JP2001124888A - 応力腐食割れ予防保全方法 - Google Patents

応力腐食割れ予防保全方法

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JP2001124888A
JP2001124888A JP30323999A JP30323999A JP2001124888A JP 2001124888 A JP2001124888 A JP 2001124888A JP 30323999 A JP30323999 A JP 30323999A JP 30323999 A JP30323999 A JP 30323999A JP 2001124888 A JP2001124888 A JP 2001124888A
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nickel
noble metal
alloy
based alloy
stainless steel
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JP30323999A
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Norihiko Tanaka
徳彦 田中
Noriyuki Nakashiro
憲行 中城
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存のAlloy600等のニッケル基合金やSUS304等
のオーステナイト系ステンレス鋼の熱影響部や、溶接を
用いた補修によって生じた熱影響部の割れ発生や進展を
抑制する応力腐食割れ予防保全方法を提供する。 【解決手段】既存のAlloy600等のニッケル基合金と補修
溶接部との境界部の原子炉水と接する部分に、Alloy600
+Pdのノーブルメタル合金材又はPd等のノーブルメタル
を含有するニッケル基合金溶接材を肉盛する。この時、
ニッケル基合金よりも電位的に貴なノーブルメタルが溶
接入熱による熱拡散により、ニッケル基合金の熱影響部
に浸入し、その熱影響部が原子炉水中において電位的に
卑となり、応力腐食割れ発生及び進展を抑制することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば沸騰水型原
子炉の溶接部及び欠陥部除去後の補修溶接部の熱影響部
における応力腐食割れ予防保全方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Alloy600等のニッケル基合金やSUS304等
のオーステナイト系ステンレス鋼等で構成した原子炉圧
力容器や、炉内構造物等の構成材料の接合は溶接方法に
よって行われている。しかし、溶接部近傍に形成される
熱影響部ではクロム炭化物が粒界に析出して鋭敏化し、
使用環境に曝されて粒界腐食又は粒界応力腐食割れを発
生する場合がある。
【0003】原子炉圧力容器や炉内構造物の構成材料の
溶接部に割れ等の欠陥が発見された場合、例えば欠陥部
を除去後、再度溶接で穴埋めするか、又は、片面当て金
継手を添えてその周囲を溶接により接合する等、溶接法
による補修方法が行われる。また、欠陥部材料の取替え
が可能な場合は、溶接部に欠陥が生じた部位を粒界腐食
あるいは粒界応力腐食割れに対する対策材等に取替える
ことが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原子炉圧力容器や炉内
構造物を構成する材料の溶接部を補修溶接した場合、溶
接部近傍に新たな熱影響部を作り、その周辺に割れが発
生する可能性の高い部分を新たに形成するという課題が
ある。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、既存のAlloy600等のニッケル
基合金やSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼溶接
部の熱影響部や、溶接を用いた補修によって生じる熱影
響部の割れ発生や進展を抑制する応力腐食割れ予防保全
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、Alloy600等のニッケル基合金又はSUS304等のオース
テナイト系ステンレス鋼と溶接金属との境界部の原子炉
水と接する部分に、Alloy600+Pd又はSUS304+Pd等のノ
ーブルメタル合金材、又はPd等のノーブルメタルを含有
するニッケル基合金溶接材、或いはPd等のノーブルメタ
ルを含有するステンレス鋼溶接材を肉盛することを特徴
とする。
【0007】また、既存のSUS304等のオーステナイト系
ステンレス鋼と溶接金属との境界部の原子炉水と接する
部分に、SUS304+Pd等のノーブルメタル合金材あるいは
Pd等のノーブルメタルを含有するステンレス鋼溶接材を
肉盛することで、その希釈部となるオーステナイト系ス
テンレス鋼の熱影響部の腐食電位を下げることにより、
応力腐食割れ発生及び進展を抑制することを特徴とする
ものである。
【0008】請求項2に対応する発明は、Alloy600等の
ニッケル基合金又はSUS304等のオーステナイト系ステン
レス鋼と欠陥部除去後の補修溶接部との境界部の原子炉
水と接する部分に、Alloy600+Pd又はSUS304+Pd等のノ
ーブルメタル合金材、又はPd等のノーブルメタルを含有
するニッケル基合金溶接材、或いはPd等のノーブルメタ
ル等を含有するステンレス鋼溶接材を肉盛することを特
徴とする。
【0009】請求項3に対応する発明は、対策材への取
替え時に、Alloy600等のニッケル基合金の開先面、又は
SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼の開先面に、
Alloy600+Pd又はSUS304+Pdのノーブルメタル合金材、
或いはPd等のノーブルメタルを含有するニッケル基合金
溶接材、若しくはPd等のノーブルメタルを含有するステ
ンレス鋼溶接材を肉盛後、前記対策材と溶接接合するこ
とを特徴とする。
【0010】請求項4に対応する発明は、取替え時に、
Alloy600等のニッケル基合金及び取替えに用いるAlloy6
00等のニッケル基合金の両方の開先面、又はSUS304等の
オーステナイト系ステンレス鋼及び取替えに用いるSUS3
04等のオーステナイト系ステンレス鋼の両方の開先面
に、Alloy600+Pd等のノーブルメタル合金材、又はSUS3
04+Pdのノーブルメタル合金材、或いはPd等のノーブル
メタルを含有するニッケル基合金溶接材、若しくはPd等
のノーブルメタルを含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼溶接材を肉盛後、両者を溶接接合することを特徴と
する。また、請求項5に対応する発明は、上記各請求項
の発明において、前記原子炉水中に水素を注入する等の
腐食電位低減方法を組合せることを特徴とする。
【0011】つぎに上記各々の請求項の発明に対する作
用を説明する。請求項1に対応する発明によれば、既存
のAlloy600等のニッケル基合金と溶接金属との境界部の
原子炉水と接する部分に、Alloy600+Pd等のノーブルメ
タル合金材あるいはPd等のノーブルメタルを含有するニ
ッケル基合金溶接材を肉盛する。この時、ニッケル基合
金よりも電位的に貴なノーブルメタルが、溶接入熱によ
る熱拡散により、ニッケル基合金の熱影響部に浸入し、
そのノーブルメタルにより、原子炉水中の水の放射線分
解によって生じたラジカル等の酸化還元反応が進行する
ことで、原子炉水中におけるニッケル基合金の熱影響部
が電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び進展を抑制
することができる。
【0012】これは、既存のSUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼と溶接金属との境界部の原子炉水と接す
る部分に対しても、SUS304+Pd等のノーブルメタル合金
材あるいはPd等のノーブルメタルを含有するステンレス
鋼溶接材を肉盛することで、オーステナイト系ステンレ
ス鋼の熱影響部に対しても上記と同様な作用を受けるこ
とができる。
【0013】請求項2に対応する発明によれば、既存の
Alloy600等のニッケル基合金と欠陥部除去後の補修溶接
部との境界部の原子炉水と接する部分に、Alloy600+Pd
等のノーブルメタル合金材又はPd等のノーブルメタルを
含有するニッケル基合金溶接材を肉盛する。この時、ニ
ッケル基合金よりも電位的に貴なノーブルメタルが、溶
接入熱による熱拡散により、ニッケル基合金の熱影響部
に浸入し、そのノーブルメタルにより、原子炉水中の水
の放射線分解によって生じたラジカル等の酸化還元反応
が進行することで、原子炉水中におけるニッケル基合金
の熱影響部が電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び
進展を抑制することができる。
【0014】これは、既存のSUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼と欠陥部除去後の補修溶接部との境界部
の原子炉水と接する部分に対しても、SUS304+Pd等のノ
ーブルメタル合金材あるいはPd等のノーブルメタルを含
有するステンレス鋼溶接材を肉盛することで、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の熱影響部に対しても上記と同様
な作用を受けることができる。
【0015】請求項3に対応する発明によれば、対策材
への取替え時に、既存のAlloy600等のニッケル基合金の
開先面に、Alloy600+Pd等のノーブルメタル合金材ある
いはPd等のノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶
接材を肉盛後、対策材と溶接接合を行う。この時、ニッ
ケル基合金よりも電位的に貴なノーブルメタルが、溶接
入熱による熱拡散により、ニッケル基合金の熱影響部に
浸入し、そのノーブルメタルにより、原子炉水中の水の
放射線分解によって生じたラジカル等の酸化還元反応が
進行することで、原子炉水中におけるニッケル基合金の
熱影響部が電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び進
展を抑制することができる。
【0016】これは、既存のSUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼の開先面に、SUS304+Pd等のノーブルメ
タル合金材あるいはPd等のノーブルメタルを含有するス
テンレス鋼溶接材を肉盛することで、オーステナイト系
ステンレス鋼の熱影響部に対しても上記と同様な作用を
受けることができる。
【0017】請求項4に対応する発明によれば、取替え
時に、既存のAlloy600等のニッケル基合金及び取替えに
用いるAlloy600等のニッケル基合金の両方の開先面に、
Alloy600+Pd等のノーブルメタル合金材あるいはPd等の
ノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶接材を肉盛
後、両者の溶接接合を行う。
【0018】この時、ニッケル基合金よりも電位的に貴
なノーブルメタルが、溶接入熱による熱拡散により、ニ
ッケル基合金の熱影響部に浸入し、そのノーブルメタル
により、原子炉水中の水の放射線分解によって生じたラ
ジカル等の酸化還元反応が進行することで、原子炉水中
におけるニッケル基合金の熱影響部が電位的に卑とな
り、応力腐食割れ発生及び進展を抑制することができ
る。
【0019】これは、既存のSUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼及び取替えに用いるSUS304等のオーステ
ナイト系ステンレス鋼の両方の開先面に、SUS304+Pd等
のノーブルメタル合金材あるいはPd等のノーブルメタル
を含有するステンレス鋼溶接材を肉盛することで、オー
ステナイト系ステンレス鋼の熱影響部に対しても上記と
同様な作用を受けることができる。
【0020】請求項5に対応する発明によれば、請求項
1から4に対応する発明において、原子炉水中に水素注
入等を行う。原子炉水中の水の放射線分解によって生じ
たラジカル等による酸化性雰囲気を水素を注入すること
で還元性雰囲気とし、腐食電位を下げることができる。
【0021】上記作用にこの腐食電位低減方法を組合せ
ると、ニッケル基合金及びオーステナイト系ステンレス
鋼の熱影響部に浸入したノーブルメタルによりその効果
が顕著となり、原子炉水中におけるニッケル基合金及び
オーステナイト系ステンレス鋼の熱影響部の応力腐食割
れ発生及び進展をさらに抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1から図4により本発明に係る
応力腐食割れ予防保全方法に係る第1から第4の実施の
形態を説明する。
【0023】図1は第1の実施の形態で、原子炉内にお
いて、Alloy600等のニッケル基合金材1が、ニッケル基
合金溶接材2により、溶接接合された状態を示してい
る。ニッケル基合金材1の内面3は、原子炉水4に接し
ている。ニッケル基合金材1のニッケル基合金溶接材2
の近傍には、溶接による熱影響部5が生じている。
【0024】溶接部近傍に形成される熱影響部5では、
クロム炭化物が粒界に析出(鋭敏化)し、原子炉水4に
さらされて粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れを発生す
る場合がある。
【0025】従って、原子炉水4に接する内面3のニッ
ケル基合金材1とニッケル基合金溶接材2の境界部に、
Alloy600+Pd等のノーブルメタル合金材6あるいはPd等
のノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶接材7を
肉盛する。
【0026】この時、ニッケル基合金よりも電位的に貴
なノーブルメタルが、溶接入熱による熱拡散により、ニ
ッケル基合金材1の熱影響部5に浸入し、そのノーブル
メタルにより、原子炉水4中の水の放射線分解によって
生じたラジカル等の酸化還元反応が進行することで、原
子炉水4中におけるニッケル基合金材1の熱影響部5が
電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び進展を抑制す
ることができる。
【0027】ノーブルメタル合金材6あるいはノーブル
メタルを含有するニッケル基合金溶接材7を肉盛するこ
とによって、新たな熱影響部8がニッケル基合金材1に
生ずるが、この熱影響部8に対しても、ノーブルメタル
が肉盛中に浸入することで応力腐食割れ発生及び進展が
抑制される。
【0028】なお、図1において、ニッケル基合金材1
がSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼材9で、ニ
ッケル基合金溶接材2がステンレス鋼溶接材10で、Pd等
のノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶接材7が
Pd等のノーブルメタルを含有するステンレス鋼溶接材11
で、ノーブルメタル合金材6がSUS304+Pd等である場合
でも、同様の効果を得ることができる。
【0029】図2は第2の実施の形態で、原子炉内にお
いて、Alloy600等のニッケル基合金材1が、ニッケル基
合金溶接材2により溶接接合された後、原子炉水4にさ
らされて粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れ等の欠陥が
発見された場合、その欠陥部を除去し補修溶接を施され
た状態を示したものである。
【0030】ニッケル基合金材1の内面3は、原子炉水
4に接している。ニッケル基合金材1のニッケル基合金
溶接材2の近傍には、溶接による熱影響部5が生じてい
る。溶接部近傍に形成される熱影響部5では、クロム炭
化物が粒界に析出(鋭敏化)し、原子炉水4に曝されて
粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れを発生する場合があ
る。割れが発見された場合、例えば割れ発生部位を除去
後、溶接で穴埋めすることで補修を行う。
【0031】ニッケル基合金材1の補修溶接部12の近傍
には、新たな熱影響部13が生ずる。従って、原子炉水4
に接する内面3のニッケル基合金材1と補修溶接部12の
境界部に、Alloy600+Pd等のノーブルメタル合金材6あ
るいはPd等のノーブルメタルを含有するニッケル基合金
溶接材7を肉盛する。
【0032】この時、ニッケル基合金よりも電位的に貴
なノーブルメタルが、溶接入熱による熱拡散により、ニ
ッケル基合金材1の熱影響部13に浸入し、そのノーブル
メタルにより、原子炉水4中の水の放射線分解によって
生じたラジカル等の酸化還元反応が進行することで、原
子炉水4中におけるニッケル基合金材1の熱影響部13が
電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び進展を抑制す
ることができる。
【0033】ノーブルメタル合金材6あるいはノーブル
メタルを含有するニッケル基合金溶接材7を肉盛するこ
とによって、新たな熱影響部8がニッケル基合金材1に
生ずるが、この熱影響部8に対しても、ノーブルメタル
が肉盛中に浸入することで応力腐食割れ発生及び進展が
抑制される。
【0034】なお、図2において、ニッケル基合金材1
がSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼材9で、ニ
ッケル基合金溶接材2がステンレス鋼溶接材10で、Pd等
のノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶接材7が
Pd等のノーブルメタルを含有するステンレス鋼溶接材11
で、ノーブルメタル合金材6がSUS304+Pd等である場合
でも、同様の効果を得ることができる。
【0035】図3は第3の実施の形態で、原子炉内にお
いて、Alloy600等のニッケル基合金材1が、原子炉水4
にさらされて粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れ等の欠
陥が発見された場合、それをニッケル基合金対策材14に
取替え、ニッケル基合金溶接材2により、溶接接合した
状態を示している。
【0036】これらの内面3は、原子炉水4に接してい
る。ニッケル基合金溶接材2による溶接接合前に、既存
のニッケル基合金材1の開先面にAlloy600+Pd等のノー
ブルメタル合金材6あるいはPd等のノーブルメタルを含
有するニッケル基合金溶接材7を予め肉盛しておく。ニ
ッケル基合金溶接材2の近傍には、溶接による熱影響部
5が生じる。
【0037】この時、ニッケル基合金よりも電位的に貴
なノーブルメタルが、溶接入熱による熱拡散により、既
存のニッケル基合金材1の熱影響部5に浸入し、そのノ
ーブルメタルにより、原子炉水4中の水の放射線分解に
よって生じたラジカル等の酸化還元反応が進行すること
で、原子炉水4中における既存のニッケル基合金材1の
熱影響部5が電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び
進展を抑制することができる。
【0038】なお、図3において、ニッケル基合金対策
材14がオーステナイト系ステンレス鋼対策材15で、既存
のニッケル基合金材1が既存のSUS304等のオーステナイ
ト系ステンレス鋼材9で、ニッケル基合金溶接材2がス
テンレス鋼溶接材10で、Pd等のノーブルメタルを含有す
るニッケル基合金溶接材7がPd等のノーブルメタルを含
有するステンレス鋼溶接材11で、ノーブルメタル合金材
6がSUS304+Pd等である場合でも、同様の効果を得るこ
とができる。
【0039】図4は第4の実施の形態で、原子炉内にお
いて、Alloy600等のニッケル基合金材1が、原子炉水4
にさらされて粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れ等の欠
陥が発見された場合、それを新たにニッケル基合金材16
に取替え、ニッケル基合金溶接材2により、溶接接合し
た状態を示している。
【0040】これらの内面3は、原子炉水4に接してい
る。ニッケル基合金溶接材2による溶接接合前に、既存
のニッケル基合金材1及び取替えに用いるニッケル基合
金材16の両方の開先面にAlloy600+Pd等のノーブルメタ
ル合金材6あるいはPd等のノーブルメタルを含有するニ
ッケル基合金溶接材7を予め肉盛しておく。ニッケル基
合金溶接材2の近傍には、溶接による熱影響部5が生じ
る。
【0041】この時、ニッケル基合金よりも電位的に貴
なノーブルメタルが、溶接入熱による熱拡散により、既
存のニッケル基合金材1の熱影響部5に浸入し、そのノ
ーブルメタルにより、原子炉水4中の水の放射線分解に
よって生じたラジカル等の酸化還元反応が進行すること
で、原子炉水4中における既存のニッケル基合金材1の
熱影響部5が電位的に卑となり、応力腐食割れ発生及び
進展を抑制することができる。
【0042】なお、図4において、ニッケル基合金材16
がオーステナイト系ステンレス鋼材17で、既存のニッケ
ル基合金材1が既存のSUS304等のオーステナイト系ステ
ンレス鋼材9で、ニッケル基合金溶接材2がステンレス
鋼溶接材10で、Pd等のノーブルメタルを含有するニッケ
ル基合金溶接材7がPd等のノーブルメタルを含有するス
テンレス鋼溶接材11で、ノーブルメタル合金材6がSUS3
04+Pd等である場合でも、同様の効果を得ることができ
る。
【0043】また、図1〜図4で示した実施の形態にお
いて、原子炉水4中に水素注入等を行う。原子炉水4中
の水の放射線分解によって生じたラジカル等による酸化
性雰囲気を水素を注入することで還元性雰囲気とし、腐
食電位を下げることができる。上記実施例にこの腐食電
位低減方法を組合せると、ニッケル基合金及びオーステ
ナイト系ステンレス鋼の熱影響部に浸入したノーブルメ
タルによりその効果が顕著となり、原子炉水中における
ニッケル基合金及びオーステナイト系ステンレス鋼の熱
影響部の応力腐食割れ発生及び進展をさらに抑制するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、既存のAlloy600等のニ
ッケル基合金やSUS304等のオーステナイト系ステンレス
鋼溶接部の熱影響部や、溶接を用いた補修によって生じ
た熱影響部の割れ発生や進展を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る応力腐食割れ予防保全方法の第1
の実施の形態を説明するための模式図。
【図2】本発明に係る応力腐食割れ予防保全方法の第2
の実施の形態を説明するための模式図。
【図3】本発明に係る応力腐食割れ予防保全方法の第3
の実施の形態を説明するための模式図。
【図4】本発明に係る応力腐食割れ予防保全方法の第4
の実施の形態を説明するための模式図。
【符号の説明】
1…ニッケル基合金材、2…ニッケル基合金溶接材、3
…内面、4…原子炉水、5…熱影響部、6…ノーブルメ
タル合金材、7…ノーブルメタルを含有するニッケル基
合金溶接材、8…熱影響部、9…オーステナイト系ステ
ンレス鋼材、10…ステンレス鋼溶接材、11…ノーブルメ
タルを含有するステンレス鋼溶接材、12…補修溶接部、
13…熱影響部、14…ニッケル基合金対策材、15…オース
テナイト系ステンレス鋼対策材、16…ニッケル基合金
材、17…オーステナイト系ステンレス鋼材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alloy600等のニッケル基合金又はSUS304
    等のオーステナイト系ステンレス鋼と溶接金属との境界
    部の原子炉水と接する部分に、Alloy600+Pd又はSUS304
    +Pd等のノーブルメタル合金材、又はPd等のノーブルメ
    タルを含有するニッケル基合金溶接材、或いはPd等のノ
    ーブルメタルを含有するステンレス鋼溶接材を肉盛する
    ことを特徴とする応力腐食割れ予防保全方法。
  2. 【請求項2】 Alloy600等のニッケル基合金又はSUS304
    等のオーステナイト系ステンレス鋼と欠陥部除去後の補
    修溶接部との境界部の原子炉水と接する部分に、Alloy6
    00+Pd又はSUS304+Pd等のノーブルメタル合金材、又は
    Pd等のノーブルメタルを含有するニッケル基合金溶接
    材、或いはPd等のノーブルメタル等を含有するステンレ
    ス鋼溶接材を肉盛することを特徴とする応力腐食割れ予
    防保全方法。
  3. 【請求項3】 対策材への取替え時に、Alloy600等のニ
    ッケル基合金の開先面、又はSUS304等のオーステナイト
    系ステンレス鋼の開先面に、Alloy600+Pd又はSUS304+
    Pdのノーブルメタル合金材、或いはPd等のノーブルメタ
    ルを含有するニッケル基合金溶接材、若しくはPd等のノ
    ーブルメタルを含有するステンレス鋼溶接材を肉盛後、
    前記対策材と溶接接合することを特徴とする応力腐食割
    れ予防保全方法。
  4. 【請求項4】 取替え時に、Alloy600等のニッケル基合
    金及び取替えに用いるAlloy600等のニッケル基合金の両
    方の開先面、又はSUS304等のオーステナイト系ステンレ
    ス鋼及び取替えに用いるSUS304等のオーステナイト系ス
    テンレス鋼の両方の開先面に、Alloy600+Pd等のノーブ
    ルメタル合金材、又はSUS304+Pdのノーブルメタル合金
    材、或いはPd等のノーブルメタルを含有するニッケル基
    合金溶接材、若しくはPd等のノーブルメタルを含有する
    オーステナイト系ステンレス鋼溶接材を肉盛後、両者を
    溶接接合することを特徴とする応力腐食割れ予防保全方
    法。
  5. 【請求項5】 前記原子炉水中に水素を注入する等の腐
    食電位低減方法を組合せることを特徴とする請求項1な
    いし4記載の応力腐食割れ予防保全方法。
JP30323999A 1999-10-26 1999-10-26 応力腐食割れ予防保全方法 Pending JP2001124888A (ja)

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