JP2001105687A - 画像形成装置の開閉機構 - Google Patents

画像形成装置の開閉機構

Info

Publication number
JP2001105687A
JP2001105687A JP28961999A JP28961999A JP2001105687A JP 2001105687 A JP2001105687 A JP 2001105687A JP 28961999 A JP28961999 A JP 28961999A JP 28961999 A JP28961999 A JP 28961999A JP 2001105687 A JP2001105687 A JP 2001105687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch spring
sleeve
rotation
fixed shaft
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28961999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Murai
宏行 村井
Masahiko Aiba
正彦 相羽
Tatsuya Ogawa
達也 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP28961999A priority Critical patent/JP2001105687A/ja
Publication of JP2001105687A publication Critical patent/JP2001105687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スキャナー部等の上部ユニットを下部ユニット
に対して開くときには軽く、閉時にはゆっくりと動作す
る画像形成装置の開閉機構を、小型化と低コストを実現
すること。 【解決手段】 インクジェット部2に対してスキャナー
部1が回動支持部3を介して開閉自在に設けられた画像
形成装置の開閉機構であって、回動支持部は、スキャナ
ー部とインクジェット部の一方のが連結された棒状の可
動軸10と、他方が連結された棒状の固定軸11とを円
筒状のスリーブ14内に長手方向に直列に設け、一端側
を回転軸の回動に連動するように設け、且つ、固定軸と
の間に隙間をもって巻着する巻着部を有し、且つ、他端
側をスリーブの回動に連動するように設けたクラッチば
ね9をスリーブの内周面側に設け、スリ−ブには、回動
動作を妨げるようにトルクグリース15が塗布されてる
構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インジェットプリ
ンタを画像形成部とし、上部ユニット、例えばフラット
ベットタイプの画像読み取りスキャナーの下方に下部ユ
ニット、例えばインクジェットプリンタ等の画像形成部
を設け、下部ユニットに対して上部ユニットが回動支持
軸を介して開閉自在に設けた複写装置の開閉機構に関す
る技術であり、詳しくは開閉機構にクラッチばねとグリ
ースを用いる一方向クラッチ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタを画像形
成部に用いた複写装置は、インクジェット部の上部に画
像読み取りスキャナー部を設けた構造となる。このた
め、インクジェット部のインクがなくなった場合やイン
クジェット部のメンテナンスが必要となった時には、ス
キャナー部分をその奥方向にある回転支持部を中心とし
て回転させ、インクジェット部上部を開放し、インクカ
ートリッジの交換・メンテナンス・紙詰まりの除去等を
行ったりする必要がでてくる。
【0003】図6は、インクジェット複写装置でのイン
クカートリッジ交換時のスキャナー部の開閉動作を概略
的に示している。インクジェット部2にあるインクカー
トリッジ4を交換する為、スキャナー部1の開閉を行う
インクジェット複写装置は、回転支持部3bを支点にス
キャナー部1を回転させ、スキャナー部1を開閉させ
る。インクカートリッジ4は、スキャナー部1を開けた
状態で交換する。このスキャナー部1の閉動作時、スキ
ャナー部1の自由落下5による、インクジェット部2と
スキャナー部1の間で指等の挟み込み事故や、衝撃によ
る複写装置自体の故障を起こす可能性があった。その
為、一般的にインクジェット複写装置では、スキャナー
部1の閉動作をゆっくり行なう開閉機構として以下に述
べるダンパーや一方向クラッチを導入している。
【0004】図7は、開閉機構にダンパー6を用いたイ
ンクジェット複写装置を示している。ダンパー6の端を
それそれスキャナー部1とインクジェット部2の適切な
場所に、スキャナー部1が開閉可能に取りつける。この
場合のダンパー6は、伸縮時に負荷を生じる機構を有し
ている為、スキャナー部1の閉時及び開時に負荷を加え
る事になり、開閉動作をゆっくり行ない、前述の問題を
解決している。
【0005】図8は、回転支持部に従来の一方向クラッ
チを用いたインクジェット複写装置を示している。一方
向クラッチ8bを回転支持部3cに組み込む。一方向ク
ラッチ8bは、ある回転方向に対しては軽く回転し、そ
の反対方向には停止又は負荷がかかる回転動作を行う。
この特性を生かし、スキャナー部1の開動作方向には軽
く、閉動作方向には負荷を発生させる回転方向で、一方
向クラッチ8bを回転支持部3cに組み込むことによ
り、スキャナー部1の開動作時は軽く開き、閉動作時に
はゆっくり動作させる事ができる。これにより前記開閉
時の問題を解決している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図7のダンパー機構を
内蔵するインクジェット複写装置は、ダンパー6の可動
部と、可動範囲の空間確保をインクジェット部2に有
し、インクジェット部の大型化を必要とした。又、ダン
パー6はオイル又はエアを密閉してその反力で負荷を発
生させているので、その密閉構造7にコストがかかると
いう問題を有していた。
【0007】また、図8の一方向クラッチ8bを内蔵す
るインクジェット複写装置は、回転支持部3cに一方向
クラッチ機構を組み込む事で、ダンパー機構に比べ機構
占有面積が小さくインクジェット部は小型化される。し
かしこのような一方向に負荷回転を発生させる一方向ク
ラッチ8bは、その発生源である内部の軸へのクラッチ
ばね巻き付き摩擦抵抗を負荷として利用する為に、高強
度なクラッチばねを使用して軸へ完全に巻き付く前の状
態を維持する必要が有り、又、スキャナー閉動作時に一
定の負荷を発生させる様にするには、クラッチばね内径
と軸外径を高い精度で作成する必要があり、クラッチば
ねの大型化と高コスト化を招いていた。又、クラッチば
ねがある程度軸に巻き付いている必要があり、組み立て
にくい構造であった。その他の方式としてスキャナー閉
動作時の負荷発生を行う補助機構を省く方法もあるが、
小型でコストもかからない反面、スキャナー閉時のスキ
ャナー部とインクジェット部間の挟み込み事故発生の問
題があった。
【0008】本発明は、前記の問題点を解消するためな
されたものであって、スキャナー部等の上部ユニットを
下部ユニットに対して開くときには軽く、閉時にはゆっ
くりと動作する画像形成装置の開閉機構を、小型化と低
コストを実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。本発明の第1の要旨
は、上部ユニットの下方に下部ユニットを設け、下部ユ
ニットに対して上部ユニットが回動支持軸を介して開閉
自在に設けられた画像形成装置の開閉機構であって、回
動支持軸は、上部ユニットと下部ユニットの一方のユニ
ットが連結された棒状の回転軸と、他方のユニットが連
結された棒状の固定軸とを円筒状のスリーブ内に長手方
向に直列に設け、一端側を回転軸の回動に連動するよう
に設け、且つ、固定軸との間に隙間をもって巻線する巻
線部を有し、且つ、他端側をスリーブの回動に連動する
ように設けたクラッチばねをスリーブの内周面側に設
け、スリ−ブには、回動動作を妨げるようにグリースが
塗布されていることを特徴とする画像形成装置の開閉機
構にある。
【0010】本発明の第2の要旨は、グリースは、固定
軸のクラッチばねが巻線していない周面部とその周面部
に対向するスリーブ内周面との隙間に塗布することを特
徴とする要旨1に記載の画像形成装置の開閉機構にあ
る。
【0011】本発明の第3の要旨は、塗布間隙は、0.
2mm以上、0.3mm以下に設けることを特徴とする
要旨1又は2に記載の画像形成装置の開閉機構にある。
【0012】本発明は、クラッチばねを一端側を回転軸
の回動に連動するように設け、且つ、固定軸に隙間をも
って巻線し、且つ、他端側をスリーブの回動に連動する
ように設けたことで、回転軸を回転するとクラッチばね
が連動して回転するが、固定軸には隙間をもって巻線し
ているためにクラッチばねの回転はそのままスリーブの
回転力として伝達される。
【0013】一方、回動動作を妨げるように、例えば固
定軸のクラッチばねが巻線していない周面部とその周面
部に対向するスリーブ内周面との塗布間隙にグリースを
塗布するために、クラッチばねにより回転力が伝達され
たスリーブはグリースによって回転を妨げる方向の抵抗
力を受けることとなる。
【0014】グリースより受けたスリーブの抵抗力はク
ラッチばねに伝達されるが、クラッチばねは固定軸に隙
間をもって巻線しているためにその抵抗力はその抵抗力
の作用方向によって、クラッチばねと固定軸との隙間
を、広げる方向と狭める方向の何れかに作用する。
【0015】クラッチばねと固定軸との隙間を広げる方
向に作用する場合には、回転軸はグリースより受けたス
リーブの抵抗力を伴って回転する。一方、クラッチばね
と固定軸との隙間を狭める方向に作用する場合には、ク
ラッチばねが固定軸にクラッチばねの抵抗力に伴った量
だけ巻き付くために、回転軸はグリースより受けたスリ
ーブの抵抗力に加えて、巻き付き抵抗を受けるために、
ゆっくりとした回転となる。
【0016】よって、上部ユニットを下部ユニットに対
して開く時にクラッチばねと固定軸との隙間を広げる方
向に作用するように設けることで、その開動作は抵抗が
少なく軽く行うことができる。逆に、閉時にはクラッチ
ばねと固定軸との隙間を狭める方向に作用するので、ゆ
っくりとした閉動作を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は、インクジェット複写
装置の全体斜視図を示している。インクジェット複写装
置は大きく分けて、上方に位置するスキャナー部1と下
方に位置するインクジェット部2に分かれ、スキャナー
部1とインクジェット部2の操作方向に向かって奥側
(後方側)に回動支持部3を設け、その回動支持部3に
回動機構を組み込むことでスキャナー部1の開閉動作が
実現されている。
【0018】この、回動機構に、本発明の実施形態に係
る一方向クラッチ8を組み込む事でスキャナー部1の開
閉動作の開時は人力で軽く開き、閉時はゆっくり降りて
くるように動作する。
【0019】本発明の実施形態に係る前記一方向クラッ
チ8は、クラッチばねと円筒状のスリーブとトルクグリ
ースの使用によりその動作を実現している。一方向クラ
ッチ8は、左右に独立した動作をする略同一径の円柱状
の軸10・11を有していて軸10を可動軸、軸11を
固定軸として、図1の回動支持部3に組み込まれる。一
方向クラッチ8の可動軸10が回動方向12に対して無
負荷で回動し(無負荷回動)、回動方向13に対し抵抗
がかかる状態(有負荷回動)である時、回動支持部3に
組み込む一方向クラッチ8は、可動軸10をスキャナー
部1に、固定軸11をインクジェット部2にそれぞれ接
合する。このように組み込む事でスキャナー部1は、開
時は人力で軽く開き、閉時には抵抗によってゆっくり閉
じる開閉動作を実現する。
【0020】図2は、一方向クラッチ8の構造を一部断
面にして示す斜視図であり、図3は図2の矢視A−A方
向の断面図である。一方向クラッチ8は、可動軸10と
固定軸11を長手方向に直列に内部に設けた円筒状のス
リーブ14と、一端側を該可動軸10の回動に連動する
ように設け、且つ、固定軸11に隙間をもって巻線し、
且つ、他端側を前記スリーブ14の回動に連動するよう
に設けたクラッチばね9と、該固定軸11のクラッチば
ねが巻線していない周面部11aと該周面部11aに対
向するスリーブ内周面との塗布間隙SPに塗布充填した
トルクグリース15とを備えている。
【0021】可動軸10、固定軸11は、長手方向の中
心軸が略同一直線上となるように直列配置され、その両
軸10、11に跨がってクラッチばね9が図のように螺
旋状に巻線している。クラッチばね9の巻線方向は、可
動軸10が有負荷回動する方向が螺旋を巻き付ける方向
で、無負荷回動する方向が螺旋を解く方向である。
【0022】クラッチばね9は、1本の金属製棒状材料
を所定の径を有するように同一方向にコイル状(螺旋
状)に成形したものであるが、以下に説明する作用を発
揮するものであればよい。
【0023】クラッチばね9の取り付け方法は、クラッ
チばね9の可動軸10側の螺旋部は可動軸10の周面に
完全に巻き付けて固定し、一方、固定軸11側の螺旋部
は固定軸11の周面に固定せず,例えば0.025mm
の隙間を空けて巻き付けている。更に、クラッチばね9
の固定軸11側の先端は、スリーブ14の穴14aに挿
入され、クラッチばね9とスリーブ14が連動してい
る。
【0024】スリーブ14は、可動軸10と固定軸11
とクラッチばね9を覆う様に構成され、かつ、可動軸1
0と固定軸11とクラッチばね9の外周に接触しないよ
うな内径としている。スリーブ14の内径は、図3に示
すようにはクラッチばね9との対向部と固定軸11のク
ラッチばね9が螺旋状に巻線していない周面部11aと
の対向部では、内径を異にしており、トルクグリース1
5の塗布隙間を調整している。具体的には、スリーブ1
4の内周面と固定軸11の周面部11aとでは0.3m
mの間隔を空け、その間隙にトルクグリース15を満た
している。
【0025】グリースは、一般的にオイル(基油)に増
ちょう剤と様々な特性を出す為の添加剤から成ってお
り、オイルに較べて、油漏れが少なく、機密性に優れ、
寿命が長く、保守管理が容易で、密封装置が簡単となる
という性質を有している。
【0026】基油(ベースオイル)は、グリース中の7
〜8割りを占め、合成油、鉱物油、及び植物油が使用で
きる。
【0027】増ちょう剤としては、金属石けん系、複合
石けん系、及び非石けん系のものが使用できる。金属石
けん系の増ちょう剤としては、例えばチウム石けんがあ
り、耐熱性、耐水性、及び機械的安定性が優れる長所が
あり、滴点は180〜210℃の範囲となる。複合石け
ん系の増ちょう剤としては、例えばアルミニウムコンプ
レックスがあり、耐熱性、機械的安定性、耐水性、及び
付着性が優れる長所があり、滴点は200〜270℃の
範囲となる。非石けん系の増ちょう剤としては、例え
ば、ベントナイト、ファインシリカ、及びウレアがあ
る。ベントナイトの場合には、非溶融、せん断安定性に
優れる特徴があり、滴点はない。ファインシリカの場合
には、耐熱性に優れ、滴点はない。ウレアの場合には、
耐熱性に優れ、滴点は230〜280℃の範囲となる。
尚、滴点とはグリースの耐熱性を調べるののであり、熱
をかけることによりグリースが液状になって滴下する時
の温度をいう。一般的には、滴点よりも40〜50℃低
めが使用温度限界となる。
【0028】添加剤は、グリースの特性を更に向上させ
る場合に使用するものであり、(a)基油の酸化劣化を
抑える酸化防止剤、(b)金属表面の腐食(酸化/硫
化)を防ぐ腐食防止剤、(c)基油の油膜強度を高め油
切れを防ぐ油性向上剤、(d)油の粘性を向上させ、フ
ィーリングを良好にする増粘剤、(e)潤滑面に皮膜を
つくり、基油の潤滑を助ける固体潤滑剤、(f)基油の
流動点を下げ、低温特性を向上させる流動点降下剤、及
び(g)金属表面に強固な油膜を吸着させ、摺動面の焼
き付きを防ぐ極圧剤等があり、目的に応じて選択的に使
用する。
【0029】本実施形態のトルクグリース15は、関東
化成工業(株)のGP−501MRを用い、トルクグリ
ース15中の7〜8割りを占める基油に合成油を使用
し、ちゅう度370、増ちょう剤としてシリカ、使用温
度範囲が−10〜150℃で、トルク値がやや高い(中
トルクと高トルクの中間)グリースを使用した。ただ
し、このグリースに限定するものではなく、オペレータ
の好み、装置の特性、使用環境条件等により適宜最適な
グリースを選択することができる。尚、 ちゅう度と
は、グリースの硬さの規定であり、所定の容器にコーン
を落とし5秒間たった時に沈んだ距離をミリメートルの
10倍で表した数値である。従って数値が大きくなれば
より軟らかいグリースということになる。
【0030】次に、一方向クラッチ8の内部を簡単に図
4に示し、本発明の一方向クラッチ8の動作原理を説明
する。上記説明したように可動軸10と固定軸11が同
一直線上に直列に配置され、クラッチばね9が可動軸1
0に固定して巻着され、固定軸11には0.025mm
の隙間を空けて巻線されている。図4においてクラッチ
ばね9の螺旋巻線方向を、可動軸10側への螺旋回転方
向を方向13とし、固定軸11側へ向かう螺旋回転方向
を方向12とする。
【0031】まず、スリーブ14のない図4の状態を考
えた場合に、可動軸10が方向13に回動すると、可動
軸10に固定したクラッチばね9が同調して回転する
が、クラッチばね9は固定軸11と空間を有している為
に固定軸11に巻き付く事無く、可動軸10は空転す
る。しかしながら、この時にクラッチばね9を方向13
と逆回転方向である方向16(方向12と同方向)に少
し回動した状態にすると、クラッチばね9は回転を遮ら
れ固定軸11に少し巻き付いた状態になり、クラッチば
ね9と固定軸11の問に抵抗が発生する。この固定軸1
1との間の抵抗により、クラッチばね9は負荷回動とな
り、クラッチばね9と連結している可動軸10も負荷を
伴なってゆっくりと回動する事になる。
【0032】一方、可動軸10が方向12への回動に対
しては、可動軸10は空転する。仮に、クラッチばね9
を方向12と逆回転方向に少し回動した状態となっても
クラッチばね9の固定軸11への巻き付きが無く、クラ
ッチばね9の螺旋巻線の径が大きくなるように作用(巻
き付きと逆の作用)し、クラッチばね9が固定軸11に
巻き付くことはないので、可動軸10は無負荷で回動す
る。そしてクラッチばね9の方向16への回動はトルク
グリース15で行う。
【0033】次に、図2に示すようにスリーブ14を設
けた場合について説明する。可動軸10が方向13に回
動をはじめ、クラッチばね9がスリーブ14を回す形と
なったとき、スリーブ14は固定軸11とのトルクグリ
ース15の負荷により、回動抵抗を発生することとな
る。この回動抵抗を生じたスリーブ14は、クラッチば
ね9の固定軸11側の回動を抑制する形となり、クラッ
チばね9に対し方向16に示す回動力を発生し、クラッ
チばね9は固定軸11に巻き付こうとする。そして、あ
る程度の回動力をスリーブ14が受けると、トルクグリ
ース15の抵抗が負けるため、スリーブ14はトルクグ
リース15の抵抗範囲内で所定巻き付きを維持しながら
回動を行う。スリーブ14により、所定の巻き付きを維
持したクラッチばね9は、固定軸11との間に抵抗を生
じながら回動し、結果として、可動軸10が負荷を伴な
ってゆっくりと回動する。
【0034】一方、可動軸10が方向12への回動に対
して、クラッチばね9がスリーブ14を回すとき、スリ
ーブ14が固定軸11とのトルクグリース15の負荷に
より、方向13側の回動抵抗を発生しても、クラッチば
ね9の螺旋巻線の径が大きくなるように作用(巻き付き
と逆の作用)し、クラッチばね9が固定軸11に巻き着
くことはない。従って、クラッチばね9の方向12への
回動においては、スリーブ14を介しては固定軸11と
スリーブ14の間のトルクグリース15により抵抗力が
可動軸10に作用し、係る抵抗を有しながらの低抵抗の
回動を実現している。
【0035】以上が本実施形態の一方向クラッチ8の動
作原理である。従来の一方向クラッチと違う所は、クラ
ッチばねの巻き付き状態をクラッチばねの内径で管理す
るのが従来方法であり、機構的にばねを閉め付けるのが
本実施形態の一方向クラッチ8である。従来の一方向ク
ラッチは、組み立てが困難であるが、本実施形態の一方
向クラッチ8は組み立てやすく、調整も可能である。
又、完全な巻き付き前の状態を従来の一方向クラッチは
クラッチばねの強度で行っていたが、本実施形態の一方
向クラッチ8ではトルクグリースにより実現している。
従来の一方向クラッチでは、クラッチばねの強度が必要
であるが、本実施形態の一方向クラッチ8は普通のクラ
ッチばね9を使用し、トルクグリース15の特性により
閉め付け加減調整が可能である。
【0036】次に、本実施形態の一方向クラッチ8を回
動支持部3に組み込んだ開閉動作を図5(a)〜(d)
にて説明する。図5(a)〜(d)は、図面に向かって
左側にインクジェット複写装置の側面図を動作毎に示
し、その右側には対応する状態での一方向クラッチ8を
用いた回動支持部3の断面図を示している。
【0037】図5(a)は、スキャナー部1が閉じた状
態を示している。クラッチばね9は、可動軸10からの
作用突起17と、固定軸11からの受け突起18によ
り、固定軸11への巻き付きを調整され、クラッチばね
9は常に回動方向19に作用している。
【0038】図5(b)は、スキャナー部1を開ける状
態を示している。この状態の場合には、可動軸10、ク
ラッチばね9が方向12側に回転し、クラッチばね9は
固定軸11に巻きつかず、スリーブ14を介しては固定
軸11とスリーブ14の間のトルクグリース15により
抵抗力が作用し、係る低抵抗の回動負荷の状態で可動軸
10が回動する。
【0039】図5(c)は、スキャナー部1の開放状態
を示している。一方向クラッチ8に変化はない。
【0040】図5(d)は、スキャナー部1を閉じる状
態を示している。可動軸10が下方(方向13)に回動
し、クラッチばね9がスリーブ14に回動をあたえる
と、スリーブ14は固定軸11との間のトルクグリース
15により反対方向の回動力16を受ける。クラッチば
ね9は、回動力16によって固定軸11にある程度の強
度で巻き付く。このクラッチばね9の固定軸11への巻
き付きによりクラッチばね9と固定軸11との間に所定
の抵抗力を生じ、クラッチばね9は負荷を発生しながら
方向13に回動する事になる。それに連動して可動軸1
0も負荷回動し、スキャナー部1は徐々に閉じることと
なる。
【0041】以上説明した本実施形態の一方向クラッチ
8は、クラッチばね9の巻き付き量、強度をトルクグリ
ース15の種類、例えば、粘性の選択(トルク値の高
低)により選択調整する事により、一方向クラッチの負
荷回動調整を適宜、好みのレスポンスに簡単に調整でき
る。
【0042】スリーブ14がない状態では、クラッチば
ね9と固定軸11で、巻き付きによる負荷が生じない様
にクラッチばね9を設計し、後にクラッチばね9の閉め
付け程度を機構的に設定する様構成できるので、クラッ
チばね9と固定軸11との閉め付けを組み立て時に自由
に調整し、目的の負荷回動を発生させる事ができる。ク
ラッチばね9と固定軸11に隙間がある為、組み立てが
容易であり、又、閉め付けを調整出来る為、組み立て後
の負荷回動の調整が可能である。
【0043】なお、前記の実施形態では本発明の好適例
を説明したが、本発明はこれに限定されないことはもち
ろんである。例えば、固定軸11をスキャナ−部1に接
続し、可動軸10をインクジェット部2に接続しても、
例えば、クラッチばね9の捲回方向を逆転させる等の変
更により、スキャナ−部1をインクジェット部2に対し
て開く時の開動作を抵抗を軽し、逆に、閉時にはゆっく
りとした閉動作を実現することもできる。
【0044】また、本実施の形態では、トルクグリース
15を固定軸11のクラッチばね9が巻線していない周
面部とその周面部に対向するスリーブ14の内周面との
隙間に塗布するように説明したが、これに限定されず、
スリ−ブの回動動作を妨げる位置に塗布すればよい。例
えな、固定軸11のクラッチばね9が巻線していない周
面部に別途筒状体を設け、かかる筒状体とスリ−ブ14
の隙間にトルクグリース15を塗布充填しても同様の作
用効果を発揮できる。なお、上記実施形態のように固定
軸11とスリ−ブ14との隙間にトルクグリース15を
塗布充填することで簡単な構成により開閉機構を構成で
きる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、クラッ
チばねの巻き付き状態をクラッチばねの内径で管理する
のが従来方法と異なり、機構的にばねを閉め付けるため
に組み立てやすく、調整も可能である。又、完全な巻き
付き前の状態を従来の一方向クラッチはクラッチばねの
強度で行っていたが、本発明によればグリースの粘性等
の選択により行うため普通のクラッチばねを使用し、グ
リースの特性により閉め付け加減調整が可能となる。従
って、出荷時や、メンテナンス時での画像形成装置の開
閉機構の調整がクラッチばねの取付け、取り外しを必要
とするのに比べ、グリースの選択という簡単な手段で行
うことができるために、取扱性に優れた画像形成装置を
提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット複写装
置の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る一方向クラッチ8の構
造を一部断面にして示す斜視図である。
【図3】図2の矢視A−A方向の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る一方向クラッチ8内部
の作用的説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係るインクジェット複写装
置の側面図と、対応する回動支持部3の断面図を動作毎
に示す説明図である。
【図6】従来のインクジェット複写装置のインクカート
リッジ交換時のスキャナー部の開閉動作を説明図であ
る。
【図7】開閉機構にダンパーを用いた従来のインクジェ
ット複写装置の斜視図である。
【図8】開閉機構に従来の一方向クラッチを用いたダン
パーを用いた従来のインクジェット複写装置の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 スキャナ−部 2 インクジェット部 3 回動支持部 8 一方向クラッチ 9 クラッチばね 10 可動軸 11 固定軸 11a 周面部 14 スリーブ 15 トルクグリース
フロントページの続き (72)発明者 小川 達也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C061 AQ05 BB17 CD07 CD13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部ユニットの下方に下部ユニットを設
    け、下部ユニットに対して上部ユニットが回動支持軸を
    介して開閉自在に設けられた画像形成装置の開閉機構で
    あって、 前記回動支持軸は、 上部ユニットと下部ユニットの一方のユニットが連結さ
    れた棒状の回転軸と、他方のユニットが連結された棒状
    の固定軸とを円筒状のスリーブ内に長手方向に直列に設
    け、 一端側を該回転軸の回動に連動するように設け、且つ、
    固定軸との間に隙間をもって巻線する巻線部を有し、且
    つ、他端側を前記スリーブの回動に連動するように設け
    たクラッチばねをスリーブの内周面側に設け、 前記スリ−ブには、回動動作を妨げるようにグリースが
    塗布されていることを特徴とする画像形成装置の開閉機
    構。
  2. 【請求項2】 前記グリースは、前記固定軸の前記クラ
    ッチばねが巻線していない周面部と該周面部に対向する
    前記スリーブ内周面との隙間に塗布することを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置の開閉機構。
  3. 【請求項3】 前記塗布間隙は、0.2mm以上、0.
    3mm以下に設けることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の画像形成装置の開閉機構。
JP28961999A 1999-10-12 1999-10-12 画像形成装置の開閉機構 Pending JP2001105687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28961999A JP2001105687A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 画像形成装置の開閉機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28961999A JP2001105687A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 画像形成装置の開閉機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001105687A true JP2001105687A (ja) 2001-04-17

Family

ID=17745589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28961999A Pending JP2001105687A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 画像形成装置の開閉機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001105687A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007053736A (ja) * 2005-07-21 2007-03-01 Canon Inc 画像読取記録装置
US8081352B2 (en) 2005-07-21 2011-12-20 Canon Kabushiki Kaisha Image reading/recording apparatus
JP2013216075A (ja) * 2012-03-13 2013-10-24 Seiko Epson Corp 記録装置
KR101430017B1 (ko) 2009-12-17 2014-08-14 무라다기카이가부시끼가이샤 자동 원고 반송 장치 및 이를 구비한 원고 판독 장치
JP2015018125A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社沖データ 画像形成ユニット及び画像形成装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007053736A (ja) * 2005-07-21 2007-03-01 Canon Inc 画像読取記録装置
JP4732255B2 (ja) * 2005-07-21 2011-07-27 キヤノン株式会社 画像読取記録装置
US8081352B2 (en) 2005-07-21 2011-12-20 Canon Kabushiki Kaisha Image reading/recording apparatus
KR101430017B1 (ko) 2009-12-17 2014-08-14 무라다기카이가부시끼가이샤 자동 원고 반송 장치 및 이를 구비한 원고 판독 장치
JP2013216075A (ja) * 2012-03-13 2013-10-24 Seiko Epson Corp 記録装置
JP2015018125A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社沖データ 画像形成ユニット及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001105687A (ja) 画像形成装置の開閉機構
JP5159172B2 (ja) 円錐リング変速機
TWI301794B (en) Sheet or film-forming roll
JPH11299691A (ja) 開閉体の開閉用ヒンジ
US9352591B2 (en) Power conversion apparatus for printer
JPH07310808A (ja) ギヤボックスの内圧変化吸収装置
JP2007205537A (ja) 開閉装置におけるヒンジダンパー
JPH08277896A (ja) トラクションドライブ装置
JP5203209B2 (ja) 無段変速装置
EP1967753A3 (en) Engine startup torque transmitting device
JP2007182981A (ja) 船舶用の弾性継手
JP4280620B2 (ja) クラッチ
JPS583133B2 (ja) トルク伝達装置
JP2007032492A (ja) 内燃機関始動回転力伝達機構
JP4418952B2 (ja) 開閉装置におけるヒンジダンパー
JP2003232465A (ja) ギア式電動弁
JP2007285326A (ja) 2ウェイクラッチユニット
JP2005326937A (ja) チルトヒンジ
JP2985473B2 (ja) スタータクラッチのシール装置
CN218494150U (zh) 一种具备自磨齿功能的传动平稳的阀门齿轮箱
JP5444643B2 (ja) 回転軸継手及び電動式パワーステアリング装置
JP3474823B2 (ja) パワーウインドモータ
JP5379467B2 (ja) 車高調整装置
JP2010261474A (ja) 減衰装置
JP2007161366A (ja) 回転式トレイのダンパーを用いた緩衝装置