JPH11326822A - 虚像観察光学系 - Google Patents

虚像観察光学系

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JPH11326822A
JPH11326822A JP13576898A JP13576898A JPH11326822A JP H11326822 A JPH11326822 A JP H11326822A JP 13576898 A JP13576898 A JP 13576898A JP 13576898 A JP13576898 A JP 13576898A JP H11326822 A JPH11326822 A JP H11326822A
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virtual image
optical system
beam splitter
observation optical
image observation
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JP13576898A
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Hiroshi Takegawa
洋 武川
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折力を持った光学素子の主光線に対する偏
心に伴って発生する光学的収差を良好に補正し、光学部
品のレイアウトの自由度を確保し、装置構成の小型化を
可能とする。 【解決手段】 画像表示装置6と反射型光学素子10と
の間に、光束分割及び表示虚像の光学的収差補正を行う
楔型ビームスプリッタ7を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置の表
示画像の虚像を観察するための虚像観察光学系に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、画像表示装置の表示画像の虚像を
観察するための虚像観察光学系が提案されている。従来
の虚像観察光学系は、収差の増大を抑えるため、共軸
(回転対称)系であるものが多い。
【0003】例えば、図8に示すように、2枚の屈折レ
ンズ107,108を有して構成された虚像観察光学系
が提案されている。各屈折レンズ107,108として
は、軽量化のため、プラスチック製の非球面レンズが使
われる場合が多い。この虚像観察光学系においては、ま
ず、ビデオ信号101がLCD(液晶ディスプレイ)駆
動回路102に入力される。このLCD駆動回路102
からは、冷陰極管電圧(バックライト電圧)103と液
晶ディスプレイを駆動するドライブ信号104とが出力
され、バックライト105とLCD(液晶ディスプレ
イ)106とに対応して供給される。ここで、バックラ
イト105は、冷陰極管5aを光源とし、LCD106
側に均一な輝度の光を照射する。この冷陰極管5aとL
CD106との間には、冷陰極管5aが発した光の拡散
角度を制御するための拡散板5bが設けられている。
【0004】画像表示装置であるLCD106として
は、例えば、0.55インチの透過型の液晶ディスプレ
イを用いることができる。このLCD106は、ドライ
ブ信号に基づく画像を表示し、バックライト105から
照射された光束を変調して透過させる。このようにして
LCD106を透過した光束は、屈折レンズ107,1
08を透過することにより、虚像を結像させるための屈
折力を与えられ、観察者の瞳109に導かれる。
【0005】また、図9に示すように、凹面鏡を用いて
構成された虚像観察光学系も提案されている。この虚像
観察光学系の凹面鏡としては、上記図8に示した虚像観
察光学系の屈折レンズ107,108と同様に、プラス
ティック製の非球面基板に反射膜を蒸着したものが使わ
れる場合が多い。この虚像観察光学系においては、ま
ず、ビデオ信号101がLCD駆動回路102に入力さ
れる。このLCD駆動回路102からは、冷陰極管電圧
103とドライブ信号104とが出力され、バックライ
ト105とLCD106とに対応して供給される。ここ
で、バックライト105は、冷陰極管5aを光源とし、
LCD106側に均一な輝度の光を照射する。この冷陰
極管5aとLCD106との間には、冷陰極管5aが発
した光の拡散角度を制御するための拡散板5bが設けら
れている。LCD106は、ドライブ信号に基づく画像
を表示し、バックライト105から照射された光束を変
調して透過させる。
【0006】このようにしてLCD106を透過した光
束は、光束分割デバイスである偏光性ビームスプリッタ
110に入射する。偏光性ビームスプリッタ110への
入射全光量の一部がこの偏光性ビームスプリッタ110
を透過し、残りは、この偏光性ビームスプリッタ110
上の偏光性光束分割膜111により反射されて、非球面
ハーフミラー基板113上の非球面ハーフミラー膜11
2に入射する。この非球面ハーフミラー膜112に入射
した光束は、一部が反射されて再び偏光性ビームスプリ
ッタ110に入射し、さらにその一部が該偏光性ビーム
スプリッタ110を透過して観察者の瞳109に入射す
る。一方、非球面ハーフミラー基板113の裏面側より
進行してくる背景の光束は、その一部が該非球面ハーフ
ミラー基板113及び偏光性ビームスプリッター110
を透過して、瞳109に入射する。
【0007】この虚像観察光学系の場合は、コマ収差や
倍率の色収差の発生が、上記図8に示したような屈折レ
ンズを用いて構成する光学系に比べて少なく、画角を広
くとることができる。
【0008】また、図10に示すように、偏心凹面鏡タ
イプの虚像観察光学系では、上述した虚像観察光学系に
おけると同様にLCD106を透過した光束は、偏心し
て配設された凹面鏡114上の反射膜115により反射
され、瞳109に導かれるという光路を形成する。この
虚像観察光学系は、構成する光学部品の点数も少なく、
小型軽量に構成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の共軸(回転対称)系の虚像観察光学系において
は、光学部品のレイアウトが制限され、光学系全体の小
型化を図ることが難しい。すなわち、図8に示す虚像観
察光学系の場合、視野角と照射瞳を大きくしようとする
と収差補正が非常に難しくなり、画角20°を超えると
画面周辺のコマ収差の補正が困難になる。また、光学系
が直線的に構成されているため光学系全体の長さが長く
なってしまうという欠点がある。回転対称型の虚像観察
光学系では、広画角を確保しながら小型化を実現するこ
とは困難である。
【0010】凹面鏡を用いた図9に示す虚像観察光学系
においては、非球面ハーフミラーを2回通過することに
よる光量のロスが大きく、また、観察画角が30°を超
えると凹面鏡で発生する像面湾曲の補正が難しくなる、
などの問題がある。また、45°傾斜して配設された偏
光性ビームスプリッタのために広画角化に伴って光学系
全体が大型化するという問題がある。
【0011】一方、非共軸系の虚像観察光学系において
は、光学部品のレイアウトの自由度の増大を図ることが
できる。しかし、図10に示す虚像観察光学系は、偏心
して配置された凹面鏡における反射で膨大な偏心収差が
発生し、実際には使用に耐えられるものではない。その
ため、非共軸系の虚像観察光学系においては、光学部品
の偏心に伴って発生する偏心収差の低減のために、複数
のトーリック面やアナモルフィック面などが必要とな
り、結果的には、光学系の小型化を図ることができな
い。また、自由曲面を用いて偏心収差を補正した光学系
の場合、形状が複雑となり、そのままでは凹面鏡の背後
の光束を観察するシースルー機能が実現できない。
【0012】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、屈折力を持った光学素子の主光
線に対する偏心に伴って発生する光学的収差が良好に補
正され、光学部品のレイアウトの自由度が確保され、装
置構成の小型化が可能となされた虚像観察光学系を提供
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は、画像表示装置とこの画像表示装置の表示
画像の虚像を結像する屈折力を有する反射型光学素子と
を有する非共軸系の虚像観察光学系において、画像表示
装置と反射型光学素子との間に、光束分割及び表示虚像
の光学的収差補正を行う楔型ビームスプリッタを設けた
ことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明は、画像表示装置とこの画像
表示装置の表示画像の虚像を結像する屈折力を有する反
射型光学素子とを有する虚像観察光学系において、画像
表示装置と反射型光学素子との間に、光束分割及び裏面
反射による2重像発生の防止を行う楔型ビームスプリッ
タを設けたことを特徴とするものである。
【0015】反射型光学素子としては、反射型回折光学
素子、非球面ミラーなどを用いることができる。楔型ビ
ームスプリッタとしては、楔の角度が1度以上5度以下
である偏光性ビームスプリッタを用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0017】本発明に係る虚像観察光学系は、図1に示
すように、反射型回折光学素子であるリップマン体積ホ
ログラム10を反射光学素子として用いた非共軸(偏
心)系の虚像観察光学系として構成される。
【0018】この虚像観察光学系においては、図2に示
すように、ビデオ信号1がLCDドライバ(液晶ディス
プレイ駆動回路)2に入力される。LCDドライバ2か
らは、LED(light emitting diode:発光素子)点灯
電流3と画像表示装置となるLCD(液晶ディスプレ
イ)6を駆動するドライブ信号4とが出力され、バック
ライト5とLCD6とに入力される。
【0019】バックライト5は、光源として、発光中心
波長が525nmのいわゆるチップサイズのLEDを横
2列、縦4列の計8個マウントしたLEDアレイ5aを
有している。このLEDアレイ5aのLCD6側には、
LEDアレイ5aからの照射光の輝度を均一にし、拡散
角度を制御するために、拡散板5bが配設されている。
LEDアレイ5aからの拡散角は、半値角で約10°と
なっている。
【0020】画像表示装置となるLCD(液晶ディスプ
レイ)6としては、例えば、0.55インチの透過型液
晶ディスプレイを用いることができる。このLCD6に
おいては、電気信号である画像信号が画像に変換され、
このLCD6を透過するバックライト5からの射出光が
該画像に応じて変調される。LCD6を透過した光束
は、光束分割デバイスとなる楔形偏光性ビームスプリッ
タ7に入射する。このLCD6から楔形偏光性ビームス
プリッタ7への入射角は、約40°となっている。
【0021】この楔形偏光性ビームスプリッタ7におい
ては、入射した全光量の一部がこの楔形偏光性ビームス
プリッタ7を透過し、残りは、この楔形偏光性ビームス
プリッタ7上に形成された偏光性光束分割膜8により反
射されて、HOE(ホログラフィック光学素子)基板9
に入射する。この楔形偏光性ビームスプリッタ7の楔の
開き角は、1°乃至5°となされており、図2に示す光
学系では、3°となっている。HOE基板9は、図1に
示すように、楔形偏光性ビームスプリッタ7からの入射
光に対して凹状の円筒面状に形成されている。このHO
E基板9を透過した光束は、このHOE基板9の裏面部
に形成されたリップマン体積ホログラム10により、特
定の波長域の光線のみが選択的に反射される。ここで
は、光源の波長である525nmを中心とする半値全巾
で10nm程度の範囲の光線のみが反射される。
【0022】リップマン体積ホログラム10で反射され
た光線は、再びHOE基板9を透過して、楔形偏光性ビ
ームスプリッタ7に入射し、一部が該楔型偏光性ビーム
スプリッタ7を透過して、観察者の瞳11に入射する。
一方、HOE基板9の裏面側より進行してくる背景の光
束は、リップマン体積ホログラム10、HOE基板9及
び楔形偏光性ビームスプリッター7を透過して、瞳11
に入射する。
【0023】このとき、背景から瞳11に到達する光線
のスペクトルにおいては、波長が525nm付近の光線
がリップマン体積ホログラム10によって反射されるた
め、回折効率に略々逆比例して該帯域の強度が低下す
る。
【0024】ところで、この虚像観察光学系は、非共軸
(偏心)系であるため、光学部品の偏心による収差が発
生する。この偏心による収差の一部は、反射型回折光学
素子であるリップマン体積ホログラム10において、非
球面、非共軸の波面変換を実現する干渉縞を導入するこ
とで、低減が可能である。また、リップマン体積ホログ
ラム10による反射後の光束が楔型偏光性ビームスプリ
ッタ7を透過するときに、さらに、非点収差、コマ収
差、歪曲などの収差が低減される。
【0025】ここで、楔形偏光性ビームスプリッタ7の
楔の開き角が3°である場合と、該開き角が0°である
場合、すなわち、平行平板状ビームスプリッタである場
合とにおける歪曲収差の発生状態を比較すると、図3及
び図4に示すように、リップマン体積ホログラム10に
より反射された光束が、楔の開き角が3°の楔型偏光性
ビームスプリッタ7を透過することにより、歪曲収差が
低減されていることが分かる。また、このとき、楔形偏
光性ビームスプリッタ7の裏面部における反射による2
重像、いわゆる、ゴースト像も除去される。
【0026】そして、本発明に係る虚像観察光学系は、
図5及び図6に示すように、非球面ハーフミラーを反射
型光学素子として用いた共軸(回転対称)系の虚像観察
光学系として構成することもできる。図5に示す虚像観
察光学系は、楔形偏光性ビームスプリッタに代えて平行
平板偏光性ビームスプリッタ12を備えている。図6に
示す虚像観察光学系は、楔形偏光性ビームスプリッタ7
を備えている。
【0027】図5に示す虚像観察光学系においては、ビ
デオ信号1がLCDドライバ2に入力される。LCDド
ライバ2からは、冷陰極管電圧(バックライト電圧)3
とLCD6を駆動するドライバ信号4とが出力され、バ
ックライト5とLCD6とに入力される。
【0028】バックライト5は、冷陰極管5aを光源と
している。この冷陰極管5aのLCD6側には、冷陰極
管5aからの照射光の輝度を均一にし、拡散角度を制御
するために、拡散板5bが設けられている。LCD6
は、例えば0.55インチの透過型液晶ディスプレイで
あり、電気信号である画像信号を画像に変換し、バック
ライト5から射出された光束を該画像に応じて変調す
る。
【0029】LCD6を透過した光束は、光束分割デバ
イスとなる平行平板偏光性ビームスプリッタ12に入射
する。LCD6から平行平板偏光性ビームスプリッタ1
2への入射角は、45°となっている。この平行平板偏
光性ビームスプリッタ12においては、入射光の全光量
の一部がこの平行平板偏光性ビームスプリッタ12を透
過し、残りは、平行平板偏光性ビームスプリッタ12上
に形成された偏光性光束分割膜8により反射されて、非
球面ハーフミラー膜13に入射する。この非球面ハーフ
ミラー膜13は、非球面ハーフミラー基板14上に形成
されている。この非球面ハーフミラー基板14は、平行
平板偏光性ビームスプリッタ12からの入射光に対して
凹状の円筒面状に形成されている。
【0030】非球面ハーフミラー膜13に入射した光束
は、一部が非球面ハーフミラー膜13により反射されて
再び平行平板偏光性ビームスプリッタ12に入射し、さ
らにその一部が平行平板偏光性ビームスプリッタ12を
透過して観察者の瞳11に入射する。非球面ハーフミラ
ー膜13の裏面側より進行してくる背景の光束は、非球
面ハーフミラー基板14、非球面ハーフミラー膜13及
び平行平板偏光性ビームスプリッター12を透過して、
瞳11に入射する。
【0031】ここで、図5に示すように、平行平板ビー
ムスプリッタ12の裏面部にて反射された光束Aも、非
球面ハーフミラー膜13に入射し、この非球面ハーフミ
ラー膜13で反射されると、瞳11に入射する。この光
束Aは、偏光性光束分割膜8において反射された光束と
は光軸と平行にずれており、しばしば瞳11に入射し
て、ゴースト像を形成する。ここで、図6に示すよう
に、平行平板偏光性ビームスプリッタを楔型偏光性ビー
ムスプリッタ7に代えれば、図6に示すように、楔型偏
光性ビームスプリッタ7の裏面部での反射光束Bは、瞳
11には到達せず、ゴースト像を形成しない。
【0032】一方、非球面ハーフミラー基板14の裏面
側より進行してくる背景の光束は、非球面ハーフミラー
基板14、非球面ハーフミラー膜13及び楔形偏光性ビ
ームスプリッタ7を透過して、瞳11に入射する。した
がって、楔型偏光性ビームスプリッタ7の楔の開き角を
あまりに大きくすると、プリズム作用により、眼球光軸
から外れた背景が観察されてしまったり、背景像が歪ん
で見えてしまう。そのため、楔型偏光性ビームスプリッ
タ7の楔の開き角は、1°から5°の範囲にするのが望
ましい。
【0033】また、本発明に係る虚像観察光学系は、反
射型液晶表示装置を用いて、フルカラー化して構成する
ことができる。すなわち、この虚像観察光学系において
は、図7に示すように、ビデオ信号1がLCDドライバ
(液晶ディスプレイ駆動回路)2に入力される。LCD
ドライバ2からは、LED(light emitting diode:発
光素子)点灯電流3と画像表示装置となるLCD(液晶
ディスプレイ)6を駆動するドライブ信号4とが出力さ
れ、ライト5とLCD6とに入力される。
【0034】ライト5は、光源として、発光中心波長が
470nm、525nm、640nmのいわゆるチップ
サイズのLEDを数個ずつマウントしたLEDアレイ5
aを有している。また、画像表示装置となるLCD(液
晶ディスプレイ)6としては、例えば、0.55インチ
の反射型液晶ディスプレイを用いることができる。この
LCD6においては、電気信号である画像信号が画像に
変換され、ライト5から導光板6aによりLCD6に入
射した光束が該画像に応じて変調されて反射される。L
CD6により反射された光束は、光束分割デバイスとな
る楔形偏光性ビームスプリッタ7に入射する。この楔形
偏光性ビームスプリッタ7においては、入射した全光量
の一部がこの楔形偏光性ビームスプリッタ7を透過し、
残りは、この楔形偏光性ビームスプリッタ7上に形成さ
れた偏光性光束分割膜8により反射されて、HOE(ホ
ログラフィック光学素子)基板9に入射する。HOE基
板9は、楔形偏光性ビームスプリッタ7からの入射光に
対して凹状の円筒面状に形成されている。このHOE基
板9を透過した光束は、このHOE基板9の裏面部に形
成されたリップマン体積ホログラム10により、特定の
波長域、すなわち、リップマン体積ホログラム10内の
干渉縞がブラッグ(Bragg)条件を満たす波長の光線の
みが選択的に反射される。ここでは、光源の波長である
470nm、525nm、640nmを中心とする半値
全巾で10nm程度の範囲の光線のみが反射される。
【0035】リップマン体積ホログラム10で反射され
た光線は、再びHOE基板9を透過して、楔形偏光性ビ
ームスプリッタ7に入射し、一部が該楔型偏光性ビーム
スプリッタ7を透過して、観察者の瞳11に入射する。
一方、HOE基板9の裏面側より進行してくる背景の光
束は、リップマン体積ホログラム10、HOE基板9及
び楔形偏光性ビームスプリッター7を透過して、瞳11
に入射する。
【0036】このとき、背景から瞳11に到達する光線
のスペクトルにおいては、波長が470nm、525n
m、640nm付近の光線がリップマン体積ホログラム
10によって反射されるため、回折効率に略々逆比例し
てこの帯域の強度が低下する。
【0037】ところで、この虚像観察光学系は、非共軸
(偏心)系であり、屈折力を有するリップマン体積ホロ
グラム10が偏心して配されていることにより収差が発
生する。このような偏心による収差の一部は、反射型回
折光学素子であるリップマン体積ホログラム10におい
て、非球面、非共軸の波面変換を実現する干渉縞を導入
することで、低減が可能である。すなわち、このリップ
マン体積ホログラム10は、屈折力を与えると同時にこ
の偏心収差を低減するような非球面非回転対称位相付加
機能を有しており、偏心収差を低減させる働きもする。
これと同時にリップマン体積ホログラム面反射後の光束
が楔形偏光性ビームスプリッター7を透過することによ
り、さらに非点収差、コマ収差、歪曲などの収差が低減
できる。同時にビームスプリッタの裏面反射による2重
像、いわゆるゴースト像も除去されている。
【0038】
【発明の効果】上述のように、本発明は、画像表示装置
と反射光学素子を用いた虚像観察光学系において、画像
表示装置と反射光学素子との間に、光束分割及び表示虚
像の光学的収差補正を行う楔型ビームスプリッタを配設
することにより、特別な光学部品を付加することなく、
良好に収差が補正された虚像の表示を行うことができ
る。
【0039】また、本発明においては、画像表示装置と
反射光学素子との間に、光束分割及び裏面反射による2
重像の発生の防止を行う楔型ビームスプリッタを配設す
ることにより、観察される虚像の2重像による劣化を防
止することができる。
【0040】そして、この虚像観察光学系においては、
楔型ビームスプリッタの楔の開き角を1°乃至5°とす
ることにより、ビームスプリッタを大型化することなく
良好な虚像表示が行え、また、背景画像を光学部品を透
して観察できる、いわゆるシースルー型の虚像観察光学
系である場合に、背景からの透過光束の収差を大きく劣
化させることがない。
【0041】なお、画像表示装置から射出する光束が特
定の偏光を持っている場合には、楔型ビームスプリッタ
の光束分割膜を偏光依存性のものとすることにより、よ
り適切な光量分割が可能となる。
【0042】すなわち、本発明は、屈折力を持った光学
素子の主光線に対する偏心に伴って発生する光学的収差
が良好に補正され、光学部品のレイアウトの自由度が確
保され、装置構成の小型化が可能となされた虚像観察光
学系を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る虚像観察光学系の第1の構成を示
す斜視図である。
【図2】上記虚像観察光学系の構成を示す平面図であ
る。
【図3】上記虚像観察光学系における歪曲収差(楔の開
き角0°)を示すグラフである。
【図4】上記虚像観察光学系における歪曲収差(楔の開
き角3°)を示すグラフである。
【図5】上記虚像観察光学系の第2の構成を示す平面図
である。
【図6】上記虚像観察光学系の第3の構成を示す平面図
である。
【図7】上記虚像観察光学系の第4の構成を示す平面図
である。
【図8】従来の虚像観察光学系の構成を示す平面図であ
る。
【図9】従来の虚像観察光学系の構成の他の例を示す平
面図である。
【図10】従来の虚像観察光学系の構成のさらに他の例
を示す平面図である。
【符号の説明】
6 LCD、7 楔形偏光性ビームスプリッタ、8 偏
光性光束分割膜、9HOE基板、10 リップマン体積
ホログラム、11 瞳、12 平行平板偏光性ビームス
プリッタ、13 非球面ハーフミラー膜、14 非球面
ハーフミラー基板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示装置と、この画像表示装置の表
    示画像の虚像を結像する屈折力を有する反射型光学素子
    とを有する非共軸系の虚像観察光学系において、 上記画像表示装置と上記反射型光学素子との間に、光束
    分割及び表示虚像の光学的収差補正を行う楔型ビームス
    プリッタを備えたことを特徴とする虚像観察光学系。
  2. 【請求項2】 反射型光学素子は、反射型回折光学素子
    であることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学
    系。
  3. 【請求項3】 反射型光学素子は、非球面ミラーである
    ことを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学系。
  4. 【請求項4】 反射型光学素子は、自由曲面ミラーであ
    ることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学系。
  5. 【請求項5】 楔型ビームスプリッタは、偏光性ビーム
    スプリッタであることを特徴とする請求項1記載の虚像
    観察光学系。
  6. 【請求項6】 楔型ビームスプリッタの楔の角度が、1
    度以上5度以下であることを特徴とする請求項1記載の
    虚像観察光学系。
  7. 【請求項7】 画像表示装置は、反射型液晶表示装置で
    あることを特徴とする請求項1記載の虚像観察光学系。
  8. 【請求項8】 画像表示装置と、この画像表示装置の表
    示画像の虚像を結像する屈折力を有する反射型光学素子
    とを有する虚像観察光学系において、 上記画像表示装置と上記反射型光学素子との間に、光束
    分割及び裏面反射による2重像発生の防止を行う楔型ビ
    ームスプリッタを備えたことを特徴とする虚像観察光学
    系。
  9. 【請求項9】 非共軸系であることを特徴とする請求項
    8記載の虚像観察光学系。
  10. 【請求項10】 反射型光学素子は、反射型回折光学素
    子であることを特徴とする請求項8記載の虚像観察光学
    系。
  11. 【請求項11】 反射型光学素子は、非球面ミラーであ
    ることを特徴とする請求項8記載の虚像観察光学系。
  12. 【請求項12】 反射型光学素子は、自由曲面ミラーで
    あることを特徴とする請求項8記載の虚像観察光学系。
  13. 【請求項13】 楔型ビームスプリッタは、偏光性ビー
    ムスプリッタであることを特徴とする請求項8記載の虚
    像観察光学系。
  14. 【請求項14】 楔型ビームスプリッタの楔の角度が、
    1度以上5度以下であることを特徴とする請求項8記載
    の虚像観察光学系。
  15. 【請求項15】 画像表示装置は、反射型液晶表示装置
    であることを特徴とする請求項8記載の虚像観察光学
    系。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001311907A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Canon Inc 画像表示装置および画像表示システム

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