JP2001146963A - 油圧モータによる変速装置 - Google Patents

油圧モータによる変速装置

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JP2001146963A
JP2001146963A JP2000175938A JP2000175938A JP2001146963A JP 2001146963 A JP2001146963 A JP 2001146963A JP 2000175938 A JP2000175938 A JP 2000175938A JP 2000175938 A JP2000175938 A JP 2000175938A JP 2001146963 A JP2001146963 A JP 2001146963A
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piston
speed
rotation speed
pressure
capacity
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JP2000175938A
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English (en)
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Toshiyuki Akasaka
利幸 赤坂
Sadao Nunotani
貞夫 布谷
Takahiro Miyata
孝弘 宮田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 油圧モータを用いて左右の回転体の回転速度
を3段階に切り換える場合に左右の回転体の間の回転数
差をなくす。 【解決手段】左右の可変容量型油圧モータ9、9′の容
量位置が最小容量位置に切り換えられると左右の回転体
100、100′の回転速度が最大の回転速度に切り換
えられる。このとき調整手段により油圧モータ9、9′
の最小容量位置が左右で同一となるように調整される。
これにより左右の回転体100、100′の回転速度が
同一となる。左右の可変容量型油圧モータ9、9′の容
量位置が中間容量位置に切り換えられると左右の回転体
100、100′の回転速度が中間の回転速度に切り換
えられる。このとき調整手段により油圧モータ9、9′
の中間容量位置が左右で同一となるように調整される。
これにより左右の回転体100、100′の回転速度が
同一となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧モータによる
変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】油圧
モータには容量の変化を行うことができる可変容量型モ
ータや、容量の変化を行うことができない固定容量型モ
ータがある。
【0003】以下図8〜10を用いてこの可変容量型モ
ータについての説明をする。
【0004】図8は特公平4−42550号公報に開示
されている油圧モータの断面図を示している。このピス
トンモータは容量が2段階に変化される。
【0005】すなわちケース55内に収容された斜板5
8の第1のシート面58aがケース内壁面55aに当接
されることによって容量が最大容量位置に位置決めされ
る。また斜板58の第2のシート面58bがケース内壁
面55aに当接されることによって容量が最小容量位置
に位置決めされる。最大容量位置、最小容量位置の位置
決めの精度は斜板58、ケース55などの各種部品の精
度に応じて定まる。
【0006】図9は図8と異なる油圧モータの断面図を
示している。このモータは斜軸式ピストンモータであ
る。このピストンモータは弁板46を揺動することによ
って容量位置を2段階に変化させる。弁板46はケース
52内に収容されている。弁板46の揺動に応じて容量
位置が変化する。なお主軸51は油圧モータの出力軸で
ある。弁板46の停止位置は最小容量調整機構54およ
び最大容量調整機構53によって規制される。最小容量
調整機構54はケース52に設けた調整ネジ54bとこ
の調整ネジ54bをケース52に固定するナット54a
とからなる。調整ネジ54bの一方の先端はケース52
の内側面より突出し、他方の先端はケース52の外側面
より突出するよう設けられている。最大容量調整機構5
3も同様である。
【0007】ケース52の内側面より突出する調整ネジ
54bの先端に弁板46が接した位置でモータが最小容
量となる。同様にケース52の内側面より突出する調整
ネジ53bの先端に弁板46が接した位置でモータが最
大容量となる。
【0008】最小容量位置は最小容量調整機構54によ
って調整される。
【0009】具体的には、ナット54aによる調整ネジ
54bの固定状態を解除し、調整ネジ54bのねじ込み
量を調整し再度ナット54aによって調整ネジ54bを
ケース52に固定することにより最小容量位置が調整さ
れる。同様にして最大容量位置が調整される。
【0010】図10は従来の3速モータの断面図を示し
ている。図10において図9と同一の符号は同一のもの
であり説明を省略する。
【0011】同図10に示すように、ボディ44内には
第1ピストン110および第2ピストン120が設け
られている。弁板46には第1ピストン110が接続さ
れている。第1受圧室130は第2ピストン120に第
1ピストン110側方向へ圧力を作用させる。また第2
受圧室140は第1ピストン110と第2ピストン12
0とが互いに離れる方向へ圧力を作用させる。第3受圧
室150は第1ピストン110に第2ピストン120側
方向へ圧力を作用させる。
【0012】第2ピストン120は外径の大きな第2ピ
ストン大径部120aを有している。
【0013】第2ピストン大径部120aと、この第2
ピストン大径部120aが接するボディ内壁面44aと
によって第2ピストン規制部を構成している。すなわ
ち、第2ピストン120の大径部120aが第1ピスト
ン110側に移動し大径部120aがボディ内壁面44
aに接することによって、第2ピストン120を停止す
る。第1ピストン110は、動きが規制された第2ピス
トン120に接することによって弁板46が中間位置に
位置決めされる。
【0014】サーボバルブ60は第2受圧室140およ
び第3受圧室150への圧油の供給を制御する制御弁で
ある。図示しない油圧ポンプから吐出された圧油がサー
ボバルブ60に供給される。また図示しない2位置切換
弁を介して図示しない油圧ポンプから吐出された圧油が
第1受圧室130に供給される。2位置切換弁の弁位置
が切換制御されることによって第1受圧室130への圧
油が供給・遮断制御される。このように第1受圧室13
0、第2受圧室140、第3受圧室150への圧油の供
給を制御することによって第1ピストン110の位置す
なわち弁板46の位置を3段階に切り換える。これより
モータの容量位置は最小容量位置、中間容量位置、最大
容量位置の3段階に変化する。ただし図10に示す油圧
モータは図9に示す油圧モータと異なり最小容量位置、
最大容量位置を調整する調整機構を備えていない。
【0015】上述した可変容量型モータの容量変化によ
りHST車の変速を行うことがある。
【0016】ブルドーザなどのHST(ハイドロ・スタ
ティック・トランスミッションまたは、静油圧駆動)車
では左右の走行体(車輪または履帯)が、左右それぞれ
に設けられた油圧モータによって独立して駆動される。
すなわち車体の左側の走行体は左側専用に設けられた駆
動機構によって独立して駆動され独立して変速される。
同様に車体の右側の走行体は右側専用に設けられた駆動
機構によって独立して駆動され独立して変速される。各
駆動機構は油圧ポンプと油圧モータとでそれぞれ構成さ
れている。
【0017】HST車では、左右同一回転数での走行を
指示したとき、すなわち直進指示時に左右モータ容量が
異なると走行曲がりを起こす。
【0018】そのため左右の走行体が独立して駆動され
るHST車にあっては左右の可変容量型ピストンモータ
の容量制御の精度を高め、直進指示時に走行曲がりなく
走行させたいとの要求がある。
【0019】また上記可変容量型ピストンモータの容量
を制御する装置を簡素にしたいとの要求がある。
【0020】しかしながら従来の可変容量型ピストンモ
ータは上記要求を満足するものではなかった。以下その
説明をする。
【0021】図8に示す上記公報のピストンモータは主
として油圧ショベル等高低2速を要する車両に適用され
る。油圧ショベルの場合、ポンプとモータの取付位置の
関係上、走行曲がり防止のためポンプ容量を調整した方
がモータ容量を調整するより作業性が良いため、ポンプ
容量のみを調整しモータ容量を調整しない。
【0022】HST車の場合、ポンプとモータの取付位
置の関係上、走行曲がり防止のためポンプ容量を調整す
ることは作業性が非常に悪いため、モータのみを調整す
る場合が多い。
【0023】ここで、図9に示す油圧モータをHST車
に適用した場合には左右の油圧モータそれぞれの容量位
置を調整することによって左右の油圧モータの回転数差
がなくなる。したがって車両の走行曲がりをなくすこと
ができる。
【0024】しかし図9に示す油圧モータは最小容量位
置と最大容量位置の2位置でしか容量位置を調整するこ
とができない。HST車にこの油圧モータを搭載した場
合には、この油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプの
最大吐出容量を大きくしなければならなくなる問題を生
じる。これについて以下図11を用いて説明する。
【0025】図11(a)は容量位置が2段階に変化す
る油圧モータ(以下、「2速モータ」という)の特性を
示している。図11(a)の横軸は車速であり、縦軸は
牽引力(トルク)である。図11(a)に示す破線は油
圧モータの容量を最小容量qMminにしたときの特性を示
し、実線は油圧モータの容量を最大容量qMmaxにしたと
きの特性を示している。
【0026】一方図11(b)は容量位置が3段階に変
化する油圧モータ(以下、「3速モータ」という)の特
性を示している。図11(b)の横軸は車速であり、縦
軸は牽引力(トルク)である。同図11(b)に示す破
線は油圧モータの容量を最小容量qMminにしたときの特
性を示し、実線は油圧モータの容量を最大容量qMmaxに
したときの特性を示し、一点鎖線は油圧モータの容量を
中間容量qMmeanにしたときの特性を示している。図1
1(a)、(b)において車速V1からV2の領域の間は
主として作業が行われる作業領域である。また車速V2
からV3の領域の間は主として走行が行われる走行領域
である。
【0027】図11(a)、(b)において低速時(V
1)での牽引力が最大牽引力MAXとなる。車両ないし
モータの設計では最大牽引力MAXの大きさにより油圧
モータの最大容量qMmaxを決定する。
【0028】図11(a)に示す2速モータの場合には
最大容量qMmaxのまま車速を作業領域の最高車速V2と
する必要がある。油圧ポンプのポンプ容量QPmaxは下記
(2)式によって定まる。なお以下においてエンジン回
転数NE、モータ回転数NM、ポンプの効率ηPV、モータ
の効率ηMVとしている。
【0029】 QPmax・NE・ηPV=qMmax・NM/ηMV…(1) QPmax=(qMmax・NM/NE)・(1/ηMV・ηPV)…(2) 図11(b)に示す3速モータの場合には中間容量qMm
eanのまま車速を作業領域の最高車速V2とする必要があ
る。油圧ポンプのポンプ容量Q′Pmaxは下記(4)式に
よって定まる。
【0030】 Q′Pmax・NE・ηPV=qMmean・NM/ηMV…(3) Q′Pmax=(qMmean・NM/NE)・(1/ηMV・ηPV)…(4) 上記(2)式と(4)式を比較すると qMmax>qMmean…(5) であるため QPmax>Q′Pmax…(6) である。したがって2速モータを使用した場合には、3
速モータを使用した場合と比較して油圧ポンプの最大吐
出容量を大きくしなければならない。
【0031】このように、図9に示す2速モータをHS
T車に搭載すると油圧ポンプの最大吐出容量は必然的に
大きくせざるを得ないという問題を生じる。つまり作業
領域で同じ最高車速V2を得るためには、2速モータは
3速モータと比較して油圧ポンプのサイズを大きくしな
ければならない。
【0032】図10に示す従来の3速油圧モータを、左
右の走行体毎それぞれに油圧ポンプと油圧モータによる
駆動機構が設けられ左右の走行体が独立して駆動される
HST車に搭載した場合には、左右の油圧モータの容量
位置を調整することができない。このため左右の油圧モ
ータの間で回転数差が生じ車両の走行曲がりが発生する
場合がある。
【0033】また図10に示す第1ピストン110、第
2ピストン120はそれぞれの外径の大きさが異なる。
また同じピストンでも各部で外径が異なる。このため第
1ピストン110、第2ピストン120の構造が複雑と
なる。さらにはこれらピストン110、120を収容す
るボディ44の構造が複雑になる。
【0034】図10の技術に図9の調整機構を適用する
ことは容易である。しかし、中間容量位置で調整を行う
ことができない。したがって中間容量位置では直進時に
走行曲がりが発生するという問題は残る。
【0035】このため本発明は左右の回転体の回転速度
を3段階に切り換える場合に左右の回転体の間の回転数
差をなくすことが可能な油圧モータによる変速装置を提
供することを第1の課題とするものである。
【0036】ところで前述したように同じ最高車速V2
を得るためには、2速モータを使用すると3速モータを
使用したときと比較して油圧ポンプの最大吐出量を大き
くし油圧ポンプのサイズを大きくする必要がある。油圧
モータの変速数を更に多段階に増加させると、この傾向
はより顕著となる。したがって油圧モータの変速数を3
段階以上に増加すればするほど2速のモータを使用した
場合と比較して油圧ポンプの最大吐出量をより小さくで
き油圧ポンプのサイズをより小さくすることができる。
【0037】しかし図10の従来技術によればサーボバ
ルブ60によって第1ピストン110の位置を連続的に
変化させているため油圧モータの構造および制御が複雑
になっていた。また図10の従来技術は油圧モータの回
転速度を3段階に切り換える技術であり油圧モータの回
転速度を4段階以上に切り換える技術は従来存在しなか
った。
【0038】本発明はサーボバルブ等の複雑な構造およ
び制御を用いることなく簡易な構造および制御で油圧モ
ータの回転速度を3段階以上に切り換えることを第2の
解決課題とするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段および作用、効果】そこで
第1の課題を解決するために本発明の請求項1に係る第
1発明は、左右の回転体に対応してそれぞれ設けられ、
これら左右の回転体をそれぞれ回転駆動する左右の可変
容量型油圧モータ(9)、(9′)と、前記左右の油圧
モータ(9)、(9′)にそれぞれ圧油を供給する油圧
ポンプ(3)、(3′)と、前記左右の可変容量型油圧
モータ(9)、(9′)の容量位置を3段階の容量位置
に切り換えることによって前記左右の回転体の回転速度
を3段階の回転速度に切り換える速度切換手段とを備え
た油圧モータによる変速装置において、前記左右の回転
体の回転速度が前記3段階の回転速度毎に、回転体の左
右で回転速度が同一となるように調整する調整手段を備
えたことを特徴とする。
【0040】第1発明を図1、図13を用いて説明す
る。
【0041】左右の可変容量型油圧モータ9、9′の容
量位置が最小容量位置に切り換えられると左右の回転体
100、100′の回転速度が最大の回転速度に切り換
えられる。このとき調整手段54により油圧モータ9、
9′の最小容量位置が左右で同一となるように調整され
る。これにより左右の回転体100、100′の回転速
度が同一となる。
【0042】左右の可変容量型油圧モータ9、9′の容
量位置が中間容量位置に切り換えられると左右の回転体
100、100′の回転速度が中間の回転速度に切り換
えられる。このとき調整手段40により油圧モータ9、
9′の中間容量位置が左右で同一となるように調整され
る。これにより左右の回転体100、100′の回転速
度が同一となる。
【0043】左右の可変容量型油圧モータ9、9′の容
量位置が最大容量位置に切り換えられると左右の回転体
100、100′の回転速度が最小の回転速度に切り換
えられる。このとき調整手段53により油圧モータ9、
9′の最大容量位置が左右で同一となるように調整され
る。これにより左右の回転体100、100′の回転速
度が同一となる。
【0044】第1発明によれば油圧モータ9、9′を用
いて左右の回転体100、100′の回転速度を3段階
に切り換える場合に左右の回転体100、100′の間
の回転数差をなくすことができる。
【0045】さらに第1発明によれば左右の可変容量型
油圧モータ9、9′の容量位置が3段階に変化するため
に、油圧ポンプの容量を小さくできこれに伴い油圧ポン
プのサイズを小さくすることができる。このため油圧機
器のコストが低減され、限られたスペースに油圧機器を
搭載することが可能となる。また油圧ポンプと油圧モー
タの効率の良い圧力と容量の条件でポンプ、モータを使
用できるため車両の性能が向上する。
【0046】また請求項2に係る第2発明は、第1発明
において、前記速度切換手段は、前記左右の可変容量型
油圧モータ(9)、(9′)の容量位置が最大容量位置
となり、前記左右の回転体の回転速度が最小速度となる
第1の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モ
ータ(9)、(9′)の容量位置が中間容量位置とな
り、前記左右の回転体の回転速度が中間速度となる第2
の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モータ
(9)、(9′)の容量位置が最小容量位置となり、前
記左右の回転体の回転速度が最大速度となる第3の回転
速度に、回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、前
記第1の回転速度と前記第2の回転速度との間の切換を
自動的に行うことを特徴とする。
【0047】第2発明によれば第1発明と同様に油圧モ
ータ9、9′を用いて左右の回転体100、100′の
回転速度を3段階に切り換える場合に左右の回転体10
0、100′の間の回転数差をなくすことができる。
【0048】さらに第2発明によれば第1の回転速度と
第2の回転速度との間の切換が自動的に行われる。第1
の回転速度と第2の回転速度との間の範囲は低回転速度
で高トルクの作業領域である。第2発明によればトルク
が必要となる作業領域で手動による変速が不要となり作
業領域における操作性を高めることができる。
【0049】また請求項3に係る第3発明は、第1発明
において、前記速度切換手段は、前記左右の可変容量型
油圧モータ(9)、(9′)の容量位置が最大容量位置
となり、前記左右の回転体の回転速度が最小速度となる
第1の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モ
ータ(9)、(9′)の容量位置が中間容量位置とな
り、前記左右の回転体の回転速度が中間速度となる第2
の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モータ
(9)、(9′)の容量位置が最小容量位置となり、前
記左右の回転体の回転速度が最大速度となる第3の回転
速度に、回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、前
記第2の回転速度と前記第3の回転速度との間の切換を
自動的に行うことを特徴とする。
【0050】第3発明によれば第1発明と同様に油圧モ
ータ9、9′を用いて左右の回転体100、100′の
回転速度を3段階に切り換える場合に左右の回転体10
0、100′の間の回転数差をなくすことができる。
【0051】さらに第3発明によれば第2の回転速度と
第3の回転速度との間の切換が自動的に行われる。第2
の回転速度と第3の回転速度との間の範囲は高回転速度
で低トルクの走行領域である。第3発明によれば回転速
度が必要となる走行領域で手動による変速が不要となり
走行領域における操作性を高めることができる。
【0052】また請求項4に係る第4発明は、第1発明
において、前記速度切換手段は、前記左右の可変容量型
油圧モータ(9)、(9′)の容量位置が最大容量位置
となり、前記左右の回転体の回転速度が最小速度となる
第1の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モ
ータ(9)、(9′)の容量位置が中間容量位置とな
り、前記左右の回転体の回転速度が中間速度となる第2
の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モータ
(9)、(9′)の容量位置が最小容量位置となり、前
記左右の回転体の回転速度が最大速度となる第3の回転
速度に、回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、前
記第1の回転速度と前記第2の回転速度と前記第3の回
転速度との間の切換を手動で行うことを特徴とする。
【0053】第4発明によれば第1発明と同様に油圧モ
ータ9、9′を用いて左右の回転体100、100′の
回転速度を3段階に切り換える場合に左右の回転体10
0、100′の間の回転数差をなくすことができる。
【0054】さらに第4発明によれば第1の回転速度と
第2の回転速度と第3の回転速度との間の切換が手動で
行われる。第4発明によれば油圧モータの容量が自動的
に切り換わることが好ましくないときに手動で自由に切
り換えることができる。
【0055】また請求項5に係る第5発明は、第1発明
において、前記速度切換手段は、前記左右の可変容量型
油圧モータ(9)、(9′)の容量位置が最大容量位置
となり、前記左右の回転体の回転速度が最小速度となる
第1の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モ
ータ(9)、(9′)の容量位置が中間容量位置とな
り、前記左右の回転体の回転速度が中間速度となる第2
の回転速度に、また、前記左右の可変容量型油圧モータ
(9)、(9′)の容量位置が最小容量位置となり、前
記左右の回転体の回転速度が最大速度となる第3の回転
速度に、回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、前
記第1の回転速度と前記第2の回転速度との間で切換を
自動的に行うことと、前記第2の回転速度と前記第3の
回転速度との間で切換を自動的に行うことのいずれかを
選択することを特徴とする第5発明によれば第1発明と
同様に油圧モータ9、9′を用いて左右の回転体10
0、100′の回転速度を3段階に切り換える場合に左
右の回転体100、100′の間の回転数差をなくすこ
とができる。
【0056】さらに第5発明によれば第1の回転速度と
第2の回転速度との間で切換を自動的に行うことと、第
2の回転速度と第3の回転速度との間で切換を自動的に
行うことのいずれかを選択することができる。第1の回
転速度と第2の回転速度との間の範囲は低回転速度で高
トルクの作業領域である。第2の回転速度と第3の回転
速度との間の範囲は高回転速度で低トルクの走行領域で
ある。第5発明によれば油圧モータの使用状況によって
作業領域における自動変速を選択したときは作業領域に
おける操作性が高められ走行領域における変速が手動で
自由に行われる。また油圧モータの使用状況によって走
行領域における自動変速を選択したときは走行領域にお
ける操作性が高められ作業領域における変速が手動で自
由に行われる。
【0057】また第2の課題を解決するために請求項6
に係る第6発明は、回転体を回転駆動する可変容量型油
圧モータ(9)と、前記可変容量型油圧モータ(9)に
圧油を供給する油圧ポンプ(3)と、前記可変容量型油
圧モータ(9)の容量位置を切り換えることによって前
記回転体の回転速度を切り換える速度切換手段とを備え
た油圧モータによる変速装置において、前記速度切換手
段は、両ストロークエンド位置間を移動することによっ
て前記可変容量型油圧モータ(9)の容量位置を最小容
量位置から最大容量位置まで変化させるピストン(1
1)と、前記両ストロークエンド位置間の1または2以
上の中間位置に位置されることによって、前記ピストン
(11)の移動を1または2以上の中間位置で規制する
1または2以上の規制部材(12、67)と、前記ピス
トン(11)と前記規制部材(12、67)とによって
前記回転体の回転速度を3以上に切り換える位置制御手
段を含むことを特徴とする。
【0058】第6発明を図17を用いて具体的に説明す
る。
【0059】第1ピストン11は図17(a)に示すス
トロークエンド位置と図17(d)に示すストロークエ
ンド位置の間を移動する。第1ピストン11が両ストロ
ークエンド位置間を移動することによって可変容量型油
圧モータ9の容量位置は最大容量位置から最小容量位置
まで変化する。
【0060】第3ピストン67は図17(b)に示すよ
うに第1の中間位置に位置決めされ、第2ピストン12
は図17(c)に示すように第2の中間位置に位置決め
される。第1ピストン11が第3ピストン67に当接す
ると第1ピストン11の移動は第1の中間位置で規制さ
れ、第1ピストン11が第2ピストン12に当接すると
第1ピストン11の移動は第2の中間位置で規制され
る。
【0061】第1ピストン11、第2ピストン12、第
3ピストン67は各位置に不連続に位置決めされる。
【0062】すなわち図17(a)に示すように第1ピ
ストン11が一方のストロークエンド位置に位置決めさ
れると、可変容量型油圧モータ9の容量位置は最大容量
位置になり、回転体の回転速度は最小速度になる。
【0063】また図17(b)に示すように第3ピスト
ン67が第1の中間位置に位置決めされ第1ピストン1
1が第3ピストン67に当接する位置に位置決めされる
と、可変容量型油圧モータ9の容量位置は第1中間容量
位置になり、回転体の回転速度は第1中間速度になる。
【0064】また図17(c)に示すように第2ピスト
ン12が第2の中間位置に位置決めされ第1ピストン1
1が第2ピストン12に当接する位置に位置決めされる
と、可変容量型油圧モータ9の容量位置は第2中間容量
位置になり、回転体の回転速度は第2中間速度になる。
【0065】また図17(d)に示すように第1ピスト
ン11が他方のストロークエンド位置に位置決めされる
と、可変容量型油圧モータ9の容量位置は最小容量位置
になり、回転体の回転速度は最大速度になる。
【0066】第6発明によれば第1ピストン11、第2
ピストン12、第3ピストン67を各位置に不連続に位
置決めすることによって、回転体の回転速度を3以上に
切り換えることができる。このためサーボバルブ等の複
雑な構造および制御を用いることなく簡易な構造および
制御で油圧モータの回転速度を3段階以上に切り換える
ことができる。油圧モータの変速数が3段階以上に増加
するので油圧ポンプの最大吐出量を小さくでき油圧ポン
プのサイズを小さくすることができる。
【0067】また請求項7に係る第7発明は、第6発明
において、前記位置制御手段は、前記ピストン(11)
と前記1または2以上の規制部材(12、67)に圧油
を作用させる各受圧室(13、14、15、68)と、
前記各受圧室(13、14、15、68)に供給する圧
油の圧力の高、低の組合せを、前記回転体の各回転速度
毎に予め設定し、切り換えるべき回転速度に対応した
高、低の組合せの圧油を前記各受圧室(13、14、1
5、68)にそれぞれ供給する圧油供給手段とを含むこ
とを特徴とする。
【0068】第7発明を図17、図18を用いて説明す
る。
【0069】第1ピストン11、第2ピストン12、第
3ピストン67は各受圧室13、14、15、68に圧
油が作用することによって移動する。
【0070】図18に示すように各受圧室13、14、
15、68に供給する圧油の圧力の高、低(オン、オ
フ)の組合せは、回転体の各回転速度毎に予め設定され
ている。切り換えるべき回転速度に対応した高、低の組
合せの圧油を各受圧室13、14、15、68にそれぞ
れ供給すると、第1ピストン11、第2ピストン12、
第3ピストン67が不連続に位置決めされて、回転体の
回転速度が切り換えられる。
【0071】第7発明によれば切り換えるべき回転速度
に対応した高、低の組合せの圧油を各受圧室13、1
4、15、68にそれぞれ供給することによって第1ピ
ストン11、第2ピストン12、第3ピストン67を各
位置に不連続に位置決めするようにしているので、油圧
モータの構造および制御を更に簡易にすることができ
る。
【0072】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る油圧モータによ
る変速装置の実施の形態について図面を参照して説明す
る。
【0073】本実施の形態では3つの位置に固定ができ
る位置決め装置を用いた可変容量型ピストンモータを想
定している。
【0074】図1は、位置決め装置の断面図である。
【0075】ここで同図1を用いて本発明に用いる位置
決め装置の構造について説明する。
【0076】位置決め装置45はボディ44とカバー4
1からなる。ボディ44には孔70が形成されている。
孔70の径は各部分で同一である。
【0077】ボディ44の孔70には、第1ピストン1
1および第2ピストン12が端面11a、12aを対向
させて設けられている。また第1ピストン11および第
2ピストン12は孔70の長手方向に沿って摺動自在で
ある。第1ピストン11および第2ピストン12の外径
はそれぞれ同一径となっている。さらに第1ピストン1
1および第2ピストン12はピストンの長手方向各部で
同一径となるように形成されている。第1ピストン11
にはピン43がネジ71によって固定されている。位置
決め対象部材はこのピン43の先端に揺動自在に接続さ
れる。
【0078】第2ピストン12は第1ピストン11に対
向する端面12aとこの端面12aとは反対側の端面1
2bとを有している。端面12bはカバー41に対向し
ている。ここで第2ピストン12の端面12bの受圧面
積はS1である。
【0079】第1ピストン11は第2ピストン12に対
向する端面11aとこの端面11aとは反対側の端面1
1bとを有している。端面11bは孔端面70aに対向
している。孔端面70aには第1ピストン案内部材42
が形成されている。第1ピストン11には第1ピストン
案内部材42の外径に応じた径の孔11cが形成されて
いる。第1ピストン案内部材42の摺動面と第1ピスト
ン11の孔11cの摺動面とが摺動しつつ第1ピストン
11が孔70内を移動する。
【0080】ここで第1ピストン11の端面11aの受
圧面積はS2であり端面11bの受圧面積はS3である。
【0081】第1受圧室13は第2ピストン12の端面
12bに圧力を作用させる受圧室である。また第2受圧
室14は第1ピストン11の端面11aに圧力を作用さ
せる受圧室である。第3受圧室15は第1ピストン11
の端面11bに圧力を作用させる受圧室である。
【0082】中間位置調整機構40はカバー41に設け
られる。中間位置調整機構40は調整ネジ40aとナッ
ト40cとからなる。調整ネジ40aの基端はナット4
0cによってカバー41に固定される。調整ネジ40a
の先端には第2ピストン規制部40bが形成されてい
る。第2ピストン12には調整ネジ40aの外径に応じ
た径の孔12cが形成されている。第2ピストン12の
孔12cの摺動面と調整ネジ40aの摺動面とが摺動し
つつ第2ピストン12が孔70内を移動する。
【0083】第2ピストン規制部40bは第2ピストン
12が第1ピストン11側に移動する際の停止位置を決
める。
【0084】一方第1ピストン11には第2ピストン規
制部40bの外径に応じた径の孔11dが形成されてい
る。第1ピストン11の孔11dの摺動面と第2ピスト
ン規制部40bの摺動面とが摺動しつつ第1ピストン1
1が孔70内を移動する。
【0085】中間容量位置は中間位置調整機構40によ
って調整される。すなわちナット40cによる調整ネジ
40aの固定状態を解除し、調整ネジ40aのねじ込み
量を調整し再度ナット40cによって調整ネジ40aを
カバー41に固定することにより中間容量位置が調整さ
れる。
【0086】なお図2、図3も位置決め装置の断面図で
ある。図1〜図3は位置決め装置が位置決め対象部材を
固定できる3位置を示している。
【0087】つぎに可変容量型ピストンモータ・ポンプ
の容量制御装置の実施の形態について図面を参照して説
明する。
【0088】図4は、斜軸式のアキシャル形ピストンモ
ータ9の断面図である。
【0089】このピストンモータ9は大きくは、シリン
ダブロック47と弁板46と主軸51とが収容されたケ
ース52と、弁板46の揺動位置を3段階に位置決めす
ることによってピストンモータ9の容量位置を3段階に
位置決めする位置決め装置45とからなる。
【0090】シリンダブロック47内にはセンタシャフ
ト10とピストン49とが収容されている。センタシャ
フト10の一端は主軸51に揺動自在に接続されてい
る。センタシャフト10の他端は弁板46に接続されて
いる。ピストン49はシリンダブロック47内に形成さ
れたシリンダ48内に摺動自在に設けられている。
【0091】ピストンモータ9の容量は弁板46の揺動
に応じて変化する。すなわち弁板46が揺動されるとセ
ンタシャフト10の主軸51に対する角度が変化しピス
トン49のストローク量が変化する。つまりセンタシャ
フト10を挟んで対向するピストン49、49間で容積
差が生じる。主軸51は油圧モータの出力軸である。
【0092】弁板46の停止位置は最小容量調整機構5
4および最大容量調整機構53によって規制される。最
小容量調整機構54はケース52に設けた調整ネジ54
bとこの調整ネジ54bをケース52に固定するナット
54aとからなる。調整ネジ54bの一方の先端はケー
ス52の内側面より突出し、他方の先端はケース52の
外側面より突出するよう設けられている。最大容量調整
機構53も同様である。
【0093】弁板46がケース52の内側面より突出す
る調整ネジ54bの先端に接した位置でモータが最小容
量となる。同様に弁板46がケース52の内側面より突
出する調整ネジ53bの先端に接した位置でモータが最
大容量となる。
【0094】最小容量位置は最小容量調整機構54によ
って調整される。
【0095】具体的にはナット54aによる調整ネジ5
4bの固定状態を解除し、調整ネジ54bのねじ込み量
を調整し再度ナット54aによって調整ネジ54bをケ
ース52に固定することにより最小容量位置が調整され
る。同様にして最大容量位置が調整される。
【0096】つぎに上記ピストンモータ9の容量の制御
について図7を併せ参照して説明する。
【0097】図7は第1受圧室13、および第2受圧室
14、第3受圧室15に対する圧油の供給のON、OF
Fと油圧モータ9の容量との関係を示す図である。同7
図において「ON」とあるのは受圧室に高圧の圧油が供
給されていることを示し、「OFF」とあるのは受圧室
に低圧の圧油が供給されていることを示している。なお
低圧の状態はたとえば圧油の供給が遮断されている状態
である。以下説明の便宜上「高圧」の大きさをPとし
「低圧」の大きさを0とする。また図7において「本発
明」とあるのは図4〜図6に示す実施の形態の場合であ
り「従来」とあるのは図10に示す従来技術の場合であ
る。図4〜図6に示す本実施の形態で実際に使用する状
態は同図に太線枠で示す。
【0098】図7の第5段目の太線枠内に示す組み合わ
せで各受圧室13、14、15への圧油の供給が制御さ
れると、第1ピストン11、第2ピストン12は図4に
示す状態になる。このとき弁板46は最大容量位置に位
置決めされる。
【0099】すなわち第2受圧室14と第3受圧室15
に高圧の圧油が供給される。このとき第1ピストン11
の端面11aの受圧面積S2と端面11bの受圧面積S3
との間には受圧面積差S2−S3(>0)がある。このた
め第1ピストン11には孔端面70a側に移動しようと
する力F=(S2−S3)・Pが作用する。このため第1
ピストン11は弁板46が最大容量調整用の調整ネジ5
3bの先端に当接する位置まで移動する。第1ピストン
11が孔端面70aに当接する前に弁板46が最大容量
調整用の調整ネジ53bの先端に当接する。こうして第
1ピストン11が、第2ピストン12から離れた位置に
位置決めされる。このとき弁板46は最大容量位置に位
置決めされる。
【0100】図7の第3段目の太線枠内に示す組み合わ
せで各受圧室13、14、15への圧油の供給が制御さ
れると、第1ピストン11、第2ピストン12は図5に
示す状態になる。このとき弁板46は中間容量位置に位
置決めされる。
【0101】すなわち第1受圧室13と第3受圧室15
に高圧の圧油が供給される。このとき第2ピストン12
の端面12bの受圧面積S1と第1ピストン11の端面
11bの受圧面積S3との間には受圧面積差S1−S3
(>0)がある。このため第1ピストン11および第2
ピストン12には孔端面70a側に移動しようとする力
F=(S1−S3)・Pが作用する。第2ピストン12は
調整ネジ40aの第2ピストン規制部40bに当接され
当該第2ピストン12の動きが規制される。第1ピスト
ン11は第2ピストン規制部40bにより動きが規制さ
れた第2ピストン12に当接する。こうして第1ピスト
ン11が中間位置に位置決めされる。このとき弁板46
は中間容量位置に位置決めされる。
【0102】図7の第7段目の太線枠内に示す組み合わ
せで各受圧室13、14、15への圧油の供給が制御さ
れると、第1ピストン11、第2ピストン12は図6に
示す状態になる。このとき弁板46は最小容量位置に位
置決めされる。
【0103】すなわち第3受圧室15に高圧の圧油が供
給される。このとき第1ピストン11の端面11bには
第2ピストン12側に移動しようとする力F=S3・P
が作用する。このため第1ピストン11は第2ピストン
12に当接しつつ弁板46が最小容量調整用の調整ネジ
54bの先端に当接する位置まで移動する。第2ピスト
ン12がカバーに当接する前に弁板46が最小容量調整
用の調整ネジ54bの先端に当接する。こうして第1ピ
ストン11が、第2ピストン規制部40bにより動きが
規制されていない第2ピストン12に当接する位置に位
置決めされる。このとき弁板46は最小容量位置に位置
決めされる。
【0104】なお上述した実施の形態では各受圧室1
3、14、15への圧油の供給を太線枠で示す組み合わ
せにより制御している。しかし図7に示す他の組み合わ
せによって弁板46の容量位置を変化させることも可能
である。
【0105】図7の第5段目の太線枠内に示す組み合わ
せの代わりに第1、2、6段目に示す組み合わせで各受
圧室13、14、15への圧油の供給を制御しても、第
1ピストン11を図4に示す状態に位置決めすることが
でき弁板46の容量位置を最大容量位置に位置決めする
ことができる。
【0106】ただし第4、8段目に示す組み合わせで各
受圧室13、14、15への圧油の供給を制御すると第
1ピストン11の位置は不定状態となり弁板46の容量
位置は不定状態となる。
【0107】つぎに上記ピストンモータ9の容量位置を
調整する動作について説明する。
【0108】図4では弁板46は最大容量位置に位置決
めされている。このとき最大容量位置は最大容量調整機
構53によって調整される。
【0109】具体的にはナット53aによる調整ネジ5
3bの固定状態を解除し、調整ネジ53bのねじ込み量
を調整し再度ナット53aによって調整ネジ53bをケ
ース52に固定することにより最大容量位置が調整され
る。
【0110】図5では弁板46は中間容量位置に位置決
めされている。このとき中間容量位置は中間位置調整機
構40によって調整される。
【0111】具体的にはナット40cによる調整ネジ4
0aの固定状態を解除し、調整ネジ40aのねじ込み量
を調整し再度ナット40cによって調整ネジ40aをカ
バー41に固定することにより中間容量位置が調整され
る。
【0112】図6では弁板46は最小容量位置に位置決
めされている。このとき最小容量位置は最小容量調整機
構54によって調整される。
【0113】具体的にはナット54aによる調整ネジ5
4bの固定状態を解除し、調整ネジ54bのねじ込み量
を調整し再度ナット54aによって調整ネジ54bをケ
ース52に固定することにより最小容量位置が調整され
る。
【0114】なお以上で説明した本実施の形態はブルド
ーザなどのHST車の油圧モータとして用いられること
を想定している。このとき主軸51はHST車の走行体
(車輪または履帯)に接続される。
【0115】ブルドーザなどのHST(ハイドロ・スタ
ティック・トランスミッション)車では左右の走行体
(車輪または履帯)が、左右それぞれに設けられたHS
Tによって独立して駆動される。すなわち車体の左側の
走行体は左側専用のHSTつまり1組の油圧ポンプと油
圧モータによって独立して駆動され独立して変速され
る。同様に車体の右側の走行体は右側専用のHSTつま
り1組の油圧ポンプと油圧モータによって独立して駆動
され独立して変速される。
【0116】HST車の変速には可変容量型モータの容
量を変化させることにより行うものがある。この可変容
量型モータとポンプそれぞれの構造を図4〜図7に示し
ている。
【0117】以上のように本実施の形態によれば、中間
容量位置で調整を行うことができるため、油圧モータ9
が中間容量位置に変速された際に左右の油圧モータ9、
9の間で回転数差をなくすことができる。このため直進
時に走行曲がりをなくすことができる。さらに本実施の
形態によれば最小容量位置、最大容量位置、中間容量位
置の3段階に容量位置が変化するために、油圧ポンプの
容量を小さくできこれに伴い油圧ポンプのサイズを小さ
くすることができる。このため限られたスペースに油圧
機器を搭載することが可能となる。
【0118】さらに本実施の形態によれば、第1ピスト
ン11、第2ピストン12の外径をそれぞれ同一の径と
したため、第1ピストン11、第2ピストン12の構造
を簡素にでき、これらピストン11、12を収容する孔
70を各部で径が同一となる簡素な構造にすることがで
きる。このため位置決め装置45を製造する際の加工が
容易になるなどの効果が得られる。
【0119】さらに本実施の形態によれば、第1ピスト
ン11が最小容量位置に位置決めされたときの位置が調
整される。最小容量位置は油圧モータ9の影響が出やす
い。本実施の形態によれば、個体差が大きくばらつきの
大きい最小容量位置を容易に調整することができる。
【0120】また本実施の形態では中間位置調整機構4
0が第1ピストン11、第2ピストン12の移動方向に
沿ってボディ44のカバー41に設けられている。この
ため調整作業を容易に行うことができる。
【0121】つぎに図1〜図3に示す実施の形態の位置
決め装置とは異なる実施の形態の位置決め装置について
図12を参照して説明する。なお図1〜図3に示す実施
の形態と同様の部分については説明を省略する。
【0122】同図12に示す位置決め装置と図1〜図3
に示す位置決め装置との相違点は第1ピストン11、第
2ピストン12の移動方向に沿って最大位置調整機構6
1、最小位置調整機構63が設けられていることであ
る。また同様に最小位置調整機構63に中間位置調整機
構62が設けられていることである。
【0123】すなわちボディ44には孔90が形成され
ている。ボディ44の孔90には、第1ピストン11お
よび第2ピストン12が端面11a、12aを対向させ
て設けられている。第1ピストン11の端面11bに対
向する側にはカバー64がボディ44に設けられてい
る。第2ピストン12の端面12bに対向する側にはカ
バー65がボディ44に設けられている。このカバー6
5は図1〜図3のカバー41に相当するものである。
【0124】最大位置調整機構61はカバー64に設け
ている。最大位置調整機構61は調整ネジ61aとナッ
ト61cとからなる。調整ネジ61aの基端はナット6
1cによってカバー64に固定される。調整ネジ61a
の先端には第1ピストン規制部61bが形成されてい
る。調整ネジ61aは第1ピストン11と同一軸上に設
けられている。
【0125】最小位置調整機構63はカバー65に設け
ている。最小位置調整機構63は調整ネジ63aとナッ
ト63cとからなる。調整ネジ63aの基端はナット6
3cによってカバー65に固定される。調整ネジ63a
の先端には第2ピストン規制部63bが形成されてい
る。調整ネジ63aは第2ピストン12と同一軸上に設
けられている。
【0126】中間位置調整機構62は最小位置調整機構
63の調整ネジ63aに設けている。中間位置調整機構
62は調整ネジ62aとナット62cとからなる。調整
ネジ62aの基端はナット62cによって最小位置調整
機構63の調整ネジ63aの基端部に固定される。調整
ネジ62aの先端には第2ピストン規制部62bが形成
されている。調整ネジ63aには調整ネジ62aの外径
に応じた径の孔63dが形成されており、調整ネジ62
aは孔63d内を摺動することができる。
【0127】第2ピストン12には調整ネジ63aの外
径に応じた径の孔12cが形成され、また第2ピストン
規制部62bの外径に応じた径の孔12dが形成されて
いる。孔12cが調整ネジ63aと摺動しつつ、また孔
12dが第2ピストン規制部62bと摺動しつつ第2ピ
ストン12は孔90内を移動する。
【0128】第2ピストン規制部62bは第2ピストン
12が第1ピストン11側に移動する際の停止位置を決
める。
【0129】以下図12に示す位置決め装置66の動作
について説明する。
【0130】最大容量位置は最大位置調整機構61によ
って調整される。
【0131】具体的にはナット61cによる調整ネジ6
1aの固定状態を解除し、調整ネジ61aのねじ込み量
を調整し再度ナット61cによって調整ネジ61aをカ
バー64に固定することにより最大容量位置が調整され
る。
【0132】最小容量位置は最小位置調整機構63によ
って調整される。
【0133】具体的にはナット63cによる調整ネジ6
3aの固定状態を解除し、調整ネジ63aのねじ込み量
を調整し再度ナット63cによって調整ネジ63aをカ
バー65に固定することにより最小容量位置が調整され
る。
【0134】中間容量位置は中間位置調整機構62によ
って調整される。
【0135】具体的にはナット62cによる調整ネジ6
2aの固定状態を解除し、調整ネジ62aのねじ込み量
を調整し再度ナット62cによって調整ネジ62aを最
小位置調整機構63の調整ネジ63aの基端部に固定す
ることにより中間容量位置が調整される。
【0136】図12に示す実施の形態では中間位置調整
機構62のみならず、最小位置調整機構63、最大位置
調整機構61が第1ピストン11、第2ピストン12の
移動方向に沿ってボディ44に設けられている。このた
め図4に示すように弁板46の揺動方向に沿って設けら
れた最小容量調整機構54、最大容量調整機構53と比
較して、調整作業を容易に行うことができる。図12に
示す実施の形態はケース52の周囲に容量を調整する機
構のスペースがとれない場合に適している。
【0137】なお図4〜図6および図12に示す最大容
量調整機構、中間容量調整機構、最小容量調整機構では
調整ネジとナットを使用して容量位置を調整している。
しかしこれに限ることなく偏芯カム、シム、電磁ソレノ
イドによって弁板46または第1ピストン11、第2ピ
ストン12の動きが規制される位置を調整して、容量位
置を調整してもよい。
【0138】また図4〜図6に示す実施の形態では斜軸
式のアキシャル型ピストンモータ(ポンプ)を想定して
いる。しかし斜板式のモータまたはポンプ、ラジアル型
モータまたはポンプを本発明に使用することも可能であ
る。
【0139】図13は上述した油圧モータが組み込まれ
たHST車の油圧回路図である。
【0140】同図において図1〜図6、図12と同一の
ものには同一の符号を付してその説明は省略する。
【0141】図13に示すようにHST車の車体の左右
には車輪または履帯からなる走行体100、100′が
それぞれ設けられている。なお実施形態では走行体とし
て履帯を想定している。左履帯100は図4〜図6で説
明した油圧モータ9によって回転駆動される。同様に右
履帯100′は油圧モータ9と同様の油圧モータ9′に
よって回転駆動される。すなわち左右の履帯100、1
00′は左右の油圧モータ9、9′によって回転駆動さ
れる回転体である。
【0142】左油圧モータ9を中心として左モータ機構
8が構成されている。右油圧モータ9′を中心として右
モータ機構8′が構成されている。
【0143】左油圧モータ9は左油圧ポンプ3を駆動源
として駆動される。右油圧モータ9′は右油圧ポンプ
3′を駆動源として駆動される。左油圧ポンプ3を中心
として左ポンプ機構7が構成されている。右油圧ポンプ
3′を中心として右ポンプ機構7′が構成されている。
【0144】すなわち車体の左側の履帯100は左側専
用のHSTつまり1組の左ポンプ機構7と左モータ機構
8によって独立して駆動され独立して変速される。同様
に車体の右側の履帯100′は右側専用のHSTつまり
1組の右ポンプ機構7′と右モータ機構8′によって独
立して駆動され独立して変速される。
【0145】HST車の変速は左右の油圧モータ9、
9′の容量を変化させることにより行われる。左右の油
圧モータ9、9′の容量の切り換えはモータ容量切換機
構22によって行われる。
【0146】以下左モータ機構8、右モータ機構8′、
左ポンプ機構7、右ポンプ機構7′のうち左側の機構を
代表させてそれらの構成について説明する。左側の機構
の構成要素の符号にダッシュ(′)を付した構成要素は
右側の機構の構成要素であるとして適宜説明を省略す
る。
【0147】左油圧ポンプ3はエンジン1の出力軸とし
ての回転軸2に接続されている。つまり左油圧ポンプ3
はエンジン1によって駆動される可変容量型油圧ポンプ
である。この油圧ポンプ3はたとえば斜板式の油圧ポン
プである。油圧ポンプ3の斜板4の傾転角はサーボピス
トン5の移動位置に応じて変化される。左油圧ポンプ3
は2つの吐出ポート3a、3bを有している。つまり左
油圧ポンプ3は2方向流れ可能な油圧ポンプである。サ
ーボピストン5の位置が変化しこれに伴い斜板4の傾転
角が変化されると圧油の吐出方向が吐出ポート3aまた
は3bに切り換えられるとともに左油圧ポンプ3の容量
が変化される。
【0148】また固定容量型油圧ポンプ6はエンジン1
の回転軸2に接続されており、エンジン1によって駆動
される。油圧ポンプ6はパイロットバルブ23にパイロ
ット圧油の元圧を供給する供給源である。サーボピスト
ン5にはパイロットバルブ23によって制御されたパイ
ロット圧油が供給される。
【0149】左油圧ポンプ3の一方の吐出ポート3aは
管路25を介して左油圧モータ9の一方のポート9aに
連通している。左油圧ポンプ3の他方の吐出ポート3b
は管路26を介して左油圧モータ9の他方のポート9b
に連通している。
【0150】したがってパイロットバルブ23からパイ
ロット圧油がサーボピストン5に供給されると左油圧ポ
ンプ3の斜板4の傾転角が変化される。これにより左油
圧ポンプ3から圧油が吐出される吐出ポートが3aまた
は3bに切り換えられ左油圧モータ9のポート9aまた
は9bに圧油が流入される。
【0151】左油圧モータ9のポート9aに圧油が流入
された場合には左油圧モータ9は一方の方向(これを正
方向という)に回転され、これに応じて左履帯100は
正方向(これを前進方向という)に駆動される。このと
き左油圧モータ9のポート9aの反対側のポート9bか
らは圧油が管路26に流出され、可変容量油圧ポンプ3
に環流される。
【0152】また左油圧モータ9のポート9bに圧油が
流入された場合には左油圧モータ9は他方の方向(これ
を逆方向という)に回転され、これに応じて左履帯10
0は逆方向(これを後進方向という)に駆動される。こ
のとき左油圧モータ9のポート9bの反対側のポート9
aからは圧油が管路25に流出され、可変容量油圧ポン
プ3に環流される。
【0153】なお右油圧ポンプ8′、右油圧モータ9′
についても上述したのと同様に作動する。
【0154】つぎにモータ容量切換機構22の構成につ
いて説明する。
【0155】モータ容量切換機構22は3位置切換弁2
0と切換弁コントローラ17と圧力センサ18、19と
高圧選択弁21とから構成されている。
【0156】3位置切換弁20には管路104を介して
元圧が供給されている。
【0157】すなわち左モータ機構8には逆止弁10
1、102が設けられている。逆止弁101の圧油流入
口は管路25に接続されている。逆止弁102の圧油流
入口は管路26に接続されている。逆止弁101、10
2の圧油流出口は管路103に接続されている。管路1
03は高圧選択弁21の流入口に接続されている。同様
に右モータ機構8′には逆止弁101′、102′が設
けられている。逆止弁101′の圧油流入口は管路2
5′に接続されている。逆止弁102′の圧油流入口は
管路26′に接続されている。逆止弁101′、10
2′の圧油流出口は管路103′に接続されている。管
路103′は高圧選択弁21の流入口に接続されてい
る。高圧選択弁21の流出口は管路104に接続されて
いる。
【0158】したがって管路25内の圧油の圧力と管路
26内の圧油の圧力のうち高圧側の圧油が逆止弁10
1、102を介して管路103に流出される。また管路
25′内の圧油の圧力と管路26′内の圧油の圧力のう
ち高圧側の圧油が逆止弁101′、102′を介して管
路103′に流出される。なお本実施形態では2つの逆
止弁101、102または逆止弁101′、102′を
用いているが、2つの逆止弁の代わりにシャトル弁を使
用してもよい。
【0159】高圧選択弁21では管路103内の圧油の
圧力と管路103′内の圧油の圧力のうち高圧側の圧油
が選択され管路104に流出される。
【0160】このようにして3位置切換弁20には、左
右の油圧モータ9、9′に流入される圧油のうちで高圧
側が元圧として供給される(図13、図14の場合)。
【0161】図示した例では上述の通り、高圧選択弁2
1で選択された圧油を1つの3位置切換弁20を介して
左右モータ機構8、8′へ作用させている。
【0162】なおここで、左右モータ機構8、8′を作
動する油圧回路は次の様に構成してもよい。管路103
の圧油は1つの3位置切換弁を介して左モータ機構8の
みを駆動し、管路103′の圧油は別の3位置切換弁を
介して右モータ機構8′のみを駆動する構成である。こ
のとき、2つの3位置切換弁は、切換スイッチ16を切
換えることで切換弁コントローラ17にて同時に制御さ
れるものである。
【0163】管路104内の圧油(3位置切換弁の元
圧)は管路104上に設けられた圧力センサ18、19
によって検出される。圧力センサ18は管路104内の
圧油の圧力が第1のしきい値以上になったことを検出す
るセンサである。圧力センサ19は管路104内の圧油
の圧力が第2のしきい値以上になったことを検出するセ
ンサである。ここで第2のしきい値は第1のしきい値よ
りも大きい値である。
【0164】圧力センサ18、19から出力された検出
信号は切換弁コントローラ17に入力される。
【0165】3位置切換弁20は最大位置20a、中間
位置20b、最小位置20cの3つの弁位置を有してい
る。3位置切換弁20には管路27a、28aが接続さ
れている。管路27aは左右の管路27、27′に分岐
されている。管路27は左モータ機構8の第1受圧室1
3に連通している。同様に管路27′は右モータ機構
8′の第1受圧室13′に連通している。管路28aは
左右の管路28、28′に分岐されている。管路28は
左モータ機構8の第2受圧室14に連通している。同様
に管路28′は右モータ機構8′の第2受圧室14′に
連通している。
【0166】管路104は左右のパイロット管路29、
29′に分岐されている。管路29は左モータ機構8の
第3受圧室15に連通している。同様に管路29′は右
モータ機構8′の第3受圧室15′に連通している。よ
って左右のモータ機構8、8′の各受圧室13〜15、
13′〜15′には、左右の油圧モータ9、9′に流入
される圧油のうちで高圧側を元圧とする信号圧が供給さ
れる。
【0167】したがって3位置切換弁20の弁位置が最
大位置20aに切り換えられると油圧モータ9、9′の
容量が最大容量位置に位置決めされる。また3位置切換
弁20の弁位置が中間位置20bに切り換えられると油
圧モータ9、9′の容量が中間容量位置に位置決めされ
る。また3位置切換弁20の弁位置が最小位置20cに
切り換えられると油圧モータ9、9′の容量が最小容量
位置に位置決めされる。
【0168】3位置切換弁20の切り換えの制御は切換
弁コントローラ17によって行われる。切換弁コントロ
ーラ17から出力された制御信号は3位置切換弁20の
電磁ソレノイドに加えられ、3位置切換弁20の弁位置
が切り換えられる(図13の回路図)。なお、切換弁コ
ントローラ17から出力される制御信号を電気の代わり
に油圧パイロット圧として、3位置切換弁20に作用さ
せ、3位置切換弁20の弁位置を切換えても良い。
【0169】切換弁コントローラ17には手動で左右の
油圧モータ9、9′の変速を行う切換スイッチ16が設
けられている。切換スイッチ16が「Lo」側に切り換
えられると左右の油圧モータ9、9′を低回転側に変速
させるためのLo信号が切換弁コントローラ17に入力
される。また切換スイッチ16が「Hi」側に切り換え
られると左右の油圧モータ9、9′を高回転側に変速さ
せるためのHi信号が切換弁コントローラ17に入力さ
れる。
【0170】以下切換弁コントローラ17で行われる制
御の内容について図15を参照して説明する。なお以下
の説明では左油圧モータ9の動作を代表させて説明す
る。
【0171】図15(b)は第1および第2、第3受圧
室13および14、15に対する圧油の供給のON、O
FFと油圧モータ9の容量、切換スイッチ16の切換状
態との関係を示す図である。同図において「ON」とあ
るのは受圧室に高圧の圧油が供給されていることを示
し、「OFF」とあるのは受圧室に低圧の圧油が供給さ
れていることを示している。なお低圧の状態はたとえば
圧油の供給が遮断されている状態である。以下説明の便
宜上「高圧」の大きさをPとし「低圧」の大きさを0
(ゲージ圧)とする。また同図において第1段目の組み
合わせ(最大、OFF、ON、ON)は図7の第5段目
の太線枠内の組み合わせに相当する。第2段目の組み合
わせ(中間、ON、OFF、ON)は図7の第3段目の
太線枠内の組み合わせに相当する。第3段目の組み合わ
せ(最小、OFF、OFF、ON)は図7の第7段目の
太線枠内の組み合わせに相当する。
【0172】切換スイッチ16が「Lo」側に切り換え
られると左油圧モータ9を低回転側に変速させるための
Lo信号が切換弁コントローラ17に入力される。この
ため切換弁コントローラ17では、3位置切換弁20の
弁位置を最大位置20aに切り換えるための制御信号が
3位置切換弁20の電磁ソレノイドに加えられる。これ
により3位置切換弁20の弁位置が最大位置20aに切
り換えられる。
【0173】このため3位置切換弁20から管路28
a、28を介して第2受圧室14に高圧Pの圧油が供給
される。また管路104、パイロット管路29を介して
第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。第1受圧
室13は管路27、27a、3位置切換弁20を介して
タンク24に連通されており第1受圧室13内の圧油の
圧力は低圧状態になっている。
【0174】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図4に示す最大容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
最大容量位置に対応する角度に変化される。
【0175】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は最大容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0176】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最大容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は低回転速度で高トルクの第1の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度は最小
の回転速度に切り換えられる。
【0177】このとき図4に示す最大容量調整機構53
により左右の油圧モータ9、9′の最大容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0178】切換スイッチ16が「Hi」側に切り換え
られると左油圧モータ9を高回転側に変速させるための
Hi信号が切換弁コントローラ17に入力される。この
ため切換弁コントローラ17では、3位置切換弁20の
弁位置を、圧力センサ18、19の検出信号に応じて中
間位置20bまたは最小位置20cに切り換えるための
制御信号が3位置切換弁20の電磁ソレノイドに加えら
れる。これにより3位置切換弁20の弁位置が中間位置
20bまたは最小位置20cに切り換えられる。
【0179】切換弁コントローラ17には、圧力センサ
19で管路104内の圧油の圧力が1秒以上継続して上
記第2のしきい値以上になっていること、または圧力セ
ンサ18で管路104内の圧油の圧力が1秒以上継続し
て上記第1のしきい値以下になっていることを計時する
タイマが内蔵されている。
【0180】上記タイマによって管路104内の圧油の
圧力が1秒以上継続して上記第2のしきい値以上になっ
ていることが計時された場合には、切換弁コントローラ
17から3位置切換弁20の電磁ソレノイドに対して、
中間位置20bに切り換えるための制御信号が加えられ
る。これにより3位置切換弁20の弁位置が中間位置2
0bに切り換えられる。
【0181】このため3位置切換弁20から管路27
a、27を介して第1受圧室13に高圧Pの圧油が供給
される。また管路104、パイロット管路29を介して
第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。第2受圧
室14は管路28、28a、3位置切換弁20を介して
タンク24に連通されており第2受圧室14内の圧油の
圧力は低圧状態になっている。
【0182】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図5に示す中間容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
中間容量位置に対応する角度に変化される。
【0183】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は中間容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0184】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が中間容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は中間の回転速度で中間のトルクの第2の速度
段に変速される。左右の履帯100、100′の回転速
度が中間の回転速度に切り換えられる。
【0185】このとき図5に示す中間位置調整機構40
により左右の油圧モータ9、9′の中間容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0186】上記タイマによって管路104内の圧油の
圧力が1秒以上継続して上記第1のしきい値以下になっ
ていることが計時された場合には、切換弁コントローラ
17から3位置切換弁20の電磁ソレノイドに対して、
最小位置20cに切り換えるための制御信号が加えられ
る。これにより3位置切換弁20の弁位置が最小位置2
0cに切り換えられる。
【0187】このため管路104、パイロット管路29
を介して第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。
第1受圧室13は管路27、27a、3位置切換弁20
を介してタンク24に連通されており第1受圧室13内
の圧油の圧力は低圧状態になっている。第2受圧室14
は管路28、28a、3位置切換弁20を介してタンク
24に連通されており第2受圧室14内の圧油の圧力は
低圧状態になっている。
【0188】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図6に示す最小容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
最小容量位置に対応する角度に変化される。
【0189】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は最小容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0190】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最小容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は高回転速度で低トルクの第3の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度が最大
の回転速度に切り換えられる。
【0191】このとき図6に示す最小容量調整機構54
により左右の油圧モータ9、9′の最小容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0192】以上のように本実施形態によれば油圧モー
タ9、9′を用いて左右の履帯100、100′の回転
速度を3段階に切り換える場合に左右の履帯100、1
00′の間の回転数差をなくし走行曲がりを防止するこ
とができる。
【0193】また本実施形態によれば左右の油圧モータ
9、9′の容量位置が3段階に変化するために、左右の
油圧ポンプ3、3′の容量を小さくできこれに伴い油圧
ポンプ3、3′のサイズを小さくすることができる。こ
のため油圧機器のコストが低減され、限られたスペース
に油圧機器を搭載することが可能となる。また油圧ポン
プ3、3′と油圧モータ9、9′の効率の良い圧力と容
量の条件でポンプ、モータを使用できるためHST車の
性能が向上する。
【0194】また本実施形態によれば、切換スイッチ1
6がHi側に操作されると第2の速度段と第3の速度段
との間の切換が自動的に行われる。第2の速度段と第3
の速度段との間の範囲は図11(b)に示すように高回
転速度で低トルクの走行領域である。本実施形態によれ
ば回転速度が必要となる走行領域で手動による変速が不
要となり走行領域における操作性を高めることができ
る。
【0195】さらに本実施形態によれば、以下のような
効果が得られる。
【0196】すなわちいま左右の油圧モータの9、9′
の回転数差をΔNm、変速に要する時間をΔt、左右の
履帯100、100′の走行長のずれをΔL、左右の履
帯100、100′の構造で定まる定数をDとすると、
これらの間には以下の関係が成立する。
【0197】D・ΔNm・Δt=ΔL…(3) 自動変速時の車両の走行曲がりを防止するためには、Δ
tを小さくし自動変速時における油圧モータ9、9′の
容量変化を短時間に実施する必要がある。
【0198】油圧モータ9、9′の容量変化を早くする
と、左管路25、26内のモータ流入圧と右管路2
5′、26′内のモータ流入圧の変動が大きくなり制御
上のハンチングが起こりやすくなる。本実施形態によれ
ば、管路104内の圧油の圧力が1秒以上継続して上記
第2のしきい値以上になっていることが計時された場合
または管路104内の圧油の圧力が1秒以上継続して上
記第1のしきい値以下になっていることが計時された場
合に、第2の速度段または第3の速度段への変速がなさ
れる。このため左右の油圧モータ9、9′の容量変化が
短時間になされた場合であっても左管路25、26内の
モータ流入圧と右管路25′、26′内のモータ流入圧
の変動が防止され制御上のハンチングが抑制される。
【0199】本実施形態ではスイッチ16がHi側に操
作された場合に第2の速度段と第3の速度段との間で自
動変速を行うようにしている。しかし以下に述べるよう
に操作スイッチ16がLo側に操作された場合に第1の
速度段と第2の速度段との間で自動変速を行うようにし
てもよい。
【0200】図15(c)はこの実施形態の図15
(b)に対応する図である。
【0201】切換スイッチ16が「Lo」側に切り換え
られると左油圧モータ9を低回転側に変速させるための
Lo信号が切換弁コントローラ17に入力される。この
ため切換弁コントローラ17では、3位置切換弁20の
弁位置を、圧力センサ18、19の検出信号に応じて最
大位置20aまたは中間位置20bに切り換えるための
制御信号が3位置切換弁20の電磁ソレノイドに加えら
れる。これにより3位置切換弁20の弁位置が最大位置
20aまたは中間位置20bに切り換えられる。
【0202】上記タイマによって管路104内の圧油の
圧力が1秒以上継続して上記第2のしきい値以上になっ
ていることが計時された場合には、切換弁コントローラ
17から3位置切換弁20の電磁ソレノイドに対して、
最大位置20aに切り換えるための制御信号が加えられ
る。これにより3位置切換弁20の弁位置が最大位置2
0aに切り換えられる。
【0203】このため3位置切換弁20から管路28
a、28を介して第2受圧室14に高圧Pの圧油が供給
される。また管路104、パイロット管路29を介して
第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。第1受圧
室13は管路27、27a、3位置切換弁20を介して
タンク24に連通されており第1受圧室13内の圧油の
圧力は低圧状態になっている。
【0204】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図4に示す最大容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
最大容量位置に対応する角度に変化される。
【0205】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は最大容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0206】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最大容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は低回転速度で高トルクの第1の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度は最小
の回転速度に切り換えられる。
【0207】このとき図4に示す最大容量調整機構53
により左右の油圧モータ9、9′の最大容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0208】上記タイマによって管路104内の圧油の
圧力が1秒以上継続して上記第1のしきい値以下になっ
ていることが計時された場合には、切換弁コントローラ
17から3位置切換弁20の電磁ソレノイドに対して、
中間位置20bに切り換えるための制御信号が加えられ
る。これにより3位置切換弁20の弁位置が中間位置2
0bに切り換えられる。
【0209】このため3位置切換弁20から管路27
a、27を介して第1受圧室13に高圧Pの圧油が供給
される。また管路104、パイロット管路29を介して
第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。第2受圧
室14は管路28、28a、3位置切換弁20を介して
タンク24に連通されており第2受圧室14内の圧油の
圧力は低圧状態になっている。
【0210】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図5に示す中間容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
中間容量位置に対応する角度に変化される。
【0211】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は中間容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0212】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が中間容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は中間の回転速度で中間のトルクの第2の速度
段に変速される。左右の履帯100、100′の回転速
度が中間の回転速度に切り換えられる。
【0213】このとき図5に示す中間位置調整機構40
により左右の油圧モータ9、9′の中間容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0214】切換スイッチ16が「Hi」側に切り換え
られると左油圧モータ9を高回転側に変速させるための
Hi信号が切換弁コントローラ17に入力される。この
ため切換弁コントローラ17では、3位置切換弁20の
弁位置を最小位置20cに切り換えるための制御信号が
3位置切換弁20の電磁ソレノイドに加えられる。これ
により3位置切換弁20の弁位置が最小位置20cに切
り換えられる。
【0215】このため管路104、パイロット管路29
を介して第3受圧室15に高圧Pの圧油が供給される。
第1受圧室13は管路27、27a、3位置切換弁20
を介してタンク24に連通されており第1受圧室13内
の圧油の圧力は低圧状態になっている。第2受圧室14
は管路28、28a、3位置切換弁20を介してタンク
24に連通されており第2受圧室14内の圧油の圧力は
低圧状態になっている。
【0216】この結果第1ピストン11、第2ピストン
12は図6に示す最小容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき左油圧モータ9のセンタシャフト10は
最小容量位置に対応する角度に変化される。
【0217】同様にして右油圧モータ9′のセンタシャ
フト10′は最小容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0218】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最小容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は高回転速度で低トルクの第3の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度が最大
の回転速度に切り換えられる。
【0219】このとき図6に示す最小容量調整機構54
により左右の油圧モータ9、9′の最小容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0220】この実施形態によれば、切換スイッチ16
がLo側に操作されると第1の速度段と第2の速度段と
の間の切換が自動的に行われる。第1の速度段と第2の
速度段との間の範囲は図11(b)に示すように低回転
速度で高トルクの作業領域である。本実施形態によれば
トルクが必要となる作業領域で手動による変速が不要と
なり作業領域における操作性を高めることができる。
【0221】上述した実施形態では操作スイッチ16が
Hi側に操作された場合に第2の速度段と第3の速度段
との間で自動変速を行うか、操作スイッチ16がLo側
に操作された場合に第1の速度段と第2の速度段との間
で自動変速を行うようにしている。しかし第1の回転速
度と第2の回転速度との間で切換を自動的に行うこと
と、第2の回転速度と第3の回転速度との間で切換を自
動的に行うことのいずれかをスイッチなどを用いて選択
してもよい。第1の回転速度と第2の回転速度との間の
範囲は低回転速度で高トルクの作業領域である。この実
施形態によれば油圧モータ9、9′の使用状況によって
作業領域における自動変速を選択したときは作業領域に
おける操作性が高められ走行領域における変速が手動で
自由に行われる。また油圧モータ9、9′の使用状況に
よって走行領域における自動変速を選択したときは走行
領域における操作性が高められ作業領域における変速が
手動で自由に行われる。
【0222】第1の速度段、第2の速度段、第3の速度
段の間の変速は手動で行うようにしてもよい。
【0223】図14は第1の速度段、第2の速度段、第
3の速度段の間の変速を手動で行う場合の油圧回路図で
ある。図14において図13の構成要素と同一のものに
は同一の符号を付してそれらの説明は省略する。以下図
13と異なる部分について説明する。
【0224】図14のモータ容量切換機構22では図1
3と異なり切換弁コントローラ17は設けられていな
い。3位置切換弁20には手動で左右の油圧モータ9、
9′の変速を行う切換スイッチ16が設けられている。
切換スイッチ16が「Lo」側に切り換えられると左右
の油圧モータ9、9′を第1の速度段に変速させるため
のLo信号が3位置切換弁20の電磁ソレノイドに入力
される。切換スイッチ16が「Mid」側に切り換えら
れると左右の油圧モータ9、9′を第2の速度段に変速
させるためのMid信号が3位置切換弁20の電磁ソレ
ノイドに入力される。切換スイッチ16が「Hi」側に
切り換えられると左右の油圧モータ9、9′を第3の速
度段に変速させるためのHi信号が3位置切換弁20の
電磁ソレノイドに入力される。
【0225】図15(a)はこの実施形態の図15
(b)、(c)に対応する図である。
【0226】切換スイッチ16が「Lo」側に切り換え
られると左右の油圧モータ9、9′を第1の速度段に変
速させるためのLo信号が3位置切換弁20の電磁ソレ
ノイドに入力される。このため3位置切換弁20の弁位
置が最大位置20aに切り換えられ、左右のモータ機構
8、8′の第1および第2、第3の受圧室には図15
(a)に示すように低圧(OFF)および高圧(O
N)、高圧(ON)の圧油が供給される。これにより左
右の油圧モータ9、9′は図4に示す最大容量位置に位
置決めされた状態になる。このとき左右の油圧モータ
9、9′のセンタシャフト10、10′は最大容量位置
に対応する角度に変化される。
【0227】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最大容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は低回転速度で高トルクの第1の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度は最小
の回転速度に切り換えられる。
【0228】このとき図4に示す最大容量調整機構53
により左右の油圧モータ9、9′の最大容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0229】切換スイッチ16が「Mid」側に切り換
えられると左右の油圧モータ9、9′を第2の速度段に
変速させるためのMid信号が3位置切換弁20の電磁
ソレノイドに入力される。このため3位置切換弁20の
弁位置が中間位置20bに切り換えられ、左右のモータ
機構8、8′の第1および第2、第3の受圧室には図1
5(a)に示すように高圧(ON)および低圧(OF
F)、高圧(ON)の圧油が供給される。これにより左
右の油圧モータ9、9′は図5に示す中間容量位置に位
置決めされた状態になる。このとき左右の油圧モータ
9、9′のセンタシャフト10、10′は中間容量位置
に対応する角度に変化される。
【0230】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が中間容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は中間の回転速度で中間のトルクの第2の速度
段に変速される。左右の履帯100、100′の回転速
度は中間の回転速度に切り換えられる。
【0231】このとき図5に示す中間位置調整機構40
により左右の油圧モータ9、9′の中間容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0232】切換スイッチ16が「Hi」側に切り換え
られると左右の油圧モータ9、9′を第3の速度段に変
速させるためのHi信号が3位置切換弁20の電磁ソレ
ノイドに入力される。このため3位置切換弁20の弁位
置が最小位置20cに切り換えられ、左右のモータ機構
8、8′の第1および第2、第3の受圧室には図15
(a)に示すように低圧(OFF)および低圧(OF
F)、高圧(ON)の圧油が供給される。これにより左
右の油圧モータ9、9′は図6に示す最小容量位置に位
置決めされた状態になる。このとき左右の油圧モータ
9、9′のセンタシャフト10、10′は最小容量位置
に対応する角度に変化される。
【0233】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最小容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は高回転速度で低トルクの第3の速度段に変速
される。左右の履帯100、100′の回転速度は最大
回転速度に切り換えられる。
【0234】このとき図6に示す最小容量調整機構54
により左右の油圧モータ9、9′の最小容量位置が左右
で同一となるように調整される。これにより左右の履帯
100、100′の回転速度を同一にすることができ
る。
【0235】この実施形態によれば、切換スイッチ16
によって第1の回転速度と第2の回転速度と第3の回転
速度との間の切換が手動で行われる。この実施形態によ
れば油圧モータ9、9′の容量が自動的に切り換わるこ
とが好ましくないときに手動で自由に切り換えることが
できる。
【0236】なお本実施形態では自動変速を第1の速度
段と第2の速度段との間または第2の速度段と第3の速
度段との間で行うようにしている。しかし第1の速度段
と第2の速度段と第3の速度段との間で自動変速を行う
ようにしてもよい。
【0237】また本実施形態では圧力センサ18、19
の検出信号に応じて自動変速を行うようにしている。し
かし本発明はこれに限定されることなく左右の油圧モー
タ9、9′の負荷を所定の手段で検出しこの検出された
負荷に応じて自動変速を行うようにしてもよい。
【0238】またエンジン1の回転数に応じて自動変速
を行うようにしてもよい。また左右の油圧モータ9、
9′の回転数に応じて自動変速を行うようにしてもよ
い。
【0239】本実施形態では左右の油圧モータ9、9′
それぞれに油圧ポンプ3、3′が設けられている。しか
し左右の油圧モータ9、9′に共通する油圧ポンプを設
けこの油圧ポンプから吐出された圧油を左右の油圧モー
タ9、9′に供給してもよい。
【0240】本実施形態では左右の油圧モータ9、9′
によって左右の走行体100、100′を回転駆動し変
速を行う車両の走行・変速装置を想定している。しかし
本発明はこれに限定されることなく、左右の油圧モータ
9、9′によって左右の回転体を回転駆動し変速を行う
ものであれば、任意のものに適用することができる。
【0241】たとえば左右の油圧モータによって左右の
回転体を回転駆動し変速を行う搬送装置に対しても本発
明を適用することができる。
【0242】つぎに4つの位置、すなわち最大位置、第
1中間位置、第2中間位置、最小位置に位置決めする位
置決め装置について図16を参照して説明する。
【0243】図16は、4つの位置に固定する位置決め
装置80の断面図である。なお図1〜図3に示す実施の
形態と同様の部分については適宜説明を省略する。
【0244】同図16に示す位置決め装置80と図1〜
図3に示す位置決め装置45との相違点は以下のとおり
である。すなわち第1ピストン11、第2ピストン12
の他に第3ピストン67が設けられている。また第1ピ
ストン11、第2ピストン12、第3ピストン67の移
動方向に沿って最大位置調整機構81、最小位置調整機
構84が設けられている。また最大位置調整機構81に
第1中間位置調整機構82が取り付けられ、最小位置調
整機構84に第2中間位置調整機構83が取り付けられ
ている。以下これら相違点を中心に説明する。
【0245】ボディ44には孔90が形成されている。
ボディ44の孔90には、第1ピストン11および第2
ピストン12が端面11a、12aを対向させて設けら
れている。またボディ44の孔90には第3ピストン6
7が第1ピストン11の端面11bに端面67bを対向
させて設けられている。第2ピストン12の端面12b
に対向する側にはカバー65がボディ44に設けられて
いる。第3ピストン67の端面67aに対向する側には
カバー64がボディ44に設けられている。
【0246】最大位置調整機構81はカバー64に設け
られている。最小位置調整機構84はカバー65に設け
られている。第1中間位置調整機構82は最大位置調整
機構81に取り付けられている。最小位置調整機構84
はカバー65に設けられている。第2中間位置調整機構
83は最小位置調整機構84に取り付けられている。最
小位置調整機構84の構造は最大位置調整機構81の構
造と同様である。また第2中間位置調整機構83の構造
は第1中間位置調整機構82の構造と同様である。した
がって最大位置調整機構81および第1中間位置調整機
構82の構造についての説明をし、最小位置調整機構8
4および第2中間位置調整機構83の構造についての説
明は省略する。
【0247】すなわち最大位置調整機構81は調整ネジ
81aとナット81cとからなる。調整ネジ81aはナ
ット81cによってカバー64に固定される。調整ネジ
81aは第3ピストン67と同一軸上に設けられてい
る。このため調整ネジ81aをカバー64に対して相対
的に移動させることができる。
【0248】最小位置調整機構84の構造も最大位置調
整機構81の構造と同様である。したがって調整ネジ8
4aをカバー65に対して相対的に移動させることがで
きる。
【0249】第1中間位置調整機構82は調整ネジ82
aとナット82cとからなる。調整ネジ82aはナット
82cによって最大位置調整機構81の調整ネジ81a
に固定される。調整ネジ82aには第3ピストン規制部
82bが形成されている。最大位置調整機構81の調整
ネジ81aには調整ネジ82aの外径に応じた径の孔8
1dが形成されている。このため調整ネジ82aを調整
ネジ81aに対して相対的に移動させることができる。
【0250】第3ピストン67には調整ネジ82aの外
径に応じた径の孔67cが形成されている。このため第
3ピストン67を調整ネジ82aに沿って移動させるこ
とができる。第3ピストン67がカバー64側に移動す
ると第3ピストン67の端面67aは調整ネジ81aに
当接し第3ピストン67が第1ピストン11側に移動す
ると第3ピストン67の端面67bは第3ピストン規制
部82bに当接する。
【0251】第2中間位置調整機構83の構造も第1中
間位置調整機構82の構造と同様である。したがって調
整ネジ83aを調整ネジ84aに対して相対的に移動さ
せることができ。また第2ピストン12を調整ネジ83
aに沿って移動させることができる。第2ピストン12
がカバー65側に移動すると第2ピストン12の端面1
2bは調整ネジ84aに当接し第2ピストン12が第1
ピストン11側に移動すると第2ピストン12の端面1
2aは第2ピストン規制部83bに当接する。
【0252】調整ネジ84aと第2ピストン12の端面
12bとの間には第1受圧室13が形成されている。第
2ピストン12の端面12aと第1ピストン11の端面
11aとの間には第2受圧室14が形成されている。第
1ピストン11の端面11bと第3ピストン67の端面
67bとの間には第3受圧室15が形成されている。第
3ピストン67の端面67aと調整ネジ81aとの間に
は第4受圧室68が形成されている。
【0253】第1受圧室13は第2ピストン12の端面
12bに圧力を作用させる受圧室である。第2受圧室1
4は第2ピストン12の端面12aおよび第1ピストン
11の端面11aに圧力を作用させる受圧室である。第
3受圧室15は第1ピストン11の端面11bおよび第
3ピストン67の端面67bに圧力を作用させる受圧室
である。第4受圧室68は第3ピストン67の端面67
aに圧力を作用させる受圧室である。
【0254】つぎに各調整機構81、82、83、84
による調整動作について説明する。
【0255】第1ピストン11の最大位置は最大位置調
整機構81によって調整される。
【0256】具体的にはナット81cによる調整ネジ8
1aの固定状態を解除し、調整ネジ81aのねじ込み量
を調整し、再度ナット81cによって調整ネジ81aを
カバー64に固定することにより調整ネジ81aのカバ
ー64に対する相対位置が調整される。これにより第1
ピストン11の最大位置を調整することができる。
【0257】第1ピストン11の第1中間位置は第1中
間位置調整機構82によって調整される。
【0258】具体的にはナット82cによる調整ネジ8
2aの固定状態を解除し、調整ネジ82aのねじ込み量
を調整し、再度ナット82cによって調整ネジ82aを
最大位置調整機構81の調整ネジ81aに固定すること
により調整ネジ82aの調整ネジ81aに対する相対位
置が調整される。これにより第1ピストン11の第1中
間位置を調整することができる。
【0259】第1ピストン11の第2中間位置は第2中
間位置調整機構83によって調整される。その調整動作
は第1中間位置調整機構82の調整動作と同様である。
【0260】また第1ピストン11の最小位置は最小位
置調整機構84によって調整される。その調整動作は最
大位置調整機構81の調整動作と同様である。
【0261】つぎに位置決め装置80の位置決め対象物
を可変容量油圧モータ9の弁板46とし、可変容量油圧
モータ9の容量を4段階に切り換える制御について図1
7、図18を併せ参照して説明する。
【0262】図17は位置決め装置80の4つの位置決
めの状態を簡略化して示す。図17(a)は可変容量油
圧モータ9の容量が最大容量となる状態を示し、図17
(b)は可変容量油圧モータ9の容量が第1中間容量と
なる状態を示し、図17(c)は可変容量油圧モータ9
の容量が第2中間容量となる状態を示し、図17(d)
は可変容量油圧モータ9の容量が最小容量となる状態を
示している。可変容量型油圧モータ9の容量は最小容
量、第2中間容量、第1中間容量、最大容量の順で4段
階に変化する。
【0263】図18は各受圧室への圧油の供給と可変容
量油圧モータ9の容量との関係を示す図である。同図1
8において「ON」、「OFF」とあるのは、図7にお
ける「ON」、「OFF」と同様の意味である。すなわ
ち「ON」とあるのは受圧室に高圧の圧油が供給されて
いることを示し、「OFF」とあるのは受圧室に低圧の
圧油が供給されていることを示している。なお低圧の状
態はたとえば圧油の供給が遮断されている状態である。
また「高圧」の大きさをPとし「低圧」の大きさを0と
する。
【0264】図18に示す高圧、低圧の組合せの圧油を
各受圧室13、14、15、68にそれぞれ供給すれば
第1ピストン11、第2ピストン12、第3ピストン6
7を各位置に不連続に位置決めすることができる。
【0265】すなわち図18の第1段目に示す組み合わ
せで各受圧室13、14、15、68への圧油の供給が
制御されると、図17(a)に示すように第2受圧室1
4は高圧になり、第3受圧室15および第4受圧室68
は低圧になり、第1ピストン11は第3ピストン67を
押す方向に移動する。この結果第3ピストン67は調整
ネジ81aに当接する位置に位置決めされるとともに第
1ピストン11は第3ピストン67に当接する位置に位
置決めされる。これにより第1ピストン11は最大位置
つまり一方のストロークエンド位置に位置決めされるこ
とになる。このとき第1ピストン11に接続する第1ピ
ストン弁板46は最大容量位置に位置決めされる。した
がって可変容量型油圧モータ9の容量位置は最大容量位
置になる。
【0266】また図18の第2段目に示す組み合わせで
各受圧室13、14、15、68への圧油の供給が制御
されると図17(b)に示すように第2受圧室14と第
4受圧室68は高圧になり第3受圧室15は低圧にな
る。第1ピストン11の端面11aにおける受圧面積S
2と第3ピストン67の端面67aにおける受圧面積S4
との間には受圧面積差S4−S2(>0)がある。このた
め第1ピストン11および第3ピストン67にはカバー
65側に移動しようとする力F=(S4−S2)・Pが作
用する。第3ピストン67は第3ピストン規制部82b
に当接して動きが規制される。第1ピストン11は第3
ピストン67に当接する。このように第3ピストン67
は第3ピストン規制部82bに当接する位置に位置決め
されるとともに第1ピストン11は第3ピストン67に
当接する位置に位置決めされる。これにより第1ピスト
ン11は第1中間位置に位置決めされることになる。こ
のとき第1ピストン弁板46は第1中間容量位置に位置
決めされる。したがって可変容量型油圧モータ9の容量
位置は第1中間容量位置になる。
【0267】また図18の第3段目に示す組み合わせで
各受圧室13、14、15、68への圧油の供給が制御
されると図17(c)に示すように第1受圧室13と第
3受圧室15は高圧になり第2受圧室14は低圧にな
る。第1ピストン11の端面11bにおける受圧面積S
3と第2ピストン12の端面12bにおける受圧面積S1
との間には受圧面積差S1−S3(>0)がある。このた
め第1ピストン11および第2ピストン12にはカバー
64側に移動しようとする力F=(S1−S3)・Pが作
用する。第2ピストン12は第2ピストン規制部83b
に当接して動きが規制される。第1ピストン11は第2
ピストン12に当接する。このように第2ピストン12
は第2ピストン規制部83bに当接する位置に位置決め
されるとともに第1ピストン11は第2ピストン12に
当接する位置に位置決めされる。これにより第1ピスト
ン11は第2中間位置に位置決めされることになる。こ
のとき第1ピストン弁板46は第2中間容量位置に位置
決めされる。したがって可変容量型油圧モータ9の容量
位置は第2中間容量位置になる。
【0268】また図18の第4段目に示す組み合わせで
各受圧室13、14、15、68への圧油の供給が制御
されると、図17(d)に示すように第3受圧室15は
高圧になり、第1受圧室13および第2受圧室14は低
圧になり、第1ピストン11は第2ピストン12を押す
方向に移動する。この結果第2ピストン12は調整ネジ
84aに当接する位置に位置決めされるとともに第1ピ
ストン11は第2ピストン12に当接する位置に位置決
めされる。これにより第1ピストン11は最小位置つま
り他方のストロークエンド位置に位置決めされることに
なる。このとき第1ピストン弁板46は最小容量位置に
位置決めされる。したがって可変容量型油圧モータ9の
容量位置は最小容量位置になる。
【0269】以上のように本実施形態によれば第1ピス
トン11、第2ピストン12、第3ピストン67を各位
置に不連続に位置決めすることによって、位置決め対象
物である油圧モータ9の容量位置を切り換えることがで
きる。このため図10に示すようにサーボバルブ等の複
雑な構造および制御を用いることなく簡易な構造および
制御で油圧モータの容量位置を切り換えることができ
る。
【0270】つぎに図19を参照して最大位置、第1中
間位置、第2中間位置、第3中間位置、第4中間位置、
最小位置の6位置に位置決めすることができる位置決め
装置85について説明する。
【0271】図19(a)は位置決め装置85の断面図
であり、図19(b)は図19(a)の位置決め装置8
5のA−A面における部分断面図である。
【0272】図19に示す位置決め装置85は図12に
示す位置決め装置66と同様に第1ピストン11、第2
ピストン12、第2ピストン規制部62bの位置関係に
よって第1ピストン11が各位置に位置決めされる。た
だし第1ピストン11、第2ピストン12以外に第1ピ
ストン11の移動を規制する3つのピストン91〜93
が第2受圧室14内に突出自在に設けられている。以下
既に述べた図12の位置決め装置66と同様の部分につ
いては説明を適宜省略し相違点を中心に説明する。
【0273】ボディ44には孔90と共に、孔90a、
90b、90cが形成されている。孔90a、90b、
90cは中心軸が孔90の中心軸と垂直となるようにボ
ディ44に形成されている。孔90aは第3受圧室15
に最も近い側に形成され、孔90cは第1受圧室13に
最も近い側に形成され、孔90bはその中間に形成され
ている。
【0274】第3ピストン91は孔90a内を摺動自在
に設けられている。第3ピストン91には第1ピストン
規制部91aが形成されている。第4受圧室94は孔9
0a内に形成され第3ピストン91に圧力を作用させ
る。第4受圧室94が高圧になると第3ピストン91が
孔90a内を摺動し第1ピストン規制部91aが第2受
圧室14内に突出する。
【0275】同様に第4ピストン92は孔90b内を摺
動自在に設けられている。第4ピストン92には第1ピ
ストン規制部92aが形成されている。第5受圧室95
は孔90b内に形成され第4ピストン92に圧力を作用
させる。第5受圧室95が高圧になると第4ピストン9
2が孔90b内を摺動し第1ピストン規制部92aが第
2受圧室14内に突出する。
【0276】同様に第5ピストン93は孔90c内を摺
動自在に設けられている。第5ピストン93には第1ピ
ストン規制部93aが形成されている。第6受圧室96
は孔90c内に形成され第5ピストン93に圧力を作用
させる。第6受圧室96が高圧になると第5ピストン9
3が孔90c内を摺動し第1ピストン規制部93aが第
2受圧室14内に突出する。
【0277】つぎに位置決め装置85の位置決め対象物
を可変容量油圧モータ9の弁板46とし、可変容量油圧
モータ9の容量を6段階に切り換える制御について説明
する。可変容量型油圧モータ9の容量は最小容量、第4
中間容量、第3中間容量、第2中間容量、第1中間容
量、最大容量の順で6段階に変化する。
【0278】図19に示す位置決め装置85は高圧、低
圧の組合せの圧油を各受圧室13、14、15、94、
95、96にそれぞれ供給すれば第1ピストン11、第
2ピストン12、第3ピストン91、第4ピストン9
2、第5ピストン93を各位置に不連続に位置決めする
ことができる。
【0279】まず第4受圧室94、第5受圧室95、第
6受圧室96のそれぞれ低圧の圧油が供給された場合を
考える。このとき第1受圧室13、第2受圧室14、第
3受圧室15への圧油の制御を図7と同様に行うことに
より位置決め装置85は前述した位置決め装置45また
は66と同様に動作する。
【0280】すなわち第1受圧室13、第2受圧室1
4、第3受圧室15の圧力をそれぞれ低圧、高圧、高圧
に制御すれば、第1ピストン11は図19に示す状態と
なり第2ピストン12から離れたストロークエンド位置
に位置決めされる。つまり最大位置に位置決めされる。
【0281】また第1受圧室13、第2受圧室14、第
3受圧室15の圧力をそれぞれ高圧、低圧、高圧に制御
すれば、第1ピストン11は第2ピストン規制部62b
により動きが規制された第2ピストン12に当接する第
4中間位置に位置決めされる。
【0282】また第1受圧室13、第2受圧室14、第
3受圧室15の圧力をそれぞれ低圧、低圧、高圧に制御
すれば、第1ピストン11は第2ピストン規制部62b
により動きが規制されていない第2ピストン12に当接
するストロークエンド位置に位置決めされる。つまり最
小位置に位置決めされる。
【0283】以上のように第1ピストン11が最大位
置、第4中間位置、最小位置に変化することで可変容量
型油圧モータ9の容量は最大容量、第4中間容量、最小
容量の各位置に変化する。
【0284】また以下のように第1ピストン11が第1
中間位置、第2中間位置、第3中間位置に変化すると可
変容量型油圧モータ9の容量が第1中間容量、第2中間
容量、第3中間容量の各位置に変化する。
【0285】第1ピストン11を第1中間位置、第2中
間位置、第3中間位置に位置決めするときにはいずれの
場合も第2受圧室14に低圧の圧油が供給され、第3受
圧室15に高圧の圧油が供給される。第2受圧室14が
低圧に第3受圧室15が高圧に制御されると第1ピスト
ン11が第2ピストン側へ移動する。
【0286】第1ピストン11を第1中間位置に位置決
めするときには第4受圧室94に高圧の圧油が供給さ
れ、他の第5受圧室95、第6受圧室96には低圧の圧
油が供給される。このため図19(b)に破線で示すよ
うに第3ピストン91の第1ピストン規制部91aが第
2受圧室14内に突出する。これにより第1ピストン1
1の移動は第1ピストン規制部91aで規制され、第1
ピストン11は第1中間位置に位置決めされる。
【0287】同様に第1ピストン11を第2中間位置に
位置決めするときには第5受圧室95に高圧の圧油が供
給され、他の第4受圧室94、第6受圧室96には低圧
の圧油が供給される。このため図19(b)に破線で示
すように第4ピストン92の第1ピストン規制部92a
が第2受圧室14内に突出する。これにより第1ピスト
ン11の移動は第1ピストン規制部92aで規制され、
第1ピストン11は第2中間位置に位置決めされる。
【0288】同様に第1ピストン11を第3中間位置に
位置決めするときには第6受圧室96に高圧の圧油が供
給され、他の第4受圧室94、第5受圧室95には低圧
の圧油が供給される。このため図19(b)に破線で示
すように第5ピストン93の第1ピストン規制部93a
が第2受圧室14内に突出する。これにより第1ピスト
ン11の移動は第1ピストン規制部93aで規制され、
第1ピストン11は第3中間位置に位置決めされる。
【0289】以上のように図19の位置決め装置85に
よれば第1ピストン11、第2ピストン12、第3ピス
トン91、第4ピストン92、第5ピストン93を各位
置に不連続に位置決めすることによって、位置決め対象
物である油圧モータ9の容量位置を6段階に切り換える
ことができる。なお第1ピストン11の移動を規制する
ピストンを更に多く設けることにより、更に多段の位置
に位置決めすることができる。
【0290】なお図16および図19に示す位置決め装
置80、位置決め装置85では最大容量調整機構、第1
中間容量調整機構、第2中間容量調整機構、最小容量調
整機構を調整ネジとナットで構成して容量位置を調整し
ている。しかしこれに限ることなく偏芯カム、シム、電
磁ソレノイドによって第1ピストン11、第2ピストン
12、第3ピストン67の動きを規制する位置を調整し
て、容量位置を調整してもよい。
【0291】また図16、図19に示す実施形態を斜軸
式のアキシャル型ピストンモータ(ポンプ)に使用して
もよく、斜板式のモータまたはポンプ、ラジアル型モー
タまたはポンプに使用してもよい。
【0292】上述した位置決め装置80をHST車に搭
載すればHST車の走行を制御することができる。
【0293】図20は位置決め装置80によって走行が
制御されるHST車の油圧回路図である。図20に示す
モータ機構160は図14の左モータ機構8に対応して
いる。右モータ機構8′についてもモータ機構160と
同様であるが図示を省略している。また同図20におい
て図14および図16と同一のものには同一の符号を付
してその説明は省略する。以下の説明では左側の油圧モ
ータ9が第1の速度段「Lo」、第2の速度段「Mid
1」、第3の速度段「Mid2」、第4の速度段「H
i」に変速するものとして説明する。第1の速度段「L
o」、第2の速度段「Mid1」、第3の速度段「Mi
d2」、第4の速度段「Hi」の順で高速になるものと
し、第1の速度段「Lo」、第2の速度段「Mid
1」、第3の速度段「Mid2」、第4の速度段「H
i」はそれぞれ、最大容量、第1中間容量、第2中間容
量、最小容量に対応している。第1の速度段「Lo」、
第2の速度段「Mid1」、第3の速度段「Mid
2」、第4の速度段「Hi」の順で変速するとき、油圧
モータ9に対応する左履帯100の回転速度は最小回転
速度、第1中間速度、第2中間速度、最大回転速度の順
で変化する。
【0294】高圧選択弁161は、管路25内の圧油の
圧力と管路26内の圧油の圧力のうち高圧側の圧油を選
択する切換弁である。管路25内の圧油の圧力と管路2
6内の圧油とが同圧の場合は両者ともに選択される。
【0295】高圧選択弁161で選択された圧油は管路
162に排出される。
【0296】管路162は2位置切換弁163と3位置
切換弁164とに接続する。
【0297】スイッチ165は外部操作によってHST
車の速度段「Lo」、「Mid1」、「Mid2」、
「Hi」を選択し2位置切換弁163および3位置切換
弁164の弁位置を切り換える信号を2位置切換弁16
3および3位置切換弁164に出力するスイッチであ
る。スイッチ165の操作に応じて2位置切換弁163
および3位置切換弁164にはパイロット圧油が供給さ
れる。なお、スイッチ165の操作に応じて2位置切換
弁163および3位置切換弁164に電気信号を送信し
て2位置切換弁163および3位置切換弁164を切り
換えるように構成してもよい。
【0298】2位置切換弁163は中間・最大位置16
3a、最小位置163bの2つの弁位置を有する。2位
置切換弁163はスイッチ165の操作に応じてパイロ
ット圧油が供給され、弁位置が切り換えられる。2位置
切換弁163の弁位置が中間・最大位置163aにされ
ると管路162と第1受圧室13とが連通し、最小位置
163bにされるとタンク24と第1受圧室13とが連
通する。
【0299】3位置切換弁164は最大位置164a、
第1中間位置164b、第2中間・最小位置164cの
3つの弁位置を有する。2位置切換弁163と同様に、
3位置切換弁164はスイッチ165の操作に応じてパ
イロット圧油が供給され、弁位置が切り換えられる。3
位置切換弁164の弁位置が最大位置164aにされる
と、管路162と第2受圧室14とが連通し、タンク2
4と第3受圧室15、第4受圧室68とが連通する。3
位置切換弁164の弁位置が第1中間位置164bにさ
れると、管路162と第2受圧室14、第4受圧室68
とが連通し、タンク24と第3受圧室15とが連通す
る。3位置切換弁164の弁位置が第2中間・最小位置
164cにされると、管路162と第3受圧室15とが
連通し、タンク24と第2受圧室14、第4受圧室68
とが連通する。
【0300】つぎにモータ機構160が4つの速度段つ
まり第1の速度段「Lo」、第2の速度段「Mid
1」、第3の速度段「Mid2」、第4の速度段「H
i」の間で変速が行われたときの各切換弁163、16
4の弁位置と各受圧室13、14、15、68への圧油
の供給との関係について説明する。
【0301】図21は第1、第2、第3、第4受圧室1
3、14、15、68に対する圧油の供給のON、OF
F(高圧、低圧)と、油圧モータ9の容量と、スイッチ
165で選択される速度段との関係を示す図である。図
15と同様に、同図において「ON」とあるのは受圧室
に高圧の圧油が供給されていることを示し、「OFF」
とあるのは受圧室に低圧の圧油が供給されていることを
示している。なお低圧の状態はたとえば圧油の供給が遮
断されている状態である。また同図において第1段目の
組み合わせ(ON、ON、OFF、OFF)は図18の
第1段目の組み合わせに相当する。第2段目の組み合わ
せ(ON、ON、OFF、ON)は図18の第2段目の
組み合わせに相当する。第3段目の組み合わせ(ON、
OFF、ON、OFF)は図18の第3段目の組み合わ
せに相当する。第4段目の組み合わせ(OFF、OF
F、ON、OFF)は図18の第4段目の組み合わせに
相当する。
【0302】このように各受圧室13、14、15、6
8への圧油の供給の組み合わせは予め定められている。
スイッチ165で任意の速度段が選択されると、各受圧
室13、14、15、68に供給される圧油の圧力が、
選択された速度段に応じた組み合わせとなるように2位
置切換弁163および3位置切換弁164にパイロット
信号が出力される。
【0303】スイッチ165で第1の速度段「Lo」が
選択されると油圧モータ9を第1の速度段に変速させる
ためのパイロット圧が2位置切換弁163、3位置切換
弁164に入力される。この結果2位置切換弁163の
弁位置は中間・最大位置163aに切り換えられ、3位
置切換弁164の弁位置は最大位置164aに切り換え
られる。このためモータ機構160の第1および第2、
第3、第4の受圧室13、14、15、68には図21
に示すように高圧(ON)および高圧(ON)、低圧
(OFF)、低圧(OFF)の圧油がそれぞれ供給され
る。これにより油圧モータ9は図17(a)に示す最大
容量位置に位置決めされた状態になる。このとき油圧モ
ータ9のセンタシャフト10は最大容量位置に対応する
角度に変化される。
【0304】油圧モータ9′についても同様に動作す
る。
【0305】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最大容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は最小回転速度で最大トルクの第1の速度段
「Lo」に変速される。左右の履帯100、100′の
回転速度は最小回転速度になる。
【0306】スイッチ165で第2の速度段「Mid
1」が選択されると油圧モータ9を第2の速度段に変速
させるためのパイロット圧が2位置切換弁163、3位
置切換弁164に入力される。2位置切換弁163の弁
位置は中間・最大位置163aに切り換えられ、3位置
切換弁164の弁位置は第1中間位置164bに切り換
えられる。このためモータ機構160の第1および第
2、第3、第4の受圧室13、14、15、68には図
21に示すように高圧(ON)および高圧(ON)、低
圧(OFF)、高圧(ON)の圧油が供給される。これ
により油圧モータ9は図17(b)に示す第1中間容量
位置に位置決めされた状態になる。このとき油圧モータ
9のセンタシャフト10は第1中間容量位置に対応する
角度に変化される。
【0307】油圧モータ9′についても同様である。
【0308】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が第1中間容量位置に切り換えられ、左右の油圧モ
ータ9、9′は第2の速度段「Mid1」に変速され
る。左右の履帯100、100′の回転速度は第1中間
回転速度になる。
【0309】スイッチ165で第3の速度段「Mid
2」が選択されると油圧モータ9を第3の速度段に変速
させるためのパイロット圧が2位置切換弁163、3位
置切換弁164に入力される。2位置切換弁163の弁
位置は中間・最大位置163aに切り換えられ、3位置
切換弁164の弁位置は第2中間・最小位置164cに
切り換えられる。このためモータ機構160の第1およ
び第2、第3、第4の受圧室には図21に示すように高
圧(ON)および低圧(OFF)、高圧(ON)、低圧
(OFF)の圧油が供給される。これにより油圧モータ
9は図17(c)に示す第2中間容量位置に位置決めさ
れた状態になる。このとき油圧モータ9のセンタシャフ
ト10は第2中間容量位置に対応する角度に変化され
る。
【0310】油圧モータ9′についても同様である。
【0311】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が第2中間容量位置に切り換えられ、左右の油圧モ
ータ9、9′は第3の速度段「Mid2」に変速され
る。左右の履帯100、100′の回転速度は第2中間
回転速度になる。
【0312】スイッチ165で第4の速度段「Hi」が
選択されると油圧モータ9を第4の速度段に変速させる
ためのパイロット圧が2位置切換弁163、3位置切換
弁164に入力される。2位置切換弁163の弁位置は
最小位置163bに切り換えられ、3位置切換弁164
の弁位置は第2中間・最小位置164cに切り換えられ
る。このためモータ機構160の第1および第2、第
3、第4の受圧室には図21に示すように低圧(OF
F)および低圧(OFF)、高圧(ON)、低圧(OF
F)の圧油が供給される。これにより油圧モータ9は図
17(d)に示す最小容量位置に位置決めされた状態に
なる。このとき油圧モータ9のセンタシャフト10は最
小容量位置に対応する角度に変化される。
【0313】油圧モータ9′についても同様である。
【0314】こうして左右の油圧モータ9、9′の容量
位置が最小容量位置に切り換えられ、左右の油圧モータ
9、9′は最大回転速度で最小トルクの第4の速度段
「Hi」に変速される。左右の履帯100、100′の
回転速度は最大回転速度になる。
【0315】以上本実施形態では位置決め装置80をH
ST車に組み込みHST車の走行を制御する場合を想定
して説明した。なお位置決め装置80に限定されること
なく位置決め装置85をHST車に組み込み同様に走行
を制御する実施も可能である。
【0316】また本実施形態では4つの速度段の間の変
速を手動で行う場合を想定している。しかし任意の速度
段間の変速を自動で行わせる実施も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はボディに中間容量調整機構を設けた位置
決め装置を示す断面図であり、最大容量の状態を示す図
である。
【図2】図2はボディに中間容量調整機構を設けた位置
決め装置を示す断面図であり、中間容量の状態を示す図
である。
【図3】図3はボディに中間容量調整機構を設けた位置
決め装置を示す断面図であり、最小容量の状態を示す図
である。
【図4】図4は斜軸式のアキシャル形ピストンモータ9
の断面図であり、最大容量の状態を示す図である。
【図5】図5は斜軸式のアキシャル形ピストンモータ9
の断面図であり、中間容量の状態を示す図である。
【図6】図6は斜軸式のアキシャル形ピストンモータ9
の断面図であり、最小容量の状態を示す図である。
【図7】図7は第1および第2、第3受圧室に対する圧
油の供給のON、OFF状態と油圧モータの容量との関
係を示す図である。
【図8】図8は従来の油圧モータの断面図である。
【図9】図9は従来の油圧モータの断面図である。
【図10】図10は従来の油圧モータの断面図である。
【図11】図11(a)、(b)は油圧モータの容量を
2段階に変化させる場合と3段階に変化させる場合とを
比較して示す図である。
【図12】図12はボディに各容量調整機構を設けた位
置決め装置を示す断面図である。
【図13】図13は本実施形態の油圧回路図である。
【図14】図14は図13と異なる実施形態の油圧回路
図である。
【図15】図15(a)、(b)、(c)は第1および
第2、第3受圧室に対する圧油の供給のON、OFF状
態と油圧モータの容量、切換スイッチの切換状態との関
係を示す図である。
【図16】図16は4つの位置に位置決め可能な位置決
め装置を示す断面図である。
【図17】図17(a)は最大容量の状態を示す図であ
り、図17(b)は第1中間容量の状態を示す図であ
り、図17(c)は第2中間容量の状態を示す図であ
り、図17(d)は最小容量の状態を示す図である。
【図18】図18は第1、第2、第3、第4受圧室への
圧油の供給と可変容量油圧モータ9の容量との関係を示
す図である。
【図19】図19は6つの位置に位置決め可能な位置決
め装置を示す断面図である。
【図20】図20は4つの速度段に変速可能なモータ機
構の油圧回路図である。
【図21】図21は第1および第2、第3、第4受圧室
に対する圧油の供給のON、OFF状態と油圧モータの
容量、スイッチの選択状態との関係を示す図である。
【符号の説明】
11…第1ピストン 12…第2ピストン 13…第1受圧室 14…第2受圧室 15…第3受圧室 20…3位置切換弁 40…中間位置調整機構 40b…第2ピストン規制部 44…ボディ 46…弁板 53…最大容量調整機構 54…最小容量調整機構 61…最大容量調整機構 63…最小容量調整機構 67…第3ピストン 68…第4受圧室
フロントページの続き (72)発明者 宮田 孝弘 栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松 製作所小山工場内 Fターム(参考) 3J053 AA03 AB02 AB21 AB22 AB32 DA06 DA16 EA01 EA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の回転体に対応してそれぞれ設け
    られ、これら左右の回転体をそれぞれ回転駆動する左右
    の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)と、前記左右
    の油圧モータ(9)、(9′)にそれぞれ圧油を供給す
    る油圧ポンプ(3)、(3′)と、前記左右の可変容量
    型油圧モータ(9)、(9′)の容量位置を3段階の容
    量位置に切り換えることによって前記左右の回転体の回
    転速度を3段階の回転速度に切り換える速度切換手段と
    を備えた油圧モータによる変速装置において、 前記左右の回転体の回転速度が前記3段階の回転速度毎
    に、回転体の左右で回転速度が同一となるように調整す
    る調整手段を備えたことを特徴とする油圧モータによる
    変速装置。
  2. 【請求項2】 前記速度切換手段は、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最大容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最小速度となる第1の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が中間容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が中間速度となる第2の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最小容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最大速度となる第3の回転速度に、 回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、 前記第1の回転速度と前記第2の回転速度との間の切換
    を自動的に行うことを特徴とする請求項1記載の油圧モ
    ータによる変速装置。
  3. 【請求項3】 前記速度切換手段は、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最大容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最小速度となる第1の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が中間容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が中間速度となる第2の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最小容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最大速度となる第3の回転速度に、 回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、 前記第2の回転速度と前記第3の回転速度との間の切換
    を自動的に行うことを特徴とする請求項1記載の油圧モ
    ータによる変速装置。
  4. 【請求項4】 前記速度切換手段は、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最大容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最小速度となる第1の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が中間容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が中間速度となる第2の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最小容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最大速度となる第3の回転速度に、 回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、 前記第1の回転速度と前記第2の回転速度と前記第3の
    回転速度との間の切換を手動で行うことを特徴とする請
    求項1記載の油圧モータによる変速装置。
  5. 【請求項5】 前記速度切換手段は、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最大容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最小速度となる第1の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が中間容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が中間速度となる第2の回転速度に、また、 前記左右の可変容量型油圧モータ(9)、(9′)の容
    量位置が最小容量位置となり、前記左右の回転体の回転
    速度が最大速度となる第3の回転速度に、 回転速度をそれぞれ切り換えるものであり、 前記第1の回転速度と前記第2の回転速度との間で切換
    を自動的に行うことと、前記第2の回転速度と前記第3
    の回転速度との間で切換を自動的に行うことのいずれか
    を選択することを特徴とする請求項1記載の油圧モータ
    による変速装置。
  6. 【請求項6】 回転体を回転駆動する可変容量型油圧
    モータ(9)と、前記可変容量型油圧モータ(9)に圧
    油を供給する油圧ポンプ(3)と、前記可変容量型油圧
    モータ(9)の容量位置を切り換えることによって前記
    回転体の回転速度を切り換える速度切換手段とを備えた
    油圧モータによる変速装置において、 前記速度切換手段は、 両ストロークエンド位置間を移動することによって前記
    可変容量型油圧モータ(9)の容量位置を最小容量位置
    から最大容量位置まで変化させるピストン(11)と、 前記両ストロークエンド位置間の1または2以上の中間
    位置に位置されることによって、前記ピストン(11)
    の移動を1または2以上の中間位置で規制する1または
    2以上の規制部材(12、67)と、 前記ピストン(11)と前記規制部材(12、67)と
    によって前記回転体の回転速度を3以上に切り換える位
    置制御手段を含むことを特徴とする油圧モータによる変
    速装置。
  7. 【請求項7】 前記位置制御手段は、 前記ピストン(11)と前記1または2以上の規制部材
    (12、67)に圧油を作用させる各受圧室(13、1
    4、15、68)と、 前記各受圧室(13、14、15、68)に供給する圧
    油の圧力の高、低の組合せを、前記回転体の各回転速度
    毎に予め設定し、切り換えるべき回転速度に対応した
    高、低の組合せの圧油を前記各受圧室(13、14、1
    5、68)にそれぞれ供給する圧油供給手段とを含むこ
    とを特徴とする請求項6記載の油圧モータによる変速装
    置。
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