JP2001090733A - 動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents
動圧軸受装置の製造方法Info
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Abstract
調整、管理することができ、オイル漏れや焼き付きの起
こらない動圧軸受装置の製造方法を得る。 【解決手段】 軸1と軸受4との相対回転による動圧作
用により軸1を相対回転可能に支持するようにした動圧
軸受装置の製造方法において、顕微鏡51から得られる
画像から合焦位置を求める自動合焦装置を用い、顕微鏡
51の対物レンズを移動させて、軸受4の軸方向におけ
る端面と、軸1と軸受4との間に形成される潤滑オイル
6の液面とのそれぞれの合焦位置を求め、それぞれの合
焦位置における対物レンズの位置差から軸受4の軸方向
における端面に対する潤滑オイル6の液面の位置を求
め、潤滑オイル6の液面位置を所定の位置とする。
Description
スクドライブ用モータなどに適用可能な動圧軸受装置の
製造方法に関するものである。
としては、図9に示すような軸11とスリーブ4に形成
した傾斜面4Cとに挟まれたメニスカスシールが一般的
に知られている。メニスカスシールにおいては、傾斜面
4Cにおけるオイル6の液面の高さ(スリーブ4の端面
上の点Aから液面上の点Bまでの寸法X)は、モータを
製造する上で重要な寸法である。寸法Xが小さい、すな
わち液面が高いとメニスカス部の外にオイルが漏れやす
くなる。逆に寸法Xが大きい、すなわち液面が低いとメ
ニスカス部内のオイル量が少ないためすぐにオイルが蒸
発して枯渇してシャフト11とスリーブ4が焼き付いて
しまい、軸受の寿命が短くなってしまう。このため、寸
法Xの測定を行って、液面の高さを管理しながら動圧軸
受装置を製造することが必要となる。
レーザ測長機を用いることも考えられるが、レーザ測長
機により測定を行うためには、φ0.5mm以上のレー
ザスポット径が必要となり、実際のメニスカス内部の寸
法は1μm〜10μmと狭いため、寸法Xを直接測定す
ることができなかった。
複数見えるリング状の反射光の幅を計測して上記寸法X
の代用とする方法が行われていた。オイル液面の反射光
は、図10(a)に示すように複数のリング状に見え、
この幅は寸法Xと相関があるため、寸法Xの代用寸法と
してこの幅を計測していた。この方法は、図9における
A点とB点の焦点位置の差を、磁気スケール等によって
読み取るものである。しかし、実際に測定してみると、
光の当て方や周辺の金属部分からの光の乱反射により、
その都度オイル液面の反射光は見える方向が全く異な
り、正確な計測はできないといった問題があった。ま
た、実際のオイル液面は毛細管現象で湾曲しているた
め、基本的に光を反射させる測定方法では、十分な精度
で測定することはできないのが実状であった。
従来技術の問題点を解消するためになされたもので、動
圧軸受の潤滑オイルの液面の位置を正確に調整、管理す
ることができ、オイル漏れや焼き付きの起こらない動圧
軸受装置の製造方法を提供することを目的とする。
軸とこの軸を相対回転可能に支持する軸受とを備え、上
記軸と軸受の一方に動圧発生用溝を形成して動圧軸受部
を形成するとともに、上記動圧軸受部に潤滑オイルを充
填し、上記軸と軸受との相対回転による動圧作用により
上記軸を相対回転可能に支持するようにした動圧軸受装
置の製造方法において、顕微鏡から得られる画像から合
焦位置を求める自動合焦装置を用い、上記顕微鏡の対物
レンズを移動させて、上記軸受の軸方向における端面
と、上記軸と軸受との間に形成される上記潤滑オイルの
液面とのそれぞれの合焦位置を求め、上記それぞれの合
焦位置における上記対物レンズの位置差から上記軸受の
軸方向における端面に対する上記潤滑オイルの液面の位
置を求め、上記潤滑オイルの液面位置を所定の位置とす
ることを特徴とする。
圧軸受装置の製造方法において、潤滑オイルの液面を、
前記軸と軸受との間隔が徐々に拡大するように形成され
てなる傾斜部に位置するメニスカスシール部に位置させ
たことを特徴とする。
圧軸受装置の製造方法において、顕微鏡から得られる画
像をカメラを介して自動合焦装置に取り込むようにして
あるとともに、上記顕微鏡の視野を、上記軸受の軸方向
における端面と上記潤滑オイルの液面とのそれぞれを含
むように設定し、上記視野内に上記軸受の軸受方向にお
ける端面に対するフォーカスエリアと上記潤滑オイルの
液面に対するフォーカスエリアとが設定されていること
を特徴とする。
圧軸受装置の製造方法において、傾斜部の内側に動圧軸
受部が形成され、この動圧軸受部に前記メニスカスシー
ル部に介在する潤滑オイルが補給されるように構成され
てなることを特徴とする。
にかかる動圧軸受装置の製造方法の実施の形態について
説明する。本発明は、特に軸受部に設けられたメニスカ
ス部内のオイル液面位置を設定するに当たり、測定精度
を高めたことを特徴とするものであり、本発明により製
造された動圧軸受装置を適用することが可能なモータの
一例を図1に示す。なお、図1に示すモータは、ハード
ディスク等のディスクを回転駆動するディスク駆動モー
タとして構成されているが、本発明にかかる方法により
製造された動圧軸受装置は、ディスク駆動モータ以外の
各種機器の動圧軸受装置としても適用可能なものであ
る。
中心孔が回転軸1の上端部に圧入されることによって回
転軸1に固定される。回転軸1は、中心孔を有すること
によって両端に開口部を有するスリーブ4の上記中心孔
に挿入されて、あらかじめスリーブ4に取り付けられて
いる。上記回転軸1とスリーブ4との間にはラジアル動
圧軸受38が形成され、この動圧軸受による動圧作用に
より回転軸1は回転自在に支持されている。回転軸1の
下端部に圧入されたスラストプレート5と、スリーブ4
の下端開口部に被せられてスリーブ4の下端を封止した
蓋部材としてのカウンタープレート16との間、および
スラストプレート5とスリーブのスラストプレート対向
面との間にはスラスト動圧軸受39が形成され、スラス
ト荷重を支持するようになっている。
孔がスリーブ4の下側から圧入等によって固定され、さ
らに、スリーブ4はその外周下端部とベース8の中心孔
との圧入等によってベース8に固定されている。スリー
ブ4の上端面4Aと、これに対向するハブ2の下面17
との間には所定の間隔がとられている。このハブ2の下
面17とスリーブ4の上端面4Aとの間隔は、動圧軸受
38の軸受間隔よりも大きくなっている。さらに、スリ
ーブ4の上端面と対向するハブ2の上記下面17は緩や
かなテーパー面に形成されていて、上記ハブ2とスリー
ブ4の端面との間隔は、動圧軸受38側よりも半径方向
外側に向かって順次広くなるように形成されている。ま
た、スリーブ4の中心孔上端部4Bもテーパー状に形成
され、回転軸1の外周面との間に断面楔状のメニスカス
部45が形成されている。このメニスカス部45は下か
ら上に向かって広がっており、動圧軸受を構成する空間
と上記ハブ2とスリーブ4の端面との空間につながって
いる。
の間に微小な隙間があり、上記スラストプレート5の下
面とカウンタープレート16の上面との間にも微小な隙
間があり、さらに、スラストプレート5の上面とスリー
ブ4の対向面との間にも微小な隙間がある。上記回転軸
1の外周面とスリーブ4の内周面との隙間、スラストプ
レート5の上面とスリーブ4の対向面との隙間、および
スラストプレート5の下面とカウンタープレート16の
上面との隙間に、オイルを介在させる。このオイルの介
在により、回転軸1の外周面とスリーブ4の内周面との
間でラジアル動圧軸受を構成し、スラストプレート5の
上面とスリーブ4のスラストプレート対向面とによって
上側スラスト動圧軸受を構成し、また、スラストプレー
ト5の下面とカウンタープレート16の上面との間で下
側スラスト動圧軸受を構成することになる。回転軸1が
回転すると、回転軸1はラジアル方向にもスラスト方向
にも、スリーブ4に機械的に接触することなく回転自在
に支持されることになる。
グネット7が嵌められ、接着等によってハブ2に固着さ
れる。ロータマグネット7は予め周方向に一定間隔でN
Sに交互に着磁されている。このように軸受およびロー
タ組が構成されている。
シブル配線基板10が配置され、また、ベース8の上側
からは絶縁紙11が落とし込まれ、ベース8の内底部に
配置されている。これらによってベース組が構成されて
いる。
いてこれを駆動コイル13とし、コア巻線組が構成され
ている。コア巻線組の各駆動コイル端末は上記フレキシ
ブル配線基板10の所定の配線パターンに半田付され
る。さらに、樹脂でフレキシブル配線基板10の引き出
し部分その他を封止する。このようにしてベースおよび
ステータ組が構成されている。
よびロータ組が組み付けられる。この組付は、ベースお
よびステータ組の上方からスリーブ4を積層コア12の
中心孔に嵌め、さらに、上記スリーブ4をベース8の内
周側に嵌める。このようにしてハードディスクドライブ
用モータが構成される。ハブ2の円筒状胴体部分には図
示されないディスクの中心孔が嵌められ、前記ディスク
搭載面3の上に、ディスクが1枚または複数枚、適宜の
スペーサとともに載せられる。回転軸に形成されたタッ
プ孔等を利用してクランプ部材を取り付け、このクラン
プ部材で上記ディスクをディスク搭載面3に押しつける
ことにより、ディスクがハブと一体に回転可能に取り付
けられる。
ば上記のようなモータに適用可能な動圧軸受の製造法で
あって、特に軸受部に設けられた回転軸1と傾斜面4C
とにより形成されるメニスカス部内のオイル液面位置の
光学的測定を可能とし、その測定精度を高くしたことを
特徴としており、図2に示すように軸受に設けられたメ
ニスカス部45の潤滑オイル6の液面を顕微鏡で観察
し、顕微鏡に設けられた自動焦点装置の機能を用いて、
油面の高さを測定する。以下において、測定に用いる顕
微鏡等の各測定機器について説明する。
の一例を示す。CCDカメラが内蔵された筒部40の上
端面側にはカメラケーブル41が取り付けられている。
筒部40の下端側の面には、顕微鏡ユニット42が取り
付けられ、この顕微鏡ユニット42の下方部には照明装
置43が設けられ、その端部には対物レンズ44が取り
付けられている。
動可能なZステージ60に固定され、図示しないステッ
ピングモータの回転により顕微鏡ユニット42は上下方
向に移動され、合焦動作が行われるようになっている。
器全体の構成例を示す。顕微鏡51の上部に取り付けら
れたテレビカメラ52には、2本のケーブル53、54
がつながれている。一方のケーブル53はカメラ電源5
5に、他方のケーブル54はパソコン56に接続された
自動焦点装置57に接続されている。自動焦点装置57
はTVモニタ64にも接続されている。自動焦点装置5
7からはステッピングモータドライバ58に向けたケー
ブルが接続され、このステッピングドライバ58はステ
ッピングモータ59に接続されている。ステッピングモ
ータ59の回転にしたがって、Zステージ60が上下方
向に移動可能となっている。
明装置61が接続され、顕微鏡液面観察のための最良の
照度を得るべく、パソコン56から送られる指示に従っ
て、ファイバ照明装置61より照度調整が行われる。動
圧軸受のメニスカス部の液面は、XYステージ62上の
ワークホルダー63にポジションニングされ、後述する
測定手順により、潤滑オイルの液面位置測定が行われ
る。
置の製造方法におけるメニスカス部の液面位置の測定手
順を説明する。図5に顕微鏡の視野設定を示し、図6に
液面位置測定のための測定機器のブロック図を示す。な
お、図5は軸受のメニスカス部と顕微鏡視野とを側断面
図、平面図として同時に示している。まず顕微鏡のカメ
ラ視野の中に、潤滑オイル6の液面(エリアB)とスリ
ーブ4の上面(エリアA)の両方を入れる。最初に、パ
ソコンからの制御信号に応じて、スリーブ4上のA点
(エリアA)において、顕微鏡の自動焦点合わせ動作を
行う。次に、パソコンからの制御信号に応じて、液面上
のB点(エリアB)において、顕微鏡の自動焦点合わせ
動作を行う。なお、焦点を合わせるに際し、動圧軸受を
上下方向にスライドするステージ上に載せておき、ステ
ッピングモータを回転させてステージを移動させながら
焦点を合わせる。
に焦点を合わせたB点の位置までのステッピングモータ
の送りのパルス数をカウントし、これをステップ数とし
てパソコンに取り込み、2点間の差を計算してモニタ画
面に表示すれば、A点からB点までの深さ方向の距離が
即座に分かる。なお、必要に応じ、自動焦点合わせ動作
を繰り返し、数値を平均化するとよい。このように、本
発明によればメニスカス部の液面位置を正確に調整、管
理することができるため、オイル漏れや焼き付きの起こ
らない動圧軸受装置を製造することができる。
づいて、潤滑オイルの液面位置の測定動作の手順を説明
する。最初に手動操作により概略の位置合わせをしてお
く。次に、計測プログラムを起動し(S1)、ワークの
セットを待つ(S2)。ワークがセットされると、A面
観察のための最良の照度とするために、照明照度を下げ
ていく(S3)。そしてフォーカスエリアAと、焦点を
探る範囲を設定する(S4)。次にフォーカスエリアA
の焦点位置を探る(S5)。必要に応じて、合焦動作を
繰り返す(S6)。なお、図7に示すフローチャートに
おいては、ステップ5の自動合焦動作は、3回繰り返す
ように設定されている。
させる(S7)。そして油面観察のための最良の照度と
するために、照明照度を下げていく(S8)。そしてフ
ォーカスエリアBと、焦点を探る範囲を設定する(S
9)。次にフォーカスエリアBの焦点位置を探る(S1
0)。必要に応じて合焦動作を繰り返す(S11)。な
お、図7に示すフローチャートにおいては、ステップ1
0の自動合焦動作は、3回繰り返すように設定されてい
る。
上昇させる(S12)。そして測定結果をmm単位で計
算し、結果をCRT画面に表示する(S13)。以上の
S2〜13のステップで、計測ルーチンが構成されてい
る。
範囲内に入るように調整する。液面位置の調整は、メニ
スカス内にオイルがない状態からオイルを加えていく
か、またはA点まで一杯にオイルを入れておいてからオ
イルを吸い出していくかの2つの方法が考えられるが、
どちらの方法でもよい。この際、本発明に用いられる測
定方法により常時液面を計測しながら液面調整を行って
もよいし、一定条件で液面調整を行った後に液面計測を
行って良否判定をしてもよい。
法において、顕微鏡から得られる画像から合焦位置を求
める自動合焦装置を用い、上記顕微鏡の対物レンズを移
動させて、軸受の軸方向における端面と、軸と軸受との
間に形成される潤滑オイルの液面とのそれぞれの合焦位
置を求め、それぞれの合焦位置における対物レンズの位
置差から軸受の軸方向における端面に対する潤滑オイル
の液面の位置を求め、潤滑オイルの液面位置を所定の位
置としたため、潤滑オイルの液面を正確に調整、管理し
た動圧軸受装置を製造することができ、オイル漏れや焼
き付きの起こらない十分品質管理された動圧軸受装置を
得ることができる。
ることが可能なモータの一例を示す断面図である。
カスシール部の一例を示す側面図である。
す側面図である。
を示す模式図である。
の一例を示す模式図である。
示すブロック図である。
を示すフローチャートである。
ある。
部の一例を示す側面図である。
の合焦像、(b)はスリーブの上端面の合焦像の模式図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 軸とこの軸を相対回転可能に支持する軸
受とを備え、上記軸と軸受の一方に動圧発生用溝を形成
して動圧軸受部を形成するとともに、上記動圧軸受部に
潤滑オイルを充填し、上記軸と軸受との相対回転による
動圧作用により上記軸を相対回転可能に支持するように
した動圧軸受装置の製造方法において、 顕微鏡から得られる画像から合焦位置を求める自動合焦
装置を用い、上記顕微鏡の対物レンズを移動させて、上
記軸受の軸方向における端面と、上記軸と軸受との間に
形成される上記潤滑オイルの液面とのそれぞれの合焦位
置を求め、上記それぞれの合焦位置における上記対物レ
ンズの位置差から上記軸受の軸方向における端面に対す
る上記潤滑オイルの液面の位置を求め、上記潤滑オイル
の液面位置を所定の位置とすることを特徴とする動圧軸
受装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記潤滑オイルの液面を、前記軸と軸受
との間隔が徐々に拡大するように形成されてなる傾斜部
に位置するメニスカスシール部に位置させたことを特徴
とする請求項1記載の動圧軸受装置の製造方法。 - 【請求項3】 前記顕微鏡から得られる画像をカメラを
介して自動合焦装置に取り込むようにしてあるととも
に、上記顕微鏡の視野を、上記軸受の軸方向における端
面と上記潤滑オイルの液面とのそれぞれを含むように設
定し、上記視野内に上記軸受の軸受方向における端面に
対するフォーカスエリアと上記潤滑オイルの液面に対す
るフォーカスエリアとが設定されていることを特徴とす
る請求項2記載の動圧軸受装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記傾斜部の内側に動圧軸受部が形成さ
れ、この動圧軸受部に前記メニスカスシール部に介在す
る潤滑オイルが補給されるように構成されてなることを
特徴とする請求項3記載の動圧軸受装置の製造方法。
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- 1999-09-27 JP JP27166699A patent/JP2001090733A/ja active Pending
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