JP2001128983A - 医療用縫合針及び医療用縫合針の製造方法 - Google Patents
医療用縫合針及び医療用縫合針の製造方法Info
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Abstract
って、曲げに対する強度を向上すると共に刺通抵抗を軽
減させる。 【解決手段】 本発明に係る医療用縫合針Aは、 生体
組織を刺通するための針先部1と、縫合糸を取り付ける
元端部4と、前記針先部1と前記元端部4との間に形成
される胴部3と、を有し、少なくとも前記胴部は、互い
に対向する一対の平らな面6と、該一対の平らな面6の
対向方向と交差する方向で互いに対向する一対の溝5と
から構成され、該一対の溝5はそれぞれエッジが形成さ
れない曲面により形成され、また前記平らな面6と前記
溝5との間の接合部7も曲面により形成され、前記一対
の溝5が側面となる湾曲針であることを特徴とする。
Description
はかると共に刺通抵抗を低減させた医療用縫合針に関す
るものである。
持して操作するものであり、患部を刺通して該患部に縫
合糸を通過させる機能を有する。また医療用縫合針とし
ては異なる形状と寸法を持った多数の種類が提供されて
おり、これらの中から縫合すべき患部に対応して最適な
ものが選択されて使用される。
されると共に該針先から所定長さ部分に針先部が形成さ
れ、この針先部に胴部,元端部が順に連続して形成され
ている。前記針先部は鋭い針先から胴部にかけて徐々に
太さが増しており、個々の医療用縫合針毎に特有の断面
形状を有している。例えば、針先部の断面形状が多角形
であり、該多角形を構成する複数のエッジに切刃を形成
したものがあり、また断面形状が丸で切刃を有しないも
のもある。切刃を有する医療用縫合針では針先が刺通し
た組織を切り裂き、また切刃を有しない医療用縫合針で
は針先が刺通した組織を押し広げる機能を有する。
で、或いは針先部の断面形状の如何に関わらず丸断面
で、且つ断面積は略一定に形成される。特に針先部に切
刃が形成された医療用縫合針であっても、胴部では切刃
は形成されることがない。また元端部は縫合糸を取り付
ける部分であり、バネ性を持った一対の孔柱により形成
された孔や元端面に形成された盲穴を有している。
明する。例えば特開昭63-257539号公報に開示された医
療用縫合針は、図6に示すように、眼科用に構成された
箆状縫合針51に係るものである。この箆状縫合針51で
は、針先部分51aは断面が部分的に同図(c)に示す三
角形から同図(d)に示す四角形で且つ各辺を構成する
面52が凹面として形成されており、各稜線53は前記凹面
が交差することで鋭角状に形成されている。特に、同図
(e)に示す胴部51bに対応する部分では、各稜線53は
切刃又は切刃に準じた鋭い角度を有している。前記箆状
縫合針51では、組織に於ける針先部51aの刃によって切
削された部位に沿って胴部51bの鋭い稜線53が通過する
ことで組織を傷つける部位を限定し、且つ凹面52の組織
への接触を少なくしたことにより刺通抵抗を低減させて
いる。
療用縫合針61は、図7に示すように、針先部61aから針
体部61bに向けて数条の凸部62と凹部63を交互に設けた
ものである。この技術では、前記凹凸部分62,63を図示
しない持針器に設けた凹凸部と一致させて把持すること
で、安定した状態で縫合を行うことが出来る。
よって患部を縫合する場合、持針器による把持部分を支
持部とし針先部分を荷重点とする片持ち梁となり、持針
器による把持部分に大きな撓みが発生し、縫合作業に支
障を与える虞がある。しかし、上記各医療用縫合針はこ
のような問題を解決するものではなく、従って、前記撓
みを低減させるという思想は開示されていない。
材料の強さを向上させることが必要である。しかし、材
料の強さを向上させた場合、脆さが増加して縫合時に折
れ易くなるという問題が派生する。
し曲げ強度)を損なうことなく曲げ強度を向上させ、更
に刺通抵抗を軽減させた医療用縫合針を提供することに
ある。
に、本発明に係る医療用縫合針は、生体組織を刺通する
ための針先部と、縫合糸を取り付ける元端部と、前記針
先部と前記元端部との間に形成される胴部と、を有し、
少なくとも前記胴部は、互いに対向する一対の平らな面
と、該一対の平らな面の対向方向と交差する方向で互い
に対向する一対の溝とから構成され、該一対の溝はそれ
ぞれエッジが形成されない曲面により形成され、また前
記平らな面と前記溝との間の接合部も曲面により形成さ
れ、前記一対の溝が側面となる湾曲針である。
にかけての断面形状が、対向する一対の面と、該面に交
差する方向の凹状の溝とを組み合わせて形成される。こ
のため、一対の面の幅寸法と一対の面の面間距離を適宜
設定することで、断面二次モーメントを大きくすること
が出来、曲げに対する強度を向上することが出来る。従
って、前記一対の面を持針器で把持して患部を縫合する
場合、発生する撓みを小さくして医師の縫合感覚に支障
を来すことがない。
溝とが予め設定された範囲の半径を持った曲面で接続さ
れるため、患部を縫合する際には組織は一対の面から曲
面にかけて接触するものの溝の底部は接触することがな
い。このため、両者の接触面積が小さくなり、刺通抵抗
を軽減することが出来る。さらに、該一対の溝はそれぞ
れエッジが形成されない曲面により形成される構成とす
れば、前記胴部の断面輪郭はエッジが形成されないこと
になり、縫合針を曲げた場合に応力が集中する場所がで
き難く、破損し難い縫合針を提供することができる。
なる湾曲針である場合は、使用者がスナップを効かせて
作業する同種の湾曲針にあって、上記した断面二次モー
メントによる効果を活かすことができる。さらに、前記
縫合針の湾曲方向を基準とした、前記胴部の断面の幅B
と高さHとの関係は、B/H<1である場合により大き
な効果を得ることが出来、また、0.7<B/Hとするこ
とで、持針器で保持した場合の安定性を増加させること
ができる。
する方法として、互いに対向する上駒、下駒と、互いに
対向する右駒、左駒とを有するプレス型を用い、棒状の
中間素材をこれら上駒、下駒、右駒、左駒で挟んで、断
面において一対の平な面と一対の溝とを有する医療用縫
合針を成形するに際し、隣接する駒同士が加圧方向に向
けて接する製造方法に拠ることもができる。
ス加工する際、隣接する駒同士が面接するために加圧力
が均衡するために、常に安定したプレス加工を行うこと
ができる。
互いに隣接する2つの駒同士が一体化した駒を用いて、
上記製造方法を実施することもできる。
形態について図を用いて説明する。図1は縫合針の構成
を説明する図である。図2は胴部の断面形状を説明する
図であり、図1のII−II断面図である。図3は、上記縫
合針をプレス加工するための型の説明図である。
よって組織を刺通した後、該針先1に引き続く針先部2
によって刺通部位を押し広げ、更に、組織を押し広げた
状態を維持して胴部3及び元端部4を通過させること
で、元端部4に取り付けた図示しない縫合糸を通過させ
るものである。このように、組織を切り裂くことがない
ことから、縫合針Aは主として血管の縫合に利用され
る。
から胴部3にかけての両側面に凹状の溝5が形成されて
おり、この溝5を形成することによって、胴部3が、元
の円と同一の断面積であるにも関わらず、その断面二次
モーメントを大幅に増加させている。また縫合針Aは、
針先1から元端部4にかけて予め設定された曲率半径と
曲げ角度を持って湾曲した湾曲針として形成されてい
る。
(針先部2の断面が円形)にのみ限定されるものではな
く、他の断面形状を持った縫合針であっても適用するこ
とが可能である。即ち、針先部に切刃が形成されている
ような縫合針であっても、針先部の断面形状に関わらず
胴部を本実施例と同様な形状に形成することは可能であ
る。また必ずしも湾曲針である必要はなく、直線状の縫
合針であっても適用することが可能である。
範囲内にあり、これらの太さを持った縫合針を縫合すべ
き部位に対応して医師が選択して用いている。従って、
例えば本実施例のように血管を縫合するための縫合針A
であっても、縫合すべき血管の太さや厚さに対応して異
なる太さの、且つ異なる曲率半径と異なる曲げ角度を持
った種々の縫合針Aが採用される。
錐状テーパに形成されて針先1が刺通した組織を切り裂
くことなく押し広げる機能を有し、先端に設けた鋭い針
先1から断面が円形、又は胴部3の近傍から胴部にかけ
て後述する鼓形で且つ針先1からの距離が増加するのに
従って断面積が増加している。
ない持針器によって安定した状態で把持される部位であ
り、断面形状が図2に示すような上部で左右に張り出
し、中央部でへこみ、再び下部で左右に張り出す鼓形に
形成される。そして、かかる胴部においては、針先1か
らの距離が変化しても断面積は略一定の値に維持され
る。
機能を有する部位であり、端面側から所定深さに形成さ
れた盲穴に縫合糸の端部を挿入した後、盲穴の周囲をか
しめて取り付けること、或いは一対のバネ性を持った孔
柱を突出させ、該孔柱の対向する部位に形成したフック
状の抜け止め片によって縫合糸を取り付けるようにする
ことが可能である。本実施例では、縫合針Aは元端部4
の端面に盲穴4aを形成した所謂アイレス針として形成
されている。
説明する。胴部3は、湾曲の内径側と外径側の互いに対
向する面が一対の平らな面6として形成され、湾曲の両
側面が互いに胴部3の中心側に向かって凹状に形成され
た対向する一対の凹面の溝5として形成されている。ま
た平らな面6と溝5との接続部7は、縫合針Aの最も太
い部分の径の10%〜25%の範囲内の曲率半径を持った曲
面によって形成されており、平らな面6と凹状の面から
なる溝5を滑らかに接続して全体が小鼓に類似した形状
(鼓状)に形成されている。
たことにより、持針器は針を安定した状態で保持するこ
とができる。
ずしも曲面である必要はなく、多くの直線を連ねた多角
形状に形成されていても良い。この場合であっても、多
角形状の見掛け上の曲率半径は縫合針Aの最も太い部分
の径の10%〜25%の範囲内であることが好ましい。
胴部3の全長にわたって変化がなく、縫合針Aを構成す
る素材の断面積の値と略等しい。また平らな面6の幅寸
法Bと平らな面6の間の距離(高さ寸法)Hの比率は特
に限定するものではないが、B/Hが1以下であること
が好ましい。前記比率を1以下とすることによって、断
面二次モーメントを大きな値とすることが可能である。
また、同様にB/Hは0.7以上が望ましい。この値より
小さいと持針器が把持した際の安定性に欠けてしまうか
らである。
材の断面が円形である場合、平らな面6の幅寸法Bは円
の直径よりも小さく、高さ寸法Hは円の直径よりも大き
く設定している。特に、胴部3の鼓形を形成する場合、
素材を排除することなく、即ち、切削加工によらず塑性
加工を採用することが好ましい。このように、塑性加工
によって胴部3を形成することで、素材を有効に利用し
て合理的な断面形状に形成することが可能である。
溝5の深さを大きくすることは加工率を高くすることと
なり、素材の硬度を高めることが可能となる。しかし、
素材の硬度を高めることは柔軟性を阻害することとな
り、折れ易くなることを意味している。従って、溝5の
深さには限度があり、無制限に深くし得るものではな
い。また溝5の形状としては、底部をなだらかにしたV
字状,円弧状等が挙げられるが、円弧状にした場合の曲
率半径は、縫合針Aの最も太い部位の径の15%〜45%程
度であることが好ましい。
径が0.45mmであり、平らな面6の幅寸法Bを0.381mm、
高さHを0.470mmに設定し、溝5の曲率半径を0.150mmと
している。そして前記曲率半径を持った溝5と平らな面
6を種々の曲率半径を持った曲面によって接続部7を形
成してテストピースとし、刺通試験や曲げ試験を実施し
た。
は、縫合針Aに於ける最も太い部位(胴部3と元端部4
との接続部位及びその近傍)の太さの10%〜25%の範囲
で好ましい結果を得ている。即ち、接続部7の曲率半径
が前記範囲よりも小さくなると、該接続部7が鋭くなっ
て折り曲げたときに変形が集中して折れ易くなり、前記
範囲よりも大きくなると、溝5の寸法が小さくなって組
織との接触が増加して刺通抵抗を軽減することが困難と
なる。
盲穴を有する縫合針では胴部と元端部との接続部位及び
その近傍であり、元端部に一対の孔柱を有する縫合針で
は胴部の中央部位付近である。縫合針をこのように構成
することによって、対向する一対の面と溝とが予め設定
された範囲の半径を持った曲面で接続されるため、患部
を縫合する際には組織は一対の面から曲面にかけて接触
するものの溝の底部は接触することがない。このため、
両者の接触面積が小さくなり、刺通抵抗を軽減すること
が出来る。
部3に形成した溝5に組織が接触することがないため、
刺通抵抗が低減した。例えば、従来の胴部の断面が丸で
且つ太さが同じものと比較した場合、従来の縫合針によ
る刺通抵抗が110gであったのに対し、本実施例の縫合
針Aでは100gであった。この値は刺通抵抗を低減させ
ることが困難な、組織を切り裂かない形状の縫合針とし
ては充分に刺通抵抗が低減したことを示している。
の結果、従来の胴部の断面が丸で且つ最も太い部位の太
さが同じものと比較して約1.4倍程度強度を向上させる
ことが可能であった。また湾曲の外径方向に繰り返して
90度折り曲げる90度折り曲げ試験の結果、前記胴部
の断面が丸で且つ最も太い部位の太さが同じものと比較
して同一の曲げ回数(3回)に耐えることが可能であっ
た。
リティ(繰り返し曲げ強度)を有するにも関わらず、曲
げ強度が向上したことを意味するものである。
したところ、胴部3をバイスに把持して折り曲げるのに
伴って、折り曲げの内側では平らな面6の変形が胴部3
に於ける曲面状の接続部7に集中し、折曲の外側では平
らな面6の変形が溝5に集中した。このため、ダクティ
リティが向上したものと考えられる。例えば、平らな面
の幅Bと平らな面間の距離Hを本実施例と同一にした断
面が長方形の縫合針に対して90度折り曲げ試験を行っ
たところ、2回の折曲で破断した。このことからも、対
向した一つの平らな面6と一対の凹状の溝5を有し、こ
れらを曲面からなる接続部7によって接続することが必
要であるといえる。
を示す(元端部4から針先1方向へ向けて見た断面)。
同図に示すように、胴部13は、上記した胴部3と同様に
同様に両側面に一対の溝15、15が形成され、上面と底面
に一対の平らな面16、16が形成された鼓型断面を有す
る。そして、接続部17のうち、それぞれ対角線に位置す
る、同図左下及び右上に位置する接続部17Aの湾曲径が
大きく、左上及び右下に位置する接続部17Bの湾曲径が
小さくなっている。すなわち、互いの接合部17B、17B
間の距離L2は互いの接合部17A、17A間の距離L1に
比べて実質的に長くなっており、接合部17B、17B間の
曲げ強度は、接合部17A、17A間に比べて大きくなって
いる。
右手に持針器を持ってこれを操作すると、術者から見て
手前側上の接合部17Bと向う側下の接合部17Bの湾曲径
が小さい状態となる。通常、術者は手前に向かって縫合
針Bを通し、向う側下からその対角部にあたる手前側上
を軸に掬い上げるように傾けて操作するために、胴部13
のこの対角線方向に大きな力がかかることとなる。この
ため、手前側上の接合部17Bと向う側下の接合部17Bの
径を小さくし、両者間の対角距離L2を大きくして曲げ
強度を高くしているので、操作性の良い医療用縫合針と
なる。
を有する医療縫合針とするには、反対に接合部17A、17
A間の距離を他方の接合部17B、17B間の距離に比べて
相対的に大きくすればよい。また、右手用の医療縫合針
であっても、反対に柔らかな縫合針を所望する場合は、
同様に接合部17A、17A間の距離を接合部17B、17Bの
距離に比べて大きくした縫合針を提供すれば良い。
は、胴部3、13の上面と底面とを平らな面6、16として
形成したが上面と底面の形状は必ずしもこれに限られる
ものではなく、上面と底面を凹面とし、または持針器が
把持しやすいように凹凸を形成してもよい。特に、縫合
針Bの構成においては、一方の対角線における曲げ強度
を他方の対角線の曲げ強度と異ならせるという構成が達
成される限りにおいて、上面と底面の形状は平らな面1
6、16に限定されるものではない。
て説明する。縫合針Aは組織を刺通して患部を縫合する
ため、充分な硬さを有し且つ錆や腐食が発生しないこと
が必要である。このため、本実施例では、材料としてオ
ーステナイト系ステンレス鋼を用いており、予め加工率
を見込んで設定した直径を持った線材を冷間線引き加工
によって縮径して目的の縫合針Aの直径に加工してい
る。
テナイト組織がファイバー状に伸長しており、加工硬化
による高い硬度と、ファイバー状の組織による高い柔軟
性を有している。特に、材料がオーステナイト系ステン
レスであるため、高い耐蝕性を有しており、錆が発生す
ることがなく且つ硬く,柔軟性に富んだものとすること
が可能である。
て直線状の中間素材Pを加工し、この中間素材Pに対
し、一方の端部側を研磨して針先1及び円錐状テーパの
針先部2を形成する。
に示す。本プレス工程には同図(a)に示すように、4分
割されたプレス型30を用いる。プレス型30を構成する上
駒30A、下駒30B、左駒30C、右駒30Dは、断面がそれ
ぞれ略三角先端を有し、同三角先端を構成する2辺30
a、30bが90度で交差する形状を有する。
形成され、左駒30Cと右駒30Dの先端は円弧状の張出部
30Yが形成されている。そして、これら4つの駒30A〜
Dを組み上げると、各型の隣り合う辺30a、30bが接合
し、中央に上下面が平らで両側面が窪んだ空間Sが形成
されることになる(図3(b)参照)。
用いてそれぞれの平面部30X、30Xで中間素材Pを上下
で挟み、動かないように保持する。そして、左駒30Cと
右駒30Dを左右から移動させることで、それぞれの円弧
状の張出部30Y、30Yが中間素材Pを左右から押圧し
て、中間素材Pの断面形状を変形させる。この中間素材
Pは、空間Sの形状に沿って変形し、上下面に平らな面
6、左右側面に溝5が形成された縫合針が形成されるこ
とになる。
いてプレス型30を形成したことにより、各駒30A〜Dを
型締めした場合には四方からかかる力は各駒30A〜Dの
隣接する辺30a、30b同士で均衡することになり、張出
部30Y、30Yの押圧力は常時一定となる。このため、中
間素材Pに過剰な力が加わることがなく、中間素材Pに
常に安定した変形加工を施すことが出来る。
立って素材の他方側の端部に元端部4を形成する。即
ち、他方側の端面にレーザー光を照射して素材を溶融,
蒸発させて盲穴4aを形成し、或いは端面にドリル加工
によって盲穴4aを形成することで、該端部に元端部4
を形成する。
3,元端部4,溝5,平らな面6,接続部7を形成した
後、平らな面6を湾曲の内径側,外径側に配置して屈曲
成形して目的の縫合針Aの曲率半径と角度を持って湾曲
させることで、縫合針Aを製造する。
の組織がファイバー状に伸長したオーステナイト組織で
あり、極めて高い硬度と柔軟性を有する。このため、患
部の縫合に際して極めて容易に組織を刺通することが可
能である。
縫合針を湾曲針として説明したが、上述のように、両側
面に溝5が形成され、上下面に平らな面6が形成された
医療用縫合針Aは生体組織との接触面積が小さくなり刺
通抵抗を低減させる効果が得られるため、湾曲しない直
針に応用した場合も所定の効果を得ることができる縫合
針となる。
面6とした医療用縫合針として説明したが、もちろん本
発明の医療用縫合針はこれに限られるものではなく、上
下面が凹状面等の曲面であってもよい。なお、溝5の形
状も他にV字型溝やコの字型溝等多様なものでも良い
が、本実施例に示すような、エッジが生じない溝とする
ことで、高いダクティリチィを獲得することができる。
及び針先部2に亘って形成したが、胴部3のみに形成す
る構造としてもよい。
について、他の実施形態について図5を用いて説明す
る。本実施形態における縫合針Bは、上記した通り実施
形態における縫合針Aと同一の素材にて形成され、胴部
13の断面形状が変化したものである(図3参照)。
の端部側を研磨して針先1及び円錐状テーパの針先部2
が形成された中間素材Pを製造する。
プレス工程を行う。本プレス工程には同図(a)に示すよ
うに、プレス型30に代えて右上駒40A、左下駒40Bの2
つの駒からなるプレス型40を用いる。
部40Xと円弧状の張出部40Yが形成されている。そし
て、これら2つの右上駒40Aと左下駒40Bを組み上げる
と、各型の隣り合う辺40aと平面部40Xが接合し、中央
に上下面が平らで両側面が窪んだ空間Sが形成されるこ
とになる(図5(b)参照)。
と左下駒40Bは、中間素材Pの中心に対してそれぞれ右
上方向及び左下方向から接近し、これをプレスする。こ
の際、右上駒40Aの平面部40Xと左下駒40Bの平面部40
Xは、中間素材Pの上面及び底面に平らな面16、16を形
成し、一方、それぞれの円弧状の張出部40Y、40Yは中
間素材Pを左側面と右側面を押圧して、溝15、15を形成
する。
に伴って、中間素材Pは押しつぶされ、押圧されない四
隅に中間素材Pの素材が押し出される。右上駒40Aの張
出部40Yにおいては上側の径が大きく、下側の径が小さ
いために、より小さい隙間によって形成される右下の接
続部17Aの湾曲径は小さくなる。同様に、左下駒40Bの
張出部40Yにおいては、上側の径が小さく、下側の径が
大きいために、左上の接続部17Aの湾曲径が小さくな
る。
対の平らな面16とを有し、さらに接合部17のうち右下と
左上に位置する接合部17B、17B間の距離が右上と左下
に位置する接合部17A、17A間の距離に比べて長くなっ
た胴部13を有する縫合針Bを形成することができる。
角線上に力が加わるため、それぞれの駒が互いに接する
ことで、それ以上の力が中間素材Pにかからないため、
常に同一の断面形状を有する縫合針Bを安定して製造す
ることができる。
図4における左駒と上駒とを一体化し、右駒と左駒とを
一体化した2つの駒により同様のプレス型を形成するこ
ともできる。また、上記実施形態では、図4のプレス型
30により左右対称の縫合針Aを製造し、図5のプレス型
40により左右非対称の縫合針Bを製造する例を示した
が、勿論、それぞれのプレス型30、40の張出部30Y、40
Yの形状を変えることにより、他方の縫合針B、Aを製
造することができることは勿論である。
縫合針では、胴部を対向する一対の面と、前記面に対し
交差し中心に向けて凹状の一対の溝とによって構成した
ので、一対の面を上下方向に配置したとき、断面二次モ
ーメントの値を大きくして曲げに対し高い強度を発揮す
ることが出来る。特に、溝が胴部の中心に向けて凹状に
形成されることから、刺通時に生体組織との接触面積を
小さくすることが出来、刺通抵抗を低減することが出来
る。
よれば、中間素材をプレス加工する際、隣接する駒同士
が面接するために加圧力が均衡する。そのために、常に
安定したプレス加工を行うことができるため、断面形状
にばらつきのない医療用方法針を製造することができ
る。
る。
であり、図1のII−II断面図である。
状を説明する図である。
明図である。
構成例における型の説明図である。
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 医療用縫合針であって、 生体組織を刺通するための針先部と、 縫合糸を取り付ける元端部と、前記針先部と前記元端部
との間に形成される胴部と、を有し、 少なくとも前記胴部は、互いに対向する一対の平らな面
と、該一対の平らな面の対向方向と交差する方向で互い
に対向する一対の溝とから構成され、 該一対の溝はそれぞれエッジが形成されない曲面により
形成され、また前記平らな面と前記溝との間の接合部も
曲面により形成され、 前記一対の溝が側面となる湾曲針であることを特徴とす
る医療用縫合針。 - 【請求項2】 請求項1記載の医療用縫合針であって、 前記医療用縫合針の湾曲方向を基準とした、前期胴部の
断面の幅Bと高さHとの関係は、0.7<B/H<1であ
る。 - 【請求項3】 請求項1記載の医療用縫合針であって、 前記接合部のうちお互いに対向する一組の接合部の湾曲
径が他の接合部の湾曲径より小さいことを特徴とする医
療用縫合針。 - 【請求項4】 医療用縫合針の製造方法であって、 互いに対向する上駒、下駒と、互いに対向する右駒、左
駒とを有するプレス型を用い、棒状の中間素材をこれら
上駒、下駒、右駒、左駒で挟んで、隣接する駒同士が加
圧方向に向けて互いに接するように押圧することで、断
面において一対の平な面と一対の溝とを有する医療用縫
合針を成形する医療用縫合針の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の医療用縫合針の製造方法
であって、 前記上駒、下駒、左駒、右駒のうち互いに隣接する2つ
の駒同士が一体化されていることを特徴とする医療用縫
合針の製造方法。
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JP11-239653 | 1999-08-26 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008531131A (ja) * | 2005-02-23 | 2008-08-14 | ウルトラデント プロダクツ インコーポレイテッド | 歯内治療用器具の製造方法 |
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JP2022025915A (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-10 | マニー株式会社 | 医療用縫合針 |
-
2000
- 2000-08-28 JP JP2000258046A patent/JP4318110B2/ja not_active Expired - Lifetime
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