JP2001113169A - 排ガス処理用触媒および排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒および排ガス処理方法

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JP2001113169A JP2000172260A JP2000172260A JP2001113169A JP 2001113169 A JP2001113169 A JP 2001113169A JP 2000172260 A JP2000172260 A JP 2000172260A JP 2000172260 A JP2000172260 A JP 2000172260A JP 2001113169 A JP2001113169 A JP 2001113169A
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Noboru Sugishima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中のダイオキシン類などの有機ハロゲ
ン化合物の除去性能、脱硝性能、アンモニア分解性能に
優れた触媒、およびこの触媒を用いた排ガス処理方法を
提供する。 【解決手段】 アモルファス相の酸化チタンを含有する
排ガス処理用触媒において、粉末X線回折の2θ=2
4.7゜〜25.7゜の間に存在するアナタース結晶を
示すピークの強度が、基準物質である5重量%V25
95重量%TiO2(ミレニアム社製酸化チタンDT−
51)の粉末X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜
の間に存在するアナタース結晶を示すピークの強度の7
5%以下であることを特徴とする排ガス処理用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理用触
媒、その製造方法および排ガス処理方法に関する。特
に、排ガス中のダイオキシン類などの毒性有機ハロゲン
化合物を除去する有機ハロゲン化合物除去用触媒、排ガ
ス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触
媒、及び排ガス中のアンモニアを分解するためのアンモ
ニア分解触媒として優れた排ガス処理用触媒、その製造
方法および排ガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却
施設から発生する排ガス中にはダイオキシン類、PC
B、クロロフェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン
化合物が含まれており、特にダイオキシン類は微量であ
ってもきわめて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼす
ため、その除去技術が早急に求められている。一般に有
機ハロゲン化合物は化学的にきわめて安定であり、特に
ダイオキシン類においては自然界では半永久的に残存す
るといわれているほど分解しにくい物質であるのに加
え、排ガス中でのその含有量が非常に低いため、これを
効率よく除去することは従来の排ガス処理触媒では困難
である。これまでにバナジウム酸化物やタングステン酸
化物を酸化チタンに担持した触媒や白金をはじめとする
貴金属触媒が用いられているが、排ガス条件によっては
充分な性能とはいえず、さらなる触媒性能の向上が望ま
れている。
【0003】また、現在実用化されている排ガス中の窒
素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素など
の固体還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒
上で接触還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触
媒還元(SCR)法が一般的である。これに用いられる
脱硝触媒としては、例えば特開平10−235206号
公報に記載のチタン−バナジウム系触媒などが知られて
いるが、排ガス条件によっては充分な性能とはいえず、
さらなる触媒性能の向上が望まれている。また、アンモ
ニアを含有する排ガスの浄化においては、Pt−Al2
3触媒などの貴金属触媒や、Ni、Mn、Cu、Fe
等の金属酸化物系触媒が一般的であるが、アンモニア分
解活性が高くなると、反応生成物として窒素、水の他に
NOxが生成するという問題も残されており、これらの
解決が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、排ガ
ス中のダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物の除去
性能、脱硝性能、アンモニア分解性能に優れた触媒、そ
の製造方法、およびこの触媒を用いた排ガス処理方法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化チタ
ンを含有する触媒が基本的には有効であることを確認し
た上で、一般的に有機ハロゲン化合物の除去、脱硝、ア
ンモニア分解において高活性であるとされてきたアナタ
ース構造の割合の高い酸化チタンに代えて、アモルファ
ス構造の割合のより高い酸化チタンを用いることによ
り、排ガス中の微量の有害物質(有機ハロゲン化合物、
窒素酸化物、アンモニア)に対する吸着力および排ガス
の触媒に対する接触効率を向上させ、排ガス中に含まれ
る極微量の有害物質の分解反応を促進するよう触媒設計
したものである。
【0006】すなわち本発明にかかる排ガス処理用触媒
は、アモルファス相の酸化チタンを含有する有機ハロゲ
ン化合物除去用触媒において、粉末X線回折の2θ=2
4.7゜〜25.7゜の間に存在するアナタース結晶を
示すピークの強度が、基準物質である5重量%V25
95重量%TiO2(ミレニアム社製酸化チタンDT−
51)の粉末X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜
の間に存在するアナタース結晶を示すピークの強度の7
5%以下であることを特徴とする。また、下記の条件で
測定した粉末X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜
の間に存在するアナタース結晶を示すピークの強度が1
0000カウント/秒以下であることを特徴とする。
【0007】 機種 Rigaku RE−300 X線源 CuKα1/50kV/300mA カウンタ シンチレーションカウンタ フィルタ なし モノクロメータ 湾曲結晶モノクロメータ 発散スリット 1゜ 散乱スリット 1゜ 受光スリット 0.3mm スキャンスピード 4゜/min
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒はその構成成分としてアモルファス相の酸
化チタンを一定量以上含有すること、すなわち、粉末X
線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜の間に存在する
アナタース結晶を示すピークの強度が、基準物質の粉末
X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜の間に存在す
るアナタース結晶を示すピークの強度の75%以下であ
ることを特徴とし、好ましくは50%以下である。言い
換えれば、上記基準物質について下記の条件で測定した
粉末X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜の間に存
在するアナタース結晶を示すピークの強度が約1302
7カウント/秒であるため、本発明の触媒はその75%
の値である約10000カウント/秒以下であることを
特徴とし、好ましくは6500カウント/秒以下であ
る。
【0009】 機種 Rigaku RE−300 X線源 CuKα1/50kV/300mA カウンタ シンチレーションカウンタ フィルタ なし モノクロメータ 湾曲結晶モノクロメータ 発散スリット 1゜ 散乱スリット 1゜ 受光スリット 0.3mm スキャンスピード 4゜/min 酸化チタンのアナタース結晶は粉末X線回折の2θ=2
4.7゜〜25.7゜の間にピークを示すが、アモルフ
ァス相の酸化チタンは結晶ピークを示さない。したがっ
て、上記ピークの強度が小さければ小さいほど、アナタ
ース型の酸化チタンの割合が少なく、アモルファス相の
酸化チタンの割合が多い傾向がある。本発明で用いる基
準物質は、5重量%V25−95重量%TiO2(ミレ
ニアム社製酸化チタンDT−51)であり、その製法
は、後述の実施例に示すとおりである。基準物質中の酸
化チタンはアナタース型の割合が非常に高いものであ
る。
【0010】本発明の触媒を調製する際に使用するチタ
ン源の種類については特に制限はなく、酸化チタンの
他、焼成してチタン酸化物を生成するものであればよ
い。例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタ
ン化合物、及びシュウ酸チタン、テトライソプロピルチ
タネート等の有機チタン化合物を用いることができる
が、可溶性チタン化合物またはチタンアルコキシドを用
いることが好ましい。本発明の触媒は、構成成分とし
て、バナジウム、モリブデン、タングステン、マンガ
ン、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ニオ
ブ、スズ、タンタル、ランタンおよびセリウムよりなる
群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含有するこ
とが好ましく、これらの中でも特にバナジウムの酸化物
が好ましい。これらの酸化物の含有量は0.1〜50重
量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20重
量%である。
【0011】これらの金属酸化物を含有する場合にも、
それぞれの元素の出発原料について特に制限はない。こ
れらの酸化物の他、焼成後にその酸化物を生じる水酸化
物、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸
塩、硝酸塩などのいずれも使用することができる。本発
明の触媒は、構成成分として、さらにパラジウム、白
金、ロジウム、ルテニウム、銀、金およびイリジウムよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属および/
またはその金属酸化物を含有することが好ましく、これ
らの中でも特に白金が好ましい。これらの金属および/
またはその金属酸化物の含有量は0.01〜5重量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5
重量%である。
【0012】本発明の触媒を調製するには、可溶性チタ
ン化合物の中和またはチタンアルコキシドの加水分解に
よりチタン水酸化物を調製し、これを350℃〜550
℃で、好ましくは400℃〜500℃で焼成して酸化チ
タンを得ることが好ましい。焼成温度が350℃未満で
は、反応中に触媒が熱劣化をおこす可能性が高い。焼成
温度が550℃を超えると、アナタース型の酸化チタン
の割合が多くなる。具体的には、例えば以下の手順によ
って調製されることが好ましい。(A)塩化チタン等の
可溶性チタン化合物の水溶液を攪拌しながら、これにア
ンモニアなどの塩基を滴下し、チタンの水酸化物沈殿を
得る。最終的にpHが6〜9となったところで沈殿が完
了したものとする。酸化チタンの結晶核の生成を抑える
ため塩基物質を滴下中は水溶液の温度を50℃以下に保
持することが好ましい。沈殿を熟成し、よく洗浄後、上
記温度範囲で焼成をおこなう。(B)蒸留水を攪拌しな
がら、チタンのアルコキシドを滴下し、チタンの水酸化
物沈殿を得る。沈殿を完了させるため、少量のアンモニ
アを添加する。沈殿をよく洗浄後、上記温度範囲で焼成
をおこなう。また、(A)、(B)のチタンの水酸化物
沈殿にケイ素、イットリウム、セリウム、硫黄などの酸
化物または塩類を添加したのち焼成することによって、
あるいは(A)、(B)のチタンの水酸化物沈殿時にケ
イ素、イットリウム、セリウム、硫黄などの酸化物また
は塩類を同時に共沈させたのち焼成することによって、
酸化チタンのアナタース結晶化およびルチル結晶化を抑
制し、400℃以上の焼成温度においても酸化チタンの
アモルファス構造を維持させることができる。
【0013】酸化チタン(以下、「A成分」という)に
バナジウム、モリブデン、タングステン、マンガン、コ
バルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、ス
ズ、タンタル、ランタンおよびセリウムよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類の酸化物(以下、「B成分」
という)を添加する方法としては、例えばA成分の粉体
又はスラリーにB成分の塩類もしくはその溶液を添加す
る方法や、また、A成分の成型体にB成分の塩類の溶液
を含浸担持させる方法などが挙げられる。すなわち本発
明の触媒の成型体は、上記A成分とB成分又はその塩類
とからなる粉体やスラリーなどから成型して用いてもよ
く、また上記A成分よりなる成型体にB成分を担持して
用いることもできる。
【0014】また、本発明の触媒は、板状、波板状、網
状、ハニカム状、円柱状、円筒状などの形状に成型して
用いても良いし、アルミナ、シリカ、コーディライト、
チタニア、ステンレス金属などよりなる板状、波板状、
網状、ハニカム状、円柱状、円筒状などの形状の担体に
担持して使用しても良い。本発明の触媒を用いることに
より、排ガス中の微量の有害物質に対する吸着力および
排ガスの触媒に対する接触効率が向上するだけでなく、
アナタース型酸化チタンやルチル型酸化チタンを用いた
場合に比べてバナジウム酸化物などの活性成分含有量を
著しく増加させることができる。
【0015】本発明の触媒は、各種排ガスの処理に用い
られる。排ガスの組成については特に制限はないが、本
発明の触媒は、有機ハロゲン化合物除去用触媒、脱硝触
媒、アンモニア分解触媒として非常に有用である。本発
明の触媒を有機ハロゲン化合物除去用触媒として用いる
場合、本発明の触媒を用いて処理する排ガスの組成につ
いては、有機ハロゲン化合物を含むものであれば特に制
限はないが、本発明の触媒は特にダイオキシン類やPC
Bを含む排ガスの処理に好適である。本発明の触媒を用
いて有機ハロゲン化合物を除去するには、排ガスを13
0〜350℃の温度、好ましくは150〜250℃の温
度で、本発明の触媒と接触させることが望ましい。
【0016】本発明の触媒を脱硝触媒として用いる場
合、本発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存
在下、排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元
除去する。この際の条件については、特に制限がなく、
この種の反応に一般的に用いられている条件で実施する
ことができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求
される窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すれ
ばよいが、温度は、130〜550℃であることが好ま
しい。排ガス温度が130℃より低いと脱硝効率が低下
し、550℃を超えると活性成分のシンタリングなどの
問題が起こる。本発明の触媒をアンモニア分解触媒とし
て用いる場合、条件については特に制限がなく、この種
の反応に一般的に用いられている条件で実施することが
できる。排ガス処理温度については130〜550℃で
あることが好ましい。130℃未満では分解効率が低く
なるからであり、550℃を超える場合は活性成分のシ
ンタリングおよびNOxの生成がおこるからである。
【0017】本発明の触媒を用いた排ガスの処理条件に
ついては、排ガスの種類、性状、要求されるダイオキシ
ン類などの有機ハロゲン化合物の分解率などにより異な
るので一概に特定できないが、実施に際しては、これら
の条件を考慮して適宜決定すればよい。処理対象ガスの
本発明の触媒に対する空間速度は、100〜10000
0Hr-1、好ましくは200〜50000Hr-1の範囲にあ
るのがよい。100Hr -1未満の場合は、処理装置が大き
くなりすぎ非効率であり、100000Hr-1を超える場
合は、分解効率が低下するためである。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、粉末X線回折は下記条件にて測定し
た。 機種 Rigaku RE−300 X線源 CuKα1/50kV/300mA カウンタ シンチレーションカウンタ フィルタ なし モノクロメータ 湾曲結晶モノクロメータ 発散スリット 1゜ 散乱スリット 1゜ 受光スリット 0.3mm スキャンスピード 4゜/min [調製例(基準物質の合成)]酸化チタン(ミレニアム
社製DT−51)20kgにメタバナジン酸アンモニウ
ム1.4kg、シュウ酸1.7kg、モノエタノールア
ミン0.4kgを水5リットルに溶解させた薬液を加
え、均一になるまで充分に混合した。次いで、80℃で
乾燥後、450℃で5時間空気雰囲気下で焼成し、V2
5:TiO2重量比=5:95の組成をもつ基準物質を
得た。
【0019】得られた基準物質の粉末X線回折スペクト
ルを図1に示す。2θ=24.7゜〜25.7゜の間に
存在するアナタース結晶を示すピークの強度は1302
7カウント/秒であった。 [実施例1]酸化チタンを以下に述べる方法で調製し
た。10重量%アンモニア水700リットルに硫酸チタ
ニルの硫酸溶液(TiO2として125g/リットル、
硫酸濃度550g/リットル)340リットルを撹拌し
ながら徐々に滴下した。得られたゲルを3時間放置後、
濾過水洗し、続いて100℃で10時間乾燥した。次い
で400℃で焼成した。アナタース結晶を示すX線回折
ピークの強度は3850カウント/秒であり、基準物質
の30%であった。
【0020】次に、上記酸化チタン20kgにメタバナ
ジン酸アンモニウム1.4kg、シュウ酸1.7kg、
モノエタノールアミン0.4kgを水5リットルに溶解
させた薬液を加え、さらにフェノール樹脂1kgと成形
助剤として澱粉を加えて混合しニーダーで混練りした
後、押し出し成型機で外形80mm角、目開き4.0m
m、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成
形した。次いで80℃で乾燥後、380℃で5時間空気
雰囲気下で焼成し、触媒(A)を得た。こうして得られ
た触媒(A)の組成は、V25:TiO2=5:95
(重量比)であった。アナタース結晶を示すX線回折ピ
ークの強度は4688カウント/秒であり、基準物質の
36%であった。
【0021】触媒(A)の粉末X線回折スペクトルを図
2に示す。 [実施例2]実施例1に述べた方法と同様の調製法で、
25:TiO2=3:97(重量比)の組成をもつ触
媒(B)を調製した。アナタース結晶を示すX線回折ピ
ークの強度は4326カウント/秒であり、基準物質の
33%であった。 [実施例3]実施例1に述べた方法と同様の調製法で、
25:TiO2=10:90(重量比)の組成をもつ
触媒(C)を調製した。アナタース結晶を示すX線回折
ピークの強度は4796カウント/秒であり、基準物質
の37%であった。
【0022】[実施例4]実施例1で調製された触媒
(A)を、0.01M硝酸パラジウム水溶液に含浸した
後、120℃で乾燥、350℃で焼成し、触媒(D)を
得た。酸化パラジウムの担持量は0.06重量%であっ
た。 [比較例1]実施例1に述べた方法で調製された酸化チ
タンをさらに550℃で焼成し、アナタース結晶度の高
い酸化チタンを得た。アナタース結晶を示すX線回折ピ
ークの強度は10343カウント/秒であり、基準物質
の79%であった。このアナタース結晶度の高い酸化チ
タン20kgにメタバナジン酸アンモニウム1.4k
g、シュウ酸1.7kg、モノエタノールアミン0.4
kgを水5リットルに溶解させた薬液を加え、さらにフ
ェノール樹脂1kgと成形助剤として澱粉を加えて混合
しニーダーで混練りした後、押し出し成型機で外形80
mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ50
0mmのハニカム状に成形した。次いで80℃で乾燥
後、450℃で5時間空気雰囲気下で焼成し、触媒
(A′)を得た。こうして得られた触媒(A′)の組成
は、V25:TiO2=5:95(重量比)であった。
アナタース結晶を示すX線回折ピークの強度は1172
6カウント/秒であり、基準物質の90%であった。
【0023】[比較例2]比較例1に述べた方法と同様
の調製法で、V25:TiO2=3:97(重量比)の
組成をもつ触媒(B′)を調製した。アナタース結晶を
示すX線回折ピークの強度は11665カウント/秒で
あり、基準物質の90%であった。 [比較例3]比較例1に述べた方法と同様の調製法で、
25:TiO2=10:90(重量比)の組成をもつ
触媒(C′)を調製した。アナタース結晶を示すX線回
折ピークの強度は11796カウント/秒であり、基準
物質の91%であった。
【0024】[比較例4]比較例1で調製された触媒
(A′)を、0.01M硝酸パラジウム水溶液に含浸し
た後、120℃で乾燥、350℃で焼成し、触媒
(D′)を得た。酸化パラジウムの担持量は0.06重
量%であった。 [実施例5]実施例1〜4および比較例1〜4で調製し
た触媒(A)〜(D)、(A′)〜(D′)を用いて有
機塩素化合物分解試験を行った。処理対象となる有機塩
素化合物としてクロロフェノール(以下、CPと略す)
を用い、以下の条件で反応を行った。
【0025】結果を表1に示す。CP分解率すなわちC
P除去率は下記式により求めた。 (試験条件) 処理ガス組成 CP:30ppm,O2:10%,H2O:15%,
2:Balance ガス温度:160℃ 空間速度(SV):4000Hr-1 (式) CP分解率(%)=[(反応器入口CP濃度)−(反応
器出口CP濃度)]/(反応器入口CP濃度)×100
【0026】
【表1】
【0027】表1に見るように、比較例の触媒では、バ
ナジウム酸化物含有量の増加に伴い、有機ハロゲン化合
物除去率は増大するものの5%以上では増大がほとんど
認められない。一方、実施例のアモルファス酸化チタン
を多く含む触媒の場合、バナジウム酸化物含有量の増加
に伴い、有機ハロゲン化合物除去率は増大し、10%に
おいては従来の触媒に比べて遥かに高い有機ハロゲン化
合物除去率を示す。 [実施例6]実施例1および比較例1で調製した触媒
(A)、(A′)を用いて以下の条件で脱硝反応を行っ
た。脱硝率を下記式により求めたところ、触媒(A)に
ついては99%であり、触媒(A′)については94%
であった。
【0028】(試験条件) 処理ガス組成 NO:190ppm,NH3:190ppm,O2:9
%, H2O:17%,:N2:Balance ガス温度:250℃ 空間速度(SV):4000Hr-1 (式) 脱硝率(%)=[(反応器入口NOx濃度)−(反応器
出口NOx濃度)]/(反応器入口NOx濃度)×10
0 [実施例7]実施例4および比較例4で調製した触媒
(D)、(D′)を用いて以下の条件でアンモニア分解
反応を行った。アンモニア分解率を下記式により求めた
ところ、触媒(D)については98%であり、触媒
(D′)については93%であった。
【0029】(試験条件) 処理ガス組成 NH3:30ppm,O2:2%,H2O:10%,:
2:Balance ガス温度:330℃ 空間速度(SV):4000Hr-1 (式) アンモニア分解率(%) =[(反応器入口アンモニア濃度)−(反応器出口アン
モニア濃度)]/(反応器入口アンモニア濃度)×10
【0030】
【発明の効果】本発明の触媒は、ダイオキシン類などの
毒性有機ハロゲン化合物の分解活性やアンモニア分解活
性に優れる。また、脱硝性能にも優れ、窒素酸化物とダ
イオキシン類などの毒性有機ハロゲン化合物の同時除去
触媒として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 調製例で調製した基準物質の粉末X線回折ス
ペクトル
【図2】 実施例1で調製した触媒(A)の粉末X線回
折スペクトル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/10 B01J 23/16 A 23/14 23/38 A 23/16 23/74 A 23/38 B01D 53/36 E 23/648 G 23/74 102B 102C B01J 23/64 102A (72)発明者 森田 敦 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 熊 涼慈 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 杉島 昇 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AA08 AA11 AB03 BA07X BA08Y BA16Y BA18Y BA19Y BA21Y BA23X BA24Y BA26Y BA27Y BA28Y BA30Y BA31X BA32Y BA33Y BA34Y BA37Y BA38Y BA41X BB02 4G069 AA02 AA03 AA08 AA09 AA11 AA12 BA04A BA04B BA04C BB04A BB04B BC22A BC32A BC33A BC35A BC42A BC43A BC51A BC54A BC54B BC54C BC55A BC56A BC59A BC60A BC62A BC67A BC68A BC70A BC71A BC72A BC72B BC74A BC75A CA02 CA10 CA11 CA13 CA19 DA06 EC22X EC25 EC26 FB08 FB13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス相の酸化チタンを含有する
    排ガス処理用触媒において、粉末X線回折の2θ=2
    4.7゜〜25.7゜の間に存在するアナタース結晶を
    示すピークの強度が、基準物質である5重量%V25
    95重量%TiO2(ミレニアム社製酸化チタンDT−
    51)の粉末X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜
    の間に存在するアナタース結晶を示すピークの強度の7
    5%以下であることを特徴とする排ガス処理用触媒。
  2. 【請求項2】 アモルファス相の酸化チタンを含有する
    排ガス処理用触媒において、下記の条件で測定した粉末
    X線回折の2θ=24.7゜〜25.7゜の間に存在す
    るアナタース結晶を示すピークの強度が10000カウ
    ント/秒以下であることを特徴とする排ガス処理用触
    媒。 機種 Rigaku RE−300 X線源 CuKα1/50kV/300mA カウンタ シンチレーションカウンタ フィルタ なし モノクロメータ 湾曲結晶モノクロメータ 発散スリット 1゜ 散乱スリット 1゜ 受光スリット 0.3mm スキャンスピード 4゜/min
  3. 【請求項3】 バナジウム、モリブデン、タングステ
    ン、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウ
    ム、ニオブ、スズ、タンタル、ランタンおよびセリウム
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を
    0.1〜50重量%の濃度で含有してなる、請求項1ま
    たは2記載の排ガス処理用触媒。
  4. 【請求項4】 パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
    ム、銀、金およびイリジウムよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種類の金属および/またはその金属酸化物を
    0.01〜5重量%の濃度で含有してなる、請求項1〜
    3のいずれかに記載の排ガス処理用触媒。
  5. 【請求項5】 可溶性チタン化合物の中和またはチタン
    アルコキシドの加水分解によりチタン水酸化物を調製
    し、これを350℃〜550℃で焼成して酸化チタンを
    得る工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の排ガ
    ス処理用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 排ガスを、請求項1〜4のいずれかに記
    載の排ガス処理用触媒と接触させる、排ガス処理方法。
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