交換すればよ
い。
【0025】また、本発明における測定対象流体からの
不純物の捕捉は、予め定められた所定量の通水量または
所定時間の通水に対して行われ、最終的に算出される不
純物濃度はその期間の平均値として算出されるものであ
る。したがって、たとえば図2(A)に示したような採
水ラインを採用すれば、上記一連の操作を時間的にオー
バーラップさせて行うことが可能となる。たとえば図3
に示すように、不純物濃度測定のためにフローセルを順
次交換していく際に(測定No.が変更されていく際
に)、その測定期間を時間的にオーバーラップさせるの
である。このようにすれば、各測定毎の濃度算出値はそ
の測定期間中の平均値であったとしても、短時間のうち
に変化する測定対象流体中の不純物濃度まで、短い時間
間隔で、つまり、実質的に連続的に測定することが可能
となる。
【0026】本発明においては、不純物を捕捉する多孔
質膜の形態は特に限定しないが、捕捉した不純物の量を
表面分析装置で測定することから、平膜の形態であるこ
とが好ましい(以下、イオンディスクと称することもあ
る。)
【0027】本発明において濃縮可能な不純物とは、イ
オンディスクに捕捉可能な不純物、つまりカチオンディ
スク、アニオンディスク、キレート膜いずれかの膜に捕
捉可能な不純物である。不純物の形態としては、イオン
状(カチオン、アニオン)、粒子状、コロイド状と分け
ると、粒子状のものは全ての膜で捕捉可能であり、イオ
ン状のうちカチオンはカチオンディスク及びキレ−ト膜
で捕捉可能であり、アニオン及びコロイド状のものはア
ニオンディスクで捕捉可能である。
【0028】また、捕捉可能な不純物の形態は粒子状、
イオン状、コロイド状という形で分類される形態のほ
か、粒子サイズの大小というようなサイズ的に分類され
る形態、あるいは、これらの形態を組み合わせたもので
あってもよい。
【0029】超純水の一般的な水質保証項目である金
属、アニオン、シリカを例にとって説明する。金属をイ
オン状(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
金属、IIB族、希土類、オキソ酸)、粒子状、コロ
イド状にわけると、カチオンディスクはそのうちイオン
状(、、)及び粒子状の金属、キレート膜はイオ
ン状(、)及び粒子状の金属、アニオンディスク
は、イオン状()、粒子状及びコロイド状の金属の濃
縮が可能である。また、重金属を選択的に測定したい場
合にはキレート膜による濃縮が好適である。アニオン
(Cl、SO4、NO3、PO4、F、B等)及びシリカはアニオン
ディスクによって濃縮が可能である。
【0030】捕捉方法としては、測定対象不純物を捕捉
可能なイオンディスクを、サンプルを通水するためのフ
ローセルにセットして、サンプルを通水すればよい。た
とえば、カチオンのみを測定したい場合は、カチオンデ
ィスクまたはキレート膜を使用すればよい。またたとえ
ば、同時にカチオンとアニオンの測定を行いたい場合
は、不純物の捕捉方法としてはカチオンディスクとアニ
オンディスクを用いたフローセルにサンプルを別々に通
水してもよいが、カチオンディスクとアニオンディスク
を同じフローセル内に重ねて通水を行ってもよい。通水
後、各イオンディスクについてそれぞれ表面分析を行え
ばよい。
【0031】使用される多孔質膜の材質としては、現在
市販されている材質のほとんどが使用できるが、例えば
セルロース(ジ又はトリ)アセテート、ポリスルホン、
ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン、又はエチレン−4フ
ッ化エチレン共重合体等のポリオレフィンとハロゲン化
オレフィンの共重合体が挙げられる。多孔性膜の構造は
前述の如く平膜状が好ましい。細孔構造は、濾過機能が
得られ、水中のイオンと細孔内のイオン交換基が効率よ
く接触する構造であれば適用できる。3次元網目構造、
あるいは延伸によるフィブリル型の構造が好適に採用で
きる。
【0032】カチオン交換機能を有する官能基として
は、例えばスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、キ
レート交換機能を有する官能基としては、例えば、イミ
ノジ酢酸基、メルカプト基、エチレンジアミン、アニオ
ン交換機能を有する官能基としては、例えば4級アンモ
ニウム基、1級アミン、2級アミン、3級アミンなどが
挙げられる。官能基を有する多孔質膜を合成する方法と
しては、特開平07-41574号公報、特開昭62-258711号公
報、特開平7-24314号公報に示された放射線グラフト重
合法が好適に使用できる。
【0033】表面分析方法としては不純物を捕捉したイ
オンディスクをそのままもしくは乾燥した状態で不純物
量を測定する。表面分析装置としては、蛍光X線分析装
置や、オージェ電子分光分析器(AES)、2次イオン質
量分析装置(SIMS)、X線光電子分光光度装置(XPS,ES
CA)等で分析するのが適している。
【0034】本発明のような、極微量の不純物測定を行
う上で重要なこととして、膜の不純物の低減操作が挙げ
られる。通常販売されているイオンディスクをそのまま
使用したのでは、膜自身に含まれる不純物のせいでブラ
ンクのバックグラウンドが上昇し、測定の定量下限が上
がる。つまり、サンプルの多量の通水量、及び長期の通
水期間(濃縮期間)を必要とすることになる。
【0035】本発明のレベルでの測定を行うには、膜の
不純物の低減操作として薬品洗浄、温水洗浄を単独もし
くは組み合わせて行うのが有効である。洗浄液中の不純
物量もしくは膜自身の不純物量を測定することで洗浄効
果の確認を行えばよい。
【0036】また、最近では、ULSI製造におけるパーテ
ィクルや金属、化学汚染(有機物・無機物)の実態や汚
染の許容量などの調査も進み、超純水及び工程水中の不
純物がプロセスやLSIに与える影響はDRAMの世代交代に
よってデバイス構造の微細化が進めば無視できなくなっ
てくることがわかってきている。よって、今後は超純水
や工程水中の様々な不純物について低レベルでの連続管
理(モニタリング)が必要となってくる。本発明の分析
操作を連続的に繰り返し行えば、超純水中の不純物濃度
を連続的にモニタリングすることが可能となり、本方法
を用いて、超純水や工程水中の不純物濃度の歩留まりへ
の影響を調査すれば、歩留まり原因や汚染の許容量など
を今後更に明確にすることが可能になる。許容量が明確
になれば、超純水や工程水の不純物濃度のモニタリング
を行い、許容量以下になるような超純水や工程水の管理
を行えば、不純物による悪影響を防ぐことが可能にな
る。
【0037】
【実施例】実施例1〜3及び比較例1〜3 以下、本発明を実施1〜3と比較例1〜3により詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例1〜3にはゲルマンサイエンス製のカチオン
ディスク(ICE-450、孔径0.45mm、φ47mm、14meq/dis
c)、アニオンディスク(SB-6407、孔径0.45mm、φ47m
m、20meq/disc)と、住友化学製のキレートディスク
(エクスパピ−ル F-2、孔径 、φ47mm、190meq/dis
c)を使用し、比較例1〜3には特開平5-45351号公報に
記載のイオン交換機能を有する中空糸状の多孔膜を使用
した。それぞれ、カチオン交換膜(外表面積1.0×10-2m
2、内表面積5.4×10-2m2、1.5meq/モジュール)、アニ
オン交換膜(外表面積1.1×10-2m2、内表面積6.0×10-2
m2、2.4meq/モジュール)、キレート膜(外表面積1.0
×10-2m2、内表面積5.4×10-2m2、1.6meq/モジュー
ル)を使用して、標準溶液を一定濃度に調整した試料の
濃度測定を行った。
【0038】使用した試料の濃度及び通水条件は以下の
通りである。 実施例1及び比較例1 試料 :Naイオン、1μg/l 、5L 通水速度 :20ml/min 溶離液 :1N HNO3 100ml 実施例2及び比較例2 試料 :PO4イオン、1μg/l 、5L 通水速度 :20ml/min 溶離液 :1N NaOH 100ml 実施例3及び比較例3 試料 : Cuイオン、1μg/l 、5L 通水速度 :20ml/min 溶離液 :1N HNO3 100ml
【0039】各実施例の測定方法について詳しく説明す
ると、まず実施例1〜3では、試料を通水した後のサン
プルをクリーンベンチ内で乾燥させたのち、蛍光X線装
置により各ディスク中の各試料の濃度を測定した。比較
例1及び3では、試料を通水した後のサンプルに、高純
度硝酸である多摩化学製のTAMAPURE AA-100の硝酸を1N
に希釈したものを100ml 通水して溶離作業を行った。溶
離を行ったサンプル中のNa及びCu濃度をICP-MSにより測
定した。比較例2では、試料を通水した後のサンプル
に、高純度硝酸である関東化学製のUltrapure のNaOHを
1Nに希釈したものを100ml 通水して溶離作業を行った。
溶離を行ったサンプル中のPO4濃度をイオンクロマトグ
ラフ法により測定した。測定結果を表1に示す。表1に
示すように、各比較例では溶離操作と溶離液の濃縮操作
が必要であるのに対して、各実施例では、このような溶
離操作および溶離液の濃縮操作を行うことなく、極めて
低い不純物濃度を高精度で容易に分析できることがわか
る。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の不純物濃
度分析方法およびシステムによれば、従来の分析方法で
は不可能な低濃度レベルの超純水や工程水中の不純物濃
度を高精度で測定、算出でき、かつ、溶離操作なしで容
易に分析することできる。
【0042】また、本発明に係る分析操作を繰り返し行
うようにすれば、低濃度の不純物濃度やその変化を、実
質的に連続的に、しかも精度良く監視できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る不純物濃度分析シス
テムの概略構成図である。
【図2】フローセルの配置例を示す概略構成図である。
【図3】時間的にオーバーラップさせた測定方法の例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 超純水または工程水のライン 2、2a、2b、2c 試料流体ライン 3、3a、3b、3c、11 フローセル 4、4a、4b、4c 多孔質膜 5、5a、5b、5c、6、6a、6b、6c バルブ 7 表面分析装置 8 不純物濃度算出工程または不純物濃度算出手段 10 ターンテーブル

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換機能を有する官能基を持つ多
    孔質膜に流体を所定量通過させることにより、流体中の
    不純物を多孔質膜に捕捉し、多孔質膜に捕捉した不純物
    の量を表面分析装置で測定し、その測定値から前記流体
    中の不純物濃度を算出することを特徴とする、不純物濃
    度分析方法。
  2. 【請求項2】 多孔質膜による不純物の捕捉から不純物
    濃度の算出までの一連の操作を、所定のタイミングで繰
    り返し行うことにより、前記流体中の不純物濃度を連続
    的に得ることを特徴とする、請求項1の不純物濃度分析
    方法。
  3. 【請求項3】 測定対象流体から、不純物濃度測定用試
    料流体の流れを分岐させ、該試料流体に対して不純物濃
    度を算出する、請求項1または2の不純物濃度分析方
    法。
  4. 【請求項4】 濃度を算出する不純物が金属である、請
    求項1ないし3のいずれかに記載の不純物濃度分析方
    法。
  5. 【請求項5】 濃度を算出する不純物がアニオンであ
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載の不純物濃度分
    析方法。
  6. 【請求項6】 前記一連の操作を、予め定めた一定時間
    毎に行う、請求項2ないし5のいずれかに記載の不純物
    濃度分析方法。
  7. 【請求項7】 前記一連の操作を、時間的にオーバーラ
    ップさせて繰り返し行う、請求項2ないし6のいずれか
    に記載の不純物濃度分析方法。
  8. 【請求項8】 測定対象流体が水である、請求項1ない
    し7のいずれかに記載の不純物濃度分析方法。
  9. 【請求項9】 測定対象流体が薬剤が添加された水であ
    る、請求項1ないし7のいずれかに記載の不純物濃度分
    析方法。
  10. 【請求項10】 不純物濃度の測定対象流体を所定量通
    過させる、イオン交換機能を有する官能基を持つ多孔質
    膜を備えたフローセルと、多孔質膜に捕捉された流体中
    の不純物の量を測定する表面分析装置と、表面分析装置
    での測定値から前記流体中の不純物濃度を算出する手段
    とを有することを特徴とする、不純物濃度分析システ
    ム。
  11. 【請求項11】 多孔質膜による不純物の捕捉から不純
    物濃度の算出までの一連の操作を所定のタイミングで繰
    り返し行う手段を有する、請求項10の不純物濃度分析
    システム。
  12. 【請求項12】 前記イオン交換機能を有する官能基が
    カチオン交換基である、請求項10または11の不純物
    濃度分析システム。
  13. 【請求項13】 前記イオン交換機能を有する官能基が
    キレート形成基である、請求項10または11の不純物
    濃度分析システム。
  14. 【請求項14】 前記イオン交換機能を有する官能基が
    アニオン交換基である、請求項10または11の不純物
    濃度分析システム。
  15. 【請求項15】 前記フローセルが併設されているとと
    もに、前記測定対象流体の各フローセルへの導入を順次
    切り換える手段を有する、請求項11ないし14のいず
    れかに記載の不純物濃度モニターシステム。
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