JP2001093771A - セラミックコンデンサー製造用キャリヤーシート - Google Patents

セラミックコンデンサー製造用キャリヤーシート

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JP2001093771A
JP2001093771A JP26513099A JP26513099A JP2001093771A JP 2001093771 A JP2001093771 A JP 2001093771A JP 26513099 A JP26513099 A JP 26513099A JP 26513099 A JP26513099 A JP 26513099A JP 2001093771 A JP2001093771 A JP 2001093771A
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JP
Japan
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carrier sheet
film
sheet
manufacturing
polyester
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JP26513099A
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Toshiya Koyama
俊也 小山
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて平坦でかつ厚み精度の良いセラミック
グリーンシート薄膜を製造することができ、そしてセラ
ミックグリーンシートの製造工程でのキャリヤーシート
の取り扱いが容易で、特に内部電極埋め込み式の積層コ
ンデンサを製造するのに有用なセラミックコンデンサー
製造用キャリヤーシートを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面または両面
に硬化型シリコーン離形層を設けてなるキャリヤーシー
トであって、該キャリヤーシートを50cm角四方に切
り出して平面状に置いたとき、5mm以上平面から浮上
した部分の面積が全体の面積の10%以下であることを
特徴とするセラミックコンデンサー製造用キャリヤーシ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックコンデン
サー製造用キャリヤーシートに関し、さらに詳しくはセ
ラミックコンデンサーを構成する薄膜で極めて平坦な表
面のセラミックグリーンシート、特に内部電極が埋め込
まれたセラミックグリーンシートを好適に製造すること
ができるキャリヤーシートに関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックコンデンサーは電子機器の小
型化に伴い、近年その使用量の伸びは著しいものがあ
る。特に、移動体通信機器などの小型化、低消費電力化
に伴った使用量の伸びはめざましい。
【0003】従来、このセラミックコンデンサーは、セ
ラミック粉体、溶剤、バインダーおよびその他の添加剤
(可塑剤、分散剤、帯電防止剤など)を適当な機械的分
散方法により均質に分散させたスラリーを流延キャスト
法によりキャリヤーシート上に塗布し、次いで乾燥して
セラミックグリーンシートを作成し、そのシート上に内
部電極を印刷し、所定の大きさに裁断したものを積層、
焼結し、外部電極を取り付けることにより製造してい
た。特に、セラミックグリーンシートを形成させる段階
での厚さの精度が、最終的なチップコンデンサーの電気
的性質に大きく影響を与えるため、スラリーの調製のみ
ならずキャリヤーシートに対しても、表面の異物、均一
平面性、厚み均一性など高精度の表面特性が要求されて
きた。また、電子機器の小型化に伴って、コンデンサー
自体も小型化されてきたため、1層のセラミックグリー
ンシートの厚みは数μm程度まで薄層化する必要があ
り、従来よりもキャリヤーシート表面の平面性、平坦性
に対し要求が厳しくなってきた。
【0004】また、コンデンサーの高容量化に伴い、電
極を形成したセラミックグリーンシートを200層以上
も積層するようになり、従来の内部電極印刷法では内部
電極部分のみ厚みが厚くなり、積層後の形状に歪みが発
生したり積層精度が高くできないなどの問題が生じてい
る。このため、特開平10−23337号公報、特開平
10−335177号公報に開示されている如く、セラ
ミックグリーンシートに内部電極を埋め込む形状のシー
トを積層する技術が開発されている。この形状のセラミ
ックグリーンシートの厚みは2〜5μmと薄く、多層に
積層されるので従来以上に厚み精度を要求される。さら
に、これに埋め込まれる内部電極は、1μm以下の極め
て薄層のものをスクリーン印刷法、感光性樹脂塗設法で
形成する。従って、内部電極埋め込み法に用いられるセ
ラミックグリーンシートを製造するためのキャリヤーシ
ートも、従来以上の平面性および平坦性が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を改良し、極めて平坦でかつ厚み精度
の良いセラミックグリーンシート薄膜を製造することが
でき、そしてセラミックグリーンシートの製造工程での
キャリヤーシートの取り扱いが容易で、特に内部電極埋
め込み式の積層コンデンサを製造するのに有用なセラミ
ックコンデンサー製造用キャリヤーシートを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フィルムの片面または両面に硬化型シリコーン離形層を
設けてなるキャリヤーシートであって、該キャリヤーシ
ートを50cm角四方に切り出して平面状に置いたと
き、5mm以上平面から浮上した部分の面積が全体の面
積の10%以下であることを特徴とするセラミックコン
デンサー製造用キャリヤーシートである。
【0007】さらに、上記ポリエステルフィルムの厚み
斑が、長手方向1mあたり、2μm以下、かつ長手方向
と直交する方向で2μm以下であることが好ましい。
【0008】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。この
ポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形
成性、特に溶融成形によるフィルム形成性を有する。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジ
カルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラ
センジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリ
コールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素
数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4−
シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を
挙げることができる。
【0009】本発明においては、ポリエステルとしては
アルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレン−
2,6−ナフタレートを主たる構成成分とするものが好
ましい。
【0010】これらポリエステルの中、特にポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80
モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフ
タレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸お
よび/または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の上
記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばア
ジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シ
クロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカ
ルボン酸等であることができる。また全グリコール成分
の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリ
コールであることができ、また例えばハイドロキノン、
レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキ
シジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオー
ル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキ
レングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等
であることもできる。
【0011】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分および
オキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共
重合あるいは結合するものも包含される。
【0012】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸または
ポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタ
エリスリトール等を共重合したものも包含される。
【0013】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
上記ポリエステルとしては、o−クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜
0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさら
に好ましく、0.55〜0.65のものが特に好まし
い。
【0014】本発明においては、フィルム基材としてポ
リエステルフィルムを用いるが、透明性が要求される用
途には透明性の良好なポリエステルフィルムを用いるこ
とが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好
ましい。また、遮光性が要求される用途には無機顔料を
配合したポリエステルフィルムを用いることが好まし
く、TiO2、SiO2等の如き顔料を配合した二軸延伸
ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0015】上記のポリエステルには、フィルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜25μm程度、更に好ましくは0.01〜2μm
程度の有機や無機の微粒子を、例えば0.005〜2重
量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%の配合割
合で含有させることができる。かかる微粒子の具体例と
しては、炭酸カルシウム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸
バリウム等の無機粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架
橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機
粒子を挙げることができる。或いはポリエステルの合成
反応に使用した触媒残査から微粒子を析出させることに
より、フィルム表面に微細な凹凸を形成させ、フィルム
の滑り性を良好なものとすることができる。
【0016】本発明においては、これらの微粒子は、ポ
リエステルへ添加する前に、精製プロセスを用いて、粒
径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精製プロ
セスの工業的手段としては、例えば乾式もしくは湿式遠
心分離法や風力分級法等が挙げられる。なお、これらの
手段は2種類以上を併用し、段階的に精製することが特
に好ましい。
【0017】また、ポリエステルにはその他の改良剤を
配合することができる。例えば帯電防止剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスルホン酸塩
基を有する化合物等を含有させることができる。これら
の改良剤を含まないポリエステルも用いることができ
る。
【0018】本発明におけるポリエステルフィルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステル
を乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、
I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して
未延伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを二軸方
向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造す
ることができる。フィルムの厚みは特に制限するもので
はないが、5〜250μmが好ましい。
【0019】本発明においては、ポリエステルフィルム
の片面または両面にシリコーン離形層を設けるが、ポリ
エステルフィルムと離形層の接着性を向上させるため両
層の間にアンカーコート層を設けても良い。かかるアン
カーコート層としては、シランカップリング剤を好まし
く用いることができる。シランカップリング剤として
は、一般式Y−Si−X3で示されるものを挙げること
ができる。ここで、Yはアミノ基、エポキシ基、ビニル
基、メタクリル基、またはメルカプト基等で代表される
官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官
能基を示す。アンカーコート層の厚みは0.01〜5μ
mの範囲が好ましく、0.02〜2μmの範囲であるこ
とが特に好ましい。
【0020】本発明における離形層は、硬化型シリコー
ン樹脂により形成される。硬化型シリコーン樹脂として
は、一般に離形剤として知られたものを用いることがで
き、例えば「シリコーン材料ハンドブック」(東レダウ
コーニング編、1993.8)等に記載の公知なものの
中から選んで使用することができる。例えば、信越シリ
コーン(株)製KS−847(H)、KS−776、東
芝シリコーン(株)製TPR−6700等を挙げること
ができる。これらの硬化方式としては熱または放射線硬
化型が一般的である。具体的には下記の硬化方式が挙げ
られる。 (1) 熱縮合反応型:両末端シラノール官能性ジメチルポ
リシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンあ
るいはメチルメトキシシロキサンとを有機錫系触媒の存
在下で反応させたもの。 (2) 熱付加反応型:分子鎖両末端あるいは両末端および
側鎖にビニル基を有するメチルビニルポリシロキサン
と、メチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触
媒の存在下で反応させたもの。 (3) 紫外線硬化型(ラジカル付加型):アルケニル基と
メルカプト基を含有するシロキサンに光重合剤を加えた
もの。 (4) 紫外線硬化型(ヒドロシリル型):熱付加反応型と
同じ白金系触媒を用いたもの。 (5) 紫外線硬化型(ラジカル重合型):(メタ)アクリ
ル基を含有するシロキサンに光重合剤を加えたもの。 (6) 紫外線硬化型(カチオン重合型):エポキシ基を含
有するシロキサンにオニウム塩光開始剤を添加したも
の。 (7) 電子線硬化型:ラジカル重合性基含有シロキサン
(官能基はなくてもよく、また光開始剤がなくてもよ
い)。
【0021】かかる硬化型シリコーン樹脂の形態は、溶
剤型、エマルジョン型、無溶剤型等の中から適宜選択し
て用いることができる。
【0022】本発明における離形層には本発明の目的を
妨げない範囲で公知の各種添加剤を配合することができ
る。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、顔料、
消泡剤、ポットライフ延長剤、架橋剤等を挙げることが
できる。
【0023】本発明においては、ポリエステルフィルム
の少なくとも片面に離形層を設けるが、この離形層は例
えば、下記式(A)で示されるビニル基を有するポリジ
メチルシロキサン、下記式(B)で示されるハイドロジ
ェンシラン系化合物およびPt系化合物を含む塗液をフ
ィルムに塗布し、加熱して乾燥および硬化反応させるこ
とにより設けることができる。この加熱の条件は、例え
ば80〜160℃で10〜120秒間、特に100〜1
50℃で15〜60秒間とすることが、乾燥および硬化
反応が十分なものとなるため好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】上記式(A)中、mおよびnは1以上の数
であるが、mが1〜100、nが20〜5000、m+
nが30〜5000の範囲であると、架橋反応が好適に
進み、耐久性のある層となるため好ましい。上記式
(B)中、aおよびbは1以上の数であるが、aが3〜
200、bが1〜20、5≦a+b≦200の範囲であ
ると、架橋反応が好適に進み、耐久性のある層となるの
で好ましい。なお、上記式(A)および(B)における
くり返し単位数m、n、a、b(下記参照)はブロック
結合を意味しているのではなく、これらは単にそれぞれ
の単位の和がm、nあるいはa、bであることを示して
いるにすぎないと解すべきである。従って、上記式
(A)および(B)における各単位はランダム結合して
いてもよく、またブロック結合していてもよい。
【0026】
【化2】
【0027】なお、塗液の塗布方法としては、公知の任
意の塗工法が適用でき、例えばロールコーター法、ブレ
ードコーター法等を挙げることができるが、これらの方
法に限定されるものではない。また、塗液は有機溶剤を
用いた塗液であっても、水性塗液であってもよいが、ポ
リジメチルシロキサンやハイドロジェンシラン系化合物
を溶解した溶液であることが好ましく、例えばトルエン
等の有機溶剤を用いた塗液であることが好ましい。
【0028】本発明のキャリヤーシートは、50cm角
四方に切り出して平面状に置いたとき、5mm以上平面
から浮上した部分の面積が全体の面積の10%以下であ
る必要がある。
【0029】上記特性の測定は、50cm角四方に切り
出したキャリヤーシートを、水準器により水平に配置し
た測定面(1m四方における凹凸のうねりが1mm以内
の精度を有する)の上に無荷重状態で置き、導電性繊維
で作られたブラシにより測定面とキャリヤーシートの間
の空気をスクイーズした後、1分後にその平面状態を観
察し、5mm以上平面から浮上した部分を、油性インキ
ペンでマーキングし、それをビデオカメラで撮影し、そ
の画像を画像解析装置(ニレコ社製、ルーゼックスF
S)にて解析、その面積を計測し、全体(2500cm
2)に対する割合を計算して求める。
【0030】かかる平面性を満足するには、硬化型シリ
コーン離形層を形成する際、塗膜の乾燥温度および時
間、塗布工程におけるフィルム張力を上記範囲から選択
することで達成できる。
【0031】また、本発明のキャリヤーシートを構成す
るポリエステルフィルムの厚み斑は、長手方向1mあた
り2μm以下、かつ長手方向と直交する方向で2μm以
下であることが好ましい。ここで、厚み斑とは、各方向
に厚みを連続して測定した場合の最大値と最小値の差で
表わす。
【0032】かかる平坦性を満足するには、ポリエステ
ルフィルムを製造する工程において、二軸延伸、配向処
理が終了したフィルムの厚みを幅方向に常時オンライン
測定し、その結果をフィードバックして押出しダイスの
リップヒーターの温度を調節し樹脂流動性を変化させる
ことで、厚み斑を解消するシステムを用いることが好ま
しい。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述する。な
お、実施例中に「部」とあるのは「重量部」を示す。ま
た、本発明における物性値および特性値は、下記の方法
にて測定した。
【0034】(1)剥離強度(ラビングテスト) フィルムの離形層面にポリエステル粘着テープ(ニット
ー31B)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着
し20時間放置後、離形層と粘着テープとの剥離力を引
張り試験機にて測定した。
【0035】(2)残留接着率 ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS
G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS3
04)に貼り付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力
(f0)とした。また、前記ポリエステル粘着テープを
サンプルフィルムの離形層塗設面に貼り合わせ、5kg
の圧着ローラーで圧着し30秒間放置した後粘着テープ
を剥がした。そして、この剥がした粘着テープを上記の
ステンレス板に貼り、該貼合部の剥離力を測定し残留接
着力(f)とした。得られた基礎接着力と残留接着力と
から下記式を用いて残留接着率を求めた。 残留接着率(%)=(f/f0)×100
【0036】(3)平面性 50cm角四方に切り出したキャリヤーシートを、水準
器により水平に配置した測定面(1m四方における凹凸
のうねりが1mm以内の精度を有する)の上に無荷重状
態で置き、導電性繊維で作られたブラシにより測定面と
キャリヤーシートの間の空気をスクイーズした後、1分
後にその平面状態を観察し、5mm以上平面から浮上し
た部分を、油性インキペンでマーキングし、それをビデ
オカメラで撮影し、その画像を画像解析装置(ニレコ社
製、ルーゼックスFS)にて解析、その面積を計測し、
全体(2500cm2)に対する割合を計算して求め
た。
【0037】(4)平坦性 フィルムサンプルの厚みを、接触式連続厚み測定機を用
い、長手方向に1m、その直角方向に全幅分それぞれ測
定し、それぞれの最大値と最小値の差を計算して求め
た。
【0038】(5)グリーンシート精度 電極形成用の導電材組成物として、銀粉末、バインダー
および溶剤をペースト状のインクとしたものを用い、セ
ラミック生材層用の組成物としてチタン酸バリウムを主
成分とするセラミック生材スラリーを用い、セラミック
シート用印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、ロ
ールtoロールタイプ)を用いて、スクリーン印刷および
乾燥を行い、キャリヤーシート上に、電極が印刷された
セラミックグリーンシートが積層されたシートを作成
し、次いでこれを積層機(ニュークリエイト株式会社
製)に導入し、電極が印刷されたセラミックグリーンシ
ートの積層体を作成した。なお、電極1個の大きさは、
3.2mm×0.8mmとし、電極は150mm×15
0mmの大きさに切断された正方形のセラミックシート
の一方向に39列、もう一方の方向に111列、互い違
いに整列するように配置した。セラミック生材層の乾燥
後の厚みは5μmに設定した。セラミックシートの積層
数は80層とした。1枚づつ積み重ねるときの圧力は2
2kg/cm2(5000kg/(150mm×150
mm))とし、高圧プレス時の圧力は180kg/cm
2に設定した。この積層体の断面を光学顕微鏡(50
倍)にて観察し、層間の隙間および電極の形状を観察
し、以下の基準で評価した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 層間の隙間 電極の形状 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○ 隙間なし 一定厚みの電極が形成されている × 隙間あり 電極の形状に差が見られるか欠陥が見られる −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】[実施例1、比較例1、2]ジメチルテレ
フタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触
媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチ
モンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1の
ポリエステル層Bに示す添加粒子を添加して、常法によ
り重合し、固有粘度(o−クロロフェノール、35℃)
0.56の、ポリエチレンテレフタレートを得た。この
ポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で3
時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜
300℃で溶解し、表面仕上げ0.3s、表面温度20
℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み520μmの未延
伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィ
ルムを75℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で1
5mm上方より800℃の表面温度のIRヒーター3本
にて加熱して3.2倍に延伸し、急冷し、続いてステン
ターに供給し、120℃にて横方向に4.3倍に延伸し
た。得られた二軸配向フィルムを230℃の温度で5秒
間熱固定し、厚み38μmの熱固定二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。その際、二軸延伸、配向処理が終了
したフィルムの厚みを幅方向に常時オンライン測定し、
その結果をフィードバックして押出しダイスのリップヒ
ーターの温度を調節し樹脂流動性を変化させることで、
厚み斑を解消するシステムを用いた。なお、上記製膜工
程において、縦延伸が終了した一軸延伸フィルムが横延
伸に入る直前の位置で、ポリエステルフィルムの片面
に、離形層のアンカーコート層として、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの3重量%水溶液(界面
活性剤を含有)を5g/m2(wet)の量を塗布し乾
燥した。そして、このアンカーコート層の表面に、ポリ
ジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランの
混合溶液に白金触媒を加えて付加反応させるタイプの硬
化型シリコーン樹脂(信越シリコーン株式会社製、商品
名KS−847(H))をメチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンおよびトルエンの混合溶剤中に溶解さ
せたシリコーン樹脂塗液を塗布量(wet)8g/m2
で塗布し、130℃、30秒の条件で乾燥、硬化処理し
て塗膜厚み0.24μmのキャリヤーシートを得た。な
お、比較例1は乾燥温度を180℃に変更し、比較例2
は、製膜工程の厚み斑解消システムを用いずに製膜し
た。これらのキャリヤーシートの特性を表1に示す。
【0040】[実施例2]ポリエチレンテレフタレート
に代えて、固有粘度0.62(25℃、o−クロロフェ
ノール)のポリエチレン−2,6−ナフタレートを用い
る以外は実施例1と同じ方法でキャリヤーシートを得
た。このキャリヤーシートの特性を表1に示す。
【0041】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離強度 残留接着率 平面性 平坦性(*) ク゛リーンシート精度 MD TD 層間隙間 電極 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 3g/in ch 96% 1%以下 1.8 1.3 ○ ○ 実施例2 4g/in ch 92% 1%以下 1.9 1.2 ○ ○ 比較例1 5g/in ch 97% 12% 1.8 1.4 ○ × 比較例2 4g/in ch 95% 2% 3.0 2.2 × ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平坦性(*) MD:長手方向 TD:直交方向 表1から明らかなように、実施例のキャリヤーシート
は、平面性および平坦性に優れ、これらから製造される
内部電極埋め込み式の積層コンデンサ中の、内部電極の
形状も安定しており、良好な電気特性を示すコンデンサ
が製造可能である。これに対して、比較例のキャリヤー
シートは、これらから製造される積層コンデンサ中、セ
ラミックグリーンシートの積層面や内部電極に欠陥が見
られ、内部電極埋め込み式の積層コンデンサ製造用とし
ては適さない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、極めて平坦でかつ厚み
精度の良いセラミックグリーンシート薄膜を製造するこ
とができ、そしてセラミックグリーンシートの製造工程
でのキャリヤーシートの取り扱いが容易で、特に内部電
極埋め込み式の積層コンデンサを製造するのに有用なセ
ラミックコンデンサー製造用キャリヤーシートを提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB03 AC09 AE02 AE03 AH00 AH01 AH05 AH06 AH08 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BC38 BC40 EE04 EE23 EE35 FG06 FG26 FG27 LL02 LL03 MM22 MM24 MM40 PP09 PP10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの片面または両面
    に硬化型シリコーン離形層を設けてなるキャリヤーシー
    トであって、該キャリヤーシートを50cm角四方に切
    り出して平面状に置いたとき、5mm以上平面から浮上
    した部分の面積が全体の面積の10%以下であることを
    特徴とするセラミックコンデンサー製造用キャリヤーシ
    ート。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムの厚み斑が、長手
    方向1mあたり、2μm以下、かつ長手方向と直交する
    方向で2μm以下である請求項1記載のセラミックコン
    デンサー製造用キャリヤーシート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140083900A (ko) 2012-12-26 2014-07-04 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 세라믹 그린 시트 및 그 제조방법

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KR20140083900A (ko) 2012-12-26 2014-07-04 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 세라믹 그린 시트 및 그 제조방법

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