JP2001094065A - 強誘電体メモリ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリ及びその製造方法

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JP2001094065A
JP2001094065A JP26539399A JP26539399A JP2001094065A JP 2001094065 A JP2001094065 A JP 2001094065A JP 26539399 A JP26539399 A JP 26539399A JP 26539399 A JP26539399 A JP 26539399A JP 2001094065 A JP2001094065 A JP 2001094065A
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Koji Yamakawa
晃司 山川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体薄膜を半導体メモリセルに用いる強
誘電体メモリ構造において一つのチップ上に異なる抗電
圧をもつキャパシタを有し複数の電圧値でスイッチング
電流を検出できることにより多値化されたメモリを提供
する。 【解決手段】 上部電極7及び下部電極4を有する強誘
電体薄膜6を用い、抗電圧の異なるキャパシタ構造(6
a、6b)を設けている。キャパシタにかかる電圧を変
えることにより複数の反転電流を検出できる。このよう
に一つのチップ上に異なる抗電圧を有するキャパシタを
具備し、複数の電圧でスイッチング電流が検出可能であ
るのでメモリが多値化される。その結果、強誘電体メモ
リセルの実効密度が増加するので高密度メモリを実現さ
せることができる。強誘電体薄膜の下にTi等の密着層
5を形成してこの領域の強誘電体特性を他の領域の強誘
電体特性とは異なるようにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体メモリのキ
ャパシタ部分に関するものであり、とくに1つのチップ
に異なる抗電圧を有するキャパシタを持つ強誘電体メモ
リに関する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路(LSI)の絶縁膜や導
体膜の形成技術、液晶ディスプレイに用いる薄膜トラン
ジスタ(TFT)、各種センサやアクチュエ−タに使用
する機能性薄膜、記録媒体用あるいは薄膜ヘッド材料の
磁性体薄膜、超伝導薄膜など、最近の高集積電子部品に
は薄膜形成技術が重要な役割を果たしている。この成膜
技術の急激な進歩は、これまで実現が困難であった高誘
電率薄膜(以下、高誘電体薄膜という)、強誘電体薄
膜、圧電体薄膜、焦電体薄膜などを用いた新しい電子デ
バイスを実現している。圧電体薄膜を使用した素子は、
MEMS(Microelectromechanic
al system)と呼ばれ、マイクロアクチュア−
タ、マイクロモータ、超小型電圧センサ、超小型加速度
センサなどが研究されている。
【0003】また、焦電体薄膜は赤外線センサなどが実
用化されている。強誘電体、誘電体薄膜では、DRAM
(Dynamic Random Access Me
mory)の高集積化に伴い、電荷蓄積用キャパシタ
が、既存のSiN,SiO2 膜の超薄膜化及びトレンチ
構造などの面積増加で必要とされる容量(30fF)を
これ以上保つことができないこと、新しい不揮発性メモ
リとして強誘電体メモリ(FeRAM)が開発されたこ
となどから、ペロブスカイト構造をもつBST((Ba
0.5 Sr0.5 )TiO3 )、SrTiO3 誘電体薄膜、
PZT(Pb(Zrx Ti1-x )O3 )強誘電体薄膜、
BIT(Bi4 Ti3 12)強誘電体薄膜、SBT(S
rBi2 Ta2 9 )強誘電体薄膜などの実用化の検討
がなされてきている。この中で特に強誘電体薄膜の研究
開発を促進しているFeRAMは、DRAMのキャパシ
タ部分を強誘電体で置き換えたもので、以下のような特
徴を有し、次世代メモリとして期待されている。書き
込み、消去が高速であり、セルを小形化することでDR
AMなみの100ns以下の書き込み時間が可能であ
る、不揮発性メモリであり、SRAMと異って電源が
不必要である、書き換え可能回数が大きく、強誘電体
材料(SBTなど)、電極材料(IrOx、RuOx、
SrRuO3 など)を工夫することにより1012回以上
が可能である、高密度高集積化ができ、DRAMと同
等の集積化が得られる、内部の書き込み電圧を2V程
度とすることができ、低消費電力である、フラッシュ
メモリと異なりビット書き換え、ランダムアクセスが可
能である。
【0004】これらの利点を利用して、エアコンの温湿
度センサ、各種電気機器の製造プロセスのモニタ−用T
AG、TVゲームのリジュ−ム機能、ア−ケ−ドゲ−ム
の記憶装置、TVやビデオの設定記憶、コピー、FA
X、プリンタの感光ドラムの使用状況モニタ、衛星放
送、ケーブルTVのセットトップボックス、自動車のエ
ンジンコントロール、ラジオの周波数プリセット、RF
IDを用いた電子キ−、ノイズの多い工業用製品のライ
ンの製造プロセスモニタ、電力集積計、工業用液体、気
体流量計センサ、大型タンクの液面計、AVパソコン、
PCカード、ファイルメモリ、携帯端末機器など、多分
野、多方面に渡っての応用が実用化あるいは検討されて
いる。
【0005】強誘電体は図8に示すように自発分極をも
ち、その自発分極が電界により向きを反転することが可
能であるという特徴を有している。自発分極は、電界を
印加しない状態でも分極値をもち(残留分極)、その値
(分極の向き)が電界を0とする前の状態に依存する。
ここで図8のヒステリシス曲線において分極0となる時
の電界値を抗電界という。印加する電界の向きで+、−
の電荷を結晶表面に誘起することができ、この状態をメ
モリ素子の0、1に対応させる。図9に1T/1C(1
トランジスタ・1キャパシタ)のメモリ構造を示す。開
発された初期のFeRAMは、比較するキャパシタをそ
れぞれ一つのキャパシタ毎に作製した2T/2C構造を
持っていたが、現在は高集積化の要求からリファレンス
キャパシタを共通とする1T/1C型が開発されてい
る。メモリ素子は、MOSトランジスタTrと強誘電体
キャパシタFEから構成されている。MOSトランジス
タTrのソース/ドレイン領域の一方がビットラインB
Lに接続され、他方がキャパシタFEの一方の電極に接
続されている。MOSトランジスタTrのゲートにはワ
ードラインWLに接続されている。キャパシタFEの他
方の電極はプレート線に接続されている。
【0006】強誘電体材料には次にあげるような特性、
仕様が要求される。 反転分極量(スイッチング電
荷)が大きいことが必要である。これはデバイスの構
造、センシングする際の設定電圧値、分極値の安定性な
どにもよるが、一般に10μC/cm2 が必要とされて
いる。 比誘電率が小さいことが必要である。スイッ
チング電流に対して、非スイッチング電流値が小さく、
S/N比を低く抑えることが出来る。 分極値の書き
換えサイクルによる減少(疲労特性)が少ないことが必
要である。疲労特性では強誘電体の材料そのものを変
え、あるいは電極材料を酸化物系のものとすることによ
り、1012回以上の特性が得られている。分極反転速
度が速いことが必要である。キャパシタの小型化によ
り、スイッチング特性が正味のドメイン反転速度ではな
く、電極配線抵抗、浮遊容量などに主として左右される
ことが示されている。 リ−ク電流が10-6A/cm
2 以下であることが必要である。キャパシタに蓄積した
電荷の有無を利用するDRAMと比較すると、FeRA
Mでは残留分極値を利用するために、基準となるリ−ク
電流はDRAMの場合よりも高くて問題ない。 デ−
タ保持特性が10年以上必要である。
【0007】実際に使用されている強誘電体材料は、P
ZT(Pb(Zrx Ti1-x )O3)薄膜、SBT(S
rBi2 Ta2 9 )薄膜である。前者のPZTは、結
晶化温度が600℃程度であること、分極値が大きく残
留分極で20μC/cm2 程度であること、抗電界が比
較的小さく低電圧で分極反転が可能なこと、Zr/Ti
組成比により、結晶温度の他にグレインサイズ、グレイ
ン形状などの構造特性、分極量、抗電界、疲労特性、リ
−ク電流などの強誘電特性が制御可能なこと、ペロブス
カイト構造のもつ元素許容性からAサイトと呼ばれるP
bをSr、Ba、Ca、Laなどの元素で、Bサイトと
呼ばれるZr・TiをNb、W、Mg、Co、Fe、N
i、Mnなどの元素で置換することが可能であり、それ
が結晶構造、構造特性、強誘電特性に大きく影響し、制
御性に優れるなどが利点としてあげられる。もともとP
ZTは、アクチュエ−タ、超音波振動子、超音波モー
タ、ハイドロフォン、圧電トランスなどのトランスデュ
ーサへの応用、積層セラミックコンデンサなど受動部品
への応用、赤外線センサなどセンサへの応用、さらに
は、構造相転移、ドメイン挙動、圧電、焦電、強誘電体
としての基本特性、ミクロな挙動など多くの研究がこれ
までになされており、PZTの材料設計、特性改善、構
造・電気特性の解明などのデータベースとして豊富であ
ることも一つの利点といえる。
【0008】また、PZTは、その圧電、焦電、強誘電
特性に優れることから早くから薄膜化の検討がなされて
きており、スパッタ法、ゾルゲル法などの手法で研究例
も多い。これらの背景からPZTは最初にFeRAMと
して実用化された材料である。欠点である書き込み回数
の増加に伴う分極量の減少(疲労特性)は、疲労特性そ
のものが電荷により加速される特徴をもつため、最近の
動作電圧の低電圧化、当初使用されていたPt電極から
IrOx など酸化物電極の採用による疲労特性の改善が
なされている。
【0009】一方、後者のSBTは、PZTのもつ疲労
特性の改善、膜の低電圧駆動を達成するために開発され
た材料である。SBTは、Bi層状化合物(Auriv
illius Phase)の一種で強誘電性の起源と
なる酸素八面体からなる擬似ペロブスカイト構造層をB
2 2 層が挟む結晶構造を持っている。この構造によ
り主たる分極軸は、c軸と垂直な面内にありc軸方向の
分極はないか、有っても小さい値となる。擬似ペロブス
カイト構造中の酸素八面体の数によってその分極が発現
する。強い異方性によりこれまでセラミックとしてほと
んど研究がなされていなかったがMOD(Metalo
rganic Decomposition)法で薄膜
形成が可能であり、形成された多結晶膜が強誘電性を示
すことから開発が開始されている。また、疲労特性が良
好であり、低電圧化が可能であることが確認されたこと
により開発がさらに加速している。SBTは、揮発性元
素であるBiがなくなっても電荷を補償する酸素空孔自
体は、Bi酸化物層に形成されるため直接ペロブスカイ
ト構造での影響は少ない。また、価数の変化し易いTi
を持たないことも有効とされている。SBTは、PZT
と比較して分極量が小さいが、Taの一部をNbで置換
することで分極量を増大させることも可能である。最近
はSBTをキャパシタとして集積化したデバイスも試作
されている。SBTはMOD法のほかゾルゲル法、スパ
ッタ法、レ−ザアブレ−ション法などでも形成されてい
る。
【0010】PZT膜もMOD法、レ−ザアブレ−ショ
ン法、イオンビ−ムスパッタ法、熱CVD法、MOCV
D法、レーザCVD法などで形成されているが、FeR
AM製品としてはゾルゲル法、スパッタ法が中心であ
る。スパッタ法では基板上に直接結晶化したペロブスカ
イトPZT膜を形成するためには約500℃以上の高温
が必要であるが、低融点元素のPbの蒸気圧が高いこ
と、スパッタ率が高いことなどの理由から、高温で容易
に基板から蒸発させて再スパッタする。結晶化温度であ
る500℃以上ではPbはほとんど基板へとどまらず組
成制御が困難である。通常はPbあるいはPbOのター
ゲットを別に用意し、同時にスパッタして過剰量のPb
を供給するなどの工夫がなされるが、大きい基板に均一
に組成制御して膜形成することは難しい。室温ではPb
の蒸発、再スパッタの影響が小さいため、比較的容易に
ターゲットに近い組成のPZT膜が形成可能である。た
だし室温でもプラズマからのイオン、スパッタ粒子など
による運動量によって基板やシールド内部が高温となり
易く、蒸発、再スパッタの影響は注意する必要がある。
各部の電位によってもArイオンの衝撃が異なるため組
成が変化する。
【0011】次に、電子部品に使用する強誘電体膜を形
成するプロセスをPZT強誘電体膜を用いたFeRAM
を例にして説明する。トランジスタを形成するプロセス
を経たシリコン半導体基板に絶縁膜を形成し、下部電極
として150nm厚のPt電極をDCマグネトロンスパ
ッタリングにより形成する。Ptは酸化膜と密着性が良
好ではないため、接合層としてTi(20nm)をPt
成膜前に連続スパッタリングで形成する。次に、下部電
極上にPZT膜をRFマグネトロンスパッタリングによ
り形成する。上記の理由から基板温度を上げず室温で成
膜させる。スパッタ条件は、例えば、タ−ゲット−基板
間距離が60nm、均一な膜圧、組成分布を得るために
マグネットをスパッタ中に回転させる。12インチのセ
ラミックPZTターゲットに対して1.0−1.5kW
でスパッタを行う。スパッタガスはArで0.5−2.
0Paの圧力範囲で成膜した。約5分間のスパッタ時間
で250−300nmの膜圧のPZTアモルファス膜が
得られる。PZT成膜前に約1時間のプレスパッタを成
膜するスパッタ条件にて行う。
【0012】アモルファス状態のPZT膜はRTA(R
apid Thermal Anneal)プロセスに
よりペロブスカイト相に結晶化する。600℃以上の温
度で数秒で結晶化が可能である。管状炉などでも結晶化
できるが、RTAのほうがサ−マルバジェットが小さく
下部電極、電極とRZT膜の拡散、反応を抑えることが
でき、界面の平滑性には適する。また、PZTの結晶化
には異相として非強誘電相のパイロクロア型酸化物があ
るが、この相は結晶化の昇温速度を小さくした場合やZ
r/Ti比が大きい場合に形成され易い。パイロクロア
相が第二相としてできた場合には、分極量が小さくなる
だけでなく、PZT膜の信頼性にも影響を及ぼす可能性
がある。結晶化したPZT膜に関して、さらに上部電極
であるPt膜をDCマグネトロンスパッタリングにより
形成してキャパシタ構造を作製する。Ar中でスパッタ
成膜した試料では、厚さ300nmのPZT膜で膜のク
ラック発生はなかった。SEMで微細構造を観察する
と、Tiとの界面の反応、拡散が起こることにより凹凸
が大きくなった。Ptの粒子上にペロブスカイトPZT
膜の粒子が柱状成長している状態の概略を図10に示
す。PZT粒子は、横方向で100−300nm系であ
り、膜の表面は、その粒子形状を反映して−100nm
程度の凹凸が見られた。
【0013】XRD(X線回析)により結晶構造を調べ
ると、PZTプロブスカイト構造の(100)面が基板
と平行に配向していることがわかった。次にPZT結晶
膜上にさらに上部電極であるPt膜をDCマグネトロン
スパッタにより形成してキャパシタ構造を作製する。上
部電極パターンは、RIE(Reactive Ion
Etching)装置を用いて、Arと弗化炭素系の
ガス中でエッチングを行い微細パターンを形成する。電
極との密着性を向上させるために600℃で酸素中1時
間のアニ−ル処理し、電気特性を評価する。強誘電性を
電荷量Q−印加電圧Vでのヒステリシス特性にて調べた
結果を図11に示す。この場合の膜組成は、Pb
1.15-1.20 La0.05(Zr0.4 Ti0.6 )O3 である。
スパッタリング時のスパッタ電力とガス圧を変えること
によりPb量を10%以内の範囲で変化させることが可
能であるため、膜中のPb量を特性が向上するように最
適化させることができる。
【0014】PZT膜表面は凹凸が大きく、RIE時に
加工表面の凹凸が大きくなる。PZT膜及びPt膜をR
IE法によりエッチングする場合にはイオンにより物理
的なエッチング効果が大きいため膜表面の凹凸がエッチ
ング後の形状に大きく影響する。図10に示すPZT膜
では−100nmの表面の粗さがそのままエッチング後
に下地基板の凹凸となってしまう。また、PZT/Pt
の積層膜構造ではPZT/Pt界面の状態でPZTの特
性が容易に変化し得ることがわかっている。例えば、界
面部分のPb量を過剰とすることでペロブスカイト相組
成を促進させることは可能であり、また、界面のPb量
の変化によりPZTの結晶構造、異相の析出、配向性、
粒子サイズなどの構造特性が変化する。TiやTiO2
がPt表面に存在する場合にはTiからPbTiO3
結晶化がまず起きて結晶成長を始める報告も多くある。
また、ヒステリシス特性、インプリント特性、電荷の保
持特性、リ−ク電流などはPZT/Ptの界面状態に大
きく影響を受け、構造特性以上に界面状態によって異な
る特性を示す。PbはPtの粒界を経由してPtの下に
拡散を起こし、TiはPt/Ti積層電極構造とした場
合にPt表面に拡散する。以上のことなどからPZT膜
の特性を制御するパラメ−タは多い。
【0015】一方、ゾルゲル法やMOD法などの溶液法
(CSD法)で形成するPZT成膜プロセスでは、原料
の性状、取り扱い容易性、安定性や他の物質との混合し
た時の反応性からPb、Ti、ZrなどのPZT膜構成
元素の原料をまず選択する。Pbでは酢酸鉛3水和物、
Zrにはジルコニウムテトラプロポキシド、Tiにはチ
タンテトライソプロポキシドを利用する場合が多く、溶
剤に2メトキシエタノ−ルを使用して約0.2Mの溶液
をまず調製する。この溶液は水分を充分に取り除くこと
により長期保存が可能である。一般には酢酸鉛の水和物
の水成分を除去する。成膜する時はこの溶液に水を加え
て縮重合反応を起こさせるが、脱水反応及び脱アルコー
ル反応によってM−O−Mの架橋構造が形成される。こ
の際に加えた水の量、反応時間(保持時間)、pH,温
度、濃度などによりこの架橋状態が変化する。スパッタ
リングの場合と同様に異なったアモルファス状態を形成
することになるため、PZTペロブスカイト構造に結晶
化させた後に配向性、結晶粒の性状、強誘電特性、リ−
ク電流、疲労特性などが変化する。MOD法でも同様で
ある。Pb、Zr、Tiの2エチルヘキサン酸などを使
用し、有機溶剤のキシレンを用いてPZTのMOD用溶
液を調製する。
【0016】MOD法の場合は加水分解反応は起こさ
ず、その状態(混合状態)にて基板上に塗布する。基板
上に成膜した後に250℃程度の低温で乾燥、脱溶剤を
実施し、アモルファス状態のPZT膜となる。MOD法
では原料がC、H、Oを多く含む構造であるため結晶化
時の膜の収縮が大きく、数100nmの厚い膜を形成す
るには塗布と結晶化工程を繰り返すなどの方法で行う。
結晶化はスパッタリングと同様にRTAを使用する場合
が多い。750℃、5分程度の熱処理でペロブスカイト
単一相が得られる。しかし、このような溶液法を用いた
PZT膜は結晶粒が100−数100nmと小さく、ス
パッタリングで成膜された膜のような柱状組織を示さな
い粒状組織がみられる場合が多い。PZTペロブスカイ
ト相の配向性でみると、Pt(111)面上でも配向度
の小さい多結晶膜や(100)面からの反射が強い配向
膜となったりすることが多く、下部電極との整合性を得
ることが困難であった。このような膜の電気特性は、小
さいPZT粒子から構成されることで粒界部が多くな
り、それに起因するリ−ク電流の増大、疲労特性の劣
化、残留分極量の減少、リテンション特性(電荷の保持
特性)の劣化、欠陥や空間電荷による内部電界の発生な
どによって悪影響が多くみられた。
【0017】これらの強誘電体、誘電体薄膜の成膜法、
熱処理法のプロセスの安定性、電気特性の再現性、ウエ
ハ面内での特性均一性、ロット間の特性ばらつきの防
止、疲労特性の改善、インプリント、保持特性の向上、
メモリ形成の際のCVDに使用する還元性のガスによる
ダメ−ジの防止を実施するためにIrO2 、SRO(S
rRuO3 )、LSCO(La0.5 Sr0.5 Co
3 )、RuO2 などの酸化物電極が効果があることが
示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上がFeRAMの現
状であるが、Pbなどの制御性、成膜法の制御性、PZ
T結晶化の挙動、強誘電体薄膜そのもののもつサイズ効
果(強誘電体のサイズが小さくなることでエネルギー的
に不安定となり、常誘電体相あるいは超常誘電体相へと
相転移して強誘電性が消失する)、また、Pt電極加工
の際の物理効果からくる微細加工のし難くさ、Ptの残
さ、フェンス問題、RIE加工時のプラズマダメ−ジ、
その他インテグレ−ションの際に発生する水素による還
元ダメージなど、強誘電体キャパシタを微細化するため
の問題は多い。特に高密度FeRAMを作製するにはメ
モリセルをさらに微細化し、膜厚方向及び横方向のスケ
−リングを行う必要がある。また、機能性薄膜として強
誘電体薄膜を形成する場合にも集積化が必要であり、そ
の分機能性膜部分を小さくしなくてはならない。本発明
は、このような事情によりなされたものであり、強誘電
体薄膜を半導体メモリセルに用いる強誘電体メモリ構造
において、一つのチップ上に異なる抗電圧をもつキャパ
シタを有し複数の電圧値でスイッチング電流を検出でき
ることによりメモリの多値化されたメモリを提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上部電極及び
下部電極を有する強誘電体薄膜を用い、抗電圧の異なる
キャパシタ構造を設ける構造を有し、キャパシタにかか
る電圧を変えることにより複数の反転電流を検出できる
ことを特徴としている。一つのチップ上に異なる抗電圧
を有するキャパシタを具備し、複数の電圧でスイッチン
グ電流が検出可能であるのでメモリが多値化される。そ
の結果、強誘電体メモリセルの実効密度が増加するので
高密度メモリを実現させることができる。すなわち、本
発明の強誘電体メモリは、半導体基板と、この半導体基
板上に形成されたキャパシタとを具備し、前記キャパシ
タは、上部電極及び下部電極に挟まれた強誘電体薄膜を
有し、前記強誘電体薄膜は、強誘電体特性の異なる複数
の領域からなることを第1の特徴としている。また、本
発明の強誘電体メモリは、半導体基板と、この半導体基
板上に形成された複数のキャパシタを具備し、前記複数
のキャパシタは、それぞれ上部電極及び下部電極に挟ま
れた強誘電体薄膜を有し、前記キャパシタの前記各強誘
電体薄膜は、それぞれ互いに異なる強誘電体特性を有し
ていることを第2の特徴としている。
【0020】前記半導体基板には複数の抗電圧のキャパ
シタ構造を有しているようにしても良い。前記強誘電体
薄膜の強誘電体特性は、膜厚によって異なるようにして
も良い。前記強誘電体薄膜の強誘電体特性は、強誘電体
の結晶構造によって異なるようにしても良い。また、本
発明の強誘電体メモリは、半導体基板と、この半導体基
板に形成され、ソース/ドレイン領域の一方がビットラ
インに電気的に接続され、ゲートがワードラインに接続
されたMOSトランジスタと、前記半導体基板上に形成
され、電極の一方が前記ソース/ドレイン領域の他方と
電気的に接続されたキャパシタとを具備し、前記キャパ
シタは、上部電極及び下部電極に挟まれた強誘電体薄膜
を有し、前記強誘電体薄膜は、強誘電体特性の異なる複
数の領域からなることを第3の特徴としている。
【0021】本発明において、1つのチップに少なくと
も2つの強誘電体特性の異なる領域を形成するには、ま
ず、組成の異なる材料を用いることが第1であるが、そ
の他に、上記のように同じ材料でも強誘電体薄膜の厚さ
を異ならしたり、結晶構造を変えたりすることにより達
成させることができる。本発明の強誘電体メモリの製造
方法は、半導体基板上に下部電極を形成させる工程と、
前記下部電極上の所定の領域に変性層を形成する工程
と、前記所定の領域を含む下部電極上に強誘電体薄膜を
形成する工程と、前記強誘電体薄膜上に上部電極を設け
ることによりキャパシタを構成させる工程とを具備し、
前記強誘電体薄膜の変性層が形成された前記所定の領域
の強誘電体特性は他の領域の強誘電体特性とは異なって
いることを特徴としている。前記変性層はチタン膜から
構成されていても良い。変性層は、強誘電体薄膜のこの
変性層の上に形成配置された部分の特性を変える層であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明の実施
の形態を説明する。まず、図1乃至図4を参照して第1
の実施例を説明する。図1は、半導体基板上に形成され
たキャパシタの断面図である。強誘電性、圧電性、焦電
性が広く利用されているPb系ペロブスカイト型酸化物
であるPZT薄膜を用いた強誘電体メモリ(以下、Fe
RAMという)をこの実施例では示している。シリコン
半導体などの半導体基板1に通常のプロセスによりトラ
ンジスタを作り込み、例えば、CMOS構造(図示しな
い)を形成する。半導体基板1上に、例えば、CVD法
を用いてシリコン酸化膜2を形成する。次に、シリコン
酸化膜2上にTiなどからなる接合層3を介して下部電
極4であるPt膜をDCマグネトロンスパッタリングに
より形成する。Pt膜の厚さは200nmであり、室温
で成膜すると面心立法格子の最稠密面である(111)
面が半導体基板1と平行となるように配向したPt膜が
形成される。チタンが酸化しないようにTi膜3、Pt
膜(下部電極4)を連続的にスパッタリングして堆積さ
せる。
【0023】次に、下部電極4の上にスパッタリング法
などにより部分的にTiなどからなる変性層5を形成す
る。変性層5の膜厚は、20nm〜50nm程度が適当
である。この変性層は、PZT膜のこの上に形成される
部分の特性を変える性質を有する。下部電極4と変性層
5の上にはRFマグネトロンスパッタリング法によりP
ZTアモルファス膜6を形成する。ここで用いたRFマ
グネトロンスパッタリング装置には、Pb量を10%程
度多くしたPZTセラミックタ−ゲットを使用する。タ
−ゲットの組成は、Pb1.10(Zr0.4 Ti0.60)03
である。PZTセラミックタ−ゲットは、密度の高い方
がスパッタリング速度が大きく水分などに対する耐環境
性も良好であるため、理論密度98%ノセラミック焼結
体を使用した。スパッタリング時にはプラズマにより半
導体基板の温度の上昇や飛来粒子によるボンバ−ドメン
トがあるために、シリコン基板からのPbの蒸発や再ス
パッタリングが起こりPZT膜中のPb量の欠損が生じ
易い。ターゲット中の過剰Pbはそれを補償するために
加えてある。Zr、TiなどPb以外の元素は、ターゲ
ット組成とほぼ同じ量が膜に取り込まれるため、望む組
成の量比のものを用いればよい。
【0024】スパッタ条件は、タ−ゲット−半導体基板
間距離が60nm、回転式のマグネットを用いて、2
8.8cm(12インチ)のセラミックPZTターゲッ
トに対し1.0〜1.75kVでスパッタリングを行
う。Arガスを使用してガス圧0.5〜2.0Paのガ
ス圧で約5分間RFマグネトロンスパッタリングを行
う。膜厚は250〜300nmである。PZT成膜前に
ターゲット表面の状態、温度、チャンバ−内環境を一定
とするため約1時間のプレスパッタリングを同じスパッ
タリング条件で行う。Pb量及び結晶化後の構造・電気
特性はこのプレスパッタリングにより大きく変化してし
まう。次に、PZT膜は、RTAを用いて酸素気流中7
50℃、5秒の加熱によりペロブスカイト相を結晶化さ
せる。このPZT膜の結晶構造をX線で調べたところ、
ペロブスカイト相で(111)面からの非常に強い反射
が得られた。微細構造での観察結果では0.5〜1.5
μm径のPZT粒子がPt膜上の部分6bに形成されて
おり、膜表面の平滑性もよかった。しかし、Ti変性層
5上の部分6aはTiがペロブスカイトの核生成サイト
となるために粒径小さくなっている。
【0025】PZT膜6の成膜については、とくにこの
スパッタリング法に制限するものではなく、室温成膜後
に結晶化させる方法、半導体基板加熱を行い成膜と同時
に結晶化させる方法、多元の金属ターゲットを使用した
多元反応性スパッタリング法、モザイク状に各種金属を
組み合わせて作製した複合金属ターゲットを使用した反
応性スパッタリング法、その酸化物ターゲットと組み合
わせたスパッタリング成膜や酸化物ターゲットの多元ス
パッタリング法なども採用することができる。PZT膜
6上にさらに上部電極7としてPt膜を成膜させる。成
膜条件は下部電極4のPt膜を形成する場合と同じDC
スパッタリング法である。上部電極7のパターンは、R
IE装置を用いて、Arと塩素(Cl)系を主体とした
ガス中でエッチングを行い、微細パターンを形成する。
キャパシタの上部電極7のパターンをPt膜(下部電極
4)上にポジティブフォトレジストで形成し、これをマ
スクとしPt膜のエッチングを行う。Ptは低温で蒸気
圧の高い化合物がないためドライエッチングが難しく、
RIEの場合にもArによる物理的エッチング作用に化
学的作用が加わるように塩素系ガスの添加などが試みら
れている。
【0026】また、このように蒸気圧の低い元素を含む
膜をドライエッチングする際にはエッチング後にエッチ
ングに使用したマスク材の側壁に被エッチング物質が付
着しリ−ク電流の増大、上部絶縁膜異常など特性劣化を
引き起こす。例えば、Pt膜のエッチングではマスクと
して使用するフォトレジストパタ−ンの側壁にPtが再
付着しフェンスと呼ばれる壁構造をキャパシタの上に形
成する。これを防止するには主として、できたフェンス
状の壁構造を超音波などを使用して洗浄し機械的に除去
する方法、マスクパタ−ンであるフォトレジストの側面
にテ−パをつけドライエッチングの際に形成されるフェ
ンスもエッチング除去する方法などが採られる。前者の
場合は、機械的に剥離したPtが周辺に付着する確率が
高く特に微細化が進んだ際に問題となる。一方、後者
は、マスクにつけたテ−パ形状が加工される上部電極に
も影響を及ぼしテ−パのついたエッチング形状となるた
め、横方向のマ−ジンを多くとる必要があり微細化時に
問題がある。現状では強誘電体メモリの集積度がDRA
Mなどのメモリと比較して小さいことから後者の方が採
られる場合が多い。
【0027】PZT膜は、上部のPt膜をマスクとして
RIEを行う。ガスはAr+CF4などの弗化炭素系ガ
スを混入させ反応性エッチングを促進させる。上部マス
ク材のエッチング作用が大きく上部電極がエッチングさ
れるという問題の除去が必要な時にはPZTエッチング
用として再度フォトレジストマスクを形成してエッチン
グを行う。下部電極部もPZTと同様にエッチングを行
えばよい。以上のように加工を行ったキャパシタに対し
てキャパシタを被覆するSi02 絶縁膜の成膜、コンタ
クトを形成するためのドライエッチング加工、アルミニ
ウム(Al)上部多層配線の形成などのプロセスを施
す。層間絶縁膜の形成、酸化ドライエッチング加工、バ
リア金属形成、Al配線形成などのプロセスは標準のも
のでよい。RIEや絶縁膜成膜後のプラズマ、雰囲気な
どによる強誘電特性への劣化を回復することと、電極と
の密着性を向上させるためにAl配線プロセス前に60
0℃で酸素中1時間のアニ−ル処理を施しても良い。
【0028】図2は、図1に示す半導体基板上のキャパ
シタ領域を示す平面図及びその回路図である。図2に示
すようにキャパシタは、Ti変性層5上の部分6aのキ
ャパシタ領域(C1)と粒径の大きいPt膜上の部分6
bのキャパシタ領域(C2)との並列構造になってい
る。図6は、PZT膜のキャパシタ領域C1及びキャパ
シタ領域C2の強誘電特性を表わすヒステリシス特性で
ある。図に示すように、キャパシタ領域C1の抗電圧V
c1は、キャパシタ領域C2の抗電圧Vc2より大きい(V
c1>Vc2)。
【0029】次に、この方法で形成した抗電界の異なる
キャパシタを並列に接続した構造の特性を示す。上部電
極Vに10Vを印加して分極を一方向にそろえた後に逆
方向に約3Vを印加させると、まず、Ti変性層を成膜
しない方の部分(キャパシタ領域C2)のPZT膜の分
極反転が起こり、反転電流が流れる。さらに、この状態
から4Vを印加することでTi変性層をつけた部分(キ
ャパシタ領域C1)のPZT膜の分極反転が生じ、反転
電流が流れる。また、最初から7Vの電圧を印加するこ
とにより両方のキャパシタ分の反転電流を検出すること
が可能である。また、抗電圧の低い方のPZT膜のみに
−3Vを印加して7Vで読み出すと抗電圧の大きい部分
の反転電流が主として検出できる。このように実質的に
キャパシタ部分の抗電圧を複数もつキャパシタを作製す
ることになり、印加する電圧の大きさ、セットした分極
の状態により、図3に示すように、複数の電流レスポン
スを得ることができる。このようなメモリセルを用いる
ことによって強誘電体メモリセルの微細化が可能とな
り、高密度なFeRAMを実現させることができる。図
3は、縦軸がスイッチング電流、横軸が印加電圧を示す
電流−電圧特性図である。電流ピークが2つあるのでメ
モリの多値化ができる。
【0030】また、図4に示すように、キャパシタの誘
電体膜であるPZT膜6は、PZT膜部分6aがPZT
膜部分6b領域を囲むような形状であっても良い。図4
は、キャパシタの誘電体膜に使用されるPZT膜の平面
図である。次に、図5及び図6を参照して第2の実施例
を説明する。第1の実施例では共通電極キャパシタ構造
を用いたが、この実施例では、別々の電極をもつキャパ
シタを並列に接続する構造となっている。下部電極2
4、24′は、1つのシリコンなどの半導体基板21に
Ti接合層(図示しない)を介して形成されている。下
部電極24′上にはTi変性層(図示しない)が形成さ
れている。下部電極24及びTi変性層の上に同じ組成
のPZT膜26、26′が形成される。PZT膜26、
26′の上には上部電極27、27′が形成されてい
る。下部電極24の上にキャパシタCB が形成され、下
部電極24′の上にキャパシタCA が形成されている。
キャパシタCA 、CB は、互いに並列に接続され、それ
ぞれ図6に示すようなヒステリシス特性を有している。
【0031】次に、図7を参照して第3の実施例を説明
する。図7は、キャパシタ部分の半導体基板の断面図で
あり、この実施例では、キャパシタの抗電圧を変えるた
めに強誘電体膜の膜厚を変えている。シリコン半導体基
板31の上にはシリコン酸化膜32がCVD法などによ
り形成されている。下部電極34は、1つのシリコンな
どの半導体基板21上のシリコン酸化膜32にTi接合
層33を介して形成されている。下部電極34上にPZ
T膜36が形成される。PZT膜36は、膜厚(t1)
が厚い部分36aと膜厚(t2)が薄い部分36bとか
ら構成されている。また、PZT膜36の上には上部電
極37が形成されている。PZT膜の厚い部分36aの
上には、キャパシタCD が形成され、PZT膜の薄い部
分36bの上にはキャパシタCE が形成されている。キ
ャパシタCD 、CE は、並列に接続され、それぞれ図6
に示すようなヒステリシス特性を有している。
【0032】また、SBTとPZTなどのように材料を
かえることで抗電界をかえることもできる。いずれの場
合にも抗電圧が異なるキャパシタ構造をもつことが重要
である。また、前の実施例では抗電圧の異なるキャパシ
タ部分を並列に接続した構造についてのべたが、直列に
接続あるいは並列と組み合わせたものも可能である。抗
電圧の異なるキャパシタ構造を直列に接続することで抗
電圧を調節することができる。これらのキャパシタをマ
トリックスのように組み合わせることで複数の抗電圧を
もつキャパシタの並列構造を作製するとさらに多くの反
転電流を単に読み出し電圧をかえることで検出可能とな
る。
【0033】以上の実施例では複数の抗電圧を有するキ
ャパシタを用いて多値化されたメモリを説明したが、本
発明は、上部電極及び下部電極を有する強誘電体薄膜を
用い、それぞれ抗電圧の異なるキャパシタを複数個形成
することにより、1つのチップに特性の異なる複数のキ
ャパシタを実現させることができる。例えば、ICカー
ドにこのチップを搭載すると、1枚で複数の用途を持つ
カードが実現できる。図12は、複数のキャパシタが形
成されたシリコンチップの斜視図である。キャパシタ
は、チップ上にTi膜(接合層)、Pt膜(下部電
極)、PZT膜(強誘電体膜)、上部電極(図示せず)
から構成された構造を有している。このチップは、例え
ば、2.5Vで駆動するキャパシタが形成される2.5
V駆動領域と、1.8Vで駆動するキャパシタが形成さ
れる1.8V駆動領域とに分かれている。この2.5V
駆動領域ではTiの含有割合が多く、抗電圧の大きいP
ZT膜が用いられ、1.8V駆動領域では2.5V駆動
領域よりTiの割合の少ない抗電圧の小さいPZT膜が
使用される。この様に、本発明によれば、特性の異なる
複数のキャパシタが搭載されたチップが得られ、このチ
ップは複数の用途に用いられる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、1つのチップが抗電圧の異な
るキャパシタ構造を複数設ける構造を有することによ
り、キャパシタにかかる電圧を変えて複数設け、空の反
転電流を検出できる。これにより強誘電体メモリセルの
実効密度を増加することができ高密度メモリを実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電体メモリのキャパシタ部分の断
面図。
【図2】本発明の強誘電体メモリのキャパシタ部分の平
面図及び回路図。
【図3】本発明の強誘電体メモリのキャパシタのスイッ
チング特性を示す特性図。
【図4】本発明の強誘電体メモリのキャパシタに含まれ
るPZT膜の平面図。
【図5】本発明の強誘電体メモリのキャパシタ部分の平
面図。
【図6】本発明の強誘電体メモリのキャパシタのスイッ
チング特性を示す特性図。
【図7】本発明の強誘電体メモリのキャパシタ部分の断
面図。
【図8】強誘電体の特徴を示す分極−電圧ヒステリシス
特性図。
【図9】本発明及び従来の1トランジスタ1キャパシタ
構造のFeRAMのセル回路を示す回路図。
【図10】半導体基板上のPtの粒子上にペロブスカイ
トPZT膜の粒子が柱状成長している状態を示す概略
図。
【図11】強誘電性を電荷量Q−印加電圧Vのヒステリ
シス特性で調べた結果を示す特性図。
【図12】本発明を説明するチップの斜視図。
【符号の説明】
1、21,31・・・半導体基板、 2、32・・・
シリコン酸化膜、3、33・・・接合層、 4、2
4、34・・・下部電極、5・・・変性層、 6、6
a、6b、26、26′、36、36a、36b・・・
PZT膜、7、27、27′、37・・・上部電極。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、この半導体基板上に形成
    されたキャパシタとを具備し、前記キャパシタは、上部
    電極及び下部電極に挟まれた強誘電体薄膜を有し、前記
    強誘電体薄膜は、強誘電体特性の異なる複数の領域から
    なることを特徴とする強誘電体メモリ。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、この半導体基板上に形成
    された複数のキャパシタを具備し、前記複数のキャパシ
    タは、それぞれ上部電極及び下部電極に挟まれた強誘電
    体薄膜を有し、前記キャパシタの前記各強誘電体薄膜
    は、それぞれ互いに異なる強誘電体特性を有しているこ
    とを特徴とする強誘電体メモリ。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板は、複数の抗電圧のキャ
    パシタ構造を有していることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の強誘電体メモリ。
  4. 【請求項4】 半導体基板と、この半導体基板に形成さ
    れ、ソース/ドレイン領域の一方がビットラインに電気
    的に接続され、ゲートがワードラインに接続されたMO
    Sトランジスタと、前記半導体基板上に形成され、電極
    の一方が前記ソース/ドレイン領域の他方と電気的に接
    続されたキャパシタとを具備し、前記キャパシタは、上
    部電極及び下部電極に挟まれた強誘電体薄膜を有し、前
    記強誘電体薄膜は、強誘電体特性の異なる複数の領域か
    らなることを特徴とする強誘電体メモリ。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に下部電極を形成させる工
    程と、前記下部電極上の所定の領域に変性層を形成する
    工程と、前記所定の領域を含む下部電極上に強誘電体薄
    膜を形成する工程と、前記強誘電体薄膜上に上部電極を
    設けることによりキャパシタを構成させる工程とを具備
    し、前記強誘電体薄膜の変性層が形成された前記所定の
    領域の強誘電体特性は、他の領域の強誘電体特性とは異
    なっていることを特徴とする強誘電体メモリの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記変性層は、チタン膜から構成された
    ことを特徴とする請求項5に記載の強誘電体メモリの製
    造方法。
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