JP2001147304A - シリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体およびその製造方法 - Google Patents

シリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体およびその製造方法

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JP2001147304A
JP2001147304A JP32979099A JP32979099A JP2001147304A JP 2001147304 A JP2001147304 A JP 2001147304A JP 32979099 A JP32979099 A JP 32979099A JP 32979099 A JP32979099 A JP 32979099A JP 2001147304 A JP2001147304 A JP 2001147304A
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lens array
plate
silica compound
coated
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JP32979099A
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Hiroyuki Nemoto
浩之 根本
Yasuto Sakai
康人 阪井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数個のマイクロレンズを有する樹脂レンズ
プレート面が、低光反射性で、耐薬品性、耐擦傷性及び
防水防油性等に優れ、しかも、そのプレートが対向貼り
合わ性に優れた樹脂正立等倍レンズアレイ組立体及びそ
の製造方法を提供するものである。 【解決手段】 樹脂レンズアレイ・プレート7の片面の
外周近傍に所定幅の平坦面2を有し、この平坦面の内側
面の少なくとも片面に多数個の凸形のマイクロレンズ4
を有し、このマイクロレンズが、所定のレンズピッチで
規則的に配列され、たプレート7の少なくとも2枚を用
いて、樹脂レンズアレイ・プレート4の表面に有機樹脂
プライマー層5が、その上にシリカ化合物層6が積層被
覆され、このプレートを対向接着させるに、対向側の外
周部の平坦面2に接着材を塗布させてプレートが接着さ
れているレンズアレイ面にシリカ被覆された樹脂正立等
倍レンズアレイ組立体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂正立等倍レン
ズアレイ組立体及びその製造方法に関し、より詳細に
は、多数個のマイクロレンズを有する樹脂レンズアレイ
・プレートをそのレンズ面を対向させて組立てられてい
る樹脂正立等倍レンズアレイ組立体であり、そのレンズ
アレイ面が、低光反射性で、耐薬品性、耐擦傷性、防水
防油性及び形状転写性等に優れ、しかも、そのレンズア
レイ・プレートが対向貼り合わ性に優れている樹脂正立
等倍レンズアレイ組立体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、ファクシミリ、プリ
ンタ等の電子写真画像形成装置の光学的処理領域に、透
明樹脂プレートからなる正立等倍レンズアレイが用いら
れている。
【0003】また、このような樹脂正立等倍レンズアレ
イは、さらには、2次元の画像を空間に結像させる2次
元画像空間伝送装置、例えば、タッチレススイッチ等へ
の利用が検討され、このような2次元画像空間伝送装置
の樹脂正立等倍レンズアレイでは、このレンズアレイ面
が3面以上でその多数個の球面マイクロレンズの光軸が
揃うことが必要とされ、そのために、レンズアレイ・プ
レート面のレンズピッチ等には高い精度が要求されてい
る。
【0004】また、このような透明樹脂レンズアレイ・
プレートとしては、レンズとしての観点から透明樹脂で
高光透過性で、高屈折率であって、しかも、平板レンズ
としての、機械的強度に優れ、特に低熱変形性で、成型
性に優れることが要求されている。
【0005】このような光学性が要求される観点から、
平板レンズアレイ・プレートの素材として、従来から、
ポリシクロオレフィン、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリ
カーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、エポキ
シ系樹脂、またはこれらの共重合体系樹脂等が挙げられ
る。
【0006】しかしながら、これらの樹脂の成形体にお
いても、その成型時、又はその使用時を通して、吸湿
性、防水防油性、光学性、複屈折性、熱変形性、表面硬
度、反り、耐クラック性、成形性等から未だ十分に満足
される樹脂レンズアレイ・プレートが得られていないの
が実状である。
【0007】また、このような平板なレンズアレイ・プ
レートで、ターゲットに光束を集光することを目的に、
多数個のマイクロ球面レンズを、高精度のレンズピッチ
で樹脂プレートに形成させる製造方法としては、例え
ば、特開平5−150102号公報に記載されている、
いわゆる型に、原盤を重ねて圧力を加えながら転写硬化
させる2P成型法が提案されている。
【0008】この2P成型法で、片面に微小な凸レンズ
が密に形成されたマイクロレンズアレイ・プレートが得
られるが、種々の点で未だ十分満足されるには至ってい
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況下に
あって、本願発明者らによって、既に特許出願されてい
る成型技術によれば、微小球面レンズが規則的に配列さ
れた樹脂レンズアレイ・プレートを射出成型により製造
することができる。
【0010】図2(a)に示す如く、プレートの両面
に、例えば、アクリル系樹脂(PMMA系)を用いて、
100mm×120mm×2mmのプレートで、両面に
レンズアレイを有し、レンズ径が0.3〜1.0mm
で、レンズピッチが0.5〜0.6mmである樹脂レン
ズアレイ・プレートを作製し、この2枚を重ねて作製し
た樹脂正立等倍レンズアレイ組立体を用いて、物像画面
像を、空間伝送し、空間上に画像を結像させた場合に、
光学特性であるMTF(Modulation Tra
nsfer Function)が、空間周波数2LP
/mmで、人間の感知限界のMTF=20%が達成さ
れ、画質の良い像面画像が得られている。
【0011】このように本発明者らによって提案された
射出成型法で、製造された上述した樹脂レンズアレイ・
プレートが、高い精度のレンズピッチを有した樹脂レン
ズアレイ・プレートとして得られることを示している。
【0012】しかしながら、このように優れた射出成型
法によっても、使用される材質が、既に上述した如くの
従来から公知の有機樹脂で得られ、その成形体である樹
脂レンズプレートは、従来から下記する種々の課題を抱
えているのが一般的である。
【0013】すなわち、ガラスプレートに比らべれば、
有機樹脂プレートは、耐吸湿性、耐水耐油性、耐薬品性
(耐溶剤性)、光反射率、複屈折性、熱変形性、表面硬
度に係る反り、耐擦傷性、耐クラック性等の観点で十分
に満足されず、これらの課題解消のために種々なる提案
がなされているが、未だ、十分に解決されていないのが
実状である。
【0014】また、このように平板な樹脂レンズアレイ
・プレートの少なくとも2枚を重ね貼り合わせてなる樹
脂正立等倍レンズアレイ組立体においては、特に、この
プレートの貼り合わせ性が、極めて重要である。
【0015】すなわち、重ね貼り合わせたマイクロレン
ズアレイ・プレートにおいて、互いに対向する多数個の
個々のマイクロレンズの光軸が、高精度に合うために
は、このプレート面の貼り合わせ性が、極めて重要にな
っている。
【0016】そのためから、対向接着されるこのレンズ
アレイ面は、上述した種々の特性を満足すると共に、接
着性にも優れることが必要且つ重要である。例えば、そ
の表面の濡れ性に係わって、接着剤の塗り性(塗布
性)、塗布安定性及びその接着性に優れ、貼り合わせを
容易にさせることも極めて重要なのである。
【0017】そこで、本発明の目的は、例えば、上述し
た射出成型法で得られた樹脂レンズアレイ・プレート
が、上述した種々の特性、課題が解消され、特に、この
レンズアレイ・プレートの少なくとも2枚を重ね貼り合
わせてなる、レンズピッチが高精度で優れた光学特性を
有する樹脂成立等倍レンズアレイ組立体を提供すること
である。
【0018】また、本発明の他の目的は、例えば、上述
した射出成型法で得られた樹脂レンズアレイ・プレート
を用いて、この樹脂レンズアレイ面の低光反射性、耐吸
湿性、耐擦傷性等に優れ、しかも、プレートの対向接着
性に優れる樹脂成立等倍レンズアレイ組立体の製造方法
を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記する
課題に鑑みて、その課題を解決すべく鋭意検討を行い、
既に上述した射出成型法で得られた樹脂レンズアレイ・
プレートを用いて、得られたプレート面の耐吸湿性、耐
水耐油性、耐薬品性(耐溶剤性)、光反射率、熱変形
性、反り、耐擦傷性、及びこのプレートの重ね貼り合わ
せ性等に着目して、図2(b)に示す如くの樹脂レンズ
アレイ・プレートを作製し、光学特性に優れた樹脂正立
等倍レンズアレイ組立体を見出して、本発明を完成させ
るに至った。
【0020】すなわち、本発明によれば、樹脂レンズプ
レートの少なくとも片面の外周近傍に所定幅の外周平坦
面を有し、前記平坦面の内側面の少なくとも片面に多数
個の凸形のマイクロレンズを有し、前記マイクロレンズ
が、所定のレンズピッチで規則的に配列された樹脂レン
ズプレートの少なくとも2枚のレンズアレイ面側を対向
接着させてなる樹脂正立等倍レンズアレイ組立体を提供
する。
【0021】本発明においては、この樹脂レンズアレイ
・プレートの表面に、有機樹脂のプライマー層が形成さ
れている。
【0022】このプライマー層は、この上に、レンズア
レイ面の可視光域の光反射率を低減させ、耐擦傷性、濡
れ性等を付与させる被覆層を積層させるに際して、その
積層被覆性を向上させるものであり、本発明において
は、この被覆層として、シリカ化合物が積層されている
ことが特徴である。
【0023】また、このレンズアレイ・プレートの少な
くとも2枚が、レンズアレイ面側を対向させて接着され
てなる樹脂正立等倍レンズアレイ組立体において、シリ
カ化合物が被覆されたレンズアレイ・プレートの平坦面
が、塗布された接着材を介して融着されていることを特
徴としている。
【0024】また、本発明によれば、このような樹脂レ
ンズアレイ・プレートの少なくとも2枚を対向接着させ
てなる樹脂正立等倍レンズアレイの製造方法を提供す
る。
【0025】その製造方法は、上述した前記樹脂レンズ
アレ・プレートの表面に有機樹脂プライマー層を形成す
る工程と、この有機樹脂プライマー層の上に、更に、シ
リカ化合物層を被覆する工程と、次いで、有機樹脂プラ
イマー層とシリカ化合物層とを積層被覆した、この樹脂
レンズアレイ・プレートをレンズアレイ面を対向接着さ
せるに、上述した前記平坦面に接着材を塗布させて、こ
の対向された樹脂レンズプレートを融着する工程とを含
むことを特徴とするシリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レ
ンズアレイ組立体の製造方法である。
【0026】これにより、このシリカ化合物が被覆され
ている外周平坦面が、親水化されて濡れ性に優れ、この
面に接着剤を塗布すると、接着剤が容易に塗布され、塗
布された接着剤の被膜が安定しているため、その対向貼
り合わせされた面の接着を容易にさせることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、図1〜図3を参照して、
本発明による樹脂正立等倍レンズアレイ組立体の実施形
態を説明する。
【0028】そこで、既に上述した樹脂正立等倍レンズ
アレイ組立体に用いられている樹脂レンズアレイ・プレ
ートは、そのプレートを拡大した概略断面図3に示す如
く、樹脂レンズアレイ・プレート7の両面に、有機樹脂
プライマー層5とその上に積層被覆されているシリカ化
合物層6とが、マイクロレンズアレイ面と、その外周部
に設けられている外周平坦面2(より詳細には図1を参
照)とに、同様に積層被覆されているものである。
【0029】このように樹脂レンズアレイ・プレート7
に、有機樹脂プライマー層5を被覆させるために、本発
明においては、好ましくは、このプライマー層の接着性
を高めるためから、予めこのプレート表面が親水化され
ている。良好な接着性を達成させるために、親水性を水
の接触角で表して、10゜近傍以下であることが好適で
ある。
【0030】そこで、このように積層被覆される有機樹
脂プライマー層とシリカ化合物層との屈折率は、通常、
樹脂レンズアレイ・プレートに使用される樹脂の屈折率
が、1.49〜1.58の範囲にあり、本発明において
は、このように積層被覆される両層の屈折率は、何れも
使用される樹脂レンズアレイ・プレートよりは、常に小
さいことが、重要であり、後述するこれらの膜厚と、レ
ンズアレイ・プレートの光透過率との関係において、そ
の透過率を低下させない、すなわち、その表面の光反射
率を低減させる効果に係わっている。
【0031】また、本発明においては、図3に示す如
く、このように被覆されたシリカ化合物層6の水に対す
る接触角が、好ましくは、樹脂レンズアレイプレートの
接触角よりも小さいことが好適である。
【0032】通常にこのようなプレートに用いられる樹
脂の接触角が、60〜90゜であるのに対して、この被
覆されたシリカ化合物層6の接触角は、10゜近傍以下
であることが好適である。
【0033】また、本発明において、図1に示す如くそ
のレンズアレイ面1に規則的に配列されている個々のマ
イクロレンズ4の形状は、その使用目的により選択さ
れ、球面又は非球面レンズの何れもが適宜に使用するこ
とができる。
【0034】そこで、既に上述した如く、このプレート
に積層被覆させた本発明における有機樹脂プライマー層
とシリカ化合物層とが、所定の屈折率と所定の膜厚を有
して積層被覆されている樹脂レンズアレイの表面の可視
光域に対する光反射率Rが、好ましくは、下記(1)式
において、 R=(A2 +B2 )/(C2 +D2 )…………(1) 式中、A=(n0 −nS )cosδ1 cosδ2 +(n
1s /n2 −n0 2/n1 )×sinδ1 sinδ2
、B=(n0s /n2 −ns )cosδ1 sinδ2
+(n0s /n1 −n1 )×sinδ1 cosδ
2 、C=(n0 +n s )cosδ1 cosδ2 −(n1
s /n2 −n02 /n1 )×sinδ1sinδ
2 、D=(n0s /n2 +ns )cosδ1 sinδ
2 +(n0s/n1 +n1 )×sinδ1 cosδ2
であり、また、n0 、ns 、n1 及びn2 が、それぞ
れ、空気、樹脂レンズアレイ・プレート、有機樹脂プラ
イマー層及びシリカ化合物層の屈折率で、ns >n1
s >n2 であり、更には、δ1 、δ2 が、それぞれシ
リカ化合物層及び有機樹脂プライマー層の位相膜厚であ
って、δ1 =2πn1 dcosθ/λ、δ2 =2πn2
dcosθ/λ(θ:光の入射角、λ:波長、d:膜
厚)、で表され、その反射率は、有機樹脂プライマー層
とシリカ化合物層との関係において上述する関係(1)
式を満足することで、このプレートを本発明による樹脂
正立等倍レンズアレイ組立体として用いた時に、効果的
にそのレンズアレイ表面の低反射効果を発揮させるもの
である。
【0035】すなわち、後述する図4及び図5に示す事
実から明らかな如く、屈折率:ns=1.498のPM
MA系の樹脂プレートに、屈折率:ns =1.45の有
機樹脂プライマー層、屈折率:1.425のシリカ化合
物層(Hコートと称す)であるシリカ化合物被覆の樹脂
プレートにおいて、図4を参照すると、所定厚のシリカ
化合物層に対して、このプライマー層の膜厚を3〜50
nm範囲で変化させると、その光透過率は、94.8〜
95.6%範囲で変化する。
【0036】しかしながら、シリカ化合物層の膜厚及び
屈折率にもよるが、好ましくは、プライマー層の膜厚
が、25nm以下、より好ましくは、15nm以下、更
に好ましくは、10nm以下であれば、本発明における
樹脂レンズアレイ・プレ−トにおいて、プライマー層を
設けることによるシリカ薄膜付きレンズアレイ・プレー
トの光透過率が影響されないことがよく判る。従って、
本発明において、3〜50nmであれば好適である。
【0037】そこで、このような光特性を満足する本願
発明によるシリカ化合物層を被覆した樹脂プレート、す
なわち上述した樹脂レンズアレイ・プレート表面の光反
射率(R)を上述した関係(1)式を用いて、シリカ化
合物層の膜厚(nm)に対して図示した図5に示すプロ
ファイルから明らかなように、プライマー層にシリカ化
合物層を積層被覆することにより、反射率を低減させる
効果(低反射率効果)が、その膜厚が90〜100nm
近傍で最大になり、その膜厚10〜180nm範囲で暫
時効果が増大し、暫時効果が低下するように、その低反
射率効果が発揮される。しかも、その実施例値が上述
(1)式のシュミレーション値(計算値)とほぼ符合し
ていることがよく理解される。
【0038】これにより、本発明においては、このシリ
カ化合物層の膜厚は、その低反射率効果からは、10〜
170nm、好ましくは、30〜150nmの範囲とす
ることができ、この膜厚範囲は、特に、5nm以下で
は、均一な被覆を形成し難く、200nm以上では、応
力歪みで剥離しやすくなる範囲を満足し、しかも、形成
した被膜の防水防油性の点からは、その膜厚は、特に防
水効果を得るためから、少なくとも50nm以上を要す
ることも満足するものである。
【0039】更にはまた、既に上述した如く、これによ
りシリカ化合物が被覆された表面の接触角が著しく小さ
くなって、親水化された表面は、良好な濡れ性を呈し
て、例えば、親水基を有する接着剤等の塗布性を良好に
させ、且つ塗布された接着剤の被膜性を安定化、向上さ
せる格段の効果をもたらすものである。
【0040】よって本発明のこのような予想外に発揮さ
れる濡れ性、塗布性により、既に上述した如く、図1に
示す外周平坦面2に接着剤を塗布した樹脂レンズアレイ
・プレートを重ね貼り合わせた場合に、その貼り合わせ
面を効果的に接着させることができるものである。
【0041】以上から、本発明においては、このシリカ
化合物層の膜厚は、好ましくは、50〜180nmの範
囲で、プライマー層に積層被覆された樹脂レンズアレイ
・プレートとして好適に使用することができる。
【0042】また、本発明においては、上述した射出成
型法で得られる樹脂レンズアレイ・プレートの樹脂とし
ては、例えば、シクロオレフィン系ポリマー、シクロオ
レフィン系ポリマーと芳香族系熱可塑性樹脂とのポリマ
アロイ、スチレン−ポリメチルメタクリレート系、スチ
レン−アクリロニトリル系(SAN)及びメタロセン触
媒によるポリプロピレン(PP)等を挙げることができ
る。
【0043】また、特に限定されるものではないが、本
発明において、好ましくは、シクロオレフィン系ポリマ
ー、シクロオレフィン系ポリマーと芳香族系熱可塑性樹
脂とのポリマアロイ、スチレン−ポリメチルメタクリレ
ート系等が射出成形性、熱変形性、耐吸水性、光透過
性、耐熱変形性、耐反り性等から好適に使用される。
【0044】そのシクロオレフィン系ポリマーとして
は、繰り返し単位中にノルボルナン環以外の単環式ある
いは多環式飽和脂肪環構造を有する単位を50重量%以
上を有するもので、ノルボルナン環を持たないノルボル
ネン類の開重合体またはその水素添加物が好適である。
【0045】また、シクロオレフィン系ポリマー(A)
と芳香族系熱可塑性樹脂(B)とのポリマアロイとして
は、上述したシクロオレフィン系ポリマーと、ポリフェ
ニレンスルフィド等のポリアリーレンスルフィド、ポリ
フェニレンエーテル等のポリアリーレンエーテル、ポリ
アリーレンスルフィドケトン、またはポラヒドロキシ安
息香酸、ビスヒェノール及びテレフタル酸をモノマーと
し、バルク重合法により重縮合させた芳香族ポリエステ
ル等とのポリマアロイが好適に使用される。
【0046】本発明においては、両者の割合は、通常、
重量比でA:B=20:80〜80:20の範囲のポリ
マアロイとして好適に使用される。
【0047】そこで、以下に、このような樹脂レンズア
レイ・プレートからなる樹脂正立等倍レンズアレイ組立
体の製造方法についての実施形態について説明する。
【0048】本発明において、上述した有機樹脂プライ
マー層を樹脂レンズアレイ・プレートの表面に形成させ
るに際して、好ましくは、樹脂レンズアレイ・プレート
の表面に、予め親水化処理を施しておくことにより、上
述した有機樹脂プライマー材の密着性を著しく向上させ
ることができるからである。
【0049】その親水化処理の目安として、通常、その
接触角が60〜90゜であるその樹脂プレート表面の水
に対する接触角を、40゜以下、好ましくは、20゜近
傍以下にすることが好適である。
【0050】この親水化処理方法として、例えば、コロ
ナ放電処理、高周波プラズマ放電処理又はUVオゾン照
射処理等を挙げることができる。
【0051】そのコロナ放電処理とは、通常、電極と樹
脂プレートとの距離を3〜8mmの間隔に保ち、10m
m/秒でこの樹脂プレートを電極下で移動させながらコ
ロナ放電(放電周期:15KHz、電圧:15KV)さ
せて、表面を親水化させるものである。
【0052】また、高周波プラズマ放電処理とは、減圧
下のアルゴンガス雰囲気内(13〜0.1Pa)で電極
と樹脂プレートとの間でグロー放電を発生させて、表面
を親水化させるものである。
【0053】更には、UVオゾン照射処理とは、酸素を
含む雰囲気下で樹脂プレートとUVランプとの距離を2
0〜50mmとして、20mW/cm2 で1〜20分間
の照射させることで、表面を親水化させるものである。
【0054】このように親水化された樹脂レンズアレイ
・プレートの表面に、以下に挙げる有機樹脂をプライマ
ー層として適宜に被覆させることができる。
【0055】そこで、本願発明において、上述する有機
樹脂プライマー層に用いる有機樹脂としては、下記式
(2)で表されるものを、適宜に使用するこができる。
【0056】 R1 nSi(R24-n ……………(2) 式中、R1 はメタアクリロキシ基を有する有機基であ
り、R1 はアルコキシ基、アセトキシル基及び塩素元素
から選ばれる1種もしくは2種以上の結合基で、nは0
または4以下の整数である。で示されるメタクリロキシ
基を有する有機珪素化合物及びその加水分解物を含む塗
布液を塗布させて後に乾燥させたものである。
【0057】このような有機珪素化合物としては、例え
ば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシエチルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメ
チルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルメチ
ルジエトシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリエト
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルメトキシ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキ
シエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチル
メトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
メトキシジエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシメチルジエトキシシラン、γ
−メタクリロキシトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルアセトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルジメトキシアセトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルエトキシアセトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルジエトキシアセトキシシラン γ−メタクリロキシエチルメチルメトキシアセトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシエチルジメトキシアセトキシ
シラン、γ−メタクリロキシエチルメチルエトキシアセ
トキシシラン、γ−メタクリロキシエチルジエトキシア
セトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルメチルメト
キシアセトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルジメ
トキシアセトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルメ
チルエトキシアセトキシシラン、γ−メタクリロキシメ
チルジエトキシアセトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルメチルメトキシアセトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジメトキシアセトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピル、メチルメトキシアセトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシエトキシアセ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリクロロ
シラン、等を挙げることができる。本発明においては、
これらの単独、又は2種以上の混合物、またはそれらの
加水分解物を適宜に使用することができる。
【0058】また、これらをプライマー層として塗布さ
せるに際しては、既に上述した膜厚になるように、その
塗布液の含まれる有機珪素化合物の濃度や塗布条件やよ
り好ましい塗布方法等を適切に選択する必要がある。ま
た、この塗布液の溶媒としては、アルコール等の有機溶
媒、水を適宜使用することができる。
【0059】また、塗布方法としては、ディッピング
法、スプレー法、フロー法等を適宜に選ぶことができ
る。
【0060】また、プライマー樹脂を塗布(被覆)させ
た後、この有機プライマー層を加熱処理させて、プライ
マー被膜を形成させるに際しては、樹脂レンズアレイ・
プレートの熱歪みを避けることから、その形成温度をそ
のプレート樹脂のガラス転移温度以下で行うことが好適
である。
【0061】そこで、本発明において、上述した有機樹
脂プライマー層を形成させた後、この上に、シリカ化合
物を積層被覆させる。
【0062】その方法としては、シリカ(SiO2 )が
過飽和状態にある珪フッ化水素酸(H2 SiF6 )水溶
液(以下、シリカ被覆処理液と称することもある)に、
この有機樹脂プライマー層を施した樹脂レンズアレイ・
プレートを接触させる。
【0063】このシリカ被覆処理液は、H2 SiF6
溶液中に、シリカ(SiO2 )として、シリカゲル、シ
リカエアロジル、珪砂、シリカガラス、各種の白色珪酸
塩等を溶解、分散させた後、水、他の添加剤(硼酸、塩
化アルミニウム、金属アルミニウム等)を添加し、加熱
処理を施してシリカ(SiO2 )の過飽和H2 SiF 6
水溶液としたものである。
【0064】また、このシリカ被覆処理液を調整させる
に際しては、珪フッ化水素酸水溶液中のH2 SiF6
度として、好ましくは、1〜4mol/lの範囲であ
り、より好ましくは、3mol/l以上で過飽和処理を
行い、被覆処理時には水で希釈させて、好ましくは1m
ol/l以上で、3mol/l以下の濃度であること
で、被膜形成速度が速く、効果的にSiO2 被膜を形成
させることができる。
【0065】ここで、このシリカ被覆処理は、以下のよ
うな処理方法で行うことにより、シリカ化合物を均斉、
緻密に被覆させることができる。
【0066】(1)樹脂プレートとの接触時に、 連続的に硼酸や塩化アルミニウム等の添加剤を添加、
混合させる。
【0067】アルミニウム等の金属を溶解、混合す
る。
【0068】処理液を一時的に冷却させてシリカ(S
iO2 )を飽和させ、再度温度を上昇させる手段を、サ
イクルさせて常時シリカの過飽和を維持させる。
【0069】(2)また、一定の間隔(1分間おき程
度)で、この処理液の一部を常に抜き取り、フィルター
濾過をさせて、循環使用させる。
【0070】(3)また、硼酸の添加量は、処理液中の
2 SiF6 1mol当たり、5×10-4〜1.0×1
-3mol/hrの範囲で、また、金属アルミニウムの
溶解量は、処理液中のH2 SiF6 1mol当たり、1
×10-3〜4×10-3mol/hrの範囲であることが
好適である。
【0071】また、このようにして被覆されたシリカ被
膜中には、吸着水やシラノール基が含まれているので、
例えば、高周波加熱等で加熱除去させることが好適であ
る。
【0072】また、その温度は、樹脂レンズアレイ・プ
レートの樹脂のガラス転移温度以下での加熱処理である
ことが、その熱歪みを避けることから好適である。
【0073】また、このようにしえ得られた樹脂レンズ
アレイ・プレートの外周部に設けられている外周平坦面
は、上述した如くシリカ被覆膜により、親水性化されて
濡れ性に優れ、例えば、接着剤の塗布を容易にさせ、接
着剤塗布被膜を安定にさせる傾向が高い。
【0074】そこで、樹脂成立等倍レンズアレイ組立体
にするに際しては、図1に示す一方のレンズアレイプレ
ートの外周平坦面2に接着剤を塗布させた後、図2
(a)に示す如く、本発明において、好ましくは、この
平坦面の一方の片側の両隅近傍に突起3aが設けられ、
この突起3aは、他方の対向するプレートの片側の両隅
近傍に設ける穴3bに雄雌関係で重ねると、図2(a)
の如く、この2枚の対向接着される他方の片側のこれら
の突起と穴の関係が、両側で反対の関係になるように設
けることができる。
【0075】これによって、本発明においては、対向す
る多数個の微小レンズの光軸を狂わせることなく、高精
度で貼り合わせすることができる。
【0076】また、本発明においては、この外周平坦面
を介して、対向するこの両平坦面に接着剤を塗布し、必
要に応じて着色スペーサーを挟んで、両者を対向接着さ
せることもできる。
【0077】
【実施例】そこで、以下に本発明を実施例によって説明
するが、本発明は、これらにいささかも限定されるもの
ではない。
【0078】(実施例1)日本ゼオン(株)製のシクロ
オレフィン系ポリマー(商品名:ゼオネア)を用いて、
射出成型法で、図1及び図2に示す如くの外周端部に幅
8mmの外周平坦面を有する110×140×2mmサ
イズの樹脂レンズアレイ・プレート(以後、単に樹脂プ
レートと称す)の2枚を作製した。
【0079】次いで、信光電気計装(株)製のコロナ放
電表面改質装置[コロナマスターPS−1M型]を用い
て、コロナ放電処理(親水化処理)を10秒間施した。
この処理により、この樹脂プレートの水に対する接触角
が38゜となった。
【0080】次いで、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシランの1%エタノール溶液を調製し、これに
少量の水を添加して加水分解させた後、十分に攪拌させ
てプライマー塗布液とした。この塗布液に、親水化処理
された樹脂プレートを浸漬させ、自然乾燥させて、膜厚
8nmの有機樹脂プライマー層を形成させた。
【0081】次いで、この樹脂プレートを30℃でSi
2 が過飽和のH2 SiF6 の濃度2.6mol/l水
溶液に、浸漬させて、このプライマー層上に膜厚100
nmになるように、シリカ被膜を積層被覆(Hコート)
させた。なお、浸漬処理後、十分に水洗させたこの樹脂
プレートをオーブンで50℃×1時間の乾燥処理を行っ
た。
【0082】この2枚の樹脂プレートを用いて、上述し
た外周平坦面に従来から公知のエポキシ系の接着剤を塗
布させて、対向する球状のマイクロレンズの光軸が合う
ようにして、重ね貼り合わせた後、50℃の温度で接着
させて、樹脂成立等倍レンズアレイ組立体を作製した。
【0083】(実施例2)実施例1において、樹脂プレ
ートを新日鉄化学(株)製のスチレンとメチルメタクリ
レートとの共重合体であるポリメタクリル酸メチルのP
MMA系ポリマー(商品名:メスチレンMS)を用いた
以外は、実施例1と同様にしてシリカ被覆の樹脂レンズ
アレイ・プレートを作製し、それを用いて実施例1と同
様にして、樹脂正立等倍レンズアレイ組立体を作製し
た。
【0084】以上から、これらの何れの樹脂正立等倍レ
ンズアレイ組立体においても、Hコートによりプライマ
ー層を介して良好なシリカ被膜が形成され、そのレンズ
アレイ面の反射率低減が効果的に発揮させることができ
た。また、Hコートされた外周平坦面に対する接着剤の
塗布が、均質に、安定させて塗布することができ、2枚
の樹脂レンズアレイ・プレートを容易に、レンズ光軸を
狂わせることなく対向接着させることができた。
【0085】
【発明の効果】以上から、本発明によれば、樹脂レンズ
アレイ・プレート面の外周近傍に所定幅で設けた、凸形
のレンズを有さない外周平坦面が、レンズアレイ面と同
様に親水化処理され、プライマー層とシリカ被覆層が積
層被覆されているにより、この外周平坦面は、接着剤等
を高濡れ性で良好に塗布され、この樹脂プレートの重ね
貼リ合わせを良好にさせる。
【0086】また、レンズアレイ面の可視領域の光反射
率の低減効果が効果的に発揮されると共に、このレンズ
アレイ面に耐擦傷性をも向上させることができる。
【0087】更には、この平坦面に接着剤を塗布したそ
の接着性を介して、この外周平坦面に着色スペーサーを
挟んでなる樹脂正立レンズアレイ組立体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂レンズアレイ・プレートの1
例を表す平面図である。
【図2】本発明による2枚の樹脂レンズアレイ・プレー
トを対向接着させてなる樹脂正立等倍レンズアレイの組
立体を表す概念断面図である。
【図3】本発明による樹脂レンズアレイ・プレートの拡
大概略断面図である。
【図4】樹脂レンズアレイ・プレートの可視光線の光透
過率に対する有機樹脂プタイマー層の膜厚との関係を表
すプロファイル図である。
【図5】樹脂レンズアレイ・プレートの可視光線の光反
射の低減効果を、そのシリカ化合物被覆の膜厚との関係
を示すプロファイル図である。
【符号の説明】
1 樹脂レンズアレイ面 2 外周部の平坦面 4 マイクロレンズ(樹脂マイクロ球面レンズ) 5 有機樹脂プライマー層 6 シリカ化合物層 7 樹脂レンズアレイ・プレート 8 樹脂正立等倍レンズアレイ組立体

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂レンズアレイ・プレートの少なくとも
    片面に、多数個の凸形のマイクロレンズを有し、前記マ
    イクロレンズが、所定のレンズピッチで規則的に配列さ
    れた樹脂レンズアレイ・プレートの少なくとも2枚を対
    向接着させてなる樹脂正立等倍レンズアレイ組立体にお
    いて、 樹脂レンズアレイ・プレートの少なくとも片面の外周近
    傍に凸形のレンズを有さない所定幅の外周平坦面を有
    し、 前記樹脂レンズアレイ・プレートの表面に有機樹脂プラ
    イマー層が形成され、 前記有機樹脂プライマー層の上に、シリカ化合物が被覆
    され、 前記対向接着された前記樹脂レンズアレイ・プレートの
    前記平坦面が塗布された接着材を介して接着されている
    ことを特徴とするシリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レン
    ズアレイ組立体。
  2. 【請求項2】前記マイクロレンズが、球面又は非球面レ
    ンズであることを特徴とする請求項1に記載のシリカ化
    合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体。
  3. 【請求項3】前記シリカ化合物層との屈折率が、前記樹
    脂レンズアレイ・プレートの屈折率よりも小さいことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のシリカ化合物被覆の
    樹脂正立等倍レンズアレイ組立体。
  4. 【請求項4】前記シリカ化合物層の水に対する接触角
    が、前記樹脂レンズアレイ・プレートの接触角よりも小
    さいことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のシ
    リカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体。
  5. 【請求項5】前記有機プライマー層を形成するに際し
    て、前記樹脂プレートの表面を樹脂プレートのガラス転
    移転以下の温度で乾燥させ、予めコロナ放電処理、高周
    波プラズマ放電処理又はUVオゾン照射処理の何れかの
    処理を施して、親水化されていることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載のシリカ化合物被覆の樹脂正立
    等倍レンズアレイ組立体。
  6. 【請求項6】所定の屈折率、所定の膜厚を有する前記有
    機樹脂プライマー層と前記シリカ化合物層とが積層被覆
    された前記樹脂レンズアレイ・プレートの表面の可視光
    域に対する光反射率Rが、下記(1)式において、 R=(A2 +B2 )/(C2 +D2 )…………(1) 式中、A=(n0 −nS )cosδ1 cosδ2 +(n
    1s /n2 −n0 2 /n1 )×sinδ1 sin
    δ2 で、B=(n0s /n2 −ns )cosδ1 si
    nδ2 +(n0s /n1 −n1 )×sinδ1 cos
    δ2 で、C=(n0 +ns )cosδ1 cosδ2
    (n1s /n2 −n02 /n1 )×sinδ1 si
    nδ2 で、D=(n0s /n2 +ns )cosδ1
    inδ2 +(n0s /n1 +n1 )×sinδ1 co
    sδ2 であり、 また、n0 、ns 、n1 及びn2 が、それぞれ、空気、
    透明樹脂プレート、有機樹脂プライマー層及びシリカ化
    合物の屈折率で、ns >n1 、ns >n2 であり、 更には、δ1 、δ2 が、それぞれシリカ化合物層及び有
    機樹脂プライマー層の位相膜厚であって、δ1 =2πn
    1 dcosθ/λで、δ2 =2πn2 dcosθ/λ
    (θ:光の入射角、λ:波長、d:膜厚)、で表され、
    前記有機樹脂プライマー層と前記シリカ化合物層との関
    係において前記(1)式を満足することを特徴とする請
    求項1〜5の何れかに記載のシリカ化合物被覆の樹脂正
    立等倍レンズアレイ組立体。
  7. 【請求項7】前記有機樹脂プライマー層の膜厚が、3〜
    50nmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載
    のシリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立
    体。
  8. 【請求項8】前記シリカ化合物層の膜厚が、50〜18
    0nmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の
    シリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体。
  9. 【請求項9】前記樹脂レンズアレイ・プレートの樹脂
    が、シクロオレフィン系ポリマー、シクロオレフィン系
    ポリマーと芳香族系熱可塑性樹脂とのポリマアロイ、ス
    チレン−メチルメタクリレート共重合体系ポリマー、ス
    チレンアクリロニトリル及びメタロセン触媒によるポリ
    プロピレン(PP)から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のシリカ
    化合物被覆の樹脂正立レンズアレイ組立体。
  10. 【請求項10】樹脂レンズアレイ・プレートの少なくと
    も片面の外周近傍に所定幅の外周平坦面を有し、前記平
    坦面の内側面の少なくとも片面に多数個の凸形のマイク
    ロレンズを有し、前記マイクロレンズが、所定のレンズ
    ピッチで規則的に配列された樹脂レンズアレイ・プレー
    トの少なくとも2枚を対向接着させてなる樹脂正立等倍
    レンズアレイ組立体の製造方法において、 前記樹脂レンズアレイ・プレートの表面に有機樹脂プラ
    イマー層を形成する工程と、 前記有機樹脂プライマー層の上に、シリカ化合物を被覆
    する工程と、 次いで、前記樹脂レンズアレイ・プレートのレンズアレ
    イ面を対向接着させるに、対向する前記外周平坦面に接
    着材を塗布させて前記対向樹脂レンズアレイ・プレート
    を接着する工程と、を含むことを特徴とするシリカ化合
    物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記マイクロレンズが、球面または非球
    面レンズであることを特徴とする請求項10に記載のシ
    リカ化合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】前記有機プライマー層を形成する前に、
    前記樹脂レンズアレイ・プレートの表面をこの樹脂プレ
    ートのガラス転移転以下の温度で乾燥させ、前記樹脂レ
    ンズアレイ・プレートの表面に、予め親水化処理を施す
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のシリカ化
    合物被覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記有機プライマー層を形成させるに、
    その形成温度が前記樹脂レンズアレイ・プレートのガラ
    ス転移温度以下で行うことを特徴とする請求項10〜1
    2の何れかに記載のシリカ化合物被覆の樹脂正立等倍レ
    ンズアレイ組立体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記シリカ化合物を被覆する工程におい
    て、シリカ(SiO2 )が過飽和状態にある珪フッ化水
    素酸水溶液に、前記有機樹脂プライマー層を施した前記
    樹脂レンズアレイ・プレートを接触させることを特徴と
    する請求項10〜13の何れかに記載のシリカ化合物被
    覆の樹脂正立等倍レンズアレイ組立体の製造方法。
  15. 【請求項15】前記シリカ化合物を被覆させた前記樹脂
    レンズアレイ・プレートを、そのプレート樹脂のガラス
    転移温度以下で乾燥することを特徴とする請求項14に
    記載のシリカ化合物被覆の樹脂正立レンズアレイ組立体
    の製造方法。
  16. 【請求項16】前記親水化処理が、コロナ放電処理、高
    周波プラズマ放電処理又はUVオゾン照射処理の何れか
    であることを特徴とする請求項12に記載のシリカ化合
    物被覆の樹脂正立レンズアレイ組立体の製造方法。
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