JP2001121165A - 有機排水の分解処理方法及びその装置 - Google Patents

有機排水の分解処理方法及びその装置

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JP2001121165A
JP2001121165A JP29981599A JP29981599A JP2001121165A JP 2001121165 A JP2001121165 A JP 2001121165A JP 29981599 A JP29981599 A JP 29981599A JP 29981599 A JP29981599 A JP 29981599A JP 2001121165 A JP2001121165 A JP 2001121165A
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Japan
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organic wastewater
filler
reaction tower
organic
oxidizing gas
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JP29981599A
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English (en)
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Ryuzo Hiraoka
龍三 平岡
Hideo Sato
秀男 佐藤
Masatada Yamashita
正忠 山下
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 悪臭等を生じさせることなく、有機排水を確
実に処理する。 【解決手段】 内部に充填された充填剤13の上方から
有機排水を導入し且つ充填剤13の下方から酸化ガスを
導入して酸化反応の後に充填剤13の上方から反応物の
排ガスを排出し且つ充填剤13の下方から反応物の排液
を排出する耐圧性の反応塔5と、反応塔5を加熱するヒ
ータ18とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活排水等の有機
排水の分解処理方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホテル、デパート及び食品加工場等から
排出される有機排水を処理する際には、有機排水を微生
物の生物処理により処理し、基準値に見合った状態にし
てから排出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機排
水を生物処理する際には、処理に時間が掛かるため大型
容積の装置設備が必要になると共に、生物処理であるた
め生物臭、腐敗臭等の悪臭がひどく、都心や住宅地に建
設が難しいという問題があった。
【0004】本発明は、悪臭等を生じさせることなく、
簡単な構成により確実に有機排水を処理する有機排水の
分解処理方法及びその装置を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、充填剤を通過する有機排水と酸化ガスを高温、高圧
の状態で酸化反応させ、有機排水を湿式酸化分解するこ
とを特徴とする有機排水の分解処理方法、に係るもので
ある。
【0006】請求項2に記載の発明は、有機排水に酸化
ガスを混合して酸化反応により湿式酸化分解する工程の
後、処理された有機排水を前記工程の前に戻して湿式酸
化分解を繰り返すことを特徴とする有機排水の分解処理
方法、に係るものである。
【0007】請求項3に記載の発明は、内部に充填され
た充填剤の上方から有機排水を導入し且つ充填剤の下方
から酸化ガスを導入して酸化反応の後に前記充填剤の上
方から反応物の排ガスを排出し且つ前記充填剤の下方か
ら反応物の排液を排出する耐圧性の反応塔と、該反応塔
を加熱するヒータとを備えることを特徴とする有機排水
の分解処理装置、に係るものである。
【0008】請求項4に記載の発明は、内部に充填され
た充填剤の下方から有機排水と酸化ガスを導入して酸化
反応の後に前記充填剤の上方から反応物の排ガスと排液
を排出する耐圧性の反応塔と、該反応塔を加熱するヒー
タとを備えることを特徴とする有機排水の分解処理装
置、に係るものである。
【0009】請求項5に記載の発明は、内部に充填され
た充填剤の上方から有機排水を導入し且つ充填剤の下方
から酸化ガスを導入して酸化反応の後に前記充填剤の上
方から反応物の排ガスを排出し且つ前記充填剤の下方か
ら反応物の排液を排出する耐圧性の反応塔と、該反応塔
に有機排水を導入する経路に有機排水を加熱する熱交換
器とを備えることを特徴とする有機排水の分解処理装
置、に係るものである。
【0010】請求項6に記載の発明は、内部に充填され
た充填剤の下方から有機排水と酸化ガスを導入して酸化
反応の後に前記充填剤の上方から反応物の排ガスと排液
を排出する耐圧性の反応塔と、該反応塔に有機排水を導
入する経路に有機排水を加熱する熱交換器とを備えるこ
とを特徴とする有機排水の分解処理装置、に係るもので
ある。
【0011】請求項3、4、5及び6に記載の発明にお
いて、好ましくは、反応塔から反応物を湿式酸化分解し
て排出する経路に冷却管を備えてもよい。
【0012】請求項8に記載の発明は、酸化ガスを加え
た有機排水を加熱して酸化反応させる加熱器と、該加熱
器より排出される有機排水を、加熱器の手前に戻す経路
を備えることを特徴とする有機排水の分解処理装置、に
係るものである。
【0013】請求項1、3、4、5、6及び7の有機排
水の分解処理方法及びその装置は、有機排水及び酸化ガ
スを反応塔の充填剤に通過させることによって有機排水
と酸化ガスの接触面を大きくし、且つ反応塔内を高温高
圧にして、有機排水と酸化ガスの酸化反応の進行を早め
て有機排水を湿式酸化分解により二酸化炭素、水、低分
子の有機液にする。
【0014】請求項2、8の有機排水の分解処理方法及
びその装置は、有機排水に酸化ガスを加えて加熱器によ
り加熱して酸化反応させ、更に排出される有機排水を経
路を介して加熱器の手前に戻し、酸化反応による湿式酸
化分解を繰り返すことによって有機排水を二酸化炭素、
水、低分子の有機液にする。
【0015】請求項1、3、4、5、6に記載の発明に
よれば、有機排水と酸化ガスとの接触面を大きくするよ
う充填剤を通過させると共に反応塔内を高温高圧にする
ので、酸化反応の進行を早めて有機排水を二酸化炭素、
水、低分子の有機液に大量且つ迅速に湿式酸化分解し、
結果として悪臭を発生することなく確実に有機排水を処
理することができ、又、簡単な構成で有機排水を処理し
得るので装置構成を小型化することができる。
【0016】請求項7に記載の発明のごとく、反応塔か
ら反応物を湿式酸化分解して排出する経路に冷却管を備
えると、反応物を所定温度にして排出し得るので、悪臭
を発生することなく有機排水を外部へ排出することがで
きる。
【0017】請求項2、8に記載の発明によれば、酸化
反応による有機排水の湿式酸化分解を繰り返すよう有機
排水を加熱器の手前に戻すので、有機排水を二酸化炭
素、水、低分子の有機液に完全に湿式酸化分解し、結果
として悪臭を発生することなく確実に有機排水を処理す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例と共に説明する。
【0019】図1は、本発明の有機排水の分解処理方法
及びその装置を実施する形態の第一の例のフローシート
を示している。
【0020】第一の例の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置について説明すると、貯留部1から有機排水を送
給する送給ライン2は高圧ポンプ3に接続されており、
高圧ポンプ3の排出側は予熱器4を介して反応塔5に接
続されている。
【0021】一方、酸化ガスが供給される供給ライン6
は、コンプレッサ7とボンベ8を供給源として、マスフ
ローコントローラ9及び逆止弁10を介して反応塔5に
接続されている。
【0022】反応塔5は、上方空間11と下方空間12
を形成するよう区画された中央空間に粒状の充填剤13
を内在しており、上方空間11には、送給ライン2の排
出側である配管の端部をスプレノズル14として配置す
ると共に、排ガスを排出する排ガス排出ライン15を備
えており、下方空間12には、供給ライン6の排出側で
ある配管の端部を接続すると共に、排液を排出する排液
排出ライン16を接続している。更に下方空間12の壁
面には排液の液面を計測する液面レベル計17を備えて
おり、反応塔5の外周には中央空間を覆うようヒータ1
8を備えている。
【0023】反応塔5の上部に接続される排ガス排出ラ
イン15は、中途位置に排ガスを冷却するガス冷却管1
9を備えており、ガス冷却管19の排出側には排ガスを
所定圧力にする保圧弁20を備えて外部に放出されるよ
うになっている。
【0024】反応塔5の下部に接続される排液排出ライ
ン16は、中途位置に排液を冷却する液冷却管21を備
えており、液冷却管21の排出側には、液面レベル計1
7よりPC22を介して接続される電磁弁23と、排液
を所定圧力にする保圧弁24とを備えて外部に放出され
るようになっている。
【0025】以下、本発明の実施の形態の第一の例の作
用を説明する。
【0026】ホテル、デパート、食品加工場等から排出
される有機排水は、一旦、貯留部1に溜められた後、送
給ライン2の高圧ポンプ3により予熱器4に送られて所
定温度まで昇温されており、昇温された有機排水はスプ
レノズル14より反応塔5の上方空間11から充填剤1
3へ散布される。
【0027】一方、供給ライン6には、供給源のコンプ
レッサ7及びボンベ8より空気、酸素若しくはオゾンガ
ス等の酸化ガスが流れており、マスフローコントローラ
9により流量を調節された後、逆流を防ぐ逆止弁10を
介して反応塔5の下方空間12に供給される。
【0028】このとき、反応塔5の内部は、ヒータ18
により150℃より350℃の高温、及び0.5MPa
〜17MPaの高圧になっており、反応塔5内に有機排
水と酸化ガスが供給されると、有機排水は粒状の充填剤
13により薄い液膜となって流下し、反応塔5の下方空
間12から上昇してきた酸化ガスと反応する。
【0029】このため、有機排水は、充填剤13により
酸化ガスとの接触面が大きくなると共に高温高圧になる
ことから酸化反応の進行を早め、湿式酸化分解により二
酸化炭素、水、低分子の有機液に分解される。
【0030】ここで、図2は、動物残渣液を酸化分解反
応する際の高温時における分解度を示したグラフであ
り、有機排水すなわち動物残渣液の分解度は、COD
(化学的酸素要求量)により表記されており、酸化処理
液COD比が低くなれば有機排水が一層分解しているこ
とを示している。処理試験は、動物残渣液の試験液10
ml、試験液(動物残渣液)CODを2800ppm、
処理時間30min.、酸素注入圧10kg/cm2の条件下
で行なった。
【0031】この結果、加熱温度150℃より高温にな
るほど分解が進むことが明らかである。
【0032】又、図3は、動物残渣液を酸化分解反応す
る際の高圧時における分解度を示したグラフであり、有
機排水すなわち動物残渣液の分解度は、図2と同様にC
OD(化学的酸素要求量)により表記されており、酸化
処理液COD比が低くなれば有機排水が一層分解してい
ることを示している。処理試験は、動物残渣液の試験液
10ml、試験液(動物残渣液)CODを3130pp
m、処理温度360℃、処理時間30min.の条件下で行
なった。
【0033】この結果、酸素注入圧0.5MPaより高
圧になるほど分解が進んでいることが明らかである。
【0034】反応塔5において分解により生じた二酸化
炭素の排ガスは、排ガス排出ライン15のガス冷却管1
9によって所定温度まで冷却されて保圧弁20を介して
外部へ放出される。
【0035】一方、反応塔5において分解により生じた
水、低分子の有機液の排液は、排液排出ライン16の液
冷却管21によって所定温度まで冷却されて電磁弁23
及び保圧弁24を介して外部へ放出される。ここで、電
磁弁23は、反応塔5内の液面レベル計17及びPC2
2により反応塔5内の液面の高さを所定の範囲内にする
よう調節されている。
【0036】このように、有機排水と酸化ガスとの接触
面を大きくするよう充填剤13を通過させ、且つ反応塔
5内を高温高圧するので、酸化反応の進行を早めて有機
排水を二酸化炭素、水、低分子の有機液に大量且つ迅速
に湿式酸化分解し、結果として有機排水を悪臭を発生す
ることなく確実に処理することができる。
【0037】又、反応塔5から排ガスを排出する排ガス
排出ライン15にガス冷却管19を、排液を排出する排
液排出ライン16に液冷却管21を備えると、排ガス及
び排液を所定温度にして排出し得るので、悪臭を発生す
ることなく有機排水を外部へ排出することができる。
【0038】更に、反応塔5の内部をヒータ18により
150℃より350℃の高温及び0.5MPa〜17M
Paの高圧にすると、有機排水と酸化ガスを適切に酸化
反応させるので、有機排水を一層、大量且つ迅速に湿式
酸化分解することができる。ここで、温度が150℃未
満の場合には、低温であるため有機排水と酸化ガスを適
切に酸化反応させることができず、温度が350℃より
大きい場合には、あまりに高温であるため反応塔5に負
荷が掛かり過ぎて反応塔5を急速に劣化させる。又、圧
力が0.5MPaの場合には、低圧であるため有機排水
と酸化ガスを適切に酸化反応させることができず、圧力
が17MPaの場合には、あまりに高圧であるため反応
塔5に負荷が掛かり過ぎて反応塔5を急速に劣化させ
る。
【0039】図4は、本発明の有機排水の分解処理方法
及びその装置を実施する形態の第二の例のフローシート
を示している。
【0040】第二の例の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置について説明すると、貯留部25から有機排水を
送給する送給ライン26は高圧ポンプ27に接続されて
おり、高圧ポンプ27の排出側は予熱器28を介して混
合室29に接続されている。
【0041】又、混合室29には、酸化ガスが供給され
る供給ライン30が、コンプレッサ31とボンベ32を
供給源として、マスフローコントローラ33及び逆止弁
34を介して接続されている。
【0042】このように送給ライン26及び供給ライン
30を備えた混合室29は反応塔35に接続されてお
り、反応塔35は、上方空間36と下方空間37を形成
するよう区画された中央空間に粒状の充填剤38を内在
しており、上方空間36には排ガス及び排液を排出する
排出ライン39を備えており、下方空間37には混合室
29より接続される接続ライン40を備えている。又、
反応塔35の外周には中央空間を覆うようヒータ41を
備えている。
【0043】反応塔35の上部に接続される排出ライン
39は、中途位置に排ガス及び排液を冷却する冷却管4
2を備えており、冷却管42の排出側には排ガス及び排
液を所定圧力にする保圧弁43を備えて外部に放出され
るようになっている。
【0044】以下、本発明の実施の形態の第二の例の作
用を説明する。
【0045】ホテル、デパート、食品加工場等から排出
される有機排水は、一旦、貯留部25に溜められた後、
送給ライン26の高圧ポンプ27により予熱器28に送
られて所定温度まで昇温されており、昇温された有機排
水は混合室29に供給される。
【0046】一方、供給ライン30には、供給源のコン
プレッサ31及びボンベ32より空気、酸素若しくはオ
ゾンガス等の酸化ガスが流れており、マスフローコント
ローラ33により流量を調節された後、逆流を防ぐ逆止
弁34を介して混合室29に供給される。
【0047】混合室29では、有機排水及び酸化ガスを
混合して接続ライン40を介して反応塔35の下方空間
37に導入しており、このとき、反応塔35の内部は、
ヒータ41により150℃より350℃の高温、及び
0.5MPa〜17MPaの高圧になっている。
【0048】有機排水と酸化ガスと混合物が反応塔35
内に供給されると、有機排水は下方空間37から上昇し
て粒状の充填剤38により薄い液膜になって酸化反応す
る。
【0049】このため、有機排水は、充填剤38により
酸化ガスとの接触面が大きくなると共に反応塔35内が
高温高圧になることから酸化反応の進行を早め、湿式酸
化分解により二酸化炭素、水、低分子の有機液に分解さ
れる。
【0050】次に、反応塔35において湿式酸化分解に
より生じた二酸化炭素の排ガス及び水、低分子の有機液
の排液は反応塔35の上方から排出ライン39に流れ込
み、冷却管42によって所定温度まで冷却された後、保
圧弁43を介して外部へ放出される。
【0051】このように、有機排水と酸化ガスとを混合
させた後、接触面を大きくするよう充填剤38を通過さ
せ、且つ反応塔35内を高温高圧するので、酸化反応の
進行を早めて有機排水を二酸化炭素、水、低分子の有機
液に大量且つ迅速に湿式酸化分解し、結果として有機排
水を悪臭を発生することなく確実に処理することがで
き、又、簡単な構成で有機排水を処理し得るので装置構
成を小型化することができる。
【0052】更に、第二の例の有機排水の分解処理方法
及びその装置は、第一の例の有機排水の分解処理方法及
びその装置と同じ作用効果を備えている。
【0053】図5は、本発明の有機排水の分解処理方法
及びその装置を実施する形態の第三の例のフローシート
を示している。
【0054】第三の例の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置について説明すると、第三の例は第一の例と略同
様であって加熱する装置を変形したものである。
【0055】貯留部1から有機排水を送給する送給ライ
ン44は高圧ポンプ3に接続されており、高圧ポンプ3
の排出側は熱交換器45を介して反応塔46に接続され
ている。
【0056】送給ライン44が接続される反応塔46
は、外周にヒータがないことを除いて第一の例と略同じ
構成であり、酸化ガスが供給される供給ライン6、反応
塔46の上部に接続される排ガス排出ライン15、反応
塔の下部に接続される排液排出ライン16も第一の例と
略同じ構成である。
【0057】以下、本発明の実施の形態の第三の例の作
用を説明する。
【0058】ホテル、デパート、食品加工場等から排出
される有機排水は、一旦、貯留部1に溜められた後、送
給ライン44の高圧ポンプ3により熱交換器45に送ら
れて所定温度まで昇温されており、昇温された有機排水
はスプレノズル14より反応塔46の上方空間11から
粒状の充填剤13へ散布される。
【0059】ここで、熱交換器45により昇温される有
機排水の温度は、反応塔46内で150℃より350℃
の高温、及び0.5MPa〜17MPaの高圧になるよ
うに設定されている。
【0060】以下、酸化ガスが供給される供給ライン
6、反応塔46の上部に接続される排ガス排出ライン1
5、反応塔46の下部に接続される排液排出ライン16
が、第一の例と略同じ過程を経ることによって、有機排
水は、粒状の充填剤13により酸化ガスとの接触面が大
きくなると共に高温高圧になることから酸化反応の進行
を早め、湿式酸化分解により二酸化炭素、水、低分子の
有機液に分解される。
【0061】従って、第三の例の有機排水の分解処理方
法及びその装置は、第一の例の有機排水の分解処理方法
及びその装置と同じ作用を備えている。
【0062】図6は、本発明の有機排水の分解処理方法
及びその装置を実施する形態の第四の例のフローシート
を示している。
【0063】第四の例の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置について説明すると、第四の例は第二の例と略同
様であって加熱する装置を変形したものである。
【0064】貯留部25から有機排水を送給する送給ラ
イン47は高圧ポンプ27に接続されており、高圧ポン
プ27の排出側は熱交換器48を介して混合室29に接
続されている。又、混合室29は接続ライン40を介し
て反応塔49に接続されている。
【0065】反応塔49は、外周にヒータがないことを
除いて第二の例と略同じ構成であり、混合室29に酸化
ガスが供給される供給ライン30、反応塔49の上方空
間36に接続される排出ライン39も第二の例と略同じ
構成である。
【0066】以下、本発明の実施の形態の第四の例の作
用を説明する。
【0067】ホテル、デパート、食品加工場等から排出
される有機排水は、一旦、貯留部25に溜められた後、
送給ライン47の高圧ポンプ27により熱交換器48に
送られて所定温度まで昇温されており、昇温された有機
排水は混合室29に導入される。
【0068】ここで、熱交換器48により昇温される有
機排水の温度は、混合室29を介して導入される反応塔
49内で150℃より350℃の高温、及び0.5MP
a〜17MPaの高圧になるように設定されている。
【0069】以下、酸化ガスが供給される供給ライン3
0、反応塔49の上方空間36に接続される排出ライン
39が、第二の例と略同じ過程を経ることによって、有
機排水は、粒状の充填剤38により酸化ガスとの接触面
が大きくなると共に高温高圧になることから酸化反応の
進行を早め、湿式酸化分解により二酸化炭素、水、低分
子の有機液に分解される。
【0070】従って、第四の例の有機排水の分解処理方
法及びその装置は、第二の例の有機排水の分解処理方法
及びその装置と同じ作用を備えている。
【0071】図7は、本発明の有機排水の分解処理方法
及びその装置を実施する形態の第五の例のフローシート
を示している。
【0072】第五の例の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置について説明すると、第五の例は第一の例から第
四の例までと異なる有機排水の処理の経路を備えるもの
であり、固形有機廃棄物から有機排液にする液状化工程
と、有機排水の処理の経路が異なる分解工程とからなっ
ている。
【0073】液状化工程は、ホテル、デパート、食品加
工場等から排出される固形有機廃棄物を導入する粉砕部
50を出発点としており、粉砕部50にはArガス及び
水を導入するよう構成されており、内部には固形有機廃
棄物を裁断及び攪拌する粉砕機(図示せず)を備えてい
る。
【0074】粉砕部50の下流には加熱器51が接続さ
れており、加熱器51は、内部流路(図示せず)にマイ
クロ波により振動を与えると共に加熱するよう構成され
ている。
【0075】加熱器51の排出側には液状化工程の最終
点となる有機排水貯留部52を設けており、有機排水貯
留部52の下流は分解工程になる。
【0076】分解工程は酸化ガスを加える酸素導入部5
3を備えており、酸素導入部53の下流には、液状化工
程の加熱器51と同様な酸素加熱器54を備えている。
【0077】酸素加熱器54の排出側には、処理した有
機排水を貯留する処理液貯留部55を設けており、処理
液貯留部55は、酸素導入部53に処理液を戻す経路5
6と、完全に処理された有機排水を貯留する最終貯留部
57への経路58とを備えている。又、酸素導入部53
への経路56と最終貯留部57への経路58は適宜切換
可能に構成されている。
【0078】以下、本発明の実施の形態の第五の例の作
用を説明する。
【0079】ホテル、デパート、食品加工場等から排出
される固形有機廃棄物は、Arガス、水と共に粉砕部5
0に投入されて粉砕機(図示せず)により裁断及び攪拌
される。この時、粉砕部50には、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ剤を加えてもよい。
【0080】次に粉砕機内の粉砕物は加熱器51に供給
されて、加熱器51の内部流路(図示せず)でマイクロ
波の振動により攪拌されると同時に粉砕物の水分が気化
しない温度の略250℃以上に加熱されて、水熱反応を
起こす。
【0081】水熱反応を起こした粉砕物は、固形有機廃
棄物中の主成分である高分子の結合が切断されて低分子
化することにより液状化して有機排水となる。
【0082】加熱器51内で有機排水となった粉砕物は
酸素導入部53に供給され、酸化ガスが加圧される。
【0083】続いて、酸素加熱器54に供給されること
により、加熱器51と同様に内部流路(図示せず)でマ
イクロ波の振動により攪拌されると同時に粉砕物の水分
が気化しない温度の略250℃以上に加熱されて、酸化
反応により湿式酸化分解する。
【0084】湿式酸化分解された有機排水は1回の処理
では完全に分解処理されないので、処理液貯留部55に
貯留された後、最終貯留部57への経路58を塞ぐと共
に酸素導入部53への経路56に連通するよう切り換
え、有機排水を経路56を介して酸素導入部53に戻
す。
【0085】酸素導入部53に戻された有機排水は、上
記と同様に酸素加熱器54により再度湿式酸化分解さ
れ、処理液貯留部55に貯留される。
【0086】このように有機排水は、所定の分解度にな
るまで酸素導入部53、酸素加熱器54及び処理液貯留
部55を循環して、複数回の湿式酸化分解により二酸化
炭素、水、低分子の有機液に完全に分解される。
【0087】ここで、図8は、動物残渣液を酸化分解反
応する処理工程を繰り返した際の分解度を示したグラフ
であり、有機排水すなわち動物残渣液の分解度は、CO
D(化学的酸素要求量)により表記されており、COD
が低くなれば有機排水が一層分解していることを示して
いる。処理試験は、動物残渣10gにN/100NaO
H10mlを加えて試験液(300℃、30min.)と
し、処理温度300℃、処理時間10min./回、酸素注
入圧10kg/cm2の条件下で行なった。
【0088】この結果、処理回数を重ねるほど分解が進
むことが明らかである。
【0089】有機排水が二酸化炭素、水、低分子の有機
液に完全に分解されると、処理液貯留部55において酸
素導入部53への経路56を塞ぐと共に最終貯留部57
への経路58に連通するよう切り換え、水、低分子の有
機液等を最終貯留部57に溜めた後、外部へ放出する。
【0090】このように、酸化反応により有機排水を湿
式酸化分解する工程を複数回繰り返すので、有機排水を
二酸化炭素、水、低分子の有機液に完全に湿式酸化分解
し、結果として悪臭を発生することなく有機排水を確実
に処理することができる。又、簡単な構成で有機排水を
処理し得るので装置構成を小型化することができる。更
に、液状化工程を備えることによって有機排水に限ら
ず、固形有機廃棄物であっても処理することができる。
【0091】なお、本発明の有機排水の分解処理方法及
びその装置は、上述の実施の形態例に限定されるもので
はなく、特に第一の例から第四の例までは、第五の例の
固形有機廃棄物を有機排水にする液状化工程と、湿式酸
化分解を繰り返す分解工程との少なくとも一方を備えた
ものでもよいこと、又、充填剤の形状は粒状の代わりに
有機排水と酸化ガスの接触面積が広がるならば、多角
形、メッシュ等のどのような形状でもよいこと、更に充
填剤の材質もどのようなものでもよいこと、その他本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。
【0092】
【発明の効果】本発明の有機排水の分解処理方法及びそ
の装置によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得
る。
【0093】I)請求項1、3、4、5、6に記載の発
明によれば、有機排水と酸化ガスとの接触面を大きくす
るよう充填剤を通過させると共に反応塔内を高温高圧に
するので、酸化反応の進行を早めて有機排水を二酸化炭
素、水、低分子の有機液に大量且つ迅速に湿式酸化分解
し、結果として悪臭を発生することなく確実に有機排水
を処理することができ、又、簡単な構成で有機排水を処
理し得るので装置構成を小型化することができる。
【0094】II)請求項7に記載の発明のごとく、反
応塔から反応物を湿式酸化分解して排出する経路に冷却
管を備えると、反応物を所定温度にして排出し得るの
で、悪臭を発生することなく有機排水を外部へ排出する
ことができる。
【0095】III)請求項2、8に記載の発明によれ
ば、酸化反応による有機排水の湿式酸化分解を繰り返す
よう有機排水を加熱器の手前に戻すので、有機排水を二
酸化炭素、水、低分子の有機液に完全に湿式酸化分解
し、結果として悪臭を発生することなく確実に有機排水
を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の第一の例を示す有機排
水の分解処理方法及びその装置のフローシートである。
【図2】動物残渣液を酸化分解反応する際の高温時にお
ける分解度を示したグラフである。
【図3】動物残渣液を酸化分解反応する際の高圧時にお
ける分解度を示したグラフである。
【図4】本発明を実施する形態の第二の例を示す有機排
水の分解処理方法及びその装置のフローシートである。
【図5】本発明を実施する形態の第三の例を示す有機排
水の分解処理方法及びその装置のフローシートである。
【図6】本発明を実施する形態の第四の例を示す有機排
水の分解処理方法及びその装置のフローシートである。
【図7】本発明を実施する形態の第五の例を示す有機排
水の分解処理方法及びその装置のフローシートである。
【図8】動物残渣液を酸化分解反応する処理工程を繰り
返した際の分解度を示したグラフである。
【符号の説明】
5 反応塔 13 充填剤 15 排ガス排出ライン(経路) 16 排液排出ライン(経路) 18 ヒータ 19 ガス冷却管(冷却管) 21 液冷却管(冷却管) 35 反応塔 38 充填剤 39 排出ライン(経路) 41 ヒータ 42 冷却管 44 送給ライン(経路) 45 熱交換器 46 反応塔 47 送給ライン(経路) 48 熱交換器 49 反応塔 54 酸素加熱器(加熱器) 56 経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 正忠 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 Fターム(参考) 4D050 AA15 AB04 AB07 AB22 BB01 BB02 BC01 BC02 BD02 BD06 BD08 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填剤を通過する有機排水と酸化ガスを
    高温、高圧の状態で酸化反応させ、有機排水を湿式酸化
    分解することを特徴とする有機排水の分解処理方法。
  2. 【請求項2】 有機排水に酸化ガスを混合して酸化反応
    により湿式酸化分解する工程の後、処理された有機排水
    を前記工程の前に戻して湿式酸化分解を繰り返すことを
    特徴とする有機排水の分解処理方法。
  3. 【請求項3】 内部に充填された充填剤の上方から有機
    排水を導入し且つ充填剤の下方から酸化ガスを導入して
    酸化反応の後に前記充填剤の上方から反応物の排ガスを
    排出し且つ前記充填剤の下方から反応物の排液を排出す
    る耐圧性の反応塔と、該反応塔を加熱するヒータとを備
    えることを特徴とする有機排水の分解処理装置。
  4. 【請求項4】 内部に充填された充填剤の下方から有機
    排水と酸化ガスを導入して酸化反応の後に前記充填剤の
    上方から反応物の排ガスと排液を排出する耐圧性の反応
    塔と、該反応塔を加熱するヒータとを備えることを特徴
    とする有機排水の分解処理装置。
  5. 【請求項5】 内部に充填された充填剤の上方から有機
    排水を導入し且つ充填剤の下方から酸化ガスを導入して
    酸化反応の後に前記充填剤の上方から反応物の排ガスを
    排出し且つ前記充填剤の下方から反応物の排液を排出す
    る耐圧性の反応塔と、該反応塔に有機排水を導入する経
    路に有機排水を加熱する熱交換器とを備えることを特徴
    とする有機排水の分解処理装置。
  6. 【請求項6】 内部に充填された充填剤の下方から有機
    排水と酸化ガスを導入して酸化反応の後に前記充填剤の
    上方から反応物の排ガスと排液を排出する耐圧性の反応
    塔と、該反応塔に有機排水を導入する経路に有機排水を
    加熱する熱交換器とを備えることを特徴とする有機排水
    の分解処理装置。
  7. 【請求項7】 反応塔から反応物を湿式酸化分解して排
    出する経路に冷却管を備えた請求項3、4、5又は6に
    記載の有機排水の分解処理装置。
  8. 【請求項8】 酸化ガスを加えた有機排水を加熱して酸
    化反応させる加熱器と、該加熱器より排出される有機排
    水を、加熱器の手前に戻す経路を備えることを特徴とす
    る有機排水の分解処理装置。
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