JP2001090506A - 静翼及び蒸気タービン - Google Patents

静翼及び蒸気タービン

Info

Publication number
JP2001090506A
JP2001090506A JP26816099A JP26816099A JP2001090506A JP 2001090506 A JP2001090506 A JP 2001090506A JP 26816099 A JP26816099 A JP 26816099A JP 26816099 A JP26816099 A JP 26816099A JP 2001090506 A JP2001090506 A JP 2001090506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stationary blade
blade
drain
steam
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26816099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3815143B2 (ja
Inventor
Yasushi Kawase
裕史 川瀬
Takeshi Sato
武 佐藤
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP26816099A priority Critical patent/JP3815143B2/ja
Publication of JP2001090506A publication Critical patent/JP2001090506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3815143B2 publication Critical patent/JP3815143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D25/00Component parts, details, or accessories, not provided for in, or of interest apart from, other groups
    • F01D25/32Collecting of condensation water; Drainage ; Removing solid particles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、蒸気中に生じるドレンを静翼
において効率よく捕獲し、ドレンを排除することによ
り、湿り損失によるタービン性能の低下と下流側に位置
する動翼先端の浸食を低減できることにある。 【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の蒸気
タービンは、蒸気が通過する拡大流路内に形成された静
翼1と、前記静翼の先端を固定する外輪3と、前記静翼
の根元端を固定する内輪4と、前記静翼の下流側に配置
されその根元端が回転軸に固定された動翼2と、前記静
翼の根元部表面に形成され前記静翼の略翼長方向に伸び
るドレン排出溝7,8と、前記内輪内でかつ前記溝に連
通するように形成されたドレン補集装置9,10とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンの蒸
気流路に配置される静翼及び静翼を備えた蒸気タービン
に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量の蒸気タービンにおいては、低圧
部での圧力変化に対する流体の容積変化が大きいことか
ら、一般には蒸気流路は急激な拡大流路となる。このよ
うな拡大流路に設けられるタービン段落は、流路に合致
した静翼と動翼とから構成されなければならないが、こ
れらの翼を通過する蒸気(膨張流体)は三次元の流れと
なり、非常に複雑な流れとなる。さらに、低圧段落後半
部においては、ノズルの役目をなす静翼を通過して膨張
する蒸気中にドレンが発生するが、このドレンによる湿
り損失は各段落における全内部損失の約30%を占めて
おり、効率低下の大きな原因となっている。また、静翼
後縁から下流側へ向かって飛散するドレンは動翼先端部
分の侵食(エロージョン)の原因ともなる。以上のこと
から、湿り損失の低減を図ることはタービン効率向上の
大きな要素となる。
【0003】以上のような環状をなしている拡大流路に
おける膨張流体の流動状況の改善および拡大流路内部で
発生するドレンの除去についての検討は従来より種々な
されている。
【0004】拡大流路における膨張流体の流動状況の改
善については、特開平7−19004号公報に記載されている
ように、環状をなしている拡大流路において、静翼1の
翼先端部を半径方向線に対して回転方向側(+側)に傾
斜または湾曲させ、かつタービンの軸方向に対しても静
翼と動翼との軸方向間隔を径方向の内側より外側の方が
大きくなるように傾斜または湾曲させて配置させたもの
がある。
【0005】また、拡大流路内部にて発生するドレンの
除去については、特開平6−173607号公報に記載
されているように、静翼翼面上にスリットを設け、中空
とした静翼内部を経由して流路外部へとドレンを除去す
るものや、特開平6−123202号公報,特開平8−61006号
公報に記載されているように、静翼と流路外周壁との接
合部または静翼翼間の外周壁上においてドレンガイド溝
やドレン捕獲孔を穿設したものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような段落装置
およびドレン除去装置は、蒸気タービンの低圧段落にお
ける効率の向上および動翼先端部のエロージョン防止に
はある程度の効果を発揮することが判明している。
【0007】しかし、特開平7−19004号公報に記載され
ている段落装置については、拡大流路内であっても蒸気
の三次元流れを適正化し、流体損失を低減させてタービ
ン効率を向上させることを目的とするものであるが、ド
レンの発生による湿り損失および下流側に位置する動翼
に対するエロージョンを低減させることは考慮されてい
ない。
【0008】また、静翼翼表面上にドレン除去スリット
を設けたドレン除去装置や、静翼と流路外周壁との接合
部または静翼翼間の外周壁上においてドレンガイド溝や
ドレン捕獲孔を穿設したドレン除去装置については、静
翼翼表面上および外周壁上を流れるドレンの除去につい
てのみ考慮されており、外周壁に付着するドレン量を増
加させるような段落構造や、外周壁に付着しない流路内
周側の蒸気流動を含めたドレン除去方法、および静翼根
元部にドレン回収溝・スリット等を設けた構造等は考慮
されていない。
【0009】本発明は、蒸気中に生じるドレンを静翼に
おいて効率よく捕獲し、ドレンを排除することにより、
湿り損失によるタービン性能の低下と下流側に位置する
動翼先端の浸食を低減できる静翼及び蒸気タービンを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の静翼は、その根元部表面に、略翼長方向に
伸びる溝を備える。そして、好ましくは、前記溝は、凸
面側の前縁部又は凹面側の後縁部の少なくとも一方に形
成される。
【0011】又は、上記目的を達成するために、本発明
の蒸気タービンは、蒸気が通過する拡大流路内に形成さ
れた静翼と、前記静翼の先端を固定する外輪と、前記静
翼の根元端を固定する内輪と、前記静翼の下流側に配置
されその根元端が回転軸に固定された動翼と、前記静翼
の根元部表面に形成され前記静翼の略翼長方向に伸びる
溝と、前記内輪内でかつ前記溝に連通するように形成さ
れた空間とを備える。そして、好ましくは、前記溝は、
前記静翼の先端側から根元側へ向かうに伴い、前記蒸気
の流れの下流側に傾斜するように形成される。
【0012】又は、上記目的を達成するために、本発明
の蒸気タービンは、膨張流体が通過する拡大流路を有す
るケーシングと、前記拡大流路の壁部に固定保持され、
径方向に延びて配置されている静翼と、該静翼の下流側
に配置され、回転軸とともに回転する動翼とを備え、前
記静翼を回転軸の回転方向に傾斜させて配置するととも
に、該静翼と前記動翼との軸方向間隔を径方向内側より
外側の方が大きくなるように形成させ、該静翼の下流側
外周壁上にドレン捕獲装置を、かつ、該静翼根元部及び
先端部における入口部腹側翼面上及び出口部背側翼面上
にドレン捕獲溝を、かつ、該静翼の外周部及び内周部に
前記ドレン捕獲溝に連通するドレン補集室を設ける。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に図示した実施例に基づいて
本発明の詳細を説明する。図13には本発明の要部が示
されている。
【0014】蒸気タービンは、主としてタービンのケー
シング20と回転体21とにより形成されており、この
回転体21はタービン軸22と、このタービン軸22に
その根元端が固定され、タービン軸22とともに回転す
る動翼2とを備えている。
【0015】静翼1は、前記動翼2の蒸気の流れ方向上
流側に配置され、前記ケーシング20に支持されてい
る。この静翼1および動翼2は、ケーシング20とター
ビン軸22の間に形成された拡大流通路23内に配置さ
れる。
【0016】この構成において、ケーシング20の内部
に供給された蒸気は、図中中央部から両端部へ向かって
拡大流通路23を膨張しながら流れ、静翼1を通過噴出
される蒸気により動翼2が作動され、回転体21を回転
させるように構成されている。
【0017】図1には、この静翼1,動翼2からなる段
落装置の上半部分の詳細が示されている。この段落部に
は、ケーシング20に保持され、内壁面に傾斜角θを有
する外輪3と、静翼1を保持している内輪4とがあり、
この外輪3と内輪4とで拡大流通路23が形成されてい
る。また、この拡大流通路23の外周壁面上の動翼2前
縁部直前にはドレン捕獲装置5が形成されている。
【0018】この拡大流通路内に配置されている静翼1
は、タービン軸22まわりに放射状に複数本配置されて
いる。この静翼1は、拡大流通路を形成している外輪3
と内輪4との両者にその両端部で保持されている。即
ち、外輪3は、静翼1の先端を固定し、内輪4は、静翼
1の根元端を固定する。径方向直立線rに対して軸方向
の上流側に後縁1aが角度ε傾斜して配置されている。
さらに、静翼1の翼面上には外周および内周壁側におい
て静翼前縁部腹側(凹面側)にドレン排出溝7が穿設さ
れており、静翼後縁部背側(凸面側)においても同じよ
うにドレン排出溝8が穿設されている。尚、静翼1の後
縁1aとは、静翼1のうち蒸気の流れの下流端をいい、
静翼1の前縁とは、静翼1のうち蒸気の流れの上流端を
いう。
【0019】また、静翼1の下流側には動翼2が回転デ
ィスク6に植えられているわけであるが、この動翼2の
前縁2aと静翼1の後縁1aとの軸方向距離δが、根元
側から先端側に向かって、すなわち径方向内側から外側
に向かって次第に大きくなるよう(δt>δr)に配置
されている。
【0020】さらに、この静翼1は周方向にも傾斜して
配置されている。図2はその傾斜状態を明らかにするた
めに蒸気の流れに対して下流側から見た図で、静翼1
は、翼長中央で径方向直立線rに対して軸の回転方向
(矢印31)側に後縁1aが角度φ傾斜して配置されて
いる。
【0021】このように静翼1は、周方向および軸方向
に傾斜して外輪3および内輪4に保持されているわけで
あるが、この傾斜角φは、一般的な蒸気タービンでは外
輪3の広がり角θによって異なるものの、翼長の中央で
φ=5°〜20°になるように形成するのがよく、εは
ε=3°〜10°と周方向傾斜角の約1/2に設定する
と良好な流れを得ることができる。
【0022】また、拡大流通路外周壁上の動翼2前縁部
の直前にはドレン捕獲装置5が開口形成されており、静
翼1の翼面上には外周および内周壁側において静翼前縁
部腹側にドレン排出溝7が、静翼後縁部背側においても
同じようにドレン排出溝8が穿設されている。ドレン排
出溝7及びドレン排出溝8は何れも静翼1の略翼長方向
に形成されている。ドレン排出溝7の内周側における静
翼1と内輪4との固定部にはドレン補集装置9が、ドレ
ン排出溝8の外周側における静翼1と外輪3との固定部
にはドレン補集装置10が形成されており、ドレン補集
装置9,10には流路外周および内周側にリング状に形
成されたドレン補集室11および12に連通するドレン
通路が形成されており、ドレン排出溝7,8で捕獲され
たドレンはこの通路を通じてドレン補集室11,12へ
と導かれる。
【0023】さらに、流路内周側のドレン補集室12に
回収されたドレンは図3に示すように、タービン軸周り
に放射状に配置された静翼1の最も下に位置する1本の
内部に形成されたドレン通路13を通じて流路外周側ド
レン補集室11へ回収される。この場合、最下部に位置
する静翼1にドレン通路を設けた方が差圧に加えて重力
の効果も得られるので高いドレン排出効果が得られる。
このドレン通路は静翼断面図で示すと図15に示すよう
になるが、ドレン通路13は複数設けても一つでもその
効果が得られるだけの断面積を有していればよい。
【0024】これらのドレン捕獲装置は開口表面より圧
力が低い復水器(図示せず)等の低圧部に直接または間
接的に連通しており、静翼1下流側の拡大流通路上を流
れるドレンおよび翼表面上根元および先端側を流れるド
レンはこれらドレン捕獲装置によって吸い込まれ、流路
外部に排出される。流路外部へのドレン排出方法の具体
例としては、図3に示すようにドレン捕獲装置5と外周
側ドレン補集室11とを連結させ、流路外周側ドレン捕
集室11の最下部において復水器と連通するドレン排出
孔14を設けることによりドレンを復水器へと排出する
方法がある。他にもドレン捕獲装置5および外周側ドレ
ン補集室11から別々にドレンを復水器へと排出する方
法がある。いずれの場合においても、復水器側はドレン
捕獲装置5およびドレン補集室11よりも圧力が低い状
態となっているため、それぞれの圧力差からドレンはド
レン排出孔14を通じて復水器へと排出されることにな
る。
【0025】図4は図1および図3中のC−C断面にお
いて流れ方向より下流側から見た断面図であるが、この
図に示す通りリング状の内周側ドレン補集室11に補集
されたドレンは最下部に位置する静翼内に設けられたド
レン通路13を通じて外周側ドレン補集室12へと導か
れ、ドレン排出孔14より復水器へと排出されることに
なる。
【0026】また、ドレン排出装置は図1に示すような
もののみならず、図11に示すように静翼1の下流側の
外周壁一面に溝を形成させ、その溝内にドレン排出孔を
穿設したものや、図12に示すように静翼1の下流側の
外周壁に複数の溝とドレン排出孔を形成させたものでも
よい。さらに、図14に示すようにドレン排出溝7は静
翼外周および内周壁側における静翼前縁部腹側に、ドレ
ン排出溝8は静翼外周および内周壁側における後縁部背
側に穿設されている。
【0027】ここで、図9は図8に示す従来の静翼構造
における流体の流動状況を流線で図示したものである
が、この場合では静翼1の先端部側(図中上側)に低流
量部分(A1部)が発生し外輪3の広がり形状に沿わな
い流れとなってしまい、動翼先端部に急激な三次元流れ
が発生する。このような部分には、渦が発生する場合も
あり、蒸気中のドレンを効率よく外周壁面上に付着させ
ることは困難となる。
【0028】図10は静翼を周方向及び軸方向に傾斜さ
せて配置させた静翼構造における流体の流動状況を流線
で図示したものであるが、この場合においては、外周壁
側に向かうにしたがって静翼と動翼の軸方向距離(間
隙)を広くすることにより、静翼から流出する旋回流れ
による遠心力の効果によって、内向き流れから拡大壁に
沿った外向き流れにスムースに変えることができ、前述
したような動翼先端部の急激な三次元流れの発生を抑え
ることができる。
【0029】一方、蒸気中の湿り度の翼長方向に対する
分布を示したものが図5であるが、この図に示すように
翼中央から先端部分にかけてドレンが集中していること
が分かる。そのため、静翼1の先端を起点にして径方向
内側に向かってより広範囲にわたって、流出するドレン
を外周壁に付着させることができれば、蒸気中のドレン
をより多量に排除することができ、タービン段落効率を
向上させることができる。
【0030】前述のような流れ場において、蒸気流中の
湿り分である水滴の挙動を説明すると以下のようにな
る。図6(a)において、図1の静翼1をタービン軸に
直角である半径方向の外周側から見た状況を示したのが
静翼1′であり、静翼1′の出口流れは、タービン軸方
向の周方向より角度αだけ軸方向に向かって流出する。
したがって、静翼の出口ではタービン軸方向の速度成分
よりもはるかに大きな周方向速度成分(旋回成分)のあ
る状態になっている。水滴は、この旋回成分による遠心
力の作用を受けることになり、この結果として、水滴の
軌跡は図6(b)に示す同心円状(32)ではなく、タ
ービンの外周側へ向かう(33)のような軌跡になり、
外周壁に付着することになる。これを静翼出口端と動翼
入口端との距離δとの関係で示すと、図6において静翼
の長さLの点bから流出した水滴が静翼出口端と動翼入
口端との距離δの位置で外周壁に付着することになる。
これから明らかなように、点bから先端側の範囲Bにお
ける水滴は距離δを移動する以前に外周壁に付着する。
このような水滴の外周壁に付着する静翼翼長方向の範囲
Bとの関係を示したのが図7である。この図から明らか
なように、静翼出口端と動翼入口端との距離δが大きい
ほど、先端からの範囲Bが広くなり、図5に示す翼長方
向の湿り度分布の多くの部分を外周壁に付着させて捕獲
できることになる。
【0031】したがって、静翼1の後縁部1aが軸方向
上流側へ角度εで傾斜している静翼であれば、静翼後縁
部1aから流出するドレンは傾斜させない従来の静翼と
比べて上流側から流出することになり、翼先端部から翼
根元側に向かってより広範囲の部分のドレンを外周壁に
付着させることができる。さらに、このような形状に配
置された静翼であれば、静翼後縁部1aから下流側にお
いてドレンが付着する外周壁部の面積を大きくすること
ができ、より多量のドレンを排除することが可能とな
る。これらのドレンは外周壁面上に付着し流れるので、
ドレン排出装置は外周壁上の動翼前縁部2aの直前に設
置することで効率よくドレンを排除できる。
【0032】また、流路中央部の内周側にて発生するド
レンは外周壁に付着するには至らず、次の段落へ持ち越
されるが、前述した効果によって外周側に移動する。対
して、内周壁近傍にて発生するドレンは図9の流線の形
状および静翼出口端と動翼入口端との距離が小さくなっ
ていることからあまり流路外周側には移動しない。以上
のことから流路内周側に発生し、前述した構造を持つ段
落装置によっても排出できずに次の段落に流入するドレ
ンは、流路中央部よりのものは外周側に移動し、内周壁
付近のものはあまり移動せずに流入することになる。
【0033】しかし、このように排出できずに次の段落
に流入するドレンは、段落の入口である静翼1の先端部
分の外周および内周壁側にドレン排出溝7を穿設するこ
とによって取り除くことができる。このドレン排出溝7
は、前段落の動翼後縁部から流出する蒸気中のドレンが
次段落の静翼前縁部の腹側に比較的集中することから、
静翼の腹側に穿設することで排出効果を高めることがで
きる。また、静翼の表面にドレン排出溝7又はドレン排
出溝8を形成するため、静翼内を中空にして表面から蒸
気を吸い込む場合に比較して、静翼の構造が簡単で、か
つ、製造が容易である。
【0034】また、静翼後縁部においても同様にドレン
排出溝8を穿設することで、静翼1を膨張しながら通過
する蒸気中に生じ、静翼表面上を流れるドレンを排出す
ることができる。静翼後縁部においてはドレンは静翼背
側に集中することから、この部分においてはドレン排出
溝8は背側に穿設したほうが良く、排出効果を考えると
ドレン排出溝7と同様に外周および内周壁側に設けるの
が良い。
【0035】本実施例によれば、蒸気中にドレンが生じ
る蒸気タービン低圧部の拡大流通路内に配置される静翼
を、回転方向に傾斜させて配置するとともに、静翼と動
翼の軸方向距離を根元部から先端部に向かうにつれて大
きくなるように形成し、外周壁の動翼前縁部直前部分に
ドレン排出装置を設けたことで、この拡大流通路内の三
次元流れを適正化させて静翼下流側の外周壁に付着する
ドレン量を増加させることができる。また、段落の入口
に当たる静翼前縁部において、ドレンが集中しやすい腹
側部にドレン排出溝を設けること、静翼流路部で発生す
るドレンが集中する静翼後縁部にもドレン排出溝を設け
ることでドレン排出効果を高めることができる。さら
に、水滴による動翼先端へのエロージョンについても低
減させることができ、このことがタービン内部に発生す
る湿り損失を低減させることにつながり、高効率の蒸気
タービンの段落装置を得ることができる。
【0036】さらに、ドレン排出溝7の形状は、静翼の
先端側(外周側)から根元側(内周側)へ向かうに伴
い、下流側へ傾斜しているのが好ましい。これにより、
静翼表面のドレンを、蒸気の流れを利用して、効率よく
ドレン補集装置へ導くことができる。また、内周壁近傍
で蒸気の流れが乱れやすいため、ドレン排出溝7の形状
は、静翼の先端側(外周側)から根元側(内周側)へ向
かうに伴い、ドレン排出溝7の深さを小さく、又は凹凸
部の大きさを小さくするのが好ましい。これにより、ド
レン排出溝7の形成に起因する内周壁近傍での蒸気の流
れの乱れの増加を抑制することができる。
【0037】尚、以上の説明では、静翼1を傾斜させる
にあたり、周方向にも軸方向にも直線的に傾斜するよう
説明してきたが、常にこのように形成しなければならな
いわけでなく、周方向または軸方向のどちらか一方を曲
線的に傾斜させ、他の一方を直線的に傾斜させたり、周
方向および軸方向ともに曲線的に傾斜させてもよい。以
上で述べた段落装置において、湿り損失の低減による段
落効率の向上量は従来の段落装置と比較して平均値で約
1%改善されることが明らかとなっている。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、静翼の根元部に形成し
た溝により、蒸気中に生じるドレンを静翼において効率
よく捕獲し、ドレンを排除するため、湿り損失によるタ
ービン性能の低下と下流側に位置する動翼先端の浸食を
低減できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気タービンの段落装置の縦断側面
図。
【図2】本発明の静翼の正面図。
【図3】本発明の蒸気タービンの最下部に位置する静翼
の縦断側面図。
【図4】図1,図3におけるC−C断面での断面図。
【図5】本発明の蒸気タービンの静翼出口部における翼
長方向の湿り度分布を示す特性図。
【図6】本発明の蒸気タービンの段落装置を下流側から
見た正面図及び静翼翼列の投影図。
【図7】静翼後縁・動翼前縁間距離と静翼先端からのド
レン付着範囲との関係を示す特性図。
【図8】従来の蒸気タービンの段落装置の縦断側面図。
【図9】従来の蒸気タービンの段落装置における作動流
体の流動状況を示す縦断側面図。
【図10】本発明の蒸気タービンの段落装置における作
動流体の流動状況を示す縦断側面図。
【図11】本発明の蒸気タービンの他のドレン排出装置
の断側面図。
【図12】本発明の蒸気タービンの他のドレン排出装置
の断側面図。
【図13】本発明の蒸気タービンの縦断側面図。
【図14】本発明の静翼のドレン排出溝を示す断面図。
【図15】本発明の蒸気タービンの最下部の静翼の断面
図。
【符号の説明】
1…静翼、2…動翼、3…外輪、4…内輪、5…ドレン
捕獲装置、6…回転ディスク、7,8…ドレン排出溝、
9,10…ドレン補集装置、11,12…ドレン補集
室、13…ドレン通路、14…ドレン排出孔、20…ケ
ーシング、21…回転体、22…タービン軸、23…拡
大流通路、φ…周方向傾斜角、ε…軸方向傾斜角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 義昭 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 3G002 GA08 GA09 GA16 GA17 GB04 GB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気タービンの蒸気流路に配置される静翼
    において、その根元部表面に、略翼長方向に伸びる溝を
    備えたことを特徴とする静翼。
  2. 【請求項2】前記溝は、凹面側の前縁部又は凸面側の後
    縁部の少なくとも一方に形成されることを特徴とする請
    求項1に記載の静翼。
  3. 【請求項3】蒸気が通過する拡大流路内に形成された静
    翼と、前記静翼の先端を固定する外輪と、前記静翼の根
    元端を固定する内輪と、前記静翼の下流側に配置されそ
    の根元端が回転軸に固定された動翼とを備えた蒸気ター
    ビンにおいて、前記静翼の根元部表面に形成され前記静
    翼の略翼長方向に伸びる溝と、前記内輪内でかつ前記溝
    に連通するように形成された空間とを備えたことを特徴
    とする蒸気タービン。
  4. 【請求項4】前記溝は、前記静翼の先端側から根元側へ
    向かうに伴い、前記蒸気の流れの下流側に傾斜するよう
    に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の蒸気タ
    ービン。
  5. 【請求項5】膨張流体が通過する拡大流路を有するケー
    シングと、前記拡大流路の壁部に固定保持され、径方向
    に延びて配置されている静翼と、該静翼の下流側に配置
    され、回転軸とともに回転する動翼とを備えた蒸気ター
    ビンにおいて、前記静翼を回転軸の回転方向に傾斜させ
    て配置するとともに、該静翼と前記動翼との軸方向間隔
    を径方向内側より外側の方が大きくなるように形成さ
    せ、該静翼の下流側外周壁上に設けられたドレン捕獲装
    置と、該静翼根元部及び先端部における入口部腹側翼面
    上及び出口部背側翼面上に設けられたドレン捕獲溝と、
    該静翼の外周部及び内周部に設けられ前記ドレン捕獲溝
    に連通するドレン補集室とを備えたことを特徴とする蒸
    気タービン。
JP26816099A 1999-09-22 1999-09-22 蒸気タービン Expired - Fee Related JP3815143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26816099A JP3815143B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 蒸気タービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26816099A JP3815143B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 蒸気タービン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001090506A true JP2001090506A (ja) 2001-04-03
JP3815143B2 JP3815143B2 (ja) 2006-08-30

Family

ID=17454748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26816099A Expired - Fee Related JP3815143B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 蒸気タービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3815143B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010151056A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toshiba Corp 蒸気タービン
JP2014114721A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸気タービン
EP2952700A1 (de) * 2014-06-03 2015-12-09 Siemens Aktiengesellschaft Innengehäusekonstruktion für eine Strömungsmaschine und zugehöriges Herstellungsverfahren
US9291062B2 (en) 2012-09-07 2016-03-22 General Electric Company Methods of forming blades and method for rendering a blade resistant to erosion

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2889456B1 (en) 2012-07-11 2019-03-06 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Axial-flow exhaust turbine
JP6813446B2 (ja) 2017-07-12 2021-01-13 三菱パワー株式会社 蒸気タービンのドレン排出構造及びその改造方法
KR20230039725A (ko) 2020-09-28 2023-03-21 미츠비시 파워 가부시키가이샤 증기 터빈

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010151056A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toshiba Corp 蒸気タービン
US9291062B2 (en) 2012-09-07 2016-03-22 General Electric Company Methods of forming blades and method for rendering a blade resistant to erosion
JP2014114721A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸気タービン
EP2952700A1 (de) * 2014-06-03 2015-12-09 Siemens Aktiengesellschaft Innengehäusekonstruktion für eine Strömungsmaschine und zugehöriges Herstellungsverfahren
WO2015185294A1 (de) * 2014-06-03 2015-12-10 Siemens Aktiengesellschaft Innengehäusekonstruktion für eine strömungsmaschine und zugehöriges herstellungsverfahren

Also Published As

Publication number Publication date
JP3815143B2 (ja) 2006-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6802881B2 (en) Rotating wave dust separator
US5494405A (en) Method of modifying a steam turbine
JP2007315385A (ja) 水分除去及び蒸気噴射のための翼形部及び方法
JP2003514194A (ja) 軸流ファン
JP2016125488A (ja) ガスタービンエンジン用ダート抽出装置
JP5431047B2 (ja) 蒸気タービン
JP2009504979A (ja) コンプレッサ洗浄
JP2009138540A (ja) 蒸気タービンおよび蒸気タービン段落の湿分除去構造
JP2004124751A (ja) 蒸気タービンの湿分分離装置
JP2001090506A (ja) 静翼及び蒸気タービン
JPS5919792Y2 (ja) エネルギ−回収装置
JP4296829B2 (ja) オイルミストの捕集方法およびオイルミストセパレータ
JP2753237B2 (ja) 蒸気タービンの静翼構造
JP2002097902A (ja) 向上した水分除去効率の水分除去ポケット
JPH0326802A (ja) 蒸気タービンの静翼装置
JP4184565B2 (ja) 蒸気タービンノズルおよびその蒸気タービンノズルを用いた蒸気タービン
JPH0245441Y2 (ja)
JP3862893B2 (ja) 蒸気タービンのドレン分離構造
JP3950308B2 (ja) 蒸気タービン内湿分除去装置
JP5984612B2 (ja) 蒸気タービン
JPH1122474A (ja) セラミックタービン用スクロール
JP2000145404A (ja) 蒸気タービンの湿分飛散防止構造
WO2023276385A1 (ja) タービン静翼、及び蒸気タービン
JP7429296B2 (ja) タービン静翼、及び蒸気タービン
JPH08121107A (ja) 蒸気タービンノズル

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051111

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060529

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090616

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120616

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120616

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130616

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees