JP2001136933A - 発酵加工食品及びその製造方法 - Google Patents

発酵加工食品及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】鳥獣畜肉、特にその内臓肉を原料に使用した場
合でもその内臓肉等の特有の臭い、呈味等の無い、従来
品に比較して風味、呈味が改善した発酵加工食品を開発
し、提供する。 【解決手段】発酵工程により鳥獣畜肉発酵加工食品を製
造し、その発酵工程で糖類の存在下に鰹節菌を含む微生
物を作用させることにより前記目的とする風味、呈味が
改善した鳥獣畜肉発酵加工食品を製造することができ
る。水溶性又は水可溶性成分が得られるので、特に健康
食品(飲料等)に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規鳥獣畜肉発酵
加工食品、詳しくは鳥獣畜肉を、所謂鰹節菌の作用によ
り発酵させて得られ、鳥獣畜肉、特に内臓を原料にした
場合でもその内臓肉特有の臭い、呈味等が無く、好まし
くは水溶性である発酵加工食品、及びその製造方法に関
する。発酵タンク等による発酵工程において、無菌的な
操作を行うことにより安全、かつ効率良く目的物を製造
することができる。
【0002】このようにして得られる発酵加工食品は全
く新しい動物性蛋白食品であり、飲食品、健康食品への
利用が極めて広く期待できる。また、水溶性であること
から飲料水、健康食品等への利用も特に期待できる。
【0003】
【従来の技術】従来から、鳥獣畜肉及び内臓肉を使用し
た食品、食肉加工品は知られているが、原料である鳥獣
畜肉、特に内臓肉を原料に使用した場合内臓肉に特有の
味や臭いのために嗜好の差が出易かった。しかし、特に
レバー等の内臓は栄養的には極めて優れているため、こ
れらの臭いが少なく、呈味性が改善された加工食品が求
められている。
【0004】各種微生物を用いた発酵加工食品において
は、例えばチーズ、ヨーグルト、味噌等のように原料の
味、臭いとは全く違った味、臭いの発酵加工食品が製造
されているが、畜肉及び内臓等を原料とした発酵加工食
品は金華腿(ハム)、生ハム等の一部長期熟成ハムを除
けば、殆ど食されていないのが現状である。
【0005】特に、発酵工程において、鳥獣畜肉、特に
その内臓等を原料に使用した場合、蛋白質の分解等によ
りアンモニア等の好ましくない代謝産物が発生し、また
蛋白質の分解物(ペプチド)には苦みがあり嗜好の妨げ
の大きな原因となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鳥獣畜肉、特にその内
臓肉を原料とし、これらの嗜好の妨げになるような臭
い、呈味等、また好ましくない代謝産物が生成しない発
酵加工食品、特に豚レバー等の栄養的には優れている
が、臭いや呈味により敬遠されがちであった内臓肉の臭
いや呈味が改善された発酵加工食品の開発が求められて
いる。
【0007】本発明の目的は、従来品に比較して鳥獣畜
肉、特に内臓肉を原料として使用した場合でもその内臓
肉等に存する特有の臭い、呈味等で著しく改善した発酵
加工食品を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、鳥獣畜肉、特にその内臓
肉を、好ましくは細断、ミンチ又はスラリーにした後、
炭素源となる糖類を添加し、発酵タンク等の発酵容器内
で滅菌し、鰹節菌を含む微生物を無菌的に植え付けて培
養し、その培養液をろ過、凍結乾燥し、得られた発酵代
謝産物が鳥獣畜肉、特にその内臓肉に特有の臭い、呈味
等が無く鳥獣畜肉発酵加工食品として嗜好上好ましいこ
と、また、この発酵工程により鳥獣畜肉、特にその内臓
肉の蛋白質が、より吸収し易い水溶性のペプチドに変成
していること等を見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は下記の内容を含む。 [1] 鳥獣畜肉に対して糖類の存在下に鰹節菌の作用に
より得られる鳥獣畜肉発酵加工食品。水溶性の成分が特
に吸収性に優れ消化し易いので、健康食品又はその成分
として適している。また、臭い、呈味が改善されている
ため他の飲食品の添加成分に使用することもできる。
【0010】[2] 鳥獣畜肉が鶏、牛、豚、馬及び羊の
何れかから得られる肉である上記加工食品。 [3] 鳥獣畜肉が、前記動物の内臓肉である上記加工食
品、及び鳥獣畜肉、内臓肉に存する特有の臭い、呈味が
著しく改善された上記加工食品。
【0011】[4] 鰹節菌が、アスペルギルス属及びペ
ニシリウム属の何れかに属する微生物である上記加工食
品。 [5] 鳥獣畜肉に対して微生物の作用により鳥獣畜肉発
酵加工食品を製造する方法において、製造工程が糖類の
存在下に鰹節菌を含む微生物を作用させる発酵工程を含
む鳥獣畜肉発酵加工食品の製造方法。
【0012】[6] 発酵工程が、発酵タンク、ジャーフ
ァーメンタ又は培養フラスコ内で通気攪拌培養を含む上
記製造方法。無菌的に発酵を行うことが好ましい。この
方法により、短時間で効率的に目的の食品を安全に製造
することができる。
【0013】[7] 上記加工食品を含有する健康食品
(飲料等)又はそのための組成物。水溶性成分が特に消
化面で好ましい。
【0014】[8] 原料肉の水不溶性成分が、発酵過程
で水溶性又は水可溶性成分に変成する上記加工食品。水
溶性又は水可溶成分により、吸収、消化等、また使用範
囲の拡大の点で好ましくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、好ましい代表例として説明するものであ
り、前記本発明の要旨を逸脱しない限り、この内容に限
定されるものではない。
【0016】本発明の発酵加工食品に使用できる肉は、
鳥獣畜肉であればよく、牛、豚、馬、羊、鶏等の動物の
肉が好ましい。鳥獣畜肉の種類は1種又は複数の混合物
でもよく、その肉の部位は制限されず、様々な部分の肉
が採用可能であるが、特に肝臓、腎臓、心臓等の各種内
臓諸器官も採用、利用できるので鳥獣畜肉副生物の有効
利用にも役立てられる。
【0017】本発明において発酵工程で使用(添加)す
る糖類には特に制限は無く、例えばグルコースに代表さ
れる単糖類、スクロース、マルトースに代表される二糖
類、デンプンに代表される多糖類や、ポテトエキス、廃
糖蜜に代表される天然物等、糖類として広く利用可能で
ある。添加する糖類は一種又は複数の混合物でもよい。
ここで使用する糖類は発酵工程で微生物が炭素源として
使用するものであり、本発明で得られる発酵加工食品に
甘み等を付与するために添加するものではない。
【0018】本発明に使用される微生物としては鰹節菌
又はこれを含む微生物であり、好ましくは糸状菌が適し
ており、特に天然より純粋分離を行った菌株、例えば鰹
節より分離した鰹節菌、特にアスペルギルス(Aspergil
lus)属及びペニシリウム(Penicillium)属等に属する
菌株を使用することができる。また、鰹節以外の微生物
を有する食品から分離を行った菌株、例えば米麹より分
離した(Aspergillus)属の菌株を使用してもよい。
【0019】特に、Aspergillus repens、Aspergillus
glaucus、Aspergillus melleus、Penicillium roquefor
ti等の微生物の代表的な菌株は、国内外の公的な菌株保
存機関、例えば(財)発酵研究所(大阪)等に、保存さ
れており、分譲を受けて本発明の実施に使用してもよ
い。
【0020】本発明において使用する鰹節菌とは鰹節の
生産地又は生産工場において鰹節の生産に際して鰹に生
育又は作用させる微生物である。
【0021】発酵工程については、従来から発酵加工食
品等において使用されている方法が採用される。例え
ば、清酒、味噌、ヨーグルト等の製造方法を採用するこ
とができる。また、各種アミノ酸の製造、例えばグルタ
ミン酸の製造に見られる無菌的なタンク培養による方法
が安全に短時間で、かつ効率的に目的の食品を製造する
ことができるので、より好ましい。
【0022】発酵工程における培養方法としては、従来
培養法として知られている方法を採用することができ
る。
【0023】本発明の鳥獣畜肉発酵加工食品を製造する
には特に困難はなく、例えば発酵加工食品を製造するた
めに使用されている公知の方法を利用して行うことがで
きる。好ましくは、下記の如く製造することができる。
【0024】原料となる畜肉又は内臓肉をフードミキサ
ー或いはミンチ機を使用し、スラリー状又はミンチ状に
する。これに、必要な場合は水分を加え、糖類、例えば
グルコース等を加え、発酵タンク或いはジャーファーメ
ンター等の微生物培養装置に入れ、好ましくは80〜1
30℃程度、より好ましくは110〜120℃程度で、
好ましくは5〜30分程度、より好ましくは10〜20
分程度滅菌処理を行う。
【0025】滅菌処理後に鰹節菌を無菌的に接種する。
接種する鰹節菌は予め菌株が保存してある斜面培地より
種培養を行ったものを接種してもよいし、保存してある
斜面培地より接種してもよい。また、無菌的に調製した
胞子懸濁液、分生胞子懸濁液を接種してもよい。
【0026】培養を行うには、好ましくは20〜50℃
程度、より好ましくは25〜35℃程度で、好ましくは
12〜120時間程度、より好ましくは72〜90時間
程度で、通気撹拌を行いながら培養するとよい。通気撹
拌培養の条件としては好ましくは回転数100〜400
rpm(回転/分)程度、より好ましくは回転数250
〜350rpm(回転/分)程度で培養する。このよう
な条件は、原料とする畜肉の種類等、また使用する菌株
に等の条件で変化するので、適当な条件を適宜選択する
必要がある。
【0027】培養終了後、培養液は吸引ろ過又はフィル
タープレス等の方法により、菌体及び培養液中の固形分
を取り除く。固形分を取り除いた培養ろ液を、必要な場
合は加熱或いは減圧等により濃縮し、凍結乾燥或いはス
プレードライ等の方法により乾燥することにより、本発
明品の発酵加工食品を得ることができる。また、菌体及
び培養液中の固形分をろ過等で取り除くことなく、凍結
乾燥等の方法により乾燥させ、本発明の発酵加工食品を
得ることもできる。
【0028】このようにして得られる本発明の発酵加工
食品は、使用した鳥獣畜肉特にその内臓肉等の食欲を減
じる臭いや味が無くなり、食品素材としての応用の可能
性が飛躍的に増大する。例えば、固形分を取り除いた場
合、発酵加工食品は水溶性又は水可溶性でることから、
ドリンク飲料等への使用も可能である。また、保存、流
通に際しては特に困難は無く、従来品と同様、常温、冷
蔵で保存、流通できる。
【0029】本発明において得られる発酵加工食品は、
糖類の添加と、微生物の作用により発酵代謝された鳥獣
畜肉は、その内臓肉を原料として使用した場合でもそれ
ら特有の臭い、呈味等が無い好ましい発酵加工食品とし
て、また食品原料、健康食品原料として、広く利用でき
る。
【0030】更に、本発明で得られる発酵加工食品を高
脂肪食ラットに継続的に摂取させて脂質代謝の変化を調
べたところ、非投与群に比べ血中及び肝臓中の脂質は明
らかに改善されることが認められた。従って、本発明品
を摂取することにより、従来の加工食品には認められな
かった脂質代謝改善効果が認められ、本発明により新し
い食品機能も加えられる。
【0031】
【作用】本発明で得られる発酵加工食品は、発酵工程に
おける微生物の作用、特に加水分解酵素等の作用によ
り、蛋白質がペプチドに分解されることにより水溶性又
は水可溶性に変性しているものと考えられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。
【0033】(使用菌株の分離)静岡県焼津の鰹節生産
会社よりカビ付けを行って作成する本鰹節の生産工程途
中の2番節(本鰹節は4回カビ付けを行い、1〜4番節
と呼ばれる。)を入手し、その鰹節の表面よりカビをか
き取り、滅菌水にて懸濁後、ツァッペクドックス寒天培
地(日水製薬(株))に0.1mL植菌し、26℃にて1
20時間培養する。
【0034】生育した7種類のカビのコロニーから、そ
れぞれ胞子を採取しツァッペクドックス寒天培地に植菌
し培養する。更に、この操作を3回繰り返し、分離菌株
k−1〜7を得た。
【0035】このようにして得られた分離菌株k−1〜
7を、豚レバーを主成分とする寒天培地に植菌し、豚レ
バーの分解力、菌の生育等を観察した結果、k−3株が
最も豚レバーの発酵に適していると判断し、この菌株を
使用することにした。
【0036】(豚レバー発酵代謝物粉末製造法)豚レバ
ーをフードプロセッサーにてスラリー状にしたもの20
g、水200ml、スクロース(和光純薬特級サッカロー
ス)2gを1000mLの三角フラスコに入れ、121
℃、20分オートクレーブ滅菌を行ない、カビ付けした
鰹節より純粋分離した、鰹節菌k−3株(三邦株式会社
保有)の斜面培地よりスラント一片(3mm角)を無菌
的に植菌し、ロータリーシェイカー(いわしや生物化学
(株)製 RGR−3S型)にて30℃、回転数200
rpm(回転/分)にて48時間振とう培養したものを、
種培養液とした。
【0037】ミンチ機を使用しミンチにし、更にフード
プロセッサーにてスラリー状にした豚レバー2kg、脱
イオン水20L、スクロース(和光純薬特級)200
g、信越シリコンTSA737(食品添加物)20gを
30Lジャーファーメンター(MBS(株)製 MKJ
−30MGU−3U−FPMII型)に入れ、121℃、2
0分加圧滅菌を行い、種培養液を無菌的に植菌し、30
℃、回転数150〜200rpm(回転/分)、通気量
0.5vvm、酸素分圧0.02MPaにて96時間培養
し、培養液18Lを得た。
【0038】得られた培養液の固液分離を桐山ロート直
径150mm、東洋ろ紙NO.2を使用し吸引ろ過にて行
い、ろ液(但し分離ケーキの洗浄水を含む)18.2L
と分離ケーキ1786.1gを得た。
【0039】得られたろ液18.2Lはロータリーエバ
ポレーターR−152(BUCHILaboratorium-Techn
ik社製)使用し、恒温槽45℃、回転数50rpm(回転
/分)、飽和水蒸気温度29〜32℃、到達真空圧74
mmHg(9865.86 Pa)以下、冷却管温度0〜5℃にて5L
に濃縮し、凍結乾燥機(ULVAC DF−05H)を
使用し、品温30℃以下の条件で凍結乾燥し、本発明品
である豚レバー発酵代謝物粉末135gを得た。得られ
た粉末の性状については、淡黄色で原料特有の臭いは無
く、吸湿性があった。
【0040】豚レバー発酵代謝物粉末の窒素分析結果は
次の通りである: 全窒素:6.41g/100g(分析法:ケルダール
法)。
【0041】(官能評価)豚レバー発酵代謝物粉末10
%水溶液を調製したところ、その水溶液は僅かに甘い香
りのする黄色透明の水溶液であった。この水溶液を用い
て10名のパネラーにより官能試験を行った。呈味につ
いては、パネラー7名が無味であると答え、臭いについ
ては、8名が問題にならないと答えた。また、市販飲料
水に豚レバー発酵代謝物粉末を10%添加し官能試験を
行ったところ、パネラー9名が、豚レバー発酵代謝物粉
末の添加が味、香り等に全く影響を与えていないと答え
た。
【0042】(比較例)前記実施例において、スクロー
スを添加せず製造した豚レバー発酵代謝物(粉末)の1
0%水溶液では、その水溶液はアンモニア臭があり、焦
茶色の水溶液であった。呈味についても、苦みが強くパ
ネラー全員(10名)が好ましくないと答えた。また、
市販飲料水での前記同様の官能試験においても、パネラ
ー6名が味に影響があると答えた。
【0043】本発明品である豚レバー発酵代謝物(粉
末)と、前記発酵工程でスクロースを添加しなかった豚
レバー発酵代謝物(粉末)の比較では、パネラー全員
(10名)が10%水溶液、市販飲料水に10%添加し
たもの共に本発明品の方が好ましいと答えた。
【0044】(脂質代謝改善効果試験)高脂肪食により
飼育されたマウスの脂質代謝に及ぼす本発明品の発酵加
工食品の影響を調べた。
【0045】前記実施例に示した方法と同様にして得ら
れた、豚レバー発酵代謝物粉末をマウスの飼育実験に使
用した。6週令(30〜35g)ddy系雄マウスを使
用し、1群10匹とし、4群に分けた。マウスは5日間
予備飼育後、下記表1に示す飼料にてそれぞれ14日間
飼育した。
【0046】飼育条件は、プラスチック製の個別ケージ
入れ、23±3℃、1日12時間日照、飼料及び水(水
道水)を自由に摂取できるようにした。採血は14日目
に1晩絶食させた後、心臓尖刺により採血し、これより
常法により血清を採取し以下の試験に用いた。また、採
血後解剖し腹腔内所見を検討し、更に肝臓を摘出して肝
臓脂肪分析の試料とした。
【0047】摘出した肝臓1gを用い、クロロフォルム
とメタノールの2対1混合溶液磨砕抽出し、以下の分析
に使用した。
【0048】それぞれ、以下の方法を使用して測定し
た。 血清総コレステロール:コレステロールEテストワコー
(和光純薬工業製); 血清HDL−コレステロール:HDL−コレステロール
ワコー(和光純薬工業製); 血清中性脂肪:ネスコート+Gキット(日本商事); 肝コレステロール:Zah−Henly法;及び 肝中性脂肪:TGテストワコー(和光純薬工業製)。
【0049】表1 飼料の組成(%)
【0050】表2 マウスの体重と肝臓重量 平均値±標準誤差
【0051】表3 血清中の総コレステロール値
【0052】以上の結果から明らかな如く、高脂肪食に
本発明品豚レバー発酵代謝物粉末を15%添加した群は
非添加の高脂肪食群に比べ明らかに、血清及び肝臓の総
コレステロール値、並びに中性脂肪値が低く、脂質代謝
が著しく改善されたことが分かる。
【0053】実験終了後の解剖所見の結果では、高脂肪
食投与群の肝臓は、黄変し脂肪肝の様相を呈したのに対
し、基本食(対照)投与群では、鮮紅色を示した。高脂
肪食に豚レバー発酵代謝物粉末を15%添加した群で
は、脂肪肝の様相が見られるものの、高脂肪食投与群と
比較し、明らかに基本食(対照)投与群の肝臓に近い色
調を示し、脂肪肝の抑制を確認できた。他の臓器につい
ては、全例、特に変化は認められなかった。以上から、
食品として使用する上で特に安全性の面で問題となる所
見は認められなかった。
【0054】
【発明の効果】本発明により得られる鳥獣畜肉発酵加工
食品は、糖類を添加し、発酵タンク等を使用して発酵的
に製造することにより、その内臓肉を原料に使用した場
合でも嗜好の妨げとなるような臭い、味等が無く風味、
呈味が著しく改善するので、様々な食品としてそのまま
或いは別な食品に混ぜて利用できる。また、食すること
で脂質代謝を改善し、脂肪肝を予防、減少するする効果
が見られることから、健康食品等への利用も期待でき
る。水溶性又は水可溶性成分が得られるので、これは消
化、吸収性にも優れ、飲料等の形態で使用するのに好適
である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鳥獣畜肉に対して糖類の存在下に鰹節菌の
    作用により得られたことを特徴とする鳥獣畜肉発酵加工
    食品。
  2. 【請求項2】鳥獣畜肉が鶏、牛、豚、馬及び羊の何れか
    から得られる肉である請求項1記載の加工食品。
  3. 【請求項3】鳥獣畜肉が内臓肉である請求項1記載の加
    工食品。
  4. 【請求項4】水溶性である請求項1記載の加工食品。
  5. 【請求項5】鰹節菌が、アスペルギルス属及びペニシリ
    ウム属の何れかに属する微生物である請求項1記載の加
    工食品。
  6. 【請求項6】製造段階に糖類の存在下に鰹節菌を含む微
    生物を作用させる発酵工程を含むことを特徴とする鳥獣
    畜肉発酵加工食品の製造方法。
  7. 【請求項7】発酵工程が、発酵タンク、ジャーファーメ
    ンタ又は培養フラスコ内で無菌的に通気攪拌培養を含む
    請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1又は4記載の加工食品を含有する
    ことを特徴とする健康食品。
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