JP2001075197A - 画像処理装置、方法及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、方法及び記録媒体

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JP2001075197A
JP2001075197A JP25112299A JP25112299A JP2001075197A JP 2001075197 A JP2001075197 A JP 2001075197A JP 25112299 A JP25112299 A JP 25112299A JP 25112299 A JP25112299 A JP 25112299A JP 2001075197 A JP2001075197 A JP 2001075197A
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Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像データ上での欠陥部の規模に応じた適正
な欠陥部修正を簡易に実現する。 【解決手段】 写真フィルムに記録された画像をR,G,B,
IRについて各々読み取り、電子変倍(画素密度変換)等
の処理を経て得られたR,G,B,IRの各データに対し、写真
フィルム上での各データの画素密度に基づいて、欠陥部
か否かを判定するための閾値、欠陥部の修正に用いる周
辺領域の大きさ、欠陥部の修正に用いるワーク領域のサ
イズを(A)〜(C)に示すマップを用いて決定する。そし
て、上記各パラメータに従って欠陥部の検出・修正を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置、方法
及び記録媒体に係り、特に、画像情報が表す画像の欠陥
部を検出し欠陥部を修正する画像処理装置、該画像処理
装置に適用可能な画像処理方法、及び、コンピュータを
前記画像処理装置として機能させるためのプログラムが
記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムは、取扱い方によっては乳
剤面やバック面(乳剤面の裏面)に傷が付くことがある
が、写真フィルムの画像記録領域内に相当する箇所に傷
が付いていた場合、該写真フィルムに記録されている画
像を出力(印画紙等の画像記録材料に記録、或いはディ
スプレイ等の表示手段に表示)したとすると、傷の程度
にもよるが、写真フィルムに付いた傷が、低濃度の筋や
白い筋等の欠陥部として出力画像上で明瞭に視認される
ことが多い。また、写真フィルムの表面に塵埃等の異物
が付着していた場合にも、該異物が欠陥部として明瞭に
視認される。
【0003】写真フィルムに光を照射し写真フィルムを
透過した光を印画紙に照射することで印画紙に画像を露
光記録する面露光タイプの写真焼付装置では、写真フィ
ルムの傷付き対策として、光源と写真フィルムとの間に
拡散板を配置し、拡散板によって散乱された光を写真フ
ィルムに照射している。しかし、上記技術では出力画像
(印画紙に露光記録した画像)中の欠陥部を消去するこ
とは困難であり、欠陥が若干軽減される(目立たなくな
る)に過ぎない。
【0004】また、写真フィルムに記録された画像をC
CD等の読取センサによって読み取る構成の画像読取装
置に適用可能な技術として、特開平11−75039号
公報には、可視域3波長と、非可視域(例えば赤外域や
紫外域)1波長を含む少なくとも4波長以上の波長域で
写真フィルムを各々読み取り、非可視域での読み取りに
よって得られた情報に基づいて、可視域での読み取りに
よって得られた画像情報を補正する技術が開示されてい
る。
【0005】可視域の光は、写真フィルムに記録されて
いる画像濃度に応じて透過光量が変化すると共に、写真
フィルムに傷や異物が付いている箇所でも傷や異物によ
って光が一部屈折されたり反射されることで透過光量が
変化する。一方、非可視域の光は、写真フィルムに傷や
異物が付いている箇所では透過光量が変化するものの、
写真フィルムに記録されている画像濃度の影響は受けな
い。
【0006】従って、前記公報に記載の技術によれば、
非可視域の光の透過光量の変化から写真フィルムに付い
ている傷や異物を検出し、写真フィルムに付いている傷
や異物に起因する可視域の光の透過光量の変動を補正す
ること、すなわち写真フィルムに付いている傷や異物に
起因する画像(可視域での読み取りによって得られた画
像情報が表す画像)の欠陥部を修正することが可能とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、写真フィル
ムに付いている傷や異物の大きさは不定であり、画像を
読み取ることで得られる画像データ上での傷や異物に起
因する欠陥部の規模(欠陥部に属する画素の数)は前記
傷や異物の大きさに応じて変化する。また、写真フィル
ムに記録されている画像を読み取り、所定の画像処理を
行って出力する態様では、読取画像のサイズや出力画像
のサイズ、出力画像の画質についての要求水準等に応じ
て、画像読み取り時の光学倍率や読み取り解像度が変更
されたり、読み取りによって得られた画像データに対す
る電子変倍処理における倍率が変更されるが、この場合
にも画像データ上での欠陥部の規模が変化する。しかし
ながら、前記公報には、画像データ上での欠陥部の規模
が変化することを考慮した欠陥部修正について何ら考慮
されていない。
【0008】画像データ上での欠陥部の規模が変化する
ことを考慮した欠陥部修正の一例として、考え得る最大
規模の欠陥部を修正する場合を想定し、欠陥部修正に関
連するパラメータ(欠陥部を修正するための演算に用い
る欠陥部の周囲領域の大きさや欠陥部の修正に必要なデ
ータを記憶するための記憶手段の容量)を、欠陥部の最
大規模に応じて固定的に定めることが考えられる。しか
し、この態様では、画像データ上での規模が小さい欠陥
部を修正する場合に、欠陥部の規模に比して広面積の周
囲領域のデータが演算に用いられることで欠陥部の規模
が小さい割に修正演算に時間がかかったり、大容量の記
憶手段が必要になるという問題がある。
【0009】また、画像データ上での欠陥部の規模が変
化することを考慮した欠陥部修正の他の例として、画像
データ上での欠陥部の規模を検出し、欠陥部修正に関連
するパラメータを欠陥部の規模に応じた最適な値に変更
することが考えられる。しかし、この態様では、欠陥部
の規模を検出するために、例えば個々の欠陥部毎に欠陥
部に属する画素(欠陥画素)の画素数をカウントする等
の煩雑な処理を行う必要があった。
【0010】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、画像データ上での欠陥部の規模に応じた適正な欠陥
部修正を簡易に実現できる画像処理装置、画像処理方法
及び記録媒体を得ることが第1の目的である。
【0011】また本発明は、画像データ上での欠陥部の
規模に拘わらず、欠陥部修正に関連するパラメータを変
更することなく欠陥部を適正に修正することができる画
像処理装置、画像処理方法及び記録媒体を得ることが第
2の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】欠陥部は画像記録材料に
付いた傷や異物によって生ずるが、写真感光材料等の画
像記録材料に付く傷や異物は、大きさは不定ではあるも
のの極端に大きいことは少なく、或る範囲内に収まって
いることが殆どである。本願発明者は上記に着目し、画
像情報上での欠陥部の規模に影響を及ぼす他のパラメー
タ(画像読み取り時の光学倍率、読み取り解像度、読み
取りによって得られた画像情報に対する電子変倍処理に
おける倍率等)によって変化する「画像情報が表す画像
の画像記録材料上での画素密度」が既知であれば、画像
情報上での欠陥部の規模を検出する等の煩雑な処理を行
わなくても、画像情報上での欠陥部の規模を或る程度の
精度で推定可能であることに想到した。
【0013】上記に基づき、第1の目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、画像記録
材料に記録されている画像を読み取ることで得られた画
像情報に対し、該画像情報が表す画像の欠陥部を検出す
る検出手段と、前記画像情報に対し、前記検出手段によ
って検出された欠陥部を修正する修正手段と、前記画像
情報が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度に応
じて、前記検出手段による欠陥部の検出又は前記修正手
段による欠陥部の修正に関連するパラメータを変更する
変更手段と、を含んで構成している。
【0014】請求項1記載の発明は、画像記録材料に記
録されている画像を読み取ることで得られた画像情報に
対し、該画像情報が表す画像の欠陥部を検出する検出手
段を備えている。前記画像情報は、例えば画像記録材料
に光を照射し、画像記録材料を透過又は反射した光を、
多数の光電変換セルを備えた光電変換素子によって光電
変換する(読み取る)ことで得ることができ、欠陥部の
検出は、例えば画像記録材料に非可視光を照射し、画像
記録材料を透過又は反射した非可視光を光電変換した結
果を用いて行うことができる。
【0015】また、請求項1の発明に係る修正手段は、
画像情報に対し、検出手段によって検出された欠陥部を
修正する。この欠陥部の修正は、例えば画像の欠陥部に
相当する領域の情報を欠陥部の周囲に存在している領域
の情報から補間によって求めたり、欠陥部の輝度が変化
するように画像情報を修正したり、欠陥部やその付近の
領域における空間周波数の高周波成分を減じて欠陥部が
ぼけるように画像情報を修正することで行うことができ
る。
【0016】一方、前述のように画像記録材料に付く傷
や異物の大きさは或る範囲内に収まっていることが殆ど
であるので、画像情報上での欠陥部の規模についても、
画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素密度に対
応する範囲内に収まることが殆どである。
【0017】これに対し、請求項1の発明に係る変更手
段は、画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素密
度に応じて、検出手段による欠陥部の検出又は修正手段
による欠陥部の修正に関連するパラメータを変更する。
なお、欠陥部の検出又は欠陥部の修正に関連するパラメ
ータとしては、例えば修正手段が欠陥部の修正に用いる
欠陥部の周辺領域の大きさ、修正手段が欠陥部の修正に
必要なデータを一時記憶するために確保する記憶領域の
サイズ、欠陥部の周辺領域のうち修正手段が欠陥部の修
正に用いる画素の間隔、検出手段による欠陥部の検出基
準等が挙げられる。
【0018】上記により、例えば画像情報が表す画像の
画像記録材料上での画素密度に応じて、欠陥部の修正に
用いる欠陥部の周辺領域の大きさ(例えば画素数)を変
更した場合、周辺領域の大きさが、画像情報上での欠陥
部のおおよその規模に対応する大きさとされることによ
り、欠陥部の規模に比して周辺領域が大き過ぎることで
欠陥部の修正に必要以上に時間がかかったり、欠陥部の
規模に比して周辺領域が小さ過ぎることで欠陥部の修正
精度が低下することを回避できる。
【0019】また、例えば画像情報が表す画像の画像記
録材料上での画素密度に応じて、欠陥部の修正に必要な
データを一時記憶するために確保する記憶領域のサイズ
を変更した場合、記憶領域のサイズが、画像情報上での
欠陥部のおおよその規模に対応する大きさとされること
により、欠陥部の規模に比して記憶領域のサイズが大き
過ぎることで記憶領域が無駄に占有されたり、欠陥部の
規模に比して記憶領域のサイズが小さ過ぎることで欠陥
部の修正に支障をきたすことを回避することができる。
【0020】また、前述の画素密度に応じて周辺領域の
大きさを変更する態様では、欠陥部の規模が大きくなる
に従って周辺領域の大きさが大きくなることで、欠陥部
の修正に用いるデータのデータ量が増大し、欠陥部の修
正に要する時間が増大すると共に、該データの記憶に必
要な記憶領域のサイズも増大する。これに対し、例えば
画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素密度に応
じて、欠陥部の周辺領域のうち欠陥部の修正に用いる画
素の間隔を変更した場合、画素密度が高く(欠陥部のお
およその規模が大きく)なるに従って欠陥部の修正に用
いる画素の間隔を大きくすることで、欠陥部の規模が大
きい場合にも欠陥部の修正に用いるデータのデータ量が
極端に増大することを抑制することができ、欠陥部の修
正に要する時間の増大及びデータの記憶に必要な記憶領
域のサイズの増大を抑制することができる。
【0021】また、欠陥部の規模が大きくなるに従っ
て、個々の欠陥部の修正に要する時間は増大するが、欠
陥部が目立ち易くなるので欠陥部修正に対する要求水準
が高くなる可能性もある。例えば前記画素密度に応じて
欠陥部の検出基準(例えば欠陥部として検出するか否か
の閾値)を変更した場合、欠陥部の検出基準が、画像情
報上での欠陥部のおおよその規模に応じて変更されるの
で、例として画素密度が高く(欠陥部のおおよその規模
が大きく)なるに従って検出される欠陥部の数が少なく
なるように検出基準を変更すれば、修正手段が欠陥部の
修正に要する時間が増大することを抑制できる。また、
例として画素密度が高く(欠陥部のおおよその規模が大
きく)なるに従って検出される欠陥部の数が多くなるよ
うに検出基準を変更すれば、より微小な欠陥部まで修正
されるようにすることができる。
【0022】このように、請求項1の発明によれば、欠
陥部の規模を検出する等の煩雑な処理を行うことなく、
欠陥部の検出又は欠陥部の修正に関連するパラメータが
欠陥部のおおよその規模に応じて適正化されるので、画
像情報上での欠陥部の規模に応じた適正な欠陥部修正を
簡易に実現することができる。なお、前記画素密度は、
例えば画像読み取り時の光学倍率や読み取り解像度、読
み取りによって得られた画像情報に対する電子変倍処理
(但し、欠陥部修正前に行う場合)における倍率等のパ
ラメータから演算等によって求めることができる。
【0023】なお、変更手段が周辺領域の大きさを変更
する場合、具体的には請求項2に記載したように、画素
密度が高くなるに従って周辺領域の大きさが大きくなる
ように変更することができる。また、変更手段が記憶領
域のサイズを変更する場合、具体的には請求項2に記載
したように、画素密度が高くなるに従って記憶領域のサ
イズが大きくなるように変更することができる。
【0024】また、変更手段が欠陥部の周辺領域のうち
欠陥部の修正に用いる画素の間隔を変更する場合、具体
的には請求項2に記載したように、前記画素の間隔を大
きくすることができる。また、変更手段が欠陥部の検出
基準を変更する場合、具体的には請求項2に記載したよ
うに、画素密度が高くなるに従って検出される欠陥部の
数が減少するように検出基準を変更することができる。
【0025】第2の目的を達成するために請求項3記載
の発明に係る画像処理装置は、画像記録材料に記録され
ている画像を読み取ることで得られた画像情報を、該画
像情報が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度が
所定値になるように変換する第1変換手段と、前記画像
情報が表す画像の欠陥部を検出する検出手段と、前記第
1変換手段による変換を経た画像情報に対し、前記検出
手段によって検出された欠陥部を修正する修正手段と、
前記修正手段による修正を経た画像情報を、該画像情報
が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度が元の値
に戻るように変換する第2変換手段と、元の画像情報と
前記第2変換手段による変換を経た画像情報とを合成す
ることで、欠陥部が修正された画像情報を生成する生成
手段と、を含んで構成されている。
【0026】請求項3の発明では、画像記録材料に記録
されている画像を読み取ることで得られた画像情報を、
該画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素密度が
所定値になるように変換する第1変換手段を備えてい
る。前述のように、画像情報上での欠陥部の規模は画像
情報が表す画像の画素密度に対応する範囲内に収まるこ
とが殆どであるので、第1変換手段により画素密度が所
定値になるように変換された画像情報は、欠陥部の規模
が所定範囲内にほぼ収まっている。
【0027】請求項3の発明に係る修正手段は、第1変
換手段による変換を経た画像情報に対し、請求項1の発
明と同様の検出手段によって検出された欠陥部を修正す
るので、欠陥部修正に関連するパラメータ(例えば請求
項1に記載した欠陥部の周辺領域の大きさ、記憶領域の
サイズ、欠陥部の検出基準等)として、画素密度が所定
値のときの適正値を予め設定しておくことで、元の画像
データ上での欠陥部の規模に拘わらず、前記パラメータ
を変更することなく欠陥部を適正に修正することができ
る。
【0028】そして、修正手段による修正を経た画像情
報は、第2変換手段により、該画像情報が表す画像の画
像記録材料上での画素密度が元の値に戻るように変換さ
れ、生成手段は、元の画像情報と第2変換手段による変
換を経た画像情報とを合成することで、欠陥部が修正さ
れた画像情報を生成するので、画像データ上での欠陥部
の規模に拘わらず、欠陥部修正に関連するパラメータを
変更することなく欠陥部を適正に修正することができ
る。
【0029】請求項4記載の発明は、請求項3の発明に
おいて、画像記録材料に非可視光を照射し、画像記録材
料を透過又は反射した非可視光を光電変換して得られた
非可視画像情報を取得する取得手段を更に備え、第1変
換手段は、非可視画像情報が表す画像の画像記録材料上
での画素密度も前記所定値になるように非可視画像情報
を変換し、検出手段は、第1変換手段による変換を経た
非可視画像情報を用いて欠陥部の検出を行うことを特徴
としている。
【0030】請求項4の発明では、画像記録材料に非可
視光を照射し、画像記録材料を透過又は反射した非可視
光を光電変換して得られた非可視画像情報が取得手段に
よって取得され、該非可視画像情報は、該非可視画像情
報が表す画像の画像記録材料上での画素密度も所定値に
なるように第1変換手段によって変換される。これによ
り、画像記録材料上での画素密度が同一(所定値)とさ
れた画像情報及び非可視画像情報が得られる。
【0031】そして請求項4の発明では、第1変換手段
による変換を経た非可視画像情報を用いて検出手段が欠
陥部の検出を行うので、修正手段は、検出手段による欠
陥部検出結果(例えば何れの画素が欠陥部に属する画素
かを表す情報等)をそのまま用いて、画像記録材料上で
の画素密度が所定値の画像情報に対して欠陥部を修正す
ることができる。従って請求項4の発明によれば、欠陥
部をより精度良く修正することができる。
【0032】請求項5記載の発明は、請求項3の発明に
おいて、生成手段は、画像中の非欠陥部領域については
元の画像情報のみを用いると共に、画像中の欠陥部領域
については、第2変換手段による変換を経た画像情報の
みを用いるか、又は元の画像情報と第2変換手段による
変換を経た画像情報の加重平均に相当する画像情報を用
い、これらを合成することで欠陥部が修正された画像情
報を生成することを特徴としている。
【0033】画像の画素密度が変化するように画像情報
を変換した場合、補間演算等が行われることで、該画像
情報が表す画像の鮮鋭度の低下等の画質低下が生ずる。
これに対して請求項5の発明では、画像中の非欠陥部領
域(欠陥部を除外した領域、或いは欠陥部及びその周囲
領域を除外した領域)については元の画像情報を用いる
ので、画像の大半を占める非欠陥部領域に鮮鋭度の低下
等の画質低下が生ずることを回避することができる。
【0034】また、画像中の欠陥部領域(欠陥部のみ、
或いは欠陥部とその周囲領域を含んだ領域)について
は、第2変換手段による変換を経た画像情報のみを用い
るか、又は元の画像情報と第2変換手段による変換を経
た画像情報の加重平均に相当する画像情報を用い、これ
らを合成して画像情報を生成するので、第1変換手段及
び第2変換手段による変換に起因する画質の低下が抑制
されかつ欠陥部が適正に修正された画像を表す画像情報
を得ることができる。
【0035】請求項6記載の発明に係る画像処理方法
は、画像記録材料に記録されている画像を読み取ること
で得られた画像情報に対し、該画像情報が表す画像の欠
陥部を検出し、前記画像情報に対し、前記検出した欠陥
部を修正すると共に、前記画像情報が表す画像の前記画
像記録材料上での画素密度に応じて、前記欠陥部の検出
又は前記欠陥部の修正に関連するパラメータを変更する
ので、請求項1の発明と同様に、画像データ上での欠陥
部の規模に応じた適正な欠陥部修正を簡易に実現するこ
とができる。
【0036】請求項7記載の発明に係る画像処理方法
は、画像記録材料に記録されている画像を読み取ること
で得られた画像情報を、該画像情報が表す画像の前記画
像記録材料上での画素密度が所定値になるように変換す
る第1の変換を行うと共に、前記画像情報が表す画像の
欠陥部を検出し、前記第1の変換を経た画像情報に対
し、前記検出した欠陥部を修正し、前記欠陥部の修正を
経た画像情報を、該画像情報が表す画像の前記画像記録
材料上での画素密度が元の値に戻るように変換する第2
の変換を行い、元の画像情報と前記第2の変換を経た画
像情報とを合成することで、欠陥部が修正された画像情
報を生成するので、請求項3の発明と同様に、画像デー
タ上での欠陥部の規模に拘わらず、欠陥部修正に関連す
るパラメータを変更することなく欠陥部を適正に修正す
ることができる。
【0037】請求項8記載の発明に係る記録媒体は、画
像記録材料に記録されている画像を読み取ることで得ら
れた画像情報に対し、該画像情報が表す画像の欠陥部を
検出する第1のステップ、前記画像情報に対し、前記検
出した欠陥部を修正する第2のステップ、及び、前記第
1のステップ及び前記第2のステップの少なくとも一方
を行う前に、前記画像情報が表す画像の前記画像記録材
料上での画素密度に応じて、前記欠陥部の検出又は前記
欠陥部の修正に関連するパラメータを変更する第3のス
テップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプ
ログラムが記録されている。
【0038】請求項8記載の発明に係る記録媒体には、
上記第1乃至第3のステップを含む処理、すなわちコン
ピュータを、請求項1に記載の画像処理装置として機能
させるためのプログラムが記録されているので、コンピ
ュータが前記記録媒体に記録されたプログラムを読み出
して実行することにより、請求項1の発明と同様に、画
像データ上での欠陥部の規模に応じた適正な欠陥部修正
を簡易に実現することができる。
【0039】請求項9記載の発明に係る記録媒体は、画
像記録材料に記録されている画像を読み取ることで得ら
れた画像情報を、該画像情報が表す画像の前記画像記録
材料上での画素密度が所定値になるように変換する第1
の変換を行うと共に、前記画像情報が表す画像の欠陥部
を検出する第1のステップ、前記第1の変換を経た画像
情報に対し、前記検出した欠陥部を修正する第2のステ
ップ、前記欠陥部の修正を経た画像情報を、該画像情報
が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度が元の値
に戻るように変換する第2の変換を行う第3のステッ
プ、及び、元の画像情報と前記第2の変換を経た画像情
報とを合成することで、欠陥部が修正された画像情報を
生成する第4のステップを含む処理をコンピュータに実
行させるためのプログラムが記録されている。
【0040】請求項9記載の発明に係る記録媒体には、
上記第1乃至第4のステップを含む処理、すなわちコン
ピュータを、請求項3に記載の画像処理装置として機能
させるためのプログラムが記録されているので、コンピ
ュータが前記記録媒体に記録されたプログラムを読み出
して実行することにより、請求項3の発明と同様に、画
像データ上での欠陥部の規模に拘わらず、欠陥部修正に
関連するパラメータを変更することなく欠陥部を適正に
修正することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0042】〔第1実施形態〕図1には、本実施形態に
係る画像処理システム10が示されている。画像処理シ
ステム10は、フィルムスキャナ12、画像処理装置1
4及びプリンタ16が直列に接続されて構成されてい
る。なお、フィルムスキャナ12及び画像処理装置14
は本発明に係る画像処理装置に対応している。
【0043】フィルムスキャナ12は、写真フィルム
(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真
感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録され
ている画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可
視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み
取りによって得られた画像データを出力するものであ
り、図2にも示すように、ハロゲンランプ等から成り写
真フィルム26に光を照射する光源20を備えている。
なお、光源から射出される光は可視光域の波長の光及び
赤外域の波長の光を各々含んでいる。
【0044】光源20の光射出側には、写真フィルム2
6に照射する光の光量を調節するための絞り21、フィ
ルタユニット23、写真フィルム26に照射する光を拡
散光とする光拡散ボックス22が順に配置されている。
フィルタユニット23は、入射光のうちRに相当する波
長域の光(R光)のみ透過させるフィルタ23Cと、入
射光のうちGに相当する波長域の光(G光)のみ透過さ
せるフィルタ23Mと、入射光のうちBに相当する波長
域の光(B光)のみ透過させるフィルタ23Yと、入射
光のうち赤外域の光(IR光)のみ透過させるフィルタ
23IRの4個のフィルタが、図2矢印A方向に沿って
回転可能とされたターレット23Aに嵌め込まれて構成
されている。
【0045】写真フィルム26を挟んで光源20と反対
側には、光軸Lに沿って、写真フィルム26を透過した
光を結像させる結像レンズ(ズームレンズ)28、エリ
アCCD30が順に配置されている。エリアCCD30
は、各々可視光域及び赤外域に感度を有する多数のCC
Dセルがマトリクス状に配列されたモノクロのCCDで
あり、受光面が結像レンズ28の結像点位置に略一致す
るように配置されている。また、エリアCCD30と結
像レンズ28との間にはシャッタ(図示省略)が設けら
れている。
【0046】エリアCCD30はCCDドライバ31を
介してスキャナ制御部33に接続されている。スキャナ
制御部33はCPU、ROM(例えば記憶内容を書換え
可能なROM)、RAM及び入出力ポートを備え、これ
らがバス等を介して互いに接続されて構成されている。
スキャナ制御部33はフィルムスキャナ12の各部の動
作を制御する。また、CCDドライバ31はエリアCC
D30を駆動するための駆動信号を生成し、エリアCC
D30の駆動を制御する。
【0047】写真フィルム26はフィルムキャリア24
(図1参照、図2では図示省略)によって搬送され、画
像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位置)に位
置決めされる。また、スキャナ制御部33は画像が読取
位置に位置決めされている状態で、フィルタ23IRを
含む全てのフィルタ23が順に光軸L上に位置するよう
にフィルタユニット23のターレット23Aを回転駆動
させると共に、所定の読取条件に対応するエリアCCD
30の電荷蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞
り21を前記所定の読取条件に対応する位置へ移動させ
ると共に、結像レンズ28による光学倍率(ズーム倍
率)を前記所定の読取条件に対応する所定の倍率に調整
する。
【0048】これにより、写真フィルム26上の画像記
録領域に各フィルタ23に対応する波長域(R又はG又
はB又はIR)の光が順に照射され、写真フィルム26
上の画像記録領域を透過した光は、結像レンズ28を介
しエリアCCD30に入射されてエリアCCD30によ
って光電変換され、透過光量を表す信号としてエリアC
CD30から出力される。エリアCCD30から出力さ
れた信号は、A/D変換器32によって透過光量を表す
デジタルデータに変換されて画像処理装置14に入力さ
れる。
【0049】なお、R、G、Bの各波長域の光の透過光
量は、画像記録領域に記録されている画像のR,G,B
濃度に応じて変化する(写真フィルム26に傷や異物が
付いていた場合にはこれらによっても変化するが、IR
光の透過光量は画像濃度の影響を受けず、傷や異物等の
みによって変化する)。従って、R、G、Bの各波長域
の透過光を光電変換することは画像を読み取ることに相
当し、以下では、画像処理装置14に入力されるR、
G、B、IRの各波長域のデータのうちIRを除くR、
G、Bの各データを画像データと称する。なお、R,
G,Bの画像データは本発明に係る画像情報に対応して
おり、IRデータは非可視画像情報に対応している。
【0050】一方、画像処理装置14のスキャナ補正部
36は、入力された画像データ(及びIRデータ)に対
し、暗補正、濃度変換、シェーディング補正等の各種の
補正処理を順に行う。スキャナ補正部36の出力端はI
/Oコントローラ38の入力端に接続されており、スキ
ャナ補正部36で前記各処理が施された画像データはI
/Oコントローラ38に入力される。I/Oコントロー
ラ38の入力端は、イメージプロセッサ40のデータ出
力端にも接続されており、イメージプロセッサ40から
画像処理(詳細は後述)が行われた画像データが入力さ
れる。
【0051】また、I/Oコントローラ38の入力端は
制御部42にも接続されている。制御部42は拡張スロ
ット(図示省略)を備えており、この拡張スロットに
は、デジタルスチルカメラに装填可能なPCカードやI
Cカード(以下、これらをデジタルカメラカードと総称
する)、CD−ROMやMO、CD−R等の情報記憶媒
体に対してデータ(或いはプログラム)の読出し/書込
みを行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と
通信を行うための通信制御装置が接続される。拡張スロ
ットを介して外部から入力された画像データはI/Oコ
ントローラ38へ入力される。
【0052】I/Oコントローラ38の出力端は、イメ
ージプロセッサ40のデータ入力端及び制御部42に各
々接続されており、更にI/F回路54を介してプリン
タ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、
入力された画像データを、出力端に接続された前記各機
器に選択的に出力する。
【0053】本実施形態では、写真フィルム26に記録
されている個々の画像に対し、フィルムスキャナ12に
おいて異なる解像度で2回の読み取りを行う。1回目の
読み取り(プレスキャン)では、画像の濃度が非常に低
い場合にも、エリアCCD30で蓄積電荷の飽和が生じ
ないように決定した読取条件で各画像の読み取りが行わ
れる。なお、本実施形態ではプレスキャン時にはIR読
み取りは行なわない。このプレスキャンによって得られ
たデータ(プレスキャン画像データ)は、I/Oコント
ローラ38から制御部42へ入力される。
【0054】制御部42は、CPU46、RAM48、
ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、
入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに
接続されて構成されている。制御部42は、I/Oコン
トローラ38から入力されたプレスキャン画像データに
基づいて画像のサイズ(アスペクト比)を判断すると共
に、画像の濃度等の画像特徴量を演算し、各画像に対
し、フィルムスキャナ12が再度読み取り(ファインス
キャン)を行う際の読取条件を決定し、決定した読取条
件をフィルムスキャナ12に出力する。
【0055】なお、読取条件には画像の読取倍率(光学
倍率)も含まれている。この読取倍率は画像のアスペク
ト比等に基づいて決定される。例えば135サイズの写
真フィルムに記録されている画像のうち、ハイビジョン
サイズやパノラマサイズに相当するアスペクト比の画像
は、フレームサイズは小さいものの印画紙への画像の記
録サイズは通常のフルサイズの画像よりも大きい。この
ため、印画紙に記録する際の画質劣化を考慮し、通常サ
イズよりも高い読取倍率(例えば読取解像度(画素密
度)が2倍となる倍率)が設定される。
【0056】また制御部42は、プレスキャン画像デー
タに基づいて、画像中の主要画像領域(例えば人物の顔
に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特徴量の演
算を行い、フィルムスキャナ12がファインスキャンを
行うことによって得られる画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)に対する各種の画像処理の処理条件を演
算により自動的に決定し(セットアップ演算)、決定し
た処理条件をイメージプロセッサ40へ出力する。
【0057】例えば各種の画像処理の1つである画素密
度変換処理(所謂電子変倍処理)については、制御部4
2は、画像読み取りにおける読取解像度(画像読み取り
時の光学倍率及びエリアCCD30のセル数から求ま
る)及び出力用画像データの画素数(出力用画像データ
の用途(例えば印画紙に記録/表示手段に表示/情報記
憶媒体へ格納)に応じて定まる)に基づいて、画素密度
変換処理の処理条件である電子変倍率(:画素密度変換
率=変換後の画素密度/変換前の画素密度)を演算によ
って決定している。
【0058】なお、制御部42は、フィルムスキャナ1
2から入力されたIRデータに基づいて、画像データが
表す画像中に、写真フィルム26に付いている傷や塵埃
等の異物に起因する欠陥部が生じているか否かを探索す
る機能、イメージプロセッサ40が欠陥部修正処理を行
うためのパラメータを設定する機能を有している。ま
た、制御部42のバスにはディスプレイ43、キーボー
ド44及びマウス(図示省略)が接続されている。
【0059】制御部42は、演算した画像処理の処理条
件に基づき、ファインスキャン画像データを対象として
イメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画
像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュ
レーション画像データを生成する。そして、生成したシ
ミュレーション画像データを、ディスプレイ43に画像
を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディ
スプレイ43にシミュレーション画像を表示する。ま
た、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータ
によって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条
件の修正を指示する情報がキーボード44やマウスを介
して入力されると、入力された情報に基づいて画像処理
の処理条件の再演算等を行う。
【0060】一方、フィルムスキャナ12で画像に対し
てファインスキャンが行われることによってI/Oコン
トローラ38に入力された画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)は、I/Oコントローラ38からイメー
ジプロセッサ40へ入力される。なお、このファインス
キャンは、先に制御部42によって演算された読取条件
に従い、エリアCCD30の電荷蓄積時間、絞り21の
位置、及び結像レンズ28による光学倍率を調整しなが
ら行われる。
【0061】イメージプロセッサ40は、階調変換や色
変換を含む色・濃度補正処理、画素密度変換処理(所謂
電子変倍処理)、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮
するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープ
ネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画
像処理を行う画像処理回路を各々備えており、入力され
た画像データに対し、制御部42によって各画像毎に決
定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を
行う。また、イメージプロセッサ40は制御部42によ
って設定されたパラメータに従って欠陥部修正処理を行
う機能を有している。
【0062】イメージプロセッサ40で画像処理が行わ
れた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合に
は、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像
データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54
を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力され
る。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとし
て外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38から
制御部42へ画像データが出力される。これにより、制
御部42では、外部への出力用としてI/Oコントロー
ラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介
して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御
装置等)に出力する。
【0063】プリンタ16は、画像メモリ58、R,
G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制
御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置
14から入力された記録用画像データは画像メモリ58
に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から
射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。
レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミ
ラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査
され、印画紙68に画像が露光記録される。画像が露光
記録された印画紙68は、プロセッサ部18へ送られて
発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。
これにより、印画紙68に露光記録された画像が可視化
される。
【0064】次に本実施形態の作用として、スキャナ1
2から画像処理装置14にファインスキャン画像データ
が入力され、該画像データに対しイメージプロセッサ4
0において画素密度変換等の処理が行われると制御部4
2で実行される欠陥部修正値決定処理について説明す
る。
【0065】欠陥部修正値決定処理は、請求項6に記載
の画像処理方法が適用された処理であり、制御部42の
CPU46により、欠陥部修正値決定プログラムが実行
されることによって実現される。欠陥部修正値決定プロ
グラムは、その他の処理をCPU46で実行させるため
のプログラムと共に、当初は、情報記憶媒体72(図1
参照)に記憶されている。なお、図1では情報記憶媒体
72をフロッピーディスクとして示しているが、CD−
ROMやメモリカード等で構成してもよい。
【0066】制御部42に接続された情報読出装置(図
示省略)に情報記憶媒体72が装填され、情報記憶媒体
72から画像処理装置14へのプログラムの移入(イン
ストール)が指示されると、情報読出装置によって情報
記憶媒体72から欠陥部修正値決定プログラム等が読み
出され、記憶内容を書換え可能なROM50に記憶され
る。そして、欠陥部修正値決定処理を実行すべきタイミ
ングが到来すると、ROM50から欠陥部修正値決定プ
ログラムが読み出され、該プログラムがCPU46によ
って実行される。これにより、画像処理装置14は請求
項1に記載の画像処理装置として機能する。このよう
に、欠陥部修正値決定プログラム等を記憶している情報
記憶媒体72は請求項8に記載の記録媒体に対応してい
る。
【0067】以下、欠陥部修正値決定処理について、図
3のフローチャートを参照して説明する。ステップ10
0では、処理対象の単一の画像のR,G,Bの画像デー
タ及びIRデータ(イメージプロセッサ40で画素密度
変換等の処理を経たデータ)をRAM48等に取り込
む。次のステップ102では、処理対象の画像に対する
読取解像度及び電子変倍率に基づいて、画像データが表
す画像の写真フィルム26上での画素密度(以下、単に
「画像データの画素密度」という)を演算する。
【0068】ステップ104では、ステップ102で演
算された画像データの画素密度に応じて、欠陥部の検出
基準(欠陥部と判定するか否かの閾値(IR光量変動
値))、欠陥部の修正に用いる欠陥部の周囲領域の大き
さ、欠陥部の修正に際してデータを一時記憶するための
ワーク領域のサイズの各パラメータの値を決定する。本
実施形態では、例えば図4(A)乃至(C)に示したよ
うなマップを用い、先に求めた画像データの画素密度に
対応する値を抽出することで上記の各パラメータの値を
決定している。このステップ104は請求項1に記載の
変更手段(詳しくは請求項2に記載の変更手段)に対応
している。
【0069】次のステップ106では、RAM48等に
取り込んだR,G,Bの画像データ及びIRデータに基
づき、R,G,Bの画像データが表す処理対象の画像の
欠陥部を検出する欠陥部検出処理を行う。まず欠陥部検
出処理の説明に先立ち、写真フィルムに傷や異物の付い
ている箇所のIR光による検出の原理について説明す
る。
【0070】図5(A)に示すように、写真フィルム上
の表面に傷や異物が付いていない箇所に光を照射したと
きの透過光量は、写真フィルムへの入射光量に対し、写
真フィルムによる光の吸収に応じた減衰量だけ減衰す
る。なお、写真フィルムで光の吸収が生ずる波長域はお
およそ可視光域であり、赤外域のIR光については殆ど
吸収されないので、前記傷や異物が付いていない箇所に
IR光を照射した場合の透過光量は入射光量から僅かに
変化するのみである。
【0071】一方、写真フィルム上の傷が付いている箇
所に光を照射した場合、照射された光の一部は傷によっ
て屈折するので、前記傷が付いている箇所に光を照射し
たときの透過光量(前記箇所を直線的に透過する光の光
量)は、写真フィルムへの入射光量に対し、前述した写
真フィルムによる光の吸収に起因する減衰に、傷による
光の屈折に起因する減衰を加えた減衰量だけ減衰する。
なお、図5(A)では光の入射側に傷が付いている場合
を示しているが、光の射出側に傷が付いている場合も同
様である。
【0072】傷による光の屈折はIR光でも生ずるの
で、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合の
IR光の透過光量は、傷による光の屈折に起因する減衰
に応じた減衰量だけ減衰する。なお傷による光の屈折
は、例として図5(B)にも示すように、傷の規模(深
さ等)が大きくなるに伴って顕著となる(可視光もIR
光も同様)ので、前記傷が付いている箇所にIR光を照
射した場合の透過光量は傷の規模が大きくなるに従って
小さくなる。従って、IR光の透過光量の減衰量に基づ
いて、写真フィルムに付いている傷の規模も検知するこ
とができる。
【0073】また、写真フィルム上の塵埃等の異物がつ
いている箇所に光を照射した場合、照射した光は異物に
よって反射されるので、異物の大きさや種類(光透過
率)にも依存するが、前記異物が付いている箇所に光を
照射した場合の光の透過光量は前記異物によって大きく
減衰する。異物が付いている箇所に光を照射した場合の
透過光量の減衰は、前記箇所にIR光を照射した場合も
同様である。
【0074】上記のように、写真フィルムにIR光を透
過した場合の透過光量は、写真フィルム上の傷又は異物
が付いている箇所でのみ変化し、写真フィルムに画像が
記録されていたとしても、該画像の透過濃度の変化の影
響を受けないので、写真フィルムにIR光を照射して透
過光量を検出することで、写真フィルムに付いている傷
や異物を検出できる。
【0075】上記に基づき、ステップ106では以下の
ようにして欠陥部検出処理を行う。写真フィルムにIR
光を照射したときの透過光量は、前述のように通常は画
像上の位置に拘わらず略一定となり、写真フィルムに傷
又は異物が付いている箇所でのみ低下する(図6参
照)。IRデータは処理対象の画像上の各位置における
IR光の透過光量を表しているので、処理対象の画像上
の傷や異物が付いていない箇所におけるIRデータが表
すIR光の透過光量(例えば透過光量の最大値)を基準
値とする。そして、各画素毎にIR光の透過光量を基準
値と比較し、基準値に対する透過光量の変化量(低下
量)が、ステップ104で定めた欠陥部判定閾値(欠陥
部判定基準)以上の画素を、修正対象の欠陥部に属する
欠陥画素として全て検出する。
【0076】またステップ106では、検出した欠陥画
素を、欠陥画素相互の位置関係(例えば隣接しているか
否か)等に基づいて、同一の欠陥部に属する欠陥画素毎
に分類し、各欠陥部に関する情報(例えば各欠陥部に属
する欠陥画素を表す情報や各欠陥画素におけるIR光の
透過光量の低下量等の情報)をRAM48等に記憶す
る。ステップ106は、写真フィルムのIR光の透過光
量を測定するフィルムスキャナ12と共に本発明の検出
手段(詳しくは請求項4に記載の検出手段)に対応して
いる。
【0077】本実施形態では、上記の欠陥部検出処理に
よって検出された欠陥部を対象として欠陥部の修正を行
うが、先のステップ104において、一例として図4
(A)に実線で示すように、画像データの画素密度が高
くなるに従って欠陥部判定閾値が高くなるように特性が
定められたマップを用いて欠陥部判定閾値を設定した場
合、画像データの画素密度が高くなる(画像データ上で
の欠陥部のおおよその規模が大きくなる)に伴ってIR
光量の変動が大きな欠陥部のみが検出されるように、欠
陥部判定閾値が設定されることになる。
【0078】画像データ上での欠陥部の規模が大きくな
ると、個々の欠陥部の修正に要する時間が長くなること
が多いが、上記の特性を有するマップに従って設定され
た欠陥部判定閾値を用いて欠陥部検出処理を行うことに
より、画像データ上での欠陥部のおおよその規模が大き
くなるに伴って検出される欠陥部の数が絞られることに
なり、欠陥部の修正に要する時間の増大を抑制すること
ができる。
【0079】なお、図4(A)に示す破線は、実線で示
す特性と逆に、画像データの画素密度が高くなるに従っ
て欠陥部判定閾値が低くなる特性を表しており、先のス
テップ104において、上記のような特性を有するマッ
プを用いて欠陥部判定閾値を設定し、該欠陥部判定閾値
を用いて欠陥部検出処理を行った場合には、画像データ
上での欠陥部のおおよその規模が大きくなるに伴って、
検出される欠陥部の数が増大されることで欠陥部の修正
に要する時間は増大するものの、画像中の微小な欠陥部
も検出されて修正されることで出力画像の画質を向上さ
せることができる。
【0080】ステップ108では、ステップ106の欠
陥部検出処理によって欠陥部が検出されたか否か判定す
る。上記判定が否定された場合には、修正すべき欠陥部
が存在していないので欠陥部修正値決定処理を終了す
る。また、ステップ108の判定が肯定された場合には
ステップ110へ移行し、欠陥部の修正に際してデータ
を一時記憶するためのワーク領域として、RAM48の
記憶領域のうちデータが未記憶の空き領域を、先のステ
ップ104で決定したワーク領域のサイズ分だけ確保す
る。
【0081】本実施形態では、上記のステップ110で
確保されたワーク領域を用いて欠陥部の修正を行うが、
先のステップ104において、一例として図4(C)に
示すように、画像データの画素密度が高くなる(画像デ
ータ上での欠陥部のおおよその規模が大きくなる)に従
ってワーク領域のサイズが大きくなるように特性が定め
られたマップを用いてワーク領域のサイズを設定してい
るので、設定したサイズのワーク領域を確保し、該ワー
ク領域を用いて欠陥部の修正を行うことにより、RAM
48の記憶領域が無駄に占有されたり欠陥部の修正に際
してワーク領域が不足することを回避することができ
る。
【0082】ステップ112では、ステップ106の欠
陥部検出処理によって検出された欠陥部の中から処理対
象の単一の欠陥部を選択する。本実施形態では、欠陥部
を修正するための修正方法として補間方法と輝度調整方
法が用意されており、次のステップ114では、ステッ
プ112で選択した処理対象の欠陥部に対し、該欠陥部
の修正における補間方法と輝度調整方法の適用範囲を決
定するための所定の特徴量を演算する。この所定の特徴
量としては、例えば欠陥部付近におけるR,G,Bの濃
度変化(透過光量の変化)の相関を表す特徴量を用いる
ことができる。
【0083】図5(B)に示すように、写真フィルムの
乳剤層はR,G,Bの各感光層を含んで構成されてお
り、画像が露光記録され現像等の処理が行われた写真フ
ィルム(ネガフィルム)は、R感光層にCのネガ像が形
成され、Gの感光層にMのネガ像が形成され、Bの感光
層にYのネガ像が形成される。そして写真フィルムを透
過した可視光のうち、R光についてはR感光層において
Cのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)
され、G光についてはG感光層においてMのネガ像の透
過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、B光につ
いてはB感光層においてYのネガ像の透過濃度に応じた
減衰量だけ減衰(吸収)される。
【0084】ここで、例として図5(B)に示すよう
に、乳剤面と反対側のバック面に傷が付いている場合、
透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収
の比率は傷が付いていない場合と同じである。すなわ
ち、図5(B)において、写真フィルムへの入射光量を
0、傷が付いていないときのR光、G光、B光の透過
光量を各々I0R,I0G ,I0B とし、傷が付いたときに
傷が付いている箇所を直線的に透過して乳剤層に入射す
る光量をI1(I1<I0:I0−I1が傷による光の減衰
分)、傷が付いているときのR光、G光、B光の透過光
量を各々I1R,I1G ,I1B とすると、以下の(1)式
の関係が成り立つ(図6(A)も参照)。 I0R/I0≒I1R/I10G/I0≒I1G/I10B/I0≒I1B/I1 …(1)
【0085】従って、バック面に傷が付いている箇所に
対応する欠陥部は、傷が付いていない場合と比較して輝
度のみが変化し、写真フィルムに記録されている画像の
色情報は保存されているので、輝度調整方法を適用し欠
陥部領域の輝度を調整することで、画像データが表す画
像の欠陥部を修正することができる。
【0086】一方、例として図5(C)に示すように乳
剤面に傷が付いている場合、浅い傷であれば各感光層の
うちの一部の感光層が削られることで、透過光に対する
R,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付
いていない場合と変化する。また、各感光層が全て剥ぎ
取られているような非常に深い傷であれば、透過光に対
する各感光層における光の吸収は生じない。従って、何
れの場合も(1)式の関係は成立しない(図6(B)も
参照)。
【0087】このように、乳剤面に傷が付いている箇所
に対応する欠陥部は、傷の深さに拘わらず、傷が付いて
いない場合と比較して輝度及び色が各々変化しており、
写真フィルムに記録されている画像の色情報も失われて
いるので、輝度を調整しても欠陥部を精度良く修正する
ことは困難である。このため、乳剤面に傷が付いている
箇所に対応する欠陥部の修正には、欠陥部の周囲の領域
の情報から補間によって欠陥部の輝度及び濃度を決定す
る修正方法(補間方法)が適している。なお、写真フィ
ルムに異物が付いていることに起因して生じた欠陥部に
ついても、異物が付いていない場合と比較して輝度及び
色が各々変化するので、上記の欠陥部を修正する場合に
も補間方法が適している。
【0088】上述したように、写真フィルムのバック面
に付いた傷に起因する欠陥部では、欠陥部内の各部にお
いてR,G,Bの各波長域の光が略一定の割合で低下す
るので、画像データ上での欠陥部におけるR,G,Bの
濃度変化量が略一定となるのに対し、写真フィルムの乳
剤面に付いた傷や異物に起因する欠陥部では前記割合が
不定であるので、前記濃度変化量も不定となる。従っ
て、所定の特徴量として欠陥部におけるR,G,Bの濃
度変化の相関を表す特徴量を用いれば、該特徴量の演算
結果に基づいて、処理対象の欠陥部がバック面に付いた
傷に起因する欠陥部か(輝度調整方法で修正すべき欠陥
部か)、乳剤面に付いた傷又は異物に起因する欠陥部か
(補間方法で修正すべき欠陥部か)を判断できる。
【0089】なお、欠陥部におけるR,G,Bの濃度変
化の相関を表す特徴量に代えて、欠陥部付近におけるI
R光の透過光量の変化と欠陥部付近におけるR光、G
光、B光の透過光量の変化との相関を表す特徴量、欠陥
部の周囲の領域におけるエッジ強度やテクスチャ強度、
欠陥部が画像中の主要部領域内に存在しているか否か
(又は欠陥部と主要部領域との重複割合)、欠陥部付近
におけるIR光の透過光量の何れか1つ、又はこれらを
組み合わせて用いてもよい。
【0090】そして所定の特徴量の演算結果に基づき、
処理対象の欠陥部の修正における補間方法と輝度調整方
法の適用範囲(適用割合)を決定する。適用範囲の決定
は、例えば図7(A)に示すように、所定の特徴量の値
と補間方法の適用割合α(輝度調整方法の適用割合でも
よい)との関係を表すマップを用いることで行うことが
できる。なお、図7(A)のマップにおいて、α=1の
範囲は補間方法のみを選択して欠陥部の修正を行い、α
=0の範囲は輝度調整方法のみを選択して欠陥部の修正
を行い、0<α<1の範囲では、補間方法を適用割合=
αで、輝度調整方法の適用割合=(1−α)で各々適用
することを表す。
【0091】所定の特徴量の値に応じて上記のように修
正方法の適用割合を決定することにより、処理対象の欠
陥部が精度良く修正されるように、各修正方法の最適な
適用割合が決定されることになる。なお、図7(A)の
マップに代えて図7(B)又は(C)に示すようなマッ
プを用いてもよいし、特徴量の値の変化に対して適用割
合αの値が非線形に変化するマップを用いてもよい。
【0092】次のステップ116では処理対象の欠陥部
の修正に補間方法を適用するか否か判定する。適用割合
α=0であれば判定が否定されてステップ120へ移行
するが、適用割合α≠0であれば判定が肯定されてステ
ップ118へ移行し、補間方法による修正値決定処理が
行われる。以下、この補間方法による修正値決定処理に
ついて説明する。
【0093】本実施形態に係る補間方法による修正値決
定処理では、欠陥部を構成する全ての欠陥画素につい
て、以下の処理を各々行うことによって成される。すな
わち、例として図8に複数本の矢印で示すように、まず
処理対象の欠陥画素から放射状に延びる複数の方向に沿
って、各々画素単位でスキャンして欠陥部に属さない正
常画素を探索し、図9(A)に示す濃度勾配(傾きGR
AD)、正常画素間距離(DIST)及び補間値(補間
によって求める欠陥画素のR,G,B各色毎の濃度値、
図9(A)に「□」で示す値)を各方向について各々演
算する。
【0094】ここで、図8に示す「方向6」のように、
スキャン方向が欠陥部(図8における白い領域)の延び
る方向と略一致していた場合には、一定距離以上スキャ
ンしても正常画素は検出されない。また、画素間隔に対
する欠陥部の大きさ(すなわち画像データ上での欠陥部
の規模)は、画像データの画素密度に応じて相対的に変
化する。
【0095】このため、各スキャン方向毎のスキャン
は、正常画素を検出すると該正常画素のデータを先に確
保したワーク領域に格納してスキャンを継続し、所定数
の正常画素のデータをワーク領域に格納するとスキャン
を中止し、濃度勾配の傾き(絶対値)GRAD(i)、
正常画素間距離DIST(i)及び補間値VALUEX
(i)(但し、iはスキャン方向を識別するための符号
であり、XはR,G,Bの何れかを表す)を演算する。
また、所定数の正常画素が検出されなかった場合にも、
スキャン距離(スキャン画素数)が、先のステップ10
4で決定した欠陥部周辺領域の大きさに相当する値に達
するとスキャンを中止する。
【0096】本実施形態では、先のステップ104にお
いて、図4(B)に示すように、画像データの画素密度
が高くなる(画像データ上での欠陥部のおおよその規模
が大きくなる)に従って欠陥部周辺領域の大きさが大き
くなるように特性が定められたマップを用いて欠陥部周
辺領域の大きさを設定しているので、上記のように各ス
キャン方向についてのスキャンを、設定された欠陥部周
辺領域の大きさに相当する範囲内でのみ各々行うことに
より、欠陥部の修正(詳しくは各スキャン方向について
のスキャン)に必要以上に時間がかかったり、逆に画像
データ上での欠陥部の規模に比して欠陥部周辺領域の大
きさが小さ過ぎて正常画素を検出できないことで、欠陥
部の修正精度が低下することを回避することができる。
【0097】全てのスキャン方向について上記のスキャ
ンを行うと、各スキャン方向毎に演算・記憶されている
濃度勾配の傾きGRAD(i)及び正常画素間距離DI
ST(i)に基づいて、各スキャン方向毎の重み係数を
演算する。本実施形態では、各スキャン方向毎の重み係
数M(i)を次の(2)式に従って演算する。 M(i)=Mg(GRAD(i))×Md(DIST(i)) …(2)
【0098】なお(2)式においてMg及びMdは重み
係数であり、重み係数Mgは濃度勾配の傾きGRADが
小さいときに重みが大きくなるように、例として図9
(B)に示すようなマップを用いて濃度勾配の傾きGR
ADに応じて定めることができる。また、重み係数Md
についても正常画素間距離DISTが小さいときに重み
が大きくなるように、例として図9(C)に示すような
マップを用いて正常画素間距離DISTに応じて定める
ことができる。
【0099】これにより、濃度勾配の傾きGRADが小
さくかつ正常画素間距離DISTが小さいスキャン方向
については重み係数Mの値が大きくなり、濃度勾配の傾
きGRAD及び正常画素間距離DISTの何れか一方が
大きいスキャン方向については重み係数Mの値が小さく
(或いは0に)されることになる。また、正常画素を検
出できずにスキャンが中止されたスキャン方向について
は、重み係数Mの値が無条件で0とされる。
【0100】そして、各スキャン方向毎の補間値VAL
UEX(i)及び重み係数M(i)に基づき、処理対象
の欠陥画素の修正画素値DIXを次の(3)式に従って
R,G,B毎に演算する。 DIX=Σ(M(i)×VALUEX(i))/Σ(M(i)) …(3)
【0101】(3)式では、各スキャン方向毎の補間値
VALUEX(i)を重み係数M(i)に応じて重み付
けして修正画素値DIXを求めているので、個々の欠陥
部毎や単一の欠陥部内の各部分毎に適正なスキャン方向
がばらついていたとしても、適正な修正画素値を得るこ
とができる。上記の処理を処理対象の欠陥部内の全ての
欠陥画素に対して各々行い、全ての欠陥画素に対して修
正画素値DIXを各々演算すると、補間方法による修正
値決定処理を終了する。
【0102】補間方法による修正値決定処理を終了する
と、図3のフローチャートのステップ120へ移行す
る。ステップ120では、処理対象の欠陥部の修正に輝
度調整方法を適用するか否か判定する。適用割合α=1
であれば判定が否定されてステップ124へ移行する
が、適用割合α≠1であれば判定が肯定されてステップ
122へ移行し、輝度調整方法による修正値決定処理が
行われる。以下、この輝度調整方法による修正値決定処
理について説明する。
【0103】まず、処理対象の画像のR,G,Bの画像
データ及びIRデータから、処理対象の欠陥部、及び先
のステップ104で決定した欠陥部周辺領域の大きさに
相当する範囲の周囲領域から成る所定領域のデータを各
々抽出し、抽出した所定領域の各データをハイパスフィ
ルタに各々入力することで、R,G,B,IRの各デー
タから、Rの高周波成分データH−r、Gの高周波成分
データH−g、Bの高周波成分データH−b、IRの高周
波成分データH−IRを各々生成する。そして、それぞれ
のデータをステップ110で確保したワーク領域に一旦
記憶する。
【0104】輝度調整方法による修正値決定処理におけ
る以降の処理は、前記所定領域のデータのみを用いて行
われるが、本実施形態では、先のステップ104におい
て、図4(B)に示すように、画像データの画素密度が
高くなる(画像データ上での欠陥部のおおよその規模が
大きくなる)に従って欠陥部周辺領域の大きさが大きく
なるように特性が定められたマップを用いて欠陥部周辺
領域の大きさを設定しているので、上記のように欠陥
部、及び設定された欠陥部周辺領域の大きさに相当する
範囲の周囲領域から成る所定領域のデータのみを用いて
欠陥部の修正を行うことにより、欠陥部の修正に必要以
上に時間がかかったり、逆に画像データ上での欠陥部の
規模に比して周辺領域の大きさが小さ過ぎることで、欠
陥部の修正精度が低下することを回避することができ
る。
【0105】次に、処理対象の欠陥部に属する各欠陥画
素の中から処理対象の欠陥画素として未処理の欠陥画素
を選択し、高周波成分データH−r、H−g、H−b、H
−IRから、前記選択した欠陥画素の高周波成分データh-
r,h-g,h-b,h-IRを各々抽出し、処理対象の欠陥画素
のR,G,BとIRの高周波成分の比(ゲインGainX
但しXはR,G,Bの何れかを表す)を次の(4)式に
従って演算する。 GainX=h-x/h-IR …(4) なお、上記の(4)式では直流成分や低周波成分が除去
された高周波成分データh-r,h-g,h-b,h-IRを用い、
ゲインGainXとして高周波成分データh-r,h-g,h-bと高
周波成分データh-IRの比を求めているので、このゲイン
GainXは、写真フィルムにおけるR,G,Bの各波長域
の光とIR光の屈折率の相違に起因するR,G,Bの各
波長域の光とIR光の透過光量の比率を表している。
【0106】続いてR,G,B,IRの各データから、
処理対象の欠陥画素のデータDr,Dg,Db,irを
各々抽出し、先に演算したゲインGainXに基づいて、処
理対象の欠陥画素の修正画素値DGXを次の(5)式に
従って演算する。 DGX=DX−ir×GainX …(5) (5)式の第2項は、写真フィルムにおけるR,G,B
の各波長域の光とIR光の屈折率の相違に起因するR,
G,Bの各波長域の光とIR光の透過光量の比率を表す
ゲインGainXを用いてデータirを補正しているので、
写真フィルムに付いている傷等に起因する処理対象の欠
陥画素位置におけるR光又はG光又はB光の透過光量
(の対数値)の変化量を正確に表す値となる。そして
(5)式は欠陥画素の画素値を(ir×GainX)だけ変
更しているので、修正画素値DGXとして、写真フィル
ムに付いている傷等に起因するR光又はG光又はB光の
透過光量の変化を正確に補正した値を得ることができ
る。
【0107】上記の処理を処理対象の欠陥部に属する全
ての欠陥画素に対して行うと、輝度調整方法による修正
値決定処理が完了し、図3のフローチャートのステップ
118へ移行し、処理対象の欠陥部に対する修正値を決
定する。本実施形態における欠陥部に対する修正値は、
前記欠陥部に属する各欠陥画素の修正画素値から成り、
処理対象の欠陥部の修正に補間方法及び輝度調整方法の
何れか一方を適用する場合には、処理対象の欠陥部に属
する各欠陥画素の修正画素値として補間方法又は輝度調
整方法によって決定された修正画素値を各々設定するこ
とで、処理対象の欠陥部に対する修正値を決定すること
ができる。
【0108】また、処理対象の欠陥部の修正に補間方法
及び輝度調整方法を各々適用する場合、処理対象の欠陥
部に対する修正値は、補間方法によって決定された修正
画素値をDIX、輝度調整方法によって決定された修正
画素値をDGX、補間方法の適用割合をαとしたとき
に、処理対象の欠陥部に属する各欠陥画素の修正画素値
D0Xを次の(6)式によって各々演算することで決定
することができる。 D0X=α×DIX+(1−α)×DGX …(6) 上記により、処理対象の欠陥部が精度良く修正されるよ
うに処理対象の欠陥部に対する修正値を決定することが
できる。
【0109】次のステップ126では、欠陥部検出処理
(ステップ106)で検出された全ての欠陥部に対して
ステップ112以降の処理を行ったか否か判定する。判
定が否定された場合にはステップ112に戻り、未処理
の他の欠陥部を処理対象の欠陥部としてステップ112
以降の処理を繰り返す。これにより、欠陥部検出処理に
よって検出された全ての欠陥部に対し、所定の特徴量の
演算、演算結果に基づく適用すべき修正方法の選択又は
適用範囲(適用割合)の決定、修正値の決定が各々行わ
れることになる。
【0110】検出された全ての欠陥部に対して修正値が
各々決定されると、ステップ126の判定が肯定されて
ステップ128へ移行し、先のステップ110で確保し
たワーク領域を開放した後に、次のステップ130にお
いて、各欠陥部に対する修正値を、欠陥部の位置を表す
情報(例えば各欠陥部を構成する欠陥画素のアドレス)
と共にイメージプロセッサ40に通知し、欠陥部修正値
決定処理を終了する。
【0111】イメージプロセッサ40では、ファインス
キャン画像データに対し、制御部42におけるセットア
ップ演算によって決定された処理条件で各種の画像処理
を行った後に、制御部42で欠陥部修正値決定処理が行
われることで制御部42から通知された修正値に従って
欠陥部を修正する(詳しくは欠陥部に属する各欠陥画素
の値を、通知された修正画素値に置き換える)欠陥部修
正処理を行う。このように、イメージプロセッサ40
は、先に説明した欠陥部修正値決定処理のステップ11
0〜128と共に本発明の修正手段に対応している。
【0112】またイメージプロセッサ40は、欠陥部修
正処理及び各種の画像処理を行った画像データをI/O
コントローラ38及びI/F回路54を介してプリンタ
16へ出力する。これにより、印画紙68に露光記録さ
れる画像から、修正対象として選択された欠陥部が消去
される。
【0113】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施
形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付
して構成の説明を省略し、以下本第2実施形態の作用と
して、本第2実施形態に係る欠陥部修正値決定処理につ
いて、図10のフローチャートを参照し、第1実施形態
で説明した欠陥部修正値決定処理と異なる部分について
のみ説明する。
【0114】なお、本第2実施形態に係る欠陥部修正値
決定処理は、請求項7に記載の画像処理方法が適用され
た処理であり、該欠陥部修正値決定処理を制御部42の
CPU46によって実現するための欠陥部修正値決定プ
ログラムを記憶した情報記憶媒体72は請求項9に記載
の記録媒体に対応している。そして、この欠陥部修正値
決定プログラムがCPU46によって実行されることに
より、画像処理装置14は請求項3に記載の画像処理装
置として機能する。
【0115】本第2実施形態に係る欠陥部修正値決定処
理では、ステップ100で処理対象の単一の画像のR,
G,Bの画像データ及びIRデータを取り込んだ後に
(このステップ100は請求項4に記載の取得手段に対
応している)、次のステップ103において、処理対象
の画像に対する読取解像度及び電子変倍率に基づいて画
像データの画素密度を演算し、該画像データの画素密度
を所定値とするための電子変倍率(1/N)を演算す
る。なお、上記の所定値は予め固定的に定められてい
る。
【0116】そして次のステップ105では、ステップ
100で取り込んだR,G,Bの画像データ及びIRデ
ータに対し、ステップ103で求めた電子変倍率(1/
N)倍で電子変倍処理(画素密度変換処理)を行う。こ
れにより、例として図11に示す可視画像を表すR,
G,Bの画像データからは、画素密度が所定値の可視画
像(図11では「可視画像(1/N)」と表記)を表す画像
データが、図11に示すIR画像を表すIRデータから
は、画素密度が所定値のIR画像(図11では「IR画
像(1/N)」と表記)を表すIRデータが各々得られる。
【0117】画像データ及びIRデータに対し、画素密
度が所定値となるように電子変倍処理を行うことによ
り、電子変倍処理を経た画像データ及びIRデータ上で
は、欠陥部の規模が画素数換算でほぼ所定範囲内に収ま
ることになる。このように、ステップ103、105は
請求項3に記載の第1変換手段(詳しくは請求項4に記
載の第1変換手段)に対応している。
【0118】次のステップ106以降では、電子変倍処
理を経た画像データ及びIRデータを用いて、第1実施
形態と同様の処理を行う。但し、第1実施形態では画像
データの画素密度に応じて、欠陥部の検出基準、欠陥部
の周囲領域の大きさ、及びワーク領域のサイズの各パラ
メータの値を決定していたが、本第2実施形態では、処
理対象の画像データ及びIRデータの画素密度が一定
(所定値)であるので、前記各パラメータは画素密度が
所定値のときの最適な値が固定的に設定されており、固
定的に定められた各パラメータの値に従って欠陥部の検
出(ステップ106)、ワーク領域の確保(ステップ1
10)、欠陥部に対する修正値の演算(ステップ11
8、122)等の処理が行われる。
【0119】また、本第2実施形態では、ステップ12
4で処理対象の欠陥部に対する修正値を決定した後に、
更に、前記決定した修正値を用いて処理対象の欠陥部を
修正する。これにより、例として図11に「欠陥部修正
可視画像(1/N)」として示すように、欠陥部が修正され
た画像を表す画素密度が所定値の画像データが得られ
る。なお、ステップ106は請求項3(詳しくは請求項
4)に記載の検出手段に対応しており、ステップ110
〜126は請求項3に記載の修正手段に対応している。
【0120】全ての欠陥部を修正し、ステップ126の
判定が肯定されると、ステップ128でワーク領域を開
放した後にステップ132へ移行し、欠陥部が修正され
た画像データ(画素密度が所定値の画像データ)に対
し、電子変倍率N倍で電子変倍処理(画素密度変換処
理)を行う。これにより、例として図11に「欠陥部修
正可視画像」として示すように、欠陥部が修正されかつ
画素密度が元の画像データ(図11に示す「可視画像」
のデータ)と同一の画像データ(欠陥部修正可視画像デ
ータ)が得られる。このように、ステップ132は請求
項3に記載の第2変換手段に対応している。
【0121】ステップ132では、欠陥部修正及びN倍
の電子変倍処理を経た欠陥部修正可視画像データをイメ
ージプロセッサ40に転送し、次のステップ136では
欠陥部検出処理(ステップ106)で検出された全ての
欠陥部(ステップ124で修正された全ての欠陥部)の
位置(詳しくは欠陥部に属する全ての欠陥画素のアドレ
ス)をイメージプロセッサ40に通知し、欠陥部修正値
決定処理を終了する。
【0122】イメージプロセッサ40に転送された欠陥
部修正可視画像データは、欠陥部が修正されかつ画素密
度が元の画像データと同一ではあるものの、2回の電子
変倍処理を経ているので(電子変倍処理には補間処理が
含まれている)、欠陥部修正可視画像データが表す画像
は元の画像データが表す画像と比較して鮮鋭度の低下等
の画質低下が生じている。このため、イメージプロセッ
サ40では、欠陥部修正処理として、元の画像データと
欠陥部修正可視画像データを合成する処理を行う。
【0123】具体的には、図11に「選択部」として示
すように、画像の各画素を順にスキャンしながら前記通
知された欠陥部の位置に基づいて各画素が欠陥部に属す
る画素か否かを判断し、欠陥部に属する画素であった場
合には該当する画素のデータを欠陥部修正可視画像デー
タから抽出し、欠陥部に属しない画素であった場合には
該当する画素のデータを元の画像データから抽出するこ
とを繰り返す。これにより、欠陥部以外の領域について
は画質が低下しておらず、欠陥部領域については欠陥部
が修正された出力用画像データを得ることができる。こ
のように、本第2実施形態に係るイメージプロセッサ4
0は、請求項3(詳しくは請求項5)に記載の生成手段
としての機能を備えている。
【0124】なお、上記のように欠陥部に属する画素に
ついては元の画像データを用い、欠陥部に属しない画素
については欠陥部修正可視画像データを用いた場合、欠
陥部と非欠陥部の境界が不自然な仕上がりになる可能性
がある。これを考慮すると、欠陥部及び欠陥部と非欠陥
部の境界、或いは欠陥部の周囲領域に相当する画素につ
いては、元の画像データと欠陥部修正可視画像データの
加重平均を採用するようにしてもよい。双方のデータに
対する重み係数は、例えば各画素におけるIR光の透過
光量(基準値に対する変動量)に基づいて各画素毎に決
定してもよいし、欠陥部内のIR光の透過光量(基準値
に対する欠陥部内の最大変動量)に基づいて個々の欠陥
部毎に決定してもよい。これにより、欠陥部と非欠陥部
の境界の不自然さを解消或いは軽減することができる。
また、前記境界の不自然さを解消することは、前記境界
付近にローパスフィルタをかけて境界付近をぼかすこと
によっても実現できる。
【0125】また、上記では欠陥部修正方法の一例とし
て補間方法及び輝度調整方法を説明したが、これに限定
されるものではなく、ローパスフィルタ等をかけること
で欠陥部をぼかす、所謂ぼかし方法を加えてもよい。
【0126】また、上記ではプレスキャン時にR,G,
Bの読み取りを行い、ファインスキャン時にR,G,
B,IRの読み取りを行う例を説明したが、これに限定
されるものではなく、IR読み取りはプレスキャン時に
のみ行ってもよいし、プレスキャン時及びファインスキ
ャン時に各々行ってもよい。また、読み取りを1回のみ
行うようにしてもよい。
【0127】更に、上記では光電変換セルがマトリクス
状に配列されたエリアセンサ(エリアCCD30)によ
って画像を読み取る構成を説明したが、これに限定され
るものではなく、光電変換セルがライン状に配列された
ラインセンサによって画像を読み取るようにしてもよ
い。また、上記では写真フィルムを透過した光を光電変
換することで画像を読み取る構成を説明したが、これに
限定されるものではなく、写真フィルムを反射した光を
光電変換することで画像を読み取る構成を採用してもよ
い。また、画像記録材料は写真フィルムに限定されるも
のではなく、写真フィルム以外の写真感光材料や普通
紙、OHPシート等を画像記録材料として用いても良い
ことは言うまでもない。
【0128】また、第1実施形態では、欠陥部の検出基
準、欠陥部の周囲領域の大きさ、及びワーク領域のサイ
ズの各パラメータの値を、画像データの画素密度に応じ
て各々変更していたが、請求項1の発明は上記に限定さ
れるものではなく、上記各パラメータのうちの何れか1
つ又は2つの値のみを変更するようにしてもよいことは
言うまでもない。
【0129】また、請求項1に記載した「欠陥部の検出
又は欠陥部の修正に関連するパラメータ」は上記に限定
されるものではなく、欠陥部の検出又は欠陥部の修正に
関連するパラメータとして、例えば欠陥部の周辺領域の
うち欠陥部の修正に用いる画素の間隔を採用し、画像デ
ータの画素密度が高くなるに従ってデータをサンプリン
グする画素の間隔(画素の間引き度合い)を大きくし
(例えば画素密度が2倍になるとサンプリング画素間隔
を2倍にする等)、サンプリングしたデータを用いて欠
陥部の修正を行うようにしてもよい。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように請求項1及び請求項
6記載の発明は、画像情報が表す画像の画像記録材料上
での画素密度に応じて、欠陥部の検出又は欠陥部の修正
に関連するパラメータを変更するようにしたので、画像
データ上での欠陥部の規模に応じた適正な欠陥部修正を
簡易に実現できる、という優れた効果を有する。
【0131】請求項3及び請求項7記載の発明は、画像
情報が表す画像の画像記録材料上での画素密度が所定値
になるように画像情報を変換し、前記変換を経た画像情
報に対して欠陥部を修正し、欠陥部の修正を経た画像情
報を、該画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素
密度が元の値に戻るように変換し、元の画像情報と前記
変換を経た画像情報とを合成することで、欠陥部が修正
された画像情報を生成するようにしたので、画像データ
上での欠陥部の規模に拘わらず、欠陥部修正に関連する
パラメータを変更することなく欠陥部を適正に修正する
ことができる、という優れた効果を有する。
【0132】請求項4記載の発明は、請求項3の発明に
おいて、画像記録材料に非可視光を照射して得られた非
可視画像情報を取得し、非可視画像情報が表す画像の画
像記録材料上での画素密度も所定値になるように非可視
画像情報を変換し、前記変換を経た非可視画像情報を用
いて欠陥部の検出を行うので、上記効果に加え、欠陥部
をより精度良く修正することができる、という効果を有
する。
【0133】請求項5記載の発明は、請求項3の発明に
おいて、非欠陥部領域については元の画像情報のみを用
いると共に、欠陥部領域については、第2変換手段によ
る変換を経た画像情報のみを用いるか、又は元の画像情
報と第2変換手段による変換を経た画像情報の加重平均
に相当する画像情報を用い、これらを合成することで欠
陥部が修正された画像情報を生成するので、上記効果に
加え、画質の低下が抑制されかつ欠陥部が適正に修正さ
れた画像を表す画像情報を得ることができる、という効
果を有する。
【0134】請求項8記載の発明は、画像情報が表す画
像の欠陥部を検出する第1のステップ、画像情報に対し
て欠陥部を修正する第2のステップ、及び、第1のステ
ップ及び第2のステップの少なくとも一方を行う前に、
画像情報が表す画像の画像記録材料上での画素密度に応
じて欠陥部の検出又は欠陥部の修正に関連するパラメー
タを変更する第3のステップを含む処理をコンピュータ
に実行させるためのプログラムを記録媒体に記録したの
で、画像データ上での欠陥部の規模に応じた適正な欠陥
部修正を簡易に実現できる、という優れた効果を有す
る。
【0135】請求項9記載の発明は、画像情報が表す画
像の画像記録材料上での画素密度が所定値になるように
変換すると共に、画像情報が表す画像の欠陥部を検出す
る第1のステップ、前記変換を経た画像情報に対して欠
陥部を修正する第2のステップ、欠陥部の修正を経た画
像情報を画素密度が元の値に戻るように変換する第3の
ステップ、及び、元の画像情報と前記変換を経た画像情
報とを合成することで、欠陥部が修正された画像情報を
生成する第4のステップを含む処理をコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録媒体に記録したので、
画像データ上での欠陥部の規模に拘わらず、欠陥部修正
に関連するパラメータを変更することなく欠陥部を適正
に修正することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの概略構
成図である。
【図2】 フィルムスキャナの概略構成を示す斜視図で
ある。
【図3】 第1実施形態に係る欠陥部修正値決定処理の
内容を示すフローチャートである。
【図4】 (A)乃至(C)は欠陥部と判定するか否か
の閾値、欠陥部修正に用いる周辺領域の大きさ、データ
を一時記憶するためのワーク領域のサイズの各パラメー
タ値と、画像データが表す画像の写真フィルム上での画
素密度との関係の一例を示す線図である。
【図5】 (A)は写真フィルムの傷及び異物が付いて
いない箇所、傷が付いている箇所、異物が付いている箇
所における光の透過を各々示す概念図、(B)は写真フ
ィルムのバック面に傷が付いている場合、(C)は写真
フィルムの乳剤面に傷が付いている場合の光の透過を各
々示す概念図である。
【図6】 (A)はバック面に傷が付いている場合、
(B)は乳剤面に傷が付いている場合のR光、G光、B
光、IR光の透過光量の変化の一例を示す線図である。
【図7】 (A)乃至(C)は、欠陥部の特徴量の演算
結果から適用すべき修正方法を選択又は適用範囲を決定
するためのマップの一例を示す線図である。
【図8】 スキャン方向の一例を示す概念図である。
【図9】 (A)は正常画素の画素値からの欠陥画素の
画素値の補間演算を説明するための線図、(B)は傾き
GRADと重み係数Mgの関係、(C)は正常画素間距
離DISTと重み係数Mdの関係を各々示す線図であ
る。
【図10】 第2実施形態に係る欠陥部修正値決定処理
の内容を示すフローチャートである。
【図11】 第2実施形態に係る欠陥部修正の過程を示
す概念図である。
【符号の説明】
12 フィルムスキャナ 14 画像処理装置 20 光源 23 フィルタユニット 26 写真フィルム 30 エリアCCD 40 イメージプロセッサ 42 制御部 72 情報記憶媒体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報に対し、該画像情報が表
    す画像の欠陥部を検出する検出手段と、 前記画像情報に対し、前記検出手段によって検出された
    欠陥部を修正する修正手段と、 前記画像情報が表す画像の前記画像記録材料上での画素
    密度に応じて、前記検出手段による欠陥部の検出又は前
    記修正手段による欠陥部の修正に関連するパラメータを
    変更する変更手段と、 を含む画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記変更手段は、前記修正手段が画像情
    報が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度が高く
    なるに従って、前記修正手段が欠陥部の修正に用いる前
    記欠陥部の周辺領域の大きさを大きくする、前記修正手
    段が欠陥部の修正に必要なデータを一時記憶するために
    確保する記憶領域のサイズを大きくする、欠陥部の周辺
    領域のうち修正手段が欠陥部の修正に用いる画素の間隔
    を大きくする、及び前記検出手段によって検出される欠
    陥部の数が減少するように前記検出手段による欠陥部の
    検出基準を変更する、の少なくとも1つを行うことを特
    徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報を、該画像情報が表す画
    像の前記画像記録材料上での画素密度が所定値になるよ
    うに変換する第1変換手段と、 前記画像情報が表す画像の欠陥部を検出する検出手段
    と、 前記第1変換手段による変換を経た画像情報に対し、前
    記検出手段によって検出された欠陥部を修正する修正手
    段と、 前記修正手段による修正を経た画像情報を、該画像情報
    が表す画像の前記画像記録材料上での画素密度が元の値
    に戻るように変換する第2変換手段と、 元の画像情報と前記第2変換手段による変換を経た画像
    情報とを合成することで、欠陥部が修正された画像情報
    を生成する生成手段と、 を含む画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像記録材料に非可視光を照射し、
    前記画像記録材料を透過又は反射した非可視光を光電変
    換して得られた非可視画像情報を取得する取得手段を更
    に備え、 前記第1変換手段は、前記非可視画像情報が表す画像の
    前記画像記録材料上での画素密度も前記所定値になるよ
    うに前記非可視画像情報を変換し、 前記検出手段は、前記第1変換手段による変換を経た非
    可視画像情報を用いて前記欠陥部の検出を行うことを特
    徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記生成手段は、画像中の非欠陥部領域
    については前記元の画像情報のみを用いると共に、画像
    中の欠陥部領域については、前記第2変換手段による変
    換を経た画像情報のみを用いるか、又は前記元の画像情
    報と前記第2変換手段による変換を経た画像情報の加重
    平均に相当する画像情報を用い、これらを合成すること
    で前記欠陥部が修正された画像情報を生成することを特
    徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報に対し、該画像情報が表
    す画像の欠陥部を検出し、 前記画像情報に対し、前記検出した欠陥部を修正すると
    共に、 前記画像情報が表す画像の前記画像記録材料上での画素
    密度に応じて、前記欠陥部の検出又は前記欠陥部の修正
    に関連するパラメータを変更する画像処理方法。
  7. 【請求項7】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報を、該画像情報が表す画
    像の前記画像記録材料上での画素密度が所定値になるよ
    うに変換する第1の変換を行うと共に、 前記画像情報が表す画像の欠陥部を検出し、 前記第1の変換を経た画像情報に対し、前記検出した欠
    陥部を修正し、 前記欠陥部の修正を経た画像情報を、該画像情報が表す
    画像の前記画像記録材料上での画素密度が元の値に戻る
    ように変換する第2の変換を行い、 元の画像情報と前記第2の変換を経た画像情報とを合成
    することで、欠陥部が修正された画像情報を生成する画
    像処理方法。
  8. 【請求項8】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報に対し、該画像情報が表
    す画像の欠陥部を検出する第1のステップ、 前記画像情報に対し、前記検出した欠陥部を修正する第
    2のステップ、 及び、前記第1のステップ及び前記第2のステップの少
    なくとも一方を行う前に、前記画像情報が表す画像の前
    記画像記録材料上での画素密度に応じて、前記欠陥部の
    検出又は前記欠陥部の修正に関連するパラメータを変更
    する第3のステップを含む処理をコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムが記録された記録媒体。
  9. 【請求項9】 画像記録材料に記録されている画像を読
    み取ることで得られた画像情報を、該画像情報が表す画
    像の前記画像記録材料上での画素密度が所定値になるよ
    うに変換する第1の変換を行うと共に、前記画像情報が
    表す画像の欠陥部を検出する第1のステップ、 前記第1の変換を経た画像情報に対し、前記検出した欠
    陥部を修正する第2のステップ、 前記欠陥部の修正を経た画像情報を、該画像情報が表す
    画像の前記画像記録材料上での画素密度が元の値に戻る
    ように変換する第2の変換を行う第3のステップ、 及び、元の画像情報と前記第2の変換を経た画像情報と
    を合成することで、欠陥部が修正された画像情報を生成
    する第4のステップを含む処理をコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムが記録された記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020154397A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 株式会社安藤・間 ひび割れ抽出システム、及びひび割れ抽出方法

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