JP2001138537A - インク保持部材へのインク充填方法、インク充填装置、前記インク充填方法によりインクが充填されるインクタンク - Google Patents

インク保持部材へのインク充填方法、インク充填装置、前記インク充填方法によりインクが充填されるインクタンク

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JP2001138537A
JP2001138537A JP2000254084A JP2000254084A JP2001138537A JP 2001138537 A JP2001138537 A JP 2001138537A JP 2000254084 A JP2000254084 A JP 2000254084A JP 2000254084 A JP2000254084 A JP 2000254084A JP 2001138537 A JP2001138537 A JP 2001138537A
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tank
holding
filling
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Yasuo Kotaki
小瀧  靖夫
Nobuyuki Hatasa
延幸 畑佐
Masashi Ogawa
将史 小川
Tsutomu Abe
力 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク保持部材が疎水性であっても、インク
保持部材の全体にわたって均一に、インクを簡単かつ迅
速に充填させる。 【解決手段】 タンク保持ステージ101上にインクタ
ンク200を保持し、インク保持部材201を大気に対
して開放した状態で、インク供給機構104よりインク
タンク200内に所定量のインクを注入するとともに、
ステージ移動機構102を駆動してタンク保持ステージ
101を往復移動させ、ストッパ部材103,121に
衝突させる。タンク保持ステージ101の衝突は、注入
されたインクに、インク保持部材201の静的なインク
保持力とインク移動に対する動的な抵抗力との和よりも
大きな慣性力を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ装置に装
着されるインクタンクにインクを注入するインク充填方
法、インク充填装置、及び該インク充填方法により好適
にインク充填されるインクタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種方式のプリンタ装置が実施さ
れており、その例として、レーザプリンタやインクジェ
ットプリンタが知られている。インクジェットプリンタ
は、記録媒体にインク滴を吐出して画像を形成するもの
で、現在ではインク液を保持するインクタンクが着脱自
在な構造が一般的である。
【0003】このようなインクタンクには、除膜処理し
たウレタンフォームやフェルトなどを用いた、インク液
体を保持可能なインク保持部材が筐体の内部に収納され
ている。
【0004】インクタンクのインク保持部材へのインク
の充填方法の中で最も単純な方法としては、インクタン
ク内部を大気開放状態として、インクタンクの筐体に設
けられたインク充填用開口から、シリンジなどの加圧手
段で加圧によってインクを充填するいわゆる加圧充填法
が知られている。
【0005】特開平8−112905号公報には、この
加圧充填法においてインク保持部材内部に残留する気泡
に着目し、これを除去する目的で、超音波などの振動を
インクタンクに加えるインク充填方法が開示されてい
る。
【0006】一方、近年では、いわゆる環境問題に対す
る観点から、このようなインク保持部材を、例えばPP
(ポリウレタン)やPE(ポリエチレン)といった、熱
可塑性樹脂材料からなる繊維で構成する場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな熱可塑性樹脂繊維からなるインク保持部材では、使
用するインクによっては繊維がインクに対して疎水性を
示すため、インク保持部材に対してインクを加圧充填し
た場合、短時間でインク保持部材中にインクを均一に充
填することは難しい。
【0008】また、本発明者らが、特開平8−1129
05号公報に開示された方法で、インクタンクに振動を
加えてインク保持部材にインクを充填する実験を行った
が、インクを均一に保持させることはできなかった。
【0009】本発明は、上述の樹脂繊維特有の課題に着
目することで想起されたものであり、その主たる目的
は、簡単な方法でありながらインク保持部材内に所定量
のインクをほぼ均一に充填させることのできる、ばらつ
きの少ないインク充填方法及び装置を提供することであ
る。
【0010】また本発明は、上記本発明のインク充填方
法の適用に好適に用いられるインクタンクを提供するこ
とを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインク充填方法
は、インクを保持するためのインク保持部材と、該イン
ク保持部材を収納するとともに前記インク保持部材のイ
ンクを外部に供給するためのインク供給口及び前記イン
ク保持部材を大気に対して連通させる大気連通口を備え
る筐体と、を有するインクタンクのインク保持部材にイ
ンクを充填するインク充填方法において、前記インク保
持部材を大気に対して開放した状態でインクを前記筐体
の内部に所定量注入するとともに、前記インク保持部材
の静的なインク保持力とインク移動に対する動的な抵抗
力との和より大きな慣性力を、注入されたインクに付与
することで前記インク保持部材内にインクを充填する充
填工程を有することを特徴とする。
【0012】本発明のインク充填装置は、インクを保持
するためのインク保持部材と、該インク保持部材を収納
するとともに前記インク保持部材のインクを外部に供給
するためのインク供給口及び前記インク保持部材を大気
に対して連通させる大気連通口を備える筐体と、を有す
るインクタンクのインク保持部材にインクを充填するイ
ンク充填装置において、前記インクタンクのインク充填
用開口にインクを注入するインク供給機構と、前記イン
ク供給機構によって供給されるインクに対して前記イン
ク保持部材の静的なインク保持力とインク移動に対する
動的な抵抗力との和より大きな慣性力を付与する慣性力
付与機構とを有することを特徴とする。
【0013】本発明のインクタンクは、インクを保持す
るためのインク保持部材と、該インク保持部材を収納す
るとともに前記インク保持部材のインクを外部に供給す
るためのインク供給口及び前記インク保持部材を大気に
対して連通させる大気連通口を備える筐体と、を有する
インクタンクにおいて、前記インク保持部材はインクに
対して疎水性を有する多数の繊維からなり、前記インク
保持部材を大気に対して開放した状態で前記インク供給
口から前記筐体の内部に所定量のインクが注入されると
ともに、前記インク保持部材の静的なインク保持力とイ
ンク移動に対する動的な抵抗力との和より大きな慣性力
を、前記注入されたインクに付与することで前記インク
保持部材内にインクが充填され、前記繊維が、前記慣性
力の付与方向と交差した略同方向に集束されていること
を特徴とする。
【0014】本発明の更に他の形態のインクタンクは、
インクを保持するためのインク保持部材と、該インク保
持部材を収納するとともに前記インク保持部材のインク
を外部に供給するためのインク供給口及び前記インク保
持部材を大気に対して連通させる大気連通口を備える筐
体と、を有するインクタンクにおいて、前記インク保持
部材はインクに対して疎水性を有する多数の繊維からな
り、前記インク保持部材を大気に対して開放した状態で
前記インク供給口から前記筐体の内部に所定量のインク
が注入されるとともに、前記インク保持部材の静的なイ
ンク保持力とインク移動に対する動的な抵抗力との和よ
り大きな慣性力を、前記注入されたインクに付与するこ
とで前記インク保持部材内にインクが充填され、前記繊
維が、前記慣性力の付与方向と略同方向に集束されてお
り、前記繊維の両側の端面の少なくとも一方が前記イン
クタンクの内面に当接していることを特徴とする。
【0015】なお、本発明で云う各種手段は、その機能
を実現するように形成されていれば良く、例えば、専用
のハードウェア、適正な機能がプログラムにより付与さ
れたコンピュータ、適正なプログラムによりコンピュー
タの内部に実現された機能、これらの組み合わせ、等を
許容する。
【0016】また、本発明では、インクタンクに外部か
らインクを供給する場合を"注入"、インク保持部材にイ
ンクを含浸させて保持させる場合を"充填"と呼称してい
る。さらに、本発明で云うインクとは、常温で液体であ
り、インクジェットヘッドから吐出可能なものであれば
良く、例えば、他のインクの画質を向上させる処理液な
ども許容する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について図
面を参照して説明する。
【0018】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態を、図1〜図12を参照して以下に説明する。なお、
以下では図1の左右方向を装置の前後方向として説明す
るが、これは説明を簡単とするために便宜的に定義する
ものであり、実際の装置の製造時や使用時の方向を限定
するものではない。
【0019】まず、本実施形態のインク充填装置100
によりインク1を注入するインクタンク200の構造
を、図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明の第1
の実施形態によるインク充填装置の側面図、図2は同平
面図である。また、図3はインクタンクの構造を示し、
(a)は一部を断面化した平面図、(b)は正面図、(c)は
縦断側面図、(d)は裏面図、(e)は横断底面図である。
【0020】このインクタンク200は、インクジェッ
トプリンタ(図示せず)に着脱自在に装着されるもので、
図3に示すように、インクを保持するためのインク保持
部材201と、このインク保持部材201を収容するた
めのタンク容器202とからなる。インク保持部材20
1は、さらに主としてインクを保持するための吸収部材
211と、後述するインク供給口221の近傍に設けら
れ、吸収部材221内のインクを、インク供給口221
を介して外部に導出するためのインク導出部材212と
からなる。このインク導出部材212は、吸収部材21
1に対して圧接されて設けられることでインクタンクの
インクの使用効率を向上させるものである。そして、吸
収部材211及びインク導出部材212からなるインク
保持部材201は、繊維間の隙間で発生する毛管力によ
り含浸されるインク1を保持している。
【0021】吸収部材211は、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレ−ト、等の樹脂繊維
からなり、図3および図4に示すように、その長手方向
が左右方向となるように集束された多数の樹脂繊維によ
り扁平な直方体状に形成されている。インク導出部材2
12も、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン
テレフタレ−ト、等の樹脂繊維からなり、図3および図
5に示すように、その長手方向が前後方向となるように
集束された多数の樹脂繊維により短小な円柱状に形成さ
れている。ここで、図4はインク保持部材の主要部分で
ある吸収部材の外観を示す斜視図であり、図5はインク
導出部材の外観を示す斜視図である。
【0022】本実施形態の吸収部材211とインク導出
部材212とは、糸状のオレフィン系樹脂繊維の表層
に、該樹脂の融点より相対的に融点の低い他のオレフィ
ン系の樹脂をコーティングしたものを、繊維束として所
定の繊維密度で集束した繊維吸収体からなる。この繊維
吸収体は、例えば、繊維束を表層のオレフィン系樹脂が
溶融する温度で加熱してから、所定形状のダイスを通過
させることで径方向に圧縮し、繊維同士の接する割合を
増大させて、溶融した表層を融着させることで容易に形
成される。
【0023】このため、繊維吸収体を製造する際の圧縮
により、図4に示すように、吸収部材211の表層部2
11bは、その中央部211cに比べ、繊維密度が高く
なっている。また、本実施形態の吸収部材211とイン
ク導出部材212とは、いずれも上述の繊維吸収体を繊
維方向に対して略直交方向で切断することで形成されて
おり、インク保持部材201の側面には吸収部材211
の切断面211aが位置している。
【0024】なお、上述のような吸収部材211やイン
ク導出部材212は、例えば、ポリエチレン等の樹脂を
バインダとして集束させた樹脂繊維を加熱することなど
により形成することも可能である。
【0025】タンク容器202は、図3に示すように、
樹脂製の扁平なボックス状に形成されており、その内部
にインク保持部材201が配置されている。このタンク
容器202には外部にインク1を供給するためのインク
供給口221が形成されており、このインク供給口22
1に隣接してインク導出部材212がタンク容器202
の内部に配置されている。さらに、タンク容器202の
内部には、インク導出部材212に吸収部材211が隣
接して配置されており、インク導出部材212が吸収部
材211に圧接されている。
【0026】上述のようにタンク容器202の内部に配
置された吸収部材211の繊維方向は、図3(a)、(e)
では図面の上下方向と平行であり、同図(b)、(d)では
図面の左右方向と平行である。一方、インク導出部材2
12の繊維方向は、同図(a)、(c)、(e)で図面の左右
方向と平行であり、これは吸収部材211の繊維方向と
直交している。
【0027】また、吸収部材211とタンク容器202
とは相似形状に形成されているが、吸収部材211の左
右上下の外面とタンク容器202の左右上下の内面と
は、所定の間隙222を介して対向している。
【0028】タンク容器202の上部後方にはバッファ
部223が一体に突設されており、このバッファ部22
3の後面には大気連通口224が形成されている。この
大気連通口224は、タンク容器202の内部と外部と
を連通する貫通孔からなるが、延長パイプ225により
バッファ部223の内部中央に開口している。
【0029】また、タンク容器202の右側の外面前方
には係合凸部226と支点凸部227とが一体に突設さ
れており、左側の外面前方には係合レバー228が一体
に突設されている。この係合レバー228には、係合爪
部と操作部とが形成されており、弾性により左右方向に
湾曲自在に形成されている。
【0030】上述の係合凸部226や係合レバー228
等により、インクタンク200のタンク容器202に
は、インクジェットプリンタのヘッドカートリッジのタ
ンク保持部(図示せず)に着脱自在に保持される装着部が
形成されている。なお、このヘッドカートリッジでは、
タンク保持部にインク給送機構(図示せず)が配管されて
おり、タンク保持部にインクタンク200が保持される
とインク供給口221にインク給送機構が連結されるこ
とで、ヘッドカートリッジの記録ヘッドにインクタンク
200からインク1が供給される。
【0031】上述のような構造のインクタンク200に
インク1を注入する本実施形態のインク充填装置100
は、図1および図2に示すように、タンク保持ステージ
101、ステージ移動機構102、ステージ停止部材で
あるストッパ部材103、インク供給機構104、動作
制御手段であるコントロールユニット106、等を主要
部分として具備している。
【0032】タンク保持ステージ101は、インクタン
ク200のタンク容器202を着脱自在に保持し、ステ
ージ移動機構102は、タンク保持ステージ101を所
定速度で前後方向に往復移動させ、一対のストッパ部材
103は、タンク保持ステージ101の往復移動を両側
で停止させる。
【0033】インク供給機構104は、インクタンク2
00にインク1を供給し、コントロールユニット106
は、ステージ移動機構102とインク供給機構104と
の動作を制御する。
【0034】より詳細には、タンク保持ステージ101
は、エンジニアリングプラスチックなどの高剛性な構造
材で水平な平板状に形成されており、その上面前方には
タンク保持部111が一体に固定されている。このタン
ク保持部111は、例えば、図6に示すように、前述し
たインクジェットプリンタのヘッドカートリッジのタン
ク保持部と同一構造に形成することで、インクタンク2
00のタンク容器202を係合凹部112と係合爪部1
13とで着脱自在に保持する構造でも良い。
【0035】このようにタンク保持ステージ101のタ
ンク保持部111でインクタンク200のタンク容器2
02が保持されるとき、その大気連通口224はインク
保持部材201より上方に位置するようになり、インク
保持部材201の樹脂繊維の長手方向は左右方向と平行
になってステージ移動機構102の移動方向とは直交す
るようになる。
【0036】タンク保持ステージ101のタンク保持部
111にはインク供給機構104の供給管114が配管
されており、タンク保持部111にインクタンク200
を装着すると供給管114がインク供給口221に連結
される。
【0037】また、タンク保持部111の後方には、ク
ランプ部材115がガイドレール(図示せず)により前後
方向に移動自在に配置されており、このクランプ部材1
15は、タンク保持部111によるインクタンク200
の保持を後方から補助する。
【0038】なお、図1および図2において、クランプ
部材115を模式的に描いているが、本実施形態のクラ
ンプ部材115は、インクタンクの大気連通口224を
塞ぐものではない。
【0039】タンク保持ステージ101は、前述のよう
に高剛性な構造材で水平な平板状に形成されているが、
その前後端面には衝突部材116が装着されている。こ
の衝突部材116は、SUS材、ジュラルミン、チタ
ン、セラミック、等の高剛性で弾性のない材料からな
り、一対のストッパ部材103に個々に対向している。
【0040】ステージ移動機構102は、リニアモータ
やエアシリンダやガイドレールなどからなり(図示せ
ず)、タンク保持ステージ101を所定速度で前後方向
に往復移動させる。このステージ移動機構102は平板
状の本体ベース120の上面中央に固定されており、こ
の本体ベース120の上面前後に一対のストッパ部材1
03が一個ずつ立設されている。
【0041】これら一対のストッパ部材103も、高剛
性で弾性の無い構造材からなり、本体ベース120に強
固に固定されている。一対のストッパ部材103は、タ
ンク保持ステージ101の前後両側に一個ずつ位置して
おり、タンク保持ステージ101の衝突部材116が衝
突する位置には、同一の材料からなる衝突部材121が
装着されている。
【0042】上述のようにステージ移動機構102によ
り往復移動されるタンク保持ステージ101をストッパ
部材103が衝突により両側で交互に停止させること
で、インクタンク200の内部のインク1には前後方向
に交互に慣性力が付与される。
【0043】ここでインク1に付与される慣性力は、所
定の速度で移動するタンク保持ステージ101をストッ
パ部材103に衝突させて急停止させることにより極め
て短時間に生じるものであり、停止状態のタンク保持ス
テージ101が所定の速度になるまでにインク1に対し
て付与される慣性力と比較して、はるかに大きなものと
なっている。
【0044】その大きさは、メニスカスなどのインク保
持部材201がインク1を保持する静的な保持力と、イ
ンク1が移動する際に発生する摺動抵抗などの動的な抵
抗力の和より十分に大きい。
【0045】インク供給機構104は、大容量タンクや
圧送ポンプや電磁弁等を具備しており(図示せず)、イン
ク1を所定の圧力に加圧してタンク保持部111に配管
されている供給管114によりインクタンク200のタ
ンク容器202のインク供給口221に供給する。
【0046】コントロールユニット106は、いわゆる
コンピュータシステムからなり、事前に実装されている
制御プログラムに対応してステージ移動機構102とイ
ンク供給機構104とを動作制御する。本実施形態で
は、インク供給機構104からインクタンク200にイ
ンク1を供給させるとき、これと同時にインクタンク2
00を保持したタンク保持ステージ101をステージ移
動機構102により往復移動させ、注入されるインク1
に慣性力を付与する。
【0047】その後、インク供給機構104によるイン
ク1の供給を所定容量で停止させ、この停止と同時にイ
ンク供給機構104にインクタンク200のインク供給
口221を密閉させる。このようにインク供給機構10
4によるインク1の供給を停止させてもステージ移動機
構102の往復移動は継続させ、この往復移動は所定時
間の実行後に停止させる。
【0048】上述のような構成において、本実施形態の
インク充填装置100によりインクタンク200にイン
ク1を注入する動作を、図7ないし図10を参照して以
下に説明する。図7はインクタンクの吸収部材に慣性力
によりインクが含浸される工程の前半部を示し、(a)〜
(c)が横断平面図、(a’)〜(c’)が縦断側面図であ
る。図8は同中半部を示し、(a)〜(c)が横断平面図、
(a’)〜(c’)が縦断側面図である。図9は同後半部を
示し、(a)〜(c)が横断平面図、(a’)〜(c’)が縦断
側面図である。また、図10はインク充填装置によるイ
ンク充填方法を示すフローチャートである。ここで、図
7ないし図9では、滞留しているインク1を右下がりの
ハッチングで表現しており、インク保持部材201に含
浸されたインク1を右上がりのハッチングで表現してい
る。
【0049】まず、大気連通口224がインク保持部材
201より上方に位置し、インク保持部材201の樹脂
繊維の長手方向が左右方向と平行になるように、タンク
保持ステージ101にインクタンク200が装着され
る。
【0050】このとき、インク供給口221にインク供
給機構104の供給管114が連結されるが、インク供
給機構104の電磁弁は閉止されている。一方、インク
タンク200の後面はクランプ部材115で保持される
が、インクタンク200の大気連通口224は開放され
ている。
【0051】このようにインクタンク200の装着が完
了すると、例えば、これが着脱センサ(図示せず)により
コントロールユニット106に通知されるので、図7
(a)、(a’)および図10に示すように、インク充填装
置100はインク1の注入作業を実行できる状態となる
(ステップS1)。
【0052】そこで、コントロールユニット106の動
作制御によりインク供給機構104の電磁弁を開放し
(ステップS2)、ステージ移動機構102によるタンク
保持ステージ101の往復移動が開始される(ステップ
S3)。この往復移動するタンク保持ステージ101は
両側のストッパ部材103に交互に衝突するので、これ
でインクタンク200には方向が交互に反転する急激な
慣性力が繰り返し付与されることになる。
【0053】このような状態でインク供給機構104に
よるインク1の供給が開始されるので(ステップS4)、
上述のように方向が交互に反転する急激な慣性力が繰り
返し付与されているインクタンク200にインク1が供
給されることになる。
【0054】このとき、インク1をインクタンク200
のインク供給口221からインク保持部材201へ単に
加圧のみで注入しようとすると、インク保持部材201
はインク1に対して接触角が大きく、疎水性を示すた
め、インク1はインク保持部材201の流抵抗が小さい
個所へ優先して流れようとする。
【0055】そのため、インク1がインク保持部材20
1の全域に行き渡る前に、インク保持部材201の外周
面より流れ出てしまうと、インク1はその後、インク保
持部材201内の流抵抗の大きな部分を通過することな
くタンク内壁とインク保持部材201の外周面との間に
流出し続けてしまう。
【0056】本実施形態では、図7(b)、(b’)および
図8(a)、(a’)に示すように、タンク保持ステージ1
01がストッパ部材103と衝突していないときに注入
されるインク1は、上述の理由によりインク保持部材2
01に含浸されることなくタンク容器202との間の間
隙222に滞留する場合がある。
【0057】しかしながら、本実施形態のインク充填装
置100の場合には、インクタンク200内のインク1
に、方向が交互に反転する急激な慣性力を繰り返し付与
させる。ここで、インク保持部材201の静的なインク
保持力とインク1の動的な抵抗力の和より大きな慣性力
を付与されたインク1は、インク保持部材201の流抵
抗に依存することなくインク保持部材201内をインク
充填装置100の往復方向に移動することができる。特
に、図7(c)、(c’)では、インク1の注入方向と慣性
力の方向とが一致するため、注入されるインク1はイン
ク保持部材201の内部を慣性力の方向に移動すること
ができる。
【0058】また、本実施形態では、間隙222にイン
ク1が滞留していたとしても、滞留したインク1に対し
ても同様の慣性力が付与されるため、図7(c)、(c’)
および図8(b)、(b’)に示すように、間隙222に滞
留しているインク1も、付与された慣性力により、慣性
力の方向に移動する。その結果、インク1は、インク保
持部材201の外面の各部から順次含浸されることにな
る。
【0059】なお、本実施形態では、図4で説明したよ
うに、吸収部材211の外面を構成する各面は、切断面
211aと表層部211bとを有する面となっている。
表層部211bは中央部211cに比べて繊維密度が高
く、静的なインク保持力が大きい。そのため、このよう
な吸収部材211を有するインクタンク200にインク
1を注入する場合には、表層部211bにおける静的な
インク保持力と、インク1の動的な抵抗力との和より大
きな慣性力をインク1に対して付与させればよい。
【0060】上述のようにインクタンク200にインク
1が供給されるとき、大気連通口224は開放されてい
るのでインク1の圧入が円滑に実行されるが、大気連通
口224はインク保持部材201より上方で延長パイプ
225の先端に開口しているので、タンク容器202の
内部で撹拌されるインク1が大気連通口224から外部
に漏出しない。
【0061】図8(c)、(c’) に示すように、上述の
ようにインクタンク200に供給されるインク1が所定
時間で所定容量に到達すると(ステップS5)、このイン
ク供給機構104によるインク1の供給は停止され(ス
テップS6)、インクタンク200のインク供給口22
1が密閉される(ステップS7)。
【0062】本実施の形態の場合、上述のようにインク
供給機構104によるインク1の供給を停止させても、
ステージ移動機構102の往復移動は所定時間まで継続
されるので(ステップS8、S9)、慣性力の付与による
インク保持部材201へのインク1の含浸も継続され、
図9(a)、(a’)、(b)、(b’)に示すように、タンク
容器202の内部の間隙222に滞留していたインク1
の略全部がインク保持部材201の略全体に含浸され
る。
【0063】本実施の形態のインク充填装置100で
は、上述のようにインク保持部材201に含浸されたイ
ンク1に対し、静的なインク保持力と動的な抵抗力より
大きな慣性力を、方向が交互に反転するように繰り返し
付与するので、疎水性や親水性に関係なくインク1を迅
速にインク保持部材201に含浸させることができる。
【0064】特に、本実施の形態のインク充填装置10
0では、ステージ移動機構102により繰り返し往復移
動されるタンク保持ステージ101を一対のストッパ部
材103が衝突により両側で停止させるので、簡単な構
造で良好にインク1に大きな慣性力を微少な時間に付与
することができ、インク保持部材201の略全体にイン
ク1を迅速に含浸させることができる。
【0065】さらに、インク保持部材201として集束
されている樹脂繊維の長手方向と、インク充填装置10
0が発生する慣性力の方向とが交差しているので、イン
ク1が慣性力の付与によりインク保持部材201の多数
の樹脂繊維の隙間に分散されやすく、インク1をインク
保持部材201の全体に良好に含浸させることができ
る。
【0066】また、コントロールユニット106がイン
ク供給機構104によるインク1の供給とステージ移動
機構102による往復移動とを同時に実行させるので、
インクタンク200に順次供給されるインク1をインク
保持部材201に順次含浸させることができる。
【0067】このとき、インクタンク200に注入され
たインク1がタンク容器202の内面とインク保持部材
201の外面との間隙222にも滞留しても、インク1
の供給が完了してからもインクタンク200に慣性力を
継続して付与させるので、間隙222に滞留したインク
1をインク保持部材201の全体に良好に含浸させるこ
とができる。
【0068】さらに、インク1がインクタンク200供
給されるときに大気連通口224が開放されているの
で、インク1の供給を円滑に実行することができる。こ
のとき、タンク保持ステージ101によりインクタンク
200のタンク容器202が保持されると、タンク容器
202の大気連通口224がインク保持部材201より
上方に位置するので、インクタンク200に供給される
インク1が大気連通口224から外部に漏出することが
防止できる。
【0069】また、インク1の供給が完了すると、イン
ク供給口221がインク供給機構104により密閉され
るので、インクタンク200に注入されたインク1がイ
ンク供給口221から外部に逆流することも防止でき
る。
【0070】さらに、インクタンク200のインク注入
用開口として、インク供給口211を利用することで、
インクタンク200を使用する際にインクジェット記録
ヘッドへのインク供給経路の結合部となるインク供給口
211の近傍のインク保持部材201に対してインク1
を確実に充填することができるので、注入されたインク
1を有効に利用することができる。
【0071】また、図6に示したように、インクタンク
200が装着されるインクジェットプリンタのヘッドカ
ートリッジのタンク保持部を、タンク保持ステージ10
1に流用することも可能であり、この場合は、簡単な装
着機構でインク充填装置100において確実にインクタ
ンク200を保持することができる。
【0072】なお、図6に示す本実施形態の変形例にお
いて、通気操作機構としてクランプ部材115に排気弁
(図示せず)を設け、前述のコントロールユニット106
により制御してインクタンク200の大気連通口224
を開閉することも可能である。このように排気弁105
を有する場合、前述のようにインクタンク200のイン
ク供給口221をインク供給機構104の電磁弁で開閉
するとき(ステップS2、S7)、図11に示す一変形例
のインク充填方法のフローチャートのように、これと同
時にインクタンク200の大気連通口224を排気弁で
開閉する(ステップS2’、S7’)ことが好適であ
る。
【0073】この場合には、インクの所定量注入を終え
てからタンク保持ステージ101の往復移動を継続して
いる間では、大気連通口224は閉鎖されているため、
大気連通口224を介して隙間222に滞留するインク
がインク保持部材201に保持される以前に外部に流出
することをより効果的に防止できる。この方法は、イン
クタンクの形状のために大気連通口を図3に示すように
インク供給口に対して上方にしてタンク保持ステージに
配置できない場合には特に有効である。
【0074】また、上記形態ではインクタンク200に
付与する慣性力をコントロールユニット106がステー
ジ移動機構102の動作時間で管理することを例示した
が、これをステージ移動機構102の往復回数で管理す
るようなことも可能である。
【0075】なお、本発明者らが実際に上述のようなイ
ンク充填装置100とインクタンク200とを試作し、
インクタンク200にインク1を注入したところ、イン
ク充填装置100はインクタンク200にインク1を迅
速に注入できることが確認された。そのインク充填装置
100のストッパ部材103にレーザ変位計(図示せず)
を装着してタンク保持ステージ101との距離を測定し
た結果を図12に示す。図12はタンク保持ステージの
移動動作を示すタイムチャートである。
【0076】なお、同図では上下方向が距離を示してお
り、左右方向が時間を示している。同図(a)のはイン
ク充填装置100がインク供給と慣性力付与とを同時に
実行している状態を示しており、はインク供給を停止
して慣性力付与のみ継続している状態を示している。
【0077】このインク注入中のインク1に対する慣性
力の付与時間、及びインク注入後のインク1に対する
慣性力の付与時間は、インク1が注入されているイン
ク保持部材201の大きさ及び繊維密度、注入されるイ
ンク1の種類等に応じて最適になるように時間を設定す
ることが望ましい。
【0078】本実施形態では、代表寸法L1(図1
(a))が25.5mm、体積が約20cm3、インク
保持部材201の繊維径が6デニールであるインクタン
クに対して16gのインクを注入する際には、を40
秒、を20秒とし、代表寸法L 1(図1(a))が2
6.3mm、体積が約6.2cm3、インク保持部材の
繊維径が6デニールであるインクタンクに対して16g
のインクを注入する際には、を20秒、を10秒と
したところ、それぞれインク保持部材内に確実にインク
を注入することができた。
【0079】また、同図(b)に示すように、グラフの波
高はストッパ部材103とタンク保持ステージ101
との最大の距離で10(mm)、はタンク保持ステー
ジ101がストッパ部材103に衝突するまで移動する
時間で10(μs)、はストッパ部材103に衝突し
たタンク保持ステージ101の停止時間で40(μs)
である。
【0080】この場合、衝突直前のタンク保持ステージ
101の移動速度は0.4(m/sec)であり、これ
が瞬間的に“0”となることでインクに必要な慣性力が
付与される。
【0081】上述のように試作したインク充填装置10
0では、インクタンク200の疎水性を有するインク保
持部材201の全体にインク1を迅速に含浸させること
ができ、インクタンク200に注入したインク1が大気
連通口224から漏出しないことも確認できた。
【0082】なお、上述のインク充填装置100では、
タンク保持ステージ101とストッパ部材103との衝
突部材116,121を同一金属で形成したが、これを
異種金属としたところ、図13に示すように、グラフに
スパイク状の波形が確認された。
【0083】これは剛性の低い一方が衝突により変形し
ていることを意味しており、衝撃が吸収されるためにイ
ンクタンク200に付与される慣性力が低下することに
なる。つまり、簡単な構造で省電力に充分な慣性力を発
生させるためには、タンク保持ステージ101とストッ
パ部材103との衝突部材116,121を同一金属と
することが好適であるが、充分な慣性力が発生するなら
ば異種金属でも可能である。
【0084】(第2の実施形態)つぎに、本発明の第2
の実施形態を、図14および図15を参照して以下に説
明する。本実施形態では、インクタンク300が、それ
ぞれ異なるインク(例えば、Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)等)を収容可能な3つのインク収
納室を備えている。
【0085】それぞれのインク収納室には、それぞれイ
ンク供給口321a,321b,321c及び大気連通
口324a,324b,324cが設けられており、そ
れぞれのインク収納室に収納されているインク保持部材
301a,301b,301cは、第1の実施形態と同
様、繊維方向が図14(c)に示す方向となるように集
束された多数の樹脂繊維により偏平な直方体形状に形成
されている。
【0086】本実施形態では、タンク保持ステージ10
1にインクタンク300を保持させる際に、インク供給
口321a,321b,321cにそれぞれインク供給
管114a,114b,114cを接続させることで、
3つのインク収納室に収納されているそれぞれのインク
保持部材301a,301b,301cに対して同時に
インクを注入するものである。
【0087】それぞれのインク保持部材301a,30
1b,301cは、代表寸法L1(図1(a))が2
6.3mm、体積が約4.7cm3、繊維径が約6デニ
ールである。そして、注入するインクの量は3.5gで
あり、図10に示すを9秒、を10秒としている。
【0088】また、図14(a)、(c)に示すよう
に、インクタンク300は側方に突出した凸部300a
を有し、この凸部300aの内部は、インク保持部材3
01a,301b,301cが存在しない空間となって
いる。大気連通口324a,324b,324cは、イ
ンクタンク300の天面の、この凸部300aに対応す
る位置に設けられている。また、インクタンク300の
側壁のうち、凸部300aが設けられた側壁と対向する
側壁300bは平坦面となっており、インクタンク30
0をタンク保持ステージ101に保持させる際には、こ
の側壁300bを下面として保持させる。
【0089】従って、本実施形態におけるインク保持部
材の繊維方向は図14(d)において図面にほぼ直交す
る方向であり、第1の実施形態(同様に図2に示す断面
で繊維方向が図面と平行な方向となっている)とは異な
るが、本実施形態においてもインク注入方向に対して繊
維方向が交差するようになっている。その結果、本実施
形態においても、前述の第1の実施形態と同様、慣性力
を付与されたインクがインク保持部材301a,301
b,301c内を移動する際に、繊維の隙間に分散され
易くなっている。
【0090】(その他の実施形態)なお、本発明は上記
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではイ
ンク保持部材201が一定方向に集束された樹脂繊維か
らなることを例示したが、インク保持部材として従来の
発泡ポリウレタンなどを利用することも可能である。
【0091】また、樹脂繊維を一定方向に集束させてイ
ンク保持部材201を形成することを例示したが、例え
ば、樹脂繊維を編み込んだシートを積層させて打ち抜く
ことで、方向性が無いインク保持部材を形成することも
可能である。また、インク保持部材201が吸収部材2
11とインク導出部材212からなることを例示した
が、例えば、インク導出部材212を省略することも可
能である。
【0092】また、本発明のインク充填方法によりイン
クが充填されるインク保持部材に対し、インク充填を行
う前にインク保持部材自体に対して親水化処理を行って
もよい。この場合、長期の持続性において十分ではなく
とも、少なくともインク充填工程において親水性の機能
を発揮可能であればよく、より好ましくは充填されたイ
ンクを使用する際に、その印字特性に対して悪影響を与
えないことが望ましい。このような親水化の具体的な方
法としては、例えば親水化処理剤中に界面活性剤を混在
させ、この溶液中にインク保持部材を含浸させる方法が
挙げられる。このようなインク保持部材親水化処理工程
を本発明のインク充填方法によるインク充填工程より前
に行うことで、インク保持部材中により速やかかつ確実
に所望の量のインクを充填することが可能となる。
【0093】図18は、上述した本発明の変形例であ
る、インク保持部材を親水化処理する場合のインクタン
クの製造方法の一例を説明するためのフローチャートで
ある。本変形例の場合、インク保持部材の製造(ステッ
プS11)のあと、このインク保持部材を筐体内に収納
してインクタンクを組み立てる(ステップS13)前
に、インク保持部材を上述の溶液中に含浸させてインク
保持部材を親水化させている(ステップS12)。そし
て、親水化処理が行われたインク保持部材をタンク筐体
内に収納してインクタンクを組み立てた後(ステップS
13)、本発明を適用してインクタンクにインクを充填
する(ステップS14)。なお、親水化の方法によって
は,インク保持部材を製造する前、例えば樹脂繊維など
のインク保持部材の材料を製造する工程において親水化
処理を行ってもよく,インクタンクを組み立てたあと、
インクを充填する前(より具体的には図10に示すフロ
ーチャートのS4より前)に親水化処理を行ってもよ
い。
【0094】ここで、インク保持部材に充填されたイン
クに関する新たな課題を開示しながら、本発明の更なる
変形例を説明する。
【0095】通常、インク保持部材は、インクタンクへ
のインク注入量をインク保持部材の内部空隙率に対して
100%以下とすることで、毛管力による負圧の発生が
可能となり、インクジェットヘッドに対して好適な背圧
を発生することができる。この負圧はまた、インクタン
クに対して減圧や温度上昇、下降といった環境変化や衝
撃が付与された場合にインクが移動しにくい状態も作り
出している。すなわち、適正な負圧が大気連通口からの
インク漏れの発生しないインクタンクの提供を可能とし
ている。
【0096】これに対し、インクタンクのインク保持部
材にインクをほぼ100%充填した場合の、インクタン
クの環境変化における状態を、図19を参照して説明す
る。図19(a)は、インクタンク200のインク保持
部材201にインクをほぼ100%充填した状態を示し
ている。このようなインクタンク200を減圧環境下あ
るいは高温環境下に放置した場合のインクタンク200
の状態を図19(b)に示す。このとき、インク保持部
材201内に残留していた気泡231は、減圧あるいは
温度上昇により体積が膨張し、インクをインク保持部材
201から押し出すことになり、この押し出されたイン
クが自由インク235となる。
【0097】また、図19(a)に示すインクタンク2
00を、インクの凝固点よりも低い低温環境下に放置し
た場合のインクタンク200の状態を図19(c)に示
す。このとき、インク保持部材201に充填されたイン
クは低温凍結し、体積が膨張する。場合によっては、凍
結したインクはタンク容器202の内壁面と接触し、イ
ンクが解凍した際に、タンク容器202の内壁面に付着
したままとなり、これが自由インク235となる。
【0098】また、図19(a)に示すインクタンク2
00に、落下などにより衝撃を与えた場合のインクタン
ク200の状態を図19(d)に示す。このとき、イン
ク保持部材201に充填されたインクは、インク保持部
材201により発生する負圧よりも大きな衝撃を受ける
と、インク保持部材201より押し出され、タンク容器
202の内壁面に自由インク235として付着する。
【0099】そして、これらインク保持部材201に保
持されていない自由インク235が大気連通口224よ
り排出された場合、ユーザに対してインク汚れを生じさ
せる場合もある。これを効果的に防ぐためには、大気連
通口224の近傍にインクの非含浸部分を形成すること
が望ましい。しかしながら、従来の加圧や減圧によるイ
ンク充填方法では選択的にインクの非含浸領域を設ける
ことは難しい。
【0100】これに対し、本発明の更なる変形例とし
て、前述の保持部材とインクタンクとの位置関係を規定
した上で、本発明のインク充填方法を採用することで、
図19に示すように、大気連通口224の近傍にバッフ
ァ効果を発揮できるインク非含浸部分を容易に形成する
ことができる。
【0101】図20は、本発明のインク充填方法を適用
したインクタンクのインク充填状態を説明する図であ
る。本変形例におけるインク保持部材201は、タンク
容器202の内壁に対して、そのA部で密着している。
ここで、図20に示すように、大気連通口224を重力
方向上向きとした状態で本発明のインク充填方法を行う
ことにより、インク保持部材201の大気連通口224
の近傍の領域Bへのインク移動を抑制することができる
ので、上述のインク非含浸部分を容易に形成することが
できる。
【0102】また、前述したようにインク保持部材20
1に対して親水化処理を行う場合、大気連通口224側
には親水化処理を行わないことで、樹脂繊維本来の疎水
性を利用し、大気連通口224側へのインク移動を抑制
させ、大気連通口224からのインクの漏出を防止する
ことができる。この方法によると、インク充填部分の選
択性があるため、インク充填率を大幅に下げることな
く、かつ大気連通口224の近傍にバッファ効果を発揮
できるインク非含浸部分を容易に形成することができ
る。特に図20に示すようにインク保持部材201をタ
ンク容器202内で保持し、大気連通口224を重力方
向上方に位置する状態で本発明のインク充填方法を行う
ことで、より効果的に大気連通口224の近傍領域にイ
ンク非含浸部分を容易に形成することができる。
【0103】この親水化処理の部分選択に関し、図18
に示したインク保持部材親水化の工程(ステップS1
2)において、インク保持部材をマスキング処理するこ
とで、未処理部分を選択的に形成することは容易に可能
である。図21は、この、インクタンクのインク保持部
材の部分的な親水化処理の一例を説明する図である。例
えば、図21(a)におけるインク保持部材201の領
域Bをインク非含浸部分としたい場合に、領域Bとする
部分の表面を、図21(b)に示すように、金属板50
1などでマスキングし、前述の親水化処理を行うことが
できる。なお、図中の符号502はメッシュ材を示し、
金属板501とメッシュ材502とでインク保持部材2
01を挟むことで、前述の親水化処理工程におけるハン
ドリング性を向上させている。また、図22は、図21
に示す親水化処理の変形例を説明する図である。図22
(a)〜(c)のそれぞれは、マスキング部分の変更例
である。図22(b)は、図22(a)よりも大きな領
域Bをインク非含浸部分とする場合であり、また、図2
2(c)は、インク保持部材201の角部の領域Bをイ
ンク非含浸部分とする場合である。そして、インク非含
浸部分とする領域Bの大きさや形状等に応じて、金属板
501の大きさや形状が決定される。
【0104】なお、部分的な親水化処理の方法として
は、このようなマスキング処理による方法の他に、図1
8に示した親水化処理の工程(ステップS12)におい
て、含浸時間をコントロールすることで未処理部分の厚
みを制御することによる方法も可能である。本発明者ら
の実験結果によれば、前述した環境変化等によるインク
移動に対して樹脂繊維の疎水性を発揮させ大気連通口か
らのインク漏出を防止するために好適な未処理部分の厚
みは、5mm以上であった。
【0105】次に、本発明のインク充填装置の更なる変
形例について説明する。前述の説明では、インクタンク
200に急激な慣性力を付与するためにタンク保持ステ
ージ101を移動させて静止しているストッパ部材10
3に衝突させることを例示したが、タンク保持ステージ
101を変位自在な状態で静止させておき、これに移動
するストッパ部材103を衝突させることも可能であ
る。
【0106】また、インク1を最良の効率でインク保持
部材201に含浸させるため、インクタンク200にイ
ンク1を注入する方向と慣性力を付与する方向とが同一
で、この方向とインク保持部材201の繊維方向とが直
交し、インク注入の方向と重力方向とが直交しているこ
とを例示した。
【0107】しかし、これらの方向の組み合わせは各種
に変形することが可能であり、例えば、インク保持部材
201の繊維方向と慣性力を付与する方向とを同一とす
ることも可能である。さらに、インクタンク200を同
一速度で前後移動させて方向が交互に反転する慣性力を
同一の強度で発生させることを例示したが、前述のよう
にインク1をインクタンク200に前方から注入する場
合、インク1がインク保持部材201の後部まで良好に
移動するように、インクタンク200の移動速度を前進
と後退とで相違させるようなことも可能である。
【0108】すなわち、タンク保持ステージのストッパ
部材との衝突によりインクに付与される慣性力の方向が
インク注入方向に対して反対の方向となる場合には、衝
突時のタンク保持ステージの速度を、反対方向にステー
ジが移動する際のステージの速度に対して遅く設定する
ことで、インク注入方向に対して反対の方向となる慣性
力によりインクを移動させることのないようにし、イン
ク注入方向にのみ慣性力が付与されるようにしてもよ
い。
【0109】このように、インク注入方向と同じ方向に
のみ慣性力を付与するためには、図16に示すようなイ
ンク充填装置400を用いてもよい。図16において、
インク充填装置400は、前述の第1の実施形態に対し
て、本体ベース420が後方に延長されており、その延
長方向に等間隔で複数のストッパ部材403a,403
b,…、及びストッパ部材403a,403b,…に対
応して設けられる衝突部材421a,421b,…が配
置されている点が異なっている。
【0110】このインク充填装置400では、t=0か
らタンク保持ステージ101が移動機構402によって
移動し、図17に示すように、速度V1となった後、t
=t1で、最初のストッパ部材403aに衝突する。そ
の衝突後、Δt秒後にストッパ部材403aは本体ベー
ス420内に格納され、再びタンク保持ステージ101
は速度V1で移動を開始する。その後、2t1+Δtで、
次のストッパ部材403bと衝突する。図16はt=
0、t1≦t≦t1+Δt、t1+Δt<t<2t1+Δt
のときのタンク保持ステージ101の状態を示す模式的
説明図である。
【0111】なお、図16に示すインク充填装置400
の場合にも、前述の第1の実施形態と同様、前方方向
(図示右方向)のみの移動及び停止を繰り返してインク
に前方方向に対する慣性力を付与させるだけでなく、複
数回前方方向への移動による慣性力の付与を行った後、
方向を反転させた慣性力をインクに対して1回あるいは
複数回与えるようにしてもよい。
【0112】また、往復移動されているインクタンク2
00にインク1を専用のインク供給機構104で加圧し
て供給することを例示したが、例えば、注入弁と排出弁
とを具備して振動により液体を圧送するポンプ装置(図
示せず)をタンク保持部111の外側に装着し、その移
動によりインク1をインクタンク200に供給するよう
なことも可能である。
【0113】さらに、前述の第1の実施形態では一色の
インク1をインクタンク200の一個のインク保持部材
201に注入することを例示したが、本発明のインク充
填装置は、例えば、黒色と赤色とのインクを二つの液室
のインク保持部材で個々に保持する一個のインクタン
ク、三原色のインクを三つの液室のインク保持部材で個
々に保持する一個のインクタンク、三原色と黒色とのイ
ンクを四つの液室のインク保持部材で個々に保持する一
個のインクタンクなど(図示せず)、各種のインクタンク
に適用可能である。
【0114】さらに、上記形態ではインクタンク200
に急激な慣性力を簡単に付与する慣性力付与機構とし
て、タンク保持ステージ101をステージ停止部材であ
るストッパ部材103に衝突させる構造を例示したが、
これは必要な慣性力を発生できれば良い。例えば、タン
ク保持ステージ101と本体ベース120とに所定長さ
の高強度のワイヤを連結し、このワイヤの張力で所定の
慣性力を発生させることも可能であり、ステージ移動機
構102の急激な反転動作でも必要な慣性力を発生させ
ることも不可能ではない。
【0115】また、前述の各実施形態ではインクを筐体
内部に注入するとともにインクに対して慣性力を付与さ
せる工程と、インク注入後に筐体内部のインクに対して
慣性力を付与させる工程とを有していたが、インク注入
量によっては、インクを筐体内部に注入するとともにイ
ンクに対して慣性力を付与させる工程のみでもよく、ま
た、最初に所定量のインクすべてを注入せずに、上述の
2つの工程を一組として、所定量のインクが注入される
まで一連の動作を繰り返してもよい。
【0116】
【発明の効果】このように本発明のインク充填方法で
は、インクタンクの内部に注入されたインクに大き慣性
力が急激に付与され、この慣性力によりインクがインク
保持部材の内部を移動することにより、疎水性や親水性
に関係なくインクがインク保持部材に含浸されるので、
インク保持部材がインクに疎水性を発生する場合でも、
インクを迅速にインクタンクに注入してインク保持部材
に含浸させることができる。
【0117】また、移動するインクタンクを瞬時に停止
させて上記慣性力をインクに付与することにより、例え
ば、インクタンクを保持して移動するステージをストッ
パに衝突させるなどの簡単な操作で充分な慣性力をイン
クに付与することができ、インクをインク保持部材に迅
速に含浸させることができる。
【0118】また、慣性力をインクに繰り返し付与する
ことにより、インクタンクの内部でインクが繰り返し移
動されるので、インクをインク保持部材の全体に良好に
含浸させることができる。
【0119】また、インクタンクを往復移動させるなど
の簡単な操作でインクに繰り返し付与する慣性力の方向
を交互に反転させることにより、インクタンクの内部で
インクが移動する方向が交互に反転するので、インクを
インク保持部材の全体に良好に含浸させることができ
る。
【0120】本発明のインク充填装置では、インクタン
クのタンク容器にインク供給口を介してインク供給機構
から注入されるインクに慣性力付与機構が大きな慣性力
を急激に付与することにより、この慣性力でインクがイ
ンク保持部材の内部を移動し、疎水性や親水性に関係な
くインクがインク保持部材に含浸されるので、インク保
持部材がインクに疎水性を発生する場合でも、インクを
迅速にインクタンクに注入してインク保持部材に含浸さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるインク充填装置
の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態であるインク充填装置
の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態であるインクタンクの
構造を示す説明図であり、(a)は一部を断面化した平面
図、(b)は正面図、(c)は縦断側面図、(d)は裏面図、
(e)は横断底面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のインクタンクに用い
られる吸収部材の外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のインクタンクに用い
られるインク導出部材の外観を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のインク充填装置のタ
ンク保持ステージにインクタンクを装着する工程を示す
一部を断面化した平面図である。
【図7】インクタンクの吸収部材に慣性力によりインク
が含浸される工程の前半部を示し、(a)〜(c)が横断平
面図、(a’)〜(c’)が縦断側面図である。
【図8】インクタンクの吸収部材に慣性力によりインク
が含浸される工程の中半部を示し、(a)〜(c)が横断平
面図、(a’)〜(c’)が縦断側面図である。
【図9】インクタンクの吸収部材に慣性力によりインク
が含浸される工程の後半部を示し、(a)〜(c)が横断平
面図、(a’)〜(c’)が縦断側面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のインク充填装置に
よるインク充填方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態の変形例のインク充
填方法を示すフローチャートである。
【図12】タンク保持ステージの移動動作を示すタイム
チャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態の更なる変形例の移
動動作を示すタイムチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態のインクタンクを示
す外観図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のインク充填装置を
示す側面図である。
【図16】本発明の変形例のインク充填装置を示す側面
図である。
【図17】本発明の変形例の移動動作を示すタイムチャ
ートである。
【図18】本発明の変形例のインク充填方法を示すフロ
ーチャートである。
【図19】インクタンクのインク保持部材にインクをほ
ぼ100%充填した場合のインクタンクの環境変化にお
ける状態を説明する図である。
【図20】本発明のインク充填方法を適用したインクタ
ンクのインク充填状態を説明する図である。
【図21】インクタンクのインク保持部材の部分的な親
水化処理の一例を説明する図である。
【図22】図21に示す親水化処理の一例の変形例を説
明する図である。
【符号の説明】
1 インク 100,400 インク充填装置 101 タンク保持ステージ 102 ステージ保持機構 103 ストッパ部材 104 インク供給機構 106 コントロールユニット 111 タンク保持部 114 供給管 115 クランプ部材 116,121 衝突部材 200 インクタンク 201 インク保持部材 202 タンク容器 211 吸収部材 212 インク導出部材 221 インク供給口 222 間隙 223 バッファ部 224 大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 将史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 阿部 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA26 KC01 KC12 KC16 KD08

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを保持するためのインク保持部材
    と、該インク保持部材を収納するとともに前記インク保
    持部材のインクを外部に供給するためのインク供給口及
    び前記インク保持部材を大気に対して連通させる大気連
    通口を備える筐体と、を有するインクタンクのインク保
    持部材にインクを充填するインク充填方法において、 前記インク保持部材を大気に対して開放した状態でイン
    クを前記筐体の内部に所定量注入するとともに、前記イ
    ンク保持部材の静的なインク保持力とインク移動に対す
    る動的な抵抗力との和より大きな慣性力を、注入された
    インクに付与することで前記インク保持部材内にインク
    を充填する充填工程を有することを特徴とするインク充
    填方法。
  2. 【請求項2】 前記インクの注入を前記インク供給口か
    ら行うことを特徴とする請求項1に記載のインク充填方
    法。
  3. 【請求項3】 前記インクへの慣性力の付与は、移動す
    るインクタンクを瞬時に停止させることにより行うこと
    とを特徴とする請求項1に記載のインク充填方法。
  4. 【請求項4】 前記インクへの慣性力の付与を繰り返し
    行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載のインク充填方法。
  5. 【請求項5】 前記インクへ繰り返し付与される慣性力
    の方向を交互に反転させることを特徴とする請求項4に
    記載のインク充填方法。
  6. 【請求項6】 前記充填工程後、前記インク保持部材の
    静的なインク保持力とインク移動に対する動的な抵抗力
    との和より大きな慣性力を、注入されたインクに付与す
    ることで前記インク保持部材内にインクを充填する第2
    の慣性力付与工程を更に有することを特徴とする請求項
    1に記載のインク充填方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の慣性力付与工程は、前記イン
    ク保持部材を大気に対して密閉した状態で行うことを特
    徴とする請求項6に記載のインク充填方法。
  8. 【請求項8】 前記筐体と前記インク保持部材の外面と
    は、両者の少なくとも一部が間隙を有して対向している
    ことを特徴とする請求項6に記載のインク充填方法。
  9. 【請求項9】 前記充填工程では、前記大気連通口を開
    放することで前記インク保持部材を大気に対して開放
    し、前記大気連通口が前記インク保持部材に対して上方
    に位置した状態でインク注入を行うことを特徴とする請
    求項1に記載のインク充填方法。
  10. 【請求項10】 前記インク保持部材が、前記インクに
    対して疎水性を有する多数の繊維からなることを特徴と
    する請求項1に記載のインク充填方法。
  11. 【請求項11】 前記充填工程の前に、前記疎水性を有
    する繊維を親水化処理する工程を有することを特徴とす
    る請求項10に記載のインク充填方法。
  12. 【請求項12】 前記疎水性を有する繊維を親水化処理
    する工程では界面活性剤を用いることを特徴とする請求
    項11に記載のインク充填方法。
  13. 【請求項13】 インクを保持するためのインク保持部
    材を部分的に親水化処理することを特徴とする請求項1
    2に記載のインク充填方法。
  14. 【請求項14】 インクを保持するためのインク保持部
    材の、大気連通口側の面を除いた部分を親水化処理する
    ことを特徴とする請求項13に記載のインク充填方法。
  15. 【請求項15】 インクを保持するためのインク保持部
    材の親水化処理されていない部分の厚みが5mm以上で
    あることを特徴とする請求項10に記載のインク充填方
    法。
  16. 【請求項16】 前記繊維は前記慣性力の付与方向と交
    差した略同方向に集束されていることを特徴とする請求
    項10に記載のインク充填方法。
  17. 【請求項17】 前記インク保持部材を複数備え、前記
    充填工程では、それぞれのインク保持部材に同時にイン
    クを充填することを特徴とする請求項1に記載のインク
    充填方法。
  18. 【請求項18】 インクを保持するためのインク保持部
    材と、該インク保持部材を収納するとともに前記インク
    保持部材のインクを外部に供給するためのインク供給口
    及び前記インク保持部材を大気に対して連通させる大気
    連通口を備える筐体と、を有するインクタンクのインク
    保持部材にインクを充填するインク充填装置において、 前記インクタンクのインク充填用開口にインクを注入す
    るインク供給機構と、 前記インク供給機構によって供給されるインクに対して
    前記インク保持部材の静的なインク保持力とインク移動
    に対する動的な抵抗力との和より大きな慣性力を付与す
    る慣性力付与機構とを有することを特徴とするインク充
    填装置。
  19. 【請求項19】 前記慣性力付与機構は、 前記インクタンクを着脱自在に保持するタンク保持ステ
    ージと、 前記タンク保持ステージを移動させるステージ移動機構
    と、 前記ステージ移動機構により移動される前記タンク保持
    ステージを衝突により停止させるステージ停止部材とを
    備えることを特徴とする請求項18に記載のインク充填
    装置。
  20. 【請求項20】 前記ステージ移動機構は、前記タンク
    保持ステージを移動させて前記ステージ停止部材に衝突
    させることを繰り返すことを特徴とする請求項19に記
    載のインク充填装置。
  21. 【請求項21】 前記ステージ停止部材は、前記タンク
    保持ステージの両側に位置する一対の部材からなり、前
    記ステージ移動機構は、前記タンク保持ステージを往復
    移動させて前記一対の部材に交互に衝突させることを特
    徴とする請求項20に記載のインク充填装置。
  22. 【請求項22】 前記インク充填用開口は前記インクタ
    ンクのインク供給口であり、前記インク供給機構は、前
    記インク供給口に接続されることを特徴とする請求項1
    8に記載のインク充填装置。
  23. 【請求項23】 前記大気連通口を密閉する通気操作機
    構を更に有することを特徴とする請求項18に記載のイ
    ンク充填装置。
  24. 【請求項24】 前記タンク保持ステージは、前記大気
    連通口が前記インク保持部材より上方に位置するように
    前記インクタンクを保持する請求項18に記載のインク
    充填装置。
  25. 【請求項25】 前記インクタンクは、それぞれ異なる
    種類の液体を収容可能な複数の前記インク保持部材と、
    前記複数のインク保持部材に対応する複数の前記インク
    充填用開口とを備えるとともに、 前記インクタンクのそれぞれのインク充填用開口にイン
    クを注入するための前記インク供給機構が複数設けられ
    ていることを特徴とする請求項18に記載のインク充填
    装置。
  26. 【請求項26】 インクを保持するためのインク保持部
    材と、該インク保持部材を収納するとともに前記インク
    保持部材のインクを外部に供給するためのインク供給口
    及び前記インク保持部材を大気に対して連通させる大気
    連通口を備える筐体と、を有するインクタンクにおい
    て、 前記インク保持部材はインクに対して疎水性を有する多
    数の繊維からなり、 前記インク保持部材を大気に対して開放した状態で前記
    インク供給口から前記筐体の内部に所定量のインクが注
    入されるとともに、前記インク保持部材の静的なインク
    保持力とインク移動に対する動的な抵抗力との和より大
    きな慣性力を、前記注入されたインクに付与することで
    前記インク保持部材内にインクが充填され、 前記繊維が、前記慣性力の付与方向と交差した略同方向
    に集束されていることを特徴とすることを特徴とするイ
    ンクタンク。
  27. 【請求項27】 前記繊維の集束方向は、前記インク供
    給口からのインクの注入方向と交差した方向であること
    を特徴とする請求項26に記載のインクタンク。
  28. 【請求項28】 インクを保持するためのインク保持部
    材と、該インク保持部材を収納するとともに前記インク
    保持部材のインクを外部に供給するためのインク供給口
    及び前記インク保持部材を大気に対して連通させる大気
    連通口を備える筐体と、を有するインクタンクにおい
    て、 前記インク保持部材はインクに対して疎水性を有する多
    数の繊維からなり、 前記インク保持部材を大気に対して開放した状態で前記
    インク供給口から前記筐体の内部に所定量のインクが注
    入されるとともに、前記インク保持部材の静的なインク
    保持力とインク移動に対する動的な抵抗力との和より大
    きな慣性力を、前記注入されたインクに付与することで
    前記インク保持部材内にインクが充填され、 前記繊維が、前記慣性力の付与方向と略同方向に集束さ
    れており、 前記繊維の両側の端面の少なくとも一方が前記インクタ
    ンクの内面に当接していることを特徴とすることを特徴
    とするインクタンク。
JP2000254084A 1999-08-30 2000-08-24 インク保持部材へのインク充填方法、インク充填装置、前記インク充填方法によりインクが充填されるインクタンク Pending JP2001138537A (ja)

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