JP2001120317A - 装身具及びその製法 - Google Patents

装身具及びその製法

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JP2001120317A
JP2001120317A JP33835899A JP33835899A JP2001120317A JP 2001120317 A JP2001120317 A JP 2001120317A JP 33835899 A JP33835899 A JP 33835899A JP 33835899 A JP33835899 A JP 33835899A JP 2001120317 A JP2001120317 A JP 2001120317A
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precious stone
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depression
precious
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JP33835899A
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Osamu Maruyama
治 丸山
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MARUYAMA Inc
MARUYAMA KK
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MARUYAMA Inc
MARUYAMA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は貴金属製薄板状からなる基材に貴石を
取り付けた装身具及びその製法に関する。 【解決手段】貴金属製薄板をプレスして得た立体と、こ
の立体に外側よりプレスして形成した窪み部と、窪み部
内に嵌め込まれた貴石と、窪み部の開口縁を窪み部側に
プレス変形させて貴石を取り付ける鍔部と、から形成さ
れたことを特徴とする装身具。1、2‥半球状基材、4
‥V字状の窪み部、5‥内周段部、6‥鍔部、D‥貴
石、D1‥貴石の周縁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貴金属製薄板状から
なる基材に貴石を取り付けた装身具及びその製法に関す
るものであり、特に言えば、貴金属製薄板状の立体に貴
石を取り付ける技術にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、貴金属製のピアス、指輪等の基材
にダイヤにて代表される貴石を取り付けるには、貴石の
周縁を複数本の爪で係止するいわゆる爪止め方法が行わ
れている。しかるに、この爪止め方法は手作業で行われ
るため、作業上高度の熟練度を要し、かつ作業能率が低
いという欠点があり、しかも爪自体が加工性のよい比較
的柔らかい材料でなくてはならないという制約を受け
る。更に、貴石を取り付けた後でも爪に衣服の糸が引っ
掛り、爪を曲げたり、欠損してしまうという欠点があっ
た。
【0003】このため、第2の方法として基材とは別に
貴石を取り付けるための固定部材とを別々に形成し、基
材に貴石を嵌め込んだ後に固定部材を貴石の周縁に被
せ、両者の接触部位を溶接することにより貴石を取り付
ける方法がある。しかるに、この溶接法の欠点は材料が
高温下に曝されるため、変色したり柔らかくなったりし
てしまい、更には貴石の周囲に溶接の痕跡が残るため見
映えのよいものとは言えない。
【0004】第3の方法として、薄い板状の貴金属より
なる基材に貴石を収容するための底部を開放した窪みを
形成し、この窪み内に貴石を収容すると共に周囲を貴石
側に基材を折り曲げて取り付けるプレス法が提案されて
いる。このプレス法にあって、基材の裏側に窪みが形成
されることとなるため、この部位が基材より裏側に突出
するためにこの部位が邪魔となってしまい、広く装身具
に採用されることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規なプレス
法にかかり、特に加工の難しい貴金属製の薄板からなる
立体状装身具に貴石を取り付ける新たな固定法を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した欠点を
改良するためになされたものであって、第1の要旨は装
身具自体であって、貴金属製薄板をプレスして得た立体
と、この立体に外側よりプレスして形成した窪み部と、
窪み部内に嵌め込まれた貴石と、窪み部の開口縁を窪み
部側にプレス変形させて貴石を取り付ける鍔部と、から
形成された装身具であって、立体が例えば半球体の湾曲
体であり、更には筒体等で構成される。そして、好まし
くは窪み部が尖端部と、貴石の周縁を係止する段部とか
らなるものである。
【0007】第2の要旨は、装身具の製法であって、貴
金属製薄板を立体形状にプレスする第1工程、貴石を嵌
め込む部位にV字状窪み部を形成する第2工程、貴石を
窪み部内に嵌め込む第3工程、窪み部の開口縁を窪み内
部に向けてプレス加工する第4工程、とからなる装身具
の製法である。
【0008】そして好ましくは、第2工程の後に、V字
状窪み部内周に段部を形成する工程を付加したものであ
り、これによって第3工程によって嵌め込まれた貴石の
周縁がこの段部に係止することとなる。
【0009】又、第4工程において、窪み部を外側より
挟む工程を付加したことによって第3工程よって嵌め込
まれた貴石がその状態で維持されることとなり、これに
よって確実に装身具が得られることとなったものであ
る。特に挟む工程における挟持治具はプレス工程が進に
つれて順次挟持力を増す機能を有するものである。
【0010】更に、第4工程において、窪み部内の貴石
の頭部を押える工程を付加したことにより、具体的に押
え治具が弾発的に組み込まれていることにより貴石が正
確にかつ確実に保持されて装身具が得られることとなっ
たのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、主として第2発明をもって
発明の実施の形態を更に述べると、極く薄いしかも立体
形状をなした装身具に対して貴石を取り付けることが可
能となったもので、従来技術のような爪部を形成するこ
とや溶接を行うことも要せず、プレス加工によって容易
に宝石を固定することができることとなったものであ
る。
【0012】そして、立体形状として例えば半球状をも
って形成した装身具の具体的形態を述べれば、0.15
〜0.10mmの貴金属製薄板を用い、半球状の下型及
び上型をもってプレス加工して半球状の立体を形成する
(第1工程)。
【0013】この半球状の立体の貴石を嵌め込む部位に
V字状窪み部を形成するが、この工程は窪みを備えた下
型に半球状立体を被せ、この窪みに向けて尖端部を持つ
ピンをもってプレス加工するものである。好ましくは、
この工程の後に内周に段部を備えたV字状窪み部を備え
た下型に半球状立体を被せ、ピンをもってプレス加工
し、内周段部をもつ窪みを備えた半球状立体を得るもの
である(第2工程)。
【0014】次いで、貴石を窪み部内に嵌め込むが、貴
石の周縁を内周段部をもって係止させる(第3工程)。
【0015】最後に、窪み部の開口縁を窪み内部に向け
てプレス加工するが、具体的には下型とこれと合致する
上型とにてプレス加工するもので、下型における窪み部
の開口縁近傍はやや内側に後退した湾曲面をもつもので
あり、半球状立体との間には若干の隙間を備えておき、
これに対して上型にてプレスし、窪み部の開口縁を下型
に添って変形させ、この変形部即ち鍔部をもって、貴石
の周縁を被い取り付けが完了するものである(第4工
程)。
【0016】この際、貴石が窪み部の所定の位置に支持
されるように、貴石の頭部をプレス加工の際に弾発性を
もって押さえ付けておくのが好ましく、更に、同様の目
的をもって貴石が嵌め込まれた窪み部を外側より挟持治
具をもって挟んで維持されるものである。この挟持治具
は、好ましくはプレス工程が進につれて挟持力を増す機
能を有するのが良い(第4工程)。
【0017】得られた半球状の装身具はそのままでピア
ス等に用いられるが、通常はこれに更に半球体を固着し
て球状体となし、各種の装身具に用いられることとなる
(第1発明)。
【0018】以上の通り、本発明によれば薄い貴金属製
の立体状装身具に貴石が取り付けることが可能となった
ものであり、しかもその取り付けるに際して高度な熟練
を要さずに作業が行えるようになったもので、このこと
は各工程を通して取り付け作業を自動化することが可能
となることを意味するもので、製造上の自動管理が可能
となったものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。図1は第1発明の装身具の半裁断面図であ
り、図2は上面図、図3は半球状基材1のみを取り出し
た部分拡大状態図である。図中、符号1は厚さ0.12
mmの半球状基材(K−18)であり、2はこれに固着
された半球状基材である。そして、これに対してピン3
を溶接してピアス用装身具としたものである。
【0020】さて、半球状基材1にあって、V字状の窪
み部4が形成されかつその中間に内周段部5が形成され
ている。そして、ダイヤモンド(貴石)Dの周縁D1が
この内周段部5にて支えられている。そして、この周縁
D1に対して半球状基材1の窪み部4の開口縁全周を窪
み部4側に変形させて貴石Dを取り付ける鍔部6とした
ものである。
【0021】そして、装身具の製法にあっては、この基
材1にプレス加工によって、宝石を収容するV字状窪み
部4を形成し、この窪み部4内にダイヤモンドDを嵌め
込み、この状態で更にプレス加工によって窪み部4の開
口縁全周を窪み部4側にプレス変形させて鍔部6を形成
してダイヤモンドDを取り付けたものである。
【0022】図4〜図5は本発明の装身具の製造に用い
る各工程を中心とした図である。図示しない第1工程に
おいて、下型と上型とにてプレス加工されるもので、こ
の下型は凸半球状をなしており、一方の上型は凹半球状
の形状を有し、この両者間に貴金属製の平板を挟んで
(プレスして)半球状の基材1を得る。
【0023】図4の第2工程において、この半球状の基
材1を下型13に嵌め込む。この下型13にはその頂部
に円錐型の窪み13aが形成されており、この窪み13
aに対向して円錐型治具14が備えられるものであり、
この治具14にてプレスし、V字状窪み部4を形成す
る。この窪み部4は嵌め込まれるダイヤモンドDの形状
や大きさによって任意に選択されることとなる。そし
て、更にV字状の窪み部4内の周囲に段部4aを形成す
るために、先端がほぼ平坦なピン治具15にてプレス加
工する。この場合、下型13には段部4aを形成するた
めに凹段部13bを備える。この後者の工程は同時に行
うことも可能である。
【0024】第3工程においては、この窪み部4内にダ
イヤモンドDを嵌め込むものであり、前記の段部4aは
かかるダイヤモンドDの周縁を支えるものである。
【0025】次いで第4工程であるが、この第4工程に
おける上型16は図5に示すように凹半球状をなし、基
材1の外形とほぼ同形で、基材1を挟んで下型に嵌合す
るものである。そして、好ましくは上型16の頂部より
ダイヤモンドDの頭部を押える治具(ピン)17を突出
させたものであり、このピン17はバネ17aを内蔵し
て弾発性を備えたものである。
【0026】一方、下型18は基材1の内形とほぼ同一
な外表面をもち、開口部の近傍はやや曲率半径の大きな
状態として基材1との間に予め隙間sをもたらしたもの
である。又、下型18に一体に或いは下型17側より基
材1のV字状窪み部4の外周を挟む複数の爪治具19を
備えておく。
【0027】ここで上型15を下型18に嵌合(プレス
加工)させるが、この際、ピン17の先端にてダイヤモ
ンドDの頭部(テーブル面)を弾発性をもってソフトに
押え、この状態を維持しつつ上型16を下型18に嵌合
(プレス)する。ここで、V字状窪み部4の外周を爪治
具19にて挟み込みがなされ、ダイヤモンドDの動きを
阻止し、この状態で更にプレス加工を進める。
【0028】この状態を基材1側から言うと、V字状窪
み部4内にダイヤモンドDを保持しつつプレスされ、特
に窪み部4の開口部の近傍に設けた隙間分が塑性変形す
ることとなり、窪み部4側に変形され、ここにダイヤモ
ンドDの周縁D1を被う鍔部6を構成して装身具が完成
することとなる。上型16と下型18の接触は下型18
の周縁より接触することとなるが、この上型に爪治具1
9の尾部19aを接触させ挟み込みが確実となる構造が
良い。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の構成により極く薄い貴金
属製板による立体基材に貴石を取り付けることができる
プレス固定法を提案するものであり、従来におけるよう
な爪によったり、溶接によったりする不具合はなくな
り、簡単な固定法によって熟練度を要さずとも見栄えの
良い装身具を提供できることとなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1発明の装身具の半裁断面図である。
【図2】図2は図1の上面図である。
【図3】図3は半球状基材のみを取り出した部分拡大状
態図である。
【図4】図4は本発明の装身具の製造の第2工程を示し
た図である。
【図5】図5は本発明の装身具の製造の第4工程を示し
た図である。
【符号の説明】
1、2‥半球状基材、 3‥ピン、 4‥V字状窪み部、 4a‥V字状窪み部に形成される段部、 5‥内周段部、 6‥鍔部、 13‥下型、 13a‥下型に形成した円錐型の窪み、 13b‥下型に形成した円錐型の窪みにおける凹段部、 14‥円錐型治具、 15‥ピン治具、 16‥上型、 17‥ピン治具、 17a‥バネ、 18‥下型、 19‥爪治具、 19a‥爪治具の尾部、 D‥ダイヤモンド(貴石)、 D1‥ダイヤモンド(貴石)の周縁。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月18日(2000.1.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 装身具及びその製法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貴金属製薄板状から
なる基材に貴石を取り付けた装身具及びその製法に関す
るものであり、特に言えば、貴金属製薄板状の立体に貴
石を取り付ける技術にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、貴金属製のピアス、指輪等の基材
にダイヤにて代表される貴石を取り付けるには、貴石の
周縁を複数本の爪で係止するいわゆる爪止め方法が行わ
れている。しかるに、この爪止め方法は手作業で行われ
るため、作業上高度の熟練度を要し、かつ作業能率が低
いという欠点があり、しかも爪自体が加工性のよい比較
的柔らかい材料でなくてはならないという制約を受け
る。更に、貴石を取り付けた後でも爪に衣服の糸が引っ
掛り、爪を曲げたり、欠損してしまうという欠点があっ
た。
【0003】このため、第2の方法として基材とは別に
貴石を取り付けるための固定部材とを別々に形成し、基
材に貴石を嵌め込んだ後に固定部材を貴石の周縁に被
せ、両者の接触部位を溶接することにより貴石を取り付
ける方法がある。しかるに、この溶接法の欠点は材料が
高温下に曝されるため、変色したり柔らかくなったりし
てしまい、更には貴石の周囲に溶接の痕跡が残るため見
映えのよいものとは言えない。
【0004】第3の方法として、薄い板状の貴金属より
なる基材に貴石を収容するための底部を開放した窪みを
形成し、この窪み内に貴石を収容すると共に周囲を貴石
側に基材を折り曲げて取り付けるプレス法が提案されて
いる。このプレス法にあって、基材の裏側に窪みが形成
されることとなるため、この部位が基材より裏側に突出
するためにこの部位が邪魔となってしまい、広く装身具
に採用されることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規なプレス
法にかかり、特に加工の難しい貴金属製の薄板からなる
立体状装身具に貴石を取り付ける新たな固定法を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した欠点を
改良するためになされたものであって、第1の要旨は装
身具自体であって、貴金属製薄板をプレスして得た立体
と、この立体に外側よりプレスして形成した窪み部と、
窪み部内に嵌め込まれた貴石と、窪み部の開口縁を窪み
部側にプレス変形させて貴石を取り付ける鍔部と、から
形成された装身具であって、立体が例えば半球体の湾曲
体であり、更には筒体等で構成される。そして、好まし
くは窪み部が尖端部と、貴石の周縁を係止する段部とか
らなるものである。
【0007】第2の要旨は、装身具の製法であって、貴
金属製薄板を立体形状にプレスする第1工程、貴石を嵌
め込む部位にV字状窪み部を形成する第2工程、貴石を
窪み部内に嵌め込む第3工程、窪み部の開口縁を窪み内
部に向けてプレス加工する第4工程、とからなる装身具
の製法である。
【0008】そして好ましくは、第2工程の後に、V字
状窪み部内周に段部を形成する工程を付加したものであ
り、これによって第3工程によって嵌め込まれた貴石の
周縁がこの段部に係止することとなる。
【0009】又、第4工程において、窪み部を外側より
挟む工程を付加したことによって第3工程よって嵌め込
まれた貴石がその状態で維持されることとなり、これに
よって確実に装身具が得られることとなったものであ
る。特に挟む工程における挟持治具はプレス工程が進に
つれて順次挟持力を増す機能を有するものである。
【0010】更に、第4工程において、窪み部内の貴石
の頭部を押える工程を付加したことにより、具体的に押
え治具が弾発的に組み込まれていることにより貴石が正
確にかつ確実に保持されて装身具が得られることとなっ
たのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、主として第2発明をもって
発明の実施の形態を更に述べると、極く薄いしかも立体
形状をなした装身具に対して貴石を取り付けることが可
能となったもので、従来技術のような爪部を形成するこ
とや溶接を行うことも要せず、プレス加工によって容易
に宝石を固定することができることとなったものであ
る。
【0012】そして、立体形状として例えば半球状をも
って形成した装身具の具体的形態を述べれば、0.15
〜0.10mmの貴金属製薄板を用い、半球状の下型及
び上型をもってプレス加工して半球状の立体を形成する
(第1工程)。
【0013】この半球状の立体の貴石を嵌め込む部位に
V字状窪み部を形成するが、この工程は窪みを備えた下
型に半球状立体を被せ、この窪みに向けて尖端部を持つ
ピンをもってプレス加工するものである。好ましくは、
この工程の後に内周に段部を備えたV字状窪み部を備え
た下型に半球状立体を被せ、ピンをもってプレス加工
し、内周段部をもつ窪みを備えた半球状立体を得るもの
である(第2工程)。
【0014】次いで、貴石を窪み部内に嵌め込むが、貴
石の周縁を内周段部をもって係止させる(第3工程)。
【0015】最後に、窪み部の開口縁を窪み内部に向け
てプレス加工するが、具体的には下型とこれと合致する
上型とにてプレス加工するもので、下型における窪み部
の開口縁近傍はやや内側に後退した湾曲面をもつもので
あり、半球状立体との間には若干の隙間を備えておき、
これに対して上型にてプレスし、窪み部の開口縁を下型
に添って変形させ、この変形部即ち鍔部をもって、貴石
の周縁を被い取り付けが完了するものである(第4工
程)。
【0016】この際、貴石が窪み部の所定の位置に支持
されるように、貴石の頭部をプレス加工の際に弾発性を
もって押さえ付けておくのが好ましく、更に、同様の目
的をもって貴石が嵌め込まれた窪み部を外側より挟持治
具をもって挟んで維持されるものである。この挟持治具
は、好ましくはプレス工程が進につれて挟持力を増す機
能を有するのが良い(第4工程)。
【0017】得られた半球状の装身具はそのままでピア
ス等に用いられるが、通常はこれに更に半球体を固着し
て球状体となし、各種の装身具に用いられることとなる
(第1発明)。
【0018】以上の通り、本発明によれば薄い貴金属製
の立体状装身具に貴石が取り付けることが可能となった
ものであり、しかもその取り付けるに際して高度な熟練
を要さずに作業が行えるようになったもので、このこと
は各工程を通して取り付け作業を自動化することが可能
となることを意味するもので、製造上の自動管理が可能
となったものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。図1は第1発明の装身具の半裁断面図であ
り、図2は上面図、図3は半球状基材1のみを取り出し
た部分拡大状態図である。図中、符号1は厚さ0.12
mmの半球状基材(K−18)であり、2はこれに固着
された半球状基材である。そして、これに対してピン3
を溶接してピアス用装身具としたものである。
【0020】さて、半球状基材1にあって、V字状の窪
み部4が形成されかつその中間に内周段部5が形成され
ている。そして、ダイヤモンド(貴石)Dの周縁D1が
この内周段部5にて支えられている。そして、この周縁
D1に対して半球状基材1の窪み部4の開口縁全周を窪
み部4側に変形させて貴石Dを取り付ける鍔部6とした
ものである。
【0021】そして、装身具の製法にあっては、この基
材1にプレス加工によって、宝石を収容するV字状窪み
部4を形成し、この窪み部4内にダイヤモンドDを嵌め
込み、この状態で更にプレス加工によって窪み部4の開
口縁全周を窪み部4側にプレス変形させて鍔部6を形成
してダイヤモンドDを取り付けたものである。
【0022】図4〜図6は本発明の装身具の製造に用い
る各工程を中心とした図である。図示しない第1工程に
おいて、下型と上型とにてプレス加工されるもので、こ
の下型は凸半球状をなしており、一方の上型は凹半球状
の形状を有し、この両者間に貴金属製の平板を挟んで
(プレスして)半球状の基材1を得る。
【0023】図4の第2工程において、この半球状の基
材1を下型13に嵌め込む。この下型13にはその頂部
に円錐型の窪み13aが形成されており、この窪み13
aに対向して円錐型治具14が備えられるものであり、
この治具14にてプレスし、V字状窪み部4を形成す
る。この窪み部4は嵌め込まれるダイヤモンドDの形状
や大きさによって任意に選択されることとなる。
【0024】そして、更に図5に示すようにV字状の窪
み部4内の周囲に段部4aを形成するために、先端がほ
ぼ平坦なピン治具15にてプレス加工する。この場合、
下型13には段部4aを形成するために凹段部13bを
備える。この後者の工程は同時に行うことも可能であ
る。
【0025】第3工程においては、この窪み部4内にダ
イヤモンドDを嵌め込むものであり、前記の段部4aは
かかるダイヤモンドDの周縁を支えるものである。
【0026】次いで第4工程であるが、この第4工程に
おける上型16は図6に示すように凹半球状をなし、基
材1の外形とほぼ同形で、基材1を挟んで下型に嵌合す
るものである。そして、好ましくは上型16の頂部より
ダイヤモンドDの頭部を押える治具(ピン)17を突出
させたものであり、このピン17はバネ17aを内蔵し
て弾発性を備えたものである。
【0027】一方、下型18は基材1の内形とほぼ同一
な外表面をもち、開口部の近傍はやや曲率半径の大きな
状態として基材1との間に予め隙間sをもたらしたもの
である。又、下型18に一体に或いは下型17側より基
材1のV字状窪み部4の外周を挟む複数の爪治具19を
備えておく。
【0028】ここで上型15を下型18に嵌合(プレス
加工)させるが、この際、ピン17の先端にてダイヤモ
ンドDの頭部(テーブル面)を弾発性をもってソフトに
押え、この状態を維持しつつ上型16を下型18に嵌合
(プレス)する。ここで、V字状窪み部4の外周を爪治
具19にて挟み込みがなされ、ダイヤモンドDの動きを
阻止し、この状態で更にプレス加工を進める。
【0029】この状態を基材1側から言うと、V字状窪
み部4内にダイヤモンドDを保持しつつプレスされ、特
に窪み部4の開口部の近傍に設けた隙間分が塑性変形す
ることとなり、窪み部4側に変形され、ここにダイヤモ
ンドDの周縁D1を被う鍔部6を構成して装身具が完成
することとなる。上型16と下型18の接触は下型18
の周縁より接触することとなるが、この上型に爪治具1
9の尾部19aを接触させ挟み込みが確実となる構造が
良い。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の構成により極く薄い貴金
属製板による立体基材に貴石を取り付けることができる
プレス固定法を提案するものであり、従来におけるよう
な爪によったり、溶接によったりする不具合はなくな
り、簡単な固定法によって熟練度を要さずとも見栄えの
良い装身具を提供できることとなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1発明の装身具の半裁断面図である。
【図2】図2は図1の上面図である。
【図3】図3は半球状基材のみを取り出した部分拡大状
態図である。
【図4】図4は本発明の装身具の製造の第2工程を示し
た図である。
【図5】図5は本発明の装身具の製造の第2工程におけ
る付加工程図である。
【図6】図6は本発明の装身具の製造の第4工程を示し
た図である。
【符号の説明】 1、2‥半球状基材、 3‥ピン、 4‥V字状窪み部、 4a‥V字状窪み部に形成される段部、 5‥内周段部、 6‥鍔部、 13‥下型、 13a‥下型に形成した円錐型の窪み、 13b‥下型に形成した円錐型の窪みにおける凹段部、 14‥円錐型治具、 15‥ピン治具、 16‥上型、 17‥ピン治具、 17a‥バネ、 18‥下型、 19‥爪治具、 19a‥爪治具の尾部、 D‥ダイヤモンド(貴石)、 D1‥ダイヤモンド(貴石)の周縁。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貴金属製薄板をプレスして得た立体と、
    この立体に外側よりプレスして形成した窪み部と、窪み
    部内に嵌め込まれた貴石と、窪み部の開口縁を窪み部側
    にプレス変形させて貴石を取り付ける鍔部と、から形成
    されたことを特徴とする装身具。
  2. 【請求項2】 立体が湾曲体である請求項1記載の装身
    具の製法。
  3. 【請求項3】 湾曲体が半球体である請求項2記載の装
    身具の製法。
  4. 【請求項4】 窪み部が尖端部と、貴石の周縁を係止す
    る段部とからなる請求項第1項記載の装身具。
  5. 【請求項5】 貴金属製薄板を立体形状にプレスする第
    1工程、貴石を嵌め込む部位にV字状窪み部を形成する
    第2工程、貴石を窪み部内に嵌め込む第3工程、窪み部
    の開口縁を窪み内部に向けてプレス加工する第4工程、
    とからなる装身具の製法。
  6. 【請求項6】 第2工程の後に、V字状窪み部内周に段
    部を形成する工程を付加した請求項5記載の装身具の製
    法。
  7. 【請求項7】 第3工程において、貴石の周縁を段部に
    て係止する請求項5記載の装身具の製法。
  8. 【請求項8】 第4工程において、窪み部を外側より挟
    む工程を付加した請求項5記載の装身具の製法。
  9. 【請求項9】 第4工程の窪み部を外側より挟む工程に
    あって、挟持治具がプレス工程が進につれて順次挟持力
    を増す機能を有する請求項8記載の装身具の製法。
  10. 【請求項10】 第4工程において、窪み部内の貴石の
    頭部を押える工程を付加した請求項5記載の装身具の製
    法。
  11. 【請求項11】 第4工程の貴石の頭部を押え付ける工
    程にあって、押え治具が弾発的に組み込まれている請求
    項10記載の装身具の製法。
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