JP2001145604A - 眼底画像の動静脈識別方法及び装置 - Google Patents

眼底画像の動静脈識別方法及び装置

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JP2001145604A JP32992699A JP32992699A JP2001145604A JP 2001145604 A JP2001145604 A JP 2001145604A JP 32992699 A JP32992699 A JP 32992699A JP 32992699 A JP32992699 A JP 32992699A JP 2001145604 A JP2001145604 A JP 2001145604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼底画像の動脈及び静脈をコンピュータで自
動的かつ精度良く識別する。また、眼底画像の血管に関
する検査の省力化及び迅速化を実現する。 【解決手段】 カラーで撮影され眼底画像データについ
て1本の血管と背景部とを含む処理単位領域を設定する
処理単位領域設定過程と、前記眼底画像データから血管
部と背景部とを分離して血管部を示す血管画像データを
生成する血管分離過程と、前記処理単位領域ごとに前記
眼底画像データから血管部と背景部の各々について色分
布特徴量を算出する特徴量算出過程と、前記色分布特徴
量を用いて前記処理単位領域における血管が動脈である
か静脈であるかを識別して動静脈画像データを生成する
動静脈識別過程とを有する眼底画像の動静脈識別方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、眼底画像の動静脈
識別方法及び装置に関し、特に、眼科疾病及び全身性疾
病の状態把握に有効である眼底画像を用いた診断や検査
の省力化及び迅速化を可能にする画像処理技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】眼底画像は血管像を無浸襲で観察できる
唯一の方法であり、糖尿病をはじめとする全身の血管に
変化をきたす全身性の疾患の状態把握に有効である。特
に、眼底画像の動脈と静脈の幅の値は、これらの疾病の
進行状態をよく表すことが知られている。このため、眼
底画像中の動脈と静脈の幅の測定は眼科のみならず内科
や健康診断においても一般的に行われてきている。これ
まで血管幅の測定は、医師が眼底画像を直接観察しなが
ら手作業で行っていた。
【0003】しかし、これらの作業は専門的知識を要す
るとともに煩雑であり検査コストが高いという問題があ
った。この間題を解決することを目的として血管幅の測
定を自動的に行う方法(特願平8−228071号公
報:眼底の動静脈径比の計測方法、及び特願平10−3
52933号公報:眼底画像における動静脈血管径比の
経時変化自動計測方法、そのシステム及びそのプログラ
ムを記録した記録媒体)が提案されている。
【0004】また、600nm以上の波長領域において
少なくとも2つの異なる波長領域の光束に波長分割し
て、それぞれ独立に眼底撮像手段で撮像し、その画像を
異なる色に対応させ合成して1枚のカラー画像として表
示手段に表示することにより、脈絡膜血管の動脈と静脈
を区別して観察する眼底検査装置が、特開平8−710
45号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようする課題】前記従来の手法では、動
脈と静脈が隣接していることを仮定して動静脈とを識別
しているが、この仮定が成り立たない場合も多いため動
静脈を誤って識別してしまうという問題があった。この
ため従来手法はいまだ実用には至っていない。
【0006】したがって、眼底画像中の動静脈を自動的
かつ精度良く識別する手法に期待が持たれているが、い
まだ実現していないのが現状である。
【0007】また、前記従来の眼底検査装置では、その
構成が複雑であり、装置がおおがかりとなり、眼底画像
検査の検査コストが高くなるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、眼底画像の動脈及び静脈
をコンピュータで自動的かつ精度良く識別することが可
能な技術を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、眼底画像の血管に関
する検査の省力化及び迅速化を実現することが可能な技
術を提供することにある。
【0010】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0012】(1)カラーで撮影され眼底画像データに
ついて1本の血管と背景部とを含む処理単位領域を設定
する処理単位領域設定過程と、前記眼底画像データから
血管部と背景部とを分離して血管部を示す血管画像デー
タを生成する血管分離過程と、前記処理単位領域ごとに
前記眼底画像データから血管部と背景部の各々について
色分布特徴量を算出する特徴量算出過程と、前記色分布
特徴量を用いて前記処理単位領域における血管が動脈で
あるか静脈であるかを識別して動静脈画像データを生成
する動静脈識別過程とを有する眼底画像の動静脈識別方
法である。
【0013】(2)前記手段(1)の眼底画像の動静脈
識別方法において、前記特徴量算出過程は、前記血管部
及び背景部各々の画素値から血管による光吸収の効果を
示す吸収寄与をバンドごとに算出する吸収寄与算出過程
と、バンドごとに算出された前記吸収寄与から血液の色
調を示す血液色特徴量に基づいて前記色分布特徴量を算
出する血液色算出過程とを有する。
【0014】(3)前記手段(1)の眼底画像の動静脈
識別方法において、前記眼底画像データは赤味成分と緑
味成分とを有し、前記特徴量算出過程は、処理単位領域
ごとに処理単位領域内の血管幅を算出する血管幅算出過
程とを有し、前記動静脈識別過程は、前記色分布特徴量
として、前記処理単位領域内の血管部の赤味成分の値と
緑味成分の値及び背景部の赤味成分の値と緑味成分の値
及び血管幅を用いて動脈と静脈とを識別する。
【0015】(4)前記手段(1)〜(3)のうちいず
れか1つの眼底画像の動静脈識別方法において、前記動
静脈識別過程は、眼底画像の血管部と背景部を分離した
2値画像である血管画像を作成する血管画像作成過程
と、眼底画像の各血管が細くなっていく方向を血管の正
方向として正方向に向かって2本の血管が交差する血管
の交差点を動静脈交差点として検出する動静脈交差点検
出過程と、検出された動静脈交差点に向かって交差する
2本の血管のそれぞれに対して血管と血管の背景部の両
方を含む血管の断面または小領域を学習用領域として設
定する学習用領域設定過程と、設定された各々の学習用
領域において血管と背景部とを分離する血管分離過程
と、各々の学習用領域における血管部と背景部の色の分
布の特徴を特徴量の対として算出する特徴量対算出過程
と、眼底画像全体から抽出された複数の特徴量の対の各
々において対となっている特徴量が特徴量空間において
別々のカテゴリーに分かれるような評価関数または分離
超平面を設定する動静脈識別用評価関数設定過程とを有
する。
【0016】(5)前記手段(1)〜(4)のうちいず
れか1つの眼底画像の動静脈識別方法の処理手順を、コ
ンピュータに実行させるためのプログラを記憶したコン
ピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0017】(6)カラーで撮影されデジタル化された
眼底画像を処理する眼底画像処理装置であって、眼底画
像において1本の血管と血管の背景部の両方を含む血管
の断面または小領域を処理単位領域として設定する処理
単位領域設定手段と、前記処理単位領域内の血管部と背
景部とを分離する血管分離手段と、前記血管分離部にお
いて分離された血管部と背景部の色の分布の特徴を特徴
量として算出する特徴量算出手段と、算出された特徴量
を用いて該処理単位領域内の血管が動脈であるのか静脈
であるのかを識別する動静脈識別手段と、前記各部を制
御する制御手段とを具備する眼底画像処理装置である。
【0018】(7)前記手段(6)の眼底画像処理装置
において、前記特徴量算出手段は、前記血管部及び背景
部各々の画素値から血管による光吸収の効果を示す吸収
寄与をバンドごとに算出する吸収寄与算出手段と、バン
ドごとに算出された前記吸収寄与から血液の色調を示す
血液色特徴量に基づいて前記色分布特徴量を算出する血
液色算出手段とを有する。
【0019】(8)前記手段(6)の眼底画像処理装置
において、前記眼底画像データは赤味成分と緑味成分と
を有し、前記特徴量算出手段は、処理単位領域ごとに処
理単位領域内の血管幅を算出する血管幅算出手段とを有
し、前記動静脈識別手段は、前記色分布特徴量として、
前記処理単位領域内の血管部の赤味成分の値と緑味成分
の値及び背景部の赤味成分の値と緑味成分の値及び血管
幅を用いて動脈と静脈とを識別する。
【0020】(9)前記手段(6)〜(8)のうちいず
れか1つの眼底画像処理装置において、前記動静脈識別
手段は、眼底画像の血管部と背景部を分離した2値画像
である血管画像を作成する血管画像作成手段と、眼底画
像の各血管が細くなっていく方向を血管の正方向として
正方向に向かって2本の血管が交差する血管の交差点を
動静脈交差点として検出する動静脈交差点検出手段と、
検出された動静脈交差点に向かって交差する2本の血管
のそれぞれに対して血管と血管の背景部の両方を含む血
管の断面または小領域を学習用領域として設定する学習
用領域設定手段と、設定された各々の学習用領域におい
て血管と背景部とを分離する血管分離手段と、各々の学
習用領域における血管部と背景部の色の分布の特徴を特
徴量の対として算出する特徴量対算出手段と、眼底画像
全体から抽出された複数の特徴量の対の各々において対
となっている特徴量が特徴量空間において別々のカテゴ
リーに分かれるような評価関数または分離超平面を設定
する動静脈識別用評価関数設定手段とを有する。
【0021】本発明のポイントは、眼底画像において1
本の血管と血管の背景部の両方を含む血管の断面または
小領域を処理単位領域として設定する処理単位領域設定
手段と、画像内の血管部と背景部とを分離する血管分離
手段と、画像中の指定された領域内の色の分布の特徴を
特徴量として算出する特徴量算出手段と、眼底画像中の
動静脈交差点を検出する動静脈交差点を検出手段と、動
静脈交差点において交差する2本の血管のそれぞれに対
して血管と血管の背景部の両方を含む血管の断面または
小領域を学習用領域として設定する学習用領域設定手段
と、特徴量の事例データを用いて特徴量空間における識
別のための評価関数または分離超平面を設定する評価関
数設定手段と、特徴量空間においてある特徴量がどのカ
テゴリに入るかを判定する特徴量識別手段とを有するこ
とである。
【0022】本発明によれば、眼底画像中の動脈と静脈
を自動的かつ精度良く識別することができる。これによ
り眼底画像における血管幅の測定作業を効率化すること
ができ、眼底画像検査の検査コストを削減することがで
きる。
【0023】以下に、本発明について、本発明による実
施形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明す
る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による実施形態
(実施例)の眼底画像処理装置の概略構成を示すブロッ
ク構成図であり、100は眼底画像処理装置、101は
フィルムやカメラ等から得た眼底画像、102は画像入
力手段、103は眼底画像データや文字・記号データ等
のデータ(情報)を記憶するためのデータ記憶手段、1
04は文字データや記号データ等の情報を入力するたる
の情報入力手段、105は処理単位領域設定手段、10
6は血管分離(血管画像作成)手段、107は特徴量算
出手段、108は動静脈識別手段、109は制御部、1
10は結果表示・出力手段である。
【0025】本実施形態の眼底画像処理装置100は、
例えば、汎用の計算機(パソコン等)が用いられ、図1
に示すように、眼底画像において1本の血管と血管の背
景部の両方を含む血管の断面または小領域を処理単位領
域として設定する処理単位領域設定手段105、前記処
理単位領域内の血管部と背景部とを分離する血管分離手
段106、前記血管分離手段において分離された血管部
と背景部の色の分布の特徴を特徴量として算出する特徴
量算出手段107、算出された特徴量を用いて前記処理
単位領域内の血管が動脈であるか静脈であるかを識別す
る動静脈識識別手段108、及び前記各手段を制御する
制御部109を備えている。
【0026】前記実施形態では、眼底画像処理装置10
0として汎用の計算機(パソコン等)を用いる。これは
汎用の計算機に限定されるものではなく、専用の画像処
理装置を作成し、それを用いてもよい。前記画像入力手
段102は、以下のいずれかの方法で眼底画像データを
眼底画像処理装置100に読み込む。
【0027】(a)眼底画像データが記報されている記
録媒体からデータを読み込む。 (b)デジタルカメラまたはフィルムスキャナから直接
データを取り込む。
【0028】前記本実施形態の眼底画像処理装置100
は、図1に示すように、画像入力手段102によりとり
込まれた眼底画像データ、及び処理の途中で生成される
中間的なデータは全てデータ記憶手段に記憶され、必要
に応じ取り出され、また不要になった時点で削除され
る。前記処理単位領域設定手段105では、計算機が自
動的に処理単位領域を設定する装置と、モニタ等の結果
表示・出力手段110及びマウス、キーボード等の情報
入力手段104を用いてユーザーが指定する装置があ
る。前者の場合、図中の情報入力手段104は不要とな
る。
【0029】前記処理単位領域設定手段105、血管分
離手段106、特徴量算出手段107、及び動静脈識識
別手段108の動作については、後で詳細に説明する。
【0030】結果表示・出力手段110では、眼底画像
中で色分けして図示する等の表示・出力する。または処
理単位領域の範囲を示す座標データとその血管が動脈か
静脈かを場すデータ等を画面上に表示、またはそのデー
タを記録媒体に出力し保存する。
【0031】前記眼底画像データは赤味成分と緑味成分
とを有している。前記特徴量算出手段107は、例え
ば、図2に示すように、前記処理単位領域内の血管部及
び背景部の色情報を用いて画像のバンド(または波長)
ごとに血管壁及び血液による光吸収の効果に相当する吸
収寄与を算出する吸収寄与算出手段107Aと、バンド
ごとに算出された吸収寄与を用いて血管壁の厚み及び血
管の内径に依存せずに血液自体の色調を示す血液色特徴
量を算出する血液色特徴量算出手段107Bと、副制御
部109Aとで構成されている。
【0032】なお、副制御部109Aは、前記制御部1
09と併せて一つの制御部として全く同様の動作を行
う。
【0033】また、前記特徴量算出手段107は、例え
ば、図3に示すように、処理単位領域内の血管部のR値
(赤味成分)とG値(緑味成分)及び背景部のR値とG
値を色特徴量として算出する血液色特徴量算出手段10
7Bと、処理単位領域内の血管部の幅を特徴量として算
出する血管幅特徴量算出手段107Cと、副制御部10
9Bとで構成されている。
【0034】なお、副制御部109Bは、前記制御部1
09と併せて一つの制御部として全く同様の動作を行
う。
【0035】また、本発明は、図4に示すように、前記
図1の構成に網膜神経乳頭検出手段111、動静脈交差
点検出手段112、学習用領域設定手段113、特徴量
対算出手段114、及び評価関数設定手段115、及び
副制御部109Cを追加した構成とすることもできる。
これらの追加した手段により、動静脈識識別のための評
価関数が設定され、設定された評価関数は、動静脈識識
別手段108において使用される。
【0036】なお、副制御部109Cは、前記制御部1
09と併せて一つの制御部として全く同様の動作を行
う。前記図2〜図4の動作については、後で詳細に説明
する。
【0037】以下に、前記本実施形態の眼底画像処理装
置を用いて眼底画像の動静脈識別方法について説明す
る。
【0038】従来、眼底画像は銀鉛写真で撮影されてい
たが、最近のデジタルカメラの普及に伴いデジタルカメ
ラを用いて撮影されることが多くなってきている。デジ
タルカメラの場合には撮影されたデジタル画像データは
そのまま計算機に入力可能である。一方、銀鉛写真の場
合にはスキャナ等の装置を用いることにより容易にデジ
タル画像データとして計算機に入力することができる。
なお、計算機に入力する際の画像のデータ形式として
は、最も一般的であるRGB形式を用いるものとする。
また、RGB形式以外の形式のカラー画像は、容易にR
GB形式に変換することができるので適用可能である。
ただし、本発明では、特定のRGB形式に限定せず、赤
味成分(広義のR)、緑味成分(広義のG)、青味成分
(広義のB)から構成される画像であればよい。
【0039】最初に、眼底画像例の概要とその性質につ
いて説明する。図5に示すように、眼底画像中におい
て、中央左寄りにある明るい場所は、網膜神経乳頭(簡
単には乳頭)と呼ばれ、主要な血管は全て乳頭から広が
るという性質を持つ。これらの血管は、動脈と静脈の両
方が入り混じっており、また、その網構成は個人差があ
るため、その網構成や位置からは動脈と静脈を識別する
ことはできない。
【0040】一方、血管の中を流れる血液の色は、ヘモ
グロビンの酸化状態により変化する。おおまかに言う
と、酸化されているヘモグロビンはより赤く、還元され
たヘモグロビンは濁った色調を持つ。このヘモグロビン
の色調の違いや血管壁の微妙な差異等により、画像上の
動脈と静脈の様子は微妙に異なってくる。この動脈と静
脈の微妙な色の差異をとらえることにより動脈と静脈の
識別が可能になる。
【0041】なお、前記各手段は、専用の装置を作成す
ることにより実現してもよいし、データ入力手段、デー
タ演算手段、データ一時記憶手段、データ保持手段、デ
ータ表示手段等を持つ汎用のコンピュータを用いてプロ
グラムを実行することにより、容易に実現できることは
明白である。
【0042】以下に、前記本実施形態の眼底画像処理装
置を用いて眼底画像の動静脈識別方法について説明す
る。
【0043】図6乃至図9は、本発明による実施形態の
眼底画像の動静脈識別方法の処理手順を示す流れ図であ
り、図6は、眼底画像の動静脈識別方法の処理概要を示
す流れ図、図7は、図6に示す特徴量算出過程の詳細処
理を示す流れ図、図8は、図6に示す特徴量算出過程の
別の詳細処理を示す流れ図、図9は、図6に示す動静脈
識別過程の詳細処理を示す流れ図である。
【0044】本実施形態の眼底画像の動静脈識別方法の
処理手順の概要は、図6乃至図9に示すように、眼底画
像において1本の血管と血管の背景部の両方を含む血管
の断面または小領域を処理単位領域として設定する処理
単位領域設定過程[1]と、前記処理単位領域内の血管
部と背景部とを分離する血管分離過程[2]と、前記血
管分離過程[2]において分離された血管部と背景部の
色の分布の特徴を特徴量として算出する特徴量算出過程
[3]と、算出された特徴量を用いて前記処理単位領域
内の血管が動脈であるか静脈であるかを識別する動静脈
識識別過程[4]からなっている。
【0045】前記処理単位領域設定過程[1]では、ま
ず、はじめに、眼底画像において動脈か静脈かを識別し
たい部位を処理単位領域として設定する。部位の指定
は、図10ように、一本の血管についての血管部と血管
の背景部を含むような断面または小領域とする。この断
面または小領域の指定方法としては、人間が画像を見て
手動で指定する場合と、計算機が自動的に検出する場合
とがあるが、ここではその方法は限定しない。
【0046】計算機が断面または小領域を自動的に検出
する方法の一例を以下に示す。まず、後述する方法(血
管分離過程[2]の「血管画像の作成方法」参照)で血
管部と非血管部(背景部)が分離された2値画像である
血管画像を作成し、その血管画像の血管部を細線化処理
し、得られた各細線を中心にの垂直方向の一定長範囲を
断面として、またはその断面の線分が包含される局所領
域(円形、矩形等)を小領域として検出することができ
る。なお、細線化処理については、(参考文献1:東京
大学出版会発行、画像解析ハンドブックpp.577〜
578、及び当該ページからさらに詳細文献を参照)に
記載されているためここでは省略する。
【0047】また細線化を基本とする断面の抽出・解析
処理は、特願平10−352933号明細書(眼底画像
における動静脈血管径比の経時変化自動計測方法、その
システム及びそのプログラムを記録した記録媒体)にも
記載されているので、これを参考にして行ってもよい。
前記の他にも断面または小領域を自動的に検出する手法
が考えられるが、ここではその方法は限定しない。
【0048】前記血管分離過程[1]では、前記設定さ
れた処理単位領域において、血管と血管の背景部を分離
する。以下に示す「血管画像の作成方法」を適用すれ
ば、眼底画像内の血管と背景部を分離した2値画像であ
る血管画像を得ることができる。
【0049】ここで、血管画像の作成を眼底画像全体に
ついて行ってから血管画像において対応する処理単位領
域を参照してもよいし、また、指定された処理単位領域
のみについて血管画像の作成を行ってもよい。
【0050】前記眼底画像を入力とし、血管部と非血管
部を分離した2値画像である血管画像を作成する血管画
像の作成方法について説明する。血管画像の作成方法と
しては様々なものが考えられるが、ここでは、その例と
して平滑化フィルタを用いた方法について説明する。
【0051】図11は、平滑化フィルタを用いた場合の
血管画像の作成処理手順を示す流れ図であり、図12
は、実際の血管画像の作成の様子を示す図である。ま
ず、眼底画像のG(緑味成分)画像に対して平滑化フィ
ルタを作用させて平滑化したG′画像を作成する(図1
2(3))。平滑化フィルタには、局所領域内の画素値
の平均値を局所領域の中心画素値とするものや、ガウシ
アンフィルタ等の様々なものがある。平滑化フィルタに
ついては、(前記参考文献1のpp.538〜550)
に詳細が記載されているのでここでは省略する。
【0052】次に、平滑化処理により得られたG′画像
のn番目の画素nの値G′nと元のG画像の画素n
(G′と同じ位置の画素)の画素値Gnとの差分値
(G′n−Gn)を算出し、この値が予め設定しておい
た閾値Thlより大きい場合に画素nを血管画素、逆に
小さい場合を非血管画素とする。この処理を画像中の全
画素に対して行うことにより、血管画素と非血管画素の
2値を持つ血管画像を得ることができる(図12
(5))。なお、得られた血管画像に対してラベリング
処理を施し、孤立した小さな画素を見つけて除去するこ
とにより血管画像中のノイズ成分を減らすこともでき
る。
【0053】なお、以上に述べた血管画像の作成方法
は、画像全体に対して行うこともできるし、また、画像
の一部分(局所領域)を対象としても行うことができる
のは明らかである。
【0054】また、前記本実施形態では、G画像を用い
て血管画像を作成したが、血管部がはっきりと見えてい
る画像であれば、G画像以外でも同様に検出することは
可能である。
【0055】前記特徴量算出過程では、設定された処理
単位領域において、色の分布に関する特徴量を算出す
る。図13(断面の色分布の様子を示す図)に示した例
のように、血管部と背景部の色の分布には動脈と静脈と
の間で差違がある。この色の差違は、血管背景からの光
の反射や血管部の血管壁や血液による光の吸収を考慮す
ることによりモデル化することができる。この光学モデ
ルに基づき特徴量を設定することにより、精度良い識別
が可能になる。
【0056】眼底画像における光学モデルについて、図
14(眼底画像の光学モデル)を用いて簡単に説明す
る。いま、入射光の波長λ(λは任意の波長またはR、
G、B等の波長範囲(バンド)でもよい)に対する入射
光の強度をI0(λ)、血管のない場合(つまり背景
部)の観測光の強度をI1(λ)、血管部での観測光の
強度I2(λ)とする。I1(λ)に対してI2(λ)
は、血管部(血管壁、血液)を透過する際にこれらの媒
体により減衰することになる。図14の場合では、
【0057】
【数1】 I2(λ)=I1(λ)・exp(−μd)・exp
(−μ′d′) の関係がLambert-Beerの法則(参考文献2:朝倉書店
発行、色彩科学辞典、pp250の項目500、参照)
から導かれる。ここで、μは血液の吸収係数、dは血液
部の厚さ、μ′は血管壁の吸収係数、d′は血管壁の厚
さであり、μ、μ′は媒体固有の値で一般にλに依存す
る。このうち血液の吸収係数μの値は、血液中のヘモグ
ロビンの酸化状態により変化するため、動静脈を識別す
るための有効な情報となる。しかし、d、d′の値も未
知であるため、このままでは、観測値であるI1(λ)、
2(λ)とμの間の対応関係を求めることはできない。
【0058】従って、何らかの近似や情報の追加により
未知数d、d′に依存しない形で観測値I1(λ)、I
2(λ)及びμの関係を記述できれば、動静脈の識別のた
めの特徴量として利用することができる。この考え方に
基づいた特徴量の例を以下に示す。
【0059】(特徴量の例1)数1の式より、G、Rの
各バンドについて数1の式を書き下すと、
【0060】
【数2】 I2(G)=I1(G)・exp(−μgd)・ex
p(−μg′d′)
【0061】
【数3】 I2(R)=I1(R)・exp(−μrd)・ex
p(−μr′d′) ここで、上式における添え字r,gはR、Gの各バンド
を表し、ダッシュ(′)のあるものは血管壁に関する値
を示すものとする。さらに、数2の式、数3の式を変形
すると、
【0062】
【数4】 −μgd−μg′d′=log{I2(G)/I1
(G)}
【0063】
【数5】 −μrd−μr′d′=log{I2(R)/I1
(R)} となる。ここで数4の式、数5の式の右辺を吸収寄与
(例)と呼ぶものとする。
【0064】なお、本発明で言うところの吸収寄与は、
厳密に数4の式、数5の式に従うものでなくてもよく、
あるバンドにおける血管部と背景部の色の違いを定量的
に示したものを一般に指すものである。
【0065】ここで、血管壁の厚さd′と血管の内径d
との間に次のような性質を仮定する。この仮定する血管
壁の厚さと血管の内径は比例する(d′=ad、a:定
数)。また、μgは血液のヘモグロビンの酸化状態が変
化してもあまり変わらないので定数として扱うことがで
きる。これは参考文献3(:日本色彩学会編、新編色彩
科学ハンドブック、pp.1293)に記載されるヘモ
グロビン分光透過率のG領域(大凡500nm〜600
nm)での値がほぼ同じであることから言える(正確に
はデバイスのG感度曲線で積分したものの和)。これに
より数4の式、数5の式を用いてdを消去すると、
【0066】
【数6】 μr∝(logI1(R)−logI2(R)/logI1(G)
−logI2(G)+const の関係を得る。ここでlogI1(R)、logI2(R)、logI1
(G)、logI2(G)は、画像から観測可能な量である(詳
細は後述する)。
【0067】数6の式の右辺は動脈のとき小さい値をと
り、静脈のとき大きい値をとることになり、動静脈識別
のための有効な特徴量となる。なお、特徴量として考え
る場合、数6の式の定数項は無視することができる。こ
こでは、数6の式の右辺から定数項を除いたものを、血
管色特徴量(例)と呼ぶものとする。なお、本発明で言
うところの血管色特徴量は、厳密に数6の式のに従うも
のでなくてもよく、各バンド毎の吸収寄与を用いて、血
管壁の厚さと血管の内径に依存しないように算出された
血液自体の色調を示す特徴量一般を指す。
【0068】なお、血管壁の厚さと血管の内径の関係
は、仮定2のような比例関係でなくても血管壁の厚さ
d′と血管の内径dに関する関係が何らかの形で得られ
ていれば、その関係を用いて前記と同様にd、d′を消
去すれば、その関係に応じた特徴量を得ることができ
る。この血管の内径dと血管壁の厚さd′の関係は何ら
かの数式で与えられてもよいし、実測値の対応表として
与えられていても本質的には同じことである。
【0069】ここで、前記の数4の式、数5の式の右辺
を算出する過程が、図2に示す吸収寄与算出過程の一例
であり、数6の式の右辺(定数項を除く)を算出する過
程が図2に示す血液特徴量算出過程の一例である。
【0070】ここで、I1(R)、I2(R)、I1(G)、I2
(G)の具体的な算出方法を示しておく。なお、以下で
は、I1(R)=Rs、I2(R)=Rv、I1(G)=Gs、
2(G)=Gv(s:背景部、v:血管部を示す添え
字)として記述する。
【0071】図15は、本実施形態の色特徴量の算出処
理手順を示す流れ図である。本実施形態の色特徴量の算
出処理は、図15に示すように、まず、処理単位領域内
の血管部と背景部を分離する(血管画像を作成する)。
この血管画像と原画像の処理単位領域を参照しながら、
血管部のR値及びG値の平均値、並びに背景部のR値及
びG値の平均値を算出し、G画像の血管部の平均値をG
v、背景部の平均値をGs、R画像の血管部の平均値を
Rv、背景部の平均値をRsとすればよい。単純な平均
値の算出手順を図15に示す。また、単純に平均値を取
るのではなく、処理単位領域における血管画素及び背景
画素毎にRGB毎のヒストグラムを算出し、それぞれの
ヒストグラムを用いて、血管部の色を算出する場合には
ヒストグラムの低輝度側から一定割り合いの画素数が含
まれるヒストグラム範囲のみを対象とし平均色を算出
し、一方背景部の色を算出する場合には、ヒストグラム
の高輝度側から一定割り合いの画素数が含まれるヒスト
グラム範囲のみを採用した平均色を算出する方法を用い
てもよい。処理の詳細は図16及び図17に示す。
【0072】なお、図17のしきい値Kが、ヒストグラ
ムで採用する一定割合を決めるパラメータである(K
%)。この方法を用いると、血管部と背景部の境界付近
の中間的な値をとる画素の影響を排除でき、血管部と背
景部の違いがより明瞭になるとういうメリットがある。
同様の目的で血管部と背景部の境界周辺の画素を直接検
出し、それらの画素の一定範囲内の画素を対象外として
もよい。血管部と背景部の境界は、血管画像上で血管画
素と背景画素が隣接する画素を検出すればよい。
【0073】なお、撮影時に正確にピント合わせが可能
な場合には、血管の中央部の画素値Gc、Rcを血管部
の色Gv、Rvとすることにより、より血液自体の色の
違いが正確に反映された特徴量となる。
【0074】また、前記ではRGBを観測画像とした場
合を示したが、数1の式を基本とする特徴量の構成方法
は、任意の波長入またはRGB以外の波長帯(バンド)
が観測される場合であっても本質的には全く同様であ
り、容易に拡張できることは明らかである。
【0075】(特徴量の例2)上の特徴量の例1におい
て、各バンド(RGB)の物理的な輝度値に対してガン
マ補正(入力値のγ乗したものを出力値に対応させる)
がなされた値が観測値となった場合、数6の式ではγ乗
の効果は相殺されることがわかる。従ってγ補正の有無
に依らず数6の式はそのまま適用可能である。ところ
で、観測値が物理的な輝度値に対してγ<1となるガン
マ補正がなされている場合は、より簡便な形へ特徴量を
近似することが可能である。log演算とγ補正(γ<
1)は、ともに1階微分が正、2階微分が負であり、よ
く似た値の振る舞いをする。このような場合に数6の式
は、
【0076】
【数7】 μr∝(I1(R)−I2(R))/(I1(G)−I
2(G))+const と近似することも可能である。この数7の式の右辺(定
数項を除く)を特徴量として利用すればよい。
【0077】(特徴量の例3)以下に示す特徴量の例3
は、前記図8に対応する。血管部及び背景部の色I
1(R)、I2(R)、I1(G)、I2(G)の値は、前述したよ
うに血管壁の厚さと血管内径の変動を含んだものであ
り、これだけでは特徴量としては不十分である。一方、
血管壁の厚さと血管内径を含めた血管の幅Dは眼底画像
から測定可能であり(測定方法は後述する)、また、血
管の幅Dは血管壁の厚さd′と血管の内径dとの何らか
の対応関係があると考えられる。したがって、この血管
幅Dを特徴量の一つとして算出し(図8、血管幅算出過
程)、さらに、血管部及び背景部の色I1(R)、I
2(R)、I1(G)、I2(G)を算出し(図3、色特徴量算
出過程)、これらの値のセットを特徴量とする。このよ
うな特徴量を用いれば、血管幅Dと血管壁の厚さd′と
血管の内径dとの関係が陽に得られていなくても、この
特徴空間においては識別可能となる。
【0078】ここで、血管幅の検出方法を示しておく。
処理単位領域として断面が指定された場合の血管の幅は
断面上の血管部の両端の画素間の距離を計測すればよ
い。小領域が指定された場合の血管の幅の算出方法とし
ては、図18に示すように、小領域内の血管画素の横方
向と縦方向のランレングスの平均値Lx、Lyを求め、
W=Lx・sinθ、θ=arctan(Ly/Lx)
とすれば近似的に求めることができる(図18参照)。
この他にも(特願平10−079034「血管計測方
法」)等血管の幅の測定方法は考えられるが、本発明で
はその方法は限定しない。
【0079】なお、前述した3つの特徴量の例ではB画
像を用いていない。これは、一般に眼底画像においては
Bの値はGの値と同様の振る舞いをすること、また、B
の値が小さくSN比が低いことにより、特徴量としては
有効でないためである。しかし、B画像がR、Gにない
情報を持つ場合や、Bの値が安定しておりSN比が良い
ような場合にはもちろんこれを利用することができる。
【0080】また、ここで示した特徴量の例の他にも血
管部の色や血管壁及び血管内径に関する新たな知見があ
れば、数1の式の基本モデル及び得られた知見に基づ
き、未知数d、d′の不確定性を除外することにより、
特徴量の例1と同様にして特徴量を容易に構成すること
ができる。
【0081】前記動静脈識別過程[4]は、次に算出さ
れた特徴量を用いて、その断面または小領域が動脈なの
か静脈なのかを特徴量空間において判定する。判定方法
としては、予め複数の眼底画像を用い、血管の断面に関
する特徴量とそれが動脈なのか静脈なのかを示す属性デ
ータとを組み合わせた事例データを収集し、その事例デ
ータを分析することにより特徴量空間における閾値(分
離超平面)や分離のための評価関数を設定しておけばよ
い。
【0082】事例データを用いた評価関数の設定方法の
一例を示す。まず、収集された事例データを用いて、特
徴量空間における動脈の事例の分布と静脈の事例の分布
を表す統計データを算出する。統計データとしては、そ
れぞれの分布の中心(重心)や各特徴量の軸方向の広が
り(分散)などが最も基本的な情報であり、これらの値
でおおよその事例データの分布を表現することができ
る。次に、獲得された事例の統計データを用いた評価関
数について述べる。注目している断面の特徴量が特徴量
空間において動脈の事例に属する可能性及び静脈の事例
の分布に属する可能性を評価する方法のうち比較的簡単
な方法として、動脈・静脈それぞれの分布の中心からの
それぞれの分布の幅を考慮した距離(重み付きユークリ
ッド距離)を計算し、この距離をそれぞれの分布に属す
る可能性(確からしさ)とする方法がある。N次元の特
徴量空間における重み付きユークリッド距離dは、 特徴量ベクトルC:=(cl、c2、・・・、cN) カテゴリjの分布の平均値Sj:=(ml、m2、・・・、m
N) カテゴリjの分布の分散値Vj:=(vl、v2、・・・、v
N) とした場合、dj=ΣSQRT{(ck−mk2/vk
(SQRT:平方根)と定義される。この距離が短い方
のカテゴリに属すると判定すればよい。
【0083】この他、動脈と静脈の事例データの特徴量
空間における分離に最も適した新たな座標軸を見つけ、
その座標軸上でそれぞれの分布を考慮して距離計算を行
う方法(判別分析法:参考文献4:オーム社発行、石井
健一郎他著「わかりやすいパターン認識」、pp.11
4〜123)もあり、より高精度な識別が可能になる。
この他にも様々な統計的判別手法があるが、それらにつ
いても前述の参考文献4「わかりやすいパターン認識」
の全編に渡り詳述されているのでここではその説明は省
略する。
【0084】なお、分離超平面は前述の判別分析法にお
いて見つけられた分離に最も適した新たな座標軸に直交
し、かつ両カテゴリからの距離が等しくなるように設定
すればよい。
【0085】前述したように、特徴量空間における識別
のための評価関数または分離超平面は事例データを用い
て獲得することが可能である。しかし、眼底画像の色は
個人差や撮影条件のばらつきのために必ずしも一定して
いない。従って、個々の画像において最適な評価関数ま
たは分離超平面を設定することが望ましい。以下でその
方法について説明する。処理の概要は図9に示す。
【0086】眼底画像中の血管は、動脈同士及び静脈同
士が交差しないという性質を持つ。また、通常の眼底画
像においては、動脈と静脈が数カ所で交差するという性
質を持つ。従って、交差点を構成する2本の血管は一方
が動脈でもう一方が静脈になっていることになる。血管
が抹消部に近づき細くなる方向(眼底では乳頭から遠ざ
かる方向と一致)を正方向とすると、その正方向に向か
い合流する点を動脈と静脈の交差点として検出すればよ
い(図19)。
【0087】この交差点の検出方法は、様々な方法が考
えられるが、その一例として、線分追跡を用いた方法の
概略を説明する。まず、眼底画像中で最も明るい部分を
乳頭部として検出する(図9、網膜神経乳頭検出過
程)。次に、前述の方法で血管と背景を分離した血管画
像を作成する(図4、血管画像作成過程)。この血管画
像を用いて動脈と静脈の交差点を検出する手法の一例を
以下に説明する。
【0088】前記で作成された血管画像を細線化し、細
線化した血管画像上で乳頭付近から外側(乳頭から遠ざ
かる方向)に向かって血管を一本ずつたどりながら線分
が分岐する点を探索していく。そして見つかった分岐点
において、乳頭方向に戻っていくような線分が探索して
いる線分自身を含めて2本ある場合にその分岐点を交差
点として検出すればよい(図9、動静脈交差点検出過
程)。なお、ここでは交差点を検出する方法は限定しな
い。
【0089】次に、図20に示す例のように、検出され
た交差点において合流する2本の血管の交差点前の場所
(交差点より乳頭に近い場所)について、それぞれの血
管部と背景部を含む断面または小領域を学習用領域とし
てそれぞれ自動的に設定する(図9、学習用領域設定過
程)。そしてそれぞれの断面または小領域において血管
と背景部を分離し(図9、血管分離過程)、前述した特
徴量を算出して特徴量の対とする(図4.特徴量対算出
過程)。これを眼底画像中の複数の交差点において行う
ことにより複数の特徴点の対のデータを得ることができ
る。
【0090】これらの特徴量の対のうちどちらが動脈で
どちらが静脈なのかを以下の方法で決定する。予めいく
つかの眼底画像について、その中の血管の断面の特徴量
とそれが動脈か静脈かを記録した事例データを収集して
おき、経験的にまたは前述した判別分析法(参考文献
4)を用いて動脈と静脈のカテゴリが最もよく分離でき
る軸を算出しておく。そして、いま注目している眼底画
像から得られた特徴量の対のうち、この軸上において動
脈のカテゴリに近いほうが動脈、もう一方を静脈とす
る。このようにして注目している眼底画像内から得られ
た全ての特徴量の対についてどちらが動脈で、どちらが
静脈であるかを決定する。こうして今注目している画像
から特徴量空間における事例データを得ることができ
る。これを用いることにより、今注目している画像に最
適な分離超平面または評価関数を得ることができる(図
9、評価関数設定過程)。分離超平面及び評価関数の設
定方法は前述のものをそのまま適用できる。
【0091】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、
前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論で
ある。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
眼底画像中の動脈と静脈を自動的かつ精度良く識別する
ことができる。これにより眼底画像における血管幅の測
定作業を効率化することができ、眼底画像検査の検査コ
ストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の眼底画像処理装置の概
略構成を示すブロック構成図である。
【図2】本実施形態の別の眼底画像処理装置の概略構成
を示すブロック構成図である。
【図3】本実施形態の別の眼底画像処理装置の概略構成
を示すブロック構成図である。
【図4】本実施形態の別の眼底画像処理装置の概略構成
を示すブロック構成図である。
【図5】本実施形態の眼底画像例の概要とその性質を説
明するための図である。
【図6】図1に示す眼底画像処理装置による眼底画像の
動静脈識別方法の処理手順を示す流れ図である。
【図7】図2に示す眼底画像処理装置による眼底画像の
動静脈識別方法の処理手順を示す流れ図である。
【図8】図3に示す眼底画像処理装置による眼底画像の
動静脈識別方法の処理手順を示す流れ図である。
【図9】図4に示す眼底画像処理装置による眼底画像の
動静脈識別方法の処理手順を示す流れ図である。
【図10】図1に示す動静脈識別手段の詳細処理を示す
流れ図である。
【図11】本実施形態の処理単位領域の例(断面と小領
域)を示す図である。
【図12】本実施形態の血管画像の作成処理手順を示す
流れ図である。
【図13】本実施形態の血管画像の作成処理手順を示す
流れ図である。
【図14】本実施形態の断面の色分布の様子を示す図で
ある。
【図15】本実施形態の眼底画像の光学モデルを示す図
である。
【図16】本実施形態の血管色と背景色の算出の流れ
(単純な平均値の場合)を示す図である。
【図17】本実施形態の血管色と背景色の算出処理手順
(ヒストグラムを用いた場合)を示す流れ図である。
【図18】本実施形態の血管色と背景色の算出処理手順
(ヒストグラムを用いた場合)を示す流れ図である。
【図19】本実施形態の動静脈交差点の例を示す図であ
る。
【図20】本実施形態の動静脈交差点付近での処理単位
領域の設定(断面の場合)の様子を示す図である。
【符号の説明】 100…眼底画像処理装置、101…眼底画像、102
…画像入力手段、103…データ記憶手段、104…情
報入力手段、105…処理単位領域設定手段、106…
血管分離手段、107…特徴量算出手段、108…動静
脈識別手段、109…制御部、110…結果表示・出力
手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 裕子 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 大塚 作一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA07 BA02 CA01 CB01 CE09 DA11 DB06 DC03 DC25 5L096 AA02 BA03 BA18 CA02 EA35 FA64 FA81 GA19 9A001 DD11 GG01 HH05 HH25 HH28 HH31 JJ09 KK25 KK60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーで撮影された眼底画像データにつ
    いて1本の血管と背景部とを含む処理単位領域を設定す
    る処理単位領域設定過程と、前記眼底画像データから血
    管部と背景部とを分離して血管部を示す血管画像データ
    を生成する血管分離過程と、前記処理単位領域ごとに前
    記眼底画像データから血管部と背景部の各々について色
    分布特徴量を算出する特徴量算出過程と、前記色分布特
    徴量を用いて前記処理単位領域における血管が動脈であ
    るか静脈であるかを識別して動静脈画像データを生成す
    る動静脈識別過程とを有することを特徴とする眼底画像
    の動静脈識別方法。
  2. 【請求項2】 前記特徴量算出過程は、前記血管部及び
    背景部各々の画素値から血管による光吸収の効果を示す
    吸収寄与をバンドごとに算出する吸収寄与算出過程と、
    バンドごとに算出された前記吸収寄与から血液の色調を
    示す血液色特徴量に基づいて前記色分布特徴量を算出す
    る血液色算出過程とを有することを特徴とする請求項1
    に記載の眼底画像の動静脈識別方法。
  3. 【請求項3】 前記眼底画像データは赤味成分と緑味成
    分とを有し、前記特徴量算出過程は、処理単位領域ごと
    に処理単位領域内の血管幅を算出する血管幅算出過程と
    を有し、前記動静脈識別過程は、前記色分布特徴量とし
    て、前記処理単位領域内の血管部の赤味成分の値と緑味
    成分の値及び背景部の赤味成分の値と緑味成分の値及び
    血管幅を用いて動脈と静脈とを識別することを特徴とす
    る請求項1に記載の眼底画像の動静脈識別方法。
  4. 【請求項4】 前記動静脈識別過程は、眼底画像の血管
    部と背景部を分離した2値画像である血管画像を作成す
    る血管画像作成過程と、眼底画像の各血管が細くなって
    いく方向を血管の正方向として正方向に向かって2本の
    血管が交差する血管の交差点を動静脈交差点として検出
    する動静脈交差点検出過程と、検出された動静脈交差点
    に向かって交差する2本の血管のそれぞれに対して血管
    と血管の背景部の両方を含む血管の断面または小領域を
    学習用領域として設定する学習用領域設定過程と、設定
    された各々の学習用領域において血管と背景部とを分離
    する血管分離過程と、各々の学習用領域における血管部
    と背景部の色の分布の特徴を特徴量の対として算出する
    特徴量対算出過程と、眼底画像全体から抽出された複数
    の特徴量の対の各々において対となっている特徴量が特
    徴量空間において別々のカテゴリーに分かれるような評
    価関数または分離超平面を設定する動静脈識別用評価関
    数設定過程とを有することを特徴とする請求項1に記載
    の眼底画像の動静脈識別方法。
  5. 【請求項5】 カラーで撮影されデジタル化された眼底
    画像を処理する眼底画像処理装置であって、眼底画像に
    おいて1本の血管と血管の背景部の両方を含む血管の断
    面または小領域を処理単位領域として設定する処理単位
    領域設定手段と、前記処理単位領域内の血管部と背景部
    とを分離する血管分離手段と、前記血管分離部において
    分離された血管部と背景部の色の分布の特徴を算出する
    特徴量算出手段と、算出された特徴量を用いて前記処理
    単位領域内の血管が動脈であるのか静脈であるのかを識
    別する動静脈識別手段と、前記各部を制御する制御手段
    とを具備する眼底画像処理装置。
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