JP2001146567A - ジンクリッチ粉体塗料組成物、その塗装方法及び塗装体 - Google Patents

ジンクリッチ粉体塗料組成物、その塗装方法及び塗装体

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JP2001146567A
JP2001146567A JP2000270985A JP2000270985A JP2001146567A JP 2001146567 A JP2001146567 A JP 2001146567A JP 2000270985 A JP2000270985 A JP 2000270985A JP 2000270985 A JP2000270985 A JP 2000270985A JP 2001146567 A JP2001146567 A JP 2001146567A
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Masaaki Ito
正昭 伊藤
Koji Imamura
公司 今村
Tomoaki Azuma
智明 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤で、しかも従来の溶剤型ジンクリッチ
ペイント及び亜鉛メッキの性能を上回る防食性を示すジ
ンクリッチ粉体塗料組成物、及びその塗装方法、並びに
塗装体の提供を図る。 【解決手段】 亜鉛金属末と、バインダーとしてエポキ
シ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、結晶性エポキシ樹脂)
と、硬化剤とを主成分とするジンクリッチ粉体塗料組成
物、及びその塗装方法、並びに塗装体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ジンクリッチ粉
体塗料組成物、その塗装方法、並びにその塗装体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】亜鉛による鉄の防錆効果は古くから知ら
れている。鋼材の防錆塗料として亜鉛金属末を主成分と
した「ジンクリッチプライマー」および「厚膜形ジンク
リッチペイント」が市販されており、それぞれについて
JIS K 5552およびK 5553が制定されている。これらは亜
鉛金属末、バインダーとしてエポキシ樹脂(あるいはア
ルキルシリケート)、硬化剤および溶剤などを主原料と
した塗料である。より詳しくは、従来から使用されてき
たジンクリッチペイントは、ビヒクルとして使用される
樹脂により、有機ジンクリッチペイントと無機ジンクリ
ッチペイントに大別される。前者はビヒクルとして主に
エポキシ樹脂と硬化剤(ポリアミド、アミンアダクトな
ど)を、後者にはアルキルシリケート樹脂が用いられ、
いずれも有機溶剤を必須成分として使用している。これ
らのジンクリッチペイントは透過水分により腐食電池が
形成された場合、高濃度に配合された亜鉛金属末が鉄素
地に代つて腐食すること、すなわち、電気化学的防食機
能によって優れた防食性を示す。また溶出した亜鉛が水
分や炭酸ガスと反応した亜鉛化合物がジンクリッチペイ
ント塗膜表面や塗膜内にある空隙を徐々に埋め尽くし、
緻密化することで外部からの腐食因子の透過を抑制する
機能も持っている。以上のような特性からジンクリッチ
ペイントは重防食塗装系の基礎塗膜を形成する溶剤系塗
料として広く使用されてきた。また、一方では上記の亜
鉛金属末含有塗料よりも、もっと古くから広く鉄材の防
錆防食の目的で亜鉛メッキ鉄板が実用化され今日に至っ
ている。上記両者の防錆の原理は亜鉛の鉄に対する電気
化学的防食作用であって、いずれもその有効性が認めら
れ、現代の工業社会においては鉄鋼製品の防錆の目的に
は必須不可欠のものとして使用されてきたのである。
ところが最近になって環境問題による規制が厳しくな
り、塗料に関しては溶剤の使用が強く抑制されるように
なった。また亜鉛メツキの場合にも、メツキ工程で生じ
るシアン化合物やクロム酸塩類等の廃棄物の処理コスト
高騰によって、亜鉛メッキ加工が難しくなりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、今日の世
界中の塗料業界では、地球環境をよくするために塗料か
ら溶剤などVOC成分を減らす、あるいは無くす新しい
技術開発努力が続けられている。ところが、従来から用
いられてきたジンクリッチペイントは、前述のように、
有機溶剤を必須成分として使用しているものである。そ
こで、本願発明は、無溶剤で、しかも従来のジンクリッ
チペイント及び亜鉛メッキの性能を上回る、ジンクリッ
チ粉体塗料組成物、及び、このジンクリッチ粉体塗料組
成物を用いた塗装方法、並びに、このジンクリッチ粉体
塗料組成物により塗装されることにより極めて高い防食
性を示す塗装体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして、本願発明者ら
は、無溶剤型ジンクリッチペイントの開発を目指して鋭
意検討した結果、無溶剤で、しかも従来のジンクリッチ
ペイント及び亜鉛メッキの性能をはるかに上回る、ジン
クリッチ粉体塗料の開発に成功し、本願発明を成させる
に到った。すなわち、本願の第1の発明は、亜鉛金属末
と、エポキシ樹脂および硬化剤を配合したバインダー成
分とを主成分とするジンクリッチ粉体塗料組成物を提供
する。本願の第2の発明は、亜鉛金属末と、エポキシ樹
脂および硬化剤を配合したバインダー成分とを主成分と
するジンクリッチ粉体塗料組成物であって、このエポキ
シ樹脂の少なくとも1種が、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂であることを特徴とするものを提供する。本願の
第3の発明は、上記の第2の発明に係るジンクリッチ粉
体塗料組成物において、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂バインダーと亜鉛金属末との混合比率がエポキシ樹脂
バインダー100重量部に対して亜鉛金属末100〜5
50重量部(好ましくは450〜550重量部)である
ことを特徴とするものを提供する。
【0005】本願発明にあっては、エポキシ樹脂および
硬化剤をバインダー成分とすることによって、亜鉛金属
末を多量に含有する、無溶剤型のジンクリッチペイント
を得ることができたものであり、さらに、第2、第3の
発明に係るジンクリッチ粉体塗料組成物にあっては、既
存のジンクリッチペイント(溶剤型)や亜鉛メツキ鋼板
よりも耐食性において遥かに優れていることが確認され
た。特に、亜鉛金属末/ビスフェノールA型エポキシ樹
脂含有バインダー比率が450/100〜550/10
0(いずれも重量部)の範囲では、耐食性が非常に優れ
ている。ところが、同比率が400/100以下になる
と、ジンクリッチペイント(溶剤型)よりも良い結果を
示しているものの、耐食性が低下する。他方、同比率が
600/100を越えると分散作業性が低下し、均一相
の粉体とならず、ジンクリッチ粉体塗料を作ることが困
難である。その原因は、粘度の高いビスフエノールA型
エポキシ樹脂に多量の亜鉛金属末を加えることによっ
て、流れ性が失われてしまうことによると考えられる。
そこで、さらに多量の亜鉛金属末を配合できるようにビ
スフェノールA型エポキシ樹脂を低粘度化する目的で、
各種のエポキシ樹脂、例えばネオペンチルグリコールグ
リシジルエーテル、ポリプロプレングリコールジグリシ
ジルエーテル等、エポキシ反応性希釈剤を加えて検討し
たが何れも成功しなかったところ、結晶性エポキシ樹脂
2.5ジターシャリーブチル1.4フェニレンビス
(オキシメチルオキシラン)を混合することによって、
亜鉛金属末配合量を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
のみをバインダーとして使用する場合に比して、大幅に
増大させることができることを発見し、本願の第4及び
第5の発明を完成させた。
【0006】即ち、本願の第4の発明は、亜鉛金属末
と、エポキシ樹脂および硬化剤を配合したバインダー成
分とを主成分とするジンクリッチ粉体塗料組成物であっ
て、このバインダー成分としてのエポキシ樹脂が、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂との
少なくとも2種であることを特徴とするジンクリッチ粉
体塗料組成物を提供する。本願の第5の発明にあって
は、第4の発明に係るジンクリッチ粉体塗料組成物にっ
あって、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および結晶性
エポキシ樹脂の混合比率が、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂100重量部に対して結晶性エポキシ樹脂1〜5
0重量部(好ましくは10〜30重量部)であり、これ
らのエポキシ樹脂を含有するバインダー成分と亜鉛金属
末との混合比率が、バインダー100重量部に対して亜
鉛金属末100〜800重量部(好ましくは100〜6
50重量部、より好ましくは400〜650重量部)で
あることを特徴とするものを提する。この結晶性エポキ
シ樹脂としては、2.5ジターシャリーブチル1.4フ
ェニレンビス(オキシメチルオキシラン)等を例示し得
る。この結晶性エポキシ樹脂を配合することによって、
塗膜中における亜鉛金属末の含有量を増大させることが
できたことは勿論、バインダーと亜鉛金属末表面、鋼板
表面との濡れ性を改善して、より安定した塗膜を形成す
ることにより、防食性をより一層向上させることができ
たものである。
【0007】次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
は、価格も安く優れた性能を持つ樹脂であるが、上述の
ように、ジンクリッチ粉体塗料を作る場合には、その高
粘度が弱点となっている。防食性能を高めるためには、
亜鉛金属末/バインダー比率が高いほど好ましいが、同
比率が600/100を越えると分散作業性が低下し、
ジンクリッチ粉体塗料を作ることが困難であった。本願
発明者らは、さらに優れた耐食性能のものを求めて研究
を重ねた結果、ビスフェノールF型エポキシ樹脂をバイ
ンダー成分として用いることにより、防食性能を向上さ
せたジンクリッチ粉体塗料を完成させた。後に示す化学
式((1) 及び(2) )のように、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂は、ビスフェノールA骨格の真中にある炭素原
子についたメチル基が2つとも水素原子に置換された構
造をなしており、その粘度(35PS/25°C)はビ
スフェノールA型エポキシ樹脂の粘度(130PS/2
5°C)と比べてはるかに低く亜鉛金属末を高充填で
き、優れた耐食性能を得ることができることを知見し
て、本願の第6、第7の発明を完成させたものである。
即ち、本願の第6の発明は、亜鉛金属末と、エポキシ樹
脂および硬化剤を配合したバインダー成分とを主成分と
するジンクリッチ粉体塗料組成物であって、このバイン
ダー成分としてのエポキシ樹脂の少なくとも1種が、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする
ジンクリッチ粉体塗料組成物を提供するものである。さ
らに、本願の第7の発明は、本願の第6の発明に係るジ
ンクリッチ粉体塗料組成物において、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂を含有するバインダー成分と亜鉛金属末
との混合比率が、バインダー成分100重量部に対して
亜鉛金属末100〜800重量部(好ましくは100〜
700重量部、より好ましくは400〜650重量部)
であることを特徴とするものを提供する。
【0008】上記のように、ジンクリッチ粉体塗料の耐
食性能は、塗膜中における亜鉛金属末の含有量によって
影響を受けるであろうことが予測されるが、単にそれだ
けではなく、バインダーと亜鉛金属末表面、鋼板表面と
の濡れ性にも大きな関係があると思われる。そこで、本
願発明者らは、結晶性樹脂を配合することによって、こ
の点を改善し、耐食性能をより一層向上させることがで
きたジンクリッチ粉体塗料組成物を完成させた。即ち、
本願の第8の発明は、亜鉛金属末と、エポキシ樹脂およ
び硬化剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジ
ンクリッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成
分としてのエポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂と結晶性エポキシ樹脂との少なくとも2種である
ことを特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成物を提供す
る。また、本願の第9の発明は、上記の第8の発明に係
るジンクリッチ粉体塗料組成物にあって、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の混合比率
が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂100重量部に対
して結晶性エポキシ樹脂1〜50重量部(好ましくは5
〜15重量部)であり、これらのエポキシ樹脂を含有す
るバインダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、バイン
ダー成分100重量部に対して亜鉛金属末100〜10
00重量部(好ましくは100〜750重量部、より好
ましくは400〜700重量部)であることを特徴とす
るものを提供する。
【0009】また次に、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂は、価格も安く優れた性能を持つ樹脂である反面、そ
の高粘度が弱点となり、亜鉛金属末/バインダー比率を
高めるのに限度があった。この欠点を、上記の第4、第
5、第8、第9、第12、第13の発明のように、結晶
性エポキシ樹脂を混合することによって解決することも
可能であるが、結晶性エポキシ樹脂は非常に高価であ
り、コスト面でその使用には限界がある。そこで、本願
発明者らは、前述のように、粘度が低く、しかも価格も
比較的安いビスフェノールF型エポキシ樹脂を混合する
ことによって、エポキシ樹脂成分全体の粘度を抑えるこ
とにより、低価格化の要請と、亜鉛金属末の混合比率の
向上の要請との双方の要請を満たすことのできるジンク
リッチ粉体塗料組成物を完成させた。即ち、本願の第1
0の発明は、亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化剤
を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリッ
チ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分として
のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
ビスフェノールF型エポキシ樹脂との少なくとも2種で
あることを特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成物を提
供するものである。また、本願の第11の発明は、上記
の第10発明に係るジンクリッチ粉体塗料組成物にあっ
て、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノール
F型エポキシ樹脂との混合比率が、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂100重量部に対してビスフェノールF型
エポキシ樹脂1〜9900重量部(好ましくは、40〜
240重量部)であり、これらのエポキシ樹脂を含有す
るバインダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、バイン
ダー成分100重量部に対して亜鉛金属末100〜70
0重量部(好ましくは100〜650重量部、より好ま
しくは400〜600重量部)であることを特徴とする
ものを提供する。
【0010】さらに、本願の第12の発明は、亜鉛金属
末と、エポキシ樹脂および硬化剤を配合したバインダー
成分とを主成分とするジンクリッチ粉体塗料組成物であ
って、このバインダー成分としてのエポキシ樹脂が、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂及び結晶性エポキシ樹脂の少なくとも3種で
あることを特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成物を提
供する。また、本願の第13の発明は、上記の第12発
明に係るジンクリッチ粉体塗料組成物にあって、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキ
シ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の混合比率が、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂100重量部に対してビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂1〜9900重量部(好ましく
は、40〜240重量部)及び結晶性エポキシ樹脂1〜
5000重量部(好ましくは、3〜1500重量部)で
あり、これらのエポキシ樹脂を含有するバインダー成分
と亜鉛金属末との混合比率が、バインダー成分100重
量部に対して亜鉛金属末100〜1000重量部(好ま
しくは100〜750重量部、より好ましくは400〜
700重量部)であることを特徴とするものを提供す
る。
【0011】これら、第12及び第13の発明に係るジ
ンクリッチ粉体塗料組成物にあっては、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂と
を混合するのに加えて、結晶性エポキシ樹脂を混合する
ことにより、低価格化の要請と、亜鉛金属末の混合比率
の向上の要請との双方の要請を満たしつつ、バインダー
と亜鉛金属末表面、鋼板表面との濡れ性を改善し、耐食
性能をより一層向上させることができたジンクリッチ粉
体塗料組成物を提供するものである。
【0012】さらに、本願の第14の発明は、上記の第
1乃至第13の何れかの発明に係るジンクリッチ粉体塗
料組成物にあって、亜鉛金属末の平均粒径が3μm以
下、望ましくは2〜3μmであることを特徴とするもの
を提供することにより、ジンクリッチ粉体塗料組成物の
耐食性能をさらに一層向上させることができたものであ
る。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、価格も
安く優れた性能を持つ樹脂であるが、発明者の開発当初
の知見によると、亜鉛金属末にビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を配合したジンクリッチ粉体塗料組成物は、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂を配合したものに比し
て、耐食性能が若干劣るものしか得られなかった。とこ
ろが、鋭意研究の結果、亜鉛金属末の平均粒径が3μm
以下、望ましくは2〜3μmであるものを用いることに
よって、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と同等の耐食
性能を得ることを知見し、この第14の発明を完成させ
たものである。さらに、前述のように、結晶性エポキシ
樹脂をさらに加えることにより、高い耐食性能を得るこ
とができると同時に、低価格化、亜鉛金属末の混合比率
の向上、濡れ性の改善という諸効果を発揮するジンクリ
ッチ粉体塗料組成物を提供することができるものであ
る。
【0013】本願の第15の発明は、上記の第1乃至第
14の何れかの発明に係るジンクリッチ粉体塗料組成物
を、粉体静電塗装機又は流動浸漬法又は静電流動浸漬法
によって金属に塗装、焼付することを特徴とする防食塗
装方法を提供する。また、本願の第16の発明は、上記
の第1乃至第14の何れかの発明に係るジンクリッチ粉
体塗料組成物により、防食性のある塗膜が形成されたこ
とを特徴とする防食塗装体を提供する。
【0014】上記の第1乃至第14の何れかの発明に係
るジンクリッチ粉体塗料組成物は、粉体静電塗装機又は
流動浸漬法又は静電流動浸漬法によって金属に塗装、焼
付することができるものであり、これらの発明によるジ
ンクリッチ粉体塗料組成物を塗装した鋼板等の塗装体
は、後述の実施例でも確認されるように、従来からの亜
鉛メッキ塗装鋼板よりもケタ違いに優れた防食性能を示
すものである。また社会的に要請されている環境保全並
びに省エネルギーの立場からも、本願発明によるジンク
リッチ粉体塗料は亜鉛メッキに取って代わって、より高
度のニーズに応えることのできる性能を有している。従
ってその用途、言い換えれば、第15の発明の塗装方法
が適用される対象物、或いは、第16の発明に係る塗装
体は、広範囲に広がることが期待される。具体的には、
橋梁、船舶、海洋構築物、貯蔵タンク、道路のガードレ
ール、各種建造物や土木工事に使われる鉄筋コンクリー
トの鉄筋バーや鋼板材、送電線鉄塔、自動車車体、自動
車部品、また各種電機、機械等々、枚挙にいとまがな
い。
【0015】本願発明の各エポキシ樹脂の化学式を以下
に示す。化1はビスフェノールA型エポキシ樹脂、化2
はビスフェノールF型エポキシ樹脂、化3は結晶性エポ
キシ樹脂(2.5ジターシャリーブチル1.4フェニレ
ンビス(オキシメチルオキシラン))である。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】本願発明に用いる亜鉛金属末は、従来のジ
ンクリッチ塗料(溶剤型)と同様のものを用いることが
でき、その粒径2〜10μmが適当である。特に、分散
作業性や耐食性能の向上の観点からすると、平均粒径は
2〜3μmとすることが最も望ましい。硬化剤は、エポ
キシ粉体塗料用として用いられる硬化剤を利用でき、例
えば、芳香族アミン、酸無水物、ジシアンジアミド、及
び有機酸ジヒドラジッド等の誘導体を用いることができ
る。上記の成分に加えて、粉体塗料用に加工したアクリ
ルホモポリマ等の添加剤や触媒等の他の成分を加えるこ
とも可能である。また、上記に示した各エポキシ樹脂以
外のエポキシ樹脂を併用することもできる。但し、常温
で液状のエポキシ樹脂は、粉体塗料として適さない。ジ
ンクリッチ粉体塗料組成物は、通常の粉体塗料製造法に
より製造することがてきるもので、例えば、上記の成分
と、必要に応じて添加剤や触媒等を加えた原料を混合
し、熔融分散、冷却、粉砕、篩分工程を経て製造するこ
とができる。完成したジンクリッチ粉体塗料組成物の平
均粒度は、他の粉体塗料と同程度でよく、10〜50μ
mが適当である。
【0020】本願発明に係る亜鉛金属末と各種エポキシ
樹脂及び硬化剤を配合したバインダー成分を主成分とす
るジンクリッチ粉体塗料組成物は、粉体静電塗装機、又
は流動浸漬法又は静電流動浸漬法等、粉体塗料に用いら
れる塗装方法によって金属に塗装、焼付けすることがで
きる。塗装機としては、コロナ放電式静電塗装機、トリ
ボ式静電塗装機(摩擦帯電ガン)、静電流動浸漬法、流
動浸漬法等いずれを用いても本発明のジンクリッチ粉体
塗料は塗装可能である。被塗装材(即ち、塗装体の基
材)は、金属、特に、冷延鋼板、圧延鋼板が普通用いら
れる。平板でない形状のものでは、鉄筋コンクリート用
の鉄筋バーやワイヤー類にも塗装できる。中空管の内面
塗装の場合にも、特殊の形状のものは別として、ポール
ガンを用いることによって可能である。これら鉄材の塗
装前の養生としては、無処理の状態でもよいが、ショッ
トブラスト、酸洗い等の表面調整や、更にはリン酸塩化
成皮膜処理(リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸クロム等に
よる)を施した方が一層効果が大きい。
【0021】本願発明によるジンクリッチ粉体塗料の膜
厚は、10〜1、000μmの範囲で塗装できる。塗装
された被塗物は、120〜250℃の温度で、3〜60
分間焼付ける。ちなみに溶融亜鉛メッキを施す場合に
は、亜鉛の融点419.5℃以上の高温を必要とする。
本願発明によるジンクリッチ粉体塗料は、塗装後そのま
まで使用しても勿論差し支えないが、一般的にはその上
に別の塗料を塗装して仕上げるのが普通である。この場
合の上塗塗料としては、溶剤型塗料、水系塗料、粉体塗
料等の中から何れを選んでもよいが、ジンクリッチ粉体
塗料と上塗塗料との層間付着性に問題の生ずる恐れがあ
る場合には、その間にプライマー塗装を挟むこともでき
る。プライマーとしては、ジンクリッチ粉体塗料のバイ
ンダーがエポキシ樹脂であるから、同類のエポキシプラ
イマーを用いることが望ましい。
【0022】
【実施例】次に、本願発明の理解を高めるために、実施
例を示すが、本願発明はこの実施例に限定して理解され
るべきではない。
【0023】実施例1〜6 ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなるバインダー成
分、亜鉛金属末とを混合し、熔融分散、冷却、粉砕、篩
分工程を経てジンクリッチ粉体塗料を製造する。この製
造方法に従って、実施例1〜6を製造し、その配合と性
能の比較データを表1に示す。この表1に示されるよう
に、実施例1〜6は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(表にはA型とのみ表示、以下同じ)として、エピコー
ト(A型)1002(エピコートは油化シェル社の商
標)を用いたもので、この樹脂を用いたバインダーと、
亜鉛金属末との配合比率を変えて実施例1〜6とした。
硬化剤はアラルダイトHT−2844(ジシアンジアミド誘導
体、旭チバ社製品)を使用した(後述の他の実施例にお
いても同様)。エポキシ樹脂に計算量の硬化剤を混合し
たもの100重量部をバインダーとした。亜鉛金属末に
は、堺化学製ジンクダスト#3、平均粒径4μmを用い
た。硬化条件は185 ℃、15分間焼付。塗膜の膜厚は60〜
70μmとした(後述の他の実施例においても同様)。ま
た、比較例1〜3として、現在市販のジンクリッチペイ
ント(溶剤型)と、熔融亜鉛メッキ鋼板の性能を示し
た。
【0024】
【表1】
【0025】表1中の「分散作業性」は、ジンクリッチ
粉体塗料の製造工程においてミキサー及びエクストルー
ダー内で均一相の混合物が生成するか否かを調べた結果
を示す。「粉砕性」は、クーリングベルトを出た後、微
粉砕工程において、粉砕機に融着状態が起こるか否かを
調べた結果を示す。「造膜性」は、塗装して塗装作業に
支障がないかどうか、また、塗謨の外観から平滑な塗膜
が形成されているかどうか調べた結果を示す。「耐食
性」はJIS K 5400耐塩水噴霧性試験方法にしたがって調
べた結果を示す。
【0026】「分散作業性」「粉砕性」「造膜性」の評
価は、次の通りである。 ×:塗料化不可 △:困難だが塗料化は可能 ○:塗料化可能 「耐食性の評価」は5点法で評価した。 1点: 塗板全面に赤錆発生したもの 2点; 塗板のクロスカットにそって幅広く赤錆発生した
もの 3点: 塗板のクロスカットにそって若干の赤錆発生した
もの 4点: 塗板のクロスカットにそってわずかな赤錆発生し
たもの 5点: 赤鎬発生なし 尚、表中の「−」は、テスト不能又は1点以下を示す。
これらの評価は、後述の他の実施例についても同様であ
る。
【0027】表1から、亜鉛金属末/バインダー比率4
50/100〜550/100のものは、既存のジンク
リッチペイント(溶剤型)や亜鉛メツキ鋼板よりも耐食
性において遥かに優れていることがわかる。過去何十年
間にもわたって最も優れた重防食下塗塗料として用いら
れてきたジンクリッチペイントおよび亜鉛メツキより
も、この発明による溶剤型ジンクリッチ粉体塗料の方が
桁違いに優れた耐食性を有していることを確認できたの
は驚くべき発見であった。表1から、亜鉛金属末/バイ
ンダー比率が450/100〜550/100の範囲は
優れているが、400/100以下になると耐食性は急
に低下する(それでも溶剤型ジンクリッチペイントより
も良い結果を示していることは注目に値する)。この結
果により、亜鉛金属末/バインダー比率は高いほど優れ
た耐食性を示すであろうことが推定される。
【0028】次に、表2に、実施例7〜12を示す。こ
の実施例7〜12は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
に、結晶性エポキシ樹脂(表には結晶とのみ表示、以下
同じ)を加えた混合物をバインダー成分として作ったジ
ンクリッチ粉体塗料組成物で、表2には、その配合と性
能を示した。この実施例7〜12は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂と、結晶性エポキシ樹脂(2.5ジター
シャリーブチル1.4フェニレンビス(オキシメチルオ
キシラン))とを混合することによって、亜鉛金属末配
合量を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のみをバイン
ダーとして使用する場合に比して、大幅に増大させるこ
とができた例である。特に実施例9〜12にあっては、
良好な耐食性とともに分散作業性、粉砕性、造膜性につ
いても、最も良好な結果を示した。この2.5ジターシ
ャリーブチル1.4フェニレンビス(オキシメチルオキ
シラン)(東都化成製品 エポトートYDC−1312)は
融点138〜145°Cを越えると、高流動性を示す。
また、この結晶性エポキシ樹脂を若干量添加することに
よって、濡れ性が改良され、さらに、ジンクリッチ粉体
塗料の塗り肌がきれいに仕上がるというメリットも生じ
た。
【0029】
【表2】
【0030】次に、表3に、実施例12〜20を示す。
この実施例13〜20は、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂をバインダー成分として用いたもので、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂を用いた例に比して、亜鉛金属末
配合量を、大幅に増大させることができ、耐食性を向上
させ得ることが確認された。特に実施例16〜20にあ
っては、極めて良好な耐食性とともに分散作業性、粉砕
性、造膜性についても、最も良好な結果を示したもので
ある。ビスフェノールF型エポキシ樹脂(表にはF型と
のみ表示、以下同じ)としては、エポトート(F型)Y
DF2004(エポトートは東都化成社の商標)を用い
たもので、この樹脂と硬化剤を用いたバインダーと、亜
鉛金属末との配合比率を変えて実施例12〜20とし
た。表3に、その配合と性能を示した。
【0031】
【表3】
【0032】次に、表4に実施例21〜28を示し、表
5に実施例29〜34を示す。実施例21〜28は、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂
(2.5ジターシャリーブチル1.4フェニレンビス
(オキシメチルオキシラン))をバインダー成分として
作ったジンクリッチ粉体塗料組成物である。実施例29
〜31は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂とバインダー成分として作った
ジンクリッチ粉体塗料組成物である。実施例32〜34
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノール
F型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂(2.5ジター
シャリーブチル1.4フェニレンビス(オキシメチルオ
キシラン))をバインダー成分として作ったジンクリッ
チ粉体塗料組成物である。これらの樹脂は、前述の各実
施例と同じ製品を用いたもので、これらの樹脂及び硬化
剤を用いたバインダーと、亜鉛金属末とを混合したもの
で、表4に、その配合と性能を示した。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】次に、表6に実施例35〜37を示す。前
記の実施例1〜34は、いずれも平均粒径が4μmの亜
鉛金属末を用いたが、表6の実施例35〜37にあって
は、平均粒径が2〜3μmの亜鉛金属末を用いたもので
ある。実施例35にあっては、粒子径の小さな亜鉛金属
末を使用することによって、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂のみを用いた場合にあっても、分散作業性が改善
され、亜鉛金属末の配合率を向上させることが可能とな
ったことは勿論、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用
いた実施例17と同じく極めて高い耐食性を得ることが
できたことは、発明者にとっても驚くべき事実であっ
た。また同様に、結晶性エポキシ樹脂を添加した実施例
36にあっても、実施例10に比して耐食性が向上し
た。尚、これらの実施例35〜37にあっては、いずれ
も、分散作業性は「○:塗料化可能」であり、評価基準
上、それ以上の評価は示されていないが、同じ「○:塗
料化可能」であっても、平均粒径が4μmの亜鉛金属末
を用いた場合よりも、分散性がより良好であった。これ
らの実施例35〜37にあっては、粒子径の細かい亜鉛
金属末を使用することによって、分散作業性が改善さ
れ、濡れ性が向上し、他の実施例より緻密な塗膜が形成
されることによって、極めて高い耐食性を得ることがで
きたものであると思われる。
【0036】
【表6】
【0037】
【発明の効果】本願発明は、有機溶剤を使用しない無溶
剤で、しかも従来の溶剤型ジンクリッチペイント及び亜
鉛メッキの性能と同等若しくはそれ以上の防食性を示す
ジンクリッチ粉体塗料組成物を提供することができたも
のである。特に、本願の第2乃至第3の発明は、従来の
溶剤型ジンクリッチペイント及び亜鉛メッキの性能以上
の防食性を示すジンクリッチ粉体塗料組成物を提供する
ことができたものである。さらに、本願の第4乃至第1
4の発明は、亜鉛金属末の配合量を大幅に増大させるこ
とができ、しかも、分散作業性の低下を防止でき、均一
相の粉体塗料を得ることができると共に、良好な塗り肌
を示すジンクリッチ粉体塗料組成物を提供することがで
きたものである。本願の第15の発明は、従来の溶剤型
ジンクリッチペイント及び亜鉛メッキの性能と同等若し
くはそれ以上の防食性を示す塗膜を形成することのでき
る防食塗装方法を提供することができたものであり、本
願の第16の発明は、極めて高い防食性能を備えた塗装
体を提供することができたものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月12日(2000.9.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】「分散作業性」「粉砕性」「造膜性」の評
価は、次の通りである。 ×:塗料化不可 △:困難だが塗料化は可能 ○:塗料化可能 「耐食性の評価」は5点法で評価した。 1点: 塗板全面に赤錆発生したもの 2点; 塗板のクロスカットにそって幅広く赤錆発生した
もの 3点: 塗板のクロスカットにそって若干の赤錆発生した
もの 4点: 塗板のクロスカットにそってわずかな赤錆発生し
たもの 5点: 赤錆発生なし 尚、表中の「−」は、テスト不能又は1点以下を示す。
これらの評価は、後述の他の実施例についても同様であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】表1から、亜鉛金属末/バインダー比率4
50/100〜550/100のものは、既存のジンク
リッチペイント(溶剤型)や亜鉛メツキ鋼板よりも耐食
性において遥かに優れていることがわかる。過去何十年
間にもわたって最も優れた重防食下塗塗料として用いら
れてきたジンクリッチペイントおよび亜鉛メツキより
も、この発明によるジンクリッチ粉体塗料の方が桁違い
に優れた耐食性を有していることを確認できたのは驚く
べき発見であった。表1から、亜鉛金属末/バインダー
比率が450/100〜550/100の範囲は優れて
いるが、400/100以下になると耐食性は急に低下
する(それでも溶剤型ジンクリッチペイントよりも良い
結果を示していることは注目に値する)。この結果によ
り、亜鉛金属末/バインダー比率は高いほど優れた耐食
性を示すであろうことが推定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】次に、表3に、実施例13〜20を示す。
この実施例13〜20は、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂をバインダー成分として用いたもので、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂を用いた例に比して、亜鉛金属末
配合量を、大幅に増大させることができ、耐食性を向上
させ得ることが確認された。特に実施例16〜20にあ
っては、極めて良好な耐食性とともに分散作業性、粉砕
性、造膜性についても、最も良好な結果を示したもので
ある。ビスフェノールF型エポキシ樹脂(表にはF型と
のみ表示、以下同じ)としては、エポトート(F型)Y
DF2004(エポトートは東都化成社の商標)を用い
たもので、この樹脂と硬化剤を用いたバインダーと、亜
鉛金属末との配合比率を変えて実施例13〜20とし
た。表3に、その配合と性能を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/03 C09D 5/03 5/08 5/08 163/02 163/02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化
    剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化
    剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分とし
    てのエポキシ樹脂の少なくとも1種が、ビスフェノール
    A型エポキシ樹脂であることを特徴とするジンクリッチ
    粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有
    する上記バインダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、
    バインダー成分100重量部に対して亜鉛金属末100
    〜550重量部であることを特徴とする請求項2記載の
    ジンクリッチ粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化
    剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分とし
    てのエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
    と結晶性エポキシ樹脂との少なくとも2種であることを
    特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂および
    結晶性エポキシ樹脂の混合比率が、ビスフェノールA型
    エポキシ樹脂100重量部に対して結晶性エポキシ樹脂
    1〜50重量部であり、これらのエポキシ樹脂を含有す
    るバインダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、バイン
    ダー100重量部に対して亜鉛金属末100〜800重
    量部であることを特徴とする請求項4記載のジンクリッ
    チ粉体塗料組成物。
  6. 【請求項6】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化
    剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分とし
    てのエポキシ樹脂の少なくとも1種が、ビスフェノール
    F型エポキシ樹脂であることを特徴とするジンクリッチ
    粉体塗料組成物。
  7. 【請求項7】 ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有
    するバインダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、バイ
    ンダー成分100重量部に対して亜鉛金属末100〜8
    00重量部であることを特徴とする請求項6記載のジン
    クリッチ粉体塗料組成物。
  8. 【請求項8】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬化
    剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分とし
    てのエポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
    と結晶性エポキシ樹脂との少なくとも2種であることを
    特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成物。
  9. 【請求項9】 ビスフェノールF型エポキシ樹脂と結晶
    性エポキシ樹脂の混合比率が、ビスフェノールF型エポ
    キシ樹脂100重量部に対して結晶性エポキシ樹脂1〜
    50重量部であり、これらのエポキシ樹脂を含有するバ
    インダー成分と亜鉛金属末との混合比率が、バインダー
    成分100重量部に対して亜鉛金属末100〜1000
    重量部であることを特徴とする請求項8記載のジンクリ
    ッチ粉体塗料組成物。
  10. 【請求項10】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬
    化剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンク
    リッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分と
    してのエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹
    脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との少なくとも2
    種であることを特徴とするジンクリッチ粉体塗料組成
    物。
  11. 【請求項11】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビ
    スフェノールF型エポキシ樹脂との混合比率が、ビスフ
    ェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対してビスフ
    ェノールF型エポキシ樹脂1〜9900重量部であり、
    これらのエポキシ樹脂を含有するバインダー成分と亜鉛
    金属末との混合比率が、バインダー成分100重量部に
    対して亜鉛金属末100〜700重量部であることを特
    徴とする請求項10記載のジンクリッチ粉体塗料組成
    物。
  12. 【請求項12】 亜鉛金属末と、エポキシ樹脂および硬
    化剤を配合したバインダー成分とを主成分とするジンク
    リッチ粉体塗料組成物であって、このバインダー成分と
    してのエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹
    脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂及び結晶性エポキ
    シ樹脂の少なくとも3種であることを特徴とするジンク
    リッチ粉体塗料組成物。
  13. 【請求項13】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビ
    スフェノールF型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の
    混合比率が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重
    量部に対してビスフェノールF型エポキシ樹脂1〜99
    00重量部及び結晶性エポキシ樹脂1〜5000重量部
    であり、これらのエポキシ樹脂を含有するバインダー成
    分と亜鉛金属末との混合比率が、バインダー成分100
    重量部に対して亜鉛金属末100〜1000重量部であ
    ることを特徴とする請求項12記載のジンクリッチ粉体
    塗料組成物。
  14. 【請求項14】 亜鉛金属末の平均粒径が3μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の
    ジンクリッチ粉体塗料組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14に記載のジンクリッチ
    粉体塗料組成物を、粉体静電塗装機又は流動浸漬法又は
    静電流動浸漬法によって金属に塗装、焼付することを特
    徴とする防食塗装方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14に記載のジンクリッチ
    粉体塗料組成物により、防食性のある塗膜が形成された
    ことを特徴とする防食塗装体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171297A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Chuo Spring Co Ltd 高耐久性ばねおよびその塗装方法
EP1683892A1 (de) * 2005-01-19 2006-07-26 Benteler Automobiltechnik GmbH Beschichtungsverfahren
JP2007314759A (ja) * 2006-04-26 2007-12-06 Kansai Paint Co Ltd 粉体プライマー組成物及び塗膜の形成方法
CN103925455A (zh) * 2014-04-01 2014-07-16 常州大学 一种水体管道补口保护方法和结构
CN115975481A (zh) * 2023-03-21 2023-04-18 暨南大学 一种环氧树脂防腐涂料及其制备方法

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