JP2001092160A - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2001092160A
JP2001092160A JP27231499A JP27231499A JP2001092160A JP 2001092160 A JP2001092160 A JP 2001092160A JP 27231499 A JP27231499 A JP 27231499A JP 27231499 A JP27231499 A JP 27231499A JP 2001092160 A JP2001092160 A JP 2001092160A
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Masanari Asano
真生 浅野
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有す
る樹脂層の性能を長期にわたって保持し、膜厚減耗量が
少なく、画像濃度が高く、カブリ、画像ボケ、黒ポチの
特性が良く、接着性が良い電子写真感光体と、それを用
いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリ
ッジを提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
脂層からなる塗布層を有する電子写真感光体において、
前記支持体上に設けられた塗布層全層に含有されるハロ
ゲン含有量が5000ppm(重量/重量)以下であ
り、前記樹脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する
層からなることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体と
それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセス
カートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル信号処理されたデータを
書き込むため、有機感光体上にドット光露光して静電潜
像を形成し、反転現像方式により画像形成を行う電子写
真画像形成方法が盛んに行われるようになった。
【0003】このような方式に用いられる電子写真感光
体には長期の使用にわたって安定でかつ高い解像度を要
する書き込みにも対応できることが要求される。通常、
有機感光体(OPCということもある)は無機感光体に
比べて材料選択の幅が広いために種々の露光光源への対
応が容易で、かつ電位安定性に優れる点から特に高画質
を要求されるプロセスには必須の技術とされてきた。
【0004】一方で有機感光体は強度的に弱く、感光層
の減耗や傷による欠陥が発生し易く、耐久性の面で改良
が求められてきた。表面強度に優れるシロキサン系樹脂
を架橋させて得られる保護層は、有機感光体で、従来問
題とされてきた傷や摩耗に対する耐久性を向上させるこ
とができる技術として注目されている。
【0005】近年、特開平9−190004号公報に記
載の如く、電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキ
サン系樹脂を含有する樹脂層を有する感光体が研究され
ている。これは強度特性及び電気的特性に優れ、従来有
機感光体の欠点であった強度特性を大幅に改善できるも
のであるが、未だ耐久性、画質の点で不十分である。
【0006】即ち、電子写真プロセスにおいては帯電や
転写・分離電極でオゾンやNOxなどの酸化性ガスが発
生し、これが感光層中の電荷輸送物質を劣化させること
が知られている。酸化を受けた感光体は帯電性の低下や
光感度の低下を招き、その結果カブリや濃度低下といっ
た画像不良が発生する。しかしながら、従来の感光体で
は適度な感光層の摩耗が発生するため最も劣化を受ける
最表面が適度に擦過され劣化物や表面汚染物資が除去さ
れ、見た目の劣化を抑制してきた。電荷輸送性能を有す
る構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を
有する感光体は、本来のシロキサン系樹脂の強度特性と
電荷輸送性能を有する構造単位の存在により電子写真特
性を向上させることができる。しかし、長期保存により
初期の電子写真特性が、なおやや劣化していき、実用上
充分な耐久性が保持できないことが明らかとなった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、架橋
構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層の性能
を長期にわたって保持し、膜厚減耗量が少なく、画像濃
度が高く、カブリ、画像ボケ、黒ポチの特性が良く、接
着性が良い電子写真感光体と、それを用いた画像形成装
置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
に対して検討した結果、前述の樹脂層が電荷輸送性能を
有する構造を含み、且つ感光体のハロゲン含有量が10
00ppm以下であることにより、樹脂層の劣化を有効
に防止できることを見いだし本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採ることにより達成される。
【0010】〔1〕 導電性支持体上に少なくとも感光
層、樹脂層からなる塗布層を有する電子写真感光体にお
いて、前記支持体上に設けられた塗布層全層に含有され
るハロゲン含有量が5000ppm(重量/重量)以下
であり、前記樹脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有す
る層からなることを特徴とする電子写真感光体。
【0011】〔2〕 導電性支持体上に少なくとも感光
層、樹脂層からなる塗布層を有する電子写真感光体にお
いて、前記支持体上に設けられた塗布層全層に含有され
るハロゲン含有量が5000ppm(重量/重量)以下
であり、前記樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有す
る有機ケイ素化合物と電荷輸送性能を有する構造単位を
含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を含有する層であることを特徴とする
電子写真感光体。
【0012】〔3〕 前記樹脂層が下記一般式(1)で
表される架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する
ことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の電子写真感光
体。
【0013】
【化2】
【0014】(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単
位、Zは二価以上の任意の連結基を表す。) 〔4〕 前記一般式(1)のZが、置換若しくは未置換
のアルキレン基、アリーレン基であることを特徴とする
〔3〕記載の電子写真感光体。
【0015】〔5〕 前記一般式(1)のZが、隣接す
る結合原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有す
る構造単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた二価
以上の原子又は基であることを特徴とする〔3〕記載の
電子写真感光体。
【0016】〔6〕 前記一般式(1)のZが、O、
S、NRであり、RはH又は一価の有機基であることを
特徴とする〔5〕記載の電子写真感光体。
【0017】〔7〕 導電性支持体上に少なくとも感光
層、樹脂層を有する電子写真感光体において、前記支持
体上に設けられた全層に含有されるハロゲン含有量が1
00ppm以下であり、前記電子写真感光体が樹脂層を
有し、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化
合物と水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を
含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を含有する層を有することを特徴とす
る電子写真感光体。
【0018】〔8〕 前記導電性支持体上の塗布層の塗
布溶媒がハロゲンフリー溶媒であることを特徴とする
〔1〕〜〔7〕の何れか1項記載の電子写真感光体。
【0019】
〔9〕 前記樹脂層に有機微粒子または無
機微粒子を含むことを特徴とする〔1〕〜〔8〕の何れ
か1項記載の電子写真感光体。
【0020】〔10〕 前記樹脂層に酸化防止剤を含有
することを特徴とする〔1〕〜
〔9〕の何れか1項記載
の電子写真感光体。
【0021】〔11〕 前記樹脂層が最外層であること
を特徴とする請求項〔1〕〜〔10〕の何れか1項記載
の電子写真感光体。
【0022】〔12〕 〔1〕〜〔11〕の何れか1項
記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転
写、クリーニングの工程を有することを特徴とする画像
形成方法。
【0023】〔13〕 〔1〕〜〔11〕の何れか1項
記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転
写、クリーニングの工程を経て画像形成することを特徴
とする画像形成装置。
【0024】〔14〕 電子写真感光体を用い、帯電、
像露光、現像、転写、クリーニングの工程を経る画像形
成に使用するプロセスカートリッジにおいて、〔1〕〜
〔11〕の何れか1項記載の電子写真感光体と、帯電
器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少な
くとも何れか1つとを組み合わせて造られていることを
特徴とするプロセスカートリッジ。
【0025】本発明の如く、ハロゲンの含有量を低く抑
えた電子写真感光体の塗布層は、耐摩耗性が良い他、下
層との接着性、電子写真性能が良い理由については、必
ずしも明かではない。又、特に解析されているわけでは
ないが、推測するに、残留ハロゲンの為、シリコーンハ
ードコート系材料の一部結合が攻撃され、分子量の低下
等が発生していると推測された。この為耐摩耗性の減少
の他、下層との接着性、電子写真性能、画質の低下等が
起きてくるものと推測している。
【0026】又、ハロゲンは近年問題とされているオゾ
ン層の破壊やダイオキシン等の有害物質の発生源となる
ものと認識されている。この為いわゆる環境に対して優
しい電子写真感光体も要求されてきているが、その目的
にも本発明の構成は適合したものといえる。
【0027】支持体上の全層に含まれるハロゲン含有量
は5000ppm以下、好ましくは1000ppm以
下、更に好ましくは300ppm以下が良い(含有量は
全層に対しての重量比)。ハロゲンとしてはF、Cl、
Br、I等があるが、Clが特に問題となる。
【0028】ハロゲンの検出法としては、支持体より塗
布層を剥離し、常法により分析する。例えば吸光光度
法、イオン電極法等が良い。
【0029】ハロゲンの混入は、従来電荷輸送層(CT
L)溶媒として用いられている塩化メチレン、エチレン
クロライド、モノクロルベンゼン等の含ハロゲン塗布溶
媒の残留の他、使用物質、例えばハロゲン含有バインダ
ー、電荷輸送物質(CTM)等、あるいは不純物として
の混入が考えられる。
【0030】中でも比較的多量に残留しやすいCTL溶
媒が重要である。本発明の目的を達成するには、バイン
ダー樹脂のポリマー、特にポリカーボネ−トの溶解性に
優れるジオキソラン、テトラヒドロフラン(THF)、
ジオキサン等の非ハロゲン溶媒を用いるのが望ましい。
特にジオキソラン、THFが好ましく、更にトルエン、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、ア
セトン等の補助溶媒を加えた混合溶媒の形で用い、塗布
性、乾燥性等を改良しても良い。これらのハロゲンフリ
ー溶媒はいわゆる環境に優しい溶媒として近年脚光を浴
びている。
【0031】以下本発明の感光体(特には、電荷輸送
層)を形成するための塗布液の溶媒として用いられるジ
オキソラン又はジオキソラン誘導体について説明する。
【0032】〈ジオキソラン又はジオキソラン誘導体〉
上記ジオキソラン又はジオキソラン誘導体は、環状5員
環エーテル化合物であって、分子内に互いに隣合ってい
ない酸素原子2個を含むジオキソラン核を有する化合物
であり、具体的には下記一般式で表されるものが好まし
く用いられる。
【0033】
【化3】
【0034】(式中、R1〜R6は水素原子又は炭素原子
数1〜4の置換、無置換の炭化水素基或いはアルコキシ
基を表す。又、R5とR6或いはR1〜R4の少くとも2個
の基が結合して環を形成してもよい。) 上記炭化水素基の置換基としては任意のものでよいが、
好ましくは各々炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アシ
ル基、アシルオキシ基或いはヒドロキシル基が挙げられ
る。又、R5とR6或いはR1〜R4の少なくとも2個が結
合して形成される環としては、任意のものでよいが、好
ましくは5〜6員の芳香環(例えばベンゼン環)又は、
非芳香環(例えばシクロヘキサン環)が挙げられる。
【0035】これらの内、R1〜R6の何れかが水素原子
であるものが好ましく、R1〜R6のすべてが水素原子で
あるものが特に好ましい。
【0036】また、本発明に用いられる上記ジオキソラ
ン又はジオキソラン誘導体の沸点は、常圧で70〜20
0℃が好ましく、さらに好ましくは沸点150℃以下で
あり、特に70〜130℃のものが好ましい。
【0037】ここで、沸点が200℃を越えると乾燥工
程が長くなり、コスト的に不利になり、通常の乾燥工程
でやろうとすると、残留溶媒量が大きくなる。また、沸
点が70℃未満だと乾燥時に乾燥速度が早くなるため、
気流の影響を受け易く、均一な塗膜が得られにくい。
【0038】次に本発明に好ましく用いることのできる
具体的化合物例を下記に示す。
【0039】
【化4】
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】本発明の樹脂層は、非感光性で感光性層の
間又はその上に塗設された層である。本発明の目的を達
成するには、通常感光体の最上層に設けるのが好まし
い。しかし、感光体の他の性能の関係から、更にその上
にオーバーコート層を設けても良い。
【0044】又、本発明の樹脂層は、シロキサン系樹脂
を上記本発明の目的を達成するに必要な量含有されてい
る必要があるが、同時に他の機能を付与するための物質
(例えば、有機・無機の微粒子又は後述する酸化防止剤
等)が含有されていても良い。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明に用いられる電子写
真感光体について詳細に説明する。
【0046】本発明において、電荷輸送性能を有する構
造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
に於けるシロキサン系樹脂は公知の方法により、即ち水
酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用
いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式
(A)〜(D)の化学式で示される。
【0047】
【化8】
【0048】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Y1〜Y4は水酸基又は
加水分解性基を表す。) 上記一般式中のY1〜Y4が加水分解性基の場合は、加水
分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチル
ケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プ
ロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエ
トキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に
炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリ
ル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシ
ドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピ
ル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリ
ロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロ
キシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プ
ロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の
含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−ク
ロロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロピル、ノ
ナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の
含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等
を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機
基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0049】前記シロキサン系樹脂の原料として用いら
れる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結
合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素
化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4
のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4
では高度に架橋反応を進めることが可能である。従っ
て、これらをコントロールすることにより得られる塗布
層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来
る。
【0050】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0051】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とそ
の後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元
網目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を意味する。
【0052】又、前記シロキサン系樹脂は水酸基或いは
加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架
橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよ
い。
【0053】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電子或いは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する
化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単位)をシロキ
サン系樹脂中に部分構造として組み込んだものである。
具体的には本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は一般的に
電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性
化合物又はCTMとも云う)を該シロキサン系樹脂中に
部分構造として有している。
【0054】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示
す構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基であり、又別
の定義としてはTime−Of−Flight法などの
電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に
起因する検出電流が得られる構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基として表現することもできる。
【0055】以下にシロキサン系樹脂中に有機ケイ素化
合物との反応により電荷輸送性能を有する構造単位を形
成することのできる電荷輸送性化合物について説明す
る。
【0056】例えば正孔輸送型CTM:オキサゾール、
オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダ
ゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリ
ジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリ
ン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾ
チアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾ
フラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレ
ン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前
記シロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0057】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0058】本発明において、好ましい電荷輸送性能を
有する構造単位は、前記の如き通常用いられる電荷輸送
性化合物の残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する
炭素原子又はケイ素原子を介して下記式中のZで示され
る連結原子又は連結基に結合し、Zを介してシロキサン
系樹脂中に含有される。
【0059】
【化9】
【0060】(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単
位、Zは二価以上の任意の連結基を表す。) 好ましくは前記一般式(1)のZが、隣接する結合原子
(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造単位
の一部を構成する炭素原子C)を除いた二価以上の原子
又は基である。
【0061】但し、Zが3価以上の原子の時は式中のS
iとC以外のZの結合手は結合が可能な樹脂中のいずれ
かの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と
連結した構造(基)を有する。
【0062】又、前記一般式の中で、Z原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましく、基としては置換又は非置換のアルキレン基或
いはアリーレン基が良い。
【0063】ここで、Zが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される(Rは水素原子又は一価の
有機基である)。
【0064】電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中で
は一価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と
反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基
を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリ
ンク基として接合してもよく、単にペンダント基として
接合していてもよい。
【0065】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送性能を有する化合物中に導入された水酸基、
メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を
有する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロ
キサン系樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分
構造として取り込む連結基である。
【0066】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0067】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送性能を有し、且つ水酸基を有している化合物であれば
よい。
【0068】X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0069】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能を有する構造単位=Xとして有し、前記X
を構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたア
ルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物
が好ましく用いられる。
【0070】1.トリアリールアミン系化合物
【0071】
【化10】
【0072】
【化11】
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】2.ヒドラジン系化合物
【0076】
【化14】
【0077】
【化15】
【0078】
【化16】
【0079】3.スチルベン系化合物
【0080】
【化17】
【0081】
【化18】
【0082】
【化19】
【0083】4.ベンジジン系化合物
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】5.ブタジエン系化合物
【0087】
【化22】
【0088】6.その他の化合物
【0089】
【化23】
【0090】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。
【0091】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物と
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカ
プト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬
化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成するこ
とが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙
げることができるが、下記構造に限定されるものではな
く、電荷輸送性能を有し、且つメルカプト基を有してい
る化合物であればよい。
【0092】X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0093】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0094】
【化24】
【0095】
【化25】
【0096】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。
【0097】アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送性能を有し、且つアミノ基を有している化合物であれ
ばよい。
【0098】X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0099】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0100】
【化26】
【0101】
【化27】
【0102】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0103】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。
【0104】ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合
物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化
合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形
成することが出来る。
【0105】 X−(−Z−Si(R113-a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基で
あり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル
基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基
を示し、Zは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリ
ーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を
示す。) その中で代表的なものを挙げれば下記の如くである。
【0106】
【化28】
【0107】
【化29】
【0108】
【化30】
【0109】前記シロキサン系樹脂の形成原料:前記一
般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)組
成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1
モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用
いることが好ましい。
【0110】またコロイダルシリカ(E)を添加する場
合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量
100部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが
好ましい。
【0111】また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシ
リカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電
荷輸送性化合物(F)の添加量は、前記(A)+(B)
+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(F)を
1〜500重量部を用いることが好ましい。前記(A)
+(B)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層は架橋密
度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+(B)成分
が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い
樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリカ成分の過
不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向がみられる。
一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層の電
荷輸送性能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、
(F)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の膜強度が弱
くなる傾向がみられる。
【0112】本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構
造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を
形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分
解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進
させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構
造を形成する事もできる。
【0113】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する
組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成すること
が出来る。
【0114】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0115】次に、本発明の電子写真感光体は酸化防止
剤を含有するのがこのましい。酸化防止剤とは、その代
表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存
在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件
下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物
質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0116】(1)ラジカル連鎖禁止剤 ・フェノール系酸化防止剤 ヒンダードフェノール系 ・アミン系酸化防止剤 ヒンダードアミン系 ジアリルジアミン系 ジアリルアミン系 ・ハイドロキノン系酸化防止剤 (2)過酸化物分解剤 ・硫黄系酸化防止剤 チオエーテル類 ・燐酸系酸化防止剤 亜燐酸エステル類 尚、ヒンダードフェノール系とは、フェノール性OH基
ないしはフェノール性OHのアルコキシ化基のオルト位
にかさ高い有機基を有する化合物であり、ヒンダードア
ミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物
である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があ
り、例えばt−ブチル基が好ましい。
【0117】上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジ
カル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或
いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0118】又、2種以上のものを併用してもよく、例
えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と
(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。
【0119】本発明において、更に好ましいものとして
は、分子中に上記ヒンダードアミン構造を有するものが
画像ボケ防止や黒ポチ対策等の画質改善に良く、別の態
様として、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダード
アミン構造単位を分子内に含んでいるものも同様に好ま
しい。
【0120】本発明において好ましく用いられるヒンダ
ードフェノール系及びヒンダードアミン系酸化防止剤と
して、下記一般式〔A〕及び〔B〕を構造単位として有
する化合物がある。
【0121】
【化31】
【0122】式中、R1、R2、R3及びR4は各水素原子
又はアルキル基、アリール基を表し、Zは含窒素脂環を
構成するに必要な原子団を表す。またR1、R2の組及び
3、R4の組の夫々の組においてその1つはZの中に組
込まれて二重結合を与えてもよい。
【0123】更に、R5は分岐状アルキル基、R6、R7
及びR8はそれぞれ水素原子、ヒドロキシ基、アルキル
基又はアリール基を表し、R6、R7及びR8は相互に連
結して環を形成してもよい。
【0124】R9は水素原子、アルキル基又はアルキリ
デン基を表す。
【0125】前記R1、R2、R3及びR4は好ましくは炭
素数1〜40個のアルキル基であって、該アルキル基は
置換基を有してもよく、置換基としては、例えばアリー
ル基、アルコキシ基、カルボン酸基、アミド基、ハロゲ
ン原子等任意のものが挙げられる。
【0126】Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団
であり、好ましくは5員環、6員環を構成する原子団で
ある。
【0127】好ましい環構造としては、ピペリジン、ピ
ペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、
オキサゾリジン、チアゾリジン、セレナゾリジン、ピロ
リン、イミダゾリン、イソインドリン、テトラヒドロイ
ソキノリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジ
ン、ジヒドロイソキノリン、オキサゾリン、チアゾリ
ン、セレナゾリン、ピロール等の各環が挙げられ、特に
好ましくはピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びピ
ロリジンの各環である。
【0128】前記R5、R6は炭素数3〜40のtert
−もしくはsec−アルキル基が好ましい。
【0129】R7及びR8はアルキル基としては、炭素数
1〜40のものが好ましく、アリール基としてはフェニ
ル基、ナフチル基、ピリジル基等が挙げられる。またR
6とR7が環となる場合にはクロマン環が好ましい。
【0130】R9の表すアルキル基、アルキリデン基を
表し、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましい
のは、炭素数1〜18のものである。
【0131】下記(1)ヒンダードフェノール系或いは
(2)ヒンダードアミン系、(3)ヒンダードアミン・
ヒンダードフェノール系、(4)有機リン系、(5)有
機硫黄系等の構造酸化防止剤の樹脂中の含有量は0.0
1〜25重量%が好ましい。25重量%より多い含有量
では樹脂層中の電荷輸送性能の低下が起こり、残留電位
が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する可能性
がある。更に好ましくは0.1〜10重量%がよい。
【0132】又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或
いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させても
良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に
対して0.01〜25重量%が好ましい。
【0133】本発明に用いられる酸化防止剤としては、
上記の条件に適合するものであれば特に限定は無いが、
具体例を下記にあげる。
【0134】(1)ヒンダードフェノール構造単位を有
する化合物例
【0135】
【化32】
【0136】
【化33】
【0137】
【化34】
【0138】
【化35】
【0139】
【化36】
【0140】
【化37】
【0141】
【化38】
【0142】
【化39】
【0143】
【化40】
【0144】
【化41】
【0145】
【化42】
【0146】
【化43】
【0147】(2)ヒンダードアミン構造単位を有する
化合物例
【0148】
【化44】
【0149】
【化45】
【0150】
【化46】
【0151】
【化47】
【0152】
【化48】
【0153】
【化49】
【0154】
【化50】
【0155】
【化51】
【0156】
【化52】
【0157】
【化53】
【0158】
【化54】
【0159】
【化55】
【0160】
【化56】
【0161】(3)ヒンダードアミン構造単位とヒンダ
ードフェノール構造単位を有する化合物例
【0162】
【化57】
【0163】
【化58】
【0164】
【化59】
【0165】(4)有機リン系化合物例例えば、一般式
RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なも
のとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素
原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基を表す。
【0166】
【化60】
【0167】
【化61】
【0168】(5)有機硫黄系化合物 例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的な
ものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水
素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケ
ニル基又はアリール基を表す。
【0169】
【化62】
【0170】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、
「サノールLS2626」、「サノールLS765」
「サノールLS2626」、「サノールLS770」、
「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌ
ビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA
67」、「マークLA62」、「マークLA68」、
「マークLA63」以上ヒンダードアミン系が挙げられ
る。
【0171】さらに本発明の構成につき説明する。
【0172】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層等の感光層とその上に本発明の樹脂層を
塗設した構成をとるのが好ましいことはすでに述べた。
【0173】本発明の感光層に含有される電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。電荷発生物質の代表的なものの例とし
ては、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタ
ロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズ
ピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、アゾ系顔
料、トリスアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、インジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料等がある。
【0174】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0175】単層構成の感光層、及び積層構成の場合の
電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有さ
れるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等
が挙げられる。
【0176】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1
が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ま
しく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0177】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は重量比で3:1〜1:3が好ま
しい。
【0178】電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には
10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設
けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μ
m以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設け
られた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0179】本発明に用いられる溶媒又は分散媒として
は、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジア
ミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミ
ン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロ
ピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2
−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒド
ロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソ
ルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるもの
ではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。ま
た、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒とし
て用いることもできる。
【0180】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0181】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0182】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0183】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記ス
プレー塗布については例えば特開平3−90250号及
び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前
記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−18
9061号公報に詳細に記載されている。
【0184】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもでき
る。
【0185】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0186】又、支持体の形状はドラム状でもシート状
でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した
形状であればよい。
【0187】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0188】図1に本発明の電子写真感光体を搭載する
画像形成装置の例として、カラー画像形成装置の断面図
を示す。しかし、本発明はカラー画像形成に限られるも
のではなく、モノクロ画像形成にも適用できる。
【0189】図1において10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0190】感光体への一様帯電の後、像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0191】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14
が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内
蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によ
って行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとし
てそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0192】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0193】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0194】記録紙Pは、転写のタイミングの整った時
点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へと給紙さ
れる。
【0195】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0196】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0197】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0198】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0199】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0200】プロセスカートリッジには、一般には以下
に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがあ
る。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像
器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも
1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可
能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別
体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又
は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着
脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感
光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリ
ッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0201】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0202】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0203】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0204】下記の如くして各感光体を各々2本づつを
作製した。その中、1本をハロゲンの分析に供し、もう
1本を特性評価用とした。
【0205】 実施例1 〈中間層(UCL)〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布
液を円筒状アルミニウム基体(支持体)上に浸漬塗布法
で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0206】 〈電荷発生層(CGL)〉 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越 化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0207】 〈電荷輸送層(CTL)〉 電荷輸送物質(D1) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300g ジオキソラン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
【0208】
【化63】
【0209】この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗
布法で塗布し、100℃、1時間の乾燥後、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成した。
【0210】〈表面樹脂層(OCL)〉前記CTL上に
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシ
ロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂1
0重量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間
静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10重量部に
溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5重量部、ジ
ブチル錫アセテート0.2重量部を加え均一な溶液にし
た。
【0211】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)6重量部加え混合し、この溶
液を乾燥膜厚2μmの保護層として塗布して、120
℃、1時間の加熱硬化を行い、実施例1の感光体を作製
した。
【0212】実施例2 実施例1においてOCL中に、酸化防止剤としてヒンダ
ードアミン(2−31)1.7重量部を加えた他は実施
例1と同様にして感光体を作製した。
【0213】実施例3 実施例1において保護層中のジヒドロキシメチルトリフ
ェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチ
ル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様にして
感光体を作製、評価した。
【0214】実施例4 実施例2において保護層中のヒンダードアミンをヒンダ
ードフェノール(1−43)に代えた以外は全く同様に
して感光体を作製した。
【0215】実施例5 実施例2において保護層中のヒンダードアミンを酸化防
止剤(3−10)に代えた以外は全く同様にして感光体
を作製した。
【0216】実施例6 実施例3においてCTL溶媒としてジオキソランの代わ
りにTHF/トルエン(1/1vol比)に代えた以外
は全く同様にして感光体を作製した。
【0217】実施例7 実施例1においてCTL溶媒としてジオキソランの代わ
りにジオキサン/THF(1/1vol比)に代えた以
外は全く同様にして感光体を作製した。
【0218】実施例8 実施例1のOCL中に、1μmのシリコーン樹脂粒子を
加えた以外は全く同様にして感光体を作製した。
【0219】実施例9 実施例1において電荷発生層までは同様に塗布した。
【0220】 〈電荷輸送層CTL〉 電荷輸送物質(例示化合物T−1) 200g メチルトリメトキシシラン 300g ヒンダードフェノール化合物(1−35) 1g コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g 1−ブタノール 50g 1%酢酸 50g アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、1
10℃、2時間の加熱硬化を行い膜厚12μmの電荷輸
送層を形成した。
【0221】比較例1 実施例1において、ジオキソランの代わりにジクロルエ
タンを用いた以外は実施例1と同様にして感光体を作製
した。
【0222】比較例2 実施例1において、ジオキソランの代わりにTHF/モ
ノクロルベンゼン(1/1重量比)を用いた以外は実施
例1と同様にして感光体を作製した。
【0223】比較例3 実施例9において、1−ブタノールの代わりに1−ブタ
ノール/ジクロルエタン(1/1重量比)を用いた以外
は実施例9と同様にして感光体を作製した。
【0224】〔特性評価〕評価としては、上記感光体1
本づつをハロゲンの分析に供し、残りの1本づつを35
℃、60%の環境下で3ヶ月間保存した後、デジタル方
式で画像形成する装置に搭載して行った。
【0225】即ち、コニカ社製デジタル複写機「Kon
ica 7050」を改造し、露光量を適正化した評価
機に搭載し、初期帯電電位を−650Vに設定し、常温
環境下(22℃、60RH%)にて、A4紙を用いて5
万回繰り返しコピーを行い、膜厚減耗量の測定、画質評
価及び接着性の評価を行った。
【0226】画像濃度の測定は、ベタ黒画像の濃度を濃
度計「RD−918」(マクベス社製)を使用して絶対
濃度を測定し、カブリについてはベタ白画像を使用し
て、初期と5万枚のカブリを目視で確認した。又、画像
ボケの有無を目視で評価した。
【0227】 画像濃度 ◎:1.2以上:良好 ○:1.2未満〜0.8:実用上問題ないレベル ×:0.8未満:実用上問題となるレベル。
【0228】 カブリ ◎:カブリ発生無し ○:時々カブリ発生有り、しかし、実用上問題がないレベル ×:連続したカブリ発生有り。
【0229】
【0230】又、黒ポチの評価は、画像解析装置「オム
ニコン3000形」(島津製作所社製)を用いて黒ポチ
の粒径と個数を測定し、黒ポチの粒径と個数を測定し、
0.1mm以上の黒ポチが100cm2当たり何個ある
かで判定した。
【0231】黒ポチ評価の判定基準は、下記に示す通り
である。
【0232】0.1mm以上の黒ポチが ◎:1個/100cm2以下で良好 ○:2〜3個/100cm2で実用上問題がないレベル ×:4個/100cm2以上で実用上問題あり。
【0233】感光体の膜厚減耗量はコピー1回目と5万
回目の感光層の膜厚の差から求めた。
【0234】接着性評価は、感光体上に1mm角の碁盤
目を形成し、100個の碁盤目の内、セロテープの剥離
により除去される碁盤目の数を数えて接着性評価を行っ
た。
【0235】塩素の含有量と結果を表1に示す。
【0236】
【表1】
【0237】実施例1〜9で得られた感光体は表1の如
く、膜厚減耗量が少なく、画像濃度が1.2以上と高濃
度で、カブリ、画像ボケの特性が実用範囲にあり、接着
性が良い。一方、比較例1〜3の感光体はそれらの膜厚
減耗量が多く、画像特性、接着性のいずれもが悪く、実
用性に乏しいことがわかる。
【0238】
【発明の効果】本発明により、架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂を含有する樹脂層の性能を長期にわたって保
持し、膜厚減耗量が少なく、画像濃度が高く、カブリ、
画像ボケ、黒ポチの特性が良く、接着性が良い電子写真
感光体と、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及
びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニン
グ器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層からなる塗布層を有する電子写真感光体において、
    前記支持体上に設けられた塗布層全層に含有されるハロ
    ゲン含有量が5000ppm(重量/重量)以下であ
    り、前記樹脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する
    層からなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層からなる塗布層を有する電子写真感光体において、
    前記支持体上に設けられた塗布層全層に含有されるハロ
    ゲン含有量が5000ppm(重量/重量)以下であ
    り、前記樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有する有
    機ケイ素化合物と電荷輸送性能を有する構造単位を含む
    化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロ
    キサン系樹脂を含有する層であることを特徴とする電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層が下記一般式(1)で表され
    る架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを
    特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、Zは二価
    以上の任意の連結基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)のZが、置換若しくは
    未置換のアルキレン基、アリーレン基であることを特徴
    とする請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)のZが、隣接する結合
    原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造
    単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた二価以上の
    原子又は基であることを特徴とする請求項3記載の電子
    写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記一般式(1)のZが、O、S、NR
    であり、RはH又は一価の有機基であることを特徴とす
    る請求項5記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層を有する電子写真感光体において、前記支持体上に
    設けられた全層に含有されるハロゲン含有量が100p
    pm以下であり、前記電子写真感光体が樹脂層を有し、
    水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と
    水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を含む化
    合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロキ
    サン系樹脂を含有する層を有することを特徴とする電子
    写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記導電性支持体上の塗布層の塗布溶媒
    がハロゲンフリー溶媒であることを特徴とする請求項1
    〜7の何れか1項記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層に有機微粒子または無機微粒
    子を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記
    載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記樹脂層に酸化防止剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の電子写
    真感光体。
  11. 【請求項11】 前記樹脂層が最外層であることを特徴
    とする請求項1〜10の何れか1項記載の電子写真感光
    体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れか1項記載の電
    子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリ
    ーニングの工程を有することを特徴とする画像形成方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11の何れか1項記載の電
    子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリ
    ーニングの工程を経て画像形成することを特徴とする画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】 電子写真感光体を用い、帯電、像露
    光、現像、転写、クリーニングの工程を経る画像形成に
    使用するプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜1
    1の何れか1項記載の電子写真感光体と、帯電器、像露
    光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも何
    れか1つとを組み合わせて造られていることを特徴とす
    るプロセスカートリッジ。
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