JP2001072442A - 凹凸表面を有する物品の製造方法およびそれによって製造される物品 - Google Patents

凹凸表面を有する物品の製造方法およびそれによって製造される物品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が高く、クラックが発生せずかつ基材
と剥離しない膜を被覆した微細凹凸表面を有する物品の
製造方法を提供する。 【解決手段】 非加水分解性の有機基および加水分解性
基を有する特定のシラン化合物(A)、加水分解性基を
有する特定のシラン化合物(B)、および触媒を含有す
る原溶液を加水分解および脱水縮合反応させてなる膜形
成用液を、基材と成形型との間に密着させて膜状に配置
し、ついで加熱して前記成形型の表面形状を反転させた
形状の表面を有する凹凸膜が基材表面に被覆された物品
の製造方法において、前記膜形成用液が、その中にそれ
ぞれ未加水分解物の形の前記シラン化合物(A)および
(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)およ
び(B)の含有量に対して、0.5〜40重量%および0.5〜
60重量%の量それぞれ含有し、そして、前記膜形成用液
中の前記脱水縮合反応の結果生成された縮合体が300〜1
900の分子量(重量平均)を有することを特徴とする物
品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に微細な凹凸
形状を有する物品、特に微小光学素子および情報記録媒
体基板、その製法およびそのための調合組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子、フレネルレンズ、平板マ
イクロレンズ(多数の微小レンズを平板上に平行配列し
たレンズ列)などの光学部品、CD−ROM、その他の
情報記録媒体は、その表面に微小な凹凸構造を具備して
いる。この表面の微小な凹凸部は、光学部品において
は、光の集束もしくは拡散を行い、回折格子もしくはマ
イクロレンズとして機能し、そして、情報記録媒体にお
いては、ピットまたはトラッキングガイドとして機能す
る。
【0003】これら表面の凹凸部を形成させるために、
以下の(1)〜(4)の方法が知られている。 (1)紫外線硬化樹脂を基板上に均一に展開させ、凹凸
部を具えた成形型で押圧しながら樹脂に紫外線を照射す
る方法(特開昭63−49702号公報)が知られてい
る。
【0004】(2)特開昭62−102445号公報に
は、ガラス基板上にシリコンアルコキシドを含む溶液を
塗布し、凹凸部を具えた成形型を押し当てながら加熱し
て凹凸部を形成させるいわゆるゾルゲル法による製造方
法が記載されている。
【0005】(3)特開平6−242303号公報に
は、ゾルゲル法を用い、数μm以上の厚さの膜を形成す
る場合、基板の上に複数の層を形成する方法が記載され
ている。この場合、各層の構成成分を溶液もしくはゾル
で展開し、成形型で押圧しながら加圧加熱し、ついで、
完全に固化した層の上に、さらに溶液もしくはゾルを注
ぎ、上層を成形していた。
【0006】(4)J.Am.Ceram.Soc.,81巻、11号、頁
2849〜2852、(1998年)には、メチルトリエトキシシラン
とテトラエトキシシランを含む溶液を基板上に塗布して
微細溝構造を形成された光ディスクを製造する方法が開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術には、次のような問題点があった。先ず、上記方法
(1)については紫外線硬化樹脂は、耐熱性が低く、2
50℃以上になると分解や黄変が発生する。従って、紫
外線硬化樹脂の凹凸部を有する基板は、はんだ付けなど
の加熱加工ができず、装置などへの取り付けが難しかっ
た。
【0008】これに対し、上記(2)のゾルゲル法で形
成されたシリコンアルコキシドの凹凸部は、耐熱性が高
く、はんだ付けなどが可能である。しかし、このゾルゲ
ル法では、厚い膜の成形ができないという問題があっ
た。実際にこのゾルゲル法により、数μmのシリコンア
ルコキシドの層を成形すると、その表面に微小なひび
(以下、クラックと称する)が発生する。これは、シリ
コンアルコキシド溶液がゲル化および固化する際に、こ
の層の表面と内部とで重縮合反応の進行度に差ができる
ため、表面に大きな応力が発生するからである。さら
に、この応力が原因となって、この層と基板とが剥離す
る場合もあった。
【0009】また、方法(3)については、オルガノポ
リシロキサン層を順次成形して多層化する方法で数十μ
mの膜厚の凹凸形状を持ったオルガノポリシロキサン層
を形成できる。しかし製造工程が長くなるので、コスト
上昇の要因となり、また、下層が完全に硬化してから、
次の層を注入するので、成形型と溶液もしくはゾルとの
間に不要な空気が入りやすく、凹凸の寸法精度が高くな
かった。
【0010】さらに方法(4)については、ゾルゲル膜
の最大膜厚みが300nmより小さい光ディスクを製造
することができる。しかしながら膜厚みが500nm〜
数μmに及ぶ、例えば回折光学素子を形成する場合につ
いては、形成された膜を半田処理に必要な温度、例えば
350℃まで加熱しその後に冷却すると膜にクラックが
発生するなどの問題があった。
【0011】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、耐熱性が高く、500nm(0.5μm)〜
数μmの厚い1層の膜であってもその表面にクラックが
発生せずかつ基板と剥離しない寸法精度の高い微細凹凸
表面を有する物品の製造方法を提供することにある。本
発明の他の目的は本発明方法で製造された凹凸を有する
物品を提供することにある。また本発明のさらに他の目
的および利点は以下の説明から明らかになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、下記化学式(1)で
表されるシラン化合物(A)、下記化学式(2)で表さ
れるシラン化合物(B)、および触媒を含有する原溶液
を加水分解および脱水縮合反応させてなる膜形成用液
を、基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、つ
いで加熱して前記成形型の表面形状を反転させた形状の
表面を有する凹凸膜が基材表面に被覆された、凹凸表面
を有する物品の製造方法において、前記膜形成用液が、
その中にそれぞれ未加水分解物の形の前記シラン化合物
(A)および(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合
物(A)および(B)の含有量に対して、それぞれ0.
5〜40重量%および0.5〜60重量%の量で含有
し、そして、前記膜形成用液中の、前記脱水縮合反応の
結果生成された縮合体が300〜1900の分子量を有
することを特徴とする凹凸表面を有する物品の製造方法
によって達成される。
【化8】RSiX3 (1) ここでRは非加水分解性の有機基であり、そしてXは加
水分解性基である。
【化9】SiX'4 (2) ここでX'は加水分解性基である。
【0013】本発明において、加水分解および脱水縮合
して膜形成用液となる前の原溶液が含有する上記化学式
(1)で表されるシラン化合物(A)中、Rは非加水分
解性基、例えばアルキル基、フェニル基、ビニル基、N
-(2-アミノエチル)3-アミノプロピル基、3-アミノ
プロピル基、3-グリシドキシプロピル基、2-(3,4
-エポキシシクロヘキシル)エチル基、3-クロロプロピ
ルメチル基、3-クロロプロピル基、3-メタクリロキシ
プロピル基、3-メルカプトプロピル基、N-[2-(ビ
ニルベンジルアミノ)エチル]-3-アミノプロピル基等
である。また、Xは加水分解性基、例えばアルコキシル
基またはハロゲン原子である。このRのアルキル基は直
鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭
素数1〜3のアルキル基である。また、Xの上記アルコ
キシル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、
好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基であり、特に
好ましくは炭素数1〜2のアルコキシキル基である。X
の上記ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素
を挙げることができ、その中で特に塩素が好ましく用い
られる。しかし本発明による凹凸表面を有する物品が各
種メモリーその他の電子回路に近接して用いられる場合
には、本発明の物品中に塩素が含有しているとこれら電
子回路の寿命を低下させるおそれがあるので、Xとして
はアルコキシル基を用いることが好ましい。
【0014】また上記原溶液が含有する上記化学式
(2)で表されるシラン化合物(B)中、X'は加水分
解性基、例えばアルコキシル基またはハロゲン原子であ
る。4個のX’は同種の基である必要はなく、それぞれ
独立に異なる基であってもよい。X’のアルコキシル基
は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましく
は炭素数1〜4のアルコキシル基であり、特に好ましく
は炭素数1〜2のアルコキシル基である。X’のハロゲ
ン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素を挙げること
ができ、その中で特に塩素が好ましく用いられる。しか
し本発明による凹凸表面を有する物品が各種メモリーそ
の他の電子回路に近接して用いられる場合には、本発明
の物品中に塩素が含有しているとこれら電子回路の寿命
を低下させるおそれがあるので、X’としてはアルコキ
シル基を用いることが好ましい。
【0015】化学式(1)で表されるシラン化合物
(A)としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシ
シラン、オクチルトリエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリ
メトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシル
トリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メ
チルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロ
ピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキ
シルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、メ
チルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、プロ
ピルトリブロモシラン、ブチルトリブロモシラン、ヘキ
シルトリブロモシラン、オクチルトリブロモシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエト
キシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,
4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、N-[2-(ビニルベンジルアミ
ノ)エチル]-3-アミノプロピルトリメトキシシランな
どを列挙することができる。これらの中で、炭素数1〜
3のアルキル基および炭素数1〜2のアルコキシキル基
を有するシラン化合物(A)、すなわち、メチルトリメ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランが、
加水分解反応で生じるアルコールが揮発しやすくなるの
で、特に好ましく用いられる。
【0016】上記化学式(2)で表されるシラン化合物
(B)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシ
シラン、テトラクロロシラン、トリクロロメトキシシラ
ン、トリクロロエトキシシラン、ジクロロジメトキシシ
ラン、ジクロロジエトキシシラン、モノクロロトリメト
キシシランなどを挙げることができる。これらの中で、
比較的分子量の小さなもの、例えば炭素数が1〜2のア
ルコキシル基を有するテトラアルコキシシラン、すなわ
ち、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン
が、加水分解反応で生じるアルコールが揮発しやすくな
って緻密な膜となりやすいので好ましく用いられる。
【0017】前記原溶液は上記化学式(1)で表される
シラン化合物(A)、および上記化学式(2)で表され
るシラン化合物(B)を、(A)成分1モルに対して
(B)成分を0.05〜1モルの割合で含有することが
好ましい。
【0018】前記原溶液は、前記(B)成分の一部また
は全部を、(C)下記化学式(3)、
【化10】 ここでX''は加水分解を受けるアルコキシル基またはハ
ロゲン原子であり、nは1〜10の整数でありより好ま
しくは1〜5の整数である、で表されるシラン化合物に
より、前記(B)成分1モルに対して1/(n+1)モ
ルの割合で、置換させたものも含有される。
【0019】上記式(3)で表されるシラン化合物
(C)としては、上記式(2)で表されるシラン化合物
(B)の部分加水分解縮合物を挙げることができる。例
えば、ヘキサエトキシジシロキサン(n=1)、オクタ
エトキシトリシロキサン(n=2)、デカエトキシテト
ラシロキサン(n=3)、エトキシポリシロキサン(n
≧4)などが使用できる。単量体(n=0)と縮合体
(n≧1)の混合物からなる「エチルシリケート40」
(商品名、コルコート社製)〔組成は、J.Cihla
rの文献、Colloids and Surfaces A : Physicoche
m. Eng. Aspects 70 (1993年) 253頁から268頁 に記載
されており、重量分率で単量体:12.8重量%、2量
体:10.2重量%、3量体:12.0重量%、4量
体:7.0重量%、多量体(n≧4):56.2重量
%、エタノール:1.8重量%)である〕などが好適に
使用できる。
【0020】本発明において、前記(A)成分、(B)
成分および触媒を含有する前記原溶液を加水分解および
脱水縮合して膜形成用液を調製し、それを基材に被覆し
て最終的に得られた膜内に(A)成分の非加水分解性の
有機基、例えばアルキル基が適度の量で残留する。アル
キル基は膜の脆さを減少させて膜に弾性を付与する働き
をするので、膜内部に生じる熱応力を抑制することがで
き、従って膜のクラック発生および物品基材からの膜の
剥離が防止される。
【0021】以下、説明の利便のため、(A)成分がア
ルキルトリアルコキシシランであり、(B)成分がテト
ラアルコキシシランである場合をとりあげ説明する。
【0022】本発明による膜は、トリアルコキシシラン
とテトラアルコキシシランが混合されることにより、ア
ルキル基を有する3官能シランとアルキル基を有さない
4官能シランが三次元的に結合するので、アルキル基に
よって三次元骨格にゆとりが生じ、この膜構造が、膜に
弾性を与え、膜の脆さを低減させ、厚い膜を形成するこ
とを可能にするものと推察される。
【0023】本発明による膜がアルキルシリル基を含む
ことにより、膜中の酸化物骨格構造をバルキーにして膜
の脆さを抑えて膜に弾性を与え、しかも、膜に高温での
安定性を有せしめる。
【0024】次に、本発明の(A)成分および(B)成
分の加水分解および脱水縮合反応について説明する。本
発明の(A)成分および(B)成分の加水分解反応の程
度が低い場合は、脱水縮合反応後の膜形成用液中に大量
のアルコキシル基が残存しており、この膜形成用液を基
材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、加熱して
ゲル化膜を得る際に収縮が起こり寸法精度を悪くした
り、引き続いて300℃以上に加熱して冷却する際に、
膜剥がれを起こしたり、クラックを入りやすくするため
好ましくない。またガラス基板に塗布する際に、膜形成
用液中に大量のアルコキシル基が残存すると、基板表面
に対する膜形成用液の親和性が悪くなり、膜形成用液が
基板表面からはじかれるなどの現象が起こるなどの欠点
を生ずる。逆に加水分解の速度が速すぎると、引き続い
て起こる脱水縮合反応も必要以上に進行するため、膜形
成用液中の(A)成分、(B)成分の各成分のみからな
る縮合体の分子量が大きくなりすぎて、膜中における
(A)成分または/および(B)成分の分相が生じ、そ
のために、成形工程中に膜剥がれが生じやすくなった
り、300℃以上の加熱および冷却の際に膜内部に収縮
度の異なる部分が生じて膜にクラックが入りやすくなる
ので好ましくない。また逆に(A)成分、および(B)
成分の加水分解反応の程度が高すぎて膜形成用液中のア
ルコキシル基残存量が低すぎる場合には、得られる膜の
弾力性が不十分となり、膜にクラックが発生する。原溶
液中の(A)成分および(B)成分の加水分解および脱
水縮合反応により、得られる膜形成用液中には、(A)
成分の縮合体、(B)成分の縮合体、(A)成分と
(B)成分の共縮合体、(A)成分の加水分解物、
(B)成分の加水分解物、それぞれ未加水分解物の状態
の(A)成分および(B)成分が含有されている。膜形
成用液は、その中に未加水分解物の形の前記シラン化合
物(A)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)の
含有量に対して、0.5〜40重量%、より好ましくは
2〜30重量%の量で含有し、そして未加水分解物の形
の前記シラン化合物(B)を、前記原溶液中の前記シラ
ン化合物(B)の含有量に対して、0.5〜60重量
%、より好ましくは3〜55重量%の量で含有する。膜
形成用液中の未加水分解物の残量はガスクロマトグラフ
ィーにより測定することができ、原溶液中に配合した前
記シラン化合物(A)および(B)の量と上記残量値と
から膜形成用液中の未加水分解物の割合(未加水分解
率)を計算することができる。
【0025】次に、本発明の(A)成分および(B)成
分の脱水縮合反応の程度について説明する。本発明の原
料成分の加水分解および脱水縮合反応により膜形成用液
中に生成する縮合体の分子量が大きすぎると、著しく溶
液の粘度が上昇し、塗布時における膜厚のむらが生じや
すくなり、加熱およびその後の冷却時の収縮度に差を生
ずるため、形成された膜面にクラックが入りやすくな
る。また(A)成分と(B)成分の混合状態における均
質性が悪くなる。また、脱水縮合反応が進みすぎると、
ガラス基板表面に親和性の高い、(A)成分と(B)成
分の加水分解物のOH基の数が少なくなり、膜剥がれな
どの欠点を引き起こすようになる。従って膜形成用液中
の縮合体は300〜1900の分子量(重量平均)を有
することが好ましい。
【0026】前記原溶液(および膜形成用液)中の
(A)成分と(B)成分の割合については、(B)成分
が(A)成分に対して少なすぎると、膜と基板との密着
性が悪くなり、最終加熱時(焼成時)に、あるいは耐久
性試験後に膜が剥がれやすくなる。また、(B)成分が
(A)成分に対して多すぎると、膜の柔軟性が損なわ
れ、0.5μm以上の厚さの膜は その最終加熱時また
は最終加熱後の冷却時に亀裂(クラック)が生じやすく
なる。従って前述のように、前記原溶液は、(A)成分
1モルに対して(B)成分を、好ましくは0.05〜1
モルの割合で、より好ましくは0.05〜0.5モルの
割合で、さらに好ましくは0.05〜0.1モルの割合
で含有する。なお、(B)成分の一部または全部を
(C)成分(重合度M=n+1)で置換する場合、例え
ば全量置換の場合は、原溶液は、(A)成分1モルに対
して(C)成分を、好ましくは(0.05/M〜1/
M)モルの割合で、より好ましくは(0.05/M〜
0.5/M)モルの割合で、さらに好ましくは(0.0
5/M〜0.1/M)モルの割合で含有する。
【0027】本発明におけるゾルゲル材料の原料である
原溶液としては、(A)成分および(B)成分の混合液
に溶媒としてアルコールを加える。加えるアルコールと
しては、炭素数1〜4の低級アルコール、特に沸点が小
さいメタノールまたはエタノールが好適に用いられる。
その理由は加水分解後および成形工程中に、比較的に低
い温度の熱処理で速やかに溶液中からアルコールを除去
できるからである。加えるアルコールの量は、モル比で
表して、(A)成分と(B)成分の合計に対して0.3
〜5倍が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5倍で
ある。
【0028】この原溶液には(A)成分および(B)成
分を加水分解するための触媒が添加される。触媒として
は酸触媒が好ましく用いられ、酸触媒には、蟻酸、酢
酸、テトラフロロ酢酸、プロピオン酸、しゅう酸、塩
酸、硝酸、硫酸のうち少なくとも一つの酸を水溶液の形
で用いることが好ましい。添加する酸触媒の量は、酸の
種類およびプロトン酸としての強さ(弱酸、強酸)によ
って異なるが、少なすぎると加水分解および脱水縮合反
応の進行が遅くなり、多すぎると縮合反応が進みすぎて
分子量が大きくなりすぎ、沈殿物や塗布液のゲル化が生
じやすくなるので好ましくない。前記膜形成用液が、そ
の中にそのまま未加水分解物の形態にある前記シラン化
合物(A)および(B)を、前記原溶液中の前記シラン
化合物(A)および(B)の含有量に対して、0.5〜
40重量%および0.5〜60重量%の量でそれぞれ含
有させるためには、これらの酸触媒の中で、弱酸である
有機酸が好ましく用いられる。有機酸の中で、特に蟻酸
が、分子量が小さく蒸発しやすいので好ましく用いられ
る。添加する酸触媒の量は、例えば、酸触媒として蟻酸
を用いる場合については、モル比で表して、(A)成分
と(B)成分および/または(C)成分の合計を1モル
とした場合、0.5ミリモル〜5ミリモルが好ましく、
より好ましくは0.7ミリモル〜2ミリモルである。ま
た、水は加水分解に必要な化学量論比以上加えることが
好ましい。水の添加量が化学量論比より少ないとゲル化
のための熱処理時に未反応のシラン化合物(A)および
(B)が揮発しやすくなるからである。通常、水の添加
量は、触媒水溶液の水も含めて、必要な化学量論比の
1.1〜30倍であり、モル比で表して、(A)成分と
(B)または/および(C)成分の合計に対して2〜2
0倍が好ましく、より好ましくは3〜10倍である。な
お、本発明の凹凸表面を有する物品が各種メモリーその
他の電子回路に近接して用いられる場合には、本発明の
物品中に塩素が含有しているとこれら電子回路の寿命を
低下させるおそれがあるので、上記酸触媒として塩素を
含まないものを使用することが好ましい。
【0029】本発明において、ゾルゲル材料の原料であ
る膜形成用液は、(A)成分、(B)成分、アルコール
溶媒、水および触媒からなる原溶液を、例えば室温で、
20〜120分間、撹拌しながら保持して両アルコキシ
シランを加水分解させて調製される。その後、さらに室
温(20℃)〜60℃、より好ましくは30〜50℃
で、1〜20時間保持して脱水による重縮合反応を進行
させることが好ましい。これにより、成膜後の収縮をで
きるだけ抑制して膜のクラック発生を防止するととも
に、最終加熱時に膜中に気泡を生じさせることなく硬化
膜を形成できる。この脱水による重縮合反応を進めすぎ
ると、溶液の粘度が高くなり過ぎて成形型または基材表
面への被覆が困難となる。また逆に脱水による重縮合反
応を進め方が不足すると、塗布時に基板に対して塗布液
のはじきが起こったり、最終加熱時の膜中の気泡発生を
防止できなくなる。溶液の粘度が10cP以下になるよ
うに温度、保持時間を選択することにより、脱水による
重縮合反応の進め方を調節することが好ましい。
【0030】本発明において、上記脱水による重縮合反
応を進める前後の溶液に、界面活性剤、レベリング剤、
フローコントロール剤を、塗布液の総量に対し、重量基
準で、好ましくは5%以下、より好ましくは0.001
〜0.5%、さらに好ましくは0.001〜0.1%、
添加してもよい。上記添加により、塗布時における膜の
欠点を改善することができる。
【0031】上記界面活性剤、レベリング剤、フローコ
ントロール剤としては、シリコーン化合物、フッ素化シ
リコーン化合物などの化合物が好ましく用いられる。
【0032】以上のようにして得られたゾルゲル材料を
物品基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、加
熱して、前記成形型の表面形状を反転させた形状の表面
を有するゲル膜が被覆された、凹凸表面を有する物品が
製造される。この微小凹凸膜を成形するプロセスとして
は、代表的に下記の方法を挙げることができる。
【0033】ゲル膜の成形方法は膜形成用液を基板表面
に、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印
刷法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、メニスカス
コート法などのコーティング方法により均一な膜厚を有
する膜を形成し、加熱してその液膜が可塑性を持った時
に成形型を物品基板表面の膜に押し当て、そのままの状
態で加熱し、転写成形後、成形型を離型し、最終加熱を
実施する方法である。すなわち、物品基材の被覆すべき
表面を水平に保ち、粘度が10cP以下の液状のゾルゲ
ル材料をその基材の上に注いで所定の厚みになるように
ゾルゲル材料を基材上にスピンコート法、ディップコー
ト法などにより膜状に広げる(工程1)。その状態で、
60〜80℃で10〜120分間保持して、脱水による
重縮合反応を進ませる(工程2)。ついで微小な凹凸形
状を有する成形型を膜状のゾルゲル材料の上に押し当て
て圧力0.5〜120kg/cm2、温度60℃〜80℃
で60秒〜60分間保持して、ゾルゲル材料の脱水によ
る重縮合反応をほぼ完了させてゲル化させる(工程
3)。そして成形型を引き剥がすことにより、成形型の
凹凸形状を反転させた凹凸形状を表面に有するゲル化膜
であるポリシロキサン膜が基材の表面に接合された状態
で形成される(工程4)。ついでこれを例えば180〜
350℃で10〜150分間最終加熱することにより、
ポリシロキサン膜の残留シラノール基を重縮合させると
ともに、この重縮合で発生した水分を気化させて、膜は
厚み方向にわずかに体積収縮して緻密な膜となる(工程
5)。このようにして成形型の表面形状を反転させた形
状の表面を有する膜が被覆された、凹凸表面を有する物
品が得られる。なお工程2〜4のうち少なくとも一つの
工程は、減圧下で行ってもよい。
【0034】上記成形型については、例えば表面が平坦
なガラス基板の表面を精密にエッチングして、目的とす
る形状の、例えば凹型を形成する。これを種型として、
無電解および電解めっき法で凸型の金属母型を作製でき
る。また上記凹型を母型として、上記めっき法で凸型の
金属種型を作製し、さらにこの種型に上記めっき法で、
凹型の金属母型を作製できる。これら凸型または凹型の
母型を、成形型として用いることができる。なお上記の
めっき法ではニッケル、クロム等の金属が好ましく用い
られる。
【0035】本発明におけるポリシロキサン膜はその断
面において、1個または複数の山形、鋸歯形、円弧、ま
たは楕円弧等の形状を有するものである。この凸部の形
状を変えることにより、基材に様々な機能を付与するこ
とができる。例えば微細凹凸形状の変更によりグレーテ
ィングとしての機能や平板マイクロレンズアレイとして
の機能やプリズムアレイとしての機能を付与することが
できる。
【0036】このポリシロキサン膜の厚み(最終加熱
後)は膜の凸部と凹部の平均高さで表して0.5μm〜
5.0mmである。膜厚が0.5μm以上の場合、その
膜厚の最小値dmin(凹凸膜の凹部底部と基材との距
離)と最大値dmax(凹凸膜の凸部頂上と基材との距
離)の比が0.25以上、すなわちdmin/dmax≧0.
25であることが、基材と膜との剥離防止および膜の亀
裂防止のために望ましい。膜厚の最小値と最大値の比
(最小値/最大値)が0.25未満の場合には、膜の成
形過程において、膜厚が最小の部分で基板と膜が界面で
剥離したりあるいは膜に亀裂を生じやすいからである。
さらにdmaxおよびdminは下記数式(1)〜(3)のす
べてを満たすことが好ましく、さらに下記数式(4)〜
(6)のすべてを満たすことがさらに好ましい。
【0037】
【数10】 0.5μm≦(dmax−dmin)≦1.5μm (1)
【数11】 dmax≦5μm (2)
【数12】 dmin≧0.5μm (3)
【数13】 0.6μm≦(dmax−dmin)≦1.1μm (4)
【数14】 dmax≦4μm (5)
【数15】 dmin≧0.5μm (6)
【0038】前記原溶液として、メチルトリアルコキシ
シランを(A)成分として含有し、(A)成分1モルに
対して(B)成分を、0.05〜0.5モルの割合で含
有するものを用いる場合、得られる凹凸表面を有する物
品の凹凸膜は、下記化学式(4)で表されるメチルシリ
ル基(D)および下記化学式(5)で表されるおよびシ
ロキシ基(E)を、(E)成分1モルに対して(D)成
分を2〜20モルの割合で含有する。
【化11】CH3SiO3/2 (4)
【化12】SiO4/2 (5)
【0039】このようにして、本発明によれば、350
℃に耐える耐熱性に優れ、膜厚が0.5μm〜5μm
で、一般のガラスの屈折率に近い1.440〜1.46
0の屈折率を有し、微細な凹凸形状を持つオルガノポリ
シロキサンからなる単一層の膜が物品基材に形成され
る。この膜を構成するオルガノポリシロキサンはアルキ
ル基例えばメチル基を11〜21重量%含有している。
この膜は基板との密着性が強く、膜の強度が高く膜に亀
裂が発生し難い。そして膜の内部には成型時の発泡は認
められず、膜表面の微細凹凸形状の寸法精度がきわめて
高い優れた転写性が実現できる。具体的には、例えば高
さが2μmの凸部を多数形成する場合、膜表面凸部の高
さのばらつきは、0.2μm以下である。また膜表面の
凸部間隔の成形型からのズレは測定精度(0.2μm)
以下である。本発明による凹凸表面を有する物品は耐熱
性が優れているので、例えば本発明により製造された回
折格子を、樹脂製の回折格子の成形型としても使用する
ことができる。
【0040】この発明に用いる物品基材としては、平板
状、曲板状、棒状等の任意の形状のものが用いられる。
基材として200℃と20℃における基材表面の反り量
(基材の表面方向の単位長さあたりのその表面に垂直な
方向の熱変形長さ)が1cmあたり±5μm以内である
ことが望ましい。反り量がこの範囲を超えると膜の成形
過程において基板と膜が界面で剥離もしくは膜に亀裂を
生じるおそれがあるので、基材の材料、寸法、形状を選
ぶことが好ましい。
【0041】また、この基材は1.5×10-5/℃以下
の線膨張率を有することが好ましい。基材の線膨張率が
1.5×10-5/℃を超えると、例えばポリプロピレン
(9〜15×10-5/℃)のような高い熱膨張係数を有
するプラスチックス基材の場合、オルガノポリシロキサ
ン膜の成形過程において基材と膜が界面で剥離したり、
膜に亀裂を生じるからである。通常の無機ガラスは1.
5×10-5/℃以下の線膨張率を有する。また基材の少
なくとも表面は酸化物であることが好ましい。もしオル
ガノポリシロキサン膜と接する基材表面が酸化物でない
場合、膜の成形過程において付着強度が小さくなる傾向
があり、場合によっては基材と膜が界面で剥離を生じる
こともある。好ましい基材の材質の例として、珪酸塩系
ガラス、ホウ酸系ガラス、リン酸系ガラス等の酸化物ガ
ラス、石英、セラミックス、金属、エポキシ樹脂、ガラ
ス繊維強化ポリスチレンなどを挙げることができる。金
属はそのままではオルガノポリシロキサン膜が接合しな
いが、あらかじめ金属の表面を酸化剤で処理しておけば
基材として好適に使用することができる。
【0042】また本発明における基材として、所望の波
長の光、例えば可視域、紫外域、または赤外域の光に対
して透明な物体が用いられる場合、本発明の凹凸表面を
有する物品は、回折格子(レリーフ型回折格子およびブ
レーズド回折格子)、レンズ、プリズムなどの透過型光
学素子としての機能を発揮することができる。また、基
材として透明体または不透明体を使用する場合は、膜の
上に金属(アルミニウム、銀、等)や誘電体膜(フッ化
マグネシウム、酸化チタン等)を形成するなどして反射
型回折格子、フレネルリフレクタ等の反射型光学素子、
CD−ROMその他の情報記録媒体としての利用が適当
である。
【0043】本発明における凹凸表面を有する物品が回
折格子である場合、この回折格子はその他の光学素子と
組み合わせて、集積光学装置としても使用できる。例え
ば光通信、特に高密度多重化/多重分離化用波長モニタ
モジュールにおける波長分離光学素子として使用でき
る。高密度波長分割多重化(DWDM)技術は、複数の
信号を単一光路上に同時に伝送する技術であり、光ファ
イバ通信システムにおいて、経費を大きく増大せずに、
通信容量を増大できるため、きわめて重要な技術であ
る。すなわち、光ファイバで搬送できる通信チャンネル
数を増大することにより、システム容量を増大できる。
光通信に用いられている信号は、波長が1.55μmお
よび1.3μmの光が用いられている。これらの波長の
光を高効率で回折しかつ波長分解能の優れた回折格子が
好ましく用いられる。本発明の方法を用いて製造された
回折光学素子については、耐熱性、耐環境性に優れてい
るため、高精度が要求される微小光学素子として好まし
く用いられる。本発明の回折格子を高密度多重化/多重
分離化用波長モニタモジュールとして用いる場合につい
ては、光ファイバ、コリメータレンズ、感光性半導体素
子などと組み合わせて用いられる。またコリメータレン
ズと回折格子の間に偏光フィルタ、偏波コンバータを挿
入することにより、偏光特性の改善された集積光学素子
を作製することができる。またコリメーターレンズとア
レイ状感光性半導体素子との間に、アレイ状のマイクロ
レンズを、アレイ状感光性半導体素子に接するように配
置してもよい。このアレイ状のマイクロレンズはNSG
America,Inc.によって「PML」(商品名)として市
販されている。このようなレンズを用いることにより、
アレイ状感光性半導体素子の隣接クロストークを小さく
することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。本発明の製造方法は、概略以下の
(1)、(2)、(3)および(4)手順で順次行われ
る。(1)オルガノポリシロキサン塗布液の調製、
(2)基材への塗布液の塗布および熱処理、(3)接
合、熱処理および離型、(4)最終加熱(焼成)。
【0045】[膜形成用塗布液(溶液A1、A2、A
3、A4、A5およびA6)の調製]メチルトリエトキ
シシラン0.09モル(16.0g)とテトラエトキシ
シラン0.01モル(2.08g)をビーカーに入れ撹
拌した。この液にエタノール0.1モルを加えそして撹
拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%
になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、
0.5時間撹拌した(溶液A1)。この溶液をオーブン
内にて40℃で1時間加熱した(溶液A2)。これを1
晩室温で静置した(溶液A3)。これをさらに6日間室
温で静置した(溶液A4)。
【0046】メチルトリエトキシシラン0.08モル
(14.3g)とテトラエトキシシラン0.02モル
(4.16g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエ
タノール0.1モルを加えそして撹拌し、水0.4モル
(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解し
た水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した
後、この溶液をオーブン内にて40℃で1時間加熱した
(溶液A5)。これを1晩室温で静置した(溶液A
6)。
【0047】[膜形成用塗布液(溶液B1、B2、B
3、およびB4)の調製]メチルトリエトキシシラン
0.09モル(16.0g)とテトラエトキシシラン
0.01モル(2.08g)をビーカーに入れ撹拌し
た。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水
0.4モル(7.3g)に塩酸を0.1重量%になるよ
うに溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間
撹拌した(溶液B1)。これをさらに6日間室温で静置
した(溶液B2)。
【0048】メチルトリエトキシシラン0.09モルと
テトラエトキシシラン0.01モルをビーカーに入れそ
して撹拌した。この液にエタノール0.4モルを加えそ
して撹拌し、水0.4モル(7.3g)に塩酸を0.1
重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加
え、0.5時間撹拌した(溶液B3)。これをさらに6
日間室温で静置した(溶液B4)。
【0049】[膜形成用塗布液(溶液C1、C2、C
3、およびC4)の調製]メチルトリエトキシシラン
0.09モルと「エチルシリケート40」の0.01モ
ル[縮合体はテトラエトキシシランに換算](テトラエ
トキシシラン換算、1.53g)をビーカーに入れ撹拌
した。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水
0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるよ
うに溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間
撹拌した(溶液C1)。この溶液をオーブン内にて40
℃で1時間加熱した(溶液C2)。これを1晩室温で静
置した(溶液C3)。これをさらに2日間室温で静置し
た(溶液C4)。
【0050】[膜形成用塗布液(溶液D1、D2、D
3、およびD4)の調製]テトラエトキシシラン0.0
1モル(2.08g)をビーカーに入れ、この液にエタ
ノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3
g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液
を、さらにこれに加え、60℃で0.5時間撹拌した。
この液にメチルトリエトキシシラン0.09モル(1
6.0g)を加え、オーブン内にて40℃で1時間加熱
した(溶液D1)。これを1晩室温で静置した(溶液D
2)。これをさらに2日間室温で静置した(溶液D
3)。これをさらに3日間室温で静置した(溶液D
4)。
【0051】[膜形成用塗布液(溶液E1)の調製]メ
チルトリエトキシシラン0.09モル(16.0g)を
ビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モ
ルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を
0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこ
れに加え、60℃で0.5時間撹拌した。この液にテト
ラエトキシシラン0.01モル(2.08g)を加え、
オーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液E1)。
【0052】[膜形成用塗布液(溶液F1)の調製]フ
ェニルトリエトキシシラン0.05モル(12.02
g)とテトラエトキシシラン0.05モル(10.4
g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール
0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に
蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さ
らにこれに加え、0.5時間撹拌した。この溶液をオー
ブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液F1)。
【0053】上記溶液A1〜A6,B1〜B4、C1〜
C4、D1〜D4、E1およびF1の中の未加水分解物
の量を測定し、溶液の原料中の前記シラン化合物(A)
(メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン)および(B)(テトラエトキシシラン、「エチル
シリケート40」)の各モル数に対して、溶液中で、加
水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物
(A)および(B)の割合を計算して、未加水分解物量
(%)とした。加水分解せずにそのまま残っている上記
シラン化合物(A)、(B)とは、シラン化合物の中の
複数の加水分解性基が全く加水分解していないものを指
し、加水分解性基の一つでも加水分解しているシラン化
合物は除外している。未加水分解物量の測定はガスクロ
マトグラフィーにより行った。なお、上記膜形成用塗布
液の縮合体の分子量(重量平均)は、ゲル濾過クロマト
グラフィーを用いて、分子量が既知のポリスチレンで検
量線を作成してポリスチレン換算の重量平均分子量とし
て算出することによって行った。
【0054】[基材への溶液の塗布、プレスおよび熱処
理]上記膜形成用塗布液をスピンコート法で石英ガラス
基板上に塗布し、60℃のホットプレート上で20分間
乾燥し、この乾燥ゲル膜に成形型を押し当て、2kg/
cm2のプレス圧力でプレスしながら、60℃で30
分、減圧下で加熱処理を実施した。その後、離型した。
その結果、成形型の形状を転写した微細凹凸板が得られ
た。
【0055】[最終加熱]離型して得られた微細凹凸板
を350℃で15分間加熱して、凹凸表面を有する物品
が得られた。得られた凹凸表面を有する物品を下記の方
法で性能および特性を評価した。
【0056】[凸部高さのばらつき測定]最外層の凸部
高さのばらつき測定は、レーザ顕微鏡による高さ測定に
より実施した。
【0057】[耐熱性、光学特性測定]実施例および比
較例で製造した凹凸表面を有する物品について、350
℃で2時間保持する耐熱試験を行った後、室温に戻し
て、亀裂(クラック)の発生の有無を観察して耐熱性を
評価した。また、He−Neレーザを用いて、回折格子
の回折パターンを、耐熱試験の前後で測定し、評価し
た。
【0058】[実施例1]ガラス基板として厚み3.0
mmで2.5cm角の石英ガラスの基板(線膨張率:
1.0×10-5/℃)を準備した。また成形型として樹
脂製ブレーズド回折格子(ピッチ1.1μm、溝深さ
0.8μm、鋸歯状、表面にCr/Auコーティング膜
を有する。平均厚み約50μm)を準備した。その溝断
面形状を図1に示す。使用する膜形成用塗布液A2中
の、加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合
物(A)および(B)の割合、および塗布液A2中の縮
合体の分子量を表1に示す。上記基板上に、0.5ml
の膜形成用塗布液A2を滴下し、500rpmの回転速
度でスピンコーティングを行った。これを60℃に加熱
したホットプレート上で15分間乾燥し、上記成形型を
ゾルゲル材料の上に押し当てて圧力50kg/cm2
温度60℃で90分間減圧下で保持した。そして常圧に
戻して成形型を引き剥がした。ついでこれを350℃で
20分間最終加熱することにより、石英ガラスの基板の
上に、成形型の表面形状を転写した表面形状を有するオ
ルガノポリシロキサン凹凸膜が被覆されたブレーズド回
折格子が得られた。そしてこのオルガノポリシロキサン
凹凸膜は、前記化学式(4)で表されるメチルシリル基
(D)および前記化学式(5)で表されるおよびシロキ
シ基(E)を、(E)成分1モルに対して(D)成分を
9モルの割合で含有していた。
【0059】
【表1】 ────────────────────────────── 実施例 塗布液 触媒 未加水分解物量(%) 分子量 ────────────────────────────── シラン化合物 (A) (B) ────────────────────────────── 実施例1 A2 蟻酸 20 50 700 実施例2 A3 蟻酸 2 10 1000 実施例3 C1 蟻酸 15 55 1300 実施例4 C2 蟻酸 10 40 1450 実施例5 C3 蟻酸 5 22 1500 実施例6 C4 蟻酸 1 5 1600 実施例7 D1 蟻酸 23 8 1000 実施例8 D2 蟻酸 5 6 1200 実施例9 D3 蟻酸 2 5 1400 実施例10 D4 蟻酸 1 3 1400 実施例11 A5 蟻酸 20 50 700 実施例12 A6 蟻酸 2 10 1000 実施例13 F1 蟻酸 3 10 1500 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 A1 蟻酸 65 85 300未満 比較例2 A4 蟻酸 0.0 0.0 2000 比較例3 B1 塩酸 0.0 0.0 2100 比較例4 B2 塩酸 0.0 0.0 2300 比較例5 B3 塩酸 0.0 0.0 2600 比較例6 B4 塩酸 0.0 0.0 3000 比較例7 E1 蟻酸 0.0 95 1000 ──────────────────────────────
【0060】以上のようにして作製したオルガノポリシ
ロキサン膜は透明であり、凸部分の膜厚み(dmax
3.0μmであった。また凹部分の膜厚み(dmin
2.2μmであった。dmaxおよびdminは、 0.6μm≦(dmax−dmin=0.8μm)≦1.1μm (dmax=3.0μm)≦4.0μm (dmin=2.2μm)≧0.5μm となり、前述の式(4)、(5)、(6)の範囲を満足
した。
【0061】膜形成用塗布液A2をスピンコーティング
する際に基板上に滴下した塗布液は、表2に示すように
液はじきはなかった。また成形型を引き剥がす際に、表
2に示すように、膜剥がれは生じなかった。この回折格
子の耐熱性評価(350℃加熱急冷試験)を行った結
果、表2に示すように、膜中に亀裂(クラック)は発生
せず、外観、および、膜の凸部の高さ、その標準偏差、
および回折パターンは耐熱試験前の値に比して変化は見
られなかった。
【0062】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例 塗布液番号 スピンコート プレス成形 350℃加熱急冷試験 ──────────────────────────────────── 実施例 1 A2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 2 A3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 3 C1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 4 C2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 5 C3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 6 C4 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 7 D1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 8 D2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 9 D3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 10 D4 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 11 A5 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 12 A6 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 13 F1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし 比較例 1 A1 液はじきあり 膜剥がれなし クラックあり 2 A4 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能 3 B1 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能 4 B2 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能 5 B3 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能 6 B4 液はじきなし 膜剥がれあり クラックあり 7 E1 液はじきあり 膜剥がれあり 評価不可能 ────────────────────────────────────
【0063】[実施例2〜13]実施例1で用いた膜形
成用塗布液A2に代えて、膜形成用塗布液A3,A5,
A6、C1〜C4、D1〜D4、F1を用いた以外は実
施例1と同様に行った。各膜形成用塗布液中の、加水分
解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)お
よび(B)の割合、および塗布液中の縮合体の分子量を
表1に示す。またスピンコートの際の液はじき、プレス
成形の際の膜剥がれ、および回折格子の耐熱性は表2に
示すように、実施例1と同じく、液はじきはなく、膜剥
がれもなく、耐熱性も良好であり、また、外観、およ
び、膜の凸部の高さ、その標準偏差、および回折パター
ンは耐熱試験前の値に比して変化は見られなかった。
【0064】[実施例14]図2に示す溝断面形状を有
する樹脂製ブレーズド回折格子(ヒ゜ッチ1.1μm、溝深
さ0.8μm、鋸刃状溝断面形状は連続した曲面からな
っており、凹部底は約0.3μmの平坦部分を有する。
表面にCr/Auコーティング膜を有する。平均厚み約
50μm)を準備する。実施例1において成形型として
使用した樹脂製ブレーズド回折格子に代えて図2に示す
樹脂製ブレーズド回折格子を使用し、実施例1において
使用した膜形成用塗布液A2に代えて塗布液A5を使用
した他は、実施例1と同様にして基材への溶液の塗布、
プレスおよび熱処理ならびに最終加熱をおこなって、凹
凸表面を有する物品が得られた。使用した成形型の断面
形状が実施例1での成形型に比して、曲面が多く凹部底
に平坦部分を有するために、成形型の離型作業が容易で
あった。得られた凹凸表面を有する物品について、実施
例1と同様に耐熱性および光学特性を測定したところ、
実施例1と同じく、膜中に亀裂(クラック)は発生せ
ず、外観、および、膜の凸部の高さ、その標準偏差、お
よび回折パターンは耐熱試験前の値に比して変化は見ら
れなかった。
【0065】[比較例1〜7]実施例1で用いた膜形成
用塗布液A2の代わりに膜形成用塗布液A1、A4、B
1〜B4、およびE1を用いた他は実施例1と同じ基板
および成形型を用いて実施例1に記載の方法で微細凹凸
板を形成した。各膜形成用塗布液中の、加水分解せずに
そのまま残っている上記シラン化合物(A)および
(B)の割合、および塗布液中の縮合体の分子量を表1
に示す。またスピンコートの際の液はじきの有無、プレ
ス成形の際の膜剥がれの有無、および回折格子の耐熱性
は表2に示す。
【0066】表2に示すように、比較例1,7では、ス
ピンコートの際の液はじきが発生し、比較例2〜6では
プレス成形の際の膜剥がれが発生した。また比較例1,
6では耐熱性試験の冷却中に膜にクラックが発生し、膜
の一部が剥離し、凹凸寸法の評価を行うことはできなか
った。この基板の耐熱性評価を行った結果、膜中の亀裂
がさらに大きくなって膜が部分的にさらに剥離した。従
って耐熱試験後の膜の凸部の高さ、その標準偏差は測定
できない程度であり、回折パターンは耐熱試験前に比し
て大きな変化を示した。また比較例2〜5、7では、膜
が成形型に強く付着し、離型作業に手間がかかった。ま
た、離型後の膜の大部分が成形型の方に付着してしまっ
て、ガラス基板上に殆ど膜が残っていない状態であり、
その後の評価ができなかった。
【0067】[実施例15]表面にスパッタリング法で
厚さ5nmのアルミニウム膜を成膜した実施例1で得ら
れた回折格子を用いて、波長分割多重通信システム用波
長モニタモジュールを作製した。光ファイバアレイ、コ
リメータレンズ、本発明の回折格子の順に各光学素子を
配列した。コリメータレンズは、その焦点面にファイバ
アレイが位置するように配置させた。光ファイバアレイ
から出てくる16チャンネルに多重化された光信号は、
コリメータレンズによって平行光線となり回折格子表面
に照射された。この照射光は1.55μmの波長の光を
選択的にブレーズする様な角度に設置された回折格子表
面で、16チャンネルの各波長に応じた回折角度に多重
分離化されて反射された。この反射回折光は、コリメー
タレンズを通り、16個の配列された感光性半導体素子
上に、各チャンネル毎に集光された。入射光の挿入損失
は5dB、隣接チャンネルクロストークは15dBであ
り、波長分割多重通信システム用波長モニタモジュール
光学集積素子として十分に機能した。また挿入損失値、
クロストーク値は、0〜85℃の温度範囲で大きくその
値が変わることはなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、塗布時の液はじきなど
による欠点の少なく、ゲル膜形成時のクラックの入りに
くく、しかも膜の中にアルキル基例えばメチル基が適度
に残存して膜の弾力性に富み(脆性が少ない)、膜の強
度が高く膜に亀裂が発生し難い光学素子その他の凹凸表
面を有する物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に使用する成形型の溝形状
を示す断面図。
【図2】 本発明の他の実施例に使用する成形型の溝形
状を示す断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(1)で表されるシラン化合
    物(A)、下記化学式(2)で表されるシラン化合物
    (B)、および触媒を含有する原溶液を加水分解および
    脱水縮合反応させてなる膜形成用液を、基材と成形型と
    の間に密着させて膜状に配置し、ついで加熱して前記成
    形型の表面形状を反転させた形状の表面を有する凹凸膜
    が基材表面に被覆された、凹凸表面を有する物品の製造
    方法において、前記膜形成用液が、その中にそれぞれ未
    加水分解物の形の前記シラン化合物(A)および(B)
    を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)および
    (B)の含有量に対して、それぞれ0.5〜40重量%
    および0.5〜60重量%の量で含有し、そして、前記
    膜形成用液中の、前記脱水縮合反応の結果生成された縮
    合体が300〜1900の重量平均分子量を有すること
    を特徴とする凹凸表面を有する物品の製造方法。 【化1】RSiX3 (1) ここでRは非加水分解性の有機基であり、そしてXは加
    水分解性基である。 【化2】SiX'4 (2) ここでX'は加水分解性基である。
  2. 【請求項2】 前記触媒は有機酸である請求項1記載の
    凹凸表面を有する物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機酸は蟻酸である請求項2記載の
    凹凸表面を有する物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記原溶液が前記(A)成分および
    (B)成分を、(A)成分1モルに対して(B)成分を
    0.05〜1モルの割合で含有する請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原溶液は、前記(A)成分、前記
    (B)成分、アルコール、水および触媒を含み、そして
    前記膜形成用液は、この原溶液を撹拌しながら加水分解
    させ、そして加熱して脱水縮合反応を進行させて調製し
    ものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸表
    面を有する物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記原溶液が、前記(B)成分の一部ま
    たは全部を、(C)下記化学式(3)、 【化3】 ここでX''は加水分解を受けるアルコキシル基またはハ
    ロゲン原子であり、nは1〜10の整数である、で表さ
    れるシラン化合物により、前記(B)成分1モルに対し
    て1/(n+1)モルの割合で、置換させたものである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸表面を有する
    物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(C)成分が上記化学式(3)中の
    X''がアルコキシル基であるシラン化合物である請求項
    6に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記(A)成分の式(1)中のXおよび
    (B)成分の式(2)中のX'がともにアルコキシル基
    である請求項1〜7のいずれか1項に記載の凹凸表面を
    有する物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記(A)成分はメチルトリエトキシシ
    ランであり、前記(B)成分はテトラエトキシシランで
    ある請求項1〜8のいずれか1項に記載の凹凸表面を有
    する物品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    凹凸表面を有する物品の製造方法によって製造された物
    品。
  11. 【請求項11】 前記凹凸膜が、下記数式(1)〜
    (3)のすべてを満たす、最大膜厚dmax(凹凸膜の凸
    部頂上と基材との距離)および最小膜厚dmin(凹凸膜
    の凹部底部と基材との距離)を有する請求項10記載の
    物品。 【数1】 0.5μm≦(dmax−dmin)≦1.5μm (1) 【数2】 dmax≦5μm (2) 【数3】 dmin≧0.5μm (3)
  12. 【請求項12】 前記凹凸膜が、下記数式(4)〜
    (6)のすべてを満たす、最大膜厚dmax(凹凸膜の凸
    部頂上と基材との距離)および最小膜厚dmin(凹凸膜
    の凹部底部と基材との距離)を有する請求項10記載の
    物品。 【数4】 0.6μm≦(dmax−dmin)≦1.1μm (4) 【数5】 dmax≦4μm (5) 【数6】 dmin≧0.5μm (6)
  13. 【請求項13】 前記凹凸膜が、下記化学式(4)で表
    されるメチルシリル基(D)および下記化学式(5)で
    表されるおよびシロキシ基(E)を、(E)成分1モル
    に対して(D)成分を2〜20モルの割合で含有する請
    求項10〜12のいずれか1項に記載の物品。 【化4】CH3SiO3/2 (4) 【化5】SiO4/2 (5)
  14. 【請求項14】 前記物品がレリーフ型回折格子である
    請求項10〜13のいずれか1項に記載の物品。
  15. 【請求項15】 前記物品がブレーズド回折格子である
    請求項10〜13のいずれか1項に記載の物品。
  16. 【請求項16】 請求項14記載のレリーフ型回折格
    子、または15に記載のブレーズド回折格子を用いてな
    る波長分割多重通信システム用波長モニタ。
  17. 【請求項17】 ガラス基板の表面上に、下記数式
    (1)〜(3)のすべてを満たす、最大膜厚dmax(凹
    凸膜の凸部頂上と基材との距離)および最小膜厚dmin
    (凹凸膜の凹部底部と基材との距離)を有しかつ塩素を
    含有しないオルガノポリシロキサン凹凸膜が形成され、
    前記凹凸膜は、下記化学式(4)で表されるメチルシリ
    ル基(D)および下記化学式(5)で表されるおよびシ
    ロキシ基(E)を、(E)成分1モルに対して(D)成
    分を2〜20モルの割合で含有する凹凸表面を有する回
    折格子。 【数7】 0.5μm≦(dmax−dmin)≦1.5μm (1) 【数8】 dmax≦5μm (2) 【数9】 dmin≧0.5μm (3) 【化6】CH3SiO3/2 (4) 【化7】SiO4/2 (5)
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