JP2001150311A - 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置 - Google Patents

薄肉円盤の円周加工方法および加工装置

Info

Publication number
JP2001150311A
JP2001150311A JP30633599A JP30633599A JP2001150311A JP 2001150311 A JP2001150311 A JP 2001150311A JP 30633599 A JP30633599 A JP 30633599A JP 30633599 A JP30633599 A JP 30633599A JP 2001150311 A JP2001150311 A JP 2001150311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
polishing
disk
grinding
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30633599A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Enomoto
俊之 榎本
Yasuhiro Tani
泰弘 谷
Shigeru Inoue
茂 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MAKINO FRAES SEIKI KK
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
MAKINO FRAES SEIKI KK
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MAKINO FRAES SEIKI KK, Ricoh Co Ltd filed Critical MAKINO FRAES SEIKI KK
Priority to JP30633599A priority Critical patent/JP2001150311A/ja
Priority to US09/639,239 priority patent/US6685539B1/en
Publication of JP2001150311A publication Critical patent/JP2001150311A/ja
Priority to US10/684,506 priority patent/US20040082278A1/en
Priority to US11/149,223 priority patent/US20050227591A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉円盤の円周部を、固定砥粒加工工具によ
り、高能率かつ高品位に仕上げることが可能な加工方法
および加工装置を提供する。 【解決手段】 薄肉円盤の円周部の仕上げ加工におい
て、外周部を研削装置10で研削砥石3により加工し、
外周上の切欠き部をフィルム研磨装置30で研磨フィル
ム1により加工する。また、研削砥石3および研磨フィ
ルム1にはメカノケミカル作用を生じる砥粒(シリカ砥
粒、炭酸バリウム砥粒、あるいは酸化セリウム砥粒等)
を用い、その砥粒の一次粒子平均粒径が0.8nm〜1
0μmとなるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガリウ
ム砒素、サファイア、等からなる半導体ウェーハや水
晶、ガラス、アルチック、等の硬脆材料あるいは金属材
料からなる薄肉円盤の円周部の加工方法および加工装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの基板材料として、シリ
コンウェーハ等の半導体ウェーハは、多結晶シリコンを
原料とし、単結晶シリコンインゴットの引き上げに始ま
り、いくつかの加工工程を経て、シリコンウェーハ(ベ
アシリコンウェーハ)となる。その製造工程は、例え
ば、特開平5−13388号公報に記載されているが、
いくつかの工程の中に、ウェーハの外周部を仕上げ加工
する工程がある。
【0003】ウェーハの外周部は、平面部(表面)と異
なり、デバイスを形成する部分でないため、ダメージフ
リーといった高品位が求められることはなく、従来は、
粗研削加工により面取りがなされた後、化学エッチング
によりダメージ除去の処理のみが行われていた。しか
し、この状態のウェーハ外周部には、凹凸やマイクロク
ラックが残留している。その結果、デバイス製造工程に
おいて、ウェーハハンドリング時に、凹凸部からクラッ
クが生じ、また残留していたマイクロクラックから、発
塵が生じるという問題が発生したり、クラック残留に基
づく、ウェーハ強度の劣化といった問題が生じてしま
う。他にも、ウェーハ外周付近での、成膜異常といった
問題も指摘されている。
【0004】そこで、特開平5−13388号公報記載
のように、化学エッチング工程の後に、研磨布を用い、
研磨剤スラリーを供給しながら加工を行う、すなわち、
研磨加工仕上げが実施されるようになっている。研磨加
工仕上げを行うことにより、ウェーハ外周部の凹凸やマ
イクロクラックを、不具合ない程度にまで減少すること
ができる。具体的には、研磨布としては、平面部の研磨
加工で用いられている、不織布やウレタン発泡樹脂等が
主に用いられ、研磨剤スラリーとしても、やはり平面部
の研磨加工で用いられている、コロイダルシリカスラリ
ーが主に用いられる。
【0005】なお、化学エッチング処理により、ウェー
ハ外周部の凹凸が増大するため、この工程を省略する製
造方法(特開平8−236489号公報に記載)が提案
されたり、使用する化学エッチング液として、廃液処理
や環境に対し問題を有する混酸(フッ酸、硝酸、酢酸の
混合液)ではなく、水酸化ナトリウム等の溶液によるア
ルカリ液を用いることが提案されている。後者の場合、
ウェーハ外周部の凹凸がより増大する傾向にあるため、
後続の工程である、外周部の仕上げ加工における除去量
が増加してしまう。そこで、この外周部の仕上げ加工工
程において、研磨加工に先立ち、若干の研削加工を行
い、加工時間の短縮を図る方法が提案されている(特開
平9−57584号公報、特開平9−57585号公報
に記載)。ところで、上記ウェーハ外周部の仕上げ加工
に関連する技術として、加工方法、加工装置、加工工
具、加工工程について、様々な提案がなされている。
【0006】まず、工具として研磨布を用い、研磨剤ス
ラリーを供給しながら仕上げ研磨加工を行う方式におい
て、加工方法・加工装置として、特開平5−6881号
公報、特開平5−23959号公報、特開平5−123
952号公報、特開平5−243196号公報、特開平
7−50279号公報、特開平9−94746号公報、
特開平10−29142号公報、特開平10−7154
9号公報、特開平10−328989号公報、特開平1
1−70450号公報、等に開示された技術が、また、
研磨布工具として、特開平5−152260号公報等に
開示された技術が知られている。なお工具として、不織
布等よりも硬度が高い、鋳鉄やステンレス製の工具を用
いる発明もなされているが、工具硬度が高く、鏡面に仕
上げることな困難なため、仕上げ研磨加工工程ではな
く、粗研削加工工程への適用とされている(特開平10
−71549号公報に記載)。
【0007】一方、ウェーハ外周部には、デバイス製造
工程における位置あわせや結晶方位あわせのための基準
として、オリエンテーションフラットと呼ばれる直線状
の切り欠きが設けられている。最近になり、ウェーハ1
枚あたりのチップ収率を高めるために、より小さい切り
欠きとして、ノッチと呼ばれる円弧状あるいはV字状の
切り欠きが主流になってきた。ノッチにすることで、切
り欠き部が小さくなるため、各種加工や乾燥工程で、ウ
ェーハが回転運動するときに、その運動バランスが良好
になるという長所もある。
【0008】オリエンテーション部やノッチ部は、連続
的な形状である円周部とは異なるため、上記の諸技術と
は異なる加工方法や工具が開発されている。例えば、特
開平7−50279号公報記載の技術においては、ウェ
ーハ円周部とオリエンテーションフラット部とを、異な
る研磨布を用いて加工することにより、加工速度の向上
を図っている。ノッチ部仕上げ用の加工方法や加工装置
に関しては、特開平7−1322号公報、特開平8−1
68947号公報、特開平8−236490号公報、等
に開示されている。いずれも、工具として研磨布を用
い、研磨剤スラリーを供給しながら仕上げ研磨加工を行
っているが、特開平8−168947号公報記載の技術
においては、工具として、研磨ベルトや研磨フィルムの
使用も考慮している。
【0009】以上、工具として研磨布を用い、研磨剤ス
ラリーを供給しながら仕上げ研磨加工を行う方式に関す
る従来技術を述べたが、このような遊離砥粒研磨加工方
式は、廃液処理、劣悪な加工環境、高いランニングコス
ト、低い加工能率といった問題があり、固定砥粒加工工
具を用いた加工方式の適用が検討されている。
【0010】この固定砥粒加工工具を用いた加工方式と
して、研磨フィルムを工具に用いた加工方法、加工装置
等の提案が行われている。そして、関連する改良技術と
して、特開平7−100748号公報、特開平7−17
1749号公報、特開平7−237100号公報、特開
平8−168946号公報、等に記載のものが知られて
いる。
【0011】また、研磨フィルムを工具に用いた加工に
おいても、オリエンテーションフラット部やノッチ部加
工を目的とした加工方法、加工装置等の発明がなされて
いる(例えば、特開平7−100748号公報、特開平
7−124853号公報、特開平8−118226号公
報、特開平9−76148号公報に記載)。
【0012】固定砥粒加工工具を用いる、もう一つの方
法として、研削砥石を工具として用いる加工法がある。
そして、関連する改良技術として、特開平6−2105
20号公報、特開平7−58065号公報、特開平8−
90401号公報、特開平8−197400号公報、特
開平10−189508号公報、等に記載のものが知ら
れている。
【0013】以上のように、半導体ウェーハの外周部の
仕上げ加工には、従来、研磨布と研磨剤スラリーを用い
た遊離砥粒研磨加工法が用いられてきたが、廃液処理、
高ランニングコストといった問題が顕在化してきた。ま
た、先記のように、遊離砥粒研磨加工は加工能率が一般
に低く、ウェーハ外周部の研磨仕上げ加工には、1枚あ
たり、おおよそ7分間も要しており、他の加工工程(例
えば、両面ラッピング加工等)では1〜2分間であるこ
とを考慮すると、極めて加工能率が悪いことがわかる。
そこで、加工能率の高い、研磨フィルムや研削砥石とい
った、固定砥粒加工工具の適用が切望されるに至ってい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来考
案あるいは開発された、ウェーハ外周部の仕上げ加工法
においては、加工部位による使用工具の適正化につい
て、十分に検討がなされていなかった。すなわち、従来
のいずれの加工法においても、工具の作用形態こそ違え
るものの、ウェーハの円周部とノッチ部とで、使用工具
を替え、適正化を図ることは行われてこなかった。この
場合、以下のような問題が生じる。
【0015】まず、固定砥粒加工工具として、研削砥石
を用いる場合、良好な加工を行うためには、通常、数百
m/min以上の工具速度が必要とされる。したがっ
て、ウェーハ円周部に対しては、大きな直径を有する研
削砥石を使用できるため、高い工具速度を実現できる
が、ノッチ部に対しては、小径の研削砥石しか使用でき
ず、十分な工具速度を確保することができない。その結
果、現状では、研削砥石の摩耗が激しく、工具交換サイ
クルが早すぎる、研削砥石の目づまりが生じやすい、ま
たノッチ形状精度が劣化しやすい、さらにはノッチ部の
加工面品位が円周部に比べ、極めて悪い、といった問題
がある。ノッチ部を大径の研削砥石を用いて加工するこ
とも考えられるが、その場合、ウェーハ表面に対し、研
削砥石の回転軸を平行にする、工具作用形態をとる必要
がある。しかし、ノッチ部を含め、ウェーハ円周部は面
取りが施されており、ウェーハ表面に対し、研削砥石の
回転軸を平行にして加工を行うためには、面取り部上
段、中央部、下段といった、3カ所にわけて、それぞれ
研削加工を行う必要が生じ、加工時間の短縮を達成する
ことができない。
【0016】一方、研磨フィルムは、研削砥石に比べ、
砥粒保持強度および工具剛性が低く、また工具速度が相
対的に低いことから、加工除去能力に劣る。その結果、
ウェーハ外周部全体の仕上げ加工に適用する場合、加工
時間の短縮を実現することができない。
【0017】なお、半導体ウェーハに限らず、水晶、ガ
ラス、アルチック、等の硬脆材料あるいは金属材料から
なるディスク、ウェーハの円周部の加工についても前述
と同様の問題が生じる。ドーナッツ形状を有するガラス
ディスク等においては、小径穴の内周加工において、上
記外円周上切欠き部加工と、同様の問題が発生してい
る。近年、ガラスディスク等の小径穴加工に関しても、
発塵の防止、ディスク装置への取り付け精度の向上等を
目的とし、遊離砥粒による研磨加工仕上げが行われてお
り、廃液処理、劣悪な加工環境、高いランニングコス
ト、低い加工能率といった問題が懸念されている。そこ
で、小径穴加工を研削砥石により行うことが考えられる
が、外円周部の切欠き部加工時と同様に、小径の研削砥
石しか使用できず、十分な工具速度を確保することがで
きない、砥石の摩耗が激しい、といった問題がある。
【0018】また、特開平9−123050号公報、特
開平10−44007号公報や特開平11−70450
号公報の記載によれば、研磨布や研磨フィルムの走行方
向に一致する加工マークが、加工面上に形成される問題
も指摘されている。
【0019】本発明の目的は、このような問題点を改善
し、薄肉円盤の円周部の仕上げ加工において、加工能率
および加工面品位の向上に好適な加工方法および加工装
置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
薄肉円盤の円周部の仕上げ加工方法であって、薄肉円盤
の外周部を研削砥石により加工する研削工程と、薄肉円
盤の外周上の切欠き部又は内周部を研磨フィルムにより
加工する研磨工程と、を有することに特徴がある。
【0021】この方法により、従来の遊離砥粒研磨加工
を固定砥粒加工工具による加工に置き換えることができ
るため、廃液処理や高ランニングコスト、さらには低加
工能率といった問題を解決することができる。
【0022】また、前記研削砥石による、薄肉円盤の外
周部の加工の場合、大径の研削砥石を用いることができ
るため、十分に高い工具速度を確保することができ、良
好な加工を実現できる。また、研磨フィルムではなく、
研削砥石を用いるため、高い加工能率を達成できる。
【0023】そして、外周上の切欠き部又は内周部に対
しては、研磨フィルムによる加工を行うことにより、同
様に良好な加工を実現できる。切欠き部又は内周部の加
工にフィルム研磨加工を適用する長所また良好な加工を
実現できる理由は、以下の通りである。まず、研磨フィ
ルムは、研削砥石と異なり、可撓性を有するため、ノッ
チのような複雑形状、又は内周部のように使用可能な工
具径が外周部に比べて小さい部分、の加工に適してい
る。また、研削砥石に比べると、工具速度を高く設定で
きないが、研削砥石に比べ、高い砥粒率にしやすいこと
から、良好な加工面品位を達成できる。高い砥粒率にし
た場合、目づまりが生じやすい、という問題が生じる
が、研磨フィルムは研削砥石と異なり、長尺フィルムを
繰り出し、常にフィルムの新面を用いながら加工できる
ため、目づまり問題を解決することができる。
【0024】このように、薄肉円盤外周部には研削砥石
を、薄肉円盤外周部に比べて小面積であるが複雑形状で
ある切欠き部、又は使用可能な工具径が外周部に比べて
小さい内周部には研磨フィルムを、その加工に用いるこ
とで、研磨仕上げ相当の高加工面品位を、高い加工能率
で達成することができる。
【0025】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記研削工程では、メカノケミカル作用を生じる砥
粒を用いた研削砥石を用いることを特徴がある。
【0026】特願平10−366863号、特願平11
−082171号、特願平11−237467号で提案
されているように、シリカを砥粒に用いた固定砥粒加工
工具により、シリコンをメカノケミカル加工することが
でき、研磨仕上げ同等の高品位加工面を得られることが
見出されている。メカノケミカル作用を生じる砥粒とし
て、シリカ砥粒の他に炭酸バリウム砥粒等が挙げられ、
また、例えばガラスを加工対象とした場合には、酸化セ
リウム砥粒等が挙げられる。
【0027】なお、特開平8−90401号公報記載の
技術では、ウェーハ外周部の鏡面仕上げ用砥石として、
シリカを砥粒に用いた砥石を提案しているが、使用法と
して、水溶性加工液を用いている。発明者らは、水溶性
加工液を用いると、シリカによるシリコンへのメカノケ
ミカル作用が抑制され、加工除去作用が殆ど失われるこ
とを確認しており、実現することは極めて困難である。
特開平8−197400号公報記載の技術では、やはり
ウェーハ外周部の鏡面仕上げ用砥石として、弾性結合剤
を用いた微細砥粒砥石を提案しているが、研磨仕上げ同
等の加工面品位を達成するには、メカノケミカル加工の
実現が不可欠であり、特開平8−197400号公報記
載のように、機械的除去作用に基づき、高品位加工面を
達成することは、極めて困難である。
【0028】請求項3記載の発明は、請求項1におい
て、前記研磨工程では、メカノケミカル作用を生じる砥
粒を用いた研磨フィルムを用いることに特徴がある。
【0029】請求項4記載の発明は、請求項2、3にお
いて、前記メカノケミカル作用を生じる砥粒の一次粒子
平均粒径が0.8nm〜10μmであることに特徴があ
る。
【0030】前記メカノケミカル作用を生じる砥粒の平
均粒径が0.8nm未満であると、機械的作用が微小に
なりすぎ、所望のメカノケミカル作用を発生することが
できす、また加工量を得ることができない。一方、メカ
ノケミカル作用を生じる砥粒の平均粒径が10μmを超
えると、機械的作用が強すぎ、工作物であるディスクの
外周部に加工ダメージを発生させる恐れがある。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項1〜4にお
いて、前記研削工程および研磨工程を乾式で行うことに
特徴がある。
【0032】乾式で加工を行うことにより、請求項2〜
4における前記砥粒によるメカノケミカル加工を行うこ
とができ、同時に、加工液供給による作業環境の悪化や
ランニングコスト等の問題を解決することができる。
【0033】請求項6記載の発明は、薄肉円盤の円周部
を仕上げ加工する加工装置であって、薄肉円盤の外周部
を研削砥石により加工する研削加工装置と、薄肉円盤の
外周上の切欠き部又は内周部を研磨フィルムにより加工
するフィルム研磨加工装置と、前記研削加工装置、フィ
ルム研磨加工装置間で薄肉円盤を移動し、該薄肉円盤を
位置決め、固定する搬送装置と、を備えたことに特徴が
ある。
【0034】薄肉円盤の外周部を研削砥石により加工す
る一方、切欠き部(ノッチ部)又は内周部を研磨フィル
ムにより加工する加工装置により、薄肉円盤の円周部の
仕上げ加工を、高能率、高品位にかつ高効率に行うこと
ができる。
【0035】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、前記研削砥石および研磨フィルムには、メカノケミ
カル作用を生じる砥粒を用いたことに特徴がある。
【0036】請求項8記載の発明は、請求項7におい
て、前記メカノケミカル作用を生じる砥粒の一次粒子平
均粒径が0.8nm〜10μmであることに特徴があ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、メカノケミカル作用を生じる砥粒を用い、シ
リコンウェーハ等の半導体ウェーハや水晶、ガラス、ア
ルチック、等の硬脆材料あるいは金属材料からなる薄肉
円盤(ディスク、ウェーハ、等)の円周部を固定砥粒加
工によって仕上げる加工方法および加工装置の広範囲な
応用をも含むものである。
【0038】〈構成〉図1に、本発明の実施の一形態に
おける加工装置の概略構成を示す。
【0039】加工装置100は、研削装置(研削加工装
置)10、搬送装置20、フィルム研磨装置(フィルム
研磨加工装置)30を備え、各装置10、20、30は
それぞれ独立したブロックに配置されて、図示しない制
御部によりそれぞれ独立に制御可能なものである。
【0040】研削装置10は、ワーク移動部11および
研削部12からなり、このワーク移動部11および研削
部12はともにベース上に設置されている。
【0041】ワーク移動部11において、ベース上に設
けられた一対のガイドレール13上にスライドテーブル
14が水平方向(矢印方向)にスライド自在に設けられ
ている。スライドテーブル14を移動させる機構は、例
えばガイド一体形ボールネジをモータ駆動で回転させる
構成、ラックとピニオンによる構成、等を用いて実現す
ることができる。
【0042】このスライドテーブル14上には、ワーク
テーブル16に連結されたワーク回転用モータ15が固
定されている。このワークテーブル16には図示しない
真空吸着パッドが複数設けられ、搬送装置20によって
テーブル上に位置決め・載置されたディスク状のワーク
(ディスク、ウェーハ、等)2をテーブル下方から吸着
固定するように構成されてる。
【0043】研削部12において、ガイドレール13の
片側(搬送装置20の反対側)の架台17には図示しな
い一対のガイドレールが垂直方向に設けられており、こ
のガイドレール上にはスライダ50がスライド自在に支
持されている。スライダ50を移動させる昇降機構は、
例えばガイド一体形ボールネジをモータ駆動で回転させ
る構成、ラックとピニオンによる構成、等を用いて実現
することができる。
【0044】このスライダ50には、研削砥石3にその
回転軸を連結された研削用モータ19が固定されてい
る。
【0045】研削砥石3は、メカノケミカル作用を生じ
る砥粒を含む樹脂、セラミックス、金属、等の結合剤混
合物から形成された、あるいは砥粒のみから形成された
もので、砥粒の平均粒径は0.8nm〜10μmに設定
されている。これは、使用する砥粒の平均粒径が0.8
nm未満であると、機械的作用が微小になりすぎ、所望
のメカノケミカル作用を発生することができす、また加
工量を得ることができない一方で、使用する砥粒の平均
粒径が10μmを超えると、機械的作用が強すぎ、工作
物であるディスクの外周部に加工ダメージを発生させる
恐れがあるためである。なお、シリカ砥粒を含む研削砥
石の製造方法は、特願平11−237467号で詳述さ
れたとおりである。本実施形態では、図2に示すように
研削砥石3を層形とし、円筒の周面にテーパを有する複
数の溝3a〜3cを形成している。研削加工時には、溝
3a〜3cのテーパ部にディスク2の円周部を当接させ
て研削し、研削砥石3の摩耗に対しては溝3a〜3cを
適宜変更して使用する。
【0046】なお、メカノケミカル作用を生じる砥粒と
しては、加工対象がシリコンウェーハの場合はシリカ砥
粒を用いるが、これに限らず炭酸バリウム砥粒等を用い
てもよい。また、例えばガラスを加工対象とした場合に
は、酸化セリウム砥粒等を用いてもよい。
【0047】搬送装置20は、床面に旋回軸を有し、ロ
ボットハンド(リンク部23)を水平方向に回転移動す
るピボット部21、ピボット部21上に配置されてリン
ク部23を昇降させるスライダ部22、ピボット部21
およびスライダ部22に一端を連結され、他端に吸着パ
ッドを備えたリンク部23、から構成される。
【0048】ピボット部21は、例えばDCサーボモー
タから発生するトルクをギア機構を介してリンク部23
へ伝達する。この際、リンク部23の回転角度は電気信
号として取り出され、前記制御部へフィードバックされ
るように構成されている。
【0049】スライダ部22は、例えばDCサーボモー
タの駆動でボールネジや長ネジ等を回転させ、その回転
をスライドベアリングやロッドを介して直線運動に変換
する。この際、リンク部23の昇降量(移動距離)は電
気信号として取り出され、前記制御部へフィードバック
されるように構成されている。
【0050】リンク部23は、ピボット部21、スライ
ダ部22の駆動量に基づくフィードバック制御によっ
て、ディスク2の移動、位置決め、固定等のマニピュレ
ーション機能を実現する。すなわち、図示しない前工程
からベルトコンベア等で搬送されてきたディスク2を1
枚ずつ吸着し、研削装置10のワークテーブル16に移
動・載置する一方、外周部研削後のディスク2を吸着し
て研磨装置30のワークテーブル37に移動・載置す
る。
【0051】フィルム研磨装置30は、ワーク移動部3
3および研磨部32からなり、このワーク移動部33お
よび研磨部32はともにベース上に設置されている。
【0052】ワーク移動部33においては、ベース上に
設けられた一対のガイドレール34上にスライドテーブ
ル35が水平方向(矢印方向)にスライド自在に設けら
れている。スライドテーブル35を移動させる機構は、
前述のように例えばガイド一体形ボールネジをモータ駆
動で回転させる構成、ラックとピニオンによる構成、等
を用いて実現することができる。
【0053】このスライドテーブル35上には、ワーク
テーブル37に連結されたワーク回転用モータ(例え
ば、ステッピングモータで構成)36が固定されてい
る。このワークテーブル37には図示しない真空吸着パ
ッドが複数設けられ、搬送装置20によってテーブル上
に位置決め・載置されたディスク2をテーブル下方から
吸着固定するように構成されてる。
【0054】研磨部32において、テープ状の研磨フィ
ルム1は繰り出しリール40に繰り出し自在に巻回さ
れ、繰り出された研磨フィルム1は加圧ローラ41を介
して巻き取りリール39に巻き取られる。繰り出しリー
ル40および巻き取りリール39の駆動モータ(図示せ
ず)は、ともに正逆転可能に構成され、両駆動モータを
同期制御することによって、研磨フィルム1は上下方向
に往復走行し、ワークテーブル37に位置決め固定され
たディスク2の切欠き部2a(図3に示す)を加圧しな
がら研磨加工するように構成されている。
【0055】研磨フィルム1は、図4に示すようにメカ
ノケミカル作用を生じる砥粒1cを含む結合剤樹脂1b
を基材となる樹脂フィルム1a上に塗布し、乾燥、硬化
して形成されたもので、前述した理由により砥粒の平均
粒径は0.8nm〜10μmに設定されている。なお、
シリカ砥粒を含む研磨フィルムの製造方法は、特願平1
1−237467号で詳述されたとおりである。また、
メカノケミカル作用を生じる砥粒としては、加工対象が
シリコンウェーハの場合はシリカ砥粒を用いるが、これ
に限らず、例えば炭酸バリウム砥粒等を用いてもよい。
また、加工対象が例えばガラスの場合には、酸化セリウ
ム砥粒等を用いてもよい。研磨加工時には、研磨フィル
ム1の砥粒側(表側)を加圧ローラ41によってディス
ク2の切欠き部2aに圧接させ、研磨フィルム1を上下
方向に走行させて切欠き部2aを研磨する。ここで、研
磨フィルム1の幅(テープ幅)は切欠き部2aの幅より
僅かに広く設定されている。
【0056】加圧ユニット31は、研磨フィルム1の基
材側(裏側)に設けられ、加圧ローラ41を回転自在に
支持する枠体、この枠体を左右方向に移動可能なエアシ
リンダ38、および、図示しない駆動モータの駆動によ
り前記枠体を前後方向(研磨フィルム1の走行方向と直
行する方向)に旋回・揺動させる揺動機構、等を備え
る。加圧ローラ41は弾性体からなり、その外周形状、
厚さ、等は切欠き部2aの形状に対応するように形成さ
れている。エアシリンダ38は、前記制御部によって研
磨フィルム1の研磨圧が所定値となるように制御され、
研磨加工時には前記枠体を押圧することで研磨フィルム
1をディスク2側に押圧付勢する。
【0057】なお、前述の研削装置10、フィルム研磨
装置30の詳細な構成については、特願平8−9040
1号公報、特願平9−76148号公報に開示されてい
る。
【0058】また、ワーク(ディスク2)の位置決めに
ついては、ワークテーブル16、37上面を視覚センサ
(例えば、TVカメラ、CCDイメージセンサ、ビジコ
ン、等で構成)で画像認識し、さらにパーソナルコンピ
ュータ等で画像処理し、そのワークテーブル16、37
に予め設けたマークを基準にしてワークの中心座標を求
め、この座標に基づいてリンク23の移動を制御する一
方、リンク23先端に視覚センサを取り付け、保持する
ワークの画像を認識することでワークとワークテーブル
16、37の相対位置を微調整するように、位置決め機
構を構成してもよい。この種の位置決め機構の構成は、
特願平10−23914号公報に詳細に開示されてい
る。
【0059】〈加工方法〉ここで、本実施形態における
ディスク外周部の仕上げ加工方法を説明する。加工対象
のディスク2は、前工程として少なくとも面取り工程、
ラッピング工程、エッチング工程が行われているものと
する。
【0060】本実施形態の加工方法には、ディスク2の
円周部を研削砥石3により加工する研削工程と、ディス
ク2の円周上の切欠き部を研磨フィルム1により加工す
る研磨工程と、を含む。
【0061】まず、研削工程について述べる。
【0062】搬送装置20では、前工程からベルトコン
ベア等で搬送されてきたディスク2をリンク部23の吸
着パッドで1枚ずつ吸着し、研削装置10のワークテー
ブル16に移動・載置する。この際、スライドテーブル
14が所定位置で停止するように、図示しないロック機
構でロックし、ワークテーブル16が停止した状態で、
その回転中心とディスク2の中心とが一致するように位
置合わせする。
【0063】次いで、研削装置10では、ワークテーブ
ル16上の吸着パッドで位置あわせ済みのディスク2を
吸着・固定し、スライドテーブル14とスライダ50を
移動させ、研削砥石3とディスク2を所定位置に位置決
めする。
【0064】次いで、ワークテーブル16および研削砥
石3をそれぞれ回転させるとともに、スライドテーブル
14を水平方向(研削砥石3側)に移動し、ディスク2
の円周部を研削砥石3の溝3a〜3cの何れかに当接さ
せ、さらにスライドテーブル14を所定量移動させるこ
とによってディスク2の面取り部を鏡面加工する。
【0065】こうして鏡面加工(研削加工)が終了した
後、ワークテーブル16および研削砥石3の回転を停止
するとともに、スライドテーブル14を水平方向(搬送
装置20側)に移動・停止し、所定位置で待機させる。
【0066】次に、研磨工程について述べる。
【0067】研削加工の後、搬送装置20のピボット部
21により、リンク部23を研削装置10側に所定量回
転させ、さらにスライド部22によってリンク部23を
所定量下降させる。この回転・下降動作で、リンク部2
3の吸着パッドがワークテーブル16上のディスク2に
接触するので、リンク部23の吸着パッドによりそのデ
ィスク2を上方から吸着するとともに、ワークテーブル
16下方からの吸着を解除する。
【0068】次いで、スライド部22によってリンク部
23を所定量上昇させた後、ピボット部21により、リ
ンク部23をフィルム研磨装置30側に所定量回転させ
る。さらに、スライド部22によってリンク部23を所
定量下降させ、リンク部23に吸着されたディスク2を
ワークテーブル37上に移動・載置する。この際、ワー
クテーブル37の回転中心とディスク2の中心とが一致
し、かつ加圧ローラ41外周とディスク2の切欠き部2
aが対向するように位置合わせする。この際、必要に応
じてワークテーブル37を回転させる。
【0069】次いで、フィルム研磨装置30では、ワー
クテーブル37の吸着パッドで位置あわせ済みのディス
ク2を下方から吸着・固定するとともに、リンク部23
の吸着を解除する。この後、スライド部22によってリ
ンク部23を所定量上昇させ、さらにピボット部21に
より、リンク部23を研削装置10側に所定量回転させ
る。
【0070】次いで、スライドテーブル35を研磨部3
2側に所定量移動させてディスク2を加圧ローラ41に
近づけた後、エアシリンダ38を駆動し、切欠き部2a
に加圧ローラ41に付勢された研磨フィルム1を所定の
研磨圧で当接させる。
【0071】次いで、巻き取りリール39および繰り出
しリール40を上下に往復走行させ、加圧ローラ41に
付勢された研磨フィルム1によって切欠き部2aを研磨
する。この際、切欠き部2aとディスク2の外周部との
境界はワークテーブル37を必要量、正逆回転すること
によって研磨する。また、図示しない駆動モータおよび
揺動機構により、必要に応じて前記枠体を上下方向に揺
動させる。
【0072】次いで、切欠き部2a研磨後、巻き取りリ
ール39および繰り出しリール40の走行、およびエア
シリンダ38の押圧を停止し、研磨位置から加圧ローラ
41を退避させる。
【0073】次いで、搬送装置20のピボット部21に
より、リンク部23をフィルム研磨装置30側に所定量
回転させ、さらにスライド部22によってリンク部23
を所定量下降させる。この回転・下降動作で、リンク部
23の吸着パッドがワークテーブル37上のディスク2
に接触するので、そのディスク2を上方から吸着すると
ともに、ワークテーブル37下方からの吸着を解除す
る。
【0074】次いで、スライド部22によってリンク部
23を所定量上昇させた後、ピボット部21により、リ
ンク部23を次工程(エア洗浄工程)側に回転させ、図
示しないエア洗浄装置へと搬送する。
【0075】なお、本実施形態では、研磨フィルム1を
ディスク表面に直交する方向に走行させているが、ディ
スク表面と平行する方向に走行させる加工方式を採用し
てもよい。この加工方式は、特開平7−124853号
公報に開示された公知技術である。
【0076】また、本実施形態では、ディスク2の搬送
経路にしたがい、説明を行ったが、研削加工装置ブロッ
クとフィルム研磨加工装置ブロックは独立しているた
め、別のディスク(あるいはウェーハ)が、同時に各々
の加工を施されるように制御することもできる。
【0077】〈他の実施形態〉他の実施形態として、例
えばガラスディスク等、ドーナッツ形状を有するディス
クの円周加工に本発明を適用してもよい。具体的には、
図1のフィルム研磨装置30を図5のフィルム研磨装置
30′に置き換え、ドーナッツ形状を有するディスク
2′の外周加工を図1の研削装置10によって行った
後、フィルム研磨装置30′によってディスク2′の内
周部を研磨加工する。
【0078】このフィルム研磨装置30′のワーク移動
部33′においては、前述のようにベース上に設けられ
た一対のガイドレール34上にスライドテーブル35が
水平方向(矢印方向)にスライド自在に設けられてい
る。スライドテーブル35上には、ワークテーブル3
7′に連結されたワーク回転用モータ36が固定されて
いる。このワークテーブル37′には、ディスク2′の
内周部を囲むようにこの内周より大きい径の穴部が形成
され、また前述のようにディスク2′をテーブル下方か
ら吸着固定する真空吸着パッド(図示せず)が複数設け
られている。
【0079】研磨部32′において、テープ状の研磨フ
ィルム1′は繰り出しリール40′に繰り出し自在に巻
回され、繰り出された研磨フィルム1′は加圧ローラ4
1′を介して巻き取りリール39′に巻き取られる。前
述の駆動モータを同期制御することによって、研磨フィ
ルム1′は左右方向に往復走行し、ワークテーブル3
7′に位置決め固定されたディスク2′の内周部を加圧
ローラ41′によって加圧するとともに、ワーク回転用
モータ36を所定速度で駆動することによってワークテ
ーブル37′上のディスク2′を回転させながら、その
内周部を研磨フィルム1′で研磨加工するように構成さ
れている。この研磨フィルム1′の幅(テープ幅)はデ
ィスク内周部の径よりも狭く、かつ加圧ローラ41′の
幅よりも広く設定されている。なお、研磨フィルム1′
は前述の方法で製造されるが、ガラスディスクを加工す
る場合には、メカノケミカル作用を生じる砥粒1cとし
て酸化セリウム砥粒等を用いる。
【0080】加圧ユニット31′は、研磨フィルム1′
の基材側(裏側)に設けられ、加圧ローラ41′を回転
自在に支持する枠体、この枠体を前後方向および上下方
向に移動可能なエアシリンダ38′、および、図示しな
い駆動モータの駆動により前記枠体を左右方向に旋回・
揺動させる揺動機構、等を備える。加圧ローラ41′は
弾性体からなり、その外周形状、厚さ、等はディスク内
周部の形状に対応するように形成されている。エアシリ
ンダ38′は、前述のように前記枠体を移動し、研磨フ
ィルム1′の砥粒側(表側)をディスク2′の内周部に
押圧付勢する。
【0081】ディスク内周部の研磨工程においては、外
周部の研削加工の後、前述のように搬送装置20によっ
てディスク2′をフィルム研磨装置30′側に移動し、
ワークテーブル37′の回転中心とディスク2′の中心
とが一致し、かつ加圧ローラ41′外周とディスク内周
部が対向するように位置合わせする。
【0082】次いで、フィルム研磨装置30′では、ワ
ークテーブル37′の吸着パッドで位置あわせ済みのデ
ィスク2′を下方から吸着・固定した後、エアシリンダ
38′を駆動し、前記枠体を上下、左右方向に所定量移
動させて加圧ローラ41′をディスク内周部に近づけた
後、その内周部に加圧ローラ41′に付勢された研磨フ
ィルム1′を所定の研磨圧で当接させる。
【0083】次いで、巻き取りリール39′および繰り
出しリール40′を左右に往復走行させるとともに、ワ
ークテーブル37′を所定速度で回転させながら、ディ
スク内周部を研磨する。また、図示しない駆動モータお
よび揺動機構により、必要に応じて前記枠体を前後方向
に揺動させる。
【0084】次いで、ディスク2′の内周部研磨後、巻
き取りリール39′および繰り出しリール40′の走
行、ワークテーブル37′の回転、およびエアシリンダ
38′の押圧を停止し、さらに研磨位置から加圧ローラ
41′を退避させる。
【0085】次いで、搬送装置20により、前述のよう
に研削・研磨加工後のディスク2′を次工程(エア洗浄
工程)側に回転させ、図示しないエア洗浄装置へと搬送
する。
【0086】前述の実施形態によれば、ディスク2、
2′の円周部の仕上げ加工において、加工面積の大きい
外周部を研削砥石3により加工し、加工面積が小さく、
かつ形状が複雑な切欠き部2a(ノッチ部)、又は使用
可能な工具径が外周部に比べて小さい内周部を、研磨フ
ィルム1、1′により加工することにより、安定かつ高
能率・高効率に加工を行うことができる。
【0087】また、前述の実施形態によれば、研削砥石
3および研磨フィルム1、1′に用いる砥粒として、メ
カノケミカル作用を及ぼす砥粒(シリカ砥粒、炭酸バリ
ウム砥粒、あるいは酸化セリウム砥粒等)を用いること
で、これら固定砥粒加工工具を用いても、従来の遊離砥
粒研磨仕上げと同等の高品位な加工面を得ることができ
る。
【0088】また、前述の実施形態によれば、研削・研
磨加工を乾式で行うことにより、メカノケミカル作用を
生じる砥粒によってメカノケミカル加工を行うことがで
き、同時に、加工液供給による作業環境の悪化やランニ
ングコストの増大を抑えることができる。
【0089】また、前述の実施形態によれば、メカノケ
ミカル加工を行うことができるとともに、研磨布や研磨
フィルムの走行方向に一致する加工マーク(すじ等)
が、加工面上に形成されることがない。
【0090】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0091】本実施例では、前述のシリカ砥粒を用いた
研削砥石3を備えた研削装置10、真空吸着パッド付き
のロボットハンド23を備えた搬送装置20、およびシ
リカ砥粒を用いた研磨フィルム1を備えたフィルム研磨
装置30、からなる加工装置100を用い、8インチシ
リコンウェーハ2(ノッチあり、化学エッチング処理仕
上げ)に対し、ウェーハ外周部の仕上げ加工を実施し
た。
【0092】研削砥石3および研磨フィルム1として
は、一次粒子平均粒径が20nmからなるシリカ砥粒を
用い、研削砥石3としてはフェノール樹脂を結合剤とし
たレジンボンド研削砥石を、研磨フィルム1としてはポ
リエチレンテレフタートフィルムを基材とし、ウレタン
樹脂を結合剤としたフィルムを用いた。
【0093】まず、加工装置100に対し、前記シリコ
ンディスク2を投入後、真空パッドを用いたロボットハ
ンドリングにより、研削加工装置ブロックに投入する。
ここで、研削砥石3は、ウェーハ円周形状に対し層形の
砥石とし、砥石回転軸はウェーハ表面と直交している。
そして、ウェーハ2と研削砥石3を所定の回転数で回転
させ、研削砥石3をウェーハ外周に切り込ませる。この
研削工程により、ウェーハ外周の円周部は遊離砥粒研磨
仕上げと同等の鏡面に仕上げられる。
【0094】次いで、ウェーハ2は、真空パッドを用い
たロボットハンドリングにより、フィルム研磨加工装置
ブロックに投入される。ここで、研磨フィルム1は、ウ
ェーハ表面に直交する方向に走行し、ノッチ部を加工す
る。この際、必要に応じて、フィルム走行方向の直交方
向に揺動運動を付加する。この研磨工程により、ウェー
ハ外周のノッチ部2aは遊離砥粒研磨仕上げと同等の鏡
面に仕上げられる。
【0095】最後に、仕上げられたウェーハ2は、エア
洗浄が施された後、加工装置外に搬出される。
【0096】本実施例によれば、ウェーハ外周仕上げ
を、1分間以内(加工装置搬入から搬出までの全時間)
で完了することができた。これに対し、従来の遊離砥粒
研磨加工では、本実施例と同様のウェーハ外周仕上げに
7分間もの時間を要していた。
【0097】また、本実施例によれば、シリカ砥粒を用
いたメカノケミカル加工を行った際、研磨布や研磨フィ
ルムの走行方向に一致する加工マーク(すじ等)がウェ
ーハ外周部の加工面上に全く形成されなかった。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薄肉円盤の円周部の仕上げ加工において、加工面積の大
きい外周部を研削砥石により加工し、使用できる工具径
が小さい、小径穴内周部、あるいは、加工面積が小さ
く、かつ形状が複雑な切欠き部を、研磨フィルムにより
加工することにより、安定かつ高能率・高効率に加工を
行うことができる。
【0099】また、前記研削砥石および研磨フィルムに
用いる砥粒として、メカノケミカル作用を生じる砥粒を
用いることで、これら固定砥粒加工工具を用いても、従
来の遊離砥粒研磨仕上げと同等の高品位な加工面を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における加工装置の概略
構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の一形態における研削砥石の形状
を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態における加工対象のディ
スク(あるいはウェーハ)を示す図である。
【図4】本発明の実施の一形態における研磨フィルムの
断面を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態におけるフィルム研磨
装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、1′ 研磨フィルム 1a 基材(樹脂フィルム) 1b 結合剤樹脂 1c 砥粒 2、2′ ディスク(あるいはウェーハ) 2a 切欠き部(ノッチ部) 3 研削砥石 3a〜3c 溝 10 研削装置 11、33 ワーク移動部 12 研削部 20 搬送装置 21 ピボット部 22 スライダ部 23 リンク部 30、30′ フィルム研磨装置 31、31′ 加圧ユニット 32、32′ 研磨部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 俊之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷 泰弘 東京都世田谷区宮坂3丁目47番12号 (72)発明者 井上 茂 神奈川県愛甲郡愛川町中津4029番地 Fターム(参考) 3C049 AA02 AA03 AA13 AA16 AA18 AB03 AB06 BB06 CA01 CA06 CB01 CB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄肉円盤の円周部の仕上げ加工方法であっ
    て、 薄肉円盤の外周部を研削砥石により加工する研削工程
    と、 薄肉円盤の外周上の切欠き部又は内周部を研磨フィルム
    により加工する研磨工程と、 を有することを特徴とする薄肉円盤の円周加工方法。
  2. 【請求項2】前記研削工程では、メカノケミカル作用を
    生じる砥粒を用いた研削砥石を用いることを特徴とする
    請求項1記載の薄肉円盤の円周加工方法。
  3. 【請求項3】前記研磨工程では、メカノケミカル作用を
    生じる砥粒を用いた研磨フィルムを用いることを特徴と
    する請求項1記載の薄肉円盤の円周加工方法。
  4. 【請求項4】前記メカノケミカル作用を生じる砥粒の一
    次粒子平均粒径が0.8nm〜10μmであることを特
    徴とする請求項2、3記載の薄肉円盤の円周加工方法。
  5. 【請求項5】前記研削工程および研磨工程を乾式で行う
    ことを特徴とする請求項1〜4記載の薄肉円盤の円周加
    工方法。
  6. 【請求項6】薄肉円盤の円周部を仕上げ加工する加工装
    置であって、 薄肉円盤の外周部を研削砥石により加工する研削加工装
    置と、 薄肉円盤の外周上の切欠き部又は内周部を研磨フィルム
    により加工するフィルム研磨加工装置と、 前記研削加工装置、フィルム研磨加工装置間で薄肉円盤
    を移動し、該薄肉円盤を位置決め、固定する搬送装置
    と、 を備えたことを特徴とする加工装置。
  7. 【請求項7】前記研削砥石および研磨フィルムには、メ
    カノケミカル作用を生じる砥粒を用いたことを特徴とす
    る請求項6記載の加工装置。
  8. 【請求項8】前記メカノケミカル作用を生じる砥粒の一
    次粒子平均粒径が0.8nm〜10μmであることを特
    徴とする請求項7記載の加工装置。
JP30633599A 1999-08-24 1999-10-28 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置 Pending JP2001150311A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30633599A JP2001150311A (ja) 1999-09-14 1999-10-28 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置
US09/639,239 US6685539B1 (en) 1999-08-24 2000-08-16 Processing tool, method of producing tool, processing method and processing apparatus
US10/684,506 US20040082278A1 (en) 1999-08-24 2003-10-15 Processing tool, method of producing processing tool, processing method and processing apparatus
US11/149,223 US20050227591A1 (en) 1999-08-24 2005-06-10 Processing tool, method of producing processing tool, processing method and processing apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-260799 1999-09-14
JP26079999 1999-09-14
JP30633599A JP2001150311A (ja) 1999-09-14 1999-10-28 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001150311A true JP2001150311A (ja) 2001-06-05

Family

ID=26544754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30633599A Pending JP2001150311A (ja) 1999-08-24 1999-10-28 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001150311A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016193481A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 日本電気硝子株式会社 板ガラスの研磨加工方法及び研磨加工装置
JP2017081782A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 日本電気硝子株式会社 板ガラスの製造方法及び製造装置
JP2017154933A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 日本電気硝子株式会社 板ガラスおよびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016193481A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 日本電気硝子株式会社 板ガラスの研磨加工方法及び研磨加工装置
JP2017081782A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 日本電気硝子株式会社 板ガラスの製造方法及び製造装置
JP2017154933A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 日本電気硝子株式会社 板ガラスおよびその製造方法
KR20180119551A (ko) * 2016-03-02 2018-11-02 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 판유리 및 그 제조 방법
US20180370849A1 (en) * 2016-03-02 2018-12-27 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Plate glass and method for producing same
US10773994B2 (en) 2016-03-02 2020-09-15 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Plate glass and method for producing same
KR102614200B1 (ko) * 2016-03-02 2023-12-15 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 판유리의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6685539B1 (en) Processing tool, method of producing tool, processing method and processing apparatus
JP4838614B2 (ja) 半導体基板の平坦化装置および平坦化方法
JP3076291B2 (ja) 研磨装置
US8033893B2 (en) Grinding method of a disk-shaped substrate and grinding apparatus
US6336842B1 (en) Rotary machining apparatus
JP2009285738A (ja) 半導体基板の平坦化装置および平坦化方法
JP2017124484A (ja) 研削・研磨複合加工装置及び研磨装置
JPH09168953A (ja) 半導体ウェーハのエッジ研摩方法及び装置
JP3845215B2 (ja) 平面研削されたウェーハに対する鏡面研磨方法
JP2008018502A (ja) 基板研磨装置、基板研磨方法、及び基板処理装置
JP2001150311A (ja) 薄肉円盤の円周加工方法および加工装置
JP2007221030A (ja) 基板の加工方法
JP2010042453A (ja) ダイシング装置及びブレード先端形状形成方法
JP2001007064A (ja) 半導体ウエーハの研削方法
JP2001308049A (ja) 基板加工における加工手段の移動速度の補正方法
JP2018056500A (ja) 板状物の加工方法
JP5257752B2 (ja) 研磨パッドのドレッシング方法
JP2001138230A (ja) 基板の表裏面の研削方法およびそれに用いる研削装置
JP2013084688A (ja) サファイア基板の平坦化加工方法
JP7158701B2 (ja) 面取り研削装置
KR20010040249A (ko) 연마장치 및 그 장치를 사용한 반도체제조방법
JP2001310254A (ja) 平面研磨装置
JP2001351884A (ja) 基板の化学機械研磨装置
JP3427670B2 (ja) 研磨装置および研磨方法
JP5484172B2 (ja) 研磨パッドのテーパ面形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040618

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051129