JP2001100205A - ゲストホスト反射型液晶表示素子 - Google Patents

ゲストホスト反射型液晶表示素子

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JP2001100205A
JP2001100205A JP28069399A JP28069399A JP2001100205A JP 2001100205 A JP2001100205 A JP 2001100205A JP 28069399 A JP28069399 A JP 28069399A JP 28069399 A JP28069399 A JP 28069399A JP 2001100205 A JP2001100205 A JP 2001100205A
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Hiroyuki Mori
裕行 森
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射輝度が高く、コントラスト比が高く、厚
みが薄いゲストホスト反射型液晶表示素子を得る。 【解決手段】 λ/4板を備えたゲストホスト反射型液
晶表示素子において、λ/4板として、波長450nm
で測定したレターデーション値が100乃至125nm
であり、かつ波長590nmで測定したレターデーショ
ン値が135乃至160nmである一枚のポリマーフイ
ルムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、λ/4板を備えたゲス
トホスト反射型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲストホスト反射型液晶表示素子は、相
転移型(White-Taylor型)、二層型やλ/4型が知られ
ている。相転移型は、液晶と二色性色素との混合物にカ
イラル剤を添加し、コレステリック相と垂直配向との間
でスイッチングを行う方式である。この方式は、一つの
液晶層で白黒表示ができる。しかし、コントラスト比が
低い、駆動電圧が高い、ヒステリシスがあって階調表示
が困難であるとの問題がある。二層型は、液晶と二色性
色素との混合物の層を二層設ける方式である。この方式
は、コントラスト比が高いとの特徴がある。ただし、液
晶表示素子としては厚く、視差が生じるとの問題があ
る。λ/4型は、液晶と二色性色素との混合物からなる
層とλ/4板を組み合わせる方式である。λ/4型は、
厚さが薄く、視差の問題が解消される。λ/4板を備え
たゲストホスト反射型液晶表示素子については、特開平
6−222350号、同8−36174号、同10−2
68300号、同10−292175号、同10−29
3301号、同10−311976号、同10−319
442号、同10−325953号、同10−3331
38号、同11−38410号の各公報に記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】λ/4板を備えたゲス
トホスト反射型液晶表示素子では、λ/4板の性能が非
常に重要である。従来のλ/4板は、「λ/4板」と称
していても、ある特定波長でλ/4を達成しているもの
が大部分であった。λ/4を達成できる波長領域が狭い
と、表示画像のコントラストが低下する。特開平5−2
7118号および同5−27119号の各公報には、レ
ターデーションが大きい複屈折性フイルムと、レターデ
ーションが小さい複屈折率フイルムとを、それらの光軸
が直交するように積層させた位相差板が開示されてい
る。しかし、二枚のフイルムを積層すると、λ/4板が
厚くなり、液晶表示素子の薄型との長所が低下する。ま
た、厚いλ/4板を透過すると光が減衰して、反射輝度
が低下する。本発明の目的は、反射輝度が高く、コント
ラスト比が高く、厚みが薄いゲストホスト反射型液晶表
示素子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(7)のゲストホスト反射型液晶表示素子によ
り達成された。 (1)λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素
子であって、λ/4板が、波長450nmで測定したレ
ターデーション値が100乃至125nmであり、かつ
波長590nmで測定したレターデーション値が135
乃至160nmである一枚のポリマーフイルムからなる
ことを特徴とするゲストホスト反射型液晶表示素子。 (2)λ/4板が、面内の遅相軸方向の屈折率nx、面
内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の
屈折率nzが、nx>nz>nyの関係を満足する
(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。 (3)λ/4板が、波長450nmで測定したレターデ
ーション値が108乃至117nmであり、波長550
nmで測定したレターデーション値が133乃至142
nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデー
ション値が143乃至152nmである一枚のポリマー
フイルムからなる(1)に記載のゲストホスト反射型液
晶表示素子。
【0005】(4)λ/4板が、セルロースエステルフ
イルムからなる(1)に記載のゲストホスト反射型液晶
表示素子。 (5)λ/4板が、延伸したセルロースエステルフイル
ムからなる(4)に記載のゲストホスト反射型液晶表示
素子。 (6)セルロースエステルフイルムが、芳香族環を少な
くとも二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を立体障害
しない分子構造を有する化合物を含む(4)に記載のゲ
ストホスト反射型液晶表示素子。 (7)λ/4板が、厚さが1乃至500μmの一枚のポ
リマーフイルムからなる(1)に記載のゲストホスト反
射型液晶表示素子。
【0006】
【発明の効果】本発明者は、研究の結果、ポリマーフイ
ルムの素材と製造方法を調節することにより、一枚で広
い波長領域においてλ/4を達成するポリマーフイルム
を製造することに成功した。広い波長領域でλ/4が達
成できる一枚のポリマーフイルムからなるλ/4板は、
ゲストホスト反射型液晶表示素子に非常に有利に用いる
ことができる。すなわち、広い波長領域でλ/4が達成
するためコントラスト比が高いゲストホスト反射型液晶
表示素子が得られる。また、λ/4板の厚みが薄いた
め、液晶表示素子全体としても薄型に設計することがで
きる。さらに、λ/4板の厚みが薄いため、光の減衰が
少なく、反射輝度が高い画像を表示することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】[λ/4板]本発明では、波長4
50nmで測定したレターデーション値が100乃至1
25nmであり、かつ波長590nmで測定したレター
デーション値が135乃至160nmである一枚のポリ
マーフイルムをλ/4板として使用する。波長450n
mで測定したレターデーション値が108乃至117n
mであり、波長550nmで測定したレターデーション
値が133乃至142nmであり、かつ波長590nm
で測定したレターデーション値が143乃至152nm
であることが好ましい。レターデーション値(Re)
は、下記式に従って算出する。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxはλ/4板の面内の遅相軸方向の屈折率(面
内の最大屈折率)であり;nyはλ/4板の面内の遅相
軸方向に垂直な方向の屈折率であり;そしてdはλ/4
板の厚さ(nm)である。
【0008】λ/4板として使用するポリマーフイルム
は、さらに下記式を満足することが好ましい。 nx>nz>ny 式中、nxは面内の遅相軸方向の屈折であり;nyは面
内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、nz
は厚み方向の屈折率nzである。ポリマーフイルムを構
成する一枚のポリマーフイルムの厚さは、1乃至500
μmであることがさらに好ましい。以上のような光学的
性質を有する位相差板は、以下に述べる材料と方法によ
り製造することができる。
【0009】[ポリマー]ポリマーフイルムを形成する
ポリマーとしては、セルロースエステルが好ましく、セ
ルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級
脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。
炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セル
ロースプロピオネート)または4(セルロースブチレー
ト)であることが好ましい。セルロースアセテートが特
に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセ
ルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エス
テルを用いてもよい。セルロースアセテートの平均酢化
度(アセチル化度)は、45.0乃至62.5%である
ことが好ましく、55.0乃至61.0%であることが
さらに好ましい。
【0010】[レターデーション調整剤]芳香族環を少
なくとも二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を立体障
害しない分子構造を有する化合物を、レターデーション
調整剤として使用することが好ましい。レターデーショ
ン調整剤は、ポリマー100重量部に対して、0.2乃
至20重量部の範囲で使用することが好ましく、0.5
乃至10重量部の範囲で使用することがさらに好まし
く、1乃至5重量部の範囲で使用することが最も好まし
い。二種類以上のレターデション調整剤を併用してもよ
い。少なくとも二つの芳香族環を有する化合物は、炭素
原子7個分以上のπ結合性の平面を有する。二つの芳香
族環の立体配座を立体障害しなければ、二つの芳香族環
は、同一平面を形成する。本発明者の研究によれば、ポ
リマーフイルムのレターデーションを調整するために
は、複数の芳香族環により同一平面を形成することが重
要である。本明細書において、「芳香族環」は、芳香族
炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族
炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)である
ことが特に好ましい。
【0011】芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ
環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または
7員環であることが好ましく、5員環または6員環であ
ることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、
最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特
に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チ
オフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサ
ゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾ
ール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、
ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、
ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれ
る。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフ
ェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、
イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミ
ジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が
好ましい。
【0012】レターデーション調整剤が有する芳香族環
の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12
であることがより好ましく、2乃至8であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。3以
上の芳香族環を有する場合、少なくとも二つの芳香族環
の立体配座を立体障害しなければよい。二つの芳香族環
の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単
結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合す
る場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形
成できない)。レターデーション上昇機能の観点では、
(a)〜(c)のいずれでもよい。ただし、(b)また
は(c)の場合は、二つの芳香族環の立体配座を立体障
害しないことが必要である。
【0013】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0014】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0015】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。ただし、置換基は、二つの芳香族環の立体
配座を立体障害しないことが必要である。立体障害で
は、置換基の種類および位置が問題になる。置換基の種
類としては、立体的に嵩高い置換基(例えば、3級アル
キル基)が立体障害を起こしやすい。置換基の位置とし
ては、芳香族環の結合に隣接する位置(ベンゼン環の場
合はオルト位)が置換された場合に、立体障害が生じや
すい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、B
r、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミ
ノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、
ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪
族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミ
ノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファ
モイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素
環基が含まれる。
【0016】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0017】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0018】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。
【0019】レターデーション調整剤の分子量は、30
0乃至800であることが好ましい。レターデーション
調整剤の沸点は、260℃以上であることが好ましい。
沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA10
0、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定できる。
以上述べたレターデーション調整剤は、欧州特許091
1656A2号明細書に、セルロースエステルフイルム
のレターデーション上昇剤として具体的に記載されてい
る。ただし、本発明では、単にレターデーションを上昇
させるためではなく、レターデーション値の波長分散を
調整して広い波長領域でλ/4を達成するために使用す
る。
【0020】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒
に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造す
る。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、
炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至
12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン
化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エ
ーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有してい
てもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基
(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のい
ずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用い
ることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のよ
うな他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能
基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれ
かの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0021】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0022】一般的な方法でポリマー溶液を調製でき
る。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高
温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常
のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法およ
び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な
方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特
にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。ポリマ
ーの量は、得られる溶液中に10乃至40重量%含まれ
るように調整する。ポリマーの量は、10乃至30重量
%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中
には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でポリマーと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉
し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が
沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温
度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至2
00℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃であ
る。
【0023】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0024】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもポリマーを溶解させるこ
とができる。なお、通常の溶解方法でポリマーを溶解で
きる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な
溶液が得られるとの効果がある。冷却溶解法では最初
に、室温で有機溶媒中にポリマーを撹拌しながら徐々に
添加する。ポリマーの量は、この混合物中に10乃至4
0重量%含まれるように調整することが好ましい。ポリ
マーの量は、10乃至30重量%であることがさらに好
ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を
添加しておいてもよい。
【0025】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、ポリマーと有機溶媒の混合物は固化する。冷
却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始す
る時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始して
から最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値で
ある。
【0026】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にポリマーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだ
けでもよし、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4
℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上である
ことがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最
も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、100
00℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技
術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限
である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と
最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な
加温温度に達するまでの時間で割った値である。以上の
ようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充
分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。
溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を
観察するだけで判断することができる。
【0027】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
【0028】調製したポリマー溶液(ドープ)から、ソ
ルベントキャスト法によりポリマーフイルムを製造す
る。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固
形分量が18乃至35%となるように濃度を調整するこ
とが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態
に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法
における流延および乾燥方法については、米国特許23
36310号、同2367603号、同2492078
号、同2492977号、同2492978号、同26
07704号、同2739069号、同2739070
号、英国特許640731号、同736892号の各明
細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。ド
ープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上
に流延することが好ましい。流延した2秒以上風に当て
て乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラム
またはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃
まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発
させることもできる。以上の方法は、特公平5−178
44号公報に記載がある。この方法によると、流延から
剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この
方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンド
の表面温度においてドープがゲル化することが必要であ
る。本発明に従い調製した溶液(ドープ)は、この条件
を満足する。製造するフイルムの厚さは、40乃至12
0μmであることが好ましく、70乃至100μmであ
ることがさらに好ましい。
【0029】ポリマーフイルムには、機械的物性を改良
するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を
添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステ
ルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エス
テルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)
およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれ
る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルお
よびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステ
ルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチル
フタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DB
P)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフ
タレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)および
O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含ま
れる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン
酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジ
ブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フ
タル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、D
OP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DE
PおよびDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セ
ルロースエステルの量の0.1乃至25重量%であるこ
とが好ましく、1乃至20重量%であることがさらに好
ましく、3乃至15重量%であることが最も好ましい。
【0030】ポリマーフイルムには、劣化防止剤(例、
酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不
活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加し
てもよい。劣化防止剤については、特開平3−1992
01号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1重量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2重量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01重量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1重量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤につ
いては、特開平7−11056号公報に記載がある。
【0031】ポリマーフイルムは、さらに延伸処理によ
り屈折率(面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相
軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率n
z)を調整することが好ましい。固有複屈折率が正であ
ると、ポリマー鎖が配向した方向に屈折率が高くなる。
このような固有複屈折率が正のポリマーを延伸すると、
通常、屈折率は、nx>ny≧nzとなる。これは、面
内の方向に配向したポリマー鎖が、延伸によってx成分
が多くなり、z成分が最も小さくなるためである。nx
>nz>nyの関係を満足するためには、ポリマー鎖の
z成分をy成分よりも多くし、nzがnyよりも大きく
なるようにする必要がある。すなわち、z方向に何らか
の形で延伸する必要がある。
【0032】具体的には、ポリマーフイルムの片面また
は両面に熱収縮性フイルムを接着し、その積層体を加熱
延伸処理して、ポリマーフイルムの延伸方向と直交する
方向に収縮力をかける処理(特許2818983号、特
開平5−297223号、同5−323120号の各公
報記載)を採用することができる。熱収縮フイルムが収
縮する際に、ポリマー鎖のx、y成分が少なくなり、そ
の分z成分が増えることで、nzがnyよりも大きくな
る。同時にx方向に延伸することでnxを大きくしてい
る。また、ポリマーフイルムに電場を印加しながら面内
に一軸延伸する方法(特開平6−88909号公報記
載)がある。この方法では、電場を印加することで、ポ
リマー鎖の電場と平行な成分が増加することで、nzを
大きくすることができる。
【0033】さらに、ポリマーフイルムの両面に温度差
をつけた状態で曲げる動作を繰り返す方法(特許281
1137号公報記載)もある。外側を低温、内側を高温
とした状態で、ポリマーフイルムを円弧状に曲げると、
フイルム外側のポリマー鎖はほとんど延伸されずに、フ
イルム内側のポリマー鎖が圧縮されるという状態が作り
出される。圧縮された部分は、ポリマー鎖のz成分が増
え、nzが大きくなる。次に、反対側に曲げ、温度差を
反対にすることで、厚み方向もう半分のポリマー鎖のz
成分を増加させることができる。この動作を交互に繰り
返すことで、nx>nz>nyを実現することができ
る。以上は、固有複屈折率が正のポリマーを例に説明し
たが、固有複屈折率が負のポリマーでも、z方向に延伸
することで、nx>nz>nyの関係を満足するような
ポリマーフイルムが実現できる。
【0034】[ゲストホスト反射型液晶表示素子]図1
は、ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態様を
示す断面模式図である。図1に示すゲストホスト反射型
液晶表示素子は、下基板(1)、有機層間絶縁膜
(2)、金属反射板(3)、λ/4板(4)、下透明電
極(5)、下配向膜(6)、液晶層(7)、上配向膜
(8)、上透明電極(9)、光拡散板(10)、上基板
(11)および反射防止層(12)が、この順に積層さ
れた構造を有する。下基板(1)および上基板(2)
は、ガラス板またはプラスチックフイルムからなる。下
基板(1)と有機層間絶縁膜(2)との間には、TFT
(13)が取り付けられている。液晶層(7)は、液晶
と二色性色素との混合物からなる。液晶層は、スペーサ
ー(14)により形成されているセルギャップに液晶と
二色性色素との混合物を注入して得られる。光拡散板
(10)を設ける代わりに、金属反射板(3)の表面に
凹凸を付けることで、金属反射板(3)に光拡散機能を
付与してもよい。反射防止層(12)は、反射防止機能
に加えて、防眩機能も有していることが好ましい。
【0035】図2は、ゲストホスト反射型液晶表示素子
の別の代表的な態様を示す断面模式図である。図2に示
すゲストホスト反射型液晶表示素子は、下基板(1)、
有機層間絶縁膜(2)、コレステリックカラー反射板
(3)、λ/4板(4)、下透明電極(5)、下配向膜
(6)、液晶層(7)、上配向膜(8)、上透明電極
(9)、上基板(11)および反射防止層(12)が、
この順に積層された構造を有する。下基板(1)および
上基板(2)は、ガラス板またはプラスチックフイルム
からなる。下基板(1)と有機層間絶縁膜(2)との間
には、TFT(13)が取り付けられている。λ/4板
(4)は、光拡散板としても機能させてもよい。液晶層
(7)は、液晶と二色性色素との混合物からなる。液晶
層は、スペーサー(14)により形成されているセルギ
ャップに液晶と二色性色素との混合物を注入して得られ
る。上透明電極(9)と上基板(11)との間には、ブ
ラックマトリックス(15)が取り付けられている。反
射防止層(12)は、反射防止機能に加えて、防眩機能
も有していることが好ましい。
【0036】本発明に従うλ/4板は、図1および図2
で説明したゲストホスト反射型液晶表示素子のλ/4板
(4)として使用できる。λ/4板を備えたゲストホス
ト反射型液晶表示素子については、特開平6−2223
50号、同8−36174号、同10−268300
号、同10−292175号、同10−293301
号、同10−311976号、同10−319442
号、同10−325953号、同10−333138
号、同11−38410号の各公報に記載がある。本発
明に従うλ/4板は、上記各公報記載のゲストホスト反
射型液晶表示素子にも利用することができる。
【0037】
【実施例】[実施例1] (λ/4板の作製)室温において、平均酢化度60.9
%のセルロースアセテート45重量部、下記のレターデ
ーション調整剤(1)0.675重量部、下記のレター
デーション調整剤(2)0.225重量部、メチレンク
ロリド232.72重量部、メタノール42.57重量
部およびn−ブタノール8.50重量部を混合して、溶
液(ドープ)を調製した。
【0038】
【化1】
【0039】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分乾燥後、50℃で5分乾燥した。乾燥後の揮
発分は3重量%であった。セルロースアセテートフイル
ムをガラス板から隔離し、厚さ100μmの熱収縮フイ
ルム(菱チューブ、三菱化成(株)製)をフイルム両面
に貼り付け、120℃で一軸延伸した。その後、熱収縮
フイルムをフイルム両面から剥離した。得られたセルロ
ースアセテートフイルムの乾燥膜厚は、200μmであ
った。得られたセルロースアセテートフイルム(位相差
板)について、エリプソメーター(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmお
よび590nmにおけるレターデーション値(Re)を
測定したところ、それぞれ、112.8nm、137.
5nmおよび145.1nmであった。従って、このセ
ルロースアセテートフイルムは、広い波長領域でλ/4
を達成していた。さらに、アッベ屈折率計による屈折率
測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波
長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、
面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向
の屈折率nzを計算したところ、nx=1.4903
9、ny=1.48970、nz=1.4900であっ
た。そのため、このセルロースアセテートフイルムは、
斜め方向から見てもレターデーション値がほぼ一定(斜
め方向からみても、λ/4を達成)であった。
【0040】(液晶表示素子の作製)ITO透明電極が
設けられたガラス基板の上に、垂直配向膜形成ポリマー
(LQ−1800、日立化成デュポンマイクロシステム
ズ社製)の溶液を塗布し、乾燥後、ラビング処理を行っ
た。反射板としてアルミニウムを蒸着したガラス基板の
上に、作製したλ/4板を粘着剤で貼り付けた。λ/4
板の上に、スパッタリングによりSIO層を設け、その
上にITO透明電極を設けた。透明電極の上に、垂直配
向膜形成ポリマー(LQ−1800、日立化成デュポン
マイクロシステムズ社製)の溶液を塗布し、乾燥後、λ
/4板の遅相軸方向から45゜の方向にラビング処理を
行った。7.6μmのスペーサーを介して、二枚のガラ
ス基板を、配向膜が向かい合うように重ねた。配向膜の
ラビング方向が反平行となるように、基板の向きを調節
した。基板の間隙に、二色性色素(NKX−1366、
日本感光色素社製)2.0重量%と液晶(ZLI−28
06、メルク社製)98.0重量%との混合物を、真空
注入法により注入し、液晶層を形成した。作製したゲス
トホスト反射型液晶表示素子のITO電極間に、1kH
zの矩形波電圧を印加した。白表示1V、黒表示10V
での透過率は、それぞれ65%、6%であった。白表示
と黒表示との透過率の比(コントラスト比)は、11:
1であった。また、上下左右でコントラスト比2:1が
得られる視野角を測定したところ、上下、左右ともに1
20゜以上であった。電圧を上昇、下降させながら透過
率測定を行ったが、透過率−電圧の曲線にヒステリシス
は観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態
様を示す断面模式図である。
【図2】ゲストホスト反射型液晶表示素子の別の代表的
な態様を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 下基板 2 有機層間絶縁膜 3 金属反射板 4 λ/4板 5 下透明電極 6 下配向膜 7 液晶層 8 上配向膜 9 上透明電極 10 光拡散板 11 上基板 12 反射防止層 13 TFT 14 スペーサー 15 ブラックマトリックス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 λ/4板を備えたゲストホスト反射型液
    晶表示素子であって、λ/4板が、波長450nmで測
    定したレターデーション値が100乃至125nmであ
    り、かつ波長590nmで測定したレターデーション値
    が135乃至160nmである一枚のポリマーフイルム
    からなることを特徴とするゲストホスト反射型液晶表示
    素子。
  2. 【請求項2】 λ/4板が、面内の遅相軸方向の屈折率
    nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚
    み方向の屈折率nzが、nx>nz>nyの関係を満足
    する請求項1に記載のゲストホスト反射型液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】 λ/4板が、波長450nmで測定した
    レターデーション値が108乃至117nmであり、波
    長550nmで測定したレターデーション値が133乃
    至142nmであり、かつ波長590nmで測定したレ
    ターデーション値が143乃至152nmである一枚の
    ポリマーフイルムからなる請求項1に記載のゲストホス
    ト反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 λ/4板が、セルロースエステルフイル
    ムからなる請求項1に記載のゲストホスト反射型液晶表
    示素子。
  5. 【請求項5】 λ/4板が、延伸したセルロースエステ
    ルフイルムからなる請求項4に記載のゲストホスト反射
    型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 セルロースエステルフイルムが、芳香族
    環を少なくとも二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を
    立体障害しない分子構造を有する化合物を含む請求項4
    に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 λ/4板が、厚さが1乃至500μmの
    一枚のポリマーフイルムからなる請求項1に記載のゲス
    トホスト反射型液晶表示素子。
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