JP2001117274A - カラートナー及びカラートナーの製造方法 - Google Patents

カラートナー及びカラートナーの製造方法

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JP2001117274A
JP2001117274A JP30031899A JP30031899A JP2001117274A JP 2001117274 A JP2001117274 A JP 2001117274A JP 30031899 A JP30031899 A JP 30031899A JP 30031899 A JP30031899 A JP 30031899A JP 2001117274 A JP2001117274 A JP 2001117274A
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color toner
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color
acid
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Takayuki Itakura
隆行 板倉
Masaaki Taya
真明 田谷
Nobuyoshi Sugawara
庸好 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な耐オフセット性を有しつつ、より低い
定着温度で定着でき、長期間の放置に対し、凝集を起こ
さず放置前の状態と同様な現像性を有するカラートナー
を提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂、有彩色の着色剤及び有機金属
化合物を少なくとも含有するカラートナーにおいて、該
結着樹脂が、カルボキシル基を有するポリエステル系の
樹脂であり、該有機金属化合物が、下記式(1) 【化1】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)で表される無置換の、又は置換基を有す
るベンジル酸のアルミニウム化合物であり、該カラート
ナーは、ヒンダードフェノールをカラートナーの質量基
準で20〜400ppm含有していることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成さ
れる静電荷像の現像、またはトナージェット記録方式に
用いるカラートナー、及びカラートナーの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、米国特許第2,297,
691号、同第2,357,809号明細書等に記載さ
れている如く、光導電性絶縁層を一様に帯電し、次いで
その層を露光し、静電荷像を形成し、更に静電荷像をト
ナーで現像し(現像工程)、得られたトナー像を中間転
写体を介して、又介さずに転写紙の如き転写材に転写し
(転写工程)、加熱、加圧或いは加熱加圧定着法により
転写材にトナー像を定着する工程(定着工程)を有して
いる。
【0003】この様にトナーは現像工程のみならず、転
写工程、定着工程の各工程において要求される機能を備
えていなければならない。
【0004】一般にトナーは現像装置内で機械的動作中
にうける剪断力、衝撃力による機械的な摩擦力を受け、
数千枚乃至数万枚コピー又はプリントする間に劣化しや
すい。この様なトナーの劣化を防ぐには機械的な摩擦力
に耐えうる分子量の大きな強靭な結着樹脂を用いれば良
いが、これらの結着樹脂は一般に軟化点が高く、接触定
着方式で熱効率が良いため広く用いられているヒートロ
ーラー定着方式においても、充分に定着させるためヒー
トローラーの温度を高くする必要がある。ヒートローラ
ーの温度が高いと定着装置の劣化、定着後の紙のカール
の発生、消費エネルギーの増大を招く。
【0005】さらに、この様な結着樹脂は、粉砕性が悪
いため、トナーを製造する際、製造効率が低下する。
【0006】一方、ヒートローラー定着方式は、加熱ロ
ーラー表面と被定着シートのトナー像面が圧接触するた
め熱効率が著しく良く、低速から高速に至るまで低く使
用されている。しかしながら、加熱ローラー面とトナー
像面が接触する際、トナーが加熱ローラー表面に付着
し、付着したトナーが後続の転写材に転写される、オフ
セット現象が生じ易い。
【0007】トナーの耐オフセット性を向上させる方法
として架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多官
能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹脂
を用いたトナー(特開平3−203746号公報、特開
平4−24648号公報に記載)や金属酸化物とポリマ
ーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマーを用
いたトナー(特開昭61−213858号公報、特開平
6−175395号公報に記載)が提案されている。い
ずれも耐オフセット性は向上するものの、結着樹脂本来
の定着性が低下し、またポリマー分子のからみ合いが強
いため、テトラヒドロフラン不溶分に代表される架橋に
よる樹脂成分が着色剤や荷電制御剤の結着樹脂への分散
性を困難なものとし、さらにトナー製造時におけるトナ
ー混練物の粉砕性も低下させてしまう。
【0008】一般に、最低定着温度は、低温オフセット
と高温オフセットの間にあるため、使用可能温度領域は
最低定着温度と高温オフセットの間である。最低定着温
度をできるだけ下げ、高温オフセット発生温度をできる
だけ上げることにより、使用定着温度を下げることがで
きると共に使用可能温度領域を広げることができる。そ
の結果、省エネルギー化、高速定着化が可能となり、ま
た紙のカールの発生を防ぐことができる。また、紙のカ
ールを抑制できることから両面コピーを円滑に行え、複
写機のインテリジェント化、定着装置の温度コントロー
ルの精度、許容幅の緩和が行える。
【0009】そのため、低温定着性及び耐オフセット性
の良いトナーが望まれる。
【0010】また、近年、パーソナル・ユーザーを対象
としたコンピューター機器の普及に伴い、映像による情
報伝達機構として、フルカラーによる映像コミュニケー
ションが幅広く浸透しつつある。この様な状況下で、出
力機器の一つであるプリンターや複写機においても低級
機市場を中心にフルカラー化が急速に進んでおり、一般
ユーザーにおいてもカラー画像がより身近なものとなり
つつある。
【0011】フルカラーの場合は、色材の3原色である
イエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに
黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色の再現を行
うものである。例えば、原稿からの光をトナーの色と補
色の関係にある色分解光透過フィルターを通して光導電
層上にマゼンタ用の静電潜像を形成する(潜像形成工
程)。次いでマゼンタトナーを用いて現像工程及び転写
工程を経てカラートナーは支持体に保持される。次い
で、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナー
についても、前述の工程を順次複数回行い、レジストレ
ーションを合わせつつ、同一支持体上にカラートナーは
重ね合わされ、定着によって最終のフルカラー画像が得
られる。
【0012】特にカラートナーにおいては、定着したカ
ラー画像は、光に対して乱反射して、色再現を妨げるこ
とのないように、トナー粒子の形が判別できないほどの
ほぼ完全溶融に近い状態となることが重要であり、該カ
ラートナーは、表層のカラートナー層の下にある異なっ
た色調のカラートナー層の色調を妨げない透明性を有
し、各カラートナーは、バランスのとれた色相及び分光
反射特性と十分な彩度を有していることが重要である。
【0013】このような観点から多くの結着樹脂に関す
る検討がなされており、上記の特性を満足するカラート
ナーが待望されている。今日、当該技術分野においては
ポリエステル系樹脂がカラートナー用結着樹脂として多
く用いられている。
【0014】特開昭57−124740号公報には、該
結着樹脂合成時における遊離基の反応を抑制するため
に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を高分子重合体
に対する合計の含有量で0.1〜3.0質量%添加する
ことが望ましいと記載されている。
【0015】他方、特開平1−246560号公報に
は、該結着樹脂を用いたトナー及び有機光導電性半導体
からなる感光体の両者の酸化を抑制するために、該結着
樹脂を他の材料とともに溶融混練しトナー化する前の材
料混合時において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
をトナーに対する合計の含有量で0.01〜10質量%
添加することが好ましいと記載されている。
【0016】しかし、係るヒンダードフェノール系酸化
防止剤添加の効果は、全てのトナー及びトナー製造方法
に発現されるものではなく、本発明の如き構成のトナー
の添加する場合には、その添加する量及び製造方法に細
心の注意を払う必要がある。
【0017】また、従来、ベンジル酸のホウ素化合物を
含有するトナーとしては、特開昭62−63941号公
報、特開平2−221967号公報、特開平3−399
73号公報及び特開平5−72812号公報等々で提案
されているが、帯電性能のみならず、定着性や保存安定
性をも満足するトナーとしては、依然改善の余地があっ
た。
【0018】さらには、特開平9−124659号公報
では、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の提案がな
されているが、長期の帯電安定性や環境安定性の点で満
足のいくものではなかった。
【0019】さらには、特公平7−104620号公報
には、ホウ素を含有する負帯電性の電荷交換制御剤の提
案がなされているが、トナーの流動性や十分な画像濃度
を得るための現像性の点で改善すべき点が多く、長期の
耐久安定性という点においても満足のいくものではなか
った。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
な耐オフセット性を有しつつ、より低い定着温度で定着
できるカラートナー及び該カラートナーの製造方法を提
供することにある。
【0021】本発明の更なる目的は、長期間の放置に対
し、凝集を起こさず放置前の状態と同様な現像性を有す
るカラートナー及び該カラートナーの製造方法を提供す
ることにある。
【0022】本発明の更なる目的は、常温常湿、高温高
湿及び低温低湿の各環境条件の下、安定した帯電特性を
有するカラートナー及び該カラートナーの製造方法を提
供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】具体的には、本発明は、
結着樹脂、有彩色の着色剤及び有機金属化合物を少なく
とも含有するカラートナーにおいて、該結着樹脂が、カ
ルボキシル基を有するポリエステル系の樹脂であり、該
有機金属化合物が、下記式(1)
【0024】
【化2】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)で表される無置換の、又は置換基を有す
るベンジル酸のアルミニウム化合物であり、該カラート
ナーは、ヒンダードフェノールをカラートナーの質量基
準で20〜400ppm含有していることを特徴とする
カラートナーに関する。
【0025】また、本発明は、ヒンダードフェノール存
在下で合成されたヒンダードフェノールが含有されてい
るカルボキシル基を有するポリエステル樹脂、着色剤及
びベンジル酸のアルミニウム化合物を少なくとも有する
混合物を溶融混練して混練物を得る混練工程;及び得ら
れた混練物を冷却後、粉砕して粉砕物を得る粉砕工程;
を有するカラートナーの製造方法であり、該ヒンダード
フェノールをトナーの質量基準で20〜400ppm含
有しているカラートナーを製造することを特徴とするカ
ラートナーの製造方法に関する。
【0026】更に、本発明は、カルボキシル基を有する
ポリエステル樹脂、着色剤、ベンジル酸のアルミニウム
化合物及びヒンダードフェノールを少なくとも有する混
合物を溶融混練して混練物を得る混練工程;及び得られ
た混練物を冷却後、粉砕して粉砕物を得る粉砕工程;を
有するカラートナーの製造方法であり、該ヒンダードフ
ェノールをトナーの質量基準で20〜400ppm含有
しているカラートナーを製造することを特徴とするカラ
ートナーの製造方法に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明者らは、トナー粒子を構成
する成分として、少なくともカルボキシル基を有するポ
リエステル樹脂、着色剤及びベンジル酸のアルミニウム
化合物を含有し、該トナー中にヒンダードフェノールを
トナーの質量基準で20〜400ppm含有している場
合に、特に定着性、長期保存性及び帯電安定性に優れた
カラートナー及びカラートナーの製造方法を提供できる
知見を得たため、本発明に到達したものである。以下、
本発明に関し、詳細に説明する。
【0028】本発明において、トナー粒子の結着樹脂
は、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂であり、
該カラートナーは、ヒンダードフェノールをトナーの質
量基準で20〜400ppm含有しているのが良い。
【0029】本発明のカラートナーに使用する結着樹脂
としては、カルボキシル基を有し、下記式(2)で示さ
れる分子骨格を有するポリエステル樹脂が好ましい。
【0030】
【化3】 〔式中、x及びyは、1以上の整数であり、x+yの平
均値は2〜4である。〕
【0031】式(2)で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂は、後に詳しく説明するベンジル酸のアル
ミニウム化合物と同時に溶融混練される際に、金属イオ
ン架橋構造が形成され易く、トナーの貯蔵弾性率曲線に
おいて明瞭な極小値(G′mi n)を有するトナーを良好
に生成し得る。
【0032】例えば、図1に示す後述の実施例と類似の
トナーの貯蔵弾性率曲線においては、温度100乃至2
00℃(好ましくは、温度110乃至170℃)の領域
に極小値(G′min)を有すると、極小値(G′min)を
示す温度よりも高温サイドの温度で、トナーはより高粘
弾性を有しているため、耐高温オフセット性に極めて優
れている。
【0033】一方、図2に示す如き粘弾性を示す後述の
比較トナーと類似処方のトナーは、温度100乃至20
0℃の領域に明確な極小値を有していなく、温度100
℃よりも高温サイドにおいても温度の上昇とともにトナ
ーの貯蔵弾性率が低下している。この様なトナーは、耐
高温オフセット性に劣り、定着可能温度領域が本発明の
トナーよりも狭くなる。
【0034】式(2)で示される分子骨格がなぜ特異的
にベンジル酸のアルミニウム化合物と作用するかは十分
には判明してはいないが、この分子鎖特有の屈曲性が相
互作用しやすい配座を形成しやすいため(分子配置相互
作用)と、P位に電子供与性を有するフェニル基の電子
供与性、また、−CH=CH−のπ電子供与相互作用が
深く係っていると思われる。
【0035】ポリエステル樹脂を生成するための二価の
アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、水酸化ビスフェノールA、また式(3)で表わされ
るビスフェノール誘導体
【0036】
【化4】 〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。〕が挙げられる。
【0037】また、非線形状ポリエステル樹脂を形成す
るための三価以上のアルコール成分としては、例えば、
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメトロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼンが挙げられる。三価以上の多価ア
ルコールの使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9
mol%が好ましい。
【0038】また、ポリエステル樹脂を生成するための
二価の酸成分としては、例えば、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、マロン酸およびこれらを炭素数8〜22の飽和もし
くは不飽和の炭化水素基で置換した脂肪族系酸成分モノ
マー;また芳香族系酸成分モノマーとして、フタル酸、
イソフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸およびその
エステル誘導体が挙げられる。
【0039】また、非線形状ポリエステル樹脂を形成す
るための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例え
ば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸およ
び、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三
価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基
準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0040】本発明において、ポリエステル樹脂の好ま
しいガラス転移温度は47〜64℃、好ましくは49〜
62℃であるのが良い。
【0041】ポリエステル樹脂のガラス転移温度が47
℃未満の場合には、定着性には優れるものの、耐オフセ
ット性が低下し、定着ローラーへの汚染や定着ローラー
への巻き付きが発生し好ましくない。さらに定着後の画
像表面のグロスが高くなりすぎてしまい画像品位が低下
して好ましくない。
【0042】ポリエステル樹脂のガラス転移温度が64
℃よりも高い場合には、定着性が悪化し、複写機本体の
設定定着温度を上げざるを得ず、得られた画像は一般に
グロスが低く、かつフルカラートナー用としての混色性
が低下する。
【0043】本発明において、トナーの好ましいガラス
転移温度は50〜67℃、好ましくは53〜64℃であ
るのが良い。
【0044】トナーのガラス転移温度が50℃未満の場
合には、定着性には優れるものの、耐オフセット性が低
下し、定着ローラーへの汚染や定着ローラーへの巻き付
きが発生し好ましくない。さらに定着後の画像表面のグ
ロスが高くなりすぎてしまい画像品位が低下して好まし
くない。
【0045】トナーのガラス転移温度が67℃よりも高
い場合には、定着性が悪化し、複写機本体の設定定着温
度を上げざるを得ず、得られた画像は一般にグロスが低
く、かつフルカラートナー用としての混色性が低下す
る。
【0046】本発明において、ポリエステル樹脂のTH
F可溶分のGPC測定において、数平均分子量(Mn)
が1300〜9500であり、重量平均分子量(Mw)
が5500乃至95000であり、該ポリエステル樹脂
のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)とMnとの比
(Mw/Mn)は2乃至10であることが好ましい。
【0047】また、トナー化した際のトナーのTHF可
溶分のGPC測定において、数平均分子量(Mn)が1
500〜10000であり、重量平均分子量(Mw)が
6000乃至100000であり、MwとMnとの比
(Mw/Mn)が2乃至10であることが好ましい。
【0048】ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)
が1300未満の場合又は重量平均分子量(Mw)が5
500未満、もしくはトナーの数平均分子量(Mn)が
1500未満の場合又は重量平均分子量(Mw)が60
00未満の場合には、いずれも定着画像表面の平滑性は
高く見た感じの鮮やかさはあるものの、耐久において高
温オフセットが発生しやすくなり、さらに、長期保存安
定性が低下し、現像機内でのトナー融着及びキャリア表
面にトナー成分が付着してキャリアスペントの発生とい
った新たな問題も懸念される。さらに、カラートナー粒
子の製造時のトナー原料の溶融混練時にシェアーがかか
り難く、着色剤の分散性が低下し易く、よってトナーの
着色力の低下やトナーの帯電量の変動が生じ易い。
【0049】ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)
が9500を超える場合又は重量平均分子量(Mw)が
95000を超える場合、もしくはトナーの数平均分子
量(Mn)が10000を超える場合又は重量平均分子
量(Mw)が100000を超える場合は、いずれも、
耐オフセット性に優れるものの、定着設定温度を高くせ
ざるを得ないし、さらに、仮に顔料の分散の程度をコン
トロールできたとしても、画像部での表面平滑性が低下
してしまい色再現性が低下し易くなってしまう。
【0050】ポリエステル樹脂、もしくはトナーのMw
/Mnが2未満の場合には、一般に得られるポリエステ
ル樹脂は、分子量自体が小さくなることから、前述の分
子量が小さい場合と同様に耐久による高温オフセット現
像、長期保存安定性の低下、現像器内でのトナーの融着
及びキャリアスペントが生じ易くなり、さらに、トナー
の帯電量のばらつきが生じ易い。
【0051】ポリエステル樹脂、もしくはトナーのMw
/Mnが10を超える場合には、耐高温オフセット性に
優れるものの、定着設定温度を高くせざる得ないし、さ
らに、仮に顔料の分散の程度をコントロールできたとし
ても、画像部での表面滑性が低下してしまい、色再現性
が低下し易くなってしまう。
【0052】本発明に用いる無置換の、又は置換基を有
するベンジル酸のアルミニウム化合物は、アルミニウム
1原子に対して、無置換の、又は置換基を有するベンジ
ル酸を1乃至3分子有するアルミニウム化合物であっ
て、化合物が錯体であっても錯塩であっても何ら構わな
い。また本発明においては、アルミニウム1原子に対し
て、無置換の、又は置換基を有するベンジル酸を1乃至
3分子有するアルミニウム化合物を有する混合物を用い
ても良い。
【0053】また、本発明のベンジル酸のアルミニウム
化合物は、化合物に関与していない、無置換の、又は置
換基を有するベンジル酸をベンジル酸のアルミニウム化
合物基準で20wt%未満で含有していてもよい。
【0054】無置換の、又は置換基を有するベンジル酸
としては、式(1)で示される化合物が用いられ、
【0055】
【化5】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)中でも、無置換のベンジル酸(式
(4))が、反応の安定性、帯電の絶対値、画像濃度安
定性、忠実な色再現性等々の点で好ましい。
【0056】
【化6】
【0057】以下に、本発明で用いられる置換基を有す
るベンジル酸の具体例を挙げるが、特に何らこれらに限
定するものではない。
【0058】
【化7】
【0059】次に、本発明のトナーにおいて好ましく用
いられるベンジル酸のアルミニウム化合物の構造式を挙
げるが、本発明では、これらのベンジル酸のアルミニウ
ム化合物に限定されるものではない。
【0060】
【化8】 (式中、Xは1価のカチオン、例えば水素、リチウム、
ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルキルアン
モニウムを表わす。)
【0061】
【化9】
【0062】本発明に使用する無置換の、又は置換基を
有するベンジル酸のアルミニウム化合物は、樹脂への分
散性に優れ、その結果高い透明性が得られ、カラートナ
ー用、特にフルカラー用トナーとして用いた場合、鮮明
な色彩が得られる。
【0063】ベンジル酸のアルミニウム化合物は、トナ
ーの質量基準で0.1〜10質量%(より好ましくは、
0.5〜9質量%)使用すると、トナーの帯電量の初期
変動が少なく、現像時に必要な絶対帯電量が得られやす
く、結果的に「カブリ」や画像濃度ダウンの如き画像品
質の低下がなく好ましい。
【0064】本発明のカラートナーに好ましく用いられ
るベンジル酸のアルミニウム化合物は、例えば、上記の
如き未置換又は置換基を有するベンジル酸と硫酸アルミ
ニウム(Al2(SO43)等のアルミニウム塩とを所
望のモル比で混合し、アルカリ雰囲気下で加熱反応さ
せ、得られた沈殿物を濾別採取し、更に水洗、乾燥する
ことによって得ることができる。但し、本発明に係るベ
ンジル酸のアルミニウム化合物の製法はこれに限定され
るものではない。
【0065】本発明のベンジル酸のアルミニウム化合物
をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加
する方法と外添する方法がある。内添する場合の好まし
い添加量としては結着樹脂100質量部に対して0.1
〜10質量部、より好ましくは、0.5〜8質量部の範
囲で用いられる。また、外添する場合は、0.01〜5
質量部が好ましく、特にメカノケミカル的にトナー表面
に固着させるのが好ましい。本発明のカラートナーにお
いては内添する方が好ましい。
【0066】また本発明のベンジル酸のアルミニウム化
合物は、従来の公知の電荷制御剤と組み合わせて使用す
ることもできる。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、
キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセト
ン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカル
ボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などがあげられ
る。そのほかには、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無
水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族系化
合物の縮合体などもあげられる。またビスフェノール
類、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体なども
用いられる。
【0067】本発明においては、遊離基に働いて酸化防
止作用を与えることにより、自身は酸化されるフェノー
ル類のことをヒンダードフェノールと定義する。
【0068】本発明に使用するヒンダードフェノールと
しては、例えば、モノ−t−ブチル−p−クレゾール、
モノ−t−ブチル−m−クレゾール、4−t−ブチルカ
テコール、2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルハイドロキノン、プロピルガレード、
4,4’−メチレンビス(2,6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−
t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ブチルヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6
−トリ−t−ブチルフェノール、4−ハイドロキシメチ
ル−2,6−ジ−t−ブチル、オクタデシル−3−(4
−ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート、ジステアリル(4−ハイドロキシ
−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、
6−(4−ハイドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、2,6−ジフェニル−4−オクタデカノキシフェ
ノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−イソ
ブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,
2’−ジハイドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシ
クロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタ
ン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロ
ヘキシルフェノール)、トリス[β−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシエチル]イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−3−ハイドロキシ−4−t−ブチ
ルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ハイドロキシフェノール)イソシアヌ
レート、1,1,3’−トリス(2−メチル−4−ハイ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,6−
ビス(2’−ハイドロキシ−3’−t−ブチル−5’−
メチルベンジル)4−メチルフェノール、N,N’−ヘ
キサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイ
ドロキシハイドロシンナメート)、ヘキサメチレングル
コールビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレング
リコールビス[β−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げら
れる。
【0069】この中でも特に4−t−ブチルカテコー
ル、2,5−t−ブチルハイドロキノンが好ましい。
【0070】ヒンダードフェノールの使用量は、トナー
の質量基準で20〜400ppm、好ましくは50〜3
80ppm含有していることが良い。
【0071】ヒンダードフェノールの含有量がトナーの
質量基準で20ppm未満の場合には、ポリエステル樹
脂合成時における重合抑制作用やトナー表面及び有機光
導電性半導体の酸化抑制作用が発現しない。
【0072】一方、本発明の如きカルボキシル基を有す
るポリエステル樹脂とベンジル酸のアルミニウム化合物
の混練時架橋(緩いイオン結合)を利用した構成のトナ
ーの場合、ヒンダードフェノールの含有量がトナーの質
量基準で400ppmを超える場合には、例えば、図1
に示した実施例と類似のトナーの貯蔵弾性率曲線におい
て、温度100乃至200℃の領域に明確な極小値を有
さなくなり、高温サイドにおいても温度の上昇とともに
トナーの貯蔵弾性率が低下することとなる。
【0073】これは、ヒンダードフェノールの含有量が
トナーの質量基準で400ppmを超えることにより、
ポリエステル樹脂の分子骨格とベンジル酸のアルミニウ
ム化合物との緩いイオン結合が阻害されるためと考えら
れる。そして、結果的に耐高温オフセット性に劣り、定
着可能温度領域が本発明のトナーよりも狭くなると共に
トナーの長期保存性が著しく低下する。また、フルカラ
ートナー用として使用した場合、着色剤や荷電制御剤の
分散が低下し、よってトナーの透光性と帯電量の変化が
生じ易くなる。
【0074】上述の如く、本発明のトナーに含有される
ヒンダードフェノールの量を制御することが重要である
と同時に、該トナーに含有されるベンジル酸のアルミニ
ウム化合物の含有量との比においても、ある適性な範囲
を逸脱すると、極めて重大な不具合を生じることとな
る。
【0075】例えば、該トナーに含まれるヒンダードフ
ェノールの含有量を104倍した値である(104H)と
該ベンジル酸のアルミニウム化合物の含有量(B)と
は、好ましくは下記関係 B:104H=1:5〜1:4000 を満たすことが良い。
【0076】トナーに含まれるヒンダードフェノールの
含有量を104倍した値である(104H)と該ベンジル
酸のアルミニウム化合物の含有量(B)の比が、B:1
4H=1:5未満の場合、ポリエステル樹脂合成時に
おける重合抑制作用やトナー表面及び有機光導電性半導
体の酸化抑制作用が発現しない。
【0077】トナーに含まれるヒンダードフェノールの
含有量を104倍した値である(104H)と該ベンジル
酸のアルミニウム化合物の含有量(B)の比がB:10
4H=1:4000を超える場合、耐高温オフセット性
に劣り、定着可能温度領域が狭くなると共に、トナーの
長期保存性が著しく低下する。
【0078】着色剤としては、顔料及び/又は染料を用
いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイ
レクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.
I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、
C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブ
ルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッ
ドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベ
ーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.
I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クグリーン6等がある。
【0079】顔料としては、ミネラルファストイエロ
ー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザ
イエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジ
ンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、
カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチ
ングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアン
トカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アル
カリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシ
アニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレ
ンブルーBC、ピグメントグリーンB、マラカイトグリ
ーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0080】また、フルカラー用トナーとして使用する
場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0081】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0082】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45、又は、フタ
ロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換
した銅フタロシアニン顔料等である。
【0083】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0084】着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に
対して、1〜15質量部、好ましくは3〜12質量部、
さらに好ましくは4〜10質量部含有していることが良
い。
【0085】着色剤の含有量が15質量部より多い場合
には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表される
様な中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの
帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られに
くくなる。
【0086】着色剤の含有量が1質量部より少ない場合
には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度の
高品位画像が得られ難い。
【0087】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナー粒子は磁性体を含み、磁性体は着色剤
としての機能も有する。磁性材料としては、マグネタイ
ト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の
金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金
属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,P
b,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0088】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙
げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の
組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄
又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0089】これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μ
m(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、10Kエ
ルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エル
ステッド、飽和磁化50〜200emu/g(好ましく
は50〜100emu/g)、残留磁化2〜20emu
/gのものが好ましい。
【0090】結着樹脂100質量部に対して、磁性体1
0〜200質量部、好ましくは20〜150質量部使用
するのが良い。
【0091】本発明において、必要に応じて一種又は二
種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわ
ない。
【0092】離型剤としては次のものが挙げられる。低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂
肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの
如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それ
らのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワ
ックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エス
テルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワッ
クスの如き脂肪酸エステル類の一部または全部を脱酸化
したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステア
リン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を
有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸
類、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸
の如き不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラル
キルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルア
ルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あ
るいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアル
コール類の如き飽和アルコール類、ソルビトールの如き
多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン酸アミ
ド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類、メチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミ
ド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類、
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオ
レイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミ
ド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽
和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き
芳香族系ビスアミド類、ステアリン酸カルシウム、ラウ
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんとい
われているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスに
スチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いて
グラフト化させたワックス類、また、ベヘニン酸モノグ
リセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル
化物、また、植物性油脂の水素添加によって得られるヒ
ドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられ
る。
【0093】特に好ましく用いられる離型剤としては、
脂肪族系アルコールワックス、脂肪族炭化水素系ワック
スが挙げられる。
【0094】脂肪族炭化水素系ワックスとしては、アル
キレンを高圧下でのラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリ
マー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素からなる
合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残
分から、あるいは、これらを水素添加して得られる合成
炭化水素ワックスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワッ
クスを分別したものがより好ましく用いられる。母体と
しての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上
の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によっ
て合成されるもの、例えばジントール法、ヒドロコール
法(流動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素
が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得
られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素や、エチレン
の如きアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化
水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化
水素であるので好ましい。特に一酸化炭素及び水素から
合成されたワックスが分子量分布が狭く、好ましいもの
である。
【0095】ワックスの分子量分布では、分子量400
〜2400の領域に(好ましくは450〜2000、特
に好ましくは500〜1600の領域に)メインピーク
が存在することが良い。このような分子量分布を有する
ワックスは、トナーに好ましい熱特性を持たせることが
できる。
【0096】離型剤の量は、結着樹脂100質量部あた
り0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部
が好ましい。
【0097】離型剤は、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液
温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時
に混合する方法で結着樹脂に含有させられる。
【0098】トナー粒子には、流動性向上剤が外添され
ていることが画質向上のために好ましい。
【0099】流動性向上剤としては、トナー粒子に外添
することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し
得るものである。
【0100】例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテ
トラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;
湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微
粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオ
イルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微
粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チ
タン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。
【0101】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着により比表面積が30cm2/g以上、好ましくは
50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー
粒子100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質
量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0102】トナー粒子は結着樹脂、着色剤、有機金属
化合物及びその他の任意成分の添加剤をヘンシェルミキ
サー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニー
ダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、
捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉
砕し、粉砕物を分級することにより所定の平均粒径のト
ナー粒子を生成することができる。
【0103】さらに、流動性向上剤とトナー粒子をヘン
シェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー
粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることがで
きる。
【0104】本発明においては、トナーの重量平均粒径
(D4)は、3.0乃至15.0μm、好ましくは4.
0乃至12.0μmが良い。
【0105】トナーの重量平均粒径(D4)が3.0μ
m未満の場合には、帯電安定化が達成しづらくなり、耐
久において、カブリやトナー飛散が発生しやすくなる。
【0106】トナーの重量平均粒径(D4)が15.0
μmを超える場合には、ハーフトーン部の再現性が大き
く低下し、得られた画像はガサついた画像になってしま
う。
【0107】さらに、本発明のトナーは、体積平均粒径
(Dv)が2.5μm乃至6.0μmであることが、よ
り高画質画像の形成のために好ましい。
【0108】トナーの体積平均粒径(Dv)が2.5μ
m未満の場合には、トナーの帯電安定性が低下し、6.
0μmを超える場合には、画質が粗くなる傾向にある。
【0109】次に、本発明のトナーを適用し、電子写真
法によりフルカラー画像を形成する方法を図3を参照し
ながら説明する。
【0110】図3は、電子写真法によりフルカラーの画
像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。図3の画像形成装置は、フルカラー複写機又
フルカラープリンタとして使用される。フルカラー複写
機の場合は、図3に示すように、上部にデジタルカラー
画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を
有する。
【0111】画像リーダ部において、原稿30を原稿台
ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査す
ることにより、原稿30からの反射光像をレンズ33に
よりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像
信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示
せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理
を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0112】画像プリンタ部において、像担持体である
感光ドラム1は、たとえば有機光導電体を有する感光層
を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ド
ラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器
2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる
4個の現像器4Y、4C、4M、4B、ドラム上光量検
知手段13、転写装置5およびクリーニング器6が配置
されている。
【0113】レーザ露光光学系において、リーダ部から
の画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージ
スキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光
がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミ
ラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0114】プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1
を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後
に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電さ
せて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上
に静電荷像を形成する。
【0115】次に、所定の現像器を作動させて感光ドラ
ム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーに
よるトナー画像を形成する。現像器4Y、4C、4M、
4Bは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、
24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ド
ラム1に接近して、現像を行なう。
【0116】転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器
5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよ
びこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5
d、外側帯電器5e、分解帯電器5hを有している。転
写ドラム5aは、回転駆動可能に軸支され、その周面の
開口域に転写材を担持する転写材担持体である転写シー
ト5fが、円筒上に一体的に調節されている。転写シー
ト5fにはポリカーボネートフィルムの如き樹脂フィル
ムが使用される。
【0117】転写材はカセット7a、7bまたは7cか
ら転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送さ
れ、転写ドラム5a上に担持される。転写ドラム5a上
に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転にともな
い感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送さ
れ、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用に
より、転写材上に感光ドラム1上のトナー画像が転写さ
れる。
【0118】トナー画像は、感光体から直接転写材へ転
写されても良く、また、感光体上のトナー画像を中間転
写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転
写しても良い。
【0119】上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)に
ついて繰り返し、転写ドラム5上の転写材上に4色のト
ナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
【0120】このようにして4色のトナー画像が転写さ
れた転写材は、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび
分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5aから分離
して加熱加圧定着器9に送られ、そこで加熱加圧定着す
ることによりトナーの混色、発色および転写材への固定
が行なわれて、フルカラーの定着画像とされたのちトレ
イ10に排紙され、フルカラー画像の形成が終了する。
【0121】このとき、加熱加圧定着器9での定着動作
速度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/
sec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われ
る。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画
像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与え
なければならないためで、現像速度より遅い速度で定着
を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしてい
る。
【0122】図4において、定着手段である定着ローラ
ー39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41上に
厚さ2mmのRTV(室温加硫型)シリコーンゴム層4
2、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層68、この
外側にHTV(高温加硫型)シリコーンゴム層43を有
し、直径60mmを有している。
【0123】一方、加圧手段である加圧ローラー40
は、例えば厚さ5mmのアルミ芯金44の上に厚さ2m
mのRTVシリコーンゴム層45、この外側に厚さ50
μmのフッ素ゴム層69、この外側に厚さ230μmの
HTVシリコーンゴム層を有し、直径60mmを有して
いる。
【0124】上記定着ローラー39には発熱手段である
ハロゲンヒータ46が配置され、加圧ローラー40には
同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されて両面か
らの加熱を行っている。定着ローラー39及び加圧ロー
ラー40に当接されたサーミスタ48a及び48bによ
り定着ローラー39及び加圧ローラーの温度が検知さ
れ、この検知温度に基づき制御装置49a及び49bに
よりハロゲンヒータ46及び47がそれぞれ制御され、
定着ローラー39の温度及び加圧ローラー40の温度が
共に一定の温度(例えば、160℃±10℃に保つよう
に制御される。定着ローラー39と加圧ローラー40は
加圧機構(図示せず)によって総圧約40kgで加圧さ
れている。
【0125】図4においてOは離型剤塗布手段たるオイ
ル塗布装置、Cはクリーニング装置、C1は加圧ローラ
ーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニ
ングブレードである。オイル塗布装置Oはオイルパン5
0内のジメチルシリコーンオイル51(例えば、信越化
学製KF96 300cSt)を、オイル汲み上げロー
ラー52及びオイル塗布ローラー53を経由してオイル
塗布量調節ブレード54でオイル塗布量を規制しくして
定着ローラー39上に塗布させる。
【0126】クリーニング装置Cはノーメックス(商品
名)より成る不織布ウェブ56を押圧ローラー55にて
定着ローラー39に押し当ててクリーニングしている。
該ウェヴ56は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻
き取られ、定着ローラー39との当接部にトナー等が堆
積しないようにされている。
【0127】本発明のカラートナーは、低温定着性及び
耐高温オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を
少なくすることが可能であり、また、クリーニング装置
の汚れ量も少ない。
【0128】本発明のカラートナーのトナー像は、定着
ローラの表面温度150℃±30℃の温度条件で加熱加
圧定着するのが良い。
【0129】上記の画像形成プロセスによって、本発明
のカラートナーを少なくとも有するカラートナー画像が
記録材シートに定着されることによって記録シートに形
成されたカラー画像が得られる。
【0130】結着樹脂及びトナー粒子における各物性の
測定方法を以下に説明する。
【0131】(1)ヒンダードフェノール含有率の測定 ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)によるヒ
ンダードフェノール含有率の定量は以下の方法で行う。
【0132】試料の熱分解にはTRACE2000シリ
ーズ(Thermo Quest社製)を用い、キャピ
ラリーカラムにはRtx−5MSを使用した。
【0133】また、質量分析にはVOYAGER(Th
ermo Quest社製)を用いた。
【0134】定量したい試料0.5mgを100mlの
メタノールに溶解させた試料溶液および該試料を10倍
希釈した試料溶液を調製し、両溶液1.0μlを以下の
昇温速度で熱分解させることにより得られたスペクトル
から検量線を作成する。
【0135】<昇温速度> 50℃:1分間保持 50℃〜70℃:2℃/分 70℃〜150℃:5℃/分 150℃〜250℃:10℃/分
【0136】トナー1.0gを20mlのクロロホルム
溶液に溶解させ、次いで20mlのメタノール溶液をゆ
っくりと滴下させながら十分に溶解させた後に1日間静
置し、トナー中に含まれる他の材料を沈殿させた上澄み
液1.0μlを熱分解させる。
【0137】検出された試料固有のスペクトルと、予め
作成した検量線からトナー中に含まれるヒンダードフェ
ノールの含有率を算出する。
【0138】(2)トナーの貯蔵弾性率の測定粘弾性測
定装置(レオメーター)RDA−II型(レオメトリッ
クス社製)を 用いて、下記の条件で、60〜210℃の温度範囲にお
ける貯蔵弾性率G’の測定を行う。 ・測定治具 :弾性率が高い場合には直径7.9m
mのフラットな円形プレートを使用し、弾性率が低い場
合には直径40mmのフラットな円形プレートを使用す
る。アクチュエーター(actuator)側には円形
プレートに対応するシャローカップを使用する。シャロ
ーカップの底面と円形プレートの間隙は約2mmであ
る。 ・測定試料 :トナーを加熱、溶融後に、直径約8
mm,高さ2mmの円柱状試料、又は直径約40mm,
高さ約2mmの円盤状試料を成型して使用する。 ・測定周波数 :6.28ラジアン/秒 ・測定歪の設定 :初期値を0.1%に設定した後、自
動測定モードにて測定を行う。 ・試料の伸長補正:自動測定モードにて調整する。 ・測定温度 :60〜210℃まで毎分2℃の割合
で昇温する。
【0139】(3)GPCによる分子量の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によ
るクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0140】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2,2.1×103,4×103,1.75×104
5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.
6×105,2×106,4.48×106のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器
を用いる。
【0141】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のμ−styragel 500,103,1
4,105の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,80
6,807の組合せが好ましい。
【0142】(4)ガラス転移温度(Tg)の測定 示差熱分析測定装置(DSC測定装置),DSC−7
(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D341
8−82に準じて測定する。
【0143】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0144】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0145】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0146】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0147】(5)トナー粒子又はトナーの粒度分布の
測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)
を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約
1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON
(登録商標)−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面
活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)
を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパ
ーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナ
ー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、
トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、
トナー粒子の体積分布から求めた質量基準のトナー粒子
又はトナーの重量平均粒径(D 4)及び体積平均粒径
(DV)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表
値とする)を求める。
【0148】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜
40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0149】(6)摩擦帯電量の測定 図5は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に
500メッシュのスクリーン83のある金属製の測定容
器82に、摩擦帯電量を測定しようとする試料とキャリ
アとの混合物、すなわち、トナーの場合には、トナーと
キャリアの質量比1:19の混合物、また、外添剤の場
合には、1:99の混合物を50乃至100ml容器の
ポリエチレン製の瓶に入れ、約10乃至40秒間手で振
とうし、該混合物(現像剤)約0.5乃至1.5gを入
れ金属製のフタ84をする。この時の測定容器82全体
の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機81(測定
容器82と接する部分は少なくとも絶縁体)において、
吸引口57から吸引し風量調節弁86を調整して真空計
85の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、
好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。こ
の時の電位計89の電位をV(ボルト)とする。ここで
88はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。ま
た、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とす
る。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く
算出される。
【0150】試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V
/(W1−W2) (但し、測定条件は23℃,60%RHとする。)
【0151】測定に用いるキャリアは、250メッシュ
パス,350メッシュオンのキャリア粒子が70〜90
質量%有するコートフェライトキャリアを使用する。
【0152】
【実施例】以下、結着樹脂とトナーの製造例および本発
明のトナーの実施例について述べるが、本発明はこれら
の例に限定されるものではない。
【0153】(樹脂製造例1)
【0154】
【化10】 ・フマル酸 10mol%
【0155】酸化防止剤であるジ−t−ブチルカテコー
ル(酸化防止剤Iとする)の存在下において、上記モノ
マーと重縮合させて数平均分子量(Mn)が850の線
状プレポリマーを生成した。
【0156】次いで、線状プレポリマーと下記モノマー
とを混合して重縮合を行って非線状のポリエステル樹脂
No.1を得た。
【0157】
【化11】 ・フマル酸 27mol% ・テレフタル酸 11mol% ・トリメリット酸 1mol%
【0158】得られた非線状のポリエステル樹脂No.
1は、Tgが58℃であり、THF可溶成分のGPCに
おいて、Mnが3100であり、Mwが10850であ
り、Mw/Mnが3.5であった。
【0159】(樹脂製造例2)
【0160】
【化12】 ・フマル酸 21mol% ・テレフタル酸 11mol% ・トリメリット酸 9mol%
【0161】酸化防止剤であるジ−t−ブチルカテコー
ルの存在下において、上記モノマーと重縮合させて非線
状のポリエステル樹脂No.8を得た。
【0162】得られた非線状のポリエステル樹脂No.
8は、Tgが56℃であり、THF可溶成分のGPCに
おいて、Mnが4500であり、Mwが47250であ
り、Mw/Mnが10.5であった。
【0163】(樹脂製造例3)
【0164】
【化13】 ・フマル酸 39mol% ・テレフタル酸 11mol% ・トリメリット酸 1mol%
【0165】酸化防止剤であるジ−t−ブチルカテコー
ルの存在下において、上記モノマーと重縮合させて非線
状のポリエステル樹脂No.9を得た。
【0166】得られた非線状のポリエステル樹脂No.
9は、Tgが56℃であり、THF可溶成分のGPCに
おいて、Mnが1250であり、Mwが8370であ
り、Mw/Mnが6.7であった。
【0167】 <実施例1> ・結着樹脂:ポリエステル樹脂No.1 100質量部 ・顔料:銅フタロシアニン 4質量部 ・荷電制御剤:ベンジル酸のアルミニウム化合物A 4質量部 (アルミニウム1原子とベンジル酸2分子からなる化合
物)上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合
を行い、二軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマー
ミルを用いて約1〜2mm程度粗粉砕し、次いでエアー
ジェット方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微
粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に
除去して、重量平均粒径7.0μmのシアンカラートナ
ー粒子を得た。
【0168】一方、トナー粒子に、イソブチルトリメト
キシシランで表面処理した一次粒子径50nmの酸化チ
タン微粒子を1.5wt%外添混合し、シアントナー1
を製造した。シアントナー1の各物性を表1に示す。
【0169】シアントナー1と、シリコーン樹脂で表面
被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径50μ
m)とを、トナー濃度が6質量%になる様に混合し、二
成分系シアン現像剤1とした。
【0170】上記二成分シアン現像剤を市販の普通紙フ
ルカラー複写機(カラーレーザー複写機CLC800、
キヤノン製)のシアン現像装置(図3中4C)に導入し
て、単色モードで常温常湿環境下(23℃,60%)、
低温低湿環境下(10℃,10%)、高温高湿環境下
(30℃,90%)で2万枚の耐久画像試験を行った。
【0171】該試験結果を表2に示す。
【0172】画像濃度は、「マクベス反射濃度計」(マ
クベス社)を用いて現像コントラスト電位差が低温低湿
環境下(10℃,10%)350V、常温常湿環境下
(23℃,60%)300V、高温高湿環境下(30
℃,90%)250Vにおける画像で測定した。
【0173】カブリは、「リフレクトメーター」(東京
電色社製)により測定した複写画像の白地部分の白色度
と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出して
評価した。
【0174】トナー飛散は、2万枚耐久試験後の機内状
態を目視にて判定した。
【0175】飛散の評価基準を以下に示す。 A:機内に全く飛散していない(優) B:機内に僅かに飛散している(良) C:機内にほんの僅かに飛散している(普通) D:機内にかなり飛散している(悪)
【0176】また、フルカラー複写機による評価とは別
に、定着機のみを本体から取り出し、外部駆動部及び温
度制御機能を付与し、200mm/secの速度で定着
試験を行うとともに、サンプルトナーを30℃,90%
にて3ケ月放置することにより、長期保存性を評価し
た。該評価としては目視による凝集性のレベルを判定し
た。
【0177】トナー凝集性評価基準を以下に示す。 A:凝集体が全く見られなく流動性が非常に良い B:凝集体が全く見られない C:若干の凝集体は見られるがすぐにほぐれる D:現像剤撹拌装置で凝集体がほぐれる(普通) E:現像剤撹拌装置では凝集体が十分にほぐれない(や
や悪い)
【0178】該試験結果を表3に示す。
【0179】<実施例2>ポリエステル樹脂の合成時に
添加したジ−t−ブチルカテコールの量以外はポリエス
テル樹脂No.1と同様のポリエステル樹脂No.2を
使用する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー2
及び現像剤2を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表1乃至3に示す。
【0180】<実施例3>ポリエステル樹脂の合成時に
添加したジ−t−ブチルカテコールの量以外はポリエス
テル樹脂No.1と同様のポリエステル樹脂No.3を
使用する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー3
及び現像剤3を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表1乃至3に示す。
【0181】<実施例4>ベンジル酸のアルミニウム化
合物Aの添加量が異なる以外は、実施例2と同様にして
シアントナー4及び現像剤4を調製し、実施例1と同様
にして評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0182】<実施例5>ベンジル酸のアルミニウム化
合物Aに代えて、アルミニウム1原子とベンジル酸1分
子からなるベンジル酸のアルミニウム化合物Bを使用
し、かつ、添加量が異なる以外は、実施例2と同様にし
てシアントナー5及び現像剤5を調製し、実施例1と同
様にして評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0183】<実施例6>ポリエステル樹脂の合成時に
添加したジ−t−ブチルカテコールに代えてハイドロキ
ノン(酸化防止剤IIとする)を使用した以外は、ポリ
エステル樹脂No.1と同じポリエステル樹脂No.4
を使用し、かつ、ベンジル酸のアルミニウム化合物Aに
代えて、アルミニウム2原子とベンジル酸3分子からな
るベンジル酸アルミニウム化合物Cを使用し、その添加
量を4質量部に減量する以外は、実施例1と同様にして
得られたシアントナー6及び現像剤6を調製し、実施例
1と同様にして評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0184】<実施例7>樹脂合成時にジ−t−ブチル
カテコールを添加しない以外は、ポリエステル樹脂N
o.1と同様のポリエステル樹脂No.5を使用し、該
ジ−t−ブチルカテコールを他の材料とともに予備混合
するする以外は、実施例1と同様にして得られたシアン
トナー7及び現像剤7を調製し、実施例1と同様にして
評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0185】<実施例8>ジ−t−ブチルカテコールを
含有したポリエステル樹脂No.1に、更に該ジ−t−
ブチルカテコールを他の材料とともに予備混合する以外
は、実施例1と同様にして得られたシアントナー8及び
現像剤8を調製し、実施例1と同様にして評価した。結
果を表1乃至3に示す。
【0186】<比較例1>ポリエステル樹脂No.1の
合成時に添加したジ−t−ブチルカテコールの量以外は
同様のポリエステル樹脂No.6を使用する以外は、実
施例1と同様にして得られたシアントナー9及び現像剤
9を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1乃至3に示す。
【0187】ポリエステル樹脂合成時に添加するジ−t
−ブチルカテコールの量が多いと、本発明の如きカルボ
キシル基を有するポリエステル樹脂とサリチル酸金属化
合物の混練時架橋(緩いイオン結合)を阻害するために
高温オフセットが発生し、また得られたトナー長期保存
性の尺度となるトナー凝集も多く見られた。
【0188】<比較例2>ポリエステル樹脂No.1の
合成時に添加したジ−t−ブチルカテコールの量以外は
同様のポリエステル樹脂No.7を使用する以外は、実
施例1と同様にしてシアントナー10及び現像剤10を
調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1乃
至3に示す。
【0189】ポリエステル樹脂合成時に添加する酸化防
止剤の量が少ないと、特に高温高湿環境下における耐久
試験時において帯電量が低下し、カブリと機内飛散が見
られた。
【0190】<比較例3>ベンジル酸のアルミニウム化
合物Aの添加量以外は実施例2と同様にして、シアント
ナー11及び現像剤11を調製し、実施例1と同様にし
て評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0191】ベンジル酸のアルミニウム化合物Aの添加
量が少ないと、該ポリエステル樹脂と該ベンジル酸のア
ルミニウム化合物とが同時に溶融混練される際のイオン
架橋構造を形成され難くなるために高温オフセットが発
生し、トナーの長期保存性が劣るばかりか、耐久試験に
おけるトナーの帯電量が安定しないために、カブリ及び
機内飛散の如き不具合を生じた。
【0192】<比較例4>ポリエステル樹脂合成時に添
加したジ−t−ブチルカテコールの代替としてアミン系
酸化防止剤であるフェニル−α−ナルチルアミン(酸化
防止剤IIIとする)を使用した以外はポリエステル樹
脂No.1と同じポリエステル樹脂No.8を使用する
以外は、実施例1と同様にしてシアントナー12及び現
像剤12を調製し、実施例1と同様にして評価した。結
果を表1乃至3に示す。
【0193】<比較例5>ベンジル酸のアルミニウム化
合物Cの添加量を増量して使用した以外は実施例6と同
様にして得られたシアントナー13及び現像剤13を調
製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1乃至
3に示す。
【0194】ベンジル酸のアルミニウム化合物の添加量
が多いと、耐久試験においてキャリア側にスペントが発
生するために帯電量が不安定になり、結果的にカブリと
機内飛散が発生した。
【0195】<比較例6>ポリエステル樹脂No.8を
使用した以外は実施例6と同様にして得られたシアント
ナー14及び現像剤14を調製し、実施例1と同様にし
て評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0196】<比較例7>ポリエステル樹脂No.9を
使用した以外は実施例6と同様にして得られたシアント
ナー15及び現像剤15を調製し、実施例1と同様にし
て評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0197】<比較例8〜10>ベンジル酸のアルミニ
ウム化合物Aに代えて、下記亜鉛系の化合物D、鉄系の
化合物E、クロム系の化合物Fを使用した以外は実施例
1と同様にして得られたシアントナー16、17、18
及び現像剤16、17、18を調製し、実施例1と同様
にして評価した。結果を表1乃至3に示す。
【0198】
【化14】
【0199】
【表1】
【0200】
【表2】
【0201】
【表3】
【0202】
【発明の効果】本発明によれば、耐オフセット性と定着
性に優れ、長期間の放置後でも放置前と同様な現像性を
有するカラートナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの貯蔵弾性率曲線の一例を示す
図である。
【図2】従来のトナーの貯蔵弾性率曲線の一例を示す図
である。
【図3】本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を
示す概略的断面図である。
【図4】加熱加圧定着手段の一例を示す概略的説明図で
ある。
【図5】トナーの摩擦帯電量を測定するための装置の概
略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 4 現像器 9 加熱加圧定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 庸好 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 AB04 CA08 CA21 CA25 CA30 DA02 DA06 DA10 EA03 EA06 EA07 EA10

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、有彩色の着色剤及び有機金属
    化合物を少なくとも含有するカラートナーにおいて、 該結着樹脂が、カルボキシル基を有するポリエステル系
    の樹脂であり、 該有機金属化合物が、下記式(1) 【化1】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
    く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
    ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
    整数を示す。)で表される無置換の、又は置換基を有す
    るベンジル酸のアルミニウム化合物であり、 該カラートナーは、ヒンダードフェノールをカラートナ
    ーの質量基準で20〜400ppm含有していることを
    特徴とするカラートナー。
  2. 【請求項2】 該カラートナーは、ガラス転移温度が5
    0乃至67℃であり、トナーの貯蔵弾性率曲線におい
    て、温度100乃至200℃の領域に極小値
    (G′min)を有することを特徴とする請求項1に記載
    のカラートナー。
  3. 【請求項3】 該カラートナーは、テトラヒドロフラン
    (THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラ
    フィ(GPC)による分子量分布において、数平均分子
    量(Mn)1500乃至10000、重量平均分子量
    (Mw)6000乃至100000及びMw/Mn2乃
    至10を有していることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のカラートナー。
  4. 【請求項4】 該カラートナーは、該ベンジル酸のアル
    ミニウム化合物をトナーの質量基準で0.1〜10質量
    %含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のカラートナー。
  5. 【請求項5】 該カラートナーにおける該ヒンダードフ
    ェノールの含有量を104倍した値である(104H)と
    該ベンジル酸のアルミニウム化合物の含有量(B)と
    は、下記関係B:104H=1:5〜1:4000を満
    たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のカラートナー。
  6. 【請求項6】 ヒンダードフェノール存在下で合成され
    たヒンダードフェノールが含有されているカルボキシル
    基を有するポリエステル樹脂、着色剤及びベンジル酸の
    アルミニウム化合物を少なくとも有する混合物を溶融混
    練して混練物を得る混練工程;及び得られた混練物を冷
    却後、粉砕して粉砕物を得る粉砕工程;を有するカラー
    トナーの製造方法であり、該ヒンダードフェノールをト
    ナーの質量基準で20〜400ppm含有しているカラ
    ートナーを製造することを特徴とするカラートナーの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 該ヒンダードフェノールが含有されてい
    るカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の合成時
    に、該ヒンダードフェノールを該樹脂に対して20〜4
    00ppm存在させて合成を行うことを特徴とする請求
    項6に記載のカラートナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 該混合物は、該ヒンダードフェノールが
    含有されているカルボキシル基を有するポリエステル樹
    脂、該着色剤及び該ベンジル酸のアルミニウム化合物に
    加えて、さらにヒンダードフェノールを有していること
    を特徴とする請求項6又は7に記載のカラートナーの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 該混合物は、該ヒンダードフェノールを
    トナーに対して20〜400ppm有していることを特
    徴とする請求項8に記載のカラートナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 製造されたカラートナーは、ガラス転
    移温度が50乃至67℃であり、トナーの貯蔵弾性率曲
    線において、温度100乃至200℃の領域に極小値
    (G′min)を有することを特徴とする請求項6乃至9
    のいずれかに記載のカラートナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 製造されたカラートナーは、テトラヒ
    ドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィ(GPC)による分子量分布において、
    数平均分子量(Mn)1500乃至10000、重量平
    均分子量(Mw)6000乃至100000及びMw/
    Mn2乃至10を有していることを特徴とする請求項6
    乃至10のいずれかに記載のカラートナー。
  12. 【請求項12】 製造されたカラートナーは、該ベンジ
    ル酸のアルミニウム化合物をカラートナーの質量基準で
    0.1〜10質量%含有していることを特徴とする請求
    項6乃至11のいずれかに記載のカラートナーの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 製造されたトナーにおける該ヒンダー
    ドフェノールの含有量を104倍した値である(10
    4H)と該ベンジル酸のアルミニウム化合物の含有量
    (B)とは、下記関係B:104H=1:5〜1:40
    00を満たすことを特徴とする請求項6乃至12のいず
    れかに記載のカラートナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 カルボキシル基を有するポリエステル
    樹脂、着色剤、ベンジル酸のアルミニウム化合物及びヒ
    ンダードフェノールを少なくとも有する混合物を溶融混
    練して混練物を得る混練工程;及び得られた混練物を冷
    却後、粉砕して粉砕物を得る粉砕工程;を有するトナー
    の製造方法であり、該ヒンダードフェノールをトナーの
    質量基準で20〜400ppm含有しているトナーを製
    造することを特徴とするカラートナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 該混合物は、該ヒンダードフェノール
    を該混合物の総重量に対して質量基準で20〜400p
    pm含有していることを特徴とする請求項14に記載の
    カラートナーの製造方法。
  16. 【請求項16】 製造されたカラートナーは、ガラス転
    移温度が50乃至67℃であり、トナーの貯蔵弾性率曲
    線において、温度100乃至200℃の領域に極小値
    (G′min)を有することを特徴とする請求項14又は
    15に記載のカラートナーの製造方法。
  17. 【請求項17】 製造されたカラートナーは、テトラヒ
    ドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィ(GPC)による分子量分布において、
    数平均分子量(Mn)1500乃至10000、重量平
    均分子量(Mw)6000乃至100000及びMw/
    Mn2乃至10を有していることを特徴とする請求項1
    4乃至16のいずれかに記載のカラートナーの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 製造されたトナーは、該ベンジル酸の
    アルミニウム化合物をトナーの質量基準で0.1〜10
    質量%含有していることを特徴とする請求項14乃至1
    7のいずれかに記載のカラートナーの製造方法。
  19. 【請求項19】 製造されたトナーにおける該ヒンダー
    ドフェノールの含有量を104倍した値である(10
    4H)と該ベンジル酸のアルミニウム化合物の含有量
    (B)とは、下記関係 B:104H=1:5〜1:4000 を満たすことを特徴とする請求項14乃至18のいずれ
    かに記載のカラートナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4835975B2 (ja) * 2003-12-26 2011-12-14 東洋紡績株式会社 含リン難燃剤の製造方法、含リン難燃剤、難燃性ポリエステル及び難燃性ポリエステルの製造方法

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