JP2001130872A - クレーン用伸縮ジブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、揚程及び最大許容軸荷重の同じ境
界条件において一層高い定格荷重が可能となるクレーン
用伸縮ジブを提供することにある。 【解決手段】 本発明は、クレーン、特に移動式クレー
ン用の伸縮ジブであって、主ジブを有し、この主ジブが
１つの基箱とその中で入れ子式に進入及び進出可能な複
数のジブ部分とを有し、基箱と伸縮ジブ部分が異形材か
らなり、各伸縮ジブ部分が同じ態様又は異なる態様に構
成される上殻と下殻とを有し、これら上下殻の相向き合
う脚部が互いに溶接されており、上殻の呼び壁厚が下殻
の呼び壁厚に最高で等しく又はそれよりも小さいものに
おいて、下殻５の少なくとも一部が、横断面で見て、相
互距離９を置いて空隙を有する２つの外側薄板８，８’
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１の前文に
記載された、クレーン、特に移動式クレーン用の伸縮ジ
ブであって、主ジブを有し、この主ジブが１つの基箱と
その中で入れ子式に進入及び進出可能な複数の伸縮ジブ
部分とを有するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】類似概念に係る種類の伸縮ジブは、例え
ばドイツ公開特許第ＤＥ１９７１１９７５Ａ１号公報に
より公知である。この伸縮ジブは、１つの基箱とその中
で入れ子式に進入及び進出可能な複数の伸縮ジブ部分と
からなる。基箱と伸縮ジブ部分は異形材からなり、各伸
縮ジブ部分は上殻と下殻とを有し、これら上下殻の相向
き合う脚部が互いに溶接されている。上殻の呼び壁厚は
一般に下殻の呼び壁厚よりも薄い。しかし、両方の殻が
同じ呼び壁厚を有して実施されることもある。

【０００３】用語の呼び壁厚は、板の製造方法によって
生じる壁厚変動が横方向でも縦方向でもここでは考慮さ
れないことを明確にするために意識的に選択されてい
る。両方の殻の呼び壁厚は、横方向に見ても縦方向に見
ても一定であり、値は最大負荷領域に合わせられる。こ
の最大負荷領域用の壁厚の設計は、ジブの重量をも実質
的に決定する。他の決定値は所要のジブ長であり、これ
により被伸縮ジブ部分の所要数も確定される。道路交通
許可令によって最大軸荷重が定められており、ジブの重
量の故に、すぐ吊上げ能力及び揚程の限界に達する。ジ
ブ全体を分解し、この分解したジブを別途輸送すること
は、上記問題を解決する可能性の１つである。その際の
欠点は、利用場所の事情によって、ジブの組立・分解搬
出と付加的輸送搬出がきわめて困難なことがある点であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、揚程
及び最大許容軸荷重の同じ境界条件において一層高い定
格荷重が可能となるように、類似概念に従って構成され
たクレーン用伸縮ジブを改良することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題は、請求項１の
前文から出発して特徴部分の特徴と合わせて解決され
る。有利な諸構成はそれぞれ従属請求項の対象である。

【０００６】本発明の教示によれば、殻の少なくとも一
部が、横断面で見て、相互距離を置いて空隙を有する２
つの外側薄板を備えている。この空隙は充填材で一部を
又は完全に満たしておくことができる。強さと重量とを
考慮して金属発泡体が好ましい充填材であることが判明
した。好ましくはアルミニウム・金属発泡体が使用され
る。このサンドイッチ構造の利点として、ジブの自重は
剛性及び耐座屈性を損なうことなく劇的に下げることが
できる。このようなジブを製造するための製造支出は確
かに一層高いが、吊上げ荷重の上昇によって十二分に埋
め合わされる。横方向で殻が負荷に適合した呼び壁厚を
有するとき、サンドイッチ構造の利点はなお高めること
ができる。このことの利点として、最大負荷領域にその
ために必要な壁厚を備えているが、負荷の少ない残りの
領域には一層薄い壁を備えることができる。しかし、サ
ンドイッチ構造を適用する場合、当業者は局所的力の導
入の大きい領域、例えばボルト締め領域、が生じること
に留意しなければならない。これらの領域には補強部を
設けなければならないであろう。例えば、空隙が中実部
材で満たされ、又は外側薄板に一層大きな厚さが持たせ
られる。

【０００７】桁要素をサンドイッチ構造に構成する原理
は、基箱と伸縮自在ジブ部分だけでなく、最も内側のジ
ブ部分の頭部に取付可能な箱状延長部にも適用可能であ
る。ジブの頭部領域内での重量分布は、利用可能な吊上
げ荷重をかなり決定するので、特別に重要である。ここ
で指摘しておくなら、サンドイッチ構造の適用はジブ部
分の横断面形状に左右されない。ジブ部分が横断面で長
方形であるか、卵形面であるか、卵形であるか、それと
も円形であるかは重要でない。サンドイッチ構造の原理
はラチスマストクレーンにおいても適用可能である。こ
の場合危険なのは、座屈荷重を受ける弦管である。とこ
ろが、弦管に金属発泡体を充填すると、弦管の壁厚は著
しく減少し、これによって重量節約がもたらされるであ
ろう。

【０００８】

【発明の実施の形態】図面において、本発明により構成
された伸縮ジブが幾つかの原理図に基づいて詳しく説明
される。

【０００９】伸縮ジブ１（図３）の本発明により構成さ
れた伸縮自在のジブ部分３が、図１の横断面図で示され
ている。図示されたジブ部分３は、半箱形に構成される
上殻４と、Ｕ字形に構成される下殻５とからなってい
る。相向き合う脚部は、各１つの縦溶接継手６，７によ
って互いに結合されている。この実施形態では、下殻５
がサンドイッチ構造に製造されている。図２はＸ部の詳
細を示している。このサンドイッチ構造は、相互距離９
を有して配置される２つの外側薄板８，８’を特徴とし
ている。両方の外側薄板８，８’間の空隙は空にしてお
くことができ、あるいは一部を又は完全に充填しておく
ことができる。この実施形態では空隙が金属発泡体１０
で満たされている。好ましくはアルミニウム・金属発泡
体が使用されている。金属発泡体は比自重がきわめて小
さく、包み込む外側薄板８，８’の厚さが薄いので、サ
ンドイッチ構造で製造される下殻５の単位平面要素は中
実板から製造されたものよりも全体として一層軽量であ
る。

【００１０】図３の長手方向概要図で示す伸縮ジブ１
は、基箱２と簡略化のために単に１つの伸縮自在ジブ部
分３とを有する。一般に伸縮ジブは、複数の伸縮自在ジ
ブ部分を有する。この図では力の導入が局所的に大きい
領域が意識的に強調されている。これは一方で上側支承
箇所１１（Ｆｈ）と下側支承個所１２（Ｆｖ）、他方で
鎖錠箇所１３．１，１３．２，１３．３である。

【００１１】次に、サンドイッチ構造を適用するとき、
このような領域をどのように適切に補強することが可能
であるかが図４に示されている。このため、強い荷重を
受ける箇所で金属発泡体１０の充填が中断又は除去さ
れ、それに代えて中実部材１４が介装されている。この
結合は溶接継手１５，１５’を介して行われる。選択的
に、金属発泡体１０の充填をそのままにして、それに代
えて外側薄板８，８’の厚さを強化することも可能であ
る。この可能性が破線で示唆されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】伸縮ジブの本発明により構成されたジブ部分を
示す横断面図である。

【図２】図１のＸ部を示す詳細図である。

【図３】力の導入が局所的に大きい領域を示す長手方向
概要図である。

【図４】補強例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 伸縮ジブ ２ 基箱 ３ ジブ部分 ４ 上殻 ５ 下殻 ６，７ 溶接継手 ８，８’ 外側薄板 ９ 相互距離 １０ 金属発泡体 １４ 中実部材

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレーン、特に移動式クレーン用の伸縮
   ジブであって、主ジブを有し、この主ジブが１つの基箱
   とその中で入れ子式に進入及び進出可能な複数のジブ部
   分とを有し、基箱と伸縮ジブ部分が異形材からなり、各
   伸縮ジブ部分が同じ態様又は異なる態様に構成される上
   殻と下殻とを有し、これら上下殻の相向き合う脚部が互
   いに溶接されており、上殻の呼び壁厚が下殻の呼び壁厚
   に最高で等しく又はそれよりも小さいものにおいて、殻
   （５）の少なくとも一部が、横断面で見て、相互距離
   （９）を置いて空隙を有する２つの外側薄板（８，
   ８’）を備えていることを特徴とする伸縮ジブ。
2. 【請求項２】 空隙が充填材で一部を又は完全に満たさ
   れていることを特徴とする、請求項１に記載の伸縮ジ
   ブ。
3. 【請求項３】 充填材が金属発泡体（１０）であること
   を特徴とする、請求項２に記載の伸縮ジブ。
4. 【請求項４】 充填材にアルミニウム・金属発泡体が使
   用されていることを特徴とする、請求項３に記載の伸縮
   ジブ。
5. 【請求項５】 下殻（５）がサンドイッチ構造に製造さ
   れていることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１
   項に記載の伸縮ジブ。
6. 【請求項６】 下殻（５）が応力及び座屈の危険のある
   頂部領域に呼び壁厚を有し、この呼び壁厚が湾曲領域を
   越えて直線腹部領域に至るまで連続的に又は不連続的
   に、所要の最低壁厚まで減少していることを特徴とす
   る、請求項５に記載の伸縮ジブ。
7. 【請求項７】 下殻（５）がＵ字形に構成され、下殻
   （５）の頂部領域が水平腹部として構成されていること
   を特徴とする、請求項５又は６項に記載の伸縮ジブ。
8. 【請求項８】 上殻（４）が、応力の危険のある領域
   に、残りの領域よりも大きい呼び壁厚を有することを特
   徴とする、請求項１〜７のいずれか１項に記載の伸縮ジ
   ブ。
9. 【請求項９】 伸縮ジブ（１）のうち、サンドイッチ構
   造に実施されて局所的力の作用の大きい領域にある部分
   がすべて補強部を有することを特徴とする、請求項１〜
   ８のいずれか１項に記載の伸縮ジブ。
10. 【請求項１０】 強い荷重を受ける領域内で空隙が中実
    部材（１４）で満たされていることを特徴とする、請求
    項９に記載の伸縮ジブ。
11. 【請求項１１】 強い荷重を受ける領域内で外側薄板
    （８，８’）が一層大きな厚さを有することを特徴とす
    る、請求項９に記載の伸縮ジブ。