JP2001083455A - 虚像観察光学素子及び虚像観察光学装置 - Google Patents
虚像観察光学素子及び虚像観察光学装置Info
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Abstract
つ虚像観察光学装置を提供し、また、明瞭で歪みの少な
い観察像を与えると同時に外界を明るく観察することが
できるシースルー機能をあわせ持つ虚像観察光学装置を
提供する。 【解決手段】 画像表示素子1と、屈折面3と反射型ホ
ログラフィック光学素子4により構成される反射面5と
光束分割面6とを有して屈折率が1より大きい媒質によ
り構成されたプリズム2とを備える。画像表示素子1か
ら射出された光束は、入射面3からプリズム2内に入射
し、少なくとも1回以上、反射面5に入射し、光束分割
面6より出射し、瞳7に至る。
Description
観察するための虚像観察光学素子及びこの虚像観察光学
素子を有して構成された虚像観察光学装置に関する。
示される映像を虚像として肉眼により観察するための虚
像観察光学系が提案されている。従来の虚像観察光学系
は、収差の増大を抑えるために、共軸系、すなわち、回
転対称系として構成されたものが多い。そのため、光学
素子のレイアウトが制限され、光学系全体の小型化が難
しかった。
ては、図14に示すように、屈折レンズを2枚使用した
ものが提案されている。これらの屈折レンズ107,1
08は、軽量化のため、プラスティック製非球面レンズ
が使われる場合が多い。この虚像観察光学系を備えて構
成された虚像観察光学装置においては、ビデオ信号10
1が液晶ディスプレイ(LCD)駆動回路102に入力
される。液晶ディスプレイ駆動回路102からは、冷陰
極管電圧103及びLCD駆動信号104が出力され、
それぞれ、バックライト105と液晶ディスプレイ10
6に入力される。
を光源として構成されている。この冷陰極線管105a
の液晶ディスプレイ106側には、液晶ディスプレイへ
照射される光の輝度を均一にしつつ拡散角度を制御する
ために、拡散板105bが設けられている。画像表示素
子である液晶ディスプレイ106には、例えば0.55
インチの透過型液晶ディスプレイを用いる。この液晶デ
ィスプレイ106では、電気信号である画像信号が実際
の画像に変換され、バックライト105から射出した光
束が変調される。このように変調されて液晶ディスプレ
イ106を透過した光束は、屈折レンズ107,108
を透過し、虚像結像のための光学的パワーを与えられ、
瞳109に導かれる。
出瞳を大きくしようとすると収差補正が非常に難しくな
り、例えば画角20°を超えると、画面周辺のコマ収差
の補正が困難になる。また、この光学系においては、光
学系が直線的に構成されているため、光学系全体の長さ
が長くなってしまうという欠点がある。
は、図15に示すように、凹面鏡113を使用して構成
したものも提案されている。この凹面鏡としては、軽量
化のため、プラスティック製の非球面基板113aに反
射膜112を蒸着したものが使われる場合が多い。この
ような虚像観察光学系を備えて構成された虚像観察光学
装置においては、ビデオ信号101が液晶ディスプレイ
駆動回路102に入力される。液晶ディスプレイ駆動回
路102からは、冷陰極管電圧103と液晶ディスプレ
イ駆動信号104が出力され、それぞれバックライト1
05及び液晶ディスプレイ106に入力される。バック
ライト105は、上述したように、冷陰極管105a及
び拡散板105bを有して構成されている。バックライ
ト15から射出され液晶ディスプレイ106で変調され
た光束は、光束分割デバイスである偏光ビームスプリッ
タ110に入射する。
射光束のうちの1部が透過し、残りは、偏光性光束分割
膜108において反射され、凹面鏡113に入射する。
凹面鏡113に入射した光束は、少なくとも一部が反射
されて再び偏光ビームスプリッタ110に入射し、さら
にその一部が偏光ビームスプリッタ110を透過して瞳
109に入射する。一方、反射膜112がハーフミラー
として形成されている場合においては、凹面鏡113の
外方側(図15中の左側)より進行してくる外界(背
景)の光束は、その一部が凹面鏡113及び偏光ビーム
スプリッター110を透過して、瞳109に入射する。
このようにして、虚像観察光学系の向こう側の外界を観
察することができる機能をシースルー機能という。
系においては、コマ収差や倍率の色収差の発生が、図1
4に示した屈折レンズを用いて構成した光学系に比べて
少ないので、画角を広くとることが可能となる。しか
し、外界からの光束は、凹面鏡113及び偏光ビームス
プリッタ110を透過して瞳109に達するので、光量
のロスが大きい。また、観察画角が30°程度を超える
と、非球面基板113aを透過することにより発生する
像面湾曲の補正が難しくなる。さらに、偏光ビームスプ
リッタ110を光軸に対して45°の傾斜を有して配置
するため、広画角化に伴って光学系全体が大型化すると
いう問題がある。
光学系では、広画角を確保しながら、光学系全体の小型
化を実現することは困難であった。
ことができる偏心系の虚像観察光学系においても、光学
素子の偏心に伴って発生する偏心収差の低減のために、
複数のトーリック面、アナモルフイック面などが使用さ
れ、結果的に光学系全体の小型化が阻害されていた。
は、図16に示すように、偏心して配置された凹面ハー
フミラー114を用いて構成されたものが提案されてい
る。画像表示素子である液晶ディスプレイ106により
画像が表示されるまでの動作は、図14及び図15によ
り前述したものと同様である。この虚像観察光学系は、
液晶ディスプレイ106から出射された光束の一部が偏
心して配置された凹面ハーフミラー114で反射され、
瞳109に導かれるという光路を形成しているため、光
学素子の点数も少なく、小型軽量化に適している。さら
に、この虚像観察光学系においては、凹面ハーフミラー
114の外方側より進行してくる背景の光束の一部が該
凹面ハーフミラー114を通過して瞳109に入射し、
シースルー機能が実現されている。
ーフミラー114を用いて構成された虚像観察光学系
は、凹面ハーフミラー2が偏心して配置されているため
にこの凹面ハーフミラー2により光束が反射されるとき
に膨大な偏心収差が発生し、観察される虚像は良質のも
のではなく、使用に耐えられるものではない。
プリズムを用いた偏心収差光学系においては、形状が複
雑となり、そのままではシースルー機能、すなわち、虚
像観察光学系を透して背景(外界)を観察する機能が実
現できないという欠点がある。
た虚像観察光学系は、図17に示すように、画像表示素
子である液晶ディスプレイ106と、接眼光学系である
内部屈折率が1より大なる偏心自由曲面プリズム115
とから構成される。偏心自由曲面プリズム115は、少
なくとも1面の反射作用を有する反射面115aを備え
ている。反射面115aの少なくとも一面は、その面内
及び面外ともに回転対称軸を有しない形状で、しかも、
対称面をひとつのみ有する面対称自由曲面からなる。そ
して、この偏心自由曲面プリズム115は、反射面11
5aの他、入射面となる屈折面115b及び光束分割面
115cを有している。
スプレイ106から発した光束は、屈折面115bで屈
折して偏心自由曲面プリズム115内に入射し、光束分
割面115cで内部反射し、反射面115bで反射され
て再び光束分割面115cに入射して屈折されて、観察
者の瞳109に入射する。
備えて構成された虚像観察光学系は、広い画角において
も、明瞭で歪みの少ない観察像を与えることができる。
しかしながら、自由曲面の形状の作成には、特別な技術
が要求される。また、シースルー機能を実現するときに
は、偏心自由曲面プリズム115の反射面115aをハ
ーフミラーに変えただけでは成り立たない。すなわち、
外界からの光線は、偏心自由曲面プリズム115を透過
して瞳に入射してくるため、この偏心自由曲面プリズム
115によるプリズム作用が生じ、瞳の光軸から外れた
外界の光線が瞳に入射してしまうからである。また、偏
心自由曲面プリズム115が光学的パワーを有している
ため、外界像の視度が大きく狂い、かつ、膨大な収差が
発生してしまうからである。
に示すように、補正用自由曲線プリズム116を偏心自
由曲面プリズム115に接合して、接合自由曲面プリズ
ム117を形成した虚像観察光学系が提案されている。
このように自由曲面プリズム115においてシースルー
機能を付加させるためには、シースルー(透過)光学系
を形成するための補正を行う補正用自由曲面プリズム1
16が必要となる。しかし、このように補正用自由曲面
プリズム116との組み合わせによりハーフミラーを用
いたシースルー機能を実現した場合においては、表示画
像と背景との明るさにトレードオフの関係があり、効率
の高いシースルー機能の実現は難しい。また、重量が重
くなるといった点やコストにおいても望ましくない。
積ホログラム素子118を使った非共軸系虚像観察光学
系が提案されている。リップマン体積ホログラム素子1
18は、凹面状のリップマン体積ホログラム基板119
上に形成されている。この虚像観察光学系は、偏心した
光学系内部の反射面に反射型回折光学素子であるリップ
マン体積ホログラム素子118を設け、このリップマン
体積ホログラム素子118により、光学系の主光線に対
する偏心にともなって発生する光学的収差を補正するも
のである。
ン体積ホログラム素子を用いて構成された虚像観察光学
装置は、複数のトーリック面やアナモルフィック面、回
転対称非球面の光学的パワーをリップマン体積ホログラ
ムによる反射型回折光学素子に位相情報として付加する
ことにより、偏心収差の低減及び虚像観察光学系の小型
化を可能にしている。
射型のリップマン体積ホログラム素子を用いた光学系で
は、収差低減に限界があり、例えば偏心自由曲面プリズ
ムによる虚像観察光学系から得られるような、広画角に
おいても明瞭で歪みの少ない観察像を得ることは困難で
ある。
案されるものであって、明瞭で歪みの少ない観察像を与
える機能を持つ虚像観察光学装置及びこのような虚像観
察光学装置の構成を可能とする虚像観察光学素子を提供
し、また、明瞭で歪みの少ない観察像を与えると同時に
外界を明るく観察することができるシースルー機能をあ
わせ持つ虚像観察光学装置及びこのような虚像観察光学
装置の構成を可能とする虚像観察光学素子を提供しよう
とするものである。
め、本発明に係る虚像観察光学素子及び虚像観察光学装
置は、入射面となる屈折面と反射型ホログラフィック光
学素子により構成される反射面と光束分割面とを有して
屈折率が1より大きい媒質により構成された屈折光学素
子からなり、屈折面から入射した光束を、少なくとも1
回以上反射面に入射させ、光束分割面より出射させるこ
とを特徴とする。
を形成するため、あるいは、収差補正のため、もしく
は、その両者のために、位相付加機能を有している。さ
らに、屈折光学素子を屈折率が1より高い媒質で構成す
ることにより、媒質が空気である場合に比べて、焦点距
離、すなわち、〔物点から虚像結像のための屈折力を発
生する面との間の距離〕/〔屈折率〕を短くでき、広画
角化が可能になる。逆に、同一の画角であれば、焦点距
離を長くできるため、収差を少なく抑えることができ
る。
入射面となる屈折面と反射型ホログラフィック光学素子
により構成される反射面と光束分割面とを有して屈折率
が1より大きい媒質により構成され該屈折面から入射し
た光束を少なくとも1回以上該反射面に入射させ該光束
分割面より出射させる屈折光学素子と、この屈折光学素
子の反射面に接合され該屈折光学素子に一体的となされ
た補正板とからなり、この補正板は、屈折光学素子と共
働して、外界から該補正板に入射してこの補正板を透過
し、さらに、該屈折光学素子を透過して上記光束分割面
より射出する光束に対する光学的パワーを零とすること
を特徴とするものである。
は、画像表示素子と、入射面となる屈折面と反射型ホロ
グラフィック光学素子により構成される反射面と光束分
割面とを有して屈折率が1より大きい媒質により構成さ
れた屈折光学素子とを備え、画像表示素子から射出され
た光束は、入射面から屈折光学素子内に入射し、少なく
とも1回以上、上記反射面に入射し、上記光束分割面よ
り出射することを特徴とするものである。
は、画像表示素子と、入射面となる屈折面と反射型ホロ
グラフィック光学素子により構成される反射面と光束分
割面とを有して屈折率が1より大きい媒質により構成さ
れ画像表示素子から射出され該屈折面から入射した光束
を少なくとも1回以上該反射面に入射させ該光束分割面
より出射させる屈折光学素子と、この屈折光学素子の反
射面に接合され該屈折光学素子に一体的となされた補正
板とからなり、補正板は、屈折光学素子と共働して、外
界から該補正板に入射してこの補正板を透過し、さら
に、該屈折光学素子を透過して光束分割面より射出する
光束に対する光学的パワーを零とすることを特徴とする
ものである。
を参照しながら説明する。
成された本発明に係る虚像観察光学装置は、図1に示す
ように、画像表示素子1を備えている。この画像表示素
子1は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などであ
り、駆動回路によって駆動されて、ビデオ信号等に応じ
た画像を表示する。すなわち、この虚像観察光学系を備
えて構成された虚像観察光学装置において、画像表示素
子1が液晶ディスプレイである場合においては、ビデオ
信号Vが液晶ディスプレイ駆動回路10に入力される。
液晶ディスプレイ駆動回路10からは、LED(light
emitting diode:発光素子)点灯電流11及び液晶ディ
スプレイを駆動するドライブ信号12が出力され、それ
ぞれ、バックライト13と液晶ディスプレイに入力され
る。
心波長が470nm、525nm、630nmのいわゆ
るチップサイズのLEDを数個マウントしたLEDアレ
イ13aを有している。このLEDアレイ13aの液晶
ディスプレイ側には、LEDアレイ13aから液晶ディ
スプレイへ照射される光の輝度を均一にし、拡散角度を
制御するために、拡散板13bが設けられている。拡散
板13bからの拡散角は、半値角で約10°となってい
る。
しては、例えば、0.55インチの透過型液晶ディスプ
レイを用いることができる。この液晶ディスプレイにお
いては、電気信号である画像信号が画像に変換され、こ
の液晶ディスプレイを透過するバックライト13からの
射出光がが該画像に応じて変調される。
た光束は、本発明に係る虚像観察光学素子を構成する虚
像観察光学素子であるプリズム2に入射する。プリズム
2は、入射面となる平面の屈折面3と、反射型ホログラ
フィック光学素子4が付設された平面の反射面5と、平
面の光束分割面6とを有して構成されている。このプリ
ズム2は、屈折率が1より大きい媒質により構成されて
いる。そして、このプリズム2は、画像表示素子1から
射出され屈折面3から入射した光束を、少なくとも1回
以上反射面5に入射させ、光束分割面6より出射させる
ものである。
束は、屈折面3からプリズム2内に入射し、光束分割面
6で全反射された後、反射面5に付設された非軸対称位
相付加機能を有する反射型ホログラフィック光学素子4
に入射する。その後、この光束は、反射型ホログラフィ
ック光学素子4に形成されている反射型の回折格子によ
って回折され、光束分割面6を介してプリズム2から射
出され、瞳7に入射する。この虚像観察光学装置では、
虚像形成のための位相調整と収差補正のための位相調整
の両方を、反射型ホログラフィック光学素子4によって
行っている。
いわゆるシースルー機能、すなわち、虚像観察光学素子
の向こう側の外界を観察することができる機能を実現す
る場合においては、反射面5と光束分割面6が平行であ
り、外界から瞳7に入射する光束に対してプリズム2が
光学的なパワーを持たないため、観察者は、補正プリズ
ムを用いることなく、明瞭な外界像を見ることができ
る。
として使用されるリップマン体積ホログラムの構造と機
能を説明する。リップマン体積ホログラムは、ホログラ
ム材料として、フォトポリマー、ダイクロメートゼラチ
ンなどにより形成される。このリップマン体積ホログラ
ムには、図2に示すように、干渉縞に対応した領域が積
層状に形成されている。この干渉縞に対応する領域にお
いては、屈折率が変調されている。典型的なフォトポリ
マーの場合、熱処理後の中心屈折率nと屈折率変調度Δ
nは、それぞれn=1.52、△n=0.04である。
リップマン体積ホログラムの干渉縞に対応する領域は、
材料の厚さ方向に積層された状態で形成されている。こ
れのような干渉縞は、ホログラムの焼き付けを行う際、
2光束をホログラム面の裏表からそれぞれ入射させるこ
とによって実現できる。
回折光がどのようなふるまいをするかを考察するには、
図3に示すように、干渉縞に対応した領域への入射角を
θ1とするとき、各干渉縞の層からの散乱光がどのよう
な反射角θ2で互いに最も強め合うかを考察すればよ
い。これには、2つの条件がある。1つは、図3に示す
ように、ある層上の異なる2点からの散乱成分が互いに
強め合うことが必要になる。その条件は、2点間の距離
をLとすれば、以下の式の如くなる。
恒等式になればよいので、以下の(式1)の条件とな
る。
に強め合うためには、図4に示すように、以下の(式
2)の条件となる。
折条件が導かれる。
は、以下の条件となる。
択性をもった鏡面反射であるということができる。この
干渉縞を非回転対称にホログラムに記録することによ
り、ホログラム上に入射したある波長の光線を任意の方
向に偏向して反射させることが可能となり、非回転対称
な位相差を付加することができる。
プマン体積ホログラム素子が、画像表示素子から発せら
れる光束波長以外の波長に対して回折効果をほとんど持
たないことがメリットとなる。例えば、選択波長をそれ
ぞれ470nm、525nm、635nmで作成したフ
ォトポリマーを使ったリップマン体積ホログラム光学素
子を三層重ねたときの透過率は、ハロゲンランプを用い
た時に70%以上である。シースルー機能付加のために
ハーフミラーを用いる従来型虚像観察光学系の場合、透
過率と反射率との合計が1以上にならないことから、外
界像と虚像の明るさとはトレードオフの関係がある。し
かしながら、反射型ホログラフィック光学素子の場合、
例えば、画像表示素子の光源にスペクトルの半値全幅が
30nm乃至40nmのLEDを用いれば、前述のフォ
トポリマーにおいて、反射率は約40%、外光の透過率
は、約80%となり、明るい外界像と明瞭な虚像とを両
立することが可能となる。このように、外界から瞳に入
射する光束をハーフミラーを用いて制御するよりも、反
射型ホログラフィック光学素子により制御する方が、は
るかに明るい外界像と明瞭な虚像との両立を図ることが
できる。
は、図5に示すように、収差低減のためにホログラフィ
ック光学素子4及び反射面5を2次元の曲率を持つ曲面
とすることにより、広画角化と歪みの少ない虚像の観察
を実現することができる。
虚像観察光学装置においては、画像表示素子1から射出
した光束は、自由曲面である屈折面3を介してプリズム
2内に入射し、自由曲面である光束分割面6で全反射さ
れた後、2次元の曲率を持つ反射面5を介して非軸対称
付加機能を有する反射型ホログラフィック光学素子4に
入射する。その後、この光束は、反射型ホログラフィッ
ク光学素子4に形成されている反射型の回折格子によっ
て回折され、光束分割面6を介してプリズム2を射出
し、瞳7に入射する。この虚像観察光学装置において
は、虚像形成の為の主な屈折力を反射型ホログラフィッ
ク光学素子4において発生させ、また、収差補正のため
に反射型ホログラフィック光学素子4、自由曲面である
光束分割面6及び自由曲面である屈折面3を用いてい
る。
おいては、図6に示すように、図5に示したプリズム2
に補正板となるシースルー補正用プリズム8を加えるこ
とにより、歪みのない外界像を観察できるようにするこ
とができる。シースルー補正用プリズム8は、プリズム
2と共働して、外界からシースルー補正用プリズム8に
入射してこのシースルー補正用プリズム8及びプリズム
2を透過して光束分割面6より射出する光束に対する光
学的パワーを零とするものである。
子4は、回折現象を起こす波長がそれぞれ異なる複数の
ホログラム層により構成され、カラー表示を行う画像表
示素子1から射出する光束の構成波長である3原色
(R,G,B)の中心波長をそれぞれのホログラム層が
選択的に回折するように形成されている。
図7に示すように、反射型ホログラフィック光学素子4
をプリズム2と一体的に構成し、さらに、フィルム状の
ホログラム感光材料付設の容易の確保性及び収差低減の
ために、ホログラム面を1次元の曲率を持つ曲面として
構成することができる。この虚像観察光学素子において
は、屈折面3から入射する光束は光束分割面6に対して
45°の入射角で入射し、反射されることにより90°
偏向して、反射型ホログラフィック光学素子4に向か
う。そして、この虚像観察光学素子は、光束分割面6
に、45°の傾斜面を有する接眼プリズム9が接合され
ており、全体として略々立方体形状に形成されている。
虚像観察光学装置においては、画像表示素子1から射出
した光束は、屈折面3を介してプリズム2内に入射す
る。この光束は、プリズム2の光束分割面6により一部
が反射され、プリズム2と一体的に構成されている反射
面5及びホログラフィック光学素子4に入射する。この
ホログラフィック光学素子4に入射した光束は、虚像結
像のための屈折力を与えられて反射される。ホログラフ
ィック光学素子4に反射された光束は、プリズム2内を
通り光束分割面6に入射し、一部がこの光束分割面6を
透過して接眼プリズム9を経て瞳7に入射する。このよ
うにして、広画角で歪みの少ない虚像を観察することが
できる。
いては、反射型ホログラフィック光学素子4の背面側よ
り入射してくる外界の光束は、その一部が反射型ホログ
ラフィック光学素子4、プリズム2及び接眼プリズム9
を通って瞳7に入射する。しかし、プリズム2の反射面
5が外界の光束に対して屈折力を持つため、観察者が外
界像を正常に見るためには補正用プリズムが必要とな
る。そこで、図8に示すように、ホログラフィック光学
素子4の背面側に補正板となるシースルー補正用プリズ
ム8を追加することにより、歪みのない外界像が観察で
きるようになる。すなわち、シースルー補正用プリズム
8は、プリズム2及び接眼プリズム9と共働して、外界
からシースルー補正用プリズム8に入射してこのシース
ルー補正用プリズム8を透過し、さらに、プリズム2及
び接眼プリズム9を透過して瞳7に至る光束に対する光
学的パワーを零とするものである。
像表示素子の光源のスペクトルは、回折波長(ブラッグ
波長)にするのが望ましい。例えば、カラー表示をする
場合にあっては、赤(R)、緑(G)、青(B)の3波
長である。つまり、リップマン体積ホログラムは、回折
波長選択機能があり、限られたスペクトル幅しか回折光
として利用されないため、光利用効率を上げるために
は、光源のスペクトルとホログラムの回折波長とをおお
よそ一致させることが重要だからである。また、すべて
の実施の形態において、画像表示素子として液晶ディス
プレイを例示しているが、これ以外にも、自発光画像表
示素子であるエレクトロ・ルミネッセンス画像表示素子
や、フィールド・エミッション画像表示素子などを用い
ることができる。
は、図9に示す設計例により実現することができる。ま
た、この設計例における横収差図を図10、図11及び
図12に示す。これら図10、図11及び図12に示し
たデータは、図13に示すように、画像表示素子の表示
画面上の各測定位置No.1乃至No.15に対応するもので
ある。
成パラメータを示す。長さの単位はmmである。
以下のパラメータにより定義されている。
ある。
る反射型ホログラフィック面の、物点と参照光源の純粋
な2点光源製造構成のホログラムからの非球面の位相ず
れをあらわすための係数で、基盤面上のX,Y多項式で
あらわされる。
る。
のパラメーターを以下に示す。
れる。
次の係数、Bは、6次の係数、Cは、8次の係数、D
は、10次の係数である。それぞれの値は、以下の〔表
4〕に示す通りである。
学素子及び虚像観察光学装置においては、反射型ホログ
ラフィック光学素子と、画像表示素子と、虚像結像のた
めの屈折力を発生する反射面との間に屈折率が1より高
い媒質で形成された屈折光学素子を配置することによっ
て、広画角、低収差の虚像表示を実現することができ
る。
リップマン体積ホログラムを反射型ホログラフィック光
学素子として反射鏡に利用することにより、従来の半透
鏡を用いてシースルー機能を付加している虚像観察光学
系に比較して明るい虚像と明るい外界像とを両立させる
ことができるシースルー機能を実現することが可能とな
る。
観察像を与える機能を持つ虚像観察光学装置及びこのよ
うな虚像観察光学装置の構成を可能とする虚像観察光学
素子を提供し、また、明瞭で歪みの少ない観察像を与え
ると同時に外界を明るく観察することができるシースル
ー機能をあわせ持つ虚像観察光学装置及びこのような虚
像観察光学装置の構成を可能とする虚像観察光学素子を
提供することができるものである。
れた本発明に係る虚像観察光学装置の構成を示す側面図
である。
プマン体積ホログラムの構成を示す断面図である。
らの反射光同士の干渉を示す断面図である。
らの反射光同士の干渉を示す断面図である。
構成の他の形態を示す側面図である。
察光学装置において、シースルー機能を追加した構成を
示す側面図である。
構成のさらに他の形態を示す側面図である。
察光学装置において、シースルー機能を追加した構成を
示す側面図である。
おける形状を示す側面図である。
における横方向の画角0°における横収差を示すグラフ
である。
における横方向の画角−8.5°における横収差を示す
グラフである。
における横方向の画角−17°における横収差を示すグ
ラフである。
タの測定位置を示す正面図である。
である。
す側面図である。
す側面図である。
の例を示す側面図である。
において、シースルー機能を追加した構成を示す側面図
である。
ップマン体積ホログラムを用いた構成を示す側面図であ
る。
ログラフィック光学素子、5 反射面、6 光束分割
面、7 瞳、8 シースルー補正用プリズム
Claims (44)
- 【請求項1】 入射面となる屈折面と、反射型ホログラ
フィック光学素子により構成される反射面と、光束分割
面とを有して、屈折率が1より大きい媒質により構成さ
れた屈折光学素子からなり、 上記屈折面から入射した光束を、少なくとも1回以上、
上記反射面に入射させ、上記光束分割面より出射させる
ことを特徴とする虚像観察光学素子。 - 【請求項2】 光束分割面は、内部反射面となっている
ことを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項3】 光束分割面は、ハーフミラー面となって
いることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学素
子。 - 【請求項4】 光束分割面は、偏光ビームスプリッタ面
となっていることを特徴とする請求項1記載の虚像観察
光学素子。 - 【請求項5】 反射面は、1次元の曲率を持った面とな
っていることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学
素子。 - 【請求項6】 反射型ホログラフィック光学素子は、リ
ップマン体積ホログラム素子であることを特徴とする請
求項1記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項7】 反射型ホログラフィック光学素子のホロ
グラム層は、回折現象を起こす波長がそれぞれ異なる複
数のホログラム層により構成されていることを特徴とす
る請求項1記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項8】 反射型ホログラフィック光学素子のホロ
グラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴と
する請求項1記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項9】 反射型ホログラフィック光学素子は、入
射波面に対して非軸対称な位相差を付与して入射光束を
回折させることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光
学素子。 - 【請求項10】 入射面となる屈折面と、反射型ホログ
ラフィック光学素子により構成される反射面と、光束分
割面とを有して、屈折率が1より大きい媒質により構成
され、該屈折面から入射した光束を少なくとも1回以上
該反射面に入射させ該光束分割面より出射させる屈折光
学素子と、 上記屈折光学素子の反射面に接合され、該屈折光学素子
に一体的となされた補正板とからなり、 上記補正板は、上記屈折光学素子と共働して、外界から
該補正板に入射してこの補正板を透過し、さらに、該屈
折光学素子を透過して上記光束分割面より射出する光束
に対する光学的パワーを零とすることを特徴とする虚像
観察光学素子。 - 【請求項11】 光束分割面は、内部反射面となってい
ることを特徴とする請求項10記載の虚像観察光学素
子。 - 【請求項12】 光束分割面は、ハーフミラー面となっ
ていることを特徴とする請求項10記載の虚像観察光学
素子。 - 【請求項13】 光束分割面は、偏光ビームスプリッタ
面となっていることを特徴とする請求項10記載の虚像
観察光学素子。 - 【請求項14】 反射面は、1次元の曲率を持った面と
なっていることを特徴とする請求項10記載の虚像観察
光学素子。 - 【請求項15】 反射型ホログラフィック光学素子は、
リップマン体積ホログラム素子であることを特徴とする
請求項10記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項16】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム層は、回折現象を起こす波長がそれぞれ異なる
複数のホログラム層により構成されていることを特徴と
する請求項10記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項17】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴
とする請求項10記載の虚像観察光学素子。 - 【請求項18】 反射型ホログラフィック光学素子は、
入射波面に対して非軸対称な位相差を付与して入射光束
を回折させることを特徴とする請求項10記載の虚像観
察光学素子。 - 【請求項19】 画像表示素子と、 入射面となる屈折面と、反射型ホログラフィック光学素
子により構成される反射面と、光束分割面とを有して、
屈折率が1より大きい媒質により構成された屈折光学素
子とを備え、 上記画像表示素子から射出された光束は、上記入射面か
ら上記屈折光学素子内に入射し、少なくとも1回以上、
上記反射面に入射し、上記光束分割面より出射すること
を特徴とする虚像観察光学装置。 - 【請求項20】 光束分割面は、内部反射面となってい
ることを特徴とする請求項19記載の虚像観察光学装
置。 - 【請求項21】 光束分割面は、ハーフミラー面となっ
ていることを特徴とする請求項19記載の虚像観察光学
装置。 - 【請求項22】 光束分割面は、偏光ビームスプリッタ
面となっていることを特徴とする請求項19記載の虚像
観察光学装置。 - 【請求項23】 反射面は、1次元の曲率を持った面と
なっていることを特徴とする請求項19記載の虚像観察
光学装置。 - 【請求項24】 反射型ホログラフィック光学素子は、
リップマン体積ホログラム素子であることを特徴とする
請求項19記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項25】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム層は、回折現象を起こす波長がそれぞれ異なる
複数のホログラム層により構成されていることを特徴と
する請求項19記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項26】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴
とする請求項19記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項27】 反射型ホログラフィック光学素子は、
入射波面に対して非軸対称な位相差を付与して入射光束
を回折させることを特徴とする請求項19記載の虚像観
察光学装置。 - 【請求項28】 画像表示手段は、自発光画像表示素子
であることを特徴とする請求項19記載の虚像観察光学
装置。 - 【請求項29】 画像表示手段は、空間光変調素子とこ
の空間光変調素子を照明する照明手段とを有して構成さ
れていることを特徴とする請求項19記載の虚像観察光
学装置。 - 【請求項30】 照明手段は、光源として発光ダイオー
ドを備えて構成されていることを特徴とする請求項29
の虚像観察光学装置。 - 【請求項31】 照明手段は、光源としてレーザ発振器
を備えて構成されていることを特徴とする請求項29の
虚像観察光学装置。 - 【請求項32】 画像表示素子と、 入射面となる屈折面と、反射型ホログラフィック光学素
子により構成される反射面と、光束分割面とを有して、
屈折率が1より大きい媒質により構成され、上記画像表
示素子から射出され該屈折面から入射した光束を少なく
とも1回以上該反射面に入射させ該光束分割面より出射
させる屈折光学素子と、 上記屈折光学素子の反射面に接合され、該屈折光学素子
に一体的となされた補正板とからなり、 上記補正板は、上記屈折光学素子と共働して、外界から
該補正板に入射してこの補正板を透過し、さらに、該屈
折光学素子を透過して上記光束分割面より射出する光束
に対する光学的パワーを零とすることを特徴とする虚像
観察光学装置。 - 【請求項33】 光束分割面は、内部反射面となってい
ることを特徴とする請求項32記載の虚像観察光学装
置。 - 【請求項34】 光束分割面は、ハーフミラー面となっ
ていることを特徴とする請求項32記載の虚像観察光学
装置。 - 【請求項35】 光束分割面は、偏光ビームスプリッタ
面となっていることを特徴とする請求項32記載の虚像
観察光学装置。 - 【請求項36】 反射面は、1次元の曲率を持った面と
なっていることを特徴とする請求項32記載の虚像観察
光学装置。 - 【請求項37】 反射型ホログラフィック光学素子は、
リップマン体積ホログラム素子であることを特徴とする
請求項32記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項38】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム層は、回折現象を起こす波長がそれぞれ異なる
複数のホログラム層により構成されていることを特徴と
する請求項32記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項39】 反射型ホログラフィック光学素子のホ
ログラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴
とする請求項32記載の虚像観察光学装置。 - 【請求項40】 反射型ホログラフィック光学素子は、
入射波面に対して非軸対称な位相差を付与して入射光束
を回折させることを特徴とする請求項32記載の虚像観
察光学装置。 - 【請求項41】 画像表示手段は、自発光画像表示素子
であることを特徴とする請求項32記載の虚像観察光学
装置。 - 【請求項42】 画像表示手段は、空間光変調素子とこ
の空間光変調素子を照明する照明手段とを有して構成さ
れていることを特徴とする請求項32記載の虚像観察光
学装置。 - 【請求項43】 照明手段は、光源として発光ダイオー
ドを備えて構成されていることを特徴とする請求項42
の虚像観察光学装置。 - 【請求項44】 照明手段は、光源としてレーザ発振器
を備えて構成されていることを特徴とする請求項42の
虚像観察光学装置。
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JP26268899A JP4325033B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 虚像観察光学素子及び虚像観察光学装置 |
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-
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- 1999-09-16 JP JP26268899A patent/JP4325033B2/ja not_active Expired - Fee Related
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