JP2001121751A - プリントヘッド、およびこれを用いる焼付装置、並びに焼付方法 - Google Patents

プリントヘッド、およびこれを用いる焼付装置、並びに焼付方法

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JP2001121751A
JP2001121751A JP30972099A JP30972099A JP2001121751A JP 2001121751 A JP2001121751 A JP 2001121751A JP 30972099 A JP30972099 A JP 30972099A JP 30972099 A JP30972099 A JP 30972099A JP 2001121751 A JP2001121751 A JP 2001121751A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光路変更手段を用いて画素ずらし露光を行う
場合において、印画紙上での色ずれを抑制できるプリン
トヘッド、該プリントヘッドを用いた焼付装置、および
焼付方法を提供する。 【解決手段】 プリントヘッドは、光源1からの光を画
像データに応じて各画素部毎に変調するLCD2と、L
CD2と印画紙6との間の光路上に設けられ、光の入射
面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾
斜角の相対的変化によって、光の光路を変更させること
により、印画紙6上の異なる位置に同一の画素部に対応
した複数の画像を焼き付ける屈折板3と、上記画像デー
タに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための
BGR回転フィルタ5と、BGR回転フィルタ5におけ
る各色成分に対応して、屈折板3の傾斜角を制御する制
御部15とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真プリン
タに備えられ、原画像の表示が可能な光変調素子を介し
て感光材料に光を照射することによって、感光材料に上
記原画像を焼き付けるプリントヘッド、およびこれを用
いる焼付装置、並びに焼付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真の現像に際して、原画像が記
録されたネガフィルムを介して印画紙に光を照射するこ
とによって印画紙を露光し、該印画紙にネガフィルム上
の画像を焼き付ける写真焼付装置が一般的に用いられて
いる。
【0003】一方、昨今では、上記のネガフィルムの代
わりに、例えば液晶表示装置等の光変調素子によって原
画像を表示させ、この光変調素子を介して感光材料に光
を照射し、焼き付けを行う方式も種々提案されている。
【0004】このように、液晶表示装置等の光変調素子
によって焼き付けを行う場合、画質の向上を図るため
に、画素ずらしという方式が用いられることがある。こ
の画素ずらしは、画像表示装置と印画紙との相対位置を
ずらすことによって、印画紙上に焼き付ける画素部の密
度を増やす方式である。図13(a)および図13
(b)は、この画素ずらしを行う写真焼付装置の構成例
をそれぞれ示す斜視図である。
【0005】まず、図13(a)に示す構成について説
明する。図13(a)に示す写真焼付装置は、光源とし
てのハロゲンランプ51と、液晶表示装置等から構成さ
れる画像表示装置52と、レンズ53と、BGRフィル
タ54と、印画紙55と、印画紙55を載置するXYス
テージ56とを備えている。
【0006】ハロゲンランプ51を出射した光は、画像
表示装置52に入射し、表示されている画像に応じて各
画素部毎に変調を受ける。そして、画像表示装置52を
出射した光は、画像が印画紙55上に的確な範囲で映さ
れるようにレンズ53によって集光され、BGRフィル
タ54によって色の補正が行われる。そして、BGRフ
ィルタ54を出射した光は、印画紙55上に照射され
る。
【0007】XYステージ56は、その載置台を互いに
垂直な2方向に対して移動させることが可能な構成とな
っている。すなわち、印画紙55は、互いに垂直な2方
向(X方向およびY方向)に移動可能となっている。ま
た、図13(b)に示す構成では、画像表示装置52が
XYステージ56に載置された構成となっている。すな
わち、画像表示装置52が、互いに垂直な2方向に移動
可能となっている。
【0008】上記のような構成の写真焼付装置におい
て、画素ずらしによる焼付動作は、次のように行われ
る。まず、画像表示装置52に画像を表示させ、1回目
の焼き付けを行う。この1回目の焼き付けによって印画
紙55上に焼き付けられた画像では、各画素部同士の間
に所定量の隙間、すなわち未露光領域が生じている。こ
の未露光領域は、画像表示装置52におけるブラックマ
トリクス等の遮光領域によって形成されるものである。
【0009】次に、印画紙55あるいは画像表示装置5
2をX方向に所定量移動させ、1回目の焼き付けにおい
て、X方向に隣合う画素部同士の間の未露光領域に、今
回の焼き付けにおいて焼き付けられる画素部が位置する
ように、2回目の焼き付けを行う。同様にして、印画紙
55あるいは画像表示装置52を最初の位置からY方向
に所定量移動させて3回目の焼き付けを行い、X方向お
よびY方向にそれぞれ所定量移動させて4回目の焼き付
けを行う。
【0010】このように、4回の焼き付け動作を行え
ば、1回目の焼き付けにおいて生じていた未露光領域が
全て露光されることになる。また、上記の4回の焼き付
け動作において、それぞれ画像表示装置52に表示する
画像を少しずつ異ならせることによって、印画紙55上
に焼き付けられる画像の解像度を2倍にすることができ
る。これにより、印画紙55における画像の表示品位を
向上させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、画素ず
らしを行う写真焼付装置においては、以下に示すような
問題が生じていた。まず、印画紙55をXYステージ5
6上に載置し、印画紙55を移動させることによって画
素ずらしを行う構成の場合、印画紙55としては、1枚
ずつ独立したシート状のものに限られていた。すなわ
ち、例えばロールペーパー状に連続している印画紙を使
用しようとする場合には、画素ずらしを行う際に、ロー
ルペーパー部分をも同時に移動させる必要が生じ、構成
要素の点数の増大、および構造の複雑化を招くことにな
る。
【0012】また、画像表示装置52をXYステージ5
6上に載置し、画像表示装置52を移動させることによ
って画素ずらしを行う構成の場合には、画像表示装置5
2を移動させる際に、画像表示装置52に振動を与える
ことになり、画像表示装置52に悪影響を及ぼすという
問題があった。
【0013】上記のような問題に対し、複雑な構成を用
いることなく、画素ずらし等の露光を行うことを可能と
する焼付方法として、プリズム等の光路変更手段を用い
た方法が提案されている。図14は、この方法を採用し
た焼付装置を説明するための概略図である。この方法で
は、図14に示すように、画像表示装置52とレンズ5
3との間の光路上に、一定の厚みを有するガラス板Pを
配置し、このガラス板Pを傾けることによって、光軸を
変化させ、画素ずらしを行うことが可能である。
【0014】上記光路変更手段を用いた方法で光軸を変
化させる構成について、図12(a)、(b)に基づい
て説明する。図12(a)に示すように、ガラス板Pを
光軸に対して垂直に配置した場合には、ガラス板Pに入
射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸と
は、同一の直線上に位置している。一方、図12(b)
に示すように、ガラス板Pを光軸に対して所定の角度だ
け傾けて配置した場合には、ガラス板Pの内部を光が通
過する際に生じる屈折によって、ガラス板Pに入射した
光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とが平行
にずれることになる。
【0015】つまり、ガラス板Pから出射した光の光軸
は、ガラス板Pに入射した光の光軸を含む直線上からず
れた位置で、かつ、この直線に対して平行となってい
る。このようにして、ガラス板Pを所定角度傾けるとい
う操作のみで、XYステージ56や画像表示装置52を
移動させることなく、簡便に画素ずらしを行うことがで
きる。
【0016】しかしながら、上記のような光路変更手段
を用いた方法では、カラー画像を各色成分ごとに順次焼
き付ける順次露光を行う場合に、後述する色ずれという
問題点が指摘されている。
【0017】順次露光においては、画像表示装置52に
は、R色、G色、B色のいずれかの色成分のみに対応し
た画像データが表示されている。たとえば、R色成分の
みに対応した画像データが表示されている場合、ハロゲ
ンランプ51からの露光光は、該画像が表示された画像
表示装置52を透過した後、BGRフィルタ54に設け
られたR色フィルタを透過し、印画紙55上に到達す
る。これにより、R色成分に対応した画像のみが印画紙
55上に焼き付けられる。この操作をB色成分およびG
色成分についても順次行うことにより、印画紙55上に
完成画像が焼き付けられることになる。
【0018】ガラス板Pを用いて、印画紙55上の未露
光領域に対して画素ずらしを行った場合、2回目以降に
焼き付けられた部分において、各色成分の光が印画紙5
5上に到達する位置がずれてしまう、いわゆる色ずれと
いう現象が起こる。これは、図4(a)、(b)に示す
ように、光源1からの白色光が有する各色成分によっ
て、ガラス板Pを透過する際の屈折率が異なるため、画
素ずらしの際にガラス板Pを所定角度θに傾けたとき、
R色、B色、G色の各色成分がスペクトルに分解され、
光軸が微妙にずれるためである。
【0019】すなわち、図4(a)に示す、印画紙6に
向かって左方向にずらす場合、および図4(b)に示
す、同右方向にずらす場合のいずれにおいても、屈折率
に応じて、R色、G色、B色の順に色ずれが起こる。こ
のように、光軸が微妙にずれた各色成分に対応する画像
が、印画紙6上に到達すると、画素ずらしにより未露光
領域に形成された画素部に対応する画像が虹色にずれて
しまうため、画質が低下することとなる。
【0020】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、光路変更手段を用いて画
素ずらし露光を行う場合において、印画紙上での色ずれ
を抑制できるプリントヘッド、該プリントヘッドを用い
た焼付装置、および焼付方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1のプリントヘッ
ドは、上記の課題を解決するために、感光材料に画像の
焼付を行うプリントヘッドであって、光源からの光を画
像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、
上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けら
れ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方
についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路
を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置
に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける
光路変更手段と、上記光源と上記感光材料との間の光路
上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色
成分毎に順次露光するための色成分フィルタとを備え、
上記色成分フィルタにおける各色成分に対応して、上記
光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段が設けら
れていることを特徴としている。
【0022】上記の構成によれば、色成分フィルタを用
いて、画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次
露光する場合に、制御手段が、色成分フィルタにおける
色成分に対応して、上記傾斜角を制御できる。これによ
り、露光しようとする色成分の光が光路変更手段を透過
する際の屈折率に応じた傾斜角を設定できるため、各色
成分ごとの屈折率の違いを補正して順次露光を行える。
【0023】このため、光路変調手段の入射面または出
射面の傾斜角を相対的に変化させることによって、光路
を変更し、感光材料上の異なる位置に光変調手段の各画
素部に対応した複数の画像を焼き付ける、いわゆる画素
ずらしを行う場合にあっても、光路変更手段を異なる屈
折率で出射する各色成分の出射光の光路が同位置となる
ように、すなわち、露光画素の色ずれが最小となるよう
に傾斜角を調節することができる。従って、画素ずらし
によって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画
像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図るこ
とができる。
【0024】請求項2のプリントヘッドは、上記の課題
を解決するために、請求項1のプリントヘッドの構成に
加えて、上記光路変更手段は、透光性を有する2枚の透
光板と、上記2枚の透光板の間に挟持された透明媒質と
を備え、上記2枚の透光板同士の角度を変化させること
によって光路を変更させる角度可変プリズムであること
を特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、光路変更手段とし
て、透明媒質を間に挟持した2枚の透光板同士の角度を
変更可能な角度可変プリズムを用いているので、コンパ
クトかつ、簡素な構成によって、感光材料上に焼き付け
られる各画素部に対応した複数の画像の位置を縦方向お
よび横方向に移動させて画素ずらしが行える。
【0026】また、上記のような光路変更手段によれ
ば、2枚の透光板とその間に挟持されている透明媒質と
によってプリズムの役目を果たす形状を形成することに
なり、出射光の光路が、初期の光軸とは平行とならない
ので、2枚の透光板同士の角度の変化が微小でも、感光
材料上での光路の移動量は比較的大きくなる。
【0027】一般に、光が透光性を有する板を透過する
際に、その入射角および出射角が大きくなればなるほど
出射光における収差の発生量が大きくなる。
【0028】この点に関して、上記の構成によれば、2
枚の透光板同士の角度の変化量が微小となるので、光路
変更手段を透過することによる収差の発生は極めて僅か
なものとなる。従って、収差による露光画像の劣化を生
じさせることなく、感光材料への焼付動作を行うことが
できるので、さらに画質の向上を図ることができる。
【0029】請求項3のプリントヘッドは、上記の課題
を解決するために、請求項1または2のプリントヘッド
の構成に加えて、上記光路変更手段は、光透過性を有す
る樹脂板および光透過性を有するガラス板の少なくとも
いずれか一方を備えていることを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、光路変更手段が、光
透過性を有する樹脂板または光透過性を有するガラス板
で構成されていることにより、樹脂板またはガラス板と
いう比較的単純な構成により、上記のように画質の向上
を図ることができるので、製造コストを抑えることがで
きる。
【0031】請求項4の焼付装置は、上記の課題を解決
するために、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
プリントヘッドを備えていることを特徴としている。
【0032】上記の構成によれば、上記プリントヘッド
を用いることで、光路変更手段を用いて画素ずらし露光
を行う場合において、感光材料上での色ずれを抑制で
き、画質の向上を図ることができる焼付装置を提供する
ことができる。
【0033】請求項5の焼き付け方法は、上記の課題を
解決するために、画像データに基づいて、光の色成分ご
とに焼付を行うことにより一つの画像を焼き付ける順次
露光において、光の入射面および出射面の少なくともい
ずれか一方についての傾斜角の相対的変化により光路を
変更させる光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付
方法であって、露光しようとする各色成分に対応して上
記傾斜角を変化させることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、上記順次露光におい
て、光路変更手段の傾斜角の変化により画素ずらしを行
う場合に、光路変更手段の傾斜角を各色成分に対応して
設定できる。このため、各色成分ごとに異なる屈折率の
違いを補正して順次露光を行えるため、光路変更手段を
異なる屈折率で出射する各色成分の出射光の光軸が同位
置となるように、すなわち、露光画像の色ずれが最小と
なるように調節することができる。従って、画素ずらし
によって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画
像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図るこ
とができる。
【0035】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1ないし図7に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。
【0036】図1は、本発明の実施の形態に係るプリン
トヘッドを備えた焼付装置の概略構成を示す斜視図であ
る。該プリントヘッドは、光源1、液晶表示装置(以
下、LCD(Liquid Crystal Display)と称する)2、屈
折板(光路変更手段)3、焼付レンズ4、およびBGR
回転フィルタ(色成分フィルタ)5を備えている。ま
た、上記焼付装置は、上記プリントヘッドにさらに、感
光材料としての印画紙6、印画紙6を搬送する搬送装置
14を加えた構成を有している。
【0037】上記プリントヘッドにおいて、LCD2、
屈折板3、焼付レンズ4、およびBGR回転フィルタ5
は、光源1から印画紙6に到る光軸上に、この順で配置
されている。また、上記プリントヘッドには、上記BG
R回転フィルタ5における色成分に対応して、上記屈折
板3の傾斜角を制御するための制御部15が設けられて
いる。該制御部15の詳しい構成については、後述す
る。
【0038】光源1は、例えばハロゲンランプ等から構
成されるランプ部、およびランプ部から出射した光をL
CD2が配置されている方向に反射させるリフレクタ
(図示せず)、ランプ部およびリフレクタを所定位置に
支持するとともに、ランプ部に電力を供給するためのソ
ケット部(図示せず)等から構成されている。ランプ部
から発せられる光は、B(青色)、G(緑色)、R(赤
色)の各色成分の光を全て含んだ光であり、やや赤みが
かった白色光となっている。やや赤みがかった白色光で
あるのは、印画紙6において、赤色の発色特性が他の色
に比べて弱いことを補うためである。リフレクタの反射
面の形状は、ランプ部から出射した光がLCD2の光入
射面に照射されるように設計される。
【0039】LCD2は、間に液晶を挟持した2枚の基
板と、その光の入射側および出射側に配置された2枚の
偏光板とを備えた構成となっている。上記基板には、複
数の画素部がマトリクス状に形成されており、各画素部
において、液晶に印加する電圧を制御することによっ
て、所望の画像の表示が行われる。
【0040】屈折板3は、図2に示すように1枚の矩形
板状のガラス板3aを2軸回転させ得る構成となってい
る。この屈折板3の詳細については後述する。
【0041】焼付レンズ4は、屈折板3を出射した光を
一旦集光し、その後印画紙6上に投影するものである。
この焼付レンズ4を、焦点距離を可変とするズームレン
ズによって構成すれば、印画紙6のサイズの変更に対応
することが可能となる。また、印画紙6の各種サイズに
応じて、それぞれ焦点距離の異なる複数の焼付レンズ4
…を切り換えて配置する構成とすることも可能である。
【0042】焼付レンズ4は保持部材12により支持さ
れており、保持部材12は、搬送装置14の搬送方向に
沿って往復移動可能な構成となっている。保持部材12
上において、焼付レンズ4とは異なる位置に、色ずれを
検知するためのCCD(固体撮像素子)カメラ13が取
り付けられている。CCDカメラ13は、図1におい
て、保持部材12を矢印方向に移動させた場合に、屈折
板3から出射された光によって、CCDカメラ13に結
像される画像を撮像する。色ずれ検出部15cは、CC
Dカメラ13から画像データを取り込み、BGR各色成
分の光の結像位置を確認して色ずれの検知を行う。
【0043】BGR回転フィルタ5は、円盤上に青色、
緑色、赤色のそれぞれに対応したフィルタを備えるとと
もに、該円盤が回転可能な構成となっている。そして、
各色に対応したフィルタを選択的に光路上に配置するこ
とによって、当該色成分の光が印画紙6上に照射され
る。
【0044】制御部15は、CCDカメラ13により検
知された色ずれの解析を行うと共に、上記BGR回転フ
ィルタ5の位置制御および屈折板3の位置制御を行うこ
とができる。より具体的には、制御部15は、図1にブ
ロック図で示すように、色成分フィルタの位置制御部1
5a、光路変更手段の位置制御部15b、色ずれ検出部
15c、および印画紙の搬送制御部15dを備えてい
る。
【0045】図1に示すように、色成分フィルタの位置
制御部15aは、BGR回転フィルタ5を回転して色成
分フィルタを随時光路に挿入するための図示しない回転
駆動部に接続されている。すなわち、色成分フィルタの
位置制御部15aは、光路上に挿入される上記色成分フ
ィルタを切り換えるための制御信号を出力する。また、
色成分フィルタの位置制御部15aは、BGR回転フィ
ルタ5において光路上にどの色成分のフィルタが挿入さ
れているかの情報を信号として、光路変更手段の位置制
御部15bに送っている。
【0046】光路変更手段の位置制御部15bは、図1
における屈折板3、すなわち、光路変更手段の図示しな
い駆動部(駆動機構21および回転軸17・17’を中
心とする回動を制御する駆動部)に接続されている。そ
して、上記挿入された色成分フィルタの種類に応じて、
予め記憶された上記傾斜角の設定値に応じて屈折板3の
位置を制御する。つまり、光路変更手段の位置制御部1
5bは、色成分フィルタの位置制御部15aからの上記
信号に応じて、屈折板3の上記駆動部に対し印加する電
圧を変化させる。
【0047】色ずれ検出部15cは、CCDカメラ13
により撮像された、ある色成分に対応した画像の位置か
ら、どの程度の色ずれが起こるかを示す色ずれ量を図1
中のX方向およびY方向において検出することができ
る。光路変更手段の位置制御部15bは、色ずれ検出部
15cにより検出された上記色ずれ量に応じて、補正す
べき傾斜角度を色成分毎にもとめる。
【0048】なお、上記の構成において、光源1とBG
R回転フィルタ5との間に、ミラートンネルを配置して
もよい。ミラートンネルは、内周面に光反射面が形成さ
れた筒状部と、この筒状部における光の入射側と出射側
とに設けられた拡散板とから構成されているものであ
る。ミラートンネルに入射した光は、入射側の拡散板に
よって若干拡散され、ミラートンネルの内部において反
射を繰り返し、出射側の拡散板から出射される。このよ
うに、光源1を出射した光がミラートンネルを通過する
ことによって、光源1を出射した光が有する光量ムラが
除去され、均一な光がミラートンネル以降の光学系に照
射されることになる。
【0049】また、上記の構成においては、屈折板3
は、LCD2と焼付レンズ4との間に配置されている
が、これに限定されるものではなく、例えば焼付レンズ
4と印画紙6との間に配置しても構わない。
【0050】次に、上記の屈折板3について、詳しく説
明する。図2は、屈折板3の概略構成を示す斜視図であ
る。図2に示すように、ガラス板3aの周囲には、ガラ
ス板3aの各側面に対面する四面によって構成された第
一矩形枠3bが配され、第一矩形枠3bの外周を囲むよ
うに、第一矩形枠3bと略相似形状の第二矩形枠3cが
配されている。
【0051】図2に示すように、上記ガラス板3aは、
X方向(印画紙搬送方向)およびこれと直交するY方向
に側面が沿うように配置されている。上記ガラス板3a
のY方向に平行な2側面中心付近には、回動軸16が突
設されており、該回動軸16の他端は、それぞれ、第一
矩形枠3bのY方向に平行な部分の中心付近に軸支され
ている。上記回動軸16は、図2に示すように、X方向
に平行に配置されている。
【0052】また、第一矩形枠3bおよび第二矩形枠3
cには、上記回動軸16と直交する方向、すなわち、Y
方向に回動軸17・17’が設置されている。該回動軸
17・17’は、ガラス板3aにおいて、Y方向に沿っ
た中心線上において、第一矩形枠3bと第二矩形枠3c
とをY方向に沿って貫通するように、回動可能に設けら
れている。
【0053】ガラス板3aは、図3に示す駆動機構21
に取り付けられ、回動軸16を中心として所定範囲の角
度で回動自在となっている。図3に示すように、ガラス
板3aは、その平面上の回動軸17’側端部付近におい
て、駆動機構21の圧縮バネ18に取り付けられ、ま
た、圧縮バネ18の取り付け位置に対応した底面側の位
置において、駆動機構21のピエゾアクチュエータ19
に取り付けられている。そして、圧縮バネ18およびピ
エゾアクチュエータ19は、駆動機構21のコの字型の
フレーム部20により、それぞれの他端部が固定されて
いる。ピエゾアクチュエータ19には、制御部15より
制御された所定の電圧が印加されるようになっている。
【0054】上記のような構成により、ガラス板3a
は、駆動機構21によって、回動軸16を中心として、
所定範囲内の任意の角度で回動させることができる。ガ
ラス板3aは、上記ピエゾアクチュエータ19が、これ
に印加される電圧の大きさによって伸長、収縮すること
に伴って回動する。これにより、ガラス板3aは、水平
面に対し所望の角度で静止させることができると共に、
該角度を制御部15からの指示に従い微調節することが
できる。
【0055】一方、屈折板3は、第一矩形枠3bと第二
矩形枠3cとの間を繋いでいる平板状部分の適当な位置
において、上記駆動機構21と同様の構成を有する、図
示しない他の駆動部に接続され、ガラス板3aを、回動
軸17・17’を中心として回転させることも可能とな
っている。この回動軸17・17’を中心とした回転も
また、制御部15により制御されている。上記のような
構成を有することにより、ガラス板3aは、制御部15
の制御により互いに直交する回動軸16および回動軸1
7・17’を中心として2軸回転させ、揺動させること
ができる。
【0056】以上のような構成の焼付装置における露光
動作は次のようになる。光源1において、ハロゲンラン
プから出射された光は、その一部がリフレクタによって
反射され、BGR回転フィルタ5を透過した後、B、
G、Rのいずれかの色成分の光として、LCD2に入射
する。LCD2に入射した光は、入射側の偏光板、液晶
層、出射側の偏光板を順に透過することによって、画像
データに応じて、各画素部毎に光量が調整される。
【0057】その後、LCD2を出射した光は、屈折板
3を透過する際に、該屈折板3の傾斜角(揺動角)、す
なわち、プリントヘッドの光軸に対し垂直に配置された
受光面を基準とした傾斜角に応じて光軸の方向が制御さ
れる。そして、屈折板3を出射した光は、焼付レンズ4
を介して印画紙6上に照射される。なお、LCD2に
は、BGR回転フィルタ5において選択されているフィ
ルタの色に対応した色成分の画像データが表示され、B
GR回転フィルタ5の回転に伴って、各色成分の画像が
シリアルに印画紙6上に露光される。
【0058】ここで、上記の屈折板3により、各色成分
の屈折率の違いによる色ずれを考慮して画素ずらしを行
う場合の光軸の変化について、より詳しく説明する。ま
ず、比較例として、一定の厚みを有するガラス板Pを用
い、このガラス板Pを傾けることによって、光軸を変化
させる構成について説明する。
【0059】図4(a)、(b)は、紙面上下方向が光
軸方向となるように、光源1、ガラス板P、および印画
紙6を配置した概略図である。まず、ガラス板Pを光軸
に対して垂直に配置して画像を焼き付けた後、ガラス板
Pの傾斜角を、一回目の受光面の位置よりθだけ回転
し、画素ずらしを行う場合を考える。同図(a)は、印
画紙6上において、画素部を左にずらす場合を、また、
同図(b)は、印画紙6上において、画素部を右にずら
す場合を示している。
【0060】同図(a)、(b)に示すように、光源1
から出射された白色光が、ガラス板Pに入射すると、
R、G、B各色成分の光がそれぞれに固有の屈折率に基
づき屈折し、それぞれ入射時の白色光の光路(光軸)と
平行にガラス板Pを出射する。これにより、R、G、B
各色成分の光は、R、G、Bの順序で光路がずれるた
め、印画紙6に露光される画素部は、R、G、Bの順序
で色ずれを生じ、画質が低下する。
【0061】次に、図5において、本実施の形態のプリ
ントヘッドを用いて、色ずれを考慮した画素ずらしを行
う場合の光軸の変化を示す。本実施の形態のプリントヘ
ッドに用いられる屈折板3は、R、G、Bそれぞれの色
成分の光によって、傾斜角、すなわち、一回目の露光時
における受光面の位置を基準とした傾斜角を異ならせる
ように構成されている。
【0062】図5(a)に示すように、まずB色成分で
の露光(B露光)を行う場合、上記傾斜角をθ−Δ1
する。次にG色成分での露光(G露光)を行う場合、傾
斜角をθ、R色成分での露光(R露光)を行う場合、傾
斜角をθ+Δ2 とする。このように、各色成分によって
屈折板3の傾斜角を変化させることにより、いずれの色
成分に対応する出射光も、同一の光路を進んで印画紙6
上に到達することとなる。
【0063】つまり、屈折板3に対する屈折率は、R、
G、Bの順で大きくなることから、上記各屈折率に応じ
てΔ1 およびΔ2 を設定することにより、各色成分の出
射光の光路を一致させることができる。ここで、θは、
露光画素のピッチに応じて、また、Δ1 およびΔ2 は、
屈折板3の材質に応じて適宜設定することができる。露
光画素のピッチを広くするには、θを増加させ、ピッチ
を狭くするには、θを減少させる。
【0064】同図では、説明を簡単にするために、屈折
板3のガラス板3aが、回動軸16を中心として回転す
る場合について示している。屈折板3は、これに加え
て、第一矩形枠3bを、回動軸17・17’を中心に回
転させて、上記同様に、印画紙6の上下方向に対応した
傾斜角を変化させることができる。すなわち、上記回動
軸16を中心とした回転および回動軸17・17’を中
心とした回転を組み合わせる2軸回転によって、色ずれ
を防止しながら、たとえば、以下に示すような面焼露光
における画素ずらしを行うことができる。
【0065】図6(a)は、屈折板3によって光軸を変
化させない状態で焼付を行った際の、印画紙6上におけ
る各露光画素(画像)の状態の一部を示している。図6
(a)において、各画素部によって焼き付けられる領域
A1…どうしの間には、LCD2におけるブラックマト
リクスの影響により、未露光領域が形成されている。
【0066】このような未露光領域に対して、屈折板3
を用いて光軸をずらすことによって焼付を行う。すなわ
ち、まず、図6(a)において、屈折板3によって光軸
を右方向にずらし、横方向に隣合う領域A1…同士の中
間位置に各画素部による露光領域が位置するように焼付
を行う。
【0067】このとき、まず、BGR回転フィルタ5で
は、B露光を行うべく、青色のフィルタが光路上に挿入
されているので、屈折板3のガラス板3aの回動軸16
を中心とした傾斜角をθ1−Δ1 とする。次に、順次B
GR回転フィルタ5の回転に伴って回動軸16を中心と
してガラス板3aを回転してゆき、G露光を行う際に
は、該傾斜角をθ1とし、最後にR露光を行う際に、該
傾斜角をθ1+Δ2 とする。
【0068】これにより、各色成分の光が同一の光路上
を進んで、印画紙6上の上記中間位置に到達する。これ
ら3つの傾斜角は、B光、G光、R光それぞれの色成分
のガラスに対する屈折率の差異を考慮して設定されてい
るので、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることな
く、図6(b)における領域B1…が露光される。
【0069】次に、図6(a)において、屈折板3によ
って光軸を下方向にずらし、縦方向に隣合う領域A1…
同士の中間位置に各画素部による露光領域が位置するよ
うに焼付を行う。この場合は、回動軸16を中心とした
傾斜角は、ゼロ、すなわち、光軸を変化させない状態と
同じである。これに対し、回動軸17・17’を中心と
した傾斜角を、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 と順次変
化させて、B露光、G露光、R露光をこの順に行う。こ
れにより、印画紙6上に縦方向に色ずれが生じることな
く、図6(b)における領域C1…が露光される。
【0070】さらに、図6(a)において、屈折板3に
よって光軸を右斜め下方向にずらし、斜め45°方向に
隣合う領域A1…同士の中間位置に各画素部による露光
領域が位置するように焼付を行う。この場合、ガラス板
3aを、回動軸16を中心として、θ1−Δ1 、θ1、
θ1+Δ2 の傾斜角に順次変化させると共に、回動軸1
7・17’を中心とした傾斜角を上記3種類の傾斜角に
対応させて、θ1−Δ 1 、θ1、θ1+Δ2 と変化させ
る。これにより、印画紙6上において、横方向および縦
方向に色ずれを生じることなく、図6(b)における領
域D1…が露光される。
【0071】以上のような焼付動作によって、図6
(a)における未露光領域は、全て露光されることにな
る。これにより、プリント画像において、白く浮き上が
って見える格子状の未露光領域をなくすことができる。
【0072】また、領域B1・C1・D1として露光さ
れる画素部の画素部データは、領域A1として露光され
る画素部の画素部データとは異なるものとすることによ
って、プリント画像の解像度を高めることが可能とな
る。なお、領域B1・C1・D1として露光される画素
部の画素部データとして、領域A1…として露光される
画素部の画素部データから補間演算によって算出された
データを用いても良いし、原画像自体が高解像度のデー
タとして得られている場合には、それらのデータを領域
A1・B1・C1・D1としてのデータとしてそれぞれ
割り当てても良い。言うまでもなく、後者の場合の方
が、プリント画像の画質としては高品位なものを得るこ
とができる。
【0073】上記傾斜角の制御は、制御部15により行
われる。制御部15での制御の手順について、図1に基
づいて以下に説明する。画素ずらし露光において、ま
ず、色成分フィルタの位置制御部15aにより、BGR
回転フィルタ5により光路上に挿入される色成分フィル
タの種類が設定される。次に、光路変更手段の位置制御
部15bは、色成分の種類を伝える色成分フィルタの位
置制御部15aからの上記信号に応じて、屈折板3につ
いて、図中Y方向に沿った画素ずらしにおけるずらし量
を生じる傾斜角を設定する。
【0074】この状態において、保持部材12を図1の
矢印方向に移動させることで光路上に挿入されたCCD
カメラ13が、該CCDカメラ13上に結像された画像
を撮像することにより、色ずれ検出部15cにおいて色
ずれが検出される。光路変更手段の位置制御部15b
は、色ずれ検出部15cからの色ずれ量の情報に基づい
て、色ずれ量がゼロになるように傾斜角を補正する。こ
のようにして、傾斜角の補正を色成分毎に繰り返す。光
路変更手段の位置制御部15bは、色成分フィルタの種
類に応じた画像データの露光時に、屈折板3が補正され
た傾斜角に設定されるように、光路変更手段の駆動部を
制御する。こうして、Y方向における1回の画素ずらし
について、順次露光が完結する。
【0075】制御部15により、色ずれ検出および傾斜
角度修正を行うタイミングは、画像の1駒毎、数駒の焼
付が完了する毎、あるいは、一連の画像の焼付開始時
等、任意に設定することができる。従って、色ずれ検出
部15cによる色ずれ量の検知が行われた後、次の色ず
れ量の検知までの間は、光路変更手段の位置制御部15
b等に色成分に対応する傾斜角をメモリしておき、次の
検知によって、メモリ内容を更新することも可能であ
る。
【0076】なお、制御部15は、印画紙6を搬送する
搬送装置14の搬送制御を行うことができる印画紙の搬
送制御部15dを備えている。。印画紙の搬送制御部1
5dは、搬送装置14の搬送制御を行うことによって、
特に、後述する走査露光において、X方向における画素
ずらしを制御することが可能である。
【0077】本実施の形態の焼付装置では、上記屈折板
3を用いて、色ずれを生じることなく面焼露光を行う例
を示した。これに対し、上記同様の機構を用いて、走査
露光における画素ずらしを行うこともできる。図7は、
走査露光を行う際に使用できる屈折板33を示してい
る。この場合、LCD2には、1ラインまたは複数ライ
ン分の画素がY方向に配列されている。屈折板33は、
上記屈折板3に示すガラス板3aとこれに突設された回
動軸16とから構成されている。屈折板33は、図7に
示すように、Y方向に対して、回動軸16が突設されて
いる方の側面が平行となるように配置する。
【0078】走査露光では、屈折板33を用いた画素ず
らしは、Y方向においてのみ行われる。すなわち、X方
向における画素ずらしは、印画紙6を搬送装置14によ
り搬送させる過程で行うことができる。従って、屈折板
33は、図7に示すように、ガラス板3aおよび回動軸
16のみからなる1軸回転を行う構成となっている。従
って、走査露光においては、色ずれについてもY方向の
みについて調整すればよいので、面焼露光の場合に比較
して、より簡便な構成の光路変更手段とすることができ
る。なお、搬送装置14の搬送は、上述のように印画紙
の搬送制御部15dにおいて制御することができる。
【0079】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について、図6、図8(a)、(b)に基づいて説明す
る。なお、実施の形態1で説明した構成と同一の機能を
有する構成には、同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0080】実施の形態1の焼付装置では、駆動機構2
1等を用いた屈折板3の傾斜角の可変により、色ずれを
防止する構成について説明した。本実施の形態では、駆
動手段により傾斜角を変化させる代わりに、予め、設定
された傾斜角を有する屈折板を複数用意し、これらを、
画素ずらしの位置、および露光しようとする光の色成分
に応じて順次切り換えて用いる構成を有する焼付装置に
ついて説明する。
【0081】図8(a)は、ターンテーブル式の屈折板
43を備えた焼付装置の構成を示す概略図である。同図
に示すように、屈折板43は、12枚のガラス板が、そ
れぞれ異なる取付け角、すなわち、傾斜角で、ターンテ
ーブルの同一円周上に放射状に取り付けられた構成を有
している。また、屈折板43は、上記ターンテーブル
が、制御部15の制御に伴って回転することに伴い、上
記12枚のガラス板を、LCD2と焼付レンズ4との間
の光路上に順次挿入することができる。
【0082】上記ターンテーブル上には、少なくとも以
下のような傾斜角を有するガラス板が装着されている。
まず、印画紙6の縦横両方向に対応した傾斜角がゼロの
もの、横方向に対応した傾斜角が、θ1−Δ1 、θ1、
θ1+Δ2 であるもの、縦方向に対応した傾斜角が、θ
1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 であるもの、縦横両方向に
対応した傾斜角がいずれもθ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ
2 であるものの合計10種類である。なお上記傾斜角が
ゼロのガラス板は、省略することができるので、ガラス
板の枚数を、これ以外の合計9枚として設定してもよ
い。
【0083】次に、図6に基づき、上記傾斜角を有する
ガラス板を順次用いて、色ずれを生じない画素ずらしを
行う場合について説明する。図6(a)に示すように、
屈折板43によって光軸を変化させない状態で焼付を行
う場合は、光路を変更させる必要がないので、印画紙6
の縦横両方向に対応した傾斜角がゼロのガラス板3aを
用いて露光を行う。
【0084】次に、横方向に対応した傾斜角を、θ1−
Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とこの順に変化させ、これらに
対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行う。こ
れら3つの傾斜角は、B光、G光、R光それぞれの色成
分のガラスに対する屈折率の差異を考慮して設定されて
いるので、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じること
なく、図6(b)における領域B1…が露光される。
【0085】次に、縦方向に対応した傾斜角を、θ1−
Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とこの順に変化させ、これらに
対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行うこと
で、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、
図6(b)における領域C1…が露光される。また、同
様にして、縦横両方向に対応した傾斜角を、いずれもθ
1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とするようにこの順に変化
させ、B露光、G露光、R露光をこの順で行うことで、
縦横両方向に色ずれが生じることなく、図6(b)にお
ける領域D1…が露光される。
【0086】上記のような構成の屈折板43を用いれ
ば、1枚のプリズムの傾斜角を変化させるための複雑な
駆動機構を別に設ける必要がなく、ターンテーブルを回
転するという単純な操作のみで色ずれを防止できる。以
上では、ターンテーブル式の屈折板43について説明し
たが、予め設定された傾斜角を有する複数のガラス板を
用いるための構成としては、これに限らず、たとえば、
図8(b)に示すスライド式を用いることもできる。
【0087】図8(b)に示すスライド式の屈折板63
は、上記屈折板43に用いられたと同一の傾斜角で、複
数のガラス板が平板上に装着された構造を有している。
図8(b)に示すように、屈折板63では、上記複数の
ガラス板が、細長い平板上に一次元的に配置されてお
り、該平板は、印画紙6の搬送方向に沿って、往復移動
することができる。
【0088】なお、上記では、図6(a)、(b)に示
す画素ずらしについて説明したが、この場合、A1、B
1、C1、D1の各領域に露光される際の光の光学距離
は均等とならない。これに対して、印画紙6上の、ある
中心点に対して、上下左右各方向に等距離ずつずらした
4箇所において露光を行う方式の画素ずらしを採用して
もよい。このような方式を採用することで、各露光光の
光学距離を均等にすることができる。この場合は、上記
4箇所に対応する4つの傾斜角が設定されると共に、そ
れぞれについて3種類に該傾斜角が変化するので、合計
12枚のガラス板を用いる。以上のように、ガラス板の
枚数は、画素ずらしの方式によって、適宜設定すればよ
く、図6(a)、(b)に示す場合、9枚もしくは10
枚のガラス板を用いて画素ずらしを行うことができる
が、露光光の光路長を等しくするためには、上記のよう
に12枚のガラス板を用いる場合が好ましい。
【0089】各ガラス板をLCD2と焼付レンズ4との
間の光路上に挿入する操作は、屈折板43と同様に、制
御部15により制御され、上記平板を順次スライドさせ
ることにより、BGR回転フィルタ5において挿入され
ている色成分フィルタに対応した傾斜角のガラス板が光
路上に挿入される。
【0090】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について、図6、図9〜図12に基づいて説明する。な
お、実施の形態1で説明した構成と同一の機能を有する
構成には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0091】実施の形態1および2の焼付装置では、光
路変更手段として、ガラス板を用いた構成について説明
した。本実施の形態では、光路変更手段として、2枚の
透光性基板の間に透明動作液が挟持された構成となって
おり、2枚の透光性基板の相対角度を任意の方向におい
て変化させることが可能な構成となっている角度可変プ
リズム73を用いている。
【0092】なお、上記の角度可変プリズム73とし
て、キャノン株式会社製のバリアングルプリズム(VARI
ANGLE PRISM (登録商標))を用いることができる。こ
のバリアングルプリズムは、例えば、双眼鏡やビデオカ
メラ等における手ぶれ抑制機構や、天体望遠鏡における
星の動きに対する追従機構等に用いられているものであ
る。
【0093】図9は、角度可変プリズム73の概略構成
を示す分解斜視図であり、図10は、角度可変プリズム
73の断面図を示している。図9および図10に示すよ
うに、角度可変プリズム73は、互いに対向して配置さ
れた2対の透光性基板(透光板)7・7と、該透光性基
板7・7に挟持され、その周囲をシーリングゴム11に
よって封止された透明動作液(透明媒質)8とを備えた
構成となっている。さらに、透光性基板7・7の四隅に
は、ピエゾアクチュエータ9…および引っ張りバネ10
…が設けられており、これらによって、透光性基板7・
7同士の間隔および角度が設定される。
【0094】ピエゾアクチュエータ9は、例えば圧電セ
ラミックスによって構成されている。圧電セラミックス
は、印加圧電の作用によって、結晶がひずむ性質を有し
ており、電圧を印加すると、その長さが一定方向に伸び
ることになる。すなわち、透光性基板7・7の四隅に配
置されたピエゾアクチュエータ9…に対してそれぞれ任
意の電圧を印加することで、各ピエゾアクチュエータ9
がそれぞれ印加された電圧に応じてその長さが変化する
ことになる。これにより、透光性基板7・7同士の間の
相対角度を任意の方向において自在に変化させることが
可能となっている。代表的な圧電体としては、ペロブス
カイト型構造のBaTiO3 、PbZr 1-X Tix 3
(PZT)、水晶などがある。
【0095】なお、ピエゾアクチュエータ9は、基本的
に伸びる際の力が強く、縮む際の力は比較的弱いもので
あるので、各ピエゾアクチュエータ9に対応させて引っ
張りバネ10を設けることによって、透光性基板7・7
同士の間隔を縮める際の力を補っている。
【0096】図11(a)および(b)は、ピエゾアク
チュエータ9…の長さを変化させることによって透光性
基板7・7同士の間の相対角度を変化させた様子を示し
ている。図11(a)は、右側のピエゾアクチュエータ
9を伸ばし、左側のピエゾアクチュエータ9を縮めた例
を示しており、これにより、上側の透光性基板7を、下
側の透光性基板7に対して右上がりとなるように傾けて
いる。なお、このように傾けるためには、右側のピエゾ
アクチュエータ9のみを伸ばす、あるいは、左側のピエ
ゾアクチュエータのみを縮めてもよい。
【0097】図11(b)は、左側のピエゾアクチュエ
ータ9を伸ばし、右側のピエゾアクチュエータ9を縮め
た例を示しており、これにより、上側の透光性基板7
を、下側の透光性基板7に対して左上がりとなるように
傾けている。なお、このように傾けるためには、左側の
ピエゾアクチュエータ9のみを伸ばす、あるいは、右側
のピエゾアクチュエータのみを縮めてもよい。
【0098】なお、図11(a)および(b)に示す例
では、2つのピエゾアクチュエータ9・9の長さを変化
させることによって、透光性基板7・7同士の相対角度
を二次元的に変化させているが、実際には、4つのピエ
ゾアクチュエータ9…の長さをそれぞれ適切に制御する
ことによって、透光性基板7・7同士を、任意の方向
に、任意の相対角度で設定することができる。
【0099】上記の透光性基板7としては、例えばガラ
ス基板などを用いることができるが、透光性が高く、あ
る程度の屈折率および強度を有する材料であればどのよ
うな材料でも構わない。
【0100】また、上記の透明動作液8としては、透光
性基板7として用いられるガラスと屈折率が近く、また
安定性も高いという利点を有するシリコンオイルが好適
に用いられが、これに限られるものではなく、透光性が
高く、流動性を有する材料であればどのような材料でも
構わない。また、ゲルのような半流動性の材料や、ゴム
のような弾性材料を用いてもよい。
【0101】透明動作液8の材料の屈折率が、透光性基
板7の材料の屈折率に近い方が好ましい理由としては、
以下の点が挙げられる。透明動作液8の材料の屈折率
が、透光性基板7の材料の屈折率と異なっている場合に
は、透明動作液8と透光性基板7との界面において、入
射した光の一部が反射することになり、光の利用効率が
若干減少することになる。また、角度可変プリズム73
の内部で、光の屈折が変化することになるので、角度可
変プリズム73における角度の変化と、光軸の変化との
関係がリニアでなくなり、制御が難しくなるという問題
もある。よって、透明動作液8の材料としては、その屈
折率が、透光性基板7の材料の屈折率にほぼ等しいもの
を用いることが好ましい。
【0102】ここで、角度可変プリズム73による光軸
の変化について、より詳しく説明する。
【0103】図12(a)に示すように、ガラス板Pを
光軸に対して垂直に配置した場合には、ガラス板Pに入
射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸と
は、同一の直線上に位置している。一方、図12(b)
に示すように、ガラス板Pを光軸に対して所定の角度だ
け傾けて配置した場合には、ガラス板Pの内部を光が通
過する際に生じる屈折によって、ガラス板Pに入射した
光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とが平行
にずれることになる。
【0104】つまり、ガラス板Pから出射した光の光軸
は、ガラス板Pに入射した光の光軸を含む直線上からず
れた位置で、かつ、この直線に対して平行となってい
る。すなわち、ガラス板Pを傾けることによる光軸の変
化は、ガラス板Pから出射した光のどの位置において
も、同じ量だけずれていることになる。
【0105】これに対して、上記の角度可変プリズム7
3を用いた場合には、以下のような作用となる。図12
(c)に示すように、透光性基板7・7同士を平行に配
置し、かつ、光軸に対して透光性基板7を垂直に配置し
た場合には、図12(a)の場合と同様に、透光性基板
7へ入射した光の光軸と、透光性基板7から出射した光
の光軸とが、同一の直線上に位置している。
【0106】一方、図12(d)に示すように、透光性
基板7・7同士を所定の角度で傾けて配置し、かつ、光
の入射側の透光性基板7を、光軸に対して垂直に配置し
た場合には、角度可変プリズム73の内部を光が通過す
る際に生じる屈折によって、角度可変プリズム73に入
射した光の光軸の方向と、角度可変プリズム73から出
射した光の光軸の方向とが異なることになる。
【0107】つまり、角度可変プリズム73に入射した
光は、角度可変プリズム73の内部で屈折することによ
って、その光軸の方向が変化し、角度可変プリズム73
を出射する際に、さらに屈折によってその光軸の方向が
変化することになる。すなわち、透光性基板7・7同士
の角度の変化は、出射光の角度変化に大きく影響するこ
とになる。また、光の出射側において、角度可変プリズ
ム73から離れれば離れるほど、入射光の光軸と、出射
光の光軸とのずれが大きくなる。
【0108】このように、角度可変プリズム73を用い
て光軸を変化させる場合には、光軸の移動量をある程度
大きくする場合でも、透光性基板7・7同士の角度の変
化は比較的小さくて済む。したがって、収差の発生も低
く抑えることができるので、印画紙6上に焼き付けられ
る画像の劣化を招くことなく、光軸の移動を行うことが
できる。
【0109】以上のような構成の焼付装置における露光
動作は次のようになる。光源1において、ハロゲンラン
プから出射された光は、その一部がリフレクタによって
反射され、LCD2に入射する。LCD2に入射した光
は、入射側の偏光板、液晶層、出射側の偏光板を順に透
過することによって、画像データに応じて、各画素部毎
に光量が調整される。その後、LCD2を出射した光
は、角度可変プリズム73を透過する際に、上下の透光
性基板7・7同士の角度、すなわち、傾斜角に応じて光
軸の方向が制御される。そして、角度可変プリズム73
を出射した光は、焼付レンズ4およびBGR回転フィル
タ5を介して印画紙6上に照射される。なお、LCD2
には、BGR回転フィルタ5において選択されているフ
ィルタの色に対応した色成分の画像データが表示され、
BGR回転フィルタ5の回転に伴って、各色成分の画像
がシリアルに印画紙6上に露光される。
【0110】以上のような露光動作に従って、色ずれを
防止しながら画素ずらしを行う場合について、以下に説
明する。
【0111】まず、図9に示すように、角度可変プリズ
ム73を、印画紙6の縦横方向(XY方向)に沿って配
置する。上記縦横方向に対応する角度可変プリズム73
の傾斜角がいずれもゼロの状態で1回目の露光を行うこ
とにより、図6(a)に示す領域A1が露光される。
【0112】次に、制御部15により、4つのピエゾア
クチュエータ9…に印加する電圧を適宜調節すること
で、4つのピエゾアクチュエータ9…の長さをそれぞれ
適切に制御する。これにより、横方向に対応した傾斜角
を、θ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とこの順に変化さ
せ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの
順で行う。これら3つの傾斜角は、B光、G光、R光そ
れぞれの色成分の角度可変プリズム73に対する屈折率
の差異を考慮して設定されているので、印画紙6上に、
横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における
領域B1…が露光される。
【0113】次に、同様に、縦方向に対応した傾斜角
を、θ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とこの順に変化さ
せ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの
順で行うことで、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じ
ることなく、図6(b)における領域C1…が露光され
る。また、同様にして、縦横両方向に対応した傾斜角
を、いずれもθ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とするよう
にこの順に変化させ、B露光、G露光、R露光をこの順
で行うことで、縦横両方向に色ずれが生じることなく、
図6(b)における領域D1…が露光される。
【0114】なお、上述したように、角度可変プリズム
73による光軸の変化は、ガラス板を用いる屈折板3や
屈折板33、43等を用いて同一の傾斜角により画素ず
らしを行った場合と比較して大きくなる。従って、上記
のような構成の角度可変プリズム73を用いれば、傾斜
角θ2を、上記傾斜角θ1より小さく設定することがで
きる。
【0115】このため、本実施の形態の角度可変プリズ
ム73を用いる焼付装置では、角度可変プリズム73の
傾斜角を大きくすることにより、出射光に発生する収差
を抑制することができるため、画素ずらしにおいて、印
画紙6上に焼き付けられる画像の色調変化を抑えること
ができるため、さらに画質の向上を図ることができる。
【0116】
【発明の効果】請求項1のプリントヘッドは、以上のよ
うに、感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであ
って、光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に
変調する光変調手段と、上記光変調手段と上記感光材料
との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の
少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化
によって、上記光の光路を変更させることにより、上記
感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した
複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、上記光源と上
記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データ
に基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色
成分フィルタとを備え、上記色成分フィルタにおける各
色成分に対応して、上記光路変更手段の上記傾斜角を制
御する制御手段が設けられている構成である。
【0117】それゆえ、各色成分毎に順次露光する場合
に、制御手段が、色成分フィルタにおける色成分に対応
して、上記傾斜角を制御できるため、露光しようとする
色成分の光が、光路変更手段を透過する際の屈折率に応
じた傾斜角を設定できるため、各色成分ごとの屈折率の
違いを補正して順次露光を行える。
【0118】このため、いわゆる画素ずらしを行う場合
にあっても、露光画像の色ずれが最小となるように傾斜
角を調節することができるので、画素ずらしによって、
感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画像の色ずれ
を抑制することができ、画質の向上を図ることができる
という効果を奏する。
【0119】請求項2のプリントヘッドは、以上のよう
に、請求項1のプリントヘッドの構成に加えて、上記光
路変更手段は、透光性を有する2枚の透光板と、上記2
枚の透光板の間に挟持された透明媒質とを備え、上記2
枚の透光板同士の角度を変化させることによって光路を
変更させる屈折板である構成である。
【0120】それゆえ、光路変更手段として、コンパク
トかつ、簡素な構成によって、感光材料上に焼き付けら
れる各画素部に対応した複数の画像の位置を上下方向お
よび左右方向に移動させられる。また、2枚の透光板と
その間に挟持されている透明媒質とによってプリズムを
形成することによって、2枚の透光板同士の角度の変化
が微小でも、感光材料上での光路の移動量は比較的大き
くなる。従って、2枚の透光板同士の角度の変化量が微
小となる場合、光路変更手段を透過することによる収差
の発生は極めて僅かなものとなるので、収差による露光
画像の劣化を生じさせることなく、感光材料への焼付動
作を行うことができ、さらに画質の向上を図れるという
効果を奏する。
【0121】請求項3のプリントヘッドは、以上のよう
に、請求項1または2のプリントヘッドの構成に加え
て、上記光路変更手段は、光透過性を有する樹脂板およ
び光透過性を有するガラス板の少なくともいずれか一方
を備えている構成である。
【0122】それゆえ、光路変更手段が、光透過性を有
する樹脂板または光透過性を有するガラス板で構成され
ていることにより、樹脂板またはガラス板という比較的
単純な構成により、上記のように画質の向上を図ること
ができるので、製造コストを抑えられるという効果を奏
する。
【0123】請求項4の焼付装置は、以上のように、請
求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリントヘッド
を備えている構成である。
【0124】それゆえ、上記プリントヘッドを用いるこ
とで、光路変更手段を用いて画素ずらし露光を行う場合
において、感光材料上での色ずれを抑制でき、画質の向
上を図ることができる焼付装置を提供できるという効果
を奏する。
【0125】請求項5の焼き付け方法は、以上のよう
に、画像データに基づいて、光の色成分ごとに焼付を行
うことにより一つの画像を焼き付ける順次露光におい
て、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方
についての傾斜角の相対的変化により光路を変更させる
光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付方法であっ
て、露光しようとする各色成分に対応して上記傾斜角を
変化させる構成である。
【0126】それゆえ、上記順次露光において、光路変
更手段の傾斜角の変化により画素ずらしを行う場合に、
光路変更手段の傾斜角を各色成分に対応して設定でき
る。このため、各色成分ごとに異なる屈折率の違いを補
正して順次露光を行えるため、露光画素の色ずれが最小
となるように傾斜角を調節することができる。従って、
画素ずらしによって、感光材料上の異なる位置に焼き付
けられた画像の色ずれを抑制することができ、画質の向
上を図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の光路変
更手段における、ガラス板の傾斜機構を説明するための
概略図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の光路変
更手段における、駆動機構を説明するための概略図であ
る。
【図4】同図(a)および(b)は、色成分ごとの屈折
率の相違を考慮しない画素ずらし露光における各色成分
の光の屈折の様子を示す説明図である。
【図5】同図(a)および(b)は、本発明の一実施の
形態に係る焼付装置の色成分ごとの屈折率の相違を考慮
した画素ずらし露光における各色成分の光の屈折の様子
を示す説明図である。
【図6】同図(a)および(b)は、上記焼付装置によ
る焼付動作によって露光された印画紙上の様子を示す説
明図である。
【図7】本発明の実施の他の形態に係る焼付装置の光路
変更手段における、ガラス板の傾斜機構を説明するため
の概略図である。
【図8】同図(a)および(b)は、本発明の実施の他
の形態に係る焼付装置の光路変更手段における、ガラス
板の傾斜機構を説明するための概略図である。
【図9】本発明の実施の他の形態に係る焼付装置が備え
ている角度可変プリズムの概略構成を示す分解斜視図で
ある。
【図10】上記角度可変プリズムの概略構成を示す断面
図である。
【図11】同図(a)および(b)は、上記角度可変プ
リズムの動作を示す説明図である。
【図12】同図(a)および(b)は、比較例としての
ガラス板による光の屈折の様子を示す説明図であり、同
図(c)および(d)は、上記角度可変プリズムによる
光の屈折の様子を示す説明図である。
【図13】同図(a)および(b)は、従来の焼付装置
の概略構成を示す斜視図である。
【図14】屈折板を用いた焼付装置の概略構成図を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 光源 2 LCD(光変調手段) 3 屈折板(光路変更手段) 3a ガラス板 5 BGR回転フィルタ(色成分フィルタ) 6 印画紙(感光材料) 7 透光性基板(透光板) 8 透明動作液(透明媒質) 15 制御部(制御手段) 33 屈折板(光路変更手段) 43 屈折板(光路変更手段) 63 屈折板(光路変更手段) 73 角度可変プリズム(光路変更手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッ
    ドであって、 光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調す
    る光変調手段と、 上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けら
    れ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方
    についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路
    を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置
    に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける
    光路変更手段と、 上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上
    記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光
    するための色成分フィルタとを備え、 上記色成分フィルタにおける各色成分に対応して、上記
    光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段が設けら
    れていることを特徴とするプリントヘッド。
  2. 【請求項2】上記光路変更手段は、透光性を有する2枚
    の透光板と、上記2枚の透光板の間に挟持された透明媒
    質とを備え、上記2枚の透光板同士の角度を変化させる
    ことによって光路を変更させる角度可変プリズムである
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
  3. 【請求項3】上記光路変更手段は、光透過性を有する樹
    脂板および光透過性を有するガラス板の少なくともいず
    れか一方を備えていることを特徴とする請求項1または
    2に記載のプリントヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    プリントヘッドを備えていることを特徴とする焼付装
    置。
  5. 【請求項5】画像データに基づいて、光の色成分ごとに
    焼付を行うことにより一つの画像を焼き付ける順次露光
    において、光の入射面および出射面の少なくともいずれ
    か一方についての傾斜角の相対的変化により光路を変更
    させる光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付方法
    であって、 露光しようとする各色成分に対応して上記傾斜角を変化
    させることを特徴とする焼付方法。
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