JP2001118354A - 磁気テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、窓部材の剥がれを確実に防止
できる磁気テープカセットを提供すること。 【解決手段】 周縁部に固着面８を有し、該固着面８に
溶着リブ９を形成した窓部材３の前記溶着リブ９を、ハ
ーフ１の窓部材用開口部２の周縁に形成した固着面４に
当接させ、超音波振動によって前記窓部材３を前記ハー
フ１の前記固着面４に溶着せる磁気テープカセットにお
いて、前記窓部材３の固着面８に形成する溶着リブ９を
前記窓部材３のコーナ部Ａにも配設している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープカセッ
トに関するもので、さらに詳しくは磁気テープ巻き量確
認用の窓部材を有する磁気テープカセットの窓枠構造に
特徴を有する磁気テープカセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、オーディオ機器やビデオ機器等
においては、一対のテープリールに巻回した磁気テープ
を、カセットケース内に走行可能に保持して記録再生を
行う磁気テープカセットが多用されている。

【０００３】図５を参照すると、従来、例えばＤＶＣ
（デジタルビデオカセット）用として用いられる磁気テ
ープカセット５０は、カセットケースが上下ハーフ５
１，５２から構成され、それらの上下ハーフ５１，５２
は互いに組み合わされ、複数のビス５４により締結され
る。そして、カセットケース内には、上フランジと、下
フランジが一体に形成されたハブとを溶着してなる一対
のテープリール５３，５３が、磁気テープ５７を巻回さ
れた状態で回動自在に支持される。

【０００４】下ハーフ５２における前端側（図中手前
側）の開口部５６には、テープガイド５５，５５が設け
られている。各テープガイド５５は、一方のテープリー
ル５３から送出されて他方のテープリール５３に巻き取
られる磁気テープ５７を案内し、該磁気テープ５７を開
口部５６における所定の位置で通過させる。

【０００５】また、下ハーフ５２の後端側（図中奥側）
には、テープリール係止アーム５８ａを有するテープリ
ールロック部材５８が組み付けられる。テープリールロ
ック部材５８は、圧縮コイルばね５９によって付勢され
ることで、テープリール係止アーム５８ａを各テープリ
ール５３の下フランジ外周に形成された係合歯５３ａに
係合させ、各テープリール５３の不測の回転を阻止す
る。これにより磁気テープ５７の巻き緩みが防止され
る。

【０００６】また、上ハーフ５１の天板５１ａには、リ
ール付勢用板ばね６３が各テープリール５３毎に取り付
けられる。各リール付勢用板ばね６３は上ハーフ５１に
片持支持され、対応するテープリール５３を下ハーフ５
２側に付勢する。さらに、上ハーフ５１の前端側には、
屋外での使用に耐える防塵性を得るために、下ハーフ５
２の一対のテープガイド５５間に張架される磁気テープ
５７の前面及び裏面を覆う、アウターリッド６０，トッ
プリッド６１及びインナーリッド６２がそれぞれ開閉自
在に取り付けられる。

【０００７】このような磁気テープカセット５０では、
上ハーフ５１の天板５１ａに、テープリール５３におけ
る磁気テープ５７の巻き量（残量）が確認できるよう
に、該天板５１ａの長手方向の一方側（図中右側）にて
天板５１ａの短手方向に延びる開口部６５が形成されて
おり、該開口部６５を塞ぐように透明の窓部材６４が取
り付けられる。

【０００８】図６に示したように、略六角形状の窓部材
６４は、周縁部に形成された固着面６４ａに複数の溶着
リブ６６を有している。一方、開口部６５の周縁は、窓
部材６４を固着するための固着面６５ａを有している。
その固着面６５ａの肉厚は、天板５１ａのそれよりも薄
く形成されており、該固着面６５ａは、斜面６７を介し
て天板５１ａに連続している。また、開口部６５の周縁
には、開口部６５の各辺毎に位置決め用リブ６８が立設
されている。

【０００９】このような窓部材６４を上ハーフ５１に取
り付けるには、先ず窓部材６４を位置決めリブ６８にガ
イドさせて開口部６５に被せ、窓部材６４の溶着リブ６
６を窓部材用開口部６５の周縁の固着面６５ａに載置さ
せる。次いで、窓部材６４を窓部材用開口部６５の周縁
の固着面６５ａに押しつけた状態で、超音波振動等によ
って、図７に示したように、窓部材６４の溶着リブ６６
を固着面６５ａに溶着させる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
磁気テープカセット５０では、窓部材６４に外力が作用
すると、その外力がコーナ部Ａに集中的に作用する。こ
れにより、窓部材６４が、集中荷重が作用するコーナ部
Ａから剥がれる場合があった。窓部材６４が剥がれると
塵埃が進入する恐れがあるので、防塵性の観点からもこ
の剥がれを防止する必要がある。

【００１１】そこで、本発明の目的は、上記状況に鑑み
てなされたもので、簡単な構造で、窓部材の剥がれを確
実に防止できる磁気テープカセットを提供することにあ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、窓部材，ハーフの窓部材用開口部の周
縁の形状等を変えて試験を種々試みた結果、簡単な構造
で、窓部材の剥がれを確実に防止できる磁気テープカセ
ットを見いだした。すなわち、本発明の磁気テープカセ
ットでは、周縁部に固着面を有し、該固着面に溶着リブ
を形成した窓部材の前記溶着リブを、ハーフの窓部材用
開口部の周縁に形成した固着面に当接させ、超音波振動
によって前記窓部材を前記ハーフの前記固着面に溶着さ
せる磁気テープカセットにおいて、前記窓部材の固着面
に形成する溶着リブを前記窓部材のコーナ部にも配設し
ている。換言すれば、成形上の理由やスペース等の問題
から従来、コーナ部に溶着リブは配設されていなかった
が、本発明によって新たに溶着リブをコーナ部に配設す
ることで、本発明の上記目的を達成できることが判明し
た。

【００１３】ここで、コーナ部とは、会合するそれぞれ
の固着面の延長部が互いに重なり合う範囲をいい、ま
た、このコーナ部に配設する溶着リブとしては、溶着リ
ブの端部を、コーナ部内まで延設したものでもよく、コ
ーナ部に溶着リブを独立させて形成してもよい。溶着リ
ブの形状は、特に問わないが、単なる半球状の突起は、
その大きさにもよるが、点で溶着されるものであるか
ら、溶着力が弱いものになる。このことから、好ましい
溶着リブの形状としては、直線状のものや、Ｌ字状のも
のや、コーナ部の外周曲線に合わせた曲線状のもの等が
挙げられる。当然ながら、十分な溶着力を確保するに
は、コーナ部の範囲、換言すれば溶着リブを設置する範
囲を大きくとる必要がある。

【００１４】本発明に係る磁気テープカセットによれ
ば、窓部材のコーナ部の溶着リブがハーフの窓部材用開
口部の周縁に形成した固着面に溶着される。したがっ
て、コーナ部においても窓部材が固定されることになる
ので、窓部材のコーナ部の集中荷重等による異常変形が
防止され、窓部材の剥がれが防止される。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気テープカ
セットを添付図面を参照して詳細に説明する。図１は、
本発明の一実施形態に係る磁気テープカセットの窓部材
用開口部付近を示した上ハーフと窓部材を示した斜視
図、図２は、窓部材のコーナ部を拡大して示した平面図
であり、また、図３及び図４は窓部材の他の実施の形態
を示した平面図である。

【００１６】この磁気テープカセットでは、上ハーフ１
に形成した窓部材用開口部２の周縁に、窓部材３を固着
するための固着面４が形成されている。この固着面４
は、窓部材３を固着する部分であるため、その肉厚は、
上ハーフ１の天板５のそれよりも薄く形成されている。
そして、該固着面４は、斜面６を介して天板５の一方の
表面（裏面）５ａに連続している。また、開口部２の周
縁には、開口部２の各辺毎に位置決め用リブ７が立設さ
れている。

【００１７】一方、窓部材３は、周縁部に形成された固
着面８の全周にわたり不連続な溶着リブ９を有してお
り、図１に示す窓部材３においては、６角形状の両側辺
を構成する固着面８のコーナ部Ａに最も近くに形成され
る溶着リブ９ａの端部を、図２に拡大して示したよう
に、コーナ部Ａ内まで延設している。なお、コーナ部Ａ
とは、会合するそれぞれの固着面８，８の延長部が互い
に重なり合う範囲（想像線と外周曲線Ｒとの間の範囲）
をいう。

【００１８】このように構成された磁気テープカセット
では、窓部材３を位置決めリブ７にガイドさせて開口部
２に被せ、窓部材３の溶着リブ９，９ａを開口部２の周
縁の固着面４に載置させる。次いで、窓部材３を開口部
２の周縁の固着面４に押しつけた状態で、超音波振動等
によって溶着リブ９，９ａを固着面４に溶着させる。し
たがって、コーナ部Ａにおいても溶着リブ９ａによっ
て、窓部材３と固着面４が堅固に固定されるため、集中
荷重が作用するコーナ部Ａからの剥がれが生じない。

【００１９】図３及び図４は、本発明に係る磁気テープ
カセットにおける窓部材の他の実施の形態を示してお
り、図３に示した窓部材３では、６角形状の両側辺間の
辺を構成する固着面８で、コーナ部Ａに最も近くに形成
される溶着リブ９ｂの端部を、コーナ部Ａ内まで延設し
ている。

【００２０】一方、図４に示した窓部材３では、コーナ
部Ａに溶着リブ９ｃを独立させて形成している。リブ９
ｃの形状としては、図４（ａ）に示した直線状（想像線
Ｓに対して約４５°をなす）、図４（ｂ）に示した略Ｌ
字状、図４（ｃ）に示した外周曲線Ｒに合わせた円弧状
等の各種形状のものを採用することができる。

【００２１】上記実施の形態では、上ハーフ１における
窓部材用開口部２の周縁部及び窓部材３しか示していな
いが、他の部分及び下ハーフは、上記従来と変わらない
ので、図示及び説明を省略する。

【００２２】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れることなく、適宜変更，改良等が可能である。例え
ば、本発明の適用対象は、デジタルビデオカセット用に
限定されず、窓部材を有する種々の磁気テープカセット
に適用可能である。また、上記実施の形態では、６角形
を成す窓部材３において、溶着リブ９ａが配設されてい
る固着面８と溶着リブ９ｂが配設されている固着面８と
が会合するコーナ部Ａに本発明を適用しているが、他の
固着面８が会合するコーナ部に本発明を適用してもよ
い。

【００２３】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明の磁気テ
ープカセットでは、周縁部に固着面を有し、該固着面に
溶着リブを形成した窓部材の前記溶着リブを窓部材のコ
ーナ部にも配設している。したがって、前記溶着リブが
ハーフの窓部材用開口部の周縁に形成した固着面に溶着
され、コーナ部においても窓部材が固定されることにな
るので、窓部材のコーナ部の集中荷重等による異常変形
が防止され、窓部材の剥がれが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る磁気テープカセット
の窓部材用開口部付近を示した上ハーフと窓部材を示し
た斜視図である。

【図２】図１に示した磁気テープカセットの窓部材にお
けるコーナ部を拡大して示した平面図である。

【図３】本発明に係る窓部材の他の実施の形態を示した
斜視図である。

【図４】本発明に係る窓部材のさらに他の実施の形態を
示した斜視図である。

【図５】従来の磁気テープカセットの分解斜視図であ
る。

【図６】図５に示した磁気テープカセットの要部を拡大
して示した斜視図である。

【図７】図６に示した磁気テープカセットの窓部材を窓
部材用開口部に設置した状態を示した断面図である。

【符号の説明】

１ 上ハーフ ２ 窓部材用開口部 ３ 窓部材 ４ 固着面 ５ 天板 ５ａ 表面（裏面） ６ 斜面 ７ 位置決めリブ ８ 固着面 ９，９ａ，９ｂ，９ｃ 溶着リブ Ａ コーナ部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周縁部に固着面を有し、該固着面に溶着
   リブを形成した窓部材の前記溶着リブを、ハーフの窓部
   材用開口部の周縁に形成した固着面に当接させ、超音波
   振動によって前記窓部材を前記ハーフの前記固着面に溶
   着させる磁気テープカセットにおいて、 前記窓部材の固着面に形成する溶着リブを前記窓部材の
   コーナ部にも配設したことを特徴とする磁気テープカセ
   ット。