JP2001114616A - 防汚塗料 - Google Patents

防汚塗料

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JP2001114616A
JP2001114616A JP29594799A JP29594799A JP2001114616A JP 2001114616 A JP2001114616 A JP 2001114616A JP 29594799 A JP29594799 A JP 29594799A JP 29594799 A JP29594799 A JP 29594799A JP 2001114616 A JP2001114616 A JP 2001114616A
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antifouling
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Katsuya Shino
勝也 示野
Takashi Miyamoto
貴志 宮本
Yasunari Hotta
泰業 堀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海洋環境への負荷の小さく、かつ優れた防汚
性を有する防汚塗料を提供する。 【解決手段】 生分解性ポリマーとアナターゼ型酸化チ
タンを含有することを特徴とする防汚塗料である。当該
生分解性ポリマーは、下記一般式(I)で表される構造
単位を90モル%以上を含むことが好ましい。 【化1】 (式中、R1 はHまたは炭素数1〜3のアルキル基を表
し、R2 はHまたはメチル基を表し、nは0〜4の整数
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境調和型の防汚
塗料に関する。特に、船舶、海洋構造物、海水導入管等
の各種構造物や漁網等の各種道具の海中または水中に没
している部分に付着する、微生物や動植物等の水棲付着
生物による汚損防止に良好な結果を与える防汚塗料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶の船底部、海底通信ケーブル、輸送
パイプライン、観測ブイ、浮標、オイルフェンス、シル
トプロテクター、橋脚、火力または原子力発電における
冷却水路、工業用冷却水路、波力発電ブイ、海洋開発や
海洋土木工事に関連する各種機器、養殖用漁網、漁具等
の長期にわたって水中に浸漬される器物、設備および構
造物には、フジツボ、ムラサキイガイ、ヒドロ虫、セル
プラ、コケムシ、ホヤ、海綿等の付着動物や、アオサ、
アオノリ、シオミドロ、ヒビミドロ、シオグサ、ミル等
の藻類および藍藻類、珪藻類、細菌等のスライムを形成
する付着微生物(以下これらを総称して「汚損生物」と
もいう)が付着し、このため、上記機器、器物、設備、
構造物等は種々の損失を被る。
【0003】例えば、船舶に汚損生物が付着した場合、
船体と海水の摩擦抵抗が増大し、船速の低下、燃費消費
量の増加を招く。また、船底の汚損による運行休止や清
掃費用等の経済的損失等、汚損生物は保守および運行
上、多大の経済的損失をもたらす。また、橋脚等の海洋
に構築されている構造物では、耐久性を高めるために塗
布されている防食被覆膜が汚損生物によって劣化あるい
は腐食し、その結果、構造物の耐用期間が短くなる。ま
た、ブイ、その他の構造物では、浮力の低下、水没を起
こす。また、発電所の復水器および各種工場の熱交換器
等の冷却用水路においては、取水時の抵抗が増したり、
熱交換効率の低下が起こったり、また、水路から脱落し
た生物塊による復水器、熱交換器の性能低下等、種々の
損害損失が発生する。さらに、魚貝類の養殖漁網に汚損
生物が付着した場合、網自体の耐久性が損なわれたり、
汚損生物が網目を覆い尽くすことから、海水の流出入を
阻害して酸素不足を招き、その結果、養殖魚貝類が呼吸
困難を起こして死滅する原因となったり、細菌等の増殖
を助長してノルカディア病、ベルデニア病等魚病の発生
による魚類の被害の原因となったりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、水中に存
在する構造物等への汚損生物の付着は産業上極めて大き
な損害をもたらす。従って、汚損生物の付着防止のため
に、従来、防汚剤と加水分解型樹脂とを配合した高い防
汚性を有する防汚塗料が使用されてきた。防汚剤として
は、亜酸化銅やロダン銅等の重金属化合物、テトラメチ
ルチウラムジスルフィドやジメチルジチオカルバミン酸
亜鉛等のカルバミン酸化合物等であり、加水分解型樹脂
としてはTBTOペンダントアクリル樹脂、シリルエス
テル系アクリル樹脂等である。かかる防汚塗料による塗
膜は加水分解型樹脂の加水分解性によって塗膜表面が徐
々に分解して(削れて)、常に、活性な防汚剤が塗膜表
面に現れ、その結果、長期間安定した防汚性を発揮し続
ける。しかし、これらの防汚剤や加水分解型樹脂により
海洋環境への汚染が懸念され、海洋環境への負荷の小さ
い防汚塗料が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの実状に鑑み、環
境負荷の小さい防汚塗料について鋭意検討を行った結
果、アナターゼ型酸化チタンと生分解性ポリマーの組み
合わせによる防汚塗料が、海洋環境への負荷の小さく、
かつ優れた防汚性を発現することを見出し、本発明を完
成した。即ち、本発明は以下の通りである。
【0006】(1) 生分解性ポリマーとアナターゼ型酸化
チタンを含有することを特徴とする防汚塗料。 (2) 生分解性ポリマーが、下記一般式(I)で表される
構造単位を90モル%以上含む上記(1) に記載の防汚塗
料。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 はHまたは炭素数1〜3のア
ルキル基を表し、R2 はHまたはメチル基を表し、nは
0〜4の整数を表す。) (3) 生分解性ポリマーが、金属を10〜300eq/1
6 gの濃度で含む上記(1) または(2) に記載の防汚塗
料。 (4) 生分解性ポリマーの酸価が、20〜1000eq/
106 gである上記(1)〜(3) のいずれかに記載の防汚
塗料。 (5) 一般式(I)で表される構造単位の80モル%以上
が乳酸残基である上記(2) に記載の防汚塗料。 (6) L−乳酸残基とD−乳酸残基のモル比(L−乳酸残
基/D−乳酸残基)が1〜9の範囲である上記(5) に記
載の防汚塗料。 (7) 生分解性ポリマーの還元粘度(ηSP/C)が、0.
2〜1.0dl/gの範囲にある上記(1) 〜(6) のいず
れかに記載の防汚塗料。 (8) 生分解性ポリマー100重量部に対してアナターゼ
型酸化チタンを5〜200重量部の範囲で含有する上記
(1) に記載の防汚塗料。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防汚塗料は、生分解性ポリマーと酸化チタンを
含有する。
【0010】本発明において、酸化チタンは生物の付着
を防止する活性の高いアナターゼ型の結晶形態を有する
ものを使用する。
【0011】本発明において、アナターゼ型酸化チタン
は、受光によりヒドロキシラジカルを発生して汚損生物
を死滅させることにより、あるいは汚損生物が発生する
接着物質を酸化分解させることにより、汚損生物の付着
を防止する。発生したヒドロキシラジカルは、付着防止
作用を発現した後速やかに水に変化するため、環境に与
える負荷は極めて小さい。さらに、バインダー樹脂とし
て生分解性ポリマーを用いることで、塗膜から溶出した
生分解性ポリマーも海水中で加水分解や微生物分解等に
より水や二酸化炭素にまで分解されるため、生分解性ポ
リマーの溶出による環境汚染も防止することができる。
【0012】本発明において、生分解性ポリマーとして
は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロ
ラクトン、ポリ(2−ヒドロキシイソ酪酸)、ポリビニ
ルアルコール、脂肪族ポリアミド、セルロースやキチ
ン、キトサン等の多糖類等を使用することができる。こ
れらの生分解性ポリマーは、水中に溶出した時には海水
中で加水分解や微生物分解等により水や二酸化炭素にま
で分解されるため、塗膜からの溶出による環境汚染を防
止することができる。
【0013】本発明においては、生分解性ポリマーは、
生分解性、加水分解性および塗膜物性の点から、下記一
般式(I):
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 はHまたは炭素数1〜3のア
ルキル基を表し、R2 はHまたはメチル基を表し、nは
0〜4の整数を表す)で表される構造単位を含むことが
好ましく、その量は、90モル%以上、特に95モル%
以上が好ましい。
【0016】また、上記構造単位のうち、コストおよび
塗膜物性の点から、80モル%以上、特に90モル%以
上が乳酸残基であることが好ましく、この場合、L−乳
酸残基とD−乳酸残基のモル比(L−乳酸残基/D−乳
酸残基)は1〜9、特に1〜5であることが好ましい。
当該モル比が9より大きいと、トルエン、キシレン、酢
酸エチルなどの汎用溶剤に対する満足な溶解性が得られ
ないため塗料化が困難であり、逆に1より低いとD−乳
酸過剰になるためコスト的に不利である。
【0017】また、本発明においては、生分解性ポリマ
ーは、金属を10〜300eq/106 g、特に30〜
200eq/106 gの範囲で含有することが好まし
い。当該金属濃度が10eq/106 gより低いと良好
な加水分解速度が得られず、逆に300eq/106
を越えると加水分解が速すぎるため防汚性能が持続しな
いのと同時に、溶媒に対する溶解性が悪化してしまう。
【0018】さらに、本発明においては、生分解性ポリ
マーは、その酸価が20〜1000eq/106 g、特
に30〜500eq/106 gであることが好ましい。
当該酸価が20eq/106 gより低い場合は、加水分
解速度が遅いため防汚性能が悪くなり、1000eq/
106 gより高い場合は、加水分解が早すぎるため防汚
性能が持続しないばかりか、塗膜硬度などの塗膜物性も
悪化してしまう。
【0019】本発明においては、生分解性ポリマーの製
造は、例えば生分解性ポリマーが脂肪族ポリエステルの
場合、脂肪族のジカルボン酸、多価アルコール、オキシ
酸、酸無水物モノマーから公知の触媒を使用し、加熱、
減圧することにより直接脱水重縮合させる方法や、グリ
コリド、ラクチド、カプロラクトン等の環状モノマーを
公知の開環重合触媒を使用し、窒素雰囲気下、加熱する
ことにより開環重合させる方法や、高分子量の脂肪族ポ
リエステルを、ジオール、ヒドロキシカルボン酸、ジカ
ルボン酸などを解重合の開始剤を用いて分解する方法等
があり、特に限定されない。
【0020】また、酸無水物、ジカルボン酸、ヒドロキ
シカルボン酸、アルコールあるいはジオール等を、重合
開始剤や末端変性剤や末端停止剤として、重合前や重合
中あるいは重合終了時に添加し、酸価を調整することが
できる。
【0021】本発明において、生分解性ポリマーに金属
を導入する方法としては、例えば生分解性ポリマーが脂
肪族ポリエステルの場合、重合開始剤あるいは重合成分
として、ヒドロキシカルボン酸の金属塩、ジカルボン酸
の金属塩、あるいはジオールの金属塩を使用する方法
や、低分子量の脂肪族ポリエステルを金属で鎖延長する
方法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0022】上記の金属としては2価の金属が好まし
く、この中でもマグネシウムとカルシウムが環境調和と
いう点で優れている。1価の金属を使用した場合は高分
子量化が困難であり、3価の金属を多量に使用した場合
はゲル化してしまうという問題点がある。しかし、加水
分解速度や還元粘度を制御する等の目的で、1価あるい
は3価の金属を使用することは可能である。
【0023】本発明においては、生分解性ポリマーの還
元粘度(ηSP/C)は0.2〜1.0dl/g、特に
0.3〜0.8dl/gであることが好ましい。当該還
元粘度が0.2dl/gよりも低いと良好な塗膜物性が
得られず、1.0dl/gよりも高いと加水分解速度が
低くなるため、防汚性能が悪くなってしまう。ここで、
還元粘度の測定はクロロホルムに125mg/25ml
の濃度に溶解し、温度25℃でウベローデ粘度管を用い
て行われる。
【0024】本発明においては、生分解性ポリマーのガ
ラス転移温度(Tg)は、用途により異なる。船底や海
中構造物用の防汚塗料に使用する場合には、Tgは30
℃以上、特に35℃以上であることが好ましい。Tgが
30℃より低いと、当該ポリマーを含有する防汚塗料に
よる塗膜表面に粘着性が生じてしまい、実用上問題が生
じる。また、漁網用途に使用する場合には、Tgは−1
0℃以上30℃以下、特に−10℃以上25℃以下であ
ることが好ましい。Tgが30℃より高いと、当該ポリ
マーを含有する漁網処理剤を漁網に塗布、乾燥した後
に、処理した漁網がこわばってしまい作業性に問題が出
たり、塗膜が剥離してしまい、防汚性の持続ができな
い。逆にTgが−10℃より低いと、処理後の漁網にべ
たつきが生じてしまう。ここで、Tgの測定はDSC測
定により求められる。
【0025】生分解性ポリマーの分子量、重合成分の種
類や量を適宜選択することにより、所望の還元粘度やガ
ラス転移温度(Tg)とすることができる。
【0026】本発明の防汚塗料において、アナターゼ型
酸化チタンと生分解性ポリマーの配合量には特に制限は
ないが、生分解性ポリマー100重量部に対してアナタ
ーゼ型酸化チタンを5〜200重量部、特に10〜10
0重量部配合するのが好ましい。アナターゼ型酸化チタ
ンの配合量が5重量部未満であると、防汚性能が発揮で
きないおそれがあり、逆に、200重量部を超えると得
られる塗膜の物性が劣るおそれがあり、好ましくない。
【0027】本発明の防汚塗料においては、得られる塗
膜を30ノットで流れる海水中に浸漬した際、塗膜の減
少速度が3〜20μm/月の範囲であることが望まし
い。塗膜の減少速度が3μm/月より小さい場合、加水
分解速度が遅いため防汚性能が悪く、逆に塗膜の減少速
度が20μm/月より大きい場合、防汚性の持続期間が
短くなってしまう。塗膜の減少速度は、使用する生分解
性ポリマーの酸価、還元粘度および金属濃度、あるいは
使用する添加剤の量や種類等に依存する。
【0028】本発明において、防汚剤としてアナターゼ
型酸化チタン以外の防汚剤を併用することも可能であ
る。また、アナターゼ型酸化チタンと併用する防汚剤と
しては、環境負荷の低減という観点から、天然物系防汚
剤を使用することが望ましいが、現在使用されている公
知の防汚剤を使用することも可能である。
【0029】天然物系防汚剤としては、タンニン酸やカ
テキン等のタンニン類、イソチオシアネート類、ゲラニ
オール、ファルネソール等のテルペン類、ビタミンK
やアセチル化ビタミンK3 等のビタミン類、メチレンビ
スチオシアネート等のチオシアネート類等が挙げられ
る。
【0030】現在使用されている公知の防汚剤として
は、亜酸化銅、ロダン銅、ジンクジメチルジチオカーバ
メート、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエ
チルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
【0031】本発明の防汚塗料においては、通常塗料に
加えられる添加物、例えば、顔料、粘度調整剤、レベリ
ング剤、沈降防止剤、可塑剤、植物油やシリコーンオイ
ル等のオイル類等を任意の割合で添加することができ
る。
【0032】本発明の防汚塗料の調製において使用でき
る有機溶剤としては、トルエンやキシレン等の芳香族系
溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶剤、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、イソプロピルア
ルコールやブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メ
チルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン
系溶剤等が挙げられるが、何らこれらに限定されること
はない。
【0033】本発明の防汚塗料において、固形分濃度は
使用目的によって適宜決められるが、通常、漁網用途に
使用する場合は20〜30重量%、また船底塗料等とし
て使用する場合は40〜60重量%である。
【0034】生分解性ポリマー含有溶液、アナターゼ型
酸化チタン、およびその他の塗料添加剤を混合する方法
としては、ボールミル、グラインドミル、ロールミル、
スピードランミル、ペイントシェーカー等の適宜な分散
装置を使用することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の防汚塗料を、実施例を用いて
詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定され
るものではない。
【0036】製造例1 DL−ラクチド500g(L−乳酸/D−乳酸=1)、
重合開始剤としてグリコール酸4.56g、開環重合触
媒としてオクチル酸スズ141mgをフラスコ内に加え
窒素雰囲気下、190℃で初期重合を行った。真空下で
脱モノマーを行った後、無水コハク酸8.00gを添
加、反応させた。さらにマグネシウムアセチルアセトナ
ートを5.56g添加し、真空状態で脱アセチルアセト
ナートおよびマグネシウムによる鎖延長を行い、最終的
にポリエステルAを得た。
【0037】製造例2 DL−ラクチド500g(L−乳酸/D−乳酸=1)、
重合開始剤として乳酸カルシウム3.28g、開環重合
触媒としてオクチル酸スズ141mgをフラスコ内に加
え窒素雰囲気下、190℃で重合を行った。真空下で脱
モノマーを行った後、無水コハク酸1.80gを添加、
反応させ、最終的にポリエステルBを得た。
【0038】製造例1および2で得られたポリエステル
について、金属濃度、酸価、還元粘度およびL−乳酸/
D−乳酸比を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】1.金属濃度 仕込み量から計算して求めた。 2.還元粘度 クロロホルム25mlに樹脂を125mg溶解し、25
℃でウベローデ粘度管を用いて測定することにより求め
た。 3.酸価 クロロホルム15mlおよびメタノール5mlの混合溶
媒に、樹脂0.8gを溶解し、これをナトリウムメトキ
シドのメタノール溶液で滴定することにより求めた。
【0041】実施例1 ポリエステルA50gをトルエン80gに溶解させ、そ
の後アナターゼ型酸化チタン20g、弁柄20g、沈降
防止剤2gを加え混合、分散することにより、塗料
(I)を得た。
【0042】実施例2 ポリエステルB50gをキシレン80gに溶解させ、そ
の後アナターゼ型酸化チタン20g、メチレンビスチオ
シアネート20g、弁柄20g、沈降防止剤2gを加え
混合、分散することにより、塗料(II)を得た。
【0043】実施例1および2で得られた防汚塗料の組
成を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例1および2で得られた防汚塗料につ
いて、以下の評価を行った。30cm×10cmのFR
P板(繊維強化プラスチック板)に塗料をウェット厚み
300μmでコーティングし、風乾後、瀬戸内海の岩国
沖に固定している筏の水面下1.5mに浸漬を行い、生
物付着性を評価した。評価は目視評価を行い、5−非常
に良好、4−良好、3−やや不良、2−不良、1−非常
に不良、の5段階で評価した。生物付着性の評価結果を
表3に示す。
【0046】なお、比較例1として、防汚塗料を塗装し
ない未処理のFRP板を上記と同様の方法で評価した。
結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明の防汚塗料は、バインダー樹脂と
して生分解性ポリマーを、防汚剤としてアナターゼ型酸
化チタンを含有するので、塗料の塗布、乾燥後の塗膜か
ら樹脂や防汚剤が溶出しても、人体や自然環境には全く
悪影響を与えない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 泰業 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H011 AD01 BB18 BC19 DA23 DD07 DH04 DH29 4J038 DD011 EA011 GA06 HA216 MA15 NA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性ポリマーとアナターゼ型酸化チ
    タンを含有することを特徴とする防汚塗料。
  2. 【請求項2】 生分解性ポリマーが、下記一般式(I)
    で表される構造単位を90モル%以上含むことを特徴と
    する請求項1に記載の防汚塗料。 【化1】 (式中、R1 はHまたは炭素数1〜3のアルキル基を表
    し、R2 はHまたはメチル基を表し、nは0〜4の整数
    を表す。)
  3. 【請求項3】 生分解性ポリマーが、金属を10〜30
    0eq/106 gの濃度で含むことを特徴とする請求項
    1または2に記載の防汚塗料。
  4. 【請求項4】 生分解性ポリマーの酸価が、20〜10
    00eq/106 gであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の防汚塗料。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表される構造単位の80
    モル%以上が乳酸残基であることを特徴とする請求項2
    に記載の防汚塗料。
  6. 【請求項6】 L−乳酸残基とD−乳酸残基のモル比
    (L−乳酸残基/D−乳酸残基)が1〜9の範囲である
    ことを特徴とする請求項5に記載の防汚塗料。
  7. 【請求項7】 生分解性ポリマーの還元粘度(ηSP
    C)が、0.2〜1.0dl/gの範囲であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防汚塗料。
  8. 【請求項8】 生分解性ポリマー100重量部に対して
    アナターゼ型酸化チタンを5〜200重量部の範囲で含
    有することを特徴とする請求項1に記載の防汚塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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