JP2001131394A - 難燃性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル系樹脂組成物

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JP2001131394A
JP2001131394A JP31238999A JP31238999A JP2001131394A JP 2001131394 A JP2001131394 A JP 2001131394A JP 31238999 A JP31238999 A JP 31238999A JP 31238999 A JP31238999 A JP 31238999A JP 2001131394 A JP2001131394 A JP 2001131394A
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flame
weight
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retardant
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Kazuyuki Takaki
一行 高貴
Katsutoyo Fujita
克豊 藤田
Kimihiko Nakano
公彦 中野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量が1000以下の臭素系難燃剤を用い
ても、ポリエステルを難燃化する際に生じる、難燃剤の
ブリードアウトを抑えると共に、高い耐熱性、難燃性お
よび機械的強度を維持しつつ、難燃剤のブリードアウト
がない、良好な表面性の成形品が得られる難燃ポリエス
テル系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)熱可塑性ポリエステル100重量
部に対して、(B)分子量が1000以下の臭素系難燃
剤5〜100重量部、及び(C)オレフィン系樹脂1〜
10重量部を配合してなる難燃性ポリエステル系樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、表面光沢
性、耐熱性、耐湿熱性、機械的強度、成形加工性、低金
型汚染性に優れ、各種用途、特に家電、電気、電子、O
A機器、自動車部品として好適な熱可塑性ポリエステル
系樹脂組成物、および、それを用いて成形された成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート等に代表される熱可塑性ポリ
エステル系樹脂は、機械的特性、電気特性に優れるた
め、従来から繊維、フィルム、成形用材料等として広く
用いられている。
【0003】これらの熱可塑性ポリエステル系樹脂にガ
ラス繊維等の強化充填剤を配合することにより、機械的
強度、耐熱性が大幅に向上した熱可塑性ポリエステル系
樹脂の強化組成物が得られ、この強化組成物は、いわゆ
る機能部品用途素材として好適である。
【0004】さらに、これらの熱可塑性ポリエステル系
樹脂は臭素系難燃剤等の難燃剤を配合することによって
機械的強度や耐熱性を損なうこと無く、高い難燃性を有
する樹脂組成物が得られ、これらは、近年の、火災に対
する安全性要求の高まりの中、各種分野において、幅広
く用いられている(特開平8−225722、特開平9
−241490等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱可塑性ポリ
エステル樹脂に臭素系難燃剤として例えば、コスト的に
安価であるという理由から分子量1000以下のものを
添加すると、目的の難燃性、機械的強度、耐熱性は得ら
れるものの、得られた成形品の表面に難燃剤がブリード
アウトを生じる場合があった。特に、臭素化ジフェニル
アルカンは、成形直後に成形品の表面にクモリを著しく
発生し、外観の要求される部品等の成形品の材料として
適さなかった。また、金型にもそれらの難燃剤が付着
し、成形品に凹凸が発生し、その対策として、付着物除
去をするものの、かなりの工数を要する為、その改善が
強く要望されていた。
【0006】即ち、分子量が1000以下の臭素系難燃
剤を用いても、ポリエステルを難燃化する際に生じる、
難燃剤のブリードアウトを抑えると共に、高い耐熱性、
難燃性および機械的強度を維持しつつ、難燃剤のブリー
ドアウトがない、良好な表面性の成形品が得られる難燃
ポリエステル系樹脂組成物が強く要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を行なった結果、熱可塑性
ポリエステル、及び低分子臭素系難燃剤にオレフィン系
樹脂を添加することによって、低分子臭素系難燃剤のブ
リードアウトを抑え、成形品表面が良光沢になり、金型
への付着物もなくなる、表面性の改良した難燃性ポリエ
ステル系樹脂組成物が得られる事を見い出し、本発明を
完成した。
【0008】すなわち、本発明の第1は、(A)熱可塑
性ポリエステル100重量部に対して、(B)分子量が
1000以下の臭素系難燃剤5〜100重量部、及び
(C)オレフィン系樹脂1〜10重量部を配合してなる
難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0009】好適な実施態様においては、(B)分子量
が1000以下の臭素系難燃剤が臭素化ジフェニルアル
カンである、前記記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成
物に関する。
【0010】更に好適な実施態様においては、(C)オ
レフィン系樹脂の溶融粘度が、JIS K7210に準
じて、230℃、押出し荷重2.16Kg条件下で0.
1〜25g/10分である、前記いずれか記載の難燃性
ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0011】更に好適な実施態様においては、更に
(D)アンチモン化合物30重量部以下を添加してな
る、前記いずれか記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成
物に関する。
【0012】更に好適な実施態様においては、(D)ア
ンチモン化合物が、アンチモン酸ナトリウム、および/
または五酸化アンチモンと酸化ナトリウムとの混合物で
ある、前記いずれか記載の難燃性ポリエステル系樹脂組
成物に関する。
【0013】更に好適な実施態様においては、更に
(E)強化充填剤200重量部以下を添加してなる、前
記いずれか記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関
する。
【0014】更に好適な実施態様においては、更に
(F)結晶化促進剤を添加してなる、前記いずれか記載
の難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0015】更に好適な実施態様においては、更に
(G)多官能性化合物を添加してなる、前記いずれか記
載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0016】本発明の第2は、前記いずれか記載の難燃
性ポリエステル系樹脂組成物を用いて成形された成型品
に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)熱可塑
性ポリエステルは、好適には酸成分としてテレフタル酸
またはそのエステル形成能を有する誘導体を用い、そし
てグリコール成分として炭素数2〜10のグリコールま
たはそのエステル形成能を有する誘導体を用いて得られ
るテレフタル酸系のポリエステル樹脂である。具体的に
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート等が挙げられ
る。また、この(A)熱可塑性ポリエステルには、本発
明のポリエステル系樹脂組成物の難燃性、表面外観等を
損なわない範囲で、共重合可能な成分を含ませることが
できる。このような成分としては、炭素数8〜22の2
価以上の芳香族カルボン酸等のカルボン酸類およびこれ
らのエステル形成誘導体、炭素数3〜15の脂肪族化合
物、炭素数6〜20の脂環式化合物、炭素数6〜40の
芳香族化合物であって、分子内に2個以上の水酸基を有
する化合物類、およびこれらのエステル形成性誘導体等
が挙げられる。
【0018】具体的には、カルボン酸類としては、テレ
フタル酸以外に、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタンアン
トラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸等のカルボン酸
またはそのエステル形成を有する誘導体が挙げられる。
【0019】水酸基含有化合物類としては、エチレング
リコール、ブタジンオールの他に、ヘキサンジオール、
デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキル)プロパン、ハイ
ドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の化
合物またはそのエステル形成能を有する誘導体が挙げら
れる。また、p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシエト
キシ安息香酸等のオキシ酸およびこれらのエステル形成
性誘導体、ε−カプロラクトンのような環状エステル等
も用いることができる。更に、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサ
イド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/または
ランダム共重合体、ビスフェノールA共重合ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングルコール等のポリ
アルキレングリコール単位を高分子鎖中に一部共重合さ
せたものを用いることもできる。
【0020】上記成分の共重合可能な成分の含有量は概
ね20重量%以下であり、好ましくは、15%以下、更
に好ましくは、10重量%以下である。20重量%を超
えると機械的強度や耐熱性等の物性バランスが悪くなる
傾向がある。
【0021】本発明に用いる熱可塑性ポリエステルとし
ては、機械的特性と成形性のバランスを考慮すると、エ
チレンテレフタレートおよび/またはテトラメチレンテ
レフタレート単位を主たる成分とする熱可塑性ポリエス
テルが好ましい。
【0022】本発明に用いる熱可塑性ポリエステルの固
有粘度は0.35以上であり、好ましくは0.4〜2.
0、更に好ましくは、0.45〜1.5である。固有粘
度が0.35未満では機械的強度が低下する傾向があ
る。本発明において熱可塑性ポリエステルは、単独でま
たは2種以上混合して用いられる。なお、固有粘度は、
フェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=
1:1(重量比)の混合溶媒を用い、25℃で測定して
求める。
【0023】本発明に用いられる(B)分子量1000
以下の臭素系難燃剤としては、市販のものである、分子
中に臭素を含む、臭素化ジフェニルアルカン、テトラブ
ロモビスフェノールA、エチレンビステトライミド等が
挙げられるが、特には臭素化ジフェニルアルカンが難燃
性、機械的強度に優れ、本発明のブリードアウトの防止
効果が高い。この低分子臭素系難燃剤は、1種または2
種以上を他の分子量1000以上の臭素系難燃剤と組み
合わせてもよい。本発明に用いられる臭素系難燃剤中の
ハロゲン含有率は、20重量%以上が好ましく、更に好
ましくは25重量%以上である。ハロゲン含有率が20
重量%未満の場合、難燃性が不十分であるので好ましく
ない。
【0024】臭素系難燃剤の配合量は、難燃剤の種類に
より異なるが、熱可塑性ポリエステル100重量部に対
し、5〜100重量部、好ましくは10〜95重量部、
更に好ましくは、15〜85重量部である。5重量部未
満では難燃性が十分ではなく、100重量部を超えると
機械的強度が低下する。
【0025】本発明に用いられる(C)オレフィン樹脂
は低分子臭素系難燃剤に起因する成形品外観低下を改良
する為、ブリードを被覆するために用いられる。これら
オレフィン系樹脂としては、溶融粘度(MI)が、JI
S K7210に準じて、230℃、押出し荷重2.1
6Kg条件下で0.1〜25g/10minからなるオ
レフィン系樹脂で市販のものが使用できる。例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、オレフィン系共重合体、
オレフィン系顔料マスターバッチ、および、ポリ1−ブ
テン等が挙げられる。中でも、ポリプロピレンが好まし
い。本発明に用いられるオレフィン樹脂の配合量は、熱
可塑性ポリエステル100重量部に対し、1〜10重量
部、更に好ましくは、2〜8重量部である。1重量部未
満では得られた成形品の表面光沢が低下する。また、1
0重量部を超えると、機械的強度の低下、難燃性、耐熱
温度の著しい低下、および、得られた成形品に剥離が生
じる。
【0026】本発明に用いられる(D)アンチモン化合
物は難燃助剤であり、(B)臭素系難燃剤と併用添加す
ることにより難燃効果が著しく高められる。アンチモン
化合物は市販のものが使用できる。例えば、三酸化アン
チモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチ
モン酸ソーダ、および酒石酸アンチモン等が挙げられ、
これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いても
良い。中でも、押し出しコンパウンドや射出成形といっ
た、溶融加工時の樹脂の熱分解抑制と燃焼性のバランス
の点から、アンチモン酸ソーダおよび/または五酸化ア
ンチモンと酸化ナトリウムとの混合物が好ましく用いら
れる。アンチモン化合物の配合量は熱可塑性ポリエステ
ル100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、
更に好ましくは5〜25重量部である。30重量部を超
えると、樹脂の劣化が進み、機械的強度が低下する傾向
にある。
【0027】本発明に用いられる(E)強化充填材とし
ては、強度、剛性を向上させるために市販のものを使用
することもできる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チ
タン酸カリウム繊維、セラミックビーズ、ガラスビー
ズ、ガラスバルーン、セラミックバルーン、ガラスフレ
ーク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、硫酸バリウム、雲母、タルク、
カオリン、マイカ、クレー等が挙げられる。ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維状の強化剤を使用する場合に
は、経済性、作業性の面から、収束剤にて処理されたも
のを用いるのが好ましい。特に強化充填剤としてガラス
繊維を用いる場合、直径1〜20μm、長さ0.01〜
50mm程度が好ましい。繊維長が短すぎると強化の効
果が十分ではなく、逆に長すぎると成形品の表面性や成
形加工性が悪くなるので好ましくない。
【0028】樹脂と繊維状強化剤との密着性を高めるた
め、繊維状強化剤の表面をカップリング剤で処理したも
の、あるいは、バインダーを用いたものが好適に用いら
れる。繊維状強化剤の表面のカップリング剤としては、
例えばγ−マミノプロピルトリエトキシシランおよびγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコ
キシシラン化合物が好ましく用いられる。また、バイン
ダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等
が好ましく用いられ、これらはそれぞれ単独または2種
以上組み合わせて用いられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0029】本発明に用いる(E)強化充填剤は1種ま
たは2種以上を混合して使用できる。強化充填材の使用
量は、熱可塑性ポリエステル100重量部に対して20
0重量部以下が好ましく、更に好ましくは5〜180重
量部である。強化充填材の使用量が200重量部を超え
ると、組成物の流動性が大幅に低下して成形加工性が悪
化し、表面外観も低下する傾向にある。
【0030】本発明の組成物には、更に(F)結晶化促
進剤を配合し、耐熱性や成形加工性を改良することがで
きる。例えば、p−t−ブチル安息香酸ナトリウム、モ
ンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、パルミチ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の有機酸塩
類;炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク等の無機塩
類;酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属
酸化物等が挙げられる。これらの結晶化促進剤は、1種
または2種以上を組み合わせて使用される。上記結晶化
促進剤の内、p−t−ブチル安息香酸ナトリウムやタル
クが、耐熱性の改良や成形加工性の改良の点からも特に
好ましい。
【0031】これらの(F)結晶化促進剤の配合量は、
本組成物の特性を損なわない範囲で使用されるが、熱可
塑性樹脂100重量部に対して、有機酸塩類の場合は、
0.01〜5重量部、無機塩類の場合は0.1〜10重
量部、金属酸化物の場合は0.1〜10重量部が好まし
い。
【0032】本発明の組成物には更に(G)多官能性化
合物を添加し、機械的強度を高めることができる。多官
能性化合物とは、2以上の官能基を有する化合物であ
り、−OH基、あるいは−COOH基のいずれかの基
と、容易に反応できるような官能成分を生じる化合物で
ある。ポリエステルと反応性を有する官能基の例として
は、エポキシ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、
イソシアネート基、カルボン酸基、無水カルボン酸基、
酸ハロゲン化合物等が挙げられる。反応性や、反応後に
生じる副生成物を考慮すると、エポキシ基、カルボジイ
ミド基、オキサゾリン基からなる群から選ばれる官能基
が好ましい。
【0033】エポキシ基を有する化合物としては、ビス
フェノール型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、多価の脂肪
族、脂環式、芳香族グリシジルエーテル化合物、多価の
脂肪族、脂環式、芳香族グリシジルエステル化合物、不
飽和基を複数有する脂肪族もしくは指環式化合物を酢酸
と過酢酸とでエポキシ化したエポキシ化合物、多価の脂
肪族、脂環式、芳香族グリシジルアミン化合物、オレフ
ィンと(メタ)アクリル酸グリシジルエステルとの共重
合体等が挙げられる。中でも(臭素化)ビスフェノール
A型エポキシ樹脂および/またはノボラック型エポキシ
樹脂、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニ
ル共重合体が、得られた成形体の物性バランス等の点か
ら好ましい。これらは、例えばエピコート828、エピ
コート152(いずれも油化シェルエポキシ株式会社製
商品名)として市販されている。
【0034】カルボジイミド基を有する化合物とは、分
子内に少なくとも2個以上の(−N=C=N−)で表さ
れるカルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適
当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱
炭酸反応で製造できたものであり、例えば、ポリ(1,
6−ヘキサメチレンジカルボジイミド)等のポリカルボ
ジイミド、またはポリ(ジイソプロピルフェニレンカル
ボジイミド)等の芳香族ポリカルボジイミド等が用いら
れる。中でも芳香族ポリカルボジイミドが得られた樹脂
が物性バランス等の点から好ましく、市販品としては、
スタバクソールP(バイエル社の商品名)がある。
【0035】オキサゾリン基を有する化合物とは、分子
内に少なくとも2個以上のオキサゾリン基を有する化合
物である。中でも2官能のオキサゾリン化合物が物性バ
ランス等の点から好ましく、2,2’−(1,3−フェ
ニレン)ビス(2−オキサゾリン)(武田薬品工業株式
会社製、商品名:1,3−PBO)等が市販されてい
る。これらの多官能性化合物は、1種または2種以上組
み合わせて使用される。
【0036】この多官能性化合物の配合量は、(A)熱
可塑性ポリエステル100重量部に対して、0.05か
ら5重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量
部、より好ましくは0.15から2重量部である。
(G)多官能性化合物が0.05重量部未満の場合に
は、得られた成形体の耐湿熱性、機械的強度の改善効果
が少なく、5重量部を超えると得られた組成物の流動性
が低下し、成形加工性が劣り、機械的強度もかえって劣
る傾向にある。
【0037】本発明のポリエステル系樹脂組成物の製造
方法は特に限定されるものではない。例えば、上記
(A)〜(C)の成分、または更に(D)、(E)、
(F)、(G)成分の1種または2種以上、および他の
添加剤、樹脂等を乾燥後、単軸、2軸等の押出し機のよ
うな溶融混練機にて、溶融混練する方法により製造する
ことができる。
【0038】本発明で製造されたポリエステル系樹脂組
成物について一般的に用いられている成形法、例えば、
射出成形、中空成形、押出し成形、シート成形、ロール
成形、プレス成形、積層成形、溶融キャスト法によるフ
ィルム成形、および紡糸等の成形方法が適用できる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明にはこれらに限定されるものではない。な
お、以下では特にことわりがない限り、「部」は重量部
を、「%」は重量%を意味する。
【0040】なお、実施例などで使用する主要原料の略
号およびその内容を以下にまとめて示す。 熱可塑性ポリエステル(A) (A−1):ポリエチレンテレフタレート、固有粘度
0.6dl/g (A−2):ポリトリメチレンテレフタレート、固有粘
度0.8dl/g (A−3):ポリテトラメチエンテレフタレート、固有
粘度0.9dl/g (A−4):エチレンテレフタレート系共重合体 三酸化アンチモンを触媒として用いて合成されたポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度=0.6dl/g)を
3500g、平均分子量約1000のビスフェノールA
のエチレンオキシド付加重合体を1500g、および、
アデカスタブAO−60(旭電化株式会社製)を25g
を10リットル容積のオートクレーブ(日本耐圧ガラス
製)に投入して、窒素気流下で攪拌しながら290℃ま
で昇温した後、窒素で常圧までもどし重合を終了し、ブ
ロック共重合体(A−4)を得た。得られた共重合体の
固有粘度は0.8dl/gであった。 (A−5):テトラメチレンテレフタレート系共重合体 A−4のポリエチレンテレフタレートの変わりに、ポリ
テトラメチレンテレフタレート(固有粘度=0.8dl
/g)を用いた以外は、A−4と同じ方法にてブロック
共重合体(A−5)を得た。得られた共重合体の固有粘
度は1.0dl/gであった。 臭素系難燃剤(B) (B−1):臭素化ジフェニルエタン、アルベマール
(株)製、商品名Saytex8010、臭素含有率8
2% オレフィン樹脂(C) (C−1):ポリプロピレン、住友化学工業(株)、商
品名ノーブレンS−131、MIはJIS K7210
に準じた、230℃、押出し荷重2.16Kg条件下で
1.2g/10分。 (C−2):ポリプロピレン顔料マスターバッチ、大日
精化工業(株)製、商品名PPM77255、MIはJ
IS K7210に準じた、230℃、押出し荷重2.
16Kg条件下で0.9g/10分。 アンチモン化合物(D) (D−1):三酸化アンチモン、住友金属鉱山(株)
製、商品名アンチモンC (D−2):アンチモン酸ソーダ、日産化学工業(株)
製、商品名サンエポックNA1070L (D−3):五酸化アンチモンと酸化ナトリウムの混合
物、日産化学工業(株)製、商品名サンエポックNA1
030 強化充填剤(E) (E−1):ガラス繊維(繊維径10μm、カット長3
mm)、日本電気ガラス(株)製、商品名T−195H (E−2):マイカ粉、(株)山口雲母工業所製、商品
名A−41S (E−3):ウォラストナイト、巴工業(株)製、商品
名NYAD325結晶化促進剤(F) (F−1):p−t−ブチル安息香酸ナトリウム、日本
油脂(株)製、商品名ノンサールTBAN (F−2):タルク、日本タルク(株)製、商品名ミク
ロエースK−1 多官能性化合物(G) (G−1):油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピ
コート828 (実施例1〜10)表1記載の成分のうち(E)成分を
除く成分を表1記載の量加えて混合した後、バレル温度
280℃に設定した日本製鋼所(株)製TEX44ベン
ト付き2軸押出し機にホッパーから投入した。さらに、
同押出し機のサイドフィーダーから(E)成分を投入し
て溶融押出しすることにより、樹脂組成物を得た。
【0041】得られた組成物を用いて試料を作成し、評
価した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 (比較例1〜4)表2記載の成分を表2記載の量を用い
た他は実施例1〜10と同様にして樹脂組成物を得、試
料を作成し評価した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】 評価方法 得られた樹脂組成物および比較例の樹脂組成物を140
℃にて4時間乾燥した後、35t射出成形機を用いてシ
リンダー温度280℃、金型温度120℃にて、127
mm×12.7mm×1.6mm厚バーの射出成形を行
い、80t射出成形機を用いて、シリンダー温度280
℃、金型温度120℃にて、127×12.7×6.4
mm厚バー、および、ASTM1号ダンベル(3.2m
m厚)試験片の射出成形を行ない、以下の評価を行なっ
た。 <難燃性>1.6mm厚バーを用いて、UL94に記載
された垂直燃焼試験法に従い難燃性を評価した。 <引張強度>ASTM1号ダンベル(3.2mm厚)試
験片を用いて、ASTM D−638に従い引張試験を
行い、最大強度を求めた。 <曲げ強度>6.4mm厚バーを用いて、ASTM D
−790に従い曲げ試験を行い、最大強度を求めた。 <成形直後表面性評価>成形直後の表面性を平板成形品
で観察して、次の基準で評価した。○:光沢良好、△:
若干光沢あり、×:光沢悪い。 <耐湿熱後表面性評価>耐湿熱性処理前後のダンベル成
形品を目視にて観察して、次の基準で評価した。○:光
沢良好、△:若干光沢悪い、×:光沢悪い。
【0044】
【発明の効果】本発明の耐湿熱性の改良された難燃ポリ
エステル系樹脂組成物は、低分子難燃剤である臭素化ジ
フェニルアルカンを添加しても、成形品表面に難燃剤の
ブリードアウトによるクモリが発生せず、金型への付着
物のない、表面性が良好な難燃性樹脂組成物。また、成
形加工性(生産性)も良好であり、工業的にも非常に有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/03 C08K 5/03 5/098 5/098 5/29 5/29 5/353 5/353 7/04 7/04 //(C08L 67/02 (C08L 67/02 23:02 23:02 63:00) 63:00) Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA21 AA42 AA45 AA46 AA47 AB03 AB17 AB18 AB19 AB20 AB21 AB24 AB26 AB28 AB29 AC04 AC09 AC11 AC12 AC19 AE07 AE17 AE22 AF47 AH09 AH12 BA01 BB02 BB03 BB04 BB05 BB06 BC01 4J002 BB032 BB122 BB172 CD013 CD023 CD033 CD053 CD063 CD123 CD133 CD193 CF051 CF061 CF071 CM053 DA018 DE079 DE109 DE127 DE139 DE187 DE188 DE238 DE239 DG058 DG059 DJ008 DJ009 DJ038 DJ048 DJ049 DJ058 DL008 EB136 EG029 EG039 EG057 EG079 EJ056 EU026 EU219 FA018 FA048 FA088 FA098 FA108 FB098 FD018 FD069 FD136 FD137

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル100重量
    部に対して、(B)分子量が1000以下の臭素系難燃
    剤5〜100重量部、及び(C)オレフィン系樹脂1〜
    10重量部を配合してなる難燃性ポリエステル系樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (B)分子量が1000以下の臭素系難
    燃剤が臭素化ジフェニルアルカンである、請求項1に記
    載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)オレフィン系樹脂の溶融粘度が、
    JIS K7210に準じて、230℃、押出し荷重
    2.16Kg条件下で0.1〜25g/10分である、
    請求項1又は2に記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に(D)アンチモン化合物30重量部
    以下を添加してなる、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (D)アンチモン化合物が、アンチモン
    酸ナトリウム、および/または五酸化アンチモンと酸化
    ナトリウムとの混合物である、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 更に(E)強化充填剤200重量部以下
    を添加してなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関する。
  7. 【請求項7】 更に(F)結晶化促進剤を添加してな
    る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ポリエ
    ステル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 更に(G)多官能性化合物を添加してな
    る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性ポリエ
    ステル系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難
    燃性ポリエステル系樹脂組成物を用いて成形された成型
    品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005120119A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 難燃性射出成形体
JP2006056997A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品
WO2009020943A1 (en) * 2007-08-06 2009-02-12 E.I. Du Pont De Nemours And Company Flame retardant polytrimethylene terephthalate composition
CN116200013A (zh) * 2023-02-24 2023-06-02 金发科技股份有限公司 一种pet组合物及其制备方法和应用

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