JP2001144084A - 成膜方法及び半導体装置 - Google Patents

成膜方法及び半導体装置

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JP2001144084A
JP2001144084A JP32795099A JP32795099A JP2001144084A JP 2001144084 A JP2001144084 A JP 2001144084A JP 32795099 A JP32795099 A JP 32795099A JP 32795099 A JP32795099 A JP 32795099A JP 2001144084 A JP2001144084 A JP 2001144084A
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Japan
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silicon oxide
oxide film
tmos
reaction gas
film
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JP32795099A
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Taizo Oku
泰三 於久
Toku Tokumasu
徳 徳増
Makoto Kurotobi
誠 黒飛
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Semiconductor Process Laboratory Co Ltd
Canon Marketing Japan Inc
Original Assignee
Semiconductor Process Laboratory Co Ltd
Canon Marketing Japan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiH4 (モノシラン)やTEOS(Tet
ra−Ethoxy−Sinane)を用いるCVD法
とは異なる新規なシリコン酸化膜の形成方法、及びそれ
を用いて成膜されたシリコン酸化膜を備えた半導体装置
を提供すること。 【解決手段】 TMOS(Tetra−Methoxy
−Silane)と酸化性ガスとを含む反応ガスをプラ
ズマ化し、反応させてシリコン酸化膜204を被堆積基
板103上に形成する成膜方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成膜方法、及び半導
体装置に関し、より詳細にはプラズマCVD法(化学的
気相成長法)によりシリコン含有絶縁膜を形成する成膜
方法、及び該シリコン含有絶縁膜を備えた半導体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン酸化膜を形成する方法と
して、SiH4 (モノシラン)を含む反応ガスや、TE
OS(Tetra−Ethoxy−Sinane)を含
む反応ガスを用いるCVD法がある。これらのシリコン
酸化膜は、半導体装置の層間絶縁膜等に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして形成されるシリコン酸化膜を半導体装置に用
いると、その半導体装置が所望の特性とならない場合が
ある。本発明は係る従来例の問題点に鑑みて創作された
ものであり、SiH4 (モノシラン)やTEOSを含む
反応ガスを用いるCVD法とは異なる新規なシリコン酸
化膜の成膜方法、及びそれにより成膜されたシリコン酸
化膜を備えた半導体装置を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、第1の
発明である、TMOS(Tetra−Methoxy−
Silane)と酸化性ガスとを含む反応ガスをプラズ
マ化し、反応させてシリコン含有絶縁膜を被堆積基板上
に形成する成膜方法によって解決する。または、第2の
発明である、前記反応ガスは、前記TMOS(Tetr
a−Methoxy−Silane)を酸化する化学当
量以上の前記酸化性ガスを含むことを特徴とする第1の
発明に記載の成膜方法によって解決する。
【0005】または、第3の発明である、前記酸化性ガ
スは、O2 、NO2 、NO、N 2O、CO、CO2 、又
はH 2Oの内少なくとも一つを含むことを特徴とする第
1の発明又は第2の発明に記載の成膜方法によって解決
する。または、第4の発明である、前記プラズマ化は、
周波数が13.56MHzである高周波電力、又は周波
数が380kHzである高周波電力を前記反応ガスに印
加することにより行われることを特徴とする第1の発明
から第3の発明のいずれか一に記載の成膜方法によって
解決する。
【0006】または、第5の発明である、第1の発明か
ら第4の発明のいずれか一に記載の成膜方法を用いて形
成される前記シリコン含有絶縁膜を備えた半導体装置に
よって解決する。
【0007】
【作用】本発明に係る成膜方法では、TMOS(Tet
ra−Methoxy−Silane)と酸化性ガスと
を含む反応ガスを用いるプラズマCVD法(プラズマ化
学的気相成長法)により、被堆積基板上にシリコン酸化
膜を形成する。このとき用いる酸化性ガスには、O2
NO2 、NO、N 2O、CO、CO2 及びH 2Oがあ
り、これらの内いずれか一が反応ガスに含まれる。な
お、上述したTMOSの化学式は、化1に示してある。
【0008】このようにして形成されるシリコン酸化膜
は、次のような特徴を有することが本願発明者の行った
調査により明らかになった。第1に、TMOSとO2
を反応ガスに含むプラズマCVD法で形成されるシリコ
ン酸化膜は、TEOSやSiH4 (モノシラン)を用い
て形成されるシリコン酸化膜に比べ、膜中に含まれる水
分量及び水素量が少ない。この内、膜中に含まれる水分
量がSiH4 (モノシラン)を用いて形成した場合に比
べて少ないのは以下のような理由によるものと考えられ
る。
【0009】すなわち、SiH4 (モノシラン)はSi
−H結合を有しているため、これを用いて形成されるシ
リコン酸化膜の膜中にはSi−H結合の形でH(水素)
が残留し易い。これに対し、本発明に係る成膜方法で用
いるTMOSはSi−H結合を有していないので、Si
4 (モノシラン)を用いる場合に比べて膜中に水素が
残留し難いと考えられる。
【0010】第2に、TMOSと該TMOSを酸化する
化学当量以上のN 2Oとを反応ガスに含むプラズマCV
D法で形成されるシリコン酸化膜は、TEOSを用いて
形成されるシリコン酸化膜に比べ、膜中に含まれる炭素
量が少ない。第3に、SiH4 (モノシラン)を用いて
形成されるシリコン酸化膜に比べ、カバーレッジ特性が
良い。すなわち、図6に例示するように、SiH4 (モ
ノシラン)を用いてシリコン酸化膜301を形成する
と、配線203間にボイド302が形成され易い。これ
に対し、TMOSを反応ガスに含む本発明では、そのよ
うなボイドが形成されないということが本願発明者によ
って確かめられた。
【0011】ところで、半導体装置の絶縁膜中に水分や
水素が含まれると、該半導体装置の特性が悪化する。ま
た、絶縁膜のカバーレッジ特性が悪いと、半導体装置を
高集積化する際に支障をきたす。従って、他の成膜方法
に比べて膜中の水分量及び水素量が少ないという第1の
特徴、及びカバーレッジ特性が良いという第3の特徴に
より、本発明に係る成膜方法を用いて成膜されたシリコ
ン酸化膜を半導体装置に適用すると、該半導体装置の特
性が向上することが期待される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。 (1)本実施形態に係る成膜方法に用いられる反応ガス
についての説明 (i)反応ガス中に含まれるTMOS(Tetra−M
ethoxy−Silane)の説明 本実施形態では、シリコン酸化膜を成膜するために、T
MOSを含む反応ガスを用いる。このTMOSは次の構
造式を有する。
【0013】
【化1】
【0014】また、これの化学的な性質を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】これは無色透明の液体であり、SiH
4 (モノシラン)のような爆発性や自燃性は無い。その
ため、SiH4 (モノシラン)に比べてその取り扱いが
容易である。 (ii)上記TMOSに酸化性反応ガスを組み合わせた反
応ガスの具体例本実施形態では、上記TMOSの他に酸
化性ガスが反応ガス中に含まれる。
【0017】このようにTMOSと酸化性ガスとが組み
合わされた反応ガスとして、次の7種類の反応ガスがあ
る。 TMOSにO2 を加えた反応ガス TMOSにN2 Oを加えた反応ガス TMOSにNOを加えた反応ガス TMOSにNO2 を加えた反応ガス TMOSにCOを加えた反応ガス TMOSにCO2 を加えた反応ガス TMOSにH 2Oを加えた反応ガス なお、上の反応ガスでは、一種類の酸化性ガスのみが反
応ガスに含まれているが、複数の種類の酸化性ガスが反
応ガスに含まれても良い。
【0018】これらの内、TMOSにO2 を加えた反
応ガス、及びTMOSにN2 Oを加えた反応ガスを用
いた場合の成膜条件、及びこれにより得られたシリコン
酸化膜の特性については後述する。 (2)半導体装置への適用例についての説明 (i)プラズマCVD装置についての説明 図1は、本実施形態に係る成膜方法に用いられる平行平
板型プラズマCVD装置について示す構成図である。
【0019】図1において、101は成膜を行うための
チャンバであり、102と104は対向して設けられた
対の電極である。電極104には第1の高周波電源10
7が接続され、電極102には第2の高周波電源109
が接続される。そして、第1の高周波電源107により
第1の高周波電力が電極104に供給される。同様に、
第2の高周波電源109により第2の高周波電力が電極
102に供給される。
【0020】なお、成膜を行う時は、第1、又は第2の
高周波電力のいずれか一方のみが印加される。そして、
電極102は、被堆積基板103を載置するための載置
台を兼ねている。一方、第1の高周波電源107が接続
される方の電極104は、反応ガスをチャンバ101内
に放出するためのシャワーヘッドを兼ねている。反応ガ
スは、ガス導入口108を通り、シャワーヘッド104
からチャンバ101内に供給される。
【0021】そして、電極102には、被堆積基板10
3を所望の温度に加熱するたものヒータ(図示せず)が
内蔵されている。105は、このヒータに電力を供給す
るための配線である。また、106は、使用済みの反応
ガスをチャンバ101の外に排出すると共に、チャンバ
101内の雰囲気を所望の圧力に保持するための排気口
である。
【0022】(ii)本実施形態に係る成膜方法について
の説明 以下では、半導体装置の層間絶縁膜の形成方法を例にし
て、本実施形態に係る成膜方法を説明する。特に、O
2 を酸化性ガスとして用いる場合、及びN2Oを酸化
性ガスとして用いる場合のそれぞれの成膜方法について
説明する。 O2 を酸化性ガスとして用いる場合の成膜方法 図2(a)〜(b)は、本実施形態に係る成膜方法につ
いて示す断面図である。
【0023】本願発明者は、本実施例に係る成膜方法を
発明するのに、様々な成膜パラメータ(温度、圧力、高
周波電力、反応ガス流量等)で実験を行った。従って、
本実施形態では、成膜パラメータが範囲を以って指定さ
れる。図2(a)は、被堆積基板に成膜を行う前の状態
を示す断面図である。図2(a)において、201シリ
コン基板である。そして、202は、シリコン酸化膜や
BPSG膜等の下地絶縁膜である。この下地絶縁膜20
2上には、アルミニウム配線層203が形成されてい
る。これらにより、被堆積基板103が構成される。
【0024】このような状態で、まず、被堆積基板10
3を電極102の上に載置し、チャンバ101内を減圧
する。載置した後、電極102に内蔵された不図示のヒ
ータにより被堆積基板103を加熱する。これにより、
被堆積基板103の温度を250℃から400℃に保持
する。続いて、液状のTMOS(Tetra−Meth
oxy−Silane)をチャンバ101内に導入す
る。これは、液状のTMOSを液体MFC(Mass−
Flow−Controler)でその流量を調整し、
シャワーヘッド104から放出させることにより行われ
る。
【0025】このときのTMOSの流量は、100sc
cmから300sccmである。また、TMOSをチャ
ンバ101に導入する際、該TMOSに酸化性ガスとし
てO 2 を添加する。O2 の流量は、実験のために100
0sccm〜9000sccmの範囲で変化させた。先
に説明したように、これらTMOSとO2 とで反応ガス
が構成される。
【0026】これと同時に、排気口106から排気され
る反応ガスの速度を調節し、チャンバ101内の圧力を
0.5Torr〜2.2Torrの範囲内に保持する。
次に、第1、又は第2の高周波電力のいずれか一を電極
に印加する。すなわち、電極104に第1の高周波電力
を印加するか、又は電極102に第2の高周波電力を印
加する。なお、本願発明者は、周波数が13.56MH
zの高周波電力を第1の高周波電力として用い、周波数
が380kHzの高周波電力を第2の高周波電力として
用いた。
【0027】このとき印加される高周波電力のパワー
は、第1の高周波電力を印加する場合、及び第2の高周
波電力を印加する場合のいずれも250〜1500Wで
ある。これにより、電極102と104の間にある反応
ガスがプラズマ化する。そしてこのプラズマ化により、
図2(b)に示すように、被堆積基板103上にシリコ
ン酸化膜204が形成される。
【0028】次に、このようにして形成されたシリコン
含有絶縁膜の膜質について説明する。上で説明したよう
なTMOSとO2 とを反応ガスとして用い、シリコン酸
化膜204を成膜する場合の成膜条件を表2にまとめ
る。
【0029】
【表2】
【0030】(屈折率) 1.45〜1.47である。 (成膜速度)800Å/分〜4500Å/分となった。
また、本願発明者が行った測定結果によると、成膜速度
は第1又は第2の高周波電力のパワーを増加させること
によって上昇することが分かった。同様に、反応ガスの
流量を増加させても成膜速度が上昇することが分かっ
た。
【0031】(応力)第1の高周波電力のみを印加し、
その周波数を13.56MHzにした場合、形成された
シリコン酸化膜204の応力は0.5×109 dyne
/cm2 〜4×109 dyne/cm2 の引っ張り応力
となった。また、第2の高周波電力のみを印加し、その
周波数を380kHzにした場合、応力は0.5×10
9 dyne/cm2 〜3×109 dyne/cm2 の圧
縮応力となった。
【0032】このように、反応ガスをプラズマ化するた
めに印加する高周波電力の周波数に依存してシリコン酸
化膜204の応力が変化することが分かった。 N2 Oを酸化性ガスとして用いる場合の成膜方法 N2 Oを酸化性ガスとして用いる場合も、で説明した
ようなO2 を酸化性ガスとして用いる場合と同様にシリ
コン酸化膜204を形成することができる。
【0033】この場合のシリコン酸化膜の成膜条件を表
3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】(3)比較例 次に、本実施形態に係る成膜方法により形成されたシリ
コン酸化膜の膜質について、他の反応ガスを用いて形成
されたシリコン酸化膜と比較しながら説明する。特に、
反応ガス中にSiH4 (モノシラン)、又はTEOS
(Tetra−Ethoxy−Sinane)を含むC
VD法で形成されるシリコン酸化膜と比較しながら説明
する。
【0036】(i)第1の比較例 本比較例では、反応ガスとしてTMOSとO2 とを用い
て形成されるシリコン酸化膜の水分含有量に注目し、そ
れを他の反応ガスを用いて形成されるシリコン酸化膜の
水分含有量と比較する。図3は、TDS(Therma
l−Dissorption−Spectroscop
e)法により、シリコン酸化膜204の膜中の水分含有
量を調査した結果について説明する特性図である。な
お、TDS法とは、不純物が吸着している固体試料を加
熱していき、固体試料から離脱された不純物を質量分析
計で検出し、不純物量を温度の関数として求めるもので
ある。
【0037】図3において、縦軸は水分含有量を重量パ
ーセント(wt%)で示したものであり、横軸はシリコ
ン酸化膜204の分析サンプルを加熱した時の温度を示
すものである。この調査結果においては、分析サンプル
を加熱し、その温度を室温から800℃まで上昇させ
た。そして、分析サンプルとしては、TMOS流量15
0sccm、O2 流量850sccm、圧力2.0To
rr、基板温度350℃、第1の高周波電力の周波数1
3.56MHz、第1の高周波電力のパワー300Wの
条件の下で形成されたシリコン酸化膜を用いた。
【0038】なお、図3には、SiH4 (モノシラン)
を反応ガス中に含むCVD法で形成した場合、及びTE
OS(Tetra−Ethoxy−Sinane)を反
応ガス中に含むCVD法で形成した場合のシリコン酸化
膜の調査結果を比較のために併記してある。図3から分
かるように、反応ガスとしてTMOSとO2 とを用いる
場合、400℃以下の温度範囲では分析サンプル中に水
分が存在することを示す顕著な波形は見られない。そし
て、温度が400℃を超えると、分析サンプル中に構造
水が存在することを示す波形が確認される。ここで、構
造水とは、Si−H結合の状態で膜中に存在する水分を
意味する。
【0039】このように分析サンプルを加熱してゆき、
膜中に含まれる全水分量を求めたところ、0.1wt%
〜0.4wt%の水分が膜中に含まれていることが分か
った。これに対し、図3に示されるように、SiH
4 (モノシラン)を反応ガス中に含むCVD法で形成し
た場合のシリコン酸化膜の膜中には、1.33wt%の
水分が含まれることが分かった。また、TEOSを反応
ガス中に含むCVD法で形成した場合のシリコン酸化膜
の膜中には、0.49wt%の水分が含まれることが分
かった。
【0040】この調査結果から分かるように、反応ガス
としてTMOSとO2 を用いてシリコン酸化膜を形成す
る本実施形態では、SiH4 (モノシラン)やTEOS
を反応ガスを用いてシリコン酸化膜を形成する場合に比
べて膜の水分含有量が小さくなる。 (ii)第2の比較例 本比較例では、反応ガスとしてTMOSとO2 とを用い
て形成されるシリコン酸化膜の水素含有量に注目し、そ
れを他の反応ガスを用いて形成されるシリコン酸化膜の
水素含有量と比較する。
【0041】図4は、第1の比較例で説明したTDS法
を用いて、シリコン酸化膜204の膜中の水素含有量を
調査した結果について説明する特性図である。図4にお
いて、縦軸は加熱によりシリコン酸化膜204の分析サ
ンプルから離脱した水素イオンの相対イオン強度を示す
ものである。そして、横軸はシリコン酸化膜204の分
析サンプルを加熱した時の温度を示すものである。
【0042】本比較例では、第1の比較例と同様に分析
サンプルを加熱し、その温度を室温から800℃まで上
昇させた。なお、分析サンプルとしては、TMOS流量
300sccm、O2 流量1700sccm、圧力0.
5Torr、基板温度350℃、第1の高周波電力の周
波数13.56MHz、第1の高周波電力のパワー30
0Wの条件の下で形成されたシリコン酸化膜を用いた。
【0043】また、図4には、SiH4 (モノシラン)
を反応ガス中に含むCVD法で形成した場合、及びTE
OSを反応ガス中に含むCVD法で形成した場合のシリ
コン酸化膜の調査結果を比較のために併記してある。図
4から分かるように、反応ガスとしてTMOSとO2
用いてシリコン酸化膜を形成する本実施形態では、Si
4 (モノシラン)を反応ガスとして用いる場合に比べ
て膜中の水素含有量が極めて小さくなる。
【0044】これは、SiH4 (モノシラン)はSi−
H結合を有しているため、SiH4(モノシラン)を用
いて形成するシリコン酸化膜の膜中に水素が残留し易く
なるためであると考えられる。これに対して本実施形態
で用いるTMOSは、その構造式から分かるようにSi
−H結合を有していない。これにより、SiH4 (モノ
シラン)を用いる場合に比べて、TMOSを用いる場合
にはそれにより形成されるシリコン酸化膜の水素含有量
が小さくなるものと考えられる。
【0045】(iii)第3の比較例 本比較例では、反応ガスとしてTMOSとN2 Oを用い
て形成されるシリコン酸化膜の炭素含有量に注目し、そ
れを他の反応ガスを用いて形成されるシリコン酸化膜の
炭素含有量と比較する。TMOSには、その構造式から
分かるように、C(炭素)が含まれている。従って、T
MOSを反応ガス中に含むCVD法で形成されるシリコ
ン含有絶縁膜には炭素が含まれる可能性がある。
【0046】また、TMOSと同様に、TEOSにも炭
素が含まれる。そのため、反応ガス中にTEOSを含む
CVD法で形成したシリコン酸化膜にも炭素が含まれる
可能性がある。そのため、本願発明者は、TMOSを用
いる場合とTEOSを用いる場合とで、それにより形成
されるシリコン酸化膜に含まれる炭素の量がどの程度異
なるのかを調査した。
【0047】図5は、AES(Auger−Elect
ron−Spectroscopy)法を用いて、シリ
コン酸化膜204の膜中の炭素含有量を調査した結果に
ついて説明する特性図である。なお、AES法とは、オ
ージェ効果により分析サンプル表面から放出されたオー
ジェ電子のエネルギスペクトルを測定し、分析サンプル
表面に含まれる元素の量を測定する測定方法である。
【0048】図5において、縦軸はシリコン酸化膜20
4の炭素含有量(at/%)である。そして、横軸はN
2 Oの流量であり、それはTMOSをSiO2 にするた
めに必要な酸素量(化学当量に相当する量)で正規化し
てある。なお、この場合の分析サンプルは、TMOS流
量300sccm、圧力0.5Torr、基板温度35
0℃、第1の高周波電力の周波数13.56の条件の下
で第1の高周波電力のパワーが500W、1000W、
及び1500Wのそれぞれの場合について作製し、更に
それぞれのパワーの下でN2 O流量を変化させたのを作
製した。
【0049】また、図5には、TEOSとN2 Oとを反
応ガスに用いるCVDで形成されたシリコン酸化膜につ
いての調査結果を比較のために併記してある。図5から
分かるように、化学当量以下のN2 Oを加えたとき、す
なわち正規化したN2 O流量が1以下のとき、TMOS
を用いた場合及びTEOSを用いた場合のいずれの場合
もシリコン酸化膜204の炭素含有量は多くなってい
る。
【0050】しかしながら、TMOSと化学当量以上の
2 Oとを反応ガスとして用いた場合、シリコン酸化膜
204の炭素含有量はAESの検知限界以下の量にまで
低減されている。これに対し、TEOSと化学当量以上
のN2 Oとを反応ガスとして用いて形成されたシリコン
酸化膜には、TMOSを用いた場合に比べて多くの炭素
が膜中に含まれている。
【0051】この調査結果より、TEOSを用いる場合
に比べ、TMOSを用いる場合の方がシリコン酸化膜2
04の炭素含有量が少ないことが分かる。 (iv) 第4の比較例 本比較例では、TMOSとO2 を反応ガスとして用いる
場合、及びTMOSとN2 Oを反応ガスとして用いる場
合について、これらにより形成されるシリコン酸化膜の
カバーレッジ特性に注目する。そして、このカバーレッ
ジ特性を、SiH4 (モノシラン)を用いて成膜された
シリコン酸化膜のそれと比較する。
【0052】図6は、SiH4 (モノシラン)を用いて
成膜されたシリコン酸化膜の断面図である。図6におい
て、図2で説明したのと同様の構成要素については、図
2と同様の参照符号を付してある。図6に示されるよう
に、SiH4 (モノシラン)を用いてシリコン酸化膜3
01を形成すると、隣接するアルミニウム配線203間
にボイド302が形成され易い。
【0053】これに対し、TMOSを反応ガスに含む本
実施形態では、このようなボイド302が形成されない
ことが本願発明者によって確かめられた。このように、
SiH4 (モノシラン)を用いる場合に比べ、本実施形
態のようにTMOSを用いる場合のほうがカバーレッジ
特性が良い。上記比較例1〜4を表4にまとめる。な
お、表4には、上で説明した点以外の比較項目も含まれ
ている。
【0054】
【表4】
【0055】比較例1、及び2で説明したように、本実
施形態のようにTMOSを含む反応ガスを用いて形成さ
れるシリコン酸化膜は、膜中に含まれる水分量、及び水
素量がSiH4 やTEOSを用いる場合に比べて少ない
という特徴を有している。また、比較例4で説明したよ
うに、本実施形態のようにTMOSを含む反応ガスを用
いて形成されるシリコン酸化膜は、SiH4 を用いて形
成されるシリコン酸化膜に比べてカバーレッジ特性が良
い。
【0056】これらの特徴により、このようなシリコン
酸化膜を半導体装置に用いると、以下のような理由で優
れた特性を有する半導体装置を提供することができるこ
とを本願発明者は見出した。すなわち、最近、DRAM
等の揮発性メモリデバイスに用いられるキャパシタ材料
として、Ta2 5 やBST(Bax Sr1-x Ti
3 )等の高誘電体膜の導入が検討されている。同様
に、不揮発性メモリデバイスに用いられるキャパシタ材
料として、PZT(Lead−Zirconate−T
itanate)やY−1等の強誘電体膜の導入が検討
されている。
【0057】Ta2 5 やBST等の高誘電体膜は、還
元性を有する物質に対して弱いと考えられる。そのた
め、これらの高誘電体膜を保護するシリコン酸化膜の膜
中には、還元性を有する物質が含まれていないことが好
ましい。特に、水素や水は上記した還元性要因として働
き、高誘電体膜から酸素を離脱させ、該高誘電体膜の誘
電率高くする可能性があるので、シリコン酸化膜の膜中
に水素や水が含まれるのは好ましくないと考えられる。
【0058】同様に、PZTやY−1等の強誘電体膜
も、還元性を有する物質に対して弱いと考えられる。上
記したことから、半導体デバイスに用いるシリコン酸化
膜は、その膜中に水素や水が含まれていないことが好ま
しい。加えて、このシリコン酸化膜は、半導体デバイス
の微細化に耐えられるように形成されなければならな
い。具体的には、良好なカバーレッジ特性を有するよう
に形成されなければならない。また、このシリコン酸化
膜を形成するためのSi(シリコン)ソースは、安全に
取り扱うことができるのが好ましい。
【0059】そして、本実施形態のようにTMOSを含
む反応ガスを用いて形成されるシリコン酸化膜を半導体
装置に用いると、そのシリコン酸化膜はSiH4 やTE
OSを用いて形成する場合に比べて膜中の水分量や水素
量が少なく、またカバーレッジ特性も良い。したがっ
て、本実施形態に係るシリコン含有絶縁膜の成膜方法を
用いて形成されたシリコン含有絶縁膜を半導体装置に適
用すると、該半導体装置はSiH4 やTEOSを用いて
形成されたシリコン酸化膜を適用する場合に比べ、優れ
た特性を有すると期待される。更に、TMOSはSiH
4 (モノシラン)に見られるような自燃性が無いため、
SiH4 (モノシラン)に比べてその取り扱いが容易で
ある。
【0060】なお、上記したような高誘電体膜を保護す
るシリコン酸化膜以外に、層間絶縁膜等にも本実施形態
に係る成膜方法を用いて形成されたシリコン酸化膜を適
用することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る成膜
方法によれば、TMOS(Tetra−Methoxy
−Silane)と酸化性ガスとを反応ガスに含むプラ
ズマCVD法を用いてシリコン酸化膜を成膜することに
より、以下のような効果を得ることができる。
【0062】(1)SiH4 (モノシラン)やTEOS
を反応ガスに含むCVD法で形成されるシリコン酸化膜
に比べ、膜中に含まれる水分や水素の低減されたシリコ
ン酸化膜を成膜することができる。 (2)TEOSを反応ガスに含むCVD法で形成される
シリコン酸化膜に比べ、膜中に含まれる炭素の低減され
たシリコン酸化膜を成膜することができる。
【0063】(3)SiH4 を反応ガスに含むCVD法
で形成されるシリコン酸化膜に比べ、カバーレッジ特性
の良いシリコン酸化膜を成膜することができる。 また、TMOSと酸化性ガスとを反応ガスに含むプラズ
マCVD法で形成されるシリコン酸化膜を半導体装置の
絶縁膜に適用することにより、該半導体装置の特性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜方法で用いられ
るプラズマCVD装置について示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る成膜方法について示
す断面図である。
【図3】TDS(Thermal−Dissorpti
on−Spectroscope)法により、シリコン
酸化膜の膜中の水分含有量を調査した結果について説明
する特性図である。
【図4】TDS法により、シリコン酸化膜の膜中の水素
含有量を調査した結果について説明する特性図である。
【図5】AES(Auger−Electron−Sp
ectroscopy)法により、シリコン酸化膜の膜
中の炭素含有量を調査した結果について説明する特性図
である。
【図6】SiH4 (モノシラン)を用いて成膜されたシ
リコン酸化膜の断面図である。
【符号の説明】
101 チャンバ、 102、104 電極、 103 被堆積基板、 105 ヒータへの電力供給配線、 106 排気口、 107 第1の高周波電源、 108 ガス導入口、 109 第2の高周波電源、 201 シリコン基板、 202 下地絶縁膜、 203 配線アルミニウム、 204、301 シリコン酸化膜、 302 ボイド。
フロントページの続き (72)発明者 徳増 徳 東京都港区港南2−13−29株式会社半導体 プロセス研究所内 (72)発明者 黒飛 誠 東京都港区三田3−11−28キヤノン販売株 式会社内 Fターム(参考) 5F045 AA09 AB32 AC08 AC11 AD06 AD07 AE19 AE21 BB04 BB19 DC61 DC64 DP02 DP03 DQ10 EK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TMOS(Tetra−Methoxy
    −Silane)と酸化性ガスとを含む反応ガスをプラ
    ズマ化し、反応させてシリコン含有絶縁膜を被堆積基板
    上に形成する成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記反応ガスは、前記TMOS(Tet
    ra−Methoxy−Silane)を酸化する化学
    当量以上の前記酸化性ガスを含むことを特徴とする請求
    項1に記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化性ガスは、O2 、NO2 、N
    O、N 2O、CO、CO2 、又はH 2Oの内少なくとも
    一つを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ化は、周波数が13.56
    MHzである高周波電力、又は周波数が380kHzで
    ある高周波電力を前記反応ガスに印加することにより行
    われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    か一に記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか一に記
    載の成膜方法を用いて形成される前記シリコン含有絶縁
    膜を備えた半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006344783A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Fujitsu Ltd 半導体装置及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006344783A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Fujitsu Ltd 半導体装置及びその製造方法

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