JP2001081129A - 末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の製造方法

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JP2001081129A
JP2001081129A JP26181299A JP26181299A JP2001081129A JP 2001081129 A JP2001081129 A JP 2001081129A JP 26181299 A JP26181299 A JP 26181299A JP 26181299 A JP26181299 A JP 26181299A JP 2001081129 A JP2001081129 A JP 2001081129A
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terminal
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methacrylate
polymer
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Yoshihide Kawaguchi
佳秀 川口
Hajime Yasuda
源 安田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子末端を反応点とした架橋や分子鎖延長に
よる物性向上に寄与する末端ヒドロキシル化率の高いア
クリル系重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 式(1):〔(C5 5 2 MR′〕2
〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基また
はケイ素含有の炭化水素基、MはSmまたはそれ以外の
ランタニド元素、R′は式(2):CH2 =CH−(R
1 )n−CH=CH2 (式中、R1 は炭素数1〜4のア
ルキレン基、nは0または1である)で示されるジエン
である〕で表される有機金属触媒の存在下、(メタ)ア
クリル酸エステル類を重合し、重合終了時に環状ラクト
ン類を加えて、この環状ラクトン類をブロツク共重合し
たのち、アルコ―ル類を加えて重合を停止することを特
徴とする末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感圧性接着剤や成
形材料などの各種分野に用いられる末端ヒドロキシル化
アクリル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系重合体は、通常、単量体であ
る(メタ)アクリル酸エステル類を、ラジカル重合開始
剤としてAIBN(4,4−アゾビスイソブチロニトリ
ル)やBPO(ベンゾイルパ―オキサイド)などを用い
て、ラジカル重合することにより、製造されている。そ
の際、ヒドロキシル基を有する連鎖移動剤を用いると、
重合体の分子末端にヒドロキシル基を導入できることが
知られている。
【0003】このような末端ヒドロキシル化アクリル系
重合体は、分子末端を反応点として架橋や分子鎖延長を
行わせることができ、これにより感圧性接着剤や成形材
料などとしての物性を向上できるので、上記用途をはじ
めとした各種分野において、非常に有用なベ―スポリマ
―として賞用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、連鎖移動剤に由来するヒドロキシル基を
実質的に重合体分子の片末端にしか導入できず、末端ヒ
ドロキシル化率はあまり高くならない。このため、分子
末端を反応点とした架橋や分子鎖延長による物性向上に
は限界があり、その改善が望まれていた。
【0005】本発明は、このような事情に照らし、末端
ヒドロキシル化率の高いアクリル系重合体の製造方法を
提供して、分子末端を反応点とした架橋や分子鎖延長に
よる物性向上に大きく寄与することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、特定の有機金属触
媒を使用して、(メタ)アクリル酸エステル類を重合さ
せるとともに、その重合終了時に環状ラクトン類を加え
て、この環状ラクトン類を共重合させたのち、アルコ―
ル類を加えて重合を停止させると、重合体分子の末端に
高い確率でヒドロキシル基を導入でき、これにより架橋
反応や分子鎖延長反応において従来にない反応性の向上
がみられ、感圧性接着剤や成形材料などとしての物性を
大きく向上できることを知り、本発明を完成するに至つ
た。
【0007】すなわち、本発明は、つぎの式(1): 〔(C5 5 2 MR′〕2 …(1) 〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基また
はケイ素含有の炭化水素基、MはSmまたはそれ以外の
ランタニド元素、R′はつぎの式(2): CH2 =CH−(R1 )n−CH=CH2 …(2) (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、nは0ま
たは1である)で示されるジエンである〕で表される有
機金属触媒の存在下、(メタ)アクリル酸エステル類を
重合し、重合終了時に環状ラクトン類を加えて、この環
状ラクトン類をブロツク共重合したのち、アルコ―ル類
を加えて重合を停止することを特徴とする末端ヒドロキ
シル化アクリル系重合体の製造方法(請求項1)、とく
に、上記の有機金属触媒が、〔(C5 Me5 2 Sm
(CH2 =CH−CH=CH2 )〕2 (MeはCH3
である)で表される有機サマリウム化合物である上記構
成の末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の製造方法
(請求項2)に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる有機金属触媒
は、式(1)で表される有機金属化合物で、図1に示す
ように、Mで示されるSmまたはそれ以外のランタニド
元素に対し、C5 5 で示されるシクロペンタジエン化
合物2分子と、R′で示されるジエン1分子とが配位結
合して、(C5 5 2 MR′で示される複合体を構成
し、この複合体2分子がさらに配位結合した錯体構造を
とるものである。本発明では、このような有機金属触媒
が(メタ)アクリル酸エステル類の重合触媒作用と末端
ヒドロキシル化の触媒作用をともに有することを見い出
した。
【0009】これら触媒作用についての正確な反応機構
は、必ずしも明らかではない。推測では、(メタ)アク
リル酸エステル類は、上記有機金属触媒の存在下で、図
1の(C5 5 2 MR′で示される複合体の2分子間
で配位重合し、これが所望の重合率となつた時点で環状
ラクトン類を加えると、これが上記複合体と重合鎖末端
との間に配位してブロツク共重合し、この状態でアルコ
―ル類を加えると、上記複合体と重合鎖末端との結合が
解除されて重合が停止し、重合鎖末端にはこれにブロツ
ク共重合した環状ラクトン類に由来するヒドロキシル基
が残存し、その結果、重合体分子の両末端にヒドロキシ
ル基が導入されて、本発明の目的とする高い末端ヒドロ
キシル化率が達成されるものと思われる。
【0010】式(1)で表される有機金属触媒におい
て、式中のRは、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基
またはケイ素含有の炭化水素基であり、原料の入手性や
反応活性の点より、水素原子、メチル基、エチル基、t
−ブチル基、トリメチルシリル基であるのが好ましい。
また、Mは、Smまたはそれ以外のランタニド元素、た
とえばLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Ga、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどである。
さらに、R′は、式(2)で示されるジエンで、原料の
入手性や反応活性の点より、1,3−ブタジエン、1,
4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘ
プタジエン、1,7−オクタジエンなどが好ましく、そ
の中でも、1,3−ブタジエンが最も好ましい。
【0011】式(1)で表される有機金属触媒として
は、〔(C5 Me5 2 Sm(CH2=CH−CH=C
2 )〕2 (MeはCH3 基である)で表される有機サ
マリウム化合物であるビス(η5 −ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)サマリウム(μ−η3 −ブタジエン)
や、この化合物におけるブタジエンを他のジエンで置換
した、ビス(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)サマリウム(μ−η3−ヘキサジエン)、ビス(η
5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム
(μ−η3 −オクタジエン)など、またこれらの化合物
におけるサマリウムを他のランタニド元素で置換したも
のなどが挙げられる。これらの中でも、原料の入手性や
反応活性の点より、ビス(η5 −ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)サマリウム(μ−η3 −ブタジエン)が
最も好ましい。
【0012】このような有機金属触媒は、公知の方法で
容易に合成できる。たとえば、Smとジヨ―ドエタンと
THF(テトラヒドロフラン)を混合し、これにペンタ
メチルシクロペンタジエニル塩を加えて攪拌し、THF
の留去後、トルエンを加えて上澄み液を分離する。上澄
み液の溶媒を留去して暗紫色の固体を得、これをTHF
に溶解し、ヘキサンを加えて濃縮したのち、冷却して暗
紫色のビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマ
リウム・テトラヒドロフラン錯体を得る。これとヘキサ
ンをシユレンクチユ―プに入れ、脱気後、1,3−ブタ
ジエンを吹き込んで攪拌し、上澄みを分離して赤橙色の
固体を得る。これをトルエンに溶解し、濃縮後、ヘキサ
ンを加えて冷却すると、赤橙色のビス(η5 −ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)サマリウム(μ−η3 −ブ
タジエン)が得られる。
【0013】本発明においては、このような有機金属触
媒を使用し、この有機金属触媒を有機溶媒に溶解してな
る溶液中に、不活性気体下で、(メタ)アクリル酸エス
テル類を加えて、重合させる。上記の不活性気体として
は、アルゴン、ヘリウム、窒素などが挙げられるが、重
合系内のガス置換容易性の点より、アルゴンがとくに好
ましく用いられる。また、上記の有機溶媒には、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素類、
クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲ
ン化炭化水素類、THF、ジエチルエ―テルなどがある
が、これらの中でも、トルエン、キシレンなどが好まし
い。また、これらの有機溶媒は、副反応をさけるため
に、脱気、脱水したものを用いるのが好ましい。
【0014】(メタ)アクリル酸エステル類には、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フ
エニル、アクリル酸ビニル、アクリル酸グリシジル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタ
クリル酸アリル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フエニル、メタクリル酸ナフチ
ル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸ジ
エチレングリコ―ルモノメチルエ―テル、メタクリル酸
グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸イソオクチルなどが挙げられるが、これらにとく
に限定されない。
【0015】本発明にとくに好ましく用いられる(メ
タ)アクリル酸エステル類としては、重合の容易性の点
より、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチルなどが挙げら
れる。なお、これらの(メタ)アクリル酸エステル類を
重合系内に加える際には、副反応をさけるために、カル
シウムハイドライド、モレキユラ―シ―ブなどにより乾
燥したのち、さらには蒸留したのちに加えるようにする
のが好ましい。
【0016】上記の重合反応において、有機金属触媒の
使用量としては、(メタ)アクリル酸エステル類1モル
に対して、通常、0.001〜100ミリモル、好まし
くは0.01〜10ミリモルとなるようにするのがよ
い。有機金属触媒の使用量が過少では、重合活性が低下
しやすく、過多となると、生成するアクリル系重合体の
分子量が低くなり、所望の物性が得られない。また、重
合温度は、使用する有機溶媒の融点から沸点の間であれ
ばよいが、通常は−78〜40℃、とくに好ましくは−
78〜0℃とするのがよい。重合温度が低すぎると重合
速度が低下し、高すぎるとポリマ―鎖末端が失活しやす
くなり、環状ラクトン類の共重合比率が低下する。重合
時間は、通常1分から10時間、とくに好ましくは10
分から1時間であり、短すぎるとポリマ―への転化率が
低くなり、長すぎるとポリマ―鎖末端が失活しやすくな
り、環状ラクトン類の共重合比率が低下する。
【0017】このように重合を進めて、所望の重合率に
達した時点、つまり重合終了時に、環状ラクトン類を加
えて、これをブロツク共重合させる。環状ラクトン類に
は、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−
カプロラクトンなどが挙げられるが、これらにとくに限
定されない。重合の容易性の点より、ε−カプロラクト
ンを用いるのが好ましい。使用量は、(メタ)アクリル
酸エステル類に対し、1モル%以上、好ましくは3モル
%以上、より好ましくは5モル%以上であり、過少では
重合鎖末端に完全に環状ラクトン類をブロツク共重合で
きず、高い末端ヒドロキシル化率を得にくい。一方、過
多となるとアクリル系重合体としての特性が損なわれる
ため、最大でも90モル以下、好ましくは40モル%以
下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは1
0モル%以下である。
【0018】上記の環状ラクトン類のブロツク共重合に
おいて、共重合温度としては、通常−20〜40℃、と
くに好ましくは−20〜0℃とすればよい。また、共重
合時間としては、通常10分から10時間、とくに好ま
しくは1時間から5時間であり、短すぎると重合鎖末端
に完全に環状ラクトン類をブロツク共重合できず、高い
末端ヒドロキシル化率が得らにくく、長すぎると得られ
るポリマ―の分子量分布が大きくなり、好ましくない。
【0019】このようにして環状ラクトン類をブロツク
共重合させたのち、これにアルコ―ル類を加えて重合を
停止させる。アルコ―ル類としては、メタノ―ル、エタ
ノ―ル、プロパノ―ル、イソプロピルアルコ―ル、1−
ブタノ―ル、2−ブタノ―ル、ペンタノ―ル、フエノ―
ルなどが挙げられるが、その中でも、とくにメタノ―ル
やエタノ―ルが好ましい。これらのアルコ―ル類の使用
量としては、(メタ)アクリル酸エステル類と環状ラク
トン類との合計量に対し、重量基準で10倍量以上、好
ましくは 倍量以上となるようにするのがよい。
【0020】このようにして得られるアクリル系重合体
は、末端ヒドロキシル化率が90%以上、好ましくは9
2%以上であり、数平均分子量(Mn)としては5,0
00〜100,000の範囲にある。このアクリル系重
合体の分子量が低すぎると、物性の向上をあまり期待で
きず、高すぎると、末端ヒドロキシル化率を求めにくく
なり、さらに末端ヒドロキシル基の反応性が低下する。
また、このアクリル系重合体の分子量分布(重量平均分
子量/数平均分子量)は、1.0〜2.0、好ましくは
1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.2であ
る。
【0021】なお、上記の末端ヒドロキシル化率は、重
合体の分子両末端がヒドロキシル化されたものとして計
算され、 1H−NMR法により積分強度比から求められ
る分子量と、GPC(ゲルパ―ミユエ―シヨンクロマト
グラフイ―:溶媒クロロホルム)により求められる数平
均分子量(Mn)とから、つぎの式: 〔(GPCによるMn)/( 1H−NMR法による分子
量)〕×100(%) により、算出される値を意味するものである。
【0022】上記のように、本発明の製造方法により得
られる末端ヒドロキシル化アクリル系重合体は、分子量
分布幅が狭くて、末端ヒドロキシル化率が高いため、分
子両末端を反応点として架橋ないし主鎖延長させること
により、感圧性接着剤や成形材料などとしての物性を大
きく向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例にの
み限定されるものではない。
【0024】実施例1 <有機金属触媒の合成>アルゴン置換した500mlの
フラスコに、Sm29.1ミリモルとジヨ―ドエタン
(ICH2 CH2 I)24.3ミリモルと乾燥脱気した
THF165mlを入れ、3時間攪拌したのち、別途調
製したペンタメチルシクロペンタジエニル塩(Cp*
K)(Cp*はC5 Me5 の略)58.3ミリモルを加
えた。2時間攪拌後、THFを完全に留去し、乾燥脱気
したトルエン150mlを加えたのち、上澄み液を分離
した。上澄み液の溶媒を留去し、暗紫色の固体を得た。
この暗紫色の固体を脱気乾燥したTHF30mlに溶解
し、乾燥脱気したヘキサン60mlを加え、1/2に濃
縮後、−20℃に冷却して暗紫色のビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)サマリウム・テトラヒドロフラ
ン(1/2)〔Cp*2Sm(THF)2 〕からなる錯
体を収率57.6重量%で得た。
【0025】この錯体6.28ミリモルと、乾燥脱気し
たヘキサン90mlを、120mlのシユレンクチユ―
プに入れ、3回脱気した。つぎに、1,3−ブタジエン
を常圧(1atm)で吹き込み、3時間攪拌したのち、
上澄みを分離し、赤橙色の固体を得た。この赤橙色の固
体を、乾燥脱気したトルエン100mlに溶解し、1/
2に濃縮後、乾燥脱気したヘキサン50mlを加え、−
20℃に冷却して赤橙色のビス(η5 −ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)サマリウム(μ−η3 −ブタジエ
ン)〔Cp*2 Sm(μ−η3 −CH2 =CH−CH=
CH2 )〕2 を得た。その収率は19.6重量%であつ
た。
【0026】このようにして得られた上記の有機サマリ
ウム化合物からなる有機金属触媒について、 1H−NM
R法(C6 6 、25℃、400MHz)分析を行つた
ところ、δ14.07(brs、2H)、10.10
(brs、2H)、6.73(brs、2H)、5.2
7(brs、2H)、0.90(s、60H)、−6.
77(brs、2H)、−8.07(brs、2H)で
あつた。
【0027】<末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の
製造>上記の有機金属触媒0.41ミリモルを、脱気乾
燥したトルエン75mlに溶解し、−78℃に冷却し
た。この溶液に、脱気乾燥したアクリル酸n−ブチル3
2ミリモルを攪拌しながら加え、−78℃で20分間攪
拌後、0℃まで昇温し、脱気乾燥したε−カプロラクト
ン4.1ミリモルを加えて、0℃で4時間攪拌した。こ
れを200mlのメタノ―ル中に注ぎ、重合を停止し
た。生成した白色沈澱をろ過し、減圧乾燥した。
【0028】このようにして得られた末端ヒドロキシル
化アクリル系重合体は、その収率が99.9重量%であ
り、GPCにより測定した分子量は、数平均分子量(M
n)が11,100、重量平均分子量(Mw)が11,
700、分子量分布(Mw/Mn)が1.05であつ
た。また、このアクリル系重合体は、GPCと 1H−N
MRから求めた末端ヒドロキシル化率が90.5%であ
つた。
【0029】実施例2 アクリル酸n−ブチルの重合時間を30分とし、つぎ
に、δ−バレロラクトン4.9ミリモルを加えて2時間
重合した以外は、実施例1と同様にして、末端ヒドロキ
シル化アクリル系重合体を得た。このアクリル系重合体
は、収率が99.0重量%で、GPCにより測定した分
子量は、Mnが17,600、Mwが19,000、M
w/Mnが1.08であつた。また、GPCと 1H−N
MRから求めた末端ヒドロキシル化率は92.3%であ
つた。
【0030】実施例3 実施例1で得た有機金属触媒0.187ミリモルを、脱
気乾燥したトルエン60mlに溶解し、−78℃に冷却
した。この溶液に、脱気乾燥したメタクリル酸メチル
9.36ミリモルを攪拌しながら加え、−78℃で20
分間攪拌後、0℃まで昇温し、脱気乾燥したε−カプロ
ラクトン1.87ミリモルを加え、0℃で2時間攪拌し
た。これを200mlのメタノ―ル中に注ぎ、重合を停
止した。生成した白色沈澱をろ過し、減圧乾燥した。
【0031】このようにして得られた末端ヒドロキシル
化アクリル系重合体は、その収率が94.5重量%で、
GPCにより測定した分子量は、Mnが12,000、
Mwが12,800で、Mw/Mnが1.07であつ
た。また、GPCと 1H−NMRから求めた末端ヒドロ
キシル化率は95.1%であつた。
【0032】実施例4 メタクリル酸メチルの重合温度を0℃、重合時間を30
分とし、また、引き続く環状ラクトン類(ε−カプロラ
クトン)の共重合温度を20℃、共重合時間を2時間と
した以外は、実施例3と同様にして、末端ヒドロキシル
化アクリル系重合体を得た。このアクリル系重合体は、
収率が99.9重量%で、GPCにより測定した分子量
は、Mnが14,100、Mwが15,200で、Mw
/Mnが1.08であつた。また、GPCと 1H−NM
Rから求めた末端ヒドロキシル化率は93.6%であつ
た。
【0033】比較例1 アクリル酸n−ブチル150g、酢酸エチル100g、
AIBN0.15g、2−メルカプトエタノ―ル0.1
5gを窒素置換したフラスコに仕込み、60℃で6時
間、その後70℃で2時間重合処理した。得られたアク
リル系重合体は、収率が99.8重量%で、GPCによ
り測定した分子量は、Mnが7.42万、Mwが14.
8万で、Mw/Mnが1.99であつた。また、GPC
1H−NMRから求めた末端ヒドロキシル化率は3
0.0%であつた。
【0034】比較例2 単量体として、メタクリル酸メチル150gを使用した
以外は、比較例1と同様にして、アクリル系重合体を得
た。このアクリル系重合体は、収率が99.9重量%
で、GPCにより測定した分子量は、Mnが8.92
万、Mwが19.6万で、Mw/Mnが2.20であつ
た。また、GPCと 1H−NMRから求めた末端ヒドロ
キシル化率は28.5%であつた。
【0035】上記の実施例1〜4で得た末端ヒドロキシ
ル化アクリル系重合体および比較例1,2で得たアクリ
ル系重合体について、収率、GPCにより測定した分子
量(MnおよびMw)および分子量分布(Mw/M
n)、GPCと 1H−NMRから求めた末端ヒドロキシ
ル化率を、表1にまとめて示した。
【0036】
【0037】上記の結果から明らかなように、本発明の
実施例1〜4の方法によれば、分子量分布幅が狭くて、
末端ヒドロキシル化率の高いアクリル系重合体を高い収
率で製造できるものがあることがわかる。これに対し
て、比較例1,2の従来方法では、分子量分布幅が広く
て、かつ末端ヒドロキシル化率の低いアクリル系重合体
しか製造できないものであることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、特定
の有機金属触媒の存在下で、(メタ)アクリル酸エステ
ル類を重合させ、重合終了時に環状ラクトン類を加え
て、これをブロツク共重合させたのち、アルコ―ル類を
加えて重合を停止させる構成としたことにより、温和な
条件で、高収率、狭い分子量分布、末端ヒドロキシル化
率の高いアクリル系重合体を製造でき、このアクリル系
重合体は、分子両末端を反応点とした架橋ないし主鎖延
長により物性の向上をはかれるため、感圧性接着剤や成
形材料などの各種の分野に幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用する式(1)で表され
る有機金属触媒の分子構造(錯体構造)を示す模式図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 7/02 C09J 7/02 Z Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 GA01 4J011 AA05 BA04 NA18 NA19 NB02 NB05 4J015 DA04 4J026 HA11 HA27 HA32 HB19 HB32 HB42 HB43 HB45 HE01 4J100 AL03P AL04P AL05P AL08P AL10P AL11P AL92P BA02P BA05P BC43P BC49P CA01 CA03 CA27 DA01 DA04 FA08 JA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの式(1): 〔(C5 5 2 MR′〕2 …(1) 〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基また
    はケイ素含有の炭化水素基、MはSmまたはそれ以外の
    ランタニド元素、R′はつぎの式(2): CH2 =CH−(R1 )n−CH=CH2 …(2) (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、nは0ま
    たは1である)で示されるジエンである〕で表される有
    機金属触媒の存在下、(メタ)アクリル酸エステル類を
    重合し、重合終了時に環状ラクトン類を加えて、この環
    状ラクトン類をブロツク共重合したのち、アルコ―ル類
    を加えて重合を停止することを特徴とする末端ヒドロキ
    シル化アクリル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機金属触媒が、〔(C5 Me5 2
    m(CH2 =CH−CH=CH2 )〕2 (MeはCH3
    基である)で表される有機サマリウム化合物である請求
    項1に記載の末端ヒドロキシル化アクリル系重合体の製
    造方法。
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