JP2001079992A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JP2001079992A
JP2001079992A JP26009299A JP26009299A JP2001079992A JP 2001079992 A JP2001079992 A JP 2001079992A JP 26009299 A JP26009299 A JP 26009299A JP 26009299 A JP26009299 A JP 26009299A JP 2001079992 A JP2001079992 A JP 2001079992A
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JP
Japan
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silicone
pressure
sensitive adhesive
organosiloxane
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JP26009299A
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English (en)
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Kazunori Shimada
一紀 島田
Shinsuke Tanaka
慎介 田中
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着剤の低剥離抵抗性が極めて優れた特定のシ
リコーン硬化体表面に、粘着剤層を極めて均一に形成す
ることが可能な積層体の製造方法を提供する。 【解決手段】粘着層を保護する目的で用いられる離型フ
ィルムの製造方法に関し、熱可塑性フィルムに特定のシ
リコーンを硬化させた後、シリコーン皮膜に空気を吹き
付けることにより、フィルムとシリコーン皮膜との密着
性が良く、剥離抵抗が低減化され、さらに、シリコーン
皮膜と粘着剤との親和性を改良する、シリコーン塗膜の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン硬化体
の表面に粘着層を形成した積層体の新規な製造方法に関
する。詳しくは、粘着剤の低剥離抵抗性が極めて優れた
特定のシリコーン硬化体表面に、粘着剤層を極めて均一
に形成することが可能な積層体の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】シリコーン硬化体の表面に粘着剤よりな
る層を形成した積層構造は、剥離紙、剥離フィルム等
(以下、「剥離フィルム」と総称する。)において使用
されている。上記剥離フィルムは、基材フィルムの表面
にシリコーン硬化体を層状に形成して構成され、これ
に、粘着層を有するシール、ステッカー、表示ラベル、
テープの表示媒体を積層することにより、該粘着層の粘
着面が剥離フィルムによって保護され、且つ、使用時に
は粘着層に対する剥離フィルムのシリコーン硬化体によ
る易剥離性により、容易に剥離することができる。
【0003】従来、上記したシリコーン硬化体は、複数
の炭素−炭素二重結合を有する基が末端もしくは主鎖に
結合している反応性オルガノシロキサン誘導体、ケイ素
原子に直接水素原子が結合した構造を一個以上有する反
応性シロキサン誘導体、重合触媒、および必要に応じて
重合調整剤や剥離調整剤が添加された硬化性組成物を硬
化させることにより一般に形成されている。
【0004】そして、剥離フィルムは、上記硬化性組成
物を基材フィルム表面に層状に塗工後、熱、紫外線、電
子線による硬化処理を施すことにより得られる。
【0005】更に、上記剥離フィルムを用いて、粘着剤
を有するシール、ステッカー、表示ラベル、テープ等の
表示媒体を積層する方法は、上記剥離フィルムのシリコ
ーン塗工面に粘着剤を適当な溶媒に溶解した粘着剤溶液
を塗工し、該粘着剤溶液より溶剤を除去して粘着剤層を
形成した後、該粘着層表面に表示媒体をラミネートする
方法が、一般的に採用されている。
【0006】近年、上記離型フィルムの剥離層として使
用されるシリコーン硬化体は、より高速での低剥離抵抗
性が求められている。即ち、該剥離フィルムのシリコー
ン硬化体表面に積層された、粘着層を有するラベルを自
動貼付機にて被着体に貼付する場合、高速での運転が求
められるようになり、そのため、シリコーン硬化体と粘
着層との剥離抵抗が大きいと粘着層を有するラベルの繰
り出しミスが頻発し、生産ラインを停止せねばならない
という問題が生じるのである。
【0007】上記課題に対し、シリコーン硬化体を与え
る上記硬化性組成物において、剥離抵抗を低く改良する
手段として、シリコーン樹脂硬化反応に関与しないシリ
コーン樹脂オリゴマーを添加する方法が知られている。
【0008】ところが、上記方法では剥離抵抗の低減化
は達成できるものの、粘着層を有する表示媒体にシリコ
ーンオリゴマーが転移し、印刷を阻害させたり、残留接
着率が大幅に低下するという問題が発生する。
【0009】本発明者らは、上記した従来の硬化性組成
物に対して、特定の組成を有する硬化性成分よりなる新
規な硬化性組成物を用いることで、シリコーンオリゴマ
ーの転移がなく、印刷性の阻害や、残留接着率の低下が
なく、低剥離抵抗性(軽剥離性)を実現できるシリコー
ン硬化体を提案した(特願平10−350862号)。
【0010】しかしながら、このシリコーン硬化体を基
材フィルム上に層状に積層して低剥離抵抗性を実現させ
た離型フィルムは、該シリコーン硬化体の表面に粘着剤
溶液を塗布する際にハジキが発生し易く、ハジキの生じ
た部分においては、均一に粘着剤が塗布されなかった
り、透明な表示媒体を使用した場合、外観不良を起こ
し、商品価値を著しく低下せしめるという問題が生じ
る。また、上記ハジキにより、製品の歩留まりも低下す
るという問題を有する。このような問題は、特に、粘着
剤層を薄く形成する場合に多発する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、シリコーン硬化体と粘着層との低剥離抵抗性を実現
しながら、且つ該粘着層が均一に形成された積層体を製
造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、前記特定の組
成を有する硬化性組成物より得られるシリコーン硬化体
の表面を、予め酸化性ガスと接触せしめる前処理を行う
ことにより、該シリコーン硬化体表面における優れた低
剥離抵抗性を維持しながら、該表面における粘着剤溶液
のハジキを効果的に防止することができ、該シリコーン
硬化体の表面に均一な粘着層を形成した積層体が得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、27℃における30%ト
ルエン溶液の粘度が1500〜30000cpsであ
り、少なくとも炭素−炭素二重結合を一個以上有する高
分子オルガノシロキサン(a)と、27℃における粘度が
100〜1000cpsであり、少なくとも炭素−炭素
二重結合を一個以上有する低分子量オルガノシロキサン
(b)とを、(a)/(b)重量比が1/4〜4/1と
なる割合で混合したオルガノシロキサン組成物を主成分
とする硬化剤より得られるシリコーン硬化体の表面に酸
化性ガスを接触せしめ、上記接触処理によりシリコーン
硬化体表面における粘着剤溶液のハジキが実質的に無く
なった状態で粘着剤溶液をその表面に塗布し、次いで、
該粘着剤溶液中の溶媒を除去して粘着剤層を形成するこ
とを特徴とする、シリコーン硬化体に粘着剤層が形成さ
れた積層体の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の積層体において、シリコ
ーン硬化体は、積層させる粘着層に対する優れた低剥離
抵抗性を発揮するために、下記の特定の組成を有するオ
ルガノシロキサン組成物を主成分とする硬化剤を使用し
て形成されたものであることが重要である。
【0015】即ち、a)27℃における30%トルエン
溶液の粘度が1500〜30000cpsであり、少な
くとも炭素−炭素二重結合を一個以上有する高分子オル
ガノシロキサンと、(b)27℃におけるそれ自身の粘
度が100〜1000cpsであり、少なくとも炭素−
炭素二重結合を一個以上有する低分子量オルガノシロキ
サンとを、(a)/(b)重量比が1/4〜4/1とな
るように混合されたオルガノシロキサン組成物を主成分
とする。
【0016】尚、上記オルガノシロキサンの粘度は、分
子量を間接的に示す指標であり、常温で固体である高分
子量オルガノシロキサンについては30%トルエン溶液
として、また、低分子量オルガノシロキサンについては
トルエンに溶解せず、そのままの状態の粘度として特定
したものであ。
【0017】本発明に使用する硬化剤を構成する高分子
量オルガノシロキサンの27℃における30%トルエン
溶液の粘度が1500未満の場合、硬化剤を基材フィル
ム上に塗工する工程でハジキ現象が起こり均一塗工出来
ないという問題が起こる。また、上記粘度が30000
cpsを超えた場合、基材フィルムに形成されるシリコ
ーン硬化体に表面荒れが発生して、低剥離抵抗性の効果
が低下したり、商品価値を損なうという問題を生じる。
【0018】上記した高分子量オルガノシロキサンの構
造は、炭素−炭素二重結合を一個以上有するものであれ
ば特に限定されないが、その中でも、炭素−炭素二重結
合を一個以上有する基が両末端および/または主鎖に結
合されているオルガノシロキサンであることが好まし
く、炭素−炭素二重結合を有する基が両末端に結合され
ているオルガノシロキサンが更に好ましい。
【0019】また、上記高分子量オルガノシロキサン
の、炭素−炭素二重結合を有する基以外の置換基は特に
限定されず、通常、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基等の直鎖または分岐のアルキル基により
構成される。このような高分子オルガノシロキサンは一
般的に溶剤型剥離処理用シリコーンとして市販されてい
る。
【0020】一方、硬化剤を構成する低分子量オルガノ
シロキサンは、27℃におけるそれ自身の粘度が100
0cps以下であることが必要である。即ち、上記粘度
が1000cpsを超えると、得られる硬化体の架橋密
度が上がらないため、本発明の目的とする著しく優れた
低剥離抵抗性が発揮されない。また、低分子量オルガノ
シロキサンの上記粘度は、実用的に、100cps以上
が好適である。
【0021】上記した低分子量オルガノシロキサンの構
造は特に限定されないが、その中でも、炭素−炭素二重
結合を有する基が両末端および/または主鎖に結合され
ているオルガノシロキサンであることが好ましく、特
に、炭素−炭素二重結合を有する基が両末端に結合され
ているオルガノシロキサンがより好ましい。
【0022】また、上記低分子量オルガノシロキサン
の、炭素−炭素二重結合を有する基以外の置換基は特に
限定されず、通常、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基等の直鎖または分岐のアルキル基により
構成される。
【0023】また、上記した低分子量オルガノシロキサ
ンは、一般的に無溶剤型シリコーンとして市販されてい
る。
【0024】本発明において、上記高分子量オルガノシ
ロキサン(a)と低分子量オルガノシロキサン(b)と
の混合割合は、(a)/(b)重量比が1/4〜4/1
である必要がある。
【0025】即ち、(a)/(b)が1/4より小さい
場合、基材フィルムへの塗工性が低下し、得られるシリ
コーン硬化体に表面荒れが生じる結果、低剥離抵抗性が
低下すると共に得られる積層体の外観不良を生じ、本発
明の目的を達成できないばかりか、商品価値も低下す
る。
【0026】一方、(a)/(b)が4/1を超える場
合、塗工は容易であるが、得られるシリコーン硬化体の
表面に優れた低剥離抵抗性を付与することができない。
【0027】上記高分子量オルガノシロキサンと低分子
量オルガノシロキサンとよりなる硬化剤には、必要に応
じて、架橋剤、重合開始剤、重合調製剤、希釈剤等の通
常添加される添加剤を配合される。
【0028】例えば、架橋剤としては、一般的に、ケイ
素−水素が直接結合した部分官能基を少なくとも一個以
上有する、オルガノシロキサンを用いることが好適であ
る。また、重合開始剤としては、白金族金属の化合物
や、白金族金属を含む錯体が用いられる。架橋剤や重合
開始剤は、一般的に硬化剤を使用する直前に混合するこ
とが好ましい。
【0029】また、硬化剤は、塗工に際して有機溶剤の
ような溶剤によって希釈して用いる事が好適である。こ
れら希釈溶剤としては一般的には、脂肪族有機溶剤、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、リモネン等、芳香族有機溶剤、例えばベン
ゼン、トルエン、キシレン等、脂肪族ケトン、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が単
独或いは併用して適宜用いられる。また、この場合、希
釈率は特に限定されず、例えば、70〜99.99%の
範囲から適宜採用すればよい。
【0030】本発明のシリコーン硬化体は、前記剥離フ
ィルムの用途において、一般に、基材フィルム表面に層
状に形成して存在する態様が一般的である。かかる構造
は、基材フィルム上に、上記硬化剤を塗工し、これを硬
化することによって得られる。
【0031】硬化剤の塗工方法としては、本発明の効果
が阻害されない限り、特に公知の方法、例えば、一般に
用いられるコーティングヘッド、例えば、グラビヤ、グ
ラビヤリバース、オフセット等の転写方法を基本とした
塗工や、バー、コンマバー等の掻き取り方法を基本とし
た塗工など一般的に普及しているコーティング装置を用
いることができる。
【0032】また、硬化剤の硬化方法は特に限定されな
いが、硬化剤を乾燥炉にて加熱することによって溶剤の
除去と共に硬化する方法が採用される。上記加熱温度
は、通常100℃〜150℃の範囲が好適である。
【0033】本発明において、シリコーン硬化体よりな
る層を形成される基材フィルムの材質は、紙、熱可塑性
樹脂等特に制限されないが、熱可塑性樹脂が好適であ
る。かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げ
られる。また、上記熱可塑性樹脂フィルムの塗工面はコ
ロナ処理、フレーム処理等の表面処理を施されることが
好ましい。
【0034】本発明において重要な要件は、上記方法に
よって形成されたシリコーン硬化体の表面に粘着剤溶液
を塗布するに当たり、該シリコーン硬化体の表面におけ
る粘着性溶液のハジキが実質的に無くなるまで酸化性ガ
スを接触せしめることにある。
【0035】従来、低剥離抵抗性を目的として提案され
た硬化剤によって得られたシリコーン硬化体は、かかる
特性は十分でないものの、粘着剤層の形成において、ハ
ジキの現象は殆ど発生しない。これに対して、しかし、
本発明において使用する前記シリコーン硬化体は、従来
のシリコーン硬化体に比べて極めて優れた低剥離抵抗性
を有しながらも、粘着剤層を形成する時の粘着剤溶液の
ハジキという問題を有する。
【0036】ところが、上記本発明のシリコーン硬化体
の表面に酸化性ガスを接触させる処理によって、かかる
粘着剤層のハジキを解消することができ、しかも、優れ
た低剥離抵抗性は十分維持されるという驚くべき効果が
発揮されるのである。
【0037】本発明において、酸化性ガスは、酸化性を
有する公知のガスが特に制限なく使用される。例えば、
安価で、手軽に利用できる空気の他、酸素、オゾン等の
ガスをそのまま、或いは、窒素、アルゴン等の不活性ガ
スで希釈して使用することもできる。
【0038】また、シリコーン硬化体表面と酸化性ガス
を接触せしめる態様は、酸化性ガス雰囲気にシリコーン
硬化体を放置して曝す方法も採用することはできるが、
膨大なスペースを必要とすると共に、処理時間も長く必
要とする。そこで、上記処理を工業的に実施するには、
基材フィルム上に該シリコーン硬化体よりなる層を形成
した剥離フィルム等の製造ライン、該剥離フィルムに粘
着剤層を積層するためのラインなどにおいて、シリコー
ン硬化体表面に強制的に酸化性ガスを供給する方法が推
奨される。勿論、上記接触処理のためだけに、ロールに
巻かれたフィルムを巻き換えながら、シリコーン硬化体
表面を処理することも可能である。
【0039】上記シリコーン硬化体表面にに強制的に酸
化性ガスを接触させる具体的な方法としては、酸化性ガ
スをエアーナイフ、エアースプレー、エアーガン等によ
って吹き付ける方法などが挙げられるが、効率よく均一
に酸化性ガスを吹き付けるためには、エアーナイフによ
り吹き付ける方法が好ましい。一方、強制的に酸化性ガ
スを供給する方法で前述の、剥離フィルムに直接吹き付
ける方法以外にも剥離フィルム上にスリットを設けて該
スリットを吸引する事によって、フィルム表面に強制的
に酸化性ガスの風流れを起す方法でもよい。またこの場
合、通常の空気以外の酸化性ガスを吹き付ける場合はチ
ャンバーボックスの内部に該酸化性ガスを充填する方法
を用いても本発明の効果が阻害されない限り差し支えな
い。
【0040】更に、シリコーン硬化体表面における粘着
剤溶液のハジキが無くなるまでの酸化性ガスによる処理
時間は、処理時の温度、上記酸化性ガスの種類、接触方
法、粘着剤溶液の種類等によって異なり、一概に限定す
ることはできない。従って、上記態様毎に、ハジキが無
くなるまでの処理時間を予め予備実験により決定するこ
とが好ましい。
【0041】因みに、酸化性ガスとして空気を使用し、
常温でその雰囲気下に放置する場合、接触時間は1時間
以上が好ましく、より好ましくは10時間以上、更に好
ましくは20時間以上である。また、エアナイフを使用
する場合、接触時間はその風量にもよるが、0.1秒以
上、好ましくは1秒以上、さらに好ましくは3秒以上と
することが好ましい。
【0042】尚、かかる接触時間は、積算時間であり、
例えば、エアナイフを複数台使用して処理する場合は、
その積算時間となる。
【0043】本発明において、粘着剤は、前記ラベル等
の表示媒体の貼付に使用される公知の粘着剤が特に制限
なく使用される。例えば、アクリル酸エステル類を主成
分とするアクリル1液型粘着剤やアクリル2液型系粘着
剤等が好適である。
【0044】上記粘着剤は、これを溶媒に溶解した溶液
の状態でシリコーン硬化体表面に塗布される。かかる溶
媒としては、一般にトルエンに代表される芳香族溶剤、
酢酸エチルに代表される脂肪酸エステル、アセトンに代
表される脂肪族ケトン等が使用される。
【0045】また、シリコーン硬化体の表面に任意の厚
みで塗布された粘着剤溶液は、含まれる溶媒を、乾燥等
の公知の方法によって除去されて粘着剤層を形成する。
上記粘着剤層の厚みは特に制限されないが、比較的薄い
粘着剤層を形成する場合、本発明の効果が顕著である。
従って、本発明において、粘着剤層の厚みは、5〜50
μm、特に、10〜30μmが好適である。
【0046】本発明の方法は、基本的にシリコーン硬化
体と粘着剤層との積層体の製造方法に関するものである
が、かかる本発明の方法を応用した積層体の製造方法を
例示すれば、下記の態様が挙げられる。
【0047】 基材フィルムの表面に、本発明で使用
する高分子オルガノシロキサン(a)と低分子量オルガノ
シロキサン(b)とよりなるオルガノシロキサン組成物
を主成分とする硬化剤を塗布して硬化せしめ、シリコー
ン硬化体層を積層した剥離フィルムを製造し、 該シリコーン硬化体層の表面に酸化性ガスを接触せ
しめ、 上記接触処理によりシリコーン硬化体表面における
粘着剤溶液のハジキが実質的に無くなった状態でその表
面に粘着剤溶液を塗布し、 次いで、該粘着剤溶液中の溶媒を除去する前或いは
除去した後にラベル等の表示媒体を積層し、必要に応じ
て溶媒を除去して、 表示媒体、粘着剤層、シリコーン硬化体層及び基材
フィルムが順次積層された積層体を得る。
【0048】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明について説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 〈評価方法〉 (プラスチック基材とシリコーン硬化皮膜との密着性)
シリコーン硬化皮膜が形成された熱可塑性樹脂フィルム
を、40℃、湿度90%の恒温槽に24時間静置した後
に、該シリコーン硬化皮膜を指で擦ってシリコーン硬化
皮膜の脱落状態を目視にて観察した。脱落が見られない
ものを○、脱落が見られたものを×とした。
【0049】(常態剥離強度)シリコーン硬化皮膜が形
成された熱可塑性樹脂フィルムに、粘着剤(SKダイン8
01B、固形分濃度 40%)をメイヤーバーアプリケー
ターを用いて、50μm(wet)厚みで塗布した後、9
0℃で5分間乾燥した。次いで粘着剤の塗工面に50μ
mのポリエステル(東洋紡ポリエステルフィルムE51
00)を張り合わせ、25℃、20g/cm2の荷重を
かけて48時間エージングした。エージング後、25m
m×200mmに切断しテストピースとした。該テスト
ピースをオートグラフにて剥離速度300mm/分で1
80°での剥離強度を測定した。
【0050】(残留接着率)あらかじめニットー31B
テープをSUS板に2kgロールを用いて圧着速度5m
m/分にて一往復プレス圧着し、4時間放置する。その
後、ニットー31Bテープを180°剥離し粘着力を測
定する。この際、剥離速度は300mm/分で測定す
る。この時の粘着力を(Ai)とする。
【0051】シリコーン硬化皮膜が形成された熱可塑性
樹脂のシリコーン硬化皮膜面にニットー31Bテープを
5kgロールで圧着する。70℃、20g/cm2、2
0時間加熱エージングを行う。エージング終了後4時
間、23℃で放置する。ニットー31Bテープを剥が
し、SUS板に2kgロールを用い圧着速度5mm/秒で
一往復プレス圧着し、4時間放置する。25℃にてニッ
トー31Bテープを180°剥離し粘着力を測定する。
この時の剥離速度は300mm/分とする。この数値を
(Ae)とする。以下の式に代入し残留接着率を算出す
る。
【0052】残留接着率(%)=(Ae/Ai)×100 (実施例1) (原料樹脂の調整)メルトフローレート7.0g/10
min.の結晶性プロピレン単独重合体100重量部
と、該結晶性プロピレン単独重合体100重量部に対
し、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキ
シトルエン0.1重量部、塩素捕捉剤としてステアリン
酸カルシウム0.1重量部、を添加した樹脂組成物を、
ヘンシェルミキサーにて5分間混合攪拌した後、口径6
0mmの押出造粒機を用い、230℃にて造粒し原料ペ
レットAとした。
【0053】(キャストフィルムの作成)原料ペレット
Aを用いて以下の方法でキャストフィルムの成形を行っ
た。
【0054】スクリュー径75mmの押出機にペレット
Aを供給し、樹脂温度230℃でTダイより押出し、3
0℃の冷却ロールを通して厚み60μmの単層フィルム
を得た。引き続き片方の表面の濡れ指数が40mN/m
となるようにコロナ放電処理を施し、次いで40℃で2
4時間エージングすることでキャストフィルムを得た。
【0055】(シリコーン硬化皮膜形成)高分子量オル
ガノシロキサンとしてLTC760A:固形分濃度30
%(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)20.3
2g、硬化触媒としてSRX212(東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン社製)0.19g、密着性改良剤とし
てSD7200(東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製)0.08g、希釈溶剤としてヘプタン67.85g
を混合し攪拌した。(シリコーン固形分濃度6.8%)
この溶液をシリコーン溶液Xとした。
【0056】低分子量オルガノシロキサンとして、LT
C1053L(東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製)10.3g、硬化触媒としてLTC1102(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製)1.0gを混合し
攪拌した。この溶液をシリコーン溶液Yとする。
【0057】シリコーン溶液Xを15gとシリコーン溶
液Y0.5gを混合して、均一な混合溶液のオルガノシ
ロキサン組成物を製造した。上記オルガノシロキサン組
成物における高分子量オルガノシロキサンと低分子量オ
ルガノシロキサンの重量比は1.05:0.5となる。
【0058】該混合溶液をキャストフィルムのコロナ処
理面側にグラビヤコーターを用いて塗工した。この時
の、塗工速度は 20m/min、硬化温度は130℃ で行
い、シリコーン硬化皮膜が形成された離型フィルムを得
た。この離型フィルムの物性については表1にまとめ
た。
【0059】(前処理)シリコーン硬化皮膜が形成され
た離型フィルムのシリコーン硬化皮膜面上に、エアーナ
イフを用いて空気を吹き付けた。この時の風量は5m/mi
n、ライン速度は10m/minであった。
【0060】(粘着剤塗工)シリコーン硬化皮膜形成
後、予め空気を吹き付けたフィルム表面に、粘着剤溶液
(SKダイン1600)を、丸型アプリケーターを用い
て、テスター産業製PI−1210自動塗工装置にて塗
布した。この時のアプリケーターのクリアランスは50
μmとした。粘着剤溶液塗工後、4分間27℃で放置
し、その後90℃で4分間乾燥した。次いで、粘着剤形
成面に50μmのポリエステルフィルム(東洋紡ポリエ
ステルフィルムE5100)を張り合わせた。
【0061】この時、ポリエステルフィルムを貼り合わ
せる前後で、粘着剤のハジキ状況を観察し、下記の基準
で粘着剤のハジキの状況を評価し、結果を表1にまとめ
た。
【0062】 ×:全面にハジキ有り △:一部にハジキ有り ○:全面ハジキ無し (実施例2)シリコーン硬化皮膜に、空気を吹き付ける
時のライン速度を20m/minとした以外は、実施例1と
同様にして前処理加工及び粘着剤溶液の塗工を行い、粘
着剤のハジキ状況を評価した。その結果を表1にまとめ
た。
【0063】(実施例3)シリコーン硬化皮膜に空気を
吹き付ける時のライン速度を50m/minとした以外は、
実施例1と同様にして前処理加工及び粘着剤溶液の塗工
を行い、粘着剤のハジキ状況を評価した。その結果を表
1にまとめた。
【0064】(実施例4)シリコーン溶液Xとシリコー
ン溶液Yの添加量を表1に示した量にした以外は、実施
例1と同様にして、シリコーン塗工、前処理加工及び粘
着剤溶液の塗工を行い、粘着剤のハジキ状況を評価し
た。その結果を表1にまとめた。
【0065】(比較例1)シリコーン硬化皮膜に粘着剤
を塗工する前のエアーを吹き付ける工程を省いた以外
は、実施例1と同様にシリコーン塗工、粘着剤塗工を行
い、粘着剤のハジキ状況を評価した。その結果を表1に
まとめた。
【0066】(比較例2)実施例1のシリコーン溶液X
100部にシリコーンオリゴマーBY24−842(東
レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を固形分濃度で
0.5部添加したものをシリコーン溶液とし、シリコー
ン硬化皮膜に粘着剤を塗工する前のエアーを吹き付ける
工程を省いた以外は、実施例1と同様にシリコーン塗
工、及び粘着剤溶液の塗工を行い、粘着剤のハジキ状況
を評価した。その結果を表1にまとめた。
【0067】(比較例3)シリコーン溶液Yを添加しな
かったことと、シリコーン硬化皮膜に粘着剤を塗工する
前のエアーを吹き付ける工程を省いた以外は、実施例1
と同様にシリコーン塗工、粘着剤溶液の塗工を行い、粘
着剤のハジキ状況を評価した。その結果を表1にまとめ
た。
【0068】
【表1】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、低剥離抵抗性に優れたシリコーン硬化体表
面に、該低剥離抵抗性を低下させることなく、均一に粘
着剤層を形成することが可能であり、剥離フィルムの分
野をはじめ、その工業的価値は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 299/08 C08F 299/08 4J038 C08L 83/07 C08L 83/07 4J040 C09D 183/04 C09D 183/04 C09J 7/02 C09J 7/02 Z 183/07 183/07 Fターム(参考) 4D075 BB57Y CA07 CA13 DA04 DB18 DB31 DB36 DB48 EA19 EA35 EC37 4F100 AK52A AR00B BA02 EH462 EJ642 GB90 JK06 JL13B 4J002 CP121 EX016 GF00 4J004 AB01 CA04 CA06 CC03 CD09 DA04 DB03 GA01 4J027 AF01 AF02 AF04 AF07 CD08 CD09 4J038 DL031 DL032 KA03 MA15 NA10 PB03 PC08 4J040 DF041 JA02 JA09 JA12 JA13 JB02 JB07 JB08 JB09 KA16 LA01 MA10 PA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 27℃における30%トルエン溶液の粘
    度が1500〜30000cpsであり、少なくとも炭
    素−炭素二重結合を一個以上有する高分子オルガノシロ
    キサン(a)と、27℃における粘度が100〜1000
    cpsであり、少なくとも炭素−炭素二重結合を一個以
    上有する低分子量オルガノシロキサン(b)とを、
    (a)/(b)重量比が1/4〜4/1となる割合で混
    合したオルガノシロキサン組成物を主成分とする硬化剤
    より得られるシリコーン硬化体の表面に酸化性ガスを接
    触せしめ、上記接触処理によりシリコーン硬化体表面に
    おける粘着剤溶液のハジキが実質的に無くなった状態で
    該粘着剤溶液をその表面に塗布し、次いで、該粘着剤溶
    液中の溶媒を除去して粘着剤層を形成することを特徴と
    する、シリコーン硬化体表面に粘着剤層が形成された積
    層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコーン硬化体が、熱可塑性フィ
    ルムよりなる基材表面に層状に形成されてなる、請求項
    1記載の積層体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107250313A (zh) * 2015-03-05 2017-10-13 道康宁东丽株式会社 有机硅类压敏粘接剂和具有有机硅类压敏粘接层的叠层体
KR20190047995A (ko) * 2017-10-30 2019-05-09 주식회사 엘지화학 이형층용 조성물 및 이의 경화물을 포함하는 이형필름

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107250313A (zh) * 2015-03-05 2017-10-13 道康宁东丽株式会社 有机硅类压敏粘接剂和具有有机硅类压敏粘接层的叠层体
KR20190047995A (ko) * 2017-10-30 2019-05-09 주식회사 엘지화학 이형층용 조성물 및 이의 경화물을 포함하는 이형필름
KR102257659B1 (ko) * 2017-10-30 2021-05-28 주식회사 엘지화학 이형층용 조성물 및 이의 경화물을 포함하는 이형필름

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