JP2001089262A - 土木用に使用可能な軽量コンクリート組成物およびその硬化体 - Google Patents
土木用に使用可能な軽量コンクリート組成物およびその硬化体Info
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00034—Physico-chemical characteristics of the mixtures
- C04B2111/00146—Sprayable or pumpable mixtures
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- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 人工軽量骨材を事前吸水せずに用いながらポ
ンプ圧送性に優れ、かつ土木用として使用可能な高強度
の軽量コンクリートを提供する。 【解決手段】 絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%
以下の事前吸水せずに用いた人工軽量粗骨材を含有し、
単位セメント量320〜550kg/m3、上記粗骨材の単
位量300〜400L/m3であり、フレッシュコンクリー
トがポンプ圧送下でスランプフロー値40cm以上であっ
て基準高さを乗り越えて圧送される流動性を有すること
を特徴とする軽量コンクリート組成物。
ンプ圧送性に優れ、かつ土木用として使用可能な高強度
の軽量コンクリートを提供する。 【解決手段】 絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%
以下の事前吸水せずに用いた人工軽量粗骨材を含有し、
単位セメント量320〜550kg/m3、上記粗骨材の単
位量300〜400L/m3であり、フレッシュコンクリー
トがポンプ圧送下でスランプフロー値40cm以上であっ
て基準高さを乗り越えて圧送される流動性を有すること
を特徴とする軽量コンクリート組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗骨材に人工軽量
骨材を用いた軽量コンクリートであって、しかもこの粗
骨材を事前吸水せずに用いながら、フレッシュコンクリ
ートがポンプ圧送可能な流動性を有し、その硬化体が土
木構造体として用いることができる高強度の軽量コンク
リートに関する。
骨材を用いた軽量コンクリートであって、しかもこの粗
骨材を事前吸水せずに用いながら、フレッシュコンクリ
ートがポンプ圧送可能な流動性を有し、その硬化体が土
木構造体として用いることができる高強度の軽量コンク
リートに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、人工軽量骨材を用いた軽量コンク
リートが広く利用されている。従来、この人工軽量骨材
は内部に多数の空隙を有するために吸水率が砂や砂利等
の普通骨材に比べて大きい。このような吸水率の大きい
骨材を乾燥状態で用いると、コンクリートの練混ぜ、運
搬および打ち込み等の過程で吸水し、コンシステンシー
が変化する。特に、ポンプ圧送する場合、事前吸水(プ
レウエッティング)しない人工軽量骨材を用いたものは
ポンプ圧によってコンクリートの水が骨材に吸収され、
スランプ変化やポンプの閉塞などの問題を引き起こす。
このため、従来の人工軽量骨材は事前に十分に吸水して
使用する必要があり、概ね粗骨材では25%以上、細骨
材では15%以上の吸水状態に事前吸水して用いてお
り、普通骨材に比べて事前吸水に関する処理が余分にか
かる。
リートが広く利用されている。従来、この人工軽量骨材
は内部に多数の空隙を有するために吸水率が砂や砂利等
の普通骨材に比べて大きい。このような吸水率の大きい
骨材を乾燥状態で用いると、コンクリートの練混ぜ、運
搬および打ち込み等の過程で吸水し、コンシステンシー
が変化する。特に、ポンプ圧送する場合、事前吸水(プ
レウエッティング)しない人工軽量骨材を用いたものは
ポンプ圧によってコンクリートの水が骨材に吸収され、
スランプ変化やポンプの閉塞などの問題を引き起こす。
このため、従来の人工軽量骨材は事前に十分に吸水して
使用する必要があり、概ね粗骨材では25%以上、細骨
材では15%以上の吸水状態に事前吸水して用いてお
り、普通骨材に比べて事前吸水に関する処理が余分にか
かる。
【0003】また、現在、日本建築学会の規格(JASS 5)
などにおいて、人工軽量骨材を配合した軽量コンクリー
トの設計基準強度が定められているが、規定されている
軽量1種コンクリートの基準上限強度は36N/mm2であ
り、プレストレストコンクリート等の土木構造体用とし
ては更に高強度の軽量コンクリートが求められる。ま
た、土木用コンクリートとして用いるには寒冷地での凍
結融解に対する十分な耐久性を有する必要がある。しか
し、従来、軽量コンクリートの凍結融解抵抗性を向上さ
せるには人工軽量粗材の練り混ぜ時の吸水量を少なくす
る必要があるが、ポンプ圧送時の圧力により、コンクリ
ート中の人工軽量骨材が吸水し、凍結融解抵抗性が損な
われることがあった。
などにおいて、人工軽量骨材を配合した軽量コンクリー
トの設計基準強度が定められているが、規定されている
軽量1種コンクリートの基準上限強度は36N/mm2であ
り、プレストレストコンクリート等の土木構造体用とし
ては更に高強度の軽量コンクリートが求められる。ま
た、土木用コンクリートとして用いるには寒冷地での凍
結融解に対する十分な耐久性を有する必要がある。しか
し、従来、軽量コンクリートの凍結融解抵抗性を向上さ
せるには人工軽量粗材の練り混ぜ時の吸水量を少なくす
る必要があるが、ポンプ圧送時の圧力により、コンクリ
ート中の人工軽量骨材が吸水し、凍結融解抵抗性が損な
われることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人工軽量骨
材を配合した軽量コンクリートについて、従来の上記課
題を解決したものであり、軽量でありながら吸水率が極
めて小さい人工軽量骨材を所定量配合することにより、
事前吸水しない人工軽量骨材を配合したフレッシュコン
クリートがポンプ圧送可能な流動性を有し、しかも土木
用コンクリートとして使用できる高強度の軽量コンクリ
ートを提供するものである。
材を配合した軽量コンクリートについて、従来の上記課
題を解決したものであり、軽量でありながら吸水率が極
めて小さい人工軽量骨材を所定量配合することにより、
事前吸水しない人工軽量骨材を配合したフレッシュコン
クリートがポンプ圧送可能な流動性を有し、しかも土木
用コンクリートとして使用できる高強度の軽量コンクリ
ートを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、絶
乾比重1.5以下および吸水率5wt%以下の事前吸水せ
ずに用いた人工軽量粗骨材を含有し、単位セメント量3
20〜550kg/m3、上記粗骨材の単位量300〜40
0L/m3であり、フレッシュコンクリートがポンプ圧送下
でスランプフロー値40cm以上であって基準高さを乗り
越えて圧送される流動性を有することを特徴とする軽量
コンクリート組成物に関する。
乾比重1.5以下および吸水率5wt%以下の事前吸水せ
ずに用いた人工軽量粗骨材を含有し、単位セメント量3
20〜550kg/m3、上記粗骨材の単位量300〜40
0L/m3であり、フレッシュコンクリートがポンプ圧送下
でスランプフロー値40cm以上であって基準高さを乗り
越えて圧送される流動性を有することを特徴とする軽量
コンクリート組成物に関する。
【0006】本発明の上記軽量コンクリートは、好まし
くは、硬化後の気乾単位容積質量が2t/m3以下であっ
て、材齢7日以降の圧縮強度が30N/mm2以上、より好
ましくは40N/mm2以上のものである。また、好ましく
は水セメント比45wt%以下および空気量4〜7vol%
であってフレッシュコンクリートのスランプ値が8〜2
1cmないしスランプフロー値が40〜60cmのものであ
る。さらに、骨材に関してより好ましくは、粗骨材が絶
乾比重0.7〜1.5であって吸水率5wt%以下および圧
壊強度800N以上の人工軽量骨材であり、細骨材が普
通骨材のものである。
くは、硬化後の気乾単位容積質量が2t/m3以下であっ
て、材齢7日以降の圧縮強度が30N/mm2以上、より好
ましくは40N/mm2以上のものである。また、好ましく
は水セメント比45wt%以下および空気量4〜7vol%
であってフレッシュコンクリートのスランプ値が8〜2
1cmないしスランプフロー値が40〜60cmのものであ
る。さらに、骨材に関してより好ましくは、粗骨材が絶
乾比重0.7〜1.5であって吸水率5wt%以下および圧
壊強度800N以上の人工軽量骨材であり、細骨材が普
通骨材のものである。
【0007】また、本発明は、骨材の全部または一部が
絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%以下の事前吸水
せずに用いた人工軽量骨材であり、気乾単位容積質量2
t/m3以下および材齢7日以降の圧縮強度30N/mm2以
上、好ましくは40N/mm2以上であることを特徴とする
軽量コンクリート硬化体に関する。この軽量コンクリー
トは土木構造物に用いることができる。
絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%以下の事前吸水
せずに用いた人工軽量骨材であり、気乾単位容積質量2
t/m3以下および材齢7日以降の圧縮強度30N/mm2以
上、好ましくは40N/mm2以上であることを特徴とする
軽量コンクリート硬化体に関する。この軽量コンクリー
トは土木構造物に用いることができる。
【0008】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施態様に即して
具体的に説明する。本発明の軽量コンクリート組成物
は、粗骨材が絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%以
下の事前吸水せずに用いた人工軽量骨材であって、好ま
しくは圧壊強度800N以上の人工軽量粗骨材を用いた
ものである。
具体的に説明する。本発明の軽量コンクリート組成物
は、粗骨材が絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%以
下の事前吸水せずに用いた人工軽量骨材であって、好ま
しくは圧壊強度800N以上の人工軽量粗骨材を用いた
ものである。
【0009】人工軽量粗骨材の絶乾比重が1.5を超え
るものは本発明の高強度軽量コンクリートに適さない。
一方、絶乾比重が0.6より小さいと、水を加えて混練
する際に浮き上がって材料分離を生じやすくなるので絶
乾比重0.6〜1.5、好ましくは0.7〜1.5のものが
適当である。
るものは本発明の高強度軽量コンクリートに適さない。
一方、絶乾比重が0.6より小さいと、水を加えて混練
する際に浮き上がって材料分離を生じやすくなるので絶
乾比重0.6〜1.5、好ましくは0.7〜1.5のものが
適当である。
【0010】本発明に用いる人工軽量粗骨材は24時間
吸水率(単に吸水率と云う)が5wt%以下のものである。
骨材の吸水率が5%以下であれば事前吸水せずに用いて
もフレッシュコンクリートのポンプ圧送性を損なわな
い。また、これを配合した軽量コンクリートの凍結融解
抵抗性が優れる。一方、吸水率が5wt%を上回ると吸水
率が大きくなるにつれて事前吸水する必要が増し、事前
吸水を不要とする本発明の目的から離れる。
吸水率(単に吸水率と云う)が5wt%以下のものである。
骨材の吸水率が5%以下であれば事前吸水せずに用いて
もフレッシュコンクリートのポンプ圧送性を損なわな
い。また、これを配合した軽量コンクリートの凍結融解
抵抗性が優れる。一方、吸水率が5wt%を上回ると吸水
率が大きくなるにつれて事前吸水する必要が増し、事前
吸水を不要とする本発明の目的から離れる。
【0011】さらに、本発明に用いる人工軽量粗骨材は
圧壊強度が800N以上のものが好ましい。圧壊強度が
これより小さいものは、圧縮強度30N/m3以上の軽量コ
ンクリート硬化体を得るのに適さない。
圧壊強度が800N以上のものが好ましい。圧壊強度が
これより小さいものは、圧縮強度30N/m3以上の軽量コ
ンクリート硬化体を得るのに適さない。
【0012】本発明に用いる上記人工軽量粗骨材は、黒
曜石や真珠岩などのガラス質原料を所定粒度に調整した
ものに、発泡剤や粘着材を加えて造粒し、好ましくは、
これを半溶融状態にする一次焼成の後に、さらに発泡を
主体とする二次焼成を行い、引き続き所定速度で徐冷す
ることによって製造することができる。この製造方法に
よれば、内部に多数の空隙を有しながら表面が緻密で細
孔が少なく、従って、絶乾比重が0.6〜1.5と軽く、
しかも24時間吸水率が5%以下、好ましくは2%以下
の低吸水率を有し、圧壊強度が800N以上の人工軽量
骨材を得ることができる。この人工軽量骨材の具体例は
アサノスーパライトの商品名(太平洋セメント社製品)で
市販されているものである。
曜石や真珠岩などのガラス質原料を所定粒度に調整した
ものに、発泡剤や粘着材を加えて造粒し、好ましくは、
これを半溶融状態にする一次焼成の後に、さらに発泡を
主体とする二次焼成を行い、引き続き所定速度で徐冷す
ることによって製造することができる。この製造方法に
よれば、内部に多数の空隙を有しながら表面が緻密で細
孔が少なく、従って、絶乾比重が0.6〜1.5と軽く、
しかも24時間吸水率が5%以下、好ましくは2%以下
の低吸水率を有し、圧壊強度が800N以上の人工軽量
骨材を得ることができる。この人工軽量骨材の具体例は
アサノスーパライトの商品名(太平洋セメント社製品)で
市販されているものである。
【0013】本発明の軽量コンクリートに用いるセメン
トとしては、普通ポルトランドセメントや早強ポルトラ
ンドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント等の混合セメントなどを用いること
ができる。セメントの他に必要に応じて各種の混和剤を
用いることができる。例えば、各種の高性能減水剤や高
性能AE減水剤、AE助剤などを用いることができる。
トとしては、普通ポルトランドセメントや早強ポルトラ
ンドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント等の混合セメントなどを用いること
ができる。セメントの他に必要に応じて各種の混和剤を
用いることができる。例えば、各種の高性能減水剤や高
性能AE減水剤、AE助剤などを用いることができる。
【0014】本発明の上記軽量コンクリートの配合割合
は単位セメント量320〜550kg/m3である。セメン
ト量がこれより少ないと所望の強度を有する軽量コンク
リートが得られない。一方、セメント量がこれより多い
と軽量コンクリートの強度は増すがコスト高になる。
は単位セメント量320〜550kg/m3である。セメン
ト量がこれより少ないと所望の強度を有する軽量コンク
リートが得られない。一方、セメント量がこれより多い
と軽量コンクリートの強度は増すがコスト高になる。
【0015】本発明の軽量コンクリートは、粗骨材とし
て上記人工軽量骨材を用いるが、細骨材は砂などの普通
骨材を用いることができる。人工軽量粗骨材と普通細骨
材を組み合わせて用いることにより、所望の軽量性を確
保しながら硬化体の強度を高めることがきる。人工軽量
粗骨材の単位量は300〜400L/m3が適当である。上
記人工軽量粗骨材の配合量がこれより少ないと軽量コン
クリートの単位重量が増加し目的の軽量コンクリートが
得られない。一方、この配合量が上記範囲よりも多い
と、粗骨材全体の配合量が過剰になり、相対的にセメン
ト量等が少なく、硬化体の強度が低下するので好ましく
ない。
て上記人工軽量骨材を用いるが、細骨材は砂などの普通
骨材を用いることができる。人工軽量粗骨材と普通細骨
材を組み合わせて用いることにより、所望の軽量性を確
保しながら硬化体の強度を高めることがきる。人工軽量
粗骨材の単位量は300〜400L/m3が適当である。上
記人工軽量粗骨材の配合量がこれより少ないと軽量コン
クリートの単位重量が増加し目的の軽量コンクリートが
得られない。一方、この配合量が上記範囲よりも多い
と、粗骨材全体の配合量が過剰になり、相対的にセメン
ト量等が少なく、硬化体の強度が低下するので好ましく
ない。
【0016】本発明に係る軽量コンクリート組成物は、
好ましくは、水セメント比45wt%以下、空気量4〜7
vol%の配合下において、フレッシュコンクリートがポ
ンプ圧送下でスランプフロー値40cm以上であって基準
高さを乗り越えて圧送される流動性を有するものであ
る。なお、好ましくはフレッシュコンクリートのスラン
プ値8〜21cm、スランプフロー値40〜60cmのもの
が適当である。この水セメント比が45wt%を上回ると
所望の強度を有する硬化体が得られない。また、空気量
が4vol%より少ないと凍結融解抵抗性が低下するので
好ましくない。一方、空気量が7vol%を超えると硬化
体の強度が低下する。さらに、スランプ値が8cm未満あ
るいはスランプフロー値が40cm未満ではコンクリート
のワーカビリティが低下し、型枠への充填性が悪くな
る。一方、スランプ値21cmあるいはスランプフロー値
60cmを超えるものはフレッシュコンクリートの材料分
離抵抗性が低下する。
好ましくは、水セメント比45wt%以下、空気量4〜7
vol%の配合下において、フレッシュコンクリートがポ
ンプ圧送下でスランプフロー値40cm以上であって基準
高さを乗り越えて圧送される流動性を有するものであ
る。なお、好ましくはフレッシュコンクリートのスラン
プ値8〜21cm、スランプフロー値40〜60cmのもの
が適当である。この水セメント比が45wt%を上回ると
所望の強度を有する硬化体が得られない。また、空気量
が4vol%より少ないと凍結融解抵抗性が低下するので
好ましくない。一方、空気量が7vol%を超えると硬化
体の強度が低下する。さらに、スランプ値が8cm未満あ
るいはスランプフロー値が40cm未満ではコンクリート
のワーカビリティが低下し、型枠への充填性が悪くな
る。一方、スランプ値21cmあるいはスランプフロー値
60cmを超えるものはフレッシュコンクリートの材料分
離抵抗性が低下する。
【0017】なお、ポンプ圧送下で基準高さを乗り越え
て圧送される流動性を有するとは、基準高さ(例えば10
m)に圧送管(例えば水平距離20m)を設置し、ポンプ圧
を加えてフレッシュコンクリートが上記圧送管を流れる
ことができる状態の流動性を有することを云う。なお、
基準高さは10m以上であれば良い。圧送管の長さは2
0mに限らない。このような流動性を有するものは、型
枠にコンクリートを打込む際に、気泡やジャンカ、充填
不良個所等の欠陥を殆ど生じることがない。
て圧送される流動性を有するとは、基準高さ(例えば10
m)に圧送管(例えば水平距離20m)を設置し、ポンプ圧
を加えてフレッシュコンクリートが上記圧送管を流れる
ことができる状態の流動性を有することを云う。なお、
基準高さは10m以上であれば良い。圧送管の長さは2
0mに限らない。このような流動性を有するものは、型
枠にコンクリートを打込む際に、気泡やジャンカ、充填
不良個所等の欠陥を殆ど生じることがない。
【0018】上記軽量コンクリート組成物によって、気
乾単位容積質量が2トン/m3以下であって材齢7日以降の
圧縮強度が30N/mm2以上の軽量コンクリート硬化体を
得ることができる。この軽量コンクリート硬化体は、従
来、建築用材料として規格されているものよりも高強度
であり、土木構造物に用いることができる。
乾単位容積質量が2トン/m3以下であって材齢7日以降の
圧縮強度が30N/mm2以上の軽量コンクリート硬化体を
得ることができる。この軽量コンクリート硬化体は、従
来、建築用材料として規格されているものよりも高強度
であり、土木構造物に用いることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。実施例1 表1に示す材料を用い、表2に示す配合条件に従い、骨
材は事前吸水せずに配合した軽量コンクリートを製造し
た(表1の粗骨材、高性能AE減水剤およびAE助剤の
名称は商品名)。この軽量コンクリートについて、フレ
ッシュコンクリートのポンプ圧送性およびスランプ(ス
ランプフロー)、標準養生後の硬化体について気乾単位
容積質量と圧縮強度、凍結融解に対する耐久性、材料分
離状態を表3に示した。なお、試験方法はスランプ(ス
ランプフロー)はJIS A 1101、圧縮強度はJIS A 1108に
従い、気乾単位容積質量は圧縮強度試験体の質量と体積
を計測して求めた。ポンプ圧送性は高所に設置した圧送
管(高さ10m,水平距離20m)に1時間あたり15m3の速
度で生コンクリートを圧送してその可否を見た。圧送後
のコンクリートはスランプ(フロー)試験を行って流動性
を確認し、型枠(50cm立方)に打込んだ。充填性について
は型枠の除却後にコンクリート表面に粗大な気泡やジャ
ンカ等の充填不備による欠陥の有無を確認した。また、
コンクリートの質量を計測し、配合設計時のコンクリー
ト質量と比較した。粗骨材の分離状態は試験体(50cm立
方)を高さ方向に3等分に切断し、それぞれの質量の相
違を単位容積質量で比較した。凍結融解の耐久性試験は
ASTM C 666に従い、劣化状況を耐久性指数(DF)60以上
を基準に評価した。なお、耐久性指数(DF)は次式によ
って示される。DF=P×N/M(P:凍結融解Nサイ
クルのときの相対動性係数(%)、N:相対動弾性係数が
60%以上になるサイクルまたは300サイクルのいず
れか、M:300サイクル)
す。実施例1 表1に示す材料を用い、表2に示す配合条件に従い、骨
材は事前吸水せずに配合した軽量コンクリートを製造し
た(表1の粗骨材、高性能AE減水剤およびAE助剤の
名称は商品名)。この軽量コンクリートについて、フレ
ッシュコンクリートのポンプ圧送性およびスランプ(ス
ランプフロー)、標準養生後の硬化体について気乾単位
容積質量と圧縮強度、凍結融解に対する耐久性、材料分
離状態を表3に示した。なお、試験方法はスランプ(ス
ランプフロー)はJIS A 1101、圧縮強度はJIS A 1108に
従い、気乾単位容積質量は圧縮強度試験体の質量と体積
を計測して求めた。ポンプ圧送性は高所に設置した圧送
管(高さ10m,水平距離20m)に1時間あたり15m3の速
度で生コンクリートを圧送してその可否を見た。圧送後
のコンクリートはスランプ(フロー)試験を行って流動性
を確認し、型枠(50cm立方)に打込んだ。充填性について
は型枠の除却後にコンクリート表面に粗大な気泡やジャ
ンカ等の充填不備による欠陥の有無を確認した。また、
コンクリートの質量を計測し、配合設計時のコンクリー
ト質量と比較した。粗骨材の分離状態は試験体(50cm立
方)を高さ方向に3等分に切断し、それぞれの質量の相
違を単位容積質量で比較した。凍結融解の耐久性試験は
ASTM C 666に従い、劣化状況を耐久性指数(DF)60以上
を基準に評価した。なお、耐久性指数(DF)は次式によ
って示される。DF=P×N/M(P:凍結融解Nサイ
クルのときの相対動性係数(%)、N:相対動弾性係数が
60%以上になるサイクルまたは300サイクルのいず
れか、M:300サイクル)
【0020】表3に示すように、本発明に係る例(No.1
〜8)は何れもポンプ圧送性に優れ、単位容積質量が小さ
く軽量でありながら高い圧縮強度を有する。また、材料
分離も生じない。一方、粗骨材として本発明の範囲より
も吸水率が高くあるいは粗骨材の容積量が大きな人工軽
量骨材を事前吸水せずに用いたもの(B1,B3,B5)は、ポン
プによる圧送ができず、硬化後の圧縮強度および凍結融
解に対する耐久性が低い。また、本発明の範囲より比重
が大きい人工軽量粗骨材を用いたもの(B2,B6)や粗骨材
の容積量が少ないもの(B4)は何れも硬化後の単位容積質
量が2t/m3を超え軽量コンクリートが得られない。
〜8)は何れもポンプ圧送性に優れ、単位容積質量が小さ
く軽量でありながら高い圧縮強度を有する。また、材料
分離も生じない。一方、粗骨材として本発明の範囲より
も吸水率が高くあるいは粗骨材の容積量が大きな人工軽
量骨材を事前吸水せずに用いたもの(B1,B3,B5)は、ポン
プによる圧送ができず、硬化後の圧縮強度および凍結融
解に対する耐久性が低い。また、本発明の範囲より比重
が大きい人工軽量粗骨材を用いたもの(B2,B6)や粗骨材
の容積量が少ないもの(B4)は何れも硬化後の単位容積質
量が2t/m3を超え軽量コンクリートが得られない。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】実施例2 表1に示す材料を用い、表4に示す配合条件に従い、骨
材を事前吸水せずに配合すると共に混和剤の添加量を調
整してフレッシュコンクリートの流動性が異なる軽量コ
ンクリート(単位容積質量1.80〜1.87kg/L)を製造した。
この軽量コンクリートについて、フレッシュコンクリー
トのポンプ圧送性、標準養生後の硬化体について気乾単
位容積質量と圧縮強度、凍結融解に対する耐久性、材料
分離状態を表5に示した。この結果に示すように、本発
明の例(No.9〜14)は何れもポンプ圧送が可能であるが、
スランプないしスランプフローが本発明の好ましい範囲
より小さいもの(B7,B9)はポンプの閉塞を生じ、圧送不
能であった。また、スランプないしスランプフローが本
発明の好ましい範囲より大きいもの(B8,B10)は材料分離
を生じた。
材を事前吸水せずに配合すると共に混和剤の添加量を調
整してフレッシュコンクリートの流動性が異なる軽量コ
ンクリート(単位容積質量1.80〜1.87kg/L)を製造した。
この軽量コンクリートについて、フレッシュコンクリー
トのポンプ圧送性、標準養生後の硬化体について気乾単
位容積質量と圧縮強度、凍結融解に対する耐久性、材料
分離状態を表5に示した。この結果に示すように、本発
明の例(No.9〜14)は何れもポンプ圧送が可能であるが、
スランプないしスランプフローが本発明の好ましい範囲
より小さいもの(B7,B9)はポンプの閉塞を生じ、圧送不
能であった。また、スランプないしスランプフローが本
発明の好ましい範囲より大きいもの(B8,B10)は材料分離
を生じた。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】実施例3 表1の材料を用い、表4の配合(イ)に従い、混和剤の添
加量を調整して空気量の異なる軽量コンクリート(単位
容積質量1.8kg/L)を製造した。この軽量コンクリート
について、圧縮強度、凍結融解耐久性を調べた。この結
果を表6に示した。この結果に示すように、空気量が3
%では凍結融解の耐久性が低下し、また8%では硬化体
の圧縮強度が大幅に低下するので好ましくない。空気量
4〜7%のものは圧縮強度および凍結融解耐久性の何れ
も優れている。
加量を調整して空気量の異なる軽量コンクリート(単位
容積質量1.8kg/L)を製造した。この軽量コンクリート
について、圧縮強度、凍結融解耐久性を調べた。この結
果を表6に示した。この結果に示すように、空気量が3
%では凍結融解の耐久性が低下し、また8%では硬化体
の圧縮強度が大幅に低下するので好ましくない。空気量
4〜7%のものは圧縮強度および凍結融解耐久性の何れ
も優れている。
【0028】
【表6】
【0029】
【発明の効果】本発明に係る軽量コンクリートは、人工
軽量骨材を事前吸水せずに用いても、そのフレッシュコ
ンクリートが優れたポンプ圧送性を有し、かつそのコン
クリート硬化体は土木構造物材料として用いることがで
きる圧縮強度と凍結融解耐久性を有する。
軽量骨材を事前吸水せずに用いても、そのフレッシュコ
ンクリートが優れたポンプ圧送性を有し、かつそのコン
クリート硬化体は土木構造物材料として用いることがで
きる圧縮強度と凍結融解耐久性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 明彦 東京都江東区清澄1丁目2番23号 太平洋 セメント株式会社研究本部内 (72)発明者 森 大介 東京都江東区清澄1丁目2番23号 太平洋 セメント株式会社研究本部内 Fターム(参考) 4G012 PA07 PC02 PC03 4G019 LA02 LB02 LD01 LD02
Claims (6)
- 【請求項1】 絶乾比重1.5以下および吸水率5wt%
以下の事前吸水せずに用いた人工軽量粗骨材を含有し、
単位セメント量320〜550kg/m3、上記粗骨材の単
位量300〜400L/m3であり、フレッシュコンクリー
トがポンプ圧送下でスランプフロー値40cm以上であっ
て基準高さを乗り越えて圧送される流動性を有すること
を特徴とする軽量コンクリート組成物。 - 【請求項2】 硬化後の気乾単位容積質量が2t/m3以下
であって、材齢7日以降の圧縮強度が30N/mm2以上、
好ましくは40N/mm2以上である請求項1の軽量コンク
リート組成物。 - 【請求項3】 水セメント比45wt%以下および空気量
4〜7vol%であってフレッシュコンクリートのスラン
プ値が8〜21cmないしスランプフロー値が40〜60
cmである請求項1または2の軽量コンクリート組成物。 - 【請求項4】 粗骨材が絶乾比重0.7〜1.5であって
吸水率5wt%以下および圧壊強度800N以上の人工軽
量骨材であり、細骨材が普通骨材である請求項1,2ま
たは3の軽量コンクリート組成物。 - 【請求項5】 骨材の全部または一部が絶乾比重1.5
以下および吸水率5wt%以下の事前吸水せずに用いた人
工軽量骨材であり、気乾単位容積質量2t/m3以下および
材齢7日以降の圧縮強度30N/mm2以上、好ましくは4
0N/mm2以上であることを特徴とする軽量コンクリート
硬化体。 - 【請求項6】 土木構造物に用いられる請求項5の軽量
コンクリート硬化体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26995699A JP2001089262A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 土木用に使用可能な軽量コンクリート組成物およびその硬化体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26995699A JP2001089262A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 土木用に使用可能な軽量コンクリート組成物およびその硬化体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089262A true JP2001089262A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17479568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26995699A Pending JP2001089262A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 土木用に使用可能な軽量コンクリート組成物およびその硬化体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089262A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014080337A (ja) * | 2012-10-17 | 2014-05-08 | Kao Corp | コンクリートのポンプ圧送方法 |
-
1999
- 1999-09-24 JP JP26995699A patent/JP2001089262A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014080337A (ja) * | 2012-10-17 | 2014-05-08 | Kao Corp | コンクリートのポンプ圧送方法 |
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