JP3939466B2 - 画像処理装置、方法及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、方法及び記録媒体に係り、特に、画像記録材料に可視光を照射することで得られた可視画像情報、及び非可視光を照射することで得られた非可視画像情報を用いて所定の画像処理を行う画像処理装置、該画像処理装置に適用可能な画像処理方法、及びコンピュータを画像処理装置として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムは、取扱い方によっては乳剤面やバック面(乳剤面の裏面)に傷が付くことがあるが、写真フィルムの画像記録領域内に相当する箇所に傷が付いていた場合、該写真フィルムに記録されている画像を出力(印画紙等の画像記録材料に記録、或いはディスプレイ等の表示手段に表示)したとすると、傷の程度にもよるが、写真フィルムに付いた傷が、低濃度の筋や白い筋等の欠陥部として出力画像上で明瞭に視認されることが多い。また、写真フィルムの表面に塵埃等の異物が付着していた場合にも、該異物が欠陥部として明瞭に視認される。
【0003】
写真フィルムに光を照射し写真フィルムを透過した光を印画紙に照射することで印画紙に画像を露光記録する面露光タイプの写真焼付装置では、写真フィルムの傷付き対策として、光源と写真フィルムとの間に拡散板を配置し、拡散板によって散乱された光を写真フィルムに照射している。しかし、上記技術では出力画像(印画紙に露光記録した画像)中の欠陥部を消去することは困難であり、欠陥が若干軽減される(目立たなくなる)に過ぎない。
【0004】
また、写真フィルムに記録された画像をCCD等の読取センサによって読み取る構成の画像読取装置に適用可能な技術として、特開平11−75039号公報には、可視光域3波長と、非可視光域(例えば赤外域や紫外域)1波長を含む少なくとも4波長以上の波長域で写真フィルムを各々読み取り、非可視光域での読み取りによって得られた情報に基づいて、可視光域での読み取りによって得られた画像情報を補正する技術が開示されている。
【0005】
可視域の光(以下、可視光という)は、写真フィルムに記録されている画像濃度に応じて透過光量が変化すると共に、写真フィルムに傷や異物が付いている箇所でも傷や異物によって光が一部屈折されたり反射されることで透過光量が変化する。一方、非可視域の光(以下、非可視光という)は、写真フィルムに傷や異物が付いている箇所では透過光量が変化するものの、写真フィルムに記録されている画像濃度の影響は受けない。
【0006】
従って、前記公報に記載の技術によれば、非可視光の透過光量の変化から写真フィルムに付いている傷や異物を検出し、写真フィルムに付いている傷や異物に起因する可視光の透過光量の変動を補正すること、すなわち写真フィルムに付いている傷や異物に起因する画像(可視光の透過光量を検出することで得られた画像情報が表す画像)の欠陥部を修正することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、可視光の透過光量を検出して可視画像情報を取得すると共に、非可視光の透過光量を検出して非可視画像情報を取得し、取得した可視画像情報及び非可視画像情報を欠陥部の検出・修正に用いる場合、種々の光学特性に起因して可視画像情報と非可視画像情報の相違が生ずるという問題がある。
【0008】
例えば、写真フィルムのフィルムベースの屈折率は光の波長が長くなるに従って小さくなることが一般的である。このため、非可視光として赤外域側の波長域の光を用いる場合、写真フィルムに付いた傷の検出精度向上の一手段として、非可視光の波長域(光学特性の1つ)を短波長側に若干シフトさせることが考えられる。しかし、これに伴い非可視光の波長域の一部が可視域に入ることで、写真フィルムの乳剤層のシアン色素成分による吸収が発生し、非可視光として写真フィルムに照射した光の透過光量が、写真フィルムに記録されている画像のR濃度によって若干変化することになる。
【0009】
また、写真フィルムを透過する光は、傷や異物等が付いておらずかつ画像が記録されていない部分(所謂素抜け部分)を透過する場合であっても、フィルムベースにおける屈折によって透過光量が減衰するが、フィルムベースにおける光の屈折率(透過光量の減衰度)は透過光の波長によって異なっており(減衰度の波長依存性:これも光学特性の1つ)、透過光の波長が長くなるに従って透過光の減衰度が小さくなる特性を示すことが一般的である。このため、写真フィルムのフィルムベースにおける屈折による透過光の減衰度が可視光と非可視光とで相違することになり、これに伴って写真フィルムに照射した可視光の透過光量の変動量と、写真フィルムに照射した非可視光の透過光量の変動等が相違することになる。
【0013】
そして、上述した非可視光の波長域をシフトさせることに起因する透過光量の変化や、フィルムベースによる透過光の減衰度の波長依存性に起因する透過光量の変化は、可視画像情報及び非可視画像情報を用いて欠陥部を検出して欠陥部の修正を行った場合に、欠陥部に対する修正精度の低下に繋がる、という問題があった。
【0014】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、欠陥部の修正精度を向上させることが可能な画像処理装置、方法及び記録媒体を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段と、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する補正手段と、を含んで構成されている。
【0016】
請求項1記載の発明では、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として画像記録領域に照射し画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報が取得手段によって取得される。なお、第1検出手段及び第2検出手段は本発明に係る画像処理装置に含まれていてもよいし、別の装置(画像読取装置等)に含まれていてもよい。第1検出手段及び第2検出手段が別の装置に含まれている場合、取得手段による可視画像情報及び非可視画像情報の取得は、前記別の装置から各画像情報を受信することで実現できる。
そして、請求項1の発明に係る補正手段は、可視画像情報及び非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する各画像情報(可視画像情報と非可視画像情報)の差異として、可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する。この補正は、例えば非可視光の波長域に関連する光学特性である非可視光の分光光量分布(又は非可視光に含まれる可視域の波長の光の割合)、或いは非可視光の波長域が可視域を一部含んでいることに起因する第2の検出手段による非可視光の検出光量の変化を予め測定しておき、非可視光の検出光量の補正に用いることで実現できる。
これにより、非可視光の波長域が可視域を一部含んでいることに起因する非可視光の検出光量の変化が補正された可視画像情報及び非可視画像情報を得ることができる。そして、可視画像情報が表す画像の欠陥部の検出及び検出した欠陥部の修正に際し、請求項7にも記載したように、補正手段による補正を経た可視画像情報及び非可視画像情報を用いることで、非可視光の波長域が可視域を一部含んでいることに起因する非可視光の検出光量の変化によって、画像の欠陥部の検出に際して欠陥部の範囲が誤検出されたり、欠陥部の修正に際して修正強度が不適正に設定されることで欠陥部の修正が不適正になることを防止することができ、欠陥部の修正精度を向上させることができる。
【0017】
請求項2記載の発明に係る画像処理装置は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段と、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正する補正手段と、を含んで構成されている。
【0018】
請求項2記載の発明では、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び画像記録領域に非可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報が取得手段によって取得される。そして補正手段は、可視画像情報及び非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する各画像情報の差異として、画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、各検出手段による検出光量の差異を補正する。この補正は、画像記録材料に関連する光学特性として、透過又は反射光の画像記録材料による減衰度の波長依存性、或いは該減衰度の波長依存性に起因する各検出手段による検出光量の差異を予め測定しておき、検出光量の差異の補正に用いることで実現できる。
これにより、透過又は反射光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する検出光量の差異が補正された可視画像情報及び非可視画像情報を得ることができる。そして、可視画像情報が表す画像の欠陥部の検出及び検出した欠陥部の修正に際し、請求項7にも記載したように、補正手段による補正を経た可視画像情報及び非可視画像情報を用いることで、透過又は反射光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する検出光量の差異によって、画像の欠陥部の検出に際して欠陥部の範囲が誤検出されたり、欠陥部の修正に際して修正強度が不適正に設定されることで欠陥部の修正が不適正になることを防止することができ、欠陥部の修正精度を向上させることができる。
【0019】
また、画像記録材料にカラー画像が記録されている等の場合、画像記録領域を透過又は反射した可視光を可視域内の複数の波長域(好ましくは互いに異なる3以上の波長域)毎に各々検出することで、可視画像情報として、前記複数の波長域毎の透過又は反射光量(或いは透過又は反射濃度)を表す情報を得ることが一般的である。上記の可視画像情報は、例えば前記複数の波長域の光を画像記録領域に順次照射し、画像記録領域を透過又は反射した光を第1検出手段が順次検出するか、或いは前記複数の波長域の光を含む可視光を画像記録領域に照射し、画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1の検出手段が前記複数の波長域の光に分解して検出することで得ることができる。
【0020】
しかし、上記のようにして得られる複数の波長域毎の可視画像情報相互にも、レンズやセンサ等の光学系に関連する光学特性や画像記録材料に関連する光学特性に起因する相違がある。このため取得手段が、可視画像情報として、画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段が複数の波長域毎に各々検出することで得られた複数の波長域毎の可視画像情報を各々取得する場合、請求項に記載したように補正手段は、複数の波長域毎の可視画像情報及び非可視画像情報に対し、光学特性に起因する前記各画像情報相互の差異を補正することが好ましい。これにより、欠陥部の修正精度を更に向上させることが可能となる。
【0021】
なお、第1検出手段及び第2の検出手段が、画像記録材料の画像記録領域を透過又は反射しかつ結像レンズによって結像された可視光又は非可視光を検出する構成である場合、請求項に記載したように、補正手段は、各画像情報(すなわち、可視画像情報と非可視画像情報、又は複数の波長域毎の可視画像情報と非可視画像情報:以下同様)の差異として、結像レンズの倍率色収差又は歪曲収差に起因する画素位置のずれ補正することが好ましい。
【0022】
この補正は、例えば結像レンズに関連する光学特性である倍率色収差又は歪曲収差、或いは倍率色収差又は歪曲収差に起因する可視画像情報と非可視画像情報の画素位置のずれを予め測定しておき、画素位置のずれの補正に用いることで実現できる。これにより、例えば結像レンズとして、非可視域まで倍率色収差や歪曲収差が抑制された高価な結像レンズを用いることなく、結像レンズの倍率色収差又は歪曲収差に起因する画素位置のずれを解消することができる。
【0023】
従って、請求項の発明によれば、結像レンズの倍率色収差又は歪曲収差に起因する各画像情報の画素位置のずれ(各画像情報が表す画像の各画素の、実際の画像上での位置のずれ)により、画像の欠陥部の検出に際して欠陥部の範囲が誤検出されたり、欠陥部の修正に際して実際の欠陥部とずれた範囲が誤修正されることを防止することができる。
【0024】
また、第1検出手段が第1の光電変換素子によって可視光を検出すると共に、第2の検出手段が第1の光電変換素子と異なる第2の光電変換素子によって非可視光を検出する構成、すなわち第1検出手段と第2検出手段が異なる光電変換素子によって可視光又は非可視光を検出する構成である場合、請求項に記載したように、補正手段は、各画像情報の差異として、第1の光電変換素子と第2の光電変換素子の配置位置の相違に起因する画素位置のずれ補正することが好ましい。
【0025】
この補正は、例えばセンサに関連する光学特性である第1の光電変換素子と第2の光電変換素子の配置位置の相違、或いは該配置位置の相違に起因する各画像情報の画素位置のずれを予め測定しておき、画素位置のずれの補正に用いることで実現できる。これにより、第1の光電変換素子と第2の光電変換素子の配置位置の相違に起因する画素位置のずれを解消することができる。
【0026】
従って、請求項の発明によれば、第1の光電変換素子と第2の光電変換素子の配置位置の相違に起因する画素位置のずれにより、画像の欠陥部の検出に際して欠陥部の範囲が誤検出されたり、欠陥部の修正に際して実際の欠陥部とずれた範囲が誤修正されることを防止することができる。なお、請求項の発明において、第1の光電変換素子と第2の変換素子は別体であってもよいし、一体化されていてもよい。
【0027】
また、第1検出手段及び第2の検出手段が、画像記録材料の画像記録領域を透過又は反射しかつ結像レンズによって結像された可視光又は非可視光を検出する構成である場合、請求項に記載したように、補正手段は、各画像情報の差異として、結像レンズの焦点距離の波長依存性に起因する、各画像情報が表す画像の鮮鋭度の差異補正することが好ましい。
【0028】
この補正は、例えば結像レンズに関連する光学特性である波長毎の焦点距離、或いは焦点距離の波長依存性に起因する、各画像情報が表す画像の鮮鋭度の差異を予め測定しておき、鮮鋭度の補正に用いることで実現できる。これにより、結像レンズの焦点距離の波長依存性に起因する鮮鋭度の差異を解消することができる。従って、請求項の発明によれば、結像レンズの波長依存性に起因する鮮鋭度の差異により、画像の欠陥部の検出に際して欠陥部の範囲が誤検出されたり、欠陥部の修正に際して修正強度が不適正に設定されることで、例えば画像中に不必要なエッジが生ずる等のように欠陥部の修正が不適正になることを防止することができる。
【0032】
請求項8記載の発明に係る画像処理方法は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得し、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正するので、請求項1の発明と同様に、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる。
【0033】
請求項記載の発明に係る画像処理方法は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得し、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正するので、請求項の発明と同様に、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる。
【0034】
請求項10記載の発明に係る記録媒体は、コンピュータを、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段、及び、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する補正手段として機能させるためのプログラムが記録されている。
請求項10記載の発明に係る記録媒体には、コンピュータを、上記の取得手段及び補正手段として機能させるためのプログラムが記録されているので、コンピュータが請求項10の発明に係る記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより、前記コンピュータが請求項1の発明に係る画像処理装置として機能することになり、請求項1の発明と同様に、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる。
【0035】
請求項11記載の発明に係る記録媒体は、コンピュータを、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段、及び、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正する補正手段として機能させるためのプログラムが記録されている。
請求項11記載の発明に係る記録媒体には、コンピュータを、上記の取得手段及び補正手段として機能させるためのプログラムが記録されているので、コンピュータが請求項11の発明に係る記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより、前記コンピュータが請求項2の発明に係る画像処理装置として機能することになり、請求項2の発明と同様に、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では一例として、写真フィルムに付いている傷や異物に起因する欠陥部を修正する場合を説明する。
【0037】
図1には、本実施形態に係る画像処理システム10が示されている。画像処理システム10は、フィルムスキャナ12、画像処理装置14及びプリンタ16が直列に接続されて構成されている。なお、フィルムスキャナ12及び画像処理装置14は本発明に係る画像処理装置に対応している。
【0038】
フィルムスキャナ12は、写真フィルム(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録されている画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力するものであり、図2にも示すように、ハロゲンランプ等から成り写真フィルム26に光を照射する光源20を備えている。なお、光源から射出される光は可視光域の波長の光及び赤外域の波長の光を各々含んでいる。
【0039】
光源20の光射出側には、写真フィルム26に照射する光の光量を調節するための絞り21、フィルタユニット23、写真フィルム26に照射する光を拡散光とする光拡散ボックス22が順に配置されている。フィルタユニット23は、入射光のうちRに相当する波長域の光(R光)のみ透過させるフィルタ23Cと、入射光のうちGに相当する波長域の光(G光)のみ透過させるフィルタ23Mと、入射光のうちBに相当する波長域の光(B光)のみ透過させるフィルタ23Yと、入射光のうち赤外域の光(IR光)を透過させるフィルタ23IRの4個のフィルタが、図2矢印A方向に沿って回転可能とされたターレット23Aに嵌め込まれて構成されている。
【0040】
写真フィルム26を挟んで光源20と反対側には、光軸Lに沿って、写真フィルム26を透過した光を結像させる結像レンズ28、エリアCCD30が順に配置されている。エリアCCD30は、各々可視光域及び赤外域に感度を有する多数のCCDセルがマトリクス状に配列されたモノクロのCCDであり、受光面が結像レンズ28の結像点位置に略一致するように配置されている。また、エリアCCD30と結像レンズ28との間にはシャッタ(図示省略)が設けられている。
【0041】
エリアCCD30はCCDドライバ31を介してスキャナ制御部33に接続されている。スキャナ制御部33はCPU、ROM(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、RAM及び入出力ポートを備え、これらがバス等を介して互いに接続されて構成されている。スキャナ制御部33はフィルムスキャナ12の各部の動作を制御する。また、CCDドライバ31はエリアCCD30を駆動するための駆動信号を生成し、エリアCCD30の駆動を制御する。
【0042】
写真フィルム26はフィルムキャリア24(図1参照、図2では図示省略)によって搬送され、画像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位置)に位置決めされる。また、スキャナ制御部33は画像が読取位置に位置決めされている状態で、フィルタ23IRを含む全てのフィルタ23が順に光軸L上に位置するようにフィルタユニット23のターレット23Aを回転駆動させると共に、所定の読取条件に対応するエリアCCD30の電荷蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞り21を前記所定の読取条件に対応する位置へ移動させる。
【0043】
これにより、写真フィルム26上の画像記録領域に各フィルタ23に対応する波長域(R又はG又はB又はIR)の光が順に照射され、写真フィルム26上の画像記録領域を透過した光はエリアCCD30によって検出され(詳しくは光電変換され)、透過光量を表す信号としてエリアCCD30から出力される。エリアCCD30から出力された信号は、A/D変換器32によって透過光量を表すデジタルデータに変換されて画像処理装置14に入力される。このように、フィルムスキャナ12は本発明に係る第1検出手段及び第2検出手段としての機能を兼ね備えている。
【0044】
なお、R、G、Bの各波長域の光の透過光量は、画像記録領域に記録されている画像のR,G,B濃度に応じて変化する(写真フィルム26に傷や異物が付いていた場合にはこれらによっても変化するが、IR光の透過光量は画像濃度の影響を受けず、傷や異物等のみによって変化する)。従って、R、G、Bの各波長域の透過光を光電変換することは画像を読み取ることに相当し、以下では、画像処理装置14に入力されるR、G、B、IRの各波長域のデータのうちIRを除くR、G、Bの各データを画像データと称する。なお、R,G,Bの画像データは本発明に係る可視画像情報(より詳しくは請求項に記載の複数の波長域毎の可視画像情報)に対応しており、IRデータは本発明に係る非可視画像情報に対応している。
【0045】
また、一般に写真フィルムのフィルムべースは、透過光の波長が長くなるに従って屈折率が小さくなる特性を有しており、IR光の波長が長波長側に偏倚するに従って、写真フィルムに付いている傷や異物に起因する欠陥部の検出精度は低下する。本実施形態では、IR光による欠陥部の検出精度を確保するために、フィルタ23IRとして、例として図3にも示すように、フィルタ23IRを透過して写真フィルムに照射されるIR光の波長域が可視域側(短波長側)に偏倚する分光特性を有するフィルタを用いており、IR光として写真フィルムに照射される光には可視域の波長の光が含まれている。
【0046】
一方、画像処理装置14のスキャナ補正部36は、入力された画像データ(及びIRデータ)に対し、暗補正、濃度変換、シェーディング補正等の各種の補正処理を順に行う。スキャナ補正部36の出力端はI/Oコントローラ38の入力端に接続されており、スキャナ補正部36で前記各処理が施された画像データはI/Oコントローラ38に入力される。I/Oコントローラ38の入力端は、イメージプロセッサ40のデータ出力端にも接続されており、イメージプロセッサ40から画像処理(詳細は後述)が行われた画像データが入力される。
【0047】
また、I/Oコントローラ38の入力端は制御部42にも接続されている。制御部42は拡張スロット(図示省略)を備えており、この拡張スロットには、デジタルスチルカメラに装填可能なPCカードやICカード(以下、これらをデジタルカメラカードと総称する)、CD−ROMやMO、CD−R等の情報記憶媒体に対してデータ(或いはプログラム)の読出し/書込みを行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と通信を行うための通信制御装置が接続される。拡張スロットを介して外部から入力された画像データはI/Oコントローラ38へ入力される。
【0048】
I/Oコントローラ38の出力端は、イメージプロセッサ40のデータ入力端及び制御部42に各々接続されており、更にI/F回路54を介してプリンタ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、入力された画像データを、出力端に接続された前記各機器に選択的に出力する。
【0049】
本実施形態では、写真フィルム26に記録されている個々の画像に対し、フィルムスキャナ12において異なる解像度で2回の読み取りを行う。なお、本実施形態のように読取センサとしてエリアセンサ(エリアCCD30)を用いた態様において、読み取りの解像度の切り替え(各回の読み取りで異なる解像度の画像データを得ること)は、例えばプレスキャン時もファインスキャン時と同一の高解像度で読み取りを行い、得られた画像データに対して画素の間引き又は画素の統合等の後処理を行うか、或いはファインスキャン時にはエリアセンサによって読み取りを複数回行うと共に、各回の読み取り時にピエゾ素子等のアクチュエータにより画素間隔の整数分の1に相当する距離だけエリアセンサを移動させることで実現できる。
【0050】
1回目の比較的低解像度での読み取り(プレスキャン)では、画像の濃度が非常に低い場合にも、エリアCCD30で蓄積電荷の飽和が生じないように決定した読取条件(写真フィルム26に照射する光のR、G、Bの各波長域毎の光量、エリアCCD30の電荷蓄積時間)で各画像の読み取りが行われる。なお、本実施形態ではプレスキャン時にはIR読み取りは行なわない。このプレスキャンによって得られたデータ(プレスキャン画像データ)は、I/Oコントローラ38から制御部42へ入力される。
【0051】
制御部42は、CPU46、RAM48、ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに接続されて構成されている。制御部42は、I/Oコントローラ38から入力されたプレスキャン画像データに基づいて画像の濃度等の画像特徴量を演算し、各画像に対し、フィルムスキャナ12が比較的高解像度での再度の読み取り(ファインスキャン)を行う際の読取条件を決定し、決定した読取条件をフィルムスキャナ12に出力する。
【0052】
また制御部42は、プレスキャン画像データに基づいて、画像中の主要画像領域(例えば人物の顔に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特徴量の演算を行い、フィルムスキャナ12がファインスキャンを行うことによって得られる画像データ(ファインスキャン画像データ)に対する各種の画像処理の処理条件を演算により自動的に決定し(セットアップ演算)、決定した処理条件をイメージプロセッサ40へ出力する。
【0053】
なお、制御部42は、フィルムスキャナ12から入力されたIRデータに基づいて、画像データが表す画像中に、写真フィルム26に付いている傷や塵埃等の異物に起因する欠陥部が生じているか否かを探索する機能、イメージプロセッサ40が欠陥部修正処理を行うためのパラメータを設定する機能を有している。また、制御部42のバスにはディスプレイ43、キーボード44及びマウス(図示省略)が接続されている。
【0054】
制御部42は、演算した画像処理の処理条件に基づき、ファインスキャン画像データを対象としてイメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュレーション画像データを生成する。そして、生成したシミュレーション画像データを、ディスプレイ43に画像を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディスプレイ43にシミュレーション画像を表示する。また、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータによって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条件の修正を指示する情報がキーボード44やマウスを介して入力されると、入力された情報に基づいて画像処理の処理条件の再演算等を行う。
【0055】
一方、フィルムスキャナ12で画像に対してファインスキャンが行われることによってI/Oコントローラ38に入力された画像データ(ファインスキャン画像データ)は、I/Oコントローラ38からイメージプロセッサ40へ入力される。
【0056】
イメージプロセッサ40は、階調変換や色変換を含む色・濃度補正処理、画素密度変換処理、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う画像処理回路を各々備えており、入力された画像データに対し、制御部42によって各画像毎に決定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を行う。また、イメージプロセッサ40は制御部42によって設定されたパラメータに従って欠陥部修正処理を行う機能を有している。
【0057】
イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合には、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力される。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとして外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38から制御部42へ画像データが出力される。これにより、制御部42では、外部への出力用としてI/Oコントローラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御装置等)に出力する。
【0058】
プリンタ16は、画像メモリ58、R,G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置14から入力された記録用画像データは画像メモリ58に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査され、印画紙68に画像が露光記録される。画像が露光記録された印画紙68は、プロセッサ部18へ送られて発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。これにより、印画紙68に露光記録された画像が可視化される。
【0059】
次に本実施形態の作用として、スキャナ12から画像処理装置14にファインスキャン画像データが入力されると制御部42で実行される欠陥部修正値決定処理について説明する。この欠陥部修正値決定処理は、請求項8,9に記載の画像処理方法が適用された処理であり、制御部42のCPU46により、欠陥部修正値決定プログラムが実行されることにより実現される。欠陥部修正値決定プログラムは、その他の処理をCPU46で実行させるためのプログラムと共に、当初は、情報記憶媒体72(図1参照)に記憶されている。なお、図1では情報記憶媒体72をフロッピーディスクとして示しているが、CD−ROMやメモリカード等で構成してもよい。
【0060】
制御部42に接続された情報読出装置(図示省略)に情報記憶媒体72が装填され、情報記憶媒体72から画像処理装置14へのプログラムの移入(インストール)が指示されると、情報読出装置によって情報記憶媒体72から欠陥部修正値決定プログラム等が読み出され、記憶内容を書換え可能なROM50に記憶される。そして、欠陥部修正値決定処理を実行すべきタイミングが到来すると、ROM50から欠陥部修正値決定プログラムが読み出され、該プログラムがCPU46によって実行される。これにより、画像処理装置14は請求項1,2に記載の画像処理装置として機能する。このように、欠陥部修正値決定プログラム等を記憶している情報記憶媒体72は請求項10,11に記載の記録媒体に対応している。
【0061】
以下、欠陥部修正値決定処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。ステップ100では、制御部42に入力された単一の画像(処理対象の画像)のR,G,Bの画像データ及びIRデータをRAM48等に取り込む。ステップ100は本発明の取得手段に対応している。また、次のステップ102〜ステップ118は本発明の補正手段に対応している。
【0062】
すなわち、ステップ102では、フィルムスキャナ12の結像レンズ28の歪曲収差・倍率色収差を補正するための補正データをROM50から取り込む。本実施形態に係る歪曲収差補正データは、結像レンズ28の歪曲収差に起因する画像の幾何学的歪みを補正する歪曲収差補正に用いるデータであり、結像レンズ28の歪曲収差に起因する画像上の各位置での画素位置の変化方向及び変化量を測定した結果に基づいて設定されている。
【0063】
本実施形態では基準波長域としてGを採用し、歪曲収差補正データとして、結像レンズ28の歪曲収差に起因する画像上の各位置におけるGについての画素位置の変化量(歪曲収差量)の測定結果をx方向とy方向に分解し、画像上の各位置における歪曲収差量を、xP P 座標系(画像の中心位置(xP0,yP0)を原点(=(0,0))として画像上の任意の画素を座標値(xP ,yP )で表す座標系(図5(B)参照))を基準として、x方向の歪曲収差量Dx(xP ,yP )及びy方向の歪曲収差量Dy(xP ,yP )で表すデータを用いている。
【0064】
また、倍率色収差補正データは、結像レンズ28の倍率色収差に起因する画像の色ずれを補正する倍率色収差補正に用いるデータであり、結像レンズ28の倍率色収差に起因する画像上の各位置での基準波長域のデータが表す画像の画素位置に対する非基準波長域のデータが表す画像の画素位置の変化方向及び変化量を測定した結果に基づいて設定されている。
【0065】
本実施形態では、非基準波長域としてR,B及びIRを採用し、Rの倍率色収差補正データとして、結像レンズ28の倍率色収差に起因する画像上の各位置における、Gに対するRの画素位置の変化量(倍率色収差量)の測定結果をx方向とy方向に分解し、画像上の各位置におけるRの倍率色収差量を、xP P 座標系を基準として、Rのx方向の倍率色収差量ΔRx(xP ,yP )及びRのy方向の倍率色収差量ΔRy(xP ,yP )で表すデータを用いている。
【0066】
また、Bの倍率色収差補正データとして、結像レンズ28の倍率色収差に起因する画像上の各位置における、Gに対するBの画素位置の変化量(倍率色収差量)の測定結果をx方向とy方向に分解し、画像上の各位置におけるBの倍率色収差量を、xP P 座標系を基準として、Bのx方向の倍率色収差量ΔBx(xP ,yP )及びBのy方向の倍率色収差量ΔBy(xP ,yP )で表すデータを用いている。
【0067】
更に、IRの倍率色収差補正データとして、結像レンズ28の倍率色収差に起因する画像上の各位置における、Gに対するIRの画素位置の変化量(倍率色収差量)の測定結果をx方向とy方向に分解し、画像上の各位置におけるIRの倍率色収差量を、xP P 座標系を基準として、IRのx方向の倍率色収差量ΔIRx(xP ,yP )及びIRのy方向の倍率色収差量ΔIRy(xP ,yP )で表すデータを用いている。
【0068】
次のステップ104では、ROM50から取り込んだ歪曲収差補正データ及び倍率色収差補正データに基づき、R,G,B,IRの各データに対し、歪曲収差補正・倍率色収差補正をy方向及びx方向について各々行う。
【0069】
すなわち、まず画像の中心位置を基準として、画像データの各画素の座標値(x,y)をxP P 座標系(図5(B)参照)での座標値(xP ,yP )に変換(xP =x−xP0、yP =y−yP0:すなわち規格化)した後に、規格化後の座標値が(xP ,yP )の画素に対し、座標(xP ,yP )をキーにして、ステップ102で取り込んだ歪曲収差補正データの中から対応するy方向についての歪曲収差量Dy(xP ,yP )を検索し、座標(xP ,yP )の画素の各データR(xP ,yP )、G(xP ,yP )、B(xP ,yP )、IR(xP ,yP )の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
R(xP ,yPR')←R(xP ,yP ) G(xP ,yPG)←G(xP ,yP
B(xP ,yPB')←B(xP ,yP )IR(xP ,yPIR')←IR(xP ,yP
但し、yPR’=yPG=yPB’=yPIR’=yP +Dy(xP ,yP
【0070】
また、規格化後の座標値が(xP ,yP )の画素(y方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xP ,yPR')の画素)のRのデータに対し、座標(xP ,yP )をキーにして、ステップ102で取り込んだRの倍率色収差補正データの中から、対応するRのy方向についての倍率色収差量ΔRy(xP ,yP )を検索し、y方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xP ,yPR')の画素のRのデータR(xP ,yPR')の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0071】
また、規格化後の座標値が(xP ,yP )の画素のBのデータに対し、座標(xP ,yP )をキーにして、ステップ102で取り込んだBの倍率色収差補正データの中から、対応するBのy方向についての倍率色収差量ΔBy(xP ,yP )を検索し、y方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xP ,yPB')の画素のBのデータB(xP ,yPB')の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0072】
更に、規格化後の座標値が(xP ,yP )の画素のIRのデータに対し、座標(xP ,yP )をキーにして、ステップ102で取り込んだIRの倍率色収差補正データの中から、対応するIRのy方向についての倍率色収差量ΔIRy(xP ,yP )を検索し、y方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xP ,yPIR')の画素のIRのデータIR(xP ,yPIR')の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0073】
上記により、y方向についての歪曲収差補正、及びy方向についてのR、B及びIRの倍率色収差補正が行われ、R,G,B,IRの各データが表す画像の各画素の位置は各々独立にy方向に各々移動されることになる。
【0074】
次に、画像の各画素のy方向についての本来の位置(以下、この位置を座標値(xP ,yP0)で表す)を求める。そして、座標値(xP ,yP0)の位置におけるRの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータR(xP ,yPR)のうち、y方向に沿って座標値(xP ,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるRのデータに基づいて補間演算によって求める。また、座標値(xP ,yP0)の位置におけるGの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータG(xP ,yPG)のうち、y方向に沿って座標値(xP ,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるGのデータに基づいて補間演算によって求め、座標値(xP ,yP0)の位置におけるBの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータB(xP ,yPB)のうち、y方向に沿って座標値(xP ,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるBのデータに基づいて補間演算によって求め、座標値(xP ,yP0)の位置におけるIRの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータIR(xP ,yPIR)のうち、y方向に沿って座標値(xP ,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるIRのデータに基づいて補間演算によって求める。上記処理を画像の全ての画素について行うことにより、y方向についての歪曲収差補正、倍率色収差補正が完了する。
【0075】
続いて、歪曲収差補正及び倍率色収差補正をx方向について行う。すなわち、画像の中心位置を基準として、画像データの座標値が(xP ,yP0)の画素に対し、座標(xP ,yP0)をキーにして、歪曲収差補正データの中から対応するx方向についての歪曲収差量Dx(xP ,yP0)を検索し(なお、座標(xP ,yP0)における歪曲収差量がデータとして記憶されていない場合には、前記座標の周囲の位置における歪曲収差量に基づいて、座標(xP ,yP0)における歪曲収差量を補間演算によって求める)、座標(xP ,yP0)の画素のデータR(xP ,yP0)、G(xP ,yP0)、B(xP ,yP0)、IR(xP ,yP0)の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
R(xPR',yP0)←R(xP ,yP0) G(xPG,yP0)←G(xP ,yP0
B(xPB',yP0)←B(xP ,yP0)IR(xPIR',yP0)←IR(xP ,yP0
但し、xPR’=xPG=xPB’=xPIR’=xP +Dx(xP ,yP0
【0076】
また、x方向についての歪曲収差補正前の座標値が(xP ,yP0)の画素(x方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xPR',yP0)の画素)のRのデータに対し、座標(xP ,yP0)をキーにして、Rの倍率色収差補正データの中から対応するRのx方向についての倍率色収差量ΔRx(xP ,yP0)を検索し(なお、座標(xP ,yP0)における倍率色収差量がデータとして記憶されていない場合には、前述のように補間演算によって倍率色収差量を演算する)、x方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xPR',yP0)の画素のRのデータR(xPR',yP0)の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0077】
また、x方向についての歪曲収差補正前の座標値が(xP ,yP0)の画素のBのデータに対し、座標(xP ,yP0)をキーにして、Bの倍率色収差補正データの中から対応するBのx方向についての倍率色収差量ΔBx(xP ,yP0)を検索し、x方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xPB',yP0)の画素のBのデータB(xPB',yP0)の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0078】
更に、x方向についての歪曲収差補正前の座標値が(xP ,yP0)の画素のIRのデータに対し、座標(xP ,yP0)をキーにして、IRの倍率色収差補正データの中から対応するIRのx方向についての倍率色収差量ΔIRx(xP ,yP0)を検索し、x方向についての歪曲収差補正後の座標値が(xPIR',yP0)の画素のIRのデータIR(xPIR',yP0)の座標を次式に従って変換することを、全ての画素について行う。
Figure 0003939466
【0079】
上記により、x方向についての歪曲収差補正、及びx方向についてのR、B及びIRの倍率色収差補正が行われ、R,G,B,IRの各データが表す画像の各画素の位置は各々独立にx方向に各々移動される。
【0080】
次に、画像の各画素のx方向についての本来の位置(以下、この位置を座標値(xP0,yP0)で表す)を求める。そして、座標値(xP0,yP0)の位置におけるRの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータR(xPR,yP0)のうち、x方向に沿って座標値(xP0,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるRのデータに基づいて補間演算によって求める。また、座標値(xP0,yP0)の位置におけるGの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータG(xPG,yP0)のうち、x方向に沿って座標値(xP0,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるGのデータに基づいて補間演算によって求め、座標値(xP0,yP0)の位置におけるBの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータB(xPB,yP0)のうち、x方向に沿って座標値(xP0,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるBのデータに基づいて補間演算によって求め、座標値(xP0,yP0)の位置におけるIRの値を、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たデータIR(xPIR,yP0)のうち、x方向に沿って座標値(xP0,yP0)を挟んで隣り合っている2つの位置におけるIRのデータに基づいて補間演算によって求める。
【0081】
上記処理を画像の全ての画素について行うことにより、x方向についての歪曲収差補正及び倍率色収差補正が行われ、歪曲収差補正処理及び倍率色収差補正処理が完了する。上記の歪曲収差補正及び倍率色収差補正により、結像レンズ28の歪曲収差及び倍率色収差に起因するR,G,B,IRの各データが表す画像の画素ずれが補正される。なお、ステップ102、104は請求項に記載の補正手段に対応している。
【0082】
次のステップ106では、IR光として写真フィルムに照射する光に含まれている可視域の光による、IR光の透過光量の検出値の変化を補正する(以下、波長分離補正という)ための補正パラメータを取り込む。そしてステップ108では、取り込んだ補正パラメータに基づき、IRデータに対して波長分離補正を行う。この波長分離補正は、歪曲収差補正及び倍率色収差補正を経たR,G,B,IRのデータに基づき各画素毎に次式の演算を行い、全ての画素のIRデータを次式から求まるデータIR’に置き換えることで実現できる。
【0083】
【数1】
Figure 0003939466
【0084】
なお上式において、B,G,R,IRは演算対象の画素のB,G,R,IRの値、IR’は波長分離補正後のIRの値を表す。また、a0,a1,a2,a3は波長分離補正を行うための補正パラメータであり、各々演算対象の画素のB,G,R,IRの値に対する係数である。本実施形態では、フィルタ23IRの特性に基づいて、IR光として写真フィルムに照射される光のうち可視光の割合及びその波長域を求め、演算結果に基づいて上記補正パラメータの各係数の値を設定し、ROM50に記憶している。
【0085】
図3には、IR光として写真フィルムに照射される光の分光特性の一例を示すが(図3に「IR」と表記して示す特性)、この特性では、前記IR光として照射される光のうち可視光の割合は数%程度であり、その波長域はRに相当する波長域にのみ分布している(この場合、IR光として照射される光に含まれる可視光の透過光量は画像のR濃度に応じて変化する)ので、一例としてa0=0,a1=0,a2=−0.03,a3=1等の値を設定することができる。
【0086】
上記の波長分離補正を行うことにより、IR光として照射される光に可視光が含まれていることに起因するIR光の透過光量の検出値の変化が補正される。なお、ステップ106、108は請求項に記載の補正手段に対応している。
【0087】
ところで、写真フィルムを透過する光は、傷や異物等が付いておらずかつ画像が記録されていない部分(所謂素抜け部分)を透過する場合であっても、フィルムベースにおける屈折によって透過光量が減衰するが、フィルムベースにおける光の屈折率(透過光量の減衰度)は透過光の波長によって異なっており(減衰度の波長依存性)、例として図6に示すように、透過光の波長が長くなるに従って透過光の減衰度が小さくなる特性を示すことが一般的である。そして、この波長−減衰度特性はフィルムベースの材質(写真フィルムの種類)によって異なっている。
【0088】
このため、本実施形態では写真フィルムの波長−減衰度特性を写真フィルムの種類毎に各々測定し、波長−減衰度特性の測定結果に基づいて、写真フィルムによる減衰度の波長依存性に起因するR,G,B,IRの透過光量の変動を補正するための減衰度補正量を写真フィルムの種類毎に各々決定し、決定した減衰度補正量を写真フィルムの種類を表す情報と対応させて減衰度補正データとしてROM50に予め記憶している。
【0089】
ステップ110では、フィルムスキャナ12による写真フィルム読取時に検出された、読取対象の写真フィルムの種類を表す情報を取り込む。なお、写真フィルムの種類は、写真フィルムの製造時にバーコード等の形態で写真フィルムの側縁に記録されるDXコードを読み取ることで検出することができる。次のステップ112では、ステップ110で取り込んだ情報に基づき、読取対象の写真フィルムの種類に対応する減衰度補正データをROM50から取り込む。そしてステップ114では、ステップ112で取り込んだ減衰度補正データに従い、R,G,B,IRの各データに対し、写真フィルムによる減衰度の波長依存性に起因するR,G,B,IRの透過光量の変動を画素毎に補正する。
【0090】
これにより、R,G,B,IRの各データの値は、写真フィルムのフィルムベースにおける屈折による透過光の減衰度が波長に拘わらず一定(例えば減衰度=0)であると仮定したときのR,G,B,IRの透過光量に対応する値に補正されることになる。上記のステップ110乃至114は請求項に記載の補正手段に対応している。
【0091】
ところで、レンズの焦点距離はレンズを透過する光の波長に応じて変化(焦点距離の波長依存性)するので、単一の画像に対してR,G,B,IRの各波長域についての読み取りを各々行う場合、結像レンズ28による画像の結像位置は、エリアCCD30の受光面位置に対して透過光の波長域毎に変化し、各波長域についての読み取り(各波長域毎の透過光量の検出)によって得られるR,G,B,IRの各データが表す画像の鮮鋭度も各々相違することになる。
【0092】
本実施形態のように各波長域についての読み取りを順次行う場合、上記の鮮鋭度の相違は、例えば各波長域についての読み取りを行う前に、読み取りを行う波長域についてのフィルムスキャナ12の結像レンズ28による画像の結像位置をエリアCCD30の受光面位置に自動的に一致させるオートフォーカス(AF)処理を毎回行うことで解決できるが、代わりに画像の読み取りに時間がかかるという新たな問題が生ずる。
【0093】
本実施形態では、単一の画像に対する読み取りを開始するときに、所定の基準波長域(例えばG)についてのみAF処理を行い、各波長域についてAF処理を各々行うことに代えて、次のステップ116、118でR,G,B,IRの各データが表す画像の鮮鋭度が一致するように各データを補正する鮮鋭度補正処理を行う。
【0094】
すなわち、ステップ116では、結像レンズ28の焦点距離の波長依存性に起因するR,G,B,IRの各データの鮮鋭度のばらつきを補正するための鮮鋭度補正値をROM50から取り込む。この鮮鋭度補正値は、各データが表す画像に対する高周波成分の強調度を表しており(鮮鋭度の低下は空間周波数の分布において高周波成分の減衰として現れる)、各データが表す画像における高周波成分の減衰度合いが高くなるに従って強調度が高くなるように設定されてROM50に予め記憶されている。
【0095】
詳しくは、R,G,B,IRの各波長域毎の結像レンズ28の焦点距離から、基準波長域の光についての結像レンズ28の焦点距離と非基準波長域(例えばR,B,IR)の光についての結像レンズ28の焦点距離との偏差を各非基準波長域について各々求め、この焦点距離の偏差に基づいて高周波成分の減衰度合いを推定し、各非基準波長域毎に、前記高周波成分の減衰度合いに応じて鮮鋭度補正値を各々設定している。
【0096】
次のステップ118では、ステップ116で取り込んだ鮮鋭度補正値に基づき、非基準波長域のデータに対して鮮鋭度補正を各々実行する。この鮮鋭度補正は、例えば次の(1)式の演算を行うことで実現できる。
QL=Q+β(Q−QUS) …(1)
但し、Qは補正対象の画像データ(非基準波長域(例えばR又はB又はIRのデータ)、QLは鮮鋭度補正後の画像データ、QUSは非鮮鋭マスク画像データ、βは高周波成分の強調度(鮮鋭度補正値)である。
【0097】
非鮮鋭マスク画像データQUSは、補正対象の画像データQに対し、例えば画像の角部に存在するn×n画素(例えばn=5程度の値を用いることができる)の平均値を、前記n×n画素から成る領域の中心に相当する画素の非鮮鋭マスク信号とすることを、処理対象のn×n画素の領域を1画素分ずつ移動させながら繰り返すことで得ることができる。これにより、例として図7(A)に実線で示す処理対象の画像データQのレスポンス特性(空間周波数の分布)に対し、図7(A)に破線で示すように、高周波帯域での応答が画像データQよりも低くされたレスポンス特性の非鮮鋭マスク画像データQUSが得られる。
【0098】
(1)式における(Q−QUS)は、画像データQと非鮮鋭マスク画像データQUSとの差であるので、図7(B)に示すように高周波帯域に応答のピークが生ずるレスポンス特性(すなわち、図7(A)に実線で示すレスポンス特性と破線で示すレスポンス特性の差に相当するレスポンス特性)となる。従って、(1)式によって求まる鮮鋭度補正後の画像データQLのレスポンス特性は、図7(C)に実線で示す画像データQのレスポンス特性に対し、図7(C)に破線で示すように、高周波帯域においてのみ応答が高くされた特性になると共に、該特性において高周波帯域における応答高さhは高周波成分の強調度(鮮鋭度補正値)βの値に依存し、鮮鋭度補正値βの値が高くなるに従って応答高さh(高周波成分の強調度合い)も高くなる。
【0099】
上記の鮮鋭度補正を非基準波長域の各データに対して各々行うことにより、結像レンズ28の焦点距離の波長依存性に起因するR,G,B,IRの各データが表す画像の鮮鋭度を補正することができる。このように、ステップ116、118は請求項に記載の補正手段に対応している。
【0100】
なお、上記では結像レンズ28の焦点距離の波長依存性に起因する鮮鋭度のばらつきを補正していたが、結像レンズ28の像面湾曲に起因する同一画像内の鮮鋭度のばらつきも併せて補正するようにしてもよい。この補正は、R,G,B,IRの各データが表す画像中の各部における高周波成分の減衰度合いを推定し、高周波成分の減衰を各部における減衰度合いに応じて補正するための鮮鋭度補正値を、2次元のテーブル上の各部の位置に対応するアドレスに各々記憶することにより鮮鋭度補正テーブルを設定し、鮮鋭度の補正にあたり、各画素毎に、鮮鋭度補正テーブルの対応するアドレスに記憶されている鮮鋭度補正値を用いて前述の(1)式の演算を行うことで実現できる。
【0101】
次のステップ120では上記の各種補正を経たR,G,Bの画像データ及びIRデータに基づき、R,G,Bの画像データが表す処理対象の画像の欠陥部を検出する欠陥部検出処理を行う。まず欠陥部検出処理の説明に先立ち、写真フィルムに傷や異物の付いている箇所のIR光による検出の原理について説明する。
【0102】
図8(A)に示すように、写真フィルム上の表面に傷や異物が付いていない箇所に光を照射したときの透過光量は、写真フィルムへの入射光量に対し、写真フィルムによる光の吸収に応じた減衰量だけ減衰する。なお、写真フィルムで光の吸収が生ずる波長域はおおよそ可視光域であり、赤外域のIR光については殆ど吸収されないので、前記傷や異物が付いていない箇所にIR光を照射した場合の透過光量は入射光量から僅かに変化するのみである。
【0103】
一方、写真フィルム上の傷が付いている箇所に光を照射した場合、照射された光の一部は傷によって屈折するので、前記傷が付いている箇所に光を照射したときの透過光量(前記箇所を直線的に透過する光の光量)は、写真フィルムへの入射光量に対し、前述した写真フィルムによる光の吸収に起因する減衰に、傷による光の屈折に起因する減衰を加えた減衰量だけ減衰する。なお、図8(A)では光の入射側に傷が付いている場合を示しているが、光の射出側に傷が付いている場合も同様である。
【0104】
傷による光の屈折はIR光でも生ずるので、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合のIR光の透過光量は、傷による光の屈折に起因する減衰に応じた減衰量だけ減衰する。なお傷による光の屈折は、例として図8(B)にも示すように、傷の規模(深さ等)が大きくなるに伴って顕著となる(可視光もIR光も同様)ので、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合の透過光量は傷の規模が大きくなるに従って小さくなる。従って、IR光の透過光量の減衰量に基づいて、写真フィルムに付いている傷の規模も検知することができる。
【0105】
また、写真フィルム上の塵埃等の異物がついている箇所に光を照射した場合、照射した光は異物によって反射されるので、異物の大きさや種類(光透過率)にも依存するが、前記異物が付いている箇所に光を照射した場合の光の透過光量は前記異物によって大きく減衰する。異物が付いている箇所に光を照射した場合の透過光量の減衰は、前記箇所にIR光を照射した場合も同様である。
【0106】
上記のように、写真フィルムにIR光を透過した場合の透過光量は、写真フィルム上の傷又は異物が付いている箇所でのみ変化し、写真フィルムに画像が記録されていたとしても、該画像の透過濃度の変化の影響を受けないので、写真フィルムにIR光を照射して透過光量を検出することで、写真フィルムに付いている傷や異物を検出できる。
【0107】
上記に基づき、ステップ120では以下のようにして欠陥部検出処理を行う。写真フィルムにIR光を照射したときの透過光量は、前述のように通常は画像上の位置に拘わらず略一定となり、写真フィルムに傷又は異物が付いている箇所でのみ低下する(図9参照)。IRデータは処理対象の画像上の各位置におけるIR光の透過光量を表しているので、処理対象の画像上の傷や異物が付いていない箇所におけるIRデータが表すIR光の透過光量(例えば透過光量の最大値)を基準値とする。そして、各画素毎にIR光の透過光量を基準値と比較し、基準値に対する透過光量の変化量(低下量)が所定値(傷や異物が付いていない箇所におけるIR光の透過光量の若干の変動を考慮して定めた値)以上の画素を、修正対象の欠陥部に属する欠陥画素として全て検出する。
【0108】
またステップ120では、検出した欠陥画素を、欠陥画素相互の位置関係(例えば隣接しているか否か)等に基づいて、同一の欠陥部に属する欠陥画素毎に分類し、各欠陥部に関する情報(例えば各欠陥部に属する欠陥画素を表す情報や各欠陥画素におけるIR光の透過光量の低下量等の情報)をRAM48等に記憶する。
【0109】
なお、上記の欠陥部検出処理は各種の補正を経たR,G,B,IRの各データを用いて行われるので、写真フィルムについた傷や異物に相当する欠陥部のみを確実かつ精度良く検出できると共に、欠陥部の範囲等の誤検出も防止することができる。ステップ120は請求項に記載の欠陥部検出手段に対応している。
【0110】
次のステップ122では、欠陥部検出処理によって検出された修正対象の欠陥部に対し、各欠陥部を修正するための修正値を各々演算する。まず、欠陥部修正の原理について説明する。
【0111】
図8(B)に示すように、写真フィルムの乳剤層はR,G,Bの各感光層を含んで構成されており、画像が露光記録され現像等の処理が行われた写真フィルム(ネガフィルム)は、R感光層にCのネガ像が形成され、Gの感光層にMのネガ像が形成され、Bの感光層にYのネガ像が形成される。そして写真フィルムを透過した可視光のうち、R光についてはR感光層においてCのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、G光についてはG感光層においてMのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、B光についてはB感光層においてYのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)される。
【0112】
ここで、例として図8(B)に示すように、乳剤面と反対側のバック面に傷が付いている場合、透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付いていない場合と同じである。すなわち、図8(B)において、写真フィルムへの入射光量をI0、傷が付いていないときのR光、G光、B光の透過光量を各々I0R,I0G,I0Bとし、傷が付いたときに傷が付いている箇所を直線的に透過して乳剤層に入射する光量をI1(I1<I0:I0−I1が傷による光の減衰分)、傷が付いているときのR光、G光、B光の透過光量を各々I1R,I1G,I1Bとすると、以下の(2)式の関係が成り立つ。
0R/I0≒I1R/I1 0G/I0≒I1G/I1 0B/I0≒I1B/I1 …(2)
【0113】
従って、バック面に傷が付いている箇所に対応する欠陥部は、傷が付いていない場合と比較して輝度のみが変化し、写真フィルムに記録されている画像の色情報は保存されているので、輝度調整方法を適用し欠陥部領域の輝度を調整することで、画像データが表す画像の欠陥部を修正することができる。
【0114】
一方、例として図8(C)に示すように乳剤面に傷が付いている場合、浅い傷であれば各感光層のうちの一部の感光層が削られることで、透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付いていない場合と変化する。また、各感光層が全て剥ぎ取られているような非常に深い傷であれば、透過光に対する各感光層における光の吸収は生じない。従って、何れの場合も(2)式の関係は成立しない。
【0115】
このように、乳剤面に傷が付いている箇所に対応する欠陥部は、傷の深さに拘わらず、傷が付いていない場合と比較して輝度及び色が各々変化しており、写真フィルムに記録されている画像の色情報も失われているので、輝度を調整しても欠陥部を精度良く修正することは困難である。このため、乳剤面に傷が付いている箇所に対応する欠陥部の修正には、欠陥部の周囲の領域の情報から補間によって欠陥部の輝度及び濃度を決定する修正方法(補間方法)が適している。なお、写真フィルムに異物が付いていることに起因して生じた欠陥部についても、異物が付いていない場合と比較して輝度及び色が各々変化するので、上記の欠陥部を修正する場合にも補間方法が適している。
【0116】
ステップ122では、まず修正対象の各欠陥部に対し、補間方法を適用して修正するか輝度調整方法を適用して修正するかを判定するための所定の特徴量を各々演算する。本実施形態では所定の特徴量の一例として、欠陥部におけるR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す特徴量を用いている。
【0117】
例えば写真フィルムのバック面に傷が付いている場合、例として図9(A)に示すように、傷が付いている箇所においてR光、G光、B光の透過光量は略同様の変化を示すので、R光、G光、B光の透過光量の変化の相関は高い。一方、写真フィルムの乳剤面に傷がついている場合、例として図9(B)に示すように、傷が付いている箇所におけるR光、G光、B光の透過光量の変化は一定せず、R光、G光、B光の透過光量の変化の相関は低い(写真フィルムに異物が付いている場合も同様)。
【0118】
図9は典型的なケースを示したものであり、実際には写真フィルムの両面に傷が付いている等のように、何れの修正方法を適用すべきかが明確でないケースも多々存在しているが、R,G,Bの画像データに被写体の色に関する情報が残っていれば輝度調整方法を適用することが好ましく、前記情報が残っていない場合には補間方法を適用することが望ましいので、欠陥部におけるR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す所定の特徴量(例えばR光、G光、B光の透過光量の変化の微分値の差を積算した値)に基づいて、適用すべき修正方法を個々の欠陥部毎に適正に判定することができる。
【0119】
修正対象の個々の欠陥部について、上述した所定の特徴量を各々演算すると、双方の修正方法の適用範囲の設定値(双方の修正方法の適用範囲の境界を表す閾値)を取り込み、各欠陥部の所定の特徴量を前記設定値と各々比較することにより、個々の欠陥部を単位として、補間方法を適用して修正を行うか輝度調整方法を適用して修正を行うかを各々判定する。
【0120】
そして、補間方法を適用して修正を行うと判定した欠陥部に対しては、補間方法を適用して修正値を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部の輝度及び色を該欠陥部の周囲の領域の輝度及び色から補間によって新たに演算し、補間演算によって求まる欠陥部内の各画素の値(R,G,B毎の濃度値でもよいし、色相・明度・彩度を表す値でもよい)をD1、各画素の元の値をD2、修正度合いをαとし、欠陥部内の各画素の修正値D3を(3)式に従って求める。
D3=α・D1+(1−α)D2 …(3)
上記処理を、補間方法を適用して修正を行うと判定した欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正値を各々求める。
【0121】
また、輝度調整方法を適用して修正を行うと判定した欠陥部に対しては、輝度調整方法を適用して修正値を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部におけるIR光の透過光量の変化量に基づいて欠陥部の輝度修正量を演算し、輝度修正量に応じて修正した欠陥部内の各画素の輝度値をL1、各画素の元の輝度値をL2、「欠陥部修正度合い」の現在の設定値をαとし、欠陥部内の各画素の修正値(輝度値)L3を(4)式に従って求める。
L3=α・L1+(1−α)L2 …(4)
上記処理を輝度調整方法を適用して修正を行うと判定した欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正値を各々求める。なお、上記のステップ122は請求項に記載の修正手段に対応している。
【0122】
修正対象の全ての欠陥部に対して修正値が各々演算されるとステップ124へ移行し、各欠陥部に対する修正値を、欠陥部の位置を表す情報(例えば各欠陥部を構成する欠陥画素のアドレス)と共にイメージプロセッサ40に通知し、欠陥部修正値決定処理を終了する。
【0123】
イメージプロセッサ40には、上記の欠陥部修正値決定処理におけるステップ102〜118の補正を経た画像データが入力され(前記補正をイメージプロセッサ40が行うようにしてもよい)、入力された画像データに対し、制御部42で欠陥部修正値決定処理が行われることで制御部42から通知された修正値に従って欠陥部を修正する(詳しくは欠陥部に属する各欠陥画素の値を、通知された修正画素値に置き換える)欠陥部修正処理を行う。これにより、修正対象の全ての欠陥部が自動的に修正されることになる。このように、イメージプロセッサ40も請求項に記載の修正手段に対応している。
【0124】
またイメージプロセッサ40は、欠陥部修正処理を行った画像データに対し、制御部42におけるセットアップ演算によって決定された処理条件で各種の画像処理を行い、I/Oコントローラ38及びI/F回路54を介してプリンタ16へ出力する。これにより、印画紙68に露光記録される画像から、修正対象として選択された欠陥部が消去される。
【0125】
なお、上記では単一のエリアCCD30によってR,G,B,IRの各波長域についての読み取り(透過光量の検出)を各々行う構成のフィルムスキャナ12を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、各波長域についての読み取りを2個以上の光電変換素子で行う構成のフィルムスキャナを用いてもよい。例として図10には、各波長域についての読み取りを、各々異なるラインセンサ70B、70G、70R、70IRで行う構成のフィルムスキャナ72が示されている。
【0126】
このフィルムスキャナ72は、光源20から射出された光が、光拡散ボックス74によって写真フィルム26の幅方向に沿って長いスリット状の光束に整形されて写真フィルム26に照射され、写真フィルム26を透過した光が結像レンズ28を介して各ラインセンサ70B、70G、70R、70IRに各々入射される構成となっている。各ラインセンサの受光面には、入射光のうち検出すべき波長域の光のみ透過させるフィルタが各々設けられており、写真フィルム26が一定速度で搬送されている状態で、各ラインセンサによる各波長域についての読み取り(各波長域の光の透過光量の検出)が各々行われる。
【0127】
上記のフィルムスキャナ72のように、各波長域についての読み取りを複数の光電変換素子で行う場合、各光電変換素子の配置位置の相違に起因して、各波長域についての読み取りで各々得られた画像情報に画素ずれが発生する。例えばフィルムスキャナ72では、隣り合うラインセンサの写真フィルム26上での読取位置の間隔が、読み取りの1周期当りに写真フィルム26が搬送される距離のn倍(nは整数)となるように各ラインセンサが各々配置されていれば、各ラインセンサによる読み取りのタイミングをn周期ずつずらせば画素ずれは発生しないが、例えばラインセンサの取付位置の誤差等により、前記読取位置の間隔が前記1周期当りのフィルム搬送距離の非整数倍であった場合には、前述の画素ずれが発生する。
【0128】
このような場合には、各ラインセンサの読取位置の所期の位置に対する位置ずれ量を予め測定して記憶しておき、位置ずれ補正を行うようにしてもよい。この位置ずれ補正は、例えば写真フィルムの搬送方向と平行な方向(例えば図5(A)におけるx方向)についての歪曲収差補正及び倍率色収差補正において、位置ずれ量の測定値分だけ、位置ずれの方向と逆方向に全画素の位置が移動するように補正することで実現できる。これにより、光電変換素子の配置位置の相違に起因する画素位置のずれを補正することができる。
【0129】
なお、上述した補正は請求項に記載の補正手段に対応しており、フィルムスキャナ72のラインセンサ70B、70G、70Rは請求項に記載の第1の光電変換素子に、ラインセンサ70IRは請求項に記載の第2の光電変換素子に対応している。
【0130】
また、上記では欠陥部修正方法の一例として補間方法及び輝度調整方法を説明したが、これに限定されるものではなく、ローパスフィルタ等をかけることで欠陥部をぼかす、所謂ぼかし方法を適用してもよい。
【0131】
また、上記では写真フィルムを透過した光を光電変換することで画像を読み取る構成を説明したが、これに限定されるものではなく、写真フィルムを反射した光を光電変換することで画像を読み取る構成を採用してもよい。また、画像記録材料は写真フィルムに限定されるものではなく、写真フィルム以外の写真感光材料や普通紙、OHPシート等を画像記録材料として用いても良いことは言うまでもない。
【0132】
更に、上記ではプレスキャン時にR,G,Bの読み取りを行い、ファインスキャン時にR,G,B,IRの読み取りを行う例を説明したが、これに限定されるものではなく、IR読み取りはプレスキャン時にのみ行ってもよいし、プレスキャン時及びファインスキャン時に各々行ってもよい。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように発明は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した可視光を検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として画像記録領域に照射し画像記録領域を透過又は反射した非可視光を検出することで得られた非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する各画像情報の差異として、可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する非可視光の検出光量の変化を補正するようにしたので、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる、という優れた効果を有する。
【0134】
また本発明は、画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、画像記録領域に非可視光を照射し画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する各画像情報の差異として、画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、各検出手段による検出光量の差異を補正するようにしたので、欠陥部の修正精度を向上させることが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの概略構成図である。
【図2】 フィルムスキャナの概略構成を示す斜視図である。
【図3】 写真フィルムに照射する光の分光特性の一例を示す線図である。
【図4】 欠陥部修正値決定処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】 歪曲収差補正及び倍率色収差補正を説明するための、(A)は画像に対して設定したxy座標系、(B)はxP P 座標系を示す概念図である。
【図6】 写真フィルムを透過する光の波長と透過光に対する減衰度との関係の一例を示す線図である。
【図7】 (A)は画像データQ及び非鮮鋭マスク画像データQUSのレスポンス特性の一例、(B)は画像データ(Q−QUS)のレスポンス特性の一例、(C)は画像データQ及び鮮鋭度補正後の画像データQLのレスポンス特性の一例を各々示す線図である。
【図8】 (A)は写真フィルムの傷及び異物が付いていない箇所、傷が付いている箇所、異物が付いている箇所における光の透過を各々示す概念図、(B)は写真フィルムのバック面に傷が付いている場合、(C)は写真フィルムの乳剤面に傷が付いている場合の光の透過を各々示す概念図である。
【図9】 (A)はバック面に傷が付いている場合、(B)は乳剤面に傷が付いている場合のR光、G光、B光、IR光の透過光量の変化の一例を示す線図である。
【図10】 本発明の他の実施形態に係るフィルムスキャナの概略構成図である。
【符号の説明】
12 フィルムスキャナ
14 画像処理装置
20 光源
23 フィルタユニット
26 写真フィルム
28 結像レンズ
30 エリアCCD
40 イメージプロセッサ
42 制御部
72 情報記憶媒体

Claims (11)

  1. 画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段と、
    前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する補正手段と、
    を含む画像処理装置。
  2. 画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段と、
    前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正する補正手段と、
    を含む画像処理装置。
  3. 前記取得手段は、前記可視画像情報として、画像記録領域を透過又は反射した可視光を前記第1検出手段が複数の波長域毎に各々検出することで得られた前記複数の波長域毎の可視画像情報を各々取得し、
    前記補正手段は、前記複数の波長域毎の可視画像情報及び前記非可視画像情報に対し、光学特性に起因する前記各画像情報相互の差異を補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項記載の画像処理装置。
  4. 前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、前記画像記録材料の画像記録領域を透過又は反射しかつ結像レンズによって結像された可視光又は非可視光を検出し、
    前記補正手段は、前記各画像情報の差異として、前記結像レンズの倍率色収差又は歪曲収差に起因する画素位置のずれも補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項記載の画像処理装置。
  5. 前記第1検出手段は第1の光電変換素子によって可視光を検出すると共に、前記第2の検出手段は前記第1の光電変換素子と異なる第2の光電変換素子によって非可視光を検出し、
    前記補正手段は、前記各画像情報の差異として、前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子の配置位置の相違に起因する画素位置のずれも補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項記載の画像処理装置。
  6. 前記第1検出手段及び前記第2の検出手段は、前記画像記録材料の画像記録領域を透過又は反射しかつ結像レンズによって結像された可視光又は非可視光を検出し、
    前記補正手段は、前記各画像情報の差異として、前記結像レンズの焦点距離の波長依存性に起因する、各画像情報が表す画像の鮮鋭度の差異も補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項記載の画像処理装置。
  7. 前記補正手段による補正を経た可視画像情報及び非可視画像情報に基づいて、前記可視画像情報が表す画像の欠陥部を検出する欠陥部検出手段と、
    前記可視画像情報に対し、前記検出手段によって検出された欠陥部を修正する修正手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  8. 画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透 過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得し、
    前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する
    画像処理方法。
  9. 画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得し、
    前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正する
    画像処理方法。
  10. コンピュータを、
    画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び、可視域を一部含む波長域の光を非可視光として前記画像記録領域に照射し前記画像記録領域を透過又は反射した前記非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段、
    及び、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記可視域を一部含む波長域の光が非可視光として照射されることに起因する第2検出手段による非可視光の検出光量の変化を補正する補正手段
    として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
  11. コンピュータを、
    画像記録材料の画像記録領域に可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した可視光を第1検出手段によって検出することで得られた可視画像情報、及び前記画像記録領域に非可視光を照射し前記画像記録領域を透過又は反射した非可視光を第2検出手段によって検出することで得られた非可視画像情報を取得する取得手段、
    及び、前記可視画像情報及び前記非可視画像情報の少なくとも一方に対し、光学特性に起因する前記各画像情報の差異として、前記画像記録材料を透過又は反射する光の画像記録材料による減衰度の波長依存性に起因する、前記各検出手段による検出光量の差異を補正する補正手段
    として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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