JP2001129764A - シリコン加工用工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加工方法 - Google Patents

シリコン加工用工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加工方法

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JP2001129764A
JP2001129764A JP27860899A JP27860899A JP2001129764A JP 2001129764 A JP2001129764 A JP 2001129764A JP 27860899 A JP27860899 A JP 27860899A JP 27860899 A JP27860899 A JP 27860899A JP 2001129764 A JP2001129764 A JP 2001129764A
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silica
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Toshiyuki Enomoto
俊之 榎本
Yasuhiro Tani
泰弘 谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンに対してメカノケミカル作用を生
じ、かつコンタミネーションとなる反応生成物をシリコ
ン上に形成しない、シリカ砥粒を用いたシリコン加工用
工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加工方法
を提供する。 【解決手段】 シリカを必要に応じ固体潤滑剤等の添加
剤とともに液状樹脂に入れて攪拌混合し、シリカ砥粒を
含む結合剤樹脂(混合物)を得る。この際、シリカの砥
粒率を10〜70体積%に設定し、シリカ粒子の平均粒
径を0.8nm〜10μmに設定する。この後、各々の
結合剤に適した砥石成形法によってシリカ砥粒の砥石1
を得て、加工機械の研削部10に装着し、シリコンウェ
ーハ2を研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンを高品位
・高能率に研削加工するための固定砥粒加工工具及びそ
の製造方法並びにその工具を用いた加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンウェーハの仕上げ加工に
は、コロイダルシリカを研磨剤スラリーとして用い、柔
軟な研磨布を工具として用いた研磨加工が行われてき
た。しかしながら、研磨加工においては、スラリーを使
用するため、劣悪な加工環境、廃液処理、高いランニン
グコスト、低い加工能率、低い形状精度(平坦度)、と
いった問題が生じてしまう。そのため、シリコンウェー
ハの仕上げ加工を、固定砥粒加工方式、つまり研削砥石
や研磨フィルムなどの固定砥粒加工工具により行うこと
が望まれており、いくつかの工具の考案、開発がなされ
ている。
【0003】ここで、炭酸バリウムがシリコンとメカノ
ケミカル反応を生じることに着目した従来技術として
は、例えば、特開平5−285844号公報(以下、第
1従来例という)、特開平5−285847号公報(以
下、第2従来例という)、あるいは特開平10−329
032号公報(以下、第3従来例という)に記載された
ものがある。
【0004】第1〜第3従来例に記載されたものでは、
砥粒に炭酸バリウムを用いた研削砥石を構成し、砥粒と
シリコンとの間でメカノケミカル反応が生じることを利
用して、遊離砥粒研磨加工仕上げ相当の、加工ダメージ
の残留しない、極めて高い加工面品位を得ることを図っ
ている。このように砥粒に炭酸バリウムを用いること
で、従来の研磨加工を研削加工で代替することを可能と
している。
【0005】一方、シリカはシリコンに対してメカノケ
ミカル作用を生じ、また構成元素がシリコンと酸素であ
るため、シリコン上にコンタミネーションとなる反応生
成物を形成することがない。さらに、機械硬度的にシリ
カは炭酸バリウムよりも高いため、高い加工面品位を維
持しながら、高い除去能率を実現することができる。
【0006】シリカを骨材として用い、レジンボンド砥
石を製造するものには、例えば、特開平8−27636
6号公報(以下、第4従来例という)に記載されたもの
がある。また、シリカをサファイア基板用の砥粒として
用いた研削砥石としては、例えば、特開平5−2858
43号公報(以下、第5従来例という)、特開平10−
166259号公報(以下、第6従来例という)、ある
いは特開平9−47969号公報(以下、第7従来例と
いう)に記載されたものがある。
【0007】第4従来例に記載されたものでは、シリカ
をメカノケミカル作用を発現する砥粒としては用いず、
骨材として用いることによって砥粒の分散性向上や結合
剤比重調整等を図っている。
【0008】第5、第6従来例に記載されたものでは、
サファイアよりも力学的に軟質なシリカを砥粒としてサ
ファイア研磨用砥石を構成し、砥粒とサファイアの接触
点でメカノケミカル反応が生じることを利用して、サフ
ァイアの高品位研削を図っている。
【0009】第7従来例に記載されたものでは、砥粒と
して超微粉(数十nm以下)のシリカを用い、所定の空
孔率で成形した研削砥石によって、シリコンウェーハ等
を目詰まりなく高精度に鏡面研磨することを図ってい
る。なお、第7従来例に記載されたものは、シリカ砥粒
の使用でメカノケミカル作用を生じさせることを主な目
的とはしていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1〜
第3従来例のように砥粒として炭酸バリウムを用いた場
合、炭酸バリウムとシリコンとのメカノケミカル反応に
おいては、それらの化合物(バリウムとシリコンと酸素
とからなる化合物)がシリコン上に生成されてしまうた
め、そのままではコンタミネーションとなってしまい、
加工面品位を劣化させてしまう恐れがあり、また後工程
として洗浄工程を要する。また、炭酸バリウムはシリコ
ンに比べ、機械硬度が低く、高品位加工を実現しやすい
が、反面、生産工程で用いるには、除去能率が低すぎ
る、という問題がある。
【0011】一方、シリカは第4従来例のようにレジン
ボンド砥石製造において砥粒の分散性向上や結合剤比重
調整を目的に骨材として用いることが一般的である。第
5、第6従来例ではサファイア研磨用の砥粒として用い
られているが、シリカをシリコンウェーハ用の砥粒とす
ることについては考慮されていない。第7従来例では砥
粒として超微粉(数十nm以下)のシリカを用いている
ので、前述の高い除去能率を達成することは難しい。
【0012】本発明の目的は、このような課題を解決
し、シリコンに対してメカノケミカル作用を生じ、かつ
コンタミネーションとなる反応生成物をシリコン上に形
成しない、シリカ砥粒を用いたシリコン加工用工具及び
その製造方法並びにその工具を用いた加工方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シリコンウェーハを固定砥粒加工するシリコン加工用工
具であって、砥粒がシリカで形成されたことに特徴があ
る。
【0014】シリカはシリコンに対してメカノケミカル
作用を生じ、その構成元素がシリコンと酸素であること
から、シリコンウェーハ上にコンタミネーションとなる
反応生成物を形成することがない。さらに、機械硬度的
にも優れ、高い加工面品位を維持しながら高い除去能率
を実現できる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1において
前記シリカの一次粒子の平均粒径が0.8nm〜10μ
mであることに特徴がある。
【0016】砥粒として使用するシリカの平均粒径が
0.8nm未満であると、機械的作用が微小になりす
ぎ、所望のメカノケミカル作用を発生することができな
い。一方、10μmを超えると、機械的作用が強すぎ、
工作物であるシリコン表面に加工ダメージを発生させる
恐れがある。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
おいて前記シリカの砥粒率が10〜70体積%であるこ
とに特徴がある。
【0018】砥粒率が10体積%未満であると、シリカ
砥粒によるシリコンへの作用が発生せず、一方、70体
積%を超えると、砥石目づまりが生じ、その結果、加工
が不安定に陥りやすく、また結合剤量が不十分となり、
加工に適用できる工具強度を維持できない恐れがある。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1〜3にお
いて前記砥粒とともにシリコン加工用工具を形成する結
合剤は、加工時に吸熱反応を生じない材料からなること
に特徴がある。
【0020】シリカは、上述のようにシリコンに対して
メカノケミカル作用を生じるが、その際、加工雰囲気温
度がケミカル作用を生じるのに十分な高い温度となるこ
とが必要である。そのため、工具の結合剤材料として、
例えばアクリル樹脂のように融点の低い材料を用いる
と、加工時に加工熱により結合剤が溶融してしまい、そ
の際、吸熱反応を生じることで加工雰囲気温度を低下さ
せてしまう。その結果、メカノケミカル作用を発生させ
ることが不可能になってしまう。そこで、例えば高分子
材料であれば、フェノール樹脂やポリイミド樹脂等、又
はセラミックスといった材料を結合剤に用いることによ
り、加工時に結合剤が溶融して吸熱反応を生じることを
防ぐことができ、メカノケミカル作用を発生させること
ができる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1〜4にお
いて前記シリコン加工用工具中に含有せしめる添加剤
は、加工時に吸熱反応を生じない材料からなることに特
徴がある。
【0022】砥粒加工工具中には、工具の強度向上や潤
滑性向上、等を目的として様々な添加剤が含有される。
ここで上述のように、添加剤として加工時に吸熱反応を
生じる材料を用いると、加工雰囲気温度を低下させてし
まい、その結果、メカノケミカル作用を発生させること
が不可能になってしまう。そこで、例えばカーボンや二
硫化モリブデンといった材料を添加剤に用いることによ
り、加工時に添加剤が溶融して吸熱反応を生じることを
防ぐことができ、メカノケミカル作用を発生させること
ができる。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のシリコン加工用工具の製造方法であっ
て、結合剤材料とシリカ砥粒とを攪拌混合する混合工程
と、該混合工程で生成された混合物を工具に成形する成
形工程と、を有することに特徴がある。
【0024】結合剤材料としては、加工目的に応じて、
樹脂、セラミックス、金属材料、シリケート、マグネシ
ア、等を用いることができるが、結合剤をまったく含ま
ないことも可能である。結合剤をまったく含まない場
合、シリカ砥粒は互いにシロキサン結合により結びつい
て、工具を形成する。そして、例えばレジンボンド砥石
を製造する場合には、その混合物の加圧焼成、乾燥を行
う方法を用いる。また、この他に電気泳動現象を利用し
た製造方法(特願平10−349063号参照)を用い
ることができる。ビトリファイド砥石を製造する場合に
は、その混合物の加圧焼成、乾燥を行う方法を用いる。
メタルボンド砥石を製造する場合には、電着法や熱間加
圧法等を用いる。また、フィルム状の工具を製造する場
合には、その混合物を基材となる樹脂フィルム(例え
ば、ポリエチテレフタレートフィルム)上に塗布する。
なお、砥粒としてはシリカを用いるが、必要に応じて、
固体潤滑剤等の添加剤も併せて結合剤中に含有せしめる
ことができる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のシリコン加工用工具を用いて、シリコン
ウェーハを機械加工する工程を有することに特徴があ
る。
【0026】この工程で用いる加工機械としては、工具
形態等に応じて、いかなる機械加工方式のものをも採用
することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、シ
リコンに対してメカノケミカル作用を生じるシリカを砥
粒として用いた、研削砥石や研磨フィルム等の固定砥粒
加工用工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加
工方法の広範囲な応用をも含むものである。
【0028】シリコンウェーハを固定砥粒加工する本実
施形態のシリコン加工用工具は、混合工程と成形工程と
によって製造される。混合工程では、シリカを必要に応
じ固体潤滑剤等の添加剤とともに液状樹脂に入れて攪拌
混合し、シリカ砥粒を含む結合剤樹脂(混合物)を得
る。
【0029】この際、シリカの砥粒率を10〜70体積
%に設定し、また、シリカ粒子の平均粒径を0.8nm
〜10μmに設定する。
【0030】また、結合剤材料としては樹脂に限らず、
加工目的に応じてセラミックス、金属、等を用いてもよ
いが、前述の理由から加工時に吸熱反応を生じない材料
を用いる。例えば、高分子材料としては、フェノール樹
脂、ポリイミド樹脂、等を用いる。
【0031】また、添加剤についても、前述の理由から
加工時に吸熱反応を生じない材料を用いる。例えば、カ
ーボン、二硫化モリブデン、等を用いる。
【0032】混合工程が終了したら、各々の結合剤に適
した砥石成形法によってシリカ砥粒の砥石を得る。
【0033】ここで、レジンボンド砥石やビトリファイ
ド砥石を製造する場合には、混合工程で得られた混合物
の加圧焼成、乾燥を行う。メタルボンド砥石を製造する
場合には、電着法や熱間加圧法等を用いる。また、フィ
ルム状の工具を製造する場合には、成形工程に先立って
樹脂フィルム上に結合剤樹脂(混合物)を塗布する塗布
工程を要する。この塗布工程では、その混合物を基材と
なる樹脂フィルム(例えば、ポリエチテレフタレートフ
ィルム)上に塗布する。
【0034】フィルム状工具の基材としては、前記ポリ
エチテレフタレートフィルムに限らず、例えば、ポリイ
ミド、ポリカーボネート、等のプラスチックフィルム
や、合成紙、不織布、金属箔、等を用いてもよい。
【0035】また、前記混合物を基材へ塗布する塗布手
段としては、ワイヤバーコーダ、グラビアコーダ、リバ
ースローラコータ、ナイフコータ、等を用いてもよい。
【0036】本実施形態のシリコンウェーハ加工方法
は、前述のように製造されたシリコン加工用工具を用
い、シリコンウェーハを固定砥粒加工する工程を有す
る。なお、加工方法としては、例えば、ウェーハ平面研
削加工、ウェーハ平面研磨フィルム加工、ウェーハ外周
部研削加工、ウェーハ外周部研磨フィルム加工、等があ
る。
【0037】この工程では、シリカ砥粒の砥石あるいは
シリカ砥粒の研磨フィルムを加工機械に装着し、所定の
寸法になるまで研削する。
【0038】この際、加工機械としては特に限定され
ず、工具形態等に応じた機械加工方式のものを適宜採用
してよい。
【0039】本実施形態では、シリカを砥粒とすること
によって、シリコンを、コンタミネーションを生じるこ
となく、加工ダメージフリーといった極めて高い加工面
品位に仕上げることができる。その結果、現在、シリコ
ンウェーハの仕上げ加工に用いられている研磨加工に比
べ、同程度の加工面品位を、より高能率に達成すること
ができ、あわせて、より高い形状精度(平坦度)を得る
ことができる。さらには、研磨加工のように、遊離砥粒
スラリーを使用しないため、環境的にも優れ、またコス
トも低減することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。 [実施例1]まず、平均粒径30nmのヒュームドシリ
カ(砥粒率50体積%)を湿潤剤とともに、液状アクリ
ル樹脂に入れ、ホモジナイザで5分間、攪拌混合する。
そして、得られた結合剤樹脂を、圧力50MPa、加熱
温度150℃のもと30分間、加圧焼成し、さらに20
分間乾燥し、揮発成分を除去することで、シリカ砥粒の
レジンボンド砥石を得る。この際、結合剤の種類として
は樹脂に限定されるものではなく、加工時に吸熱反応を
生じない材料であれば、樹脂、セラミックス、金属のい
ずれでもよく、各々の結合剤に適した砥石成形法を採用
する。また、添加剤(湿潤剤)についても、加工時に吸
熱反応を生じない材料を採用する。
【0041】こうして製作した研削砥石を縦型インフィ
ード研削盤に装着し、8インチのシリコンウェーハ(ラ
ップ加工あがり)を研削加工した結果、30秒の加工
(取り代30μm)で、1nmRy以下の加工面粗さ、
マイクロクラックフリー(断面TEM観察による)の高
品位加工面を得ることができた。
【0042】ここで、図1は前述の研削砥石1を縦型イ
ンフィード研削盤の回転研削部10にリング状に装着
し、加工物載置台20にシリコンウェーハ2を載置・固
定したものを示す。この回転研削部10は所定速度で回
転し、加工物載置台20はその所定速度よりも低速で同
一方向に回転する。また、加工物載置台20は回転研削
部10と異なる回転軸で回転することによってシリコン
ウェーハ2を研削位置に一定速度で送り込み、所望の寸
法まで連続研削する。
【0043】[実施例2]まず、平均粒径80nmのコ
ロイダルシリカ(砥粒率65体積%)を、液状ウレタン
樹脂に入れ、ホモジナイザで5分間、攪拌混合する。そ
して、得られた結合剤樹脂を、ポリエチテレフタレート
フィルム上に厚み3μmになるように塗布する。次に、
10分間加熱することにより、乾燥及び硬化処理を施
し、研磨フィルムを得る。
【0044】こうして製作した研磨フィルムにより、6
インチのシリコンウェーハの外周部を加工した結果、2
分間の加工で、スクラッチフリーの高品位加工面を得る
ことができた。
【0045】ここで、図2は前述の研磨フィルム33を
供給スプール31と巻き取りスプール32に掛け渡し、
その研磨フィルム33の研磨面にシリコンウェーハ2の
外周部あるいはノッチ部を押付荷重し、研磨フィルム3
3を繰り出し巻き取ることによって研磨加工する加工機
械を示す。
【0046】[実施例3]まず、平均粒径30nmのコ
ロイダルシリカ(砥粒率20体積%)を、及び水溶性高
分子(結合剤、30体積%)を溶媒(水、50体積%)
に添加、混合する。そして、得られた混合溶液中に陽極
と陰極とを設け、極間に直流10ボルトの電圧を印加
し、その混合溶液を低速で攪拌混合しながら、60分間
電気泳動を施した。こうして陽極電極の周りに5nm程
度の厚さの砥粒層が形成されたので、この砥粒層を陽極
電極より切り取り、厚さ5nmの砥石ペレットに整形し
た。その後、100℃で1時間乾燥を施し、シリカ砥粒
のレジンボンド砥石を得た。
【0047】こうして製作した研削砥石を縦型インフィ
ード研削盤(図1に示す)に装着し、8インチのシリコ
ンウェーハ(ラップ加工あがり)を研削加工した結果、
30秒の加工(取り代30μm)で、1nmRy以下の
加工面粗さ、マイクロクラックフリー(断面TEM観察
による)の高品位加工面を得ることができた。
【0048】
【発明の効果】請求項1、6、7記載の発明によれば、
シリコンウェーハを固定砥粒加工するための砥粒として
シリカを用いるので、シリカによるメカノケミカル作用
を利用し、高い加工面品位を維持しながら、高い除去能
率を実現することができる。
【0049】すなわち、シリカはシリコンに対しメカノ
ケミカル作用を生じ、また構成元素がシリコンと酸素で
あるため、シリコン上にコンタミネーションとなる反応
生成物を形成することがない。さらに、機械硬度的にシ
リカは炭酸バリウムよりも高いため、高い加工面品位を
維持しながら、高い除去能率を実現することができる。
【0050】こうして、現在、シリコンウェーハの仕上
げ加工に用いられている研磨加工に比べ、同程度の加工
面品位を、より高能率に達成することができ、同時に、
より高い形状精度(平坦度)を得ることができる。
【0051】さらには、研磨加工のように、遊離砥粒ス
ラリーを使用しないため、環境的にも優れ、またコスト
も低減することができる。
【0052】請求項2、6、7記載の発明によれば、前
記シリカの一次粒子の平均粒径が0.8nm〜10μm
であるので、シリカのシリコンに対するメカノケミカル
作用を十分に生じせしめることができる。なお、シリカ
の平均粒径が0.8nm未満であると、機械的作用が微
小で所望のメカノケミカル作用を発生することができ
ず、一方、10μmを超えると、機械的作用が強すぎて
工作物であるシリコン表面に加工ダメージを発生させる
恐れがあるため、好ましくない。
【0053】請求項3、6、7記載の発明によれば、前
記シリカの砥粒率が10〜70体積%であるので、シリ
カのシリコンに対するメカノケミカル作用を生じせしめ
るとともに必要な工具強度を維持することが可能であ
る。なお、砥粒率が10体積%未満であると、シリカ砥
粒によるシリコンへの作用が発生せず、一方、70体積
%を超えると、砥石目づまりが生じ、その結果、加工が
不安定に陥りやすく、また結合剤量が不十分となり、加
工に適用できる工具強度を維持できない恐れがあるた
め、好ましくない。
【0054】請求項4、5、6、7記載の発明によれ
ば、シリコン加工用工具において、加工時に吸熱反応を
生じない材料を結合剤あるいは/及び添加剤に用いるの
で、メカノケミカル作用発生の阻害要因となる、加工雰
囲気温度の低下を抑制することができ、その結果、極め
て高い加工面品位を高い加工効率で達成することができ
る。
【0055】以上説明したように、本発明によれば、シ
リコンに対しメカノケミカル作用を生じることで、加工
ダメージフリーといった極めて高い加工面品位に仕上げ
ることができ、かつ、コンタミネーションとなる反応生
成物をシリコン上に形成しない、シリカ砥粒を用いた砥
粒工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加工方
法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるシリコンウェー
ハの機械加工方法を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例におけるシリコンウェー
ハの機械加工方法を示す図である。
【符号の説明】
1 研削砥石 2 シリコンウェーハ 10 回転研削部 20 加工物載置台 31 供給スプール 32 巻き取りスプール 33 研磨フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/34 B24D 3/34 Z H01L 21/304 622 H01L 21/304 622F Fターム(参考) 3C063 AA02 AB02 BB01 BB07 BB18 BC01 BC03 BC08 BC10 BD01 BD04 EE10 FF23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンウェーハを固定砥粒加工するシリ
    コン加工用工具であって、 砥粒がシリカで形成されたことを特徴とするシリコン加
    工用工具。
  2. 【請求項2】前記シリカの一次粒子の平均粒径が0.8
    nm〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の
    シリコン加工用工具。
  3. 【請求項3】前記シリカの砥粒率が10〜70体積%で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコン加
    工用工具。
  4. 【請求項4】前記砥粒とともにシリコン加工用工具を形
    成する結合剤は、加工時に吸熱反応を生じない材料から
    なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    シリコン加工用工具。
  5. 【請求項5】前記シリコン加工用工具中に含有せしめる
    添加剤は、加工時に吸熱反応を生じない材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリコ
    ン加工用工具。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のシリコン
    加工用工具の製造方法であって、 結合剤材料とシリカ砥粒とを攪拌混合する混合工程と、 該混合工程で生成された混合物を工具に成形する成形工
    程と、 を有することを特徴とするシリコン加工用工具の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のシリコン
    加工用工具を用いて、シリコンウェーハを機械加工する
    工程を有することを特徴とする加工方法。
JP27860899A 1999-08-24 1999-09-30 シリコン加工用工具及びその製造方法並びにその工具を用いた加工方法 Pending JP2001129764A (ja)

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