JP2001068400A - 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置

Info

Publication number
JP2001068400A
JP2001068400A JP24235299A JP24235299A JP2001068400A JP 2001068400 A JP2001068400 A JP 2001068400A JP 24235299 A JP24235299 A JP 24235299A JP 24235299 A JP24235299 A JP 24235299A JP 2001068400 A JP2001068400 A JP 2001068400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
absorbing substance
exposure
concentration
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24235299A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Aoki
貴史 青木
Soichi Yamato
壮一 大和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP24235299A priority Critical patent/JP2001068400A/ja
Publication of JP2001068400A publication Critical patent/JP2001068400A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く正確に短時間で吸光物質の濃度等を
検出することができる吸光物質検出方法、並びにこれを
備えた露光方法及び露光装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 露光装置1Aは、光路空間LSを通過す
る露光光ELの強度に関する情報を計測する計測器10
と、この計測器10に接続された算出部100と、算出
部100の算出結果に基づき露光装置1Aを制御する制
御部9とを備えている。算出部100は計測器10の計
測結果に基づいて光路空間LSの吸光物質の濃度を算出
し、制御部9はこの濃度に応じて基板WへのマスクMの
パターンの像の転写を行うか否かを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸光物質検出方
法、並びに露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子や薄膜磁気ヘッド
あるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製
造する場合に種々の露光装置が使用されているが、フォ
トマスクあるいはレチクル(以下、「マスク」という)
に形成されたパターンの像を、表面にフォトレジスト等
の感光剤を塗布された基板上の各露光領域(ショット領
域)に投影光学系を介して投影する露光装置が一般的に
使用されている。
【0003】このような露光装置において、基板上のシ
ョット領域に投影されるパターンの形状の微細化に伴
い、使用される露光用照明光(以下、「露光光」とい
う)は短波長化される傾向にある。すなわち、これまで
主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレー
ザー(248nm)を用いた露光装置が使用されるよう
になり、さらに短波長のArFエキシマレーザー(19
3nm)を用いた露光装置が実用化されつつある。ま
た、さらなるパターンの形状の微細化を目指してF2レ
ーザー(157nm)を用いた露光装置の開発も進めら
れている。
【0004】ところで、露光光が約180nm以下とい
った真空紫外線光の場合、露光光の通過する空間である
光路空間内に酸素分子、水分子、二酸化炭素分子などと
いった、かかる波長域の光に対し強い吸収特性を備える
物質(以下、「吸光物質」という)が存在していると、
露光光は減光され十分な強度で基板上に到達できない。
したがって、真空紫外線光を用いた露光装置は、露光光
の通過する光路空間の密閉性を高めて外部からの吸光物
質の流入を遮断するような構造となっているとともに露
光に際し光路空間内に存在する吸光物質を低減させる作
業を施される。
【0005】このように、真空紫外線光を用いた露光装
置において、十分な光量を有する露光光でマスクのパタ
ーンの像を基板上に転写するために、光路空間内の吸光
物質を低減させる作業が重要となる。この吸光物質を低
減する方法には、光路空間内を真空に引いて減圧状態に
維持する方法、真空に引いた後に露光光に対する吸収性
の少ない特性を有する物質(例えば、ヘリウム、アルゴ
ン、窒素などの不活性ガス)を充填する方法、真空引き
せずに前記のような不活性ガスを光路空間内に供給して
低減する方法、などが挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な吸光物質を低減させる場合、光路空間内の吸光物質の
濃度を検出し、この濃度に応じて吸光物質を低減させる
作業を行うことが効率的である。吸光物質の濃度を検出
するにあたり、従来では、例えば化学反応を利用した濃
度センサが用いられていた。しかしながら、このような
濃度センサは、通常、十分な応答速度を有しておらず、
短時間内に大きく変化する吸光物質濃度を正確に検出す
ることが容易ではない。
【0007】また、光路空間内に存在する吸光物質の分
布に偏りがある場合、光路空間内における露光光の吸収
が不均一になって、基板上における露光領域内の照度分
布が異なるといった問題が生じる。そのために、光路空
間内の吸光物質の分布を検出し、この検出結果に基づい
て分布の偏りを低減させる作業が有効となるが、従来で
は、光路空間における吸光物質の分布の偏りを検出する
ための有効な方法が無い。
【0008】さらに、光路空間内に存在する吸光物質の
種類を検出する場合には質量分析計などが用いられる
が、このような質量分析計は高価であるとともに分析に
ある程度の時間を必要とするので、作業性の低下及びコ
ストの上昇を招くことになる。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、効率良く正確に短時間で吸光物質の濃度等を
検出することができる吸光物質検出方法、並びにこれを
備えた露光方法及び露光装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は、実施の形態に示す図1〜図10に対応付け
した以下の構成を採用している。本発明の吸光物質検出
方法は、露光エネルギー発生源(21)からの露光エネ
ルギー(EL)のもとでマスク(M)のパターンの像を
基板(W)に転写する際、前記露光エネルギー発生源
(21)と前記基板(W)との間に形成される少なくと
も1つの空間(LS)内で、前記露光エネルギー(E
L)を吸収する吸光物質を検出する吸光物質検出方法に
おいて、前記露光エネルギー(EL)の通過する空間
(LS)に所定の光線(B、EL)を照射し、該空間
(LS)を通過した前記所定の光線(B、EL)の強度
に関する情報を計測し、この計測結果に基づいて前記空
間(LS)内の吸光物質の濃度を検出することを特徴と
する。
【0011】本発明によれば、空間(LS)内に照射さ
れる光線(B、EL)は、この空間(LS)内に存在す
る吸光物質の濃度に応じて吸収される。したがって、空
間(LS)内の吸光物質の濃度は、空間(LS)を通過
後の光線(B、EL)の強度に関する情報の計測結果に
基づいて検出することができる。このとき、吸光物質の
濃度の検出は、空間(LS)に光線(B、EL)を照射
するとともにこの空間(LS)を通過後の光線(B、E
L)の強度に関する情報に基づいて行われるので、短時
間で効率良く行われる。ここで、光線(B、EL)の強
度に関する情報とは、光線(B、EL)の照度(物体面
上に単位面積あたりに照らされる光の量)、光線(B、
EL)の光量(単位時間あたりに放射される光の量)を
含む。
【0012】また、異なる光路で複数の光線(B)を照
射するとともに、それぞれの光線(B)の強度に関する
情報を計測することにより、この計測結果に基づいて前
記空間内の吸光物質の分布を求めることができる。
【0013】前記空間(LS)に前記光線(B)とし
て、波長域の異なる複数の光線(B)を照射し、前記そ
れぞれの光線(B)の強度に関する情報を計測すること
により、この計測結果に基づいて前記空間(LS)に存
在する複数の吸光物質のそれぞれの濃度を検出すること
ができる。
【0014】本発明の露光方法は、マスク(M)に露光
光(EL)を照明することにより該マスク(M)に形成
されたパターンの像を基板(W)上に転写する露光方法
において、前記露光光(EL)の通過する光路空間(L
S)に所定の光線(B、EL)を照射し、該光路空間
(LS)を通過した前記所定の光線(B、EL)の強度
に関する情報を計測し、この計測結果に基づいて前記光
路空間(LS)内の吸光物質の濃度もしくは濃度分布を
検出し、前記転写状態を制御することを特徴とする。
【0015】本発明によれば、光路空間(LS)内に照
射される光線(B、EL)は、この光路空間(LS)内
に存在する吸光物質の濃度に応じて減光される。したが
って、光路空間(LS)内の吸光物質の濃度は、光路空
間(LS)を通過後の光線(B、EL)の強度に関する
情報の計測結果に基づいて検出することができる。この
とき、吸光物質の濃度の検出は、光路空間(LS)に光
線(B、EL)を照射するとともにこの光路空間(L
S)を通過後の光線(B、EL)の強度に関する情報に
基づいて行われるので、短時間で効率良く行われる。こ
のように、吸光物質の濃度もしくは濃度不均一性は短時
間で検出可能となるので、光路空間(LS)の状態を把
握しつつ露光処理を行うことが可能である。したがっ
て、生産性及び作業性は向上される。
【0016】上述のような露光方法は、マスク(M)に
露光光(EL)を照明することにより該マスク(M)に
形成されたパターンの像を基板(W)上に転写する露光
装置において、前記露光光(EL)の通過する光路空間
(LS)へ所定の光線(B、EL)を照射する照射部
(21、90、200、300、400)と、前記光路
空間(LS)を通過した所定の光線(B、EL)の強度
に関する情報を計測する計測器(10、201、30
1、401)と、この計測器(10、201、301、
401)の計測結果に基づき前記光路空間(LS)内の
吸光物質の濃度を求める算出部(100)と、この算出
部(100)の算出結果に基づき前記転写状態を制御す
る制御系(9)とを備えることを特徴とする露光装置に
よって行われる。
【0017】前記吸光物質の所定値以上の濃度もしくは
濃度不均一性を検出した場合、前記パターンの像の転写
を停止するとともに、前記光路空間(LS)内における
吸光物質の濃度もしくは濃度不均一性を低減させる作業
を行い、前記光路空間(LS)内における吸光物質の濃
度もしくは濃度不均一性が所定値以下になった後、前記
パターンの像の転写を開始することによって、パターン
の像の転写は適切な状態で行うことができる。したがっ
て、生産性及び作業性は向上される。
【0018】また、前記パターンの像を転写中に前記強
度に関する情報を計測することも可能であり、生産性及
び作業性は向上される。
【0019】前記計測器(10、201、301、40
1)を、前記露光光(EL)の光路上の複数箇所に該光
路に対して出入り可能に設けることにより、各箇所にお
ける光線の強度に関する情報を計測することができるの
で、その箇所における吸光物質の濃度や分布を独立して
計測することができる。
【0020】前記制御系(9)からの指示により駆動し
且つ前記光路空間(LS)内の吸光物質の濃度を低減さ
せるための吸光物質低減装置(R)を備えることによ
り、吸光物質の所定値以上の濃度を検出した場合には、
吸光物質の濃度を低減させる作業が行われる。したがっ
て、適切な状態でパターンの像の転写が行われるので、
生産性は向上される。
【0021】
【発明の実施の形態】《第1実施形態》以下、本発明の
一実施形態による吸光物質検出方法、並びに露光方法及
び装置を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明
の吸光物質の検出装置を備えた露光装置の第1実施形態
を説明するための概略構成図である。この露光装置1A
は、真空紫外域の露光用照明光(露光光)ELをマスク
Mに照明して、このマスクMのパターンの像を投影光学
系3を介して基板(ウェーハ)W上に転写するものであ
る。
【0022】図1において、露光装置1Aは、光源21
からの光束をマスクMに照明する照明光学系2と、この
照明光学系2内に配され露光光ELを通過させる開口S
の面積を調整してこの露光光ELによるマスクMの照明
範囲を規定するブラインド部4と、マスクMを収容する
マスク室5と、露光光ELで照明されたマスクMのパタ
ーンの像を基板W上に投影する投影光学系3と、基板W
を収容する基板室6と、基板Wに照射される露光光EL
の強度に関する情報を計測する計測器10と、計測器1
0に接続された算出部100と、露光装置1Aの動作全
体を制御する制御部(制御系)9とを備えている。
【0023】なお、この場合の露光光(光線)の強度に
関する情報とは、露光光(光線)の照度(物体面上に単
位面積あたりに照らされる量)、露光光(光線)の光量
(単位時間あたりに放射される量)を含む。本実施形態
では、計測器10は露光光(光線)の照度を計測するも
のとする。
【0024】光源21は、波長約120nm〜約180
nmの真空紫外線光を照明光学系2に射出するものであ
って、例えば発振波長157nmのフッ素レーザー(F
2 レーザー)、発振波長146nmのクリプトンダイマ
ーレーザー(Kr2 レーザー)、発振波長126nmの
アルゴンダイマーレーザー(Ar2 レーザー)などによ
って構成される。なお、光源21として、発振波長19
3nmのArFレーザーエキシマレーザー等を用いるこ
とが可能である。
【0025】照明光学系2は、光源21から射出し反射
鏡22によって導かれた光束のうち露光に必要な波長の
みを通過させる波長フィルタ23と、この波長フィルタ
23を通過した光束をほぼ均一な照度分布の光束に調整
して露光光ELに変換するフライアイインテグレータ2
4(ロッドレンズタイプであってもよい)と、この露光
光ELの大部分(例えば97%)をレンズ系26を介し
てブラインド部4に導くとともに残りの部分(例えば3
%)を光量モニター7に導くハーフミラー25と、ブラ
インド部4によって照明範囲を規定されレンズ系27を
透過した露光光ELをマスクMに導く反射鏡28とを備
えている。そして、これら各光学部材及びブラインド部
4は、密閉空間である照明系ハウジング20の内部に所
定位置関係で配置されている。この場合、ブラインド部
4はマスクMのパターン面と共役な面に配置されてい
る。
【0026】光量モニター7は光電変換素子からなって
おり、ハーフミラー25によって導かれる露光光ELの
一部分を光電変換し、この光電変換信号を制御部9に供
給するものである。制御部9は光源21の発光開始に伴
って、光量モニター7の出力に基づいて所定の演算によ
り基板W上の積算露光量を連続的に算出し、所定の積算
露光量(目標積算露光量)に達した時点で光源21の発
光を停止するいわゆるオープン露光量制御を行うように
なっている。すなわち、制御部9はこの光量モニター7
からの情報に基づいて光源21を駆動・停止させるよう
になっており、これによって基板Wに対する露光量(露
光光の照射量)が制御される。
【0027】なお、制御部9では、光量モニター7の出
力に基づき光源21で発光されるパルスエネルギーをパ
ルス発光毎に計測し、そのエネルギー変動を光源21に
フィードバックすることで、光源21の時間当たりの発
光量の変動を低減するようないわゆるパルス毎露光量制
御を行ってもよい。
【0028】ブラインド部4は、例えば、平面L字状に
屈曲し露光光ELの光軸AXと直交する面内で組み合わ
せられることによって矩形状の開口Sを形成する一対の
ブレードと、これらブレードを制御部9の指示に基づい
て光軸AXと直交する面内で変位させる遮光部変位装置
とを備えている。このとき、開口Sの大きさはブレード
の変位に伴って変化し、開口Sはフライアイインテグレ
ータ24から入射される露光光ELのうち、通過させた
露光光ELのみをレンズ系27に送る。開口Sにより規
定された露光光ELは、レンズ系27を介してマスク室
5に配されたマスクMの特定領域をほぼ均一な照度で照
明する。
【0029】マスク室5は、マスクMを真空吸着によっ
て保持するマスクホルダー51を備えている。このマス
ク室5は、照明系ハウジング20及び投影光学系3の投
影系ハウジング30と隙間無く接合された隔壁50によ
って覆われている。また、隔壁50の側壁部にはマスク
Mを搬入・搬出するための開口部が設けられており、こ
の開口部には開閉扉55が設けられている。開閉扉55
を閉じることによって、マスク室5は密閉されるように
なっている。マスク室5の隔壁50は、ステンレス(S
US)等の材質を用いて、研磨などの処理によって表面
粗さを低減させることにより、脱ガスの発生が抑制され
ている。
【0030】また、マスクホルダー51は、マスクM上
のパターンが形成された領域であるパターン領域に対応
した開口を有し、不図示の駆動機構によりX方向、Y方
向、θ方向(Z軸回りの回転方向)に微動可能となって
おり、これによって、パターン領域の中心が投影光学系
3の光軸AXを通るようにマスクMの位置決めが可能な
構成となっている。このマスクホルダー51の駆動機構
は、例えば2組のボイスコイルモータを用いて構成され
る。
【0031】マスク室5の隔壁50の天井部には、照明
系ハウジング20の内部空間と、マスクMが配置される
マスク室5の内部空間とを分離するように透過窓8が配
置されている。この透過窓8は、照明光学系2からマス
クMに照明される露光光ELの光路上に配置されるた
め、真空紫外線光である露光光ELに対して透過性の高
い蛍石等の結晶材料によって形成される。
【0032】投影光学系3は、開口Sによって規定され
たマスクMの露光光ELによる照明範囲に存在するパタ
ーンの像を基板Wに結像させ、基板Wの特定領域(ショ
ット領域)にパターンの像を露光するものである。この
投影光学系3は、蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結
晶からなるレンズや反射鏡などの複数(図では3つ)の
光学部材31a、31b、31cを投影系ハウジング3
0で密閉したものである。本実施形態では、この投影光
学系3として、投影倍率が例えば1/4あるいは1/5
の縮小光学系が用いられている。このため、マスクMに
形成されたパターンは投影光学系3により基板W上のシ
ョット領域に縮小投影され、基板W上にはパターンの縮
小像が転写形成される。
【0033】投影光学系3の各光学部材31a、31
b、31cは、それぞれ保持部材32a、32b、32
cを介して投影系ハウジング30に支持されている。各
保持部材32a、32b、32cは、各光学部材31
a、31b、31cの周縁部を保持するように円環状に
設けられる。そして、各光学部材31a、31b、31
c及びマスク室5の隔壁50のそれぞれの間には、密閉
された空間33a、33b、33cが形成されている。
このとき、保持部材32a、32b、32cはガス溜ま
りを生じないように光軸AXに対して傾斜されたり、各
光学部材31a、31b、31cの表面と保持部材32
a、32b、32の表面とがほぼ一致するように構成さ
れる。したがって、各空間33a、33b、33c内部
において、ガスは円滑に流れるようになっている。
【0034】基板室6は、基板Wを真空吸着することに
よって保持するための基板ホルダー61を備えている。
この基板室6は、投影系ハウジング30と隙間無く接合
された隔壁60によって覆われている。また、隔壁60
の側壁部には基板Wを搬入・搬出するための開口部が設
けられており、この開口部には開閉扉65が設けられて
いる。開閉扉65を閉じることによって、基板室6は密
閉されるようになっている。基板室6の隔壁60は、ス
テンレス(SUS)等の材質を用いて、研磨などの処理
によって表面粗さを低減させることにより、脱ガスの発
生が抑制されている。
【0035】基板ホルダー61は、基板ステージ62に
支持されている。基板ステージ62は、互いに直交する
方向へ移動可能な一対のブロックを重ね合わせたもので
あって、X−Y平面に沿った水平方向に移動可能となっ
ている。あるいは、例えば磁気浮上型の2次元リニアモ
ータ(平面モータ)等からなるウェーハ駆動系(図示
略)によってベースの上面に沿って且つ非接触でX−Y
面内で自在に駆動されるようになっている。すなわち、
この基板ステージ62に固定された基板Wは、X−Y平
面に沿った水平方向に(投影光学系3の光軸AXに対し
て垂直な方向に)移動可能に支持されている。
【0036】また、基板ステージ62の位置はレーザ干
渉計システムによって調整されるようになっている。こ
れを詳述すると、基板室6の隔壁60の−X側の側壁に
は光透過窓63が設けられている。これと同様に、隔壁
60の+Y側(図1中における紙面奥側)の側壁にも光
透過窓が設けられている。これらの光透過窓は、隔壁6
0に形成された窓部(開口部)にこの窓部を閉塞する光
透過部材、ここでは一般的な光学ガラスを取り付けるこ
とによって構成されている。この場合、光透過窓63を
構成する光透過部材の取り付け部分からのガス漏れが生
じないように、取り付け部には、インジウムや銅等の金
属シールや、フッ素系樹脂による封止(シーリング)が
施されている。
【0037】基板ホルダー61の−X側の端部には、平
面鏡からなるX移動鏡64XがY方向に延設されてい
る。このX移動鏡64Xにほぼ垂直に基板室6の外部に
配置されたX軸レーザー干渉計65Xからの測長ビーム
が光透過窓63を介して投射され、その反射光が光透過
窓63を介してX軸レーザー干渉計65X内部のディテ
クタによって受光され、X軸レーザー干渉計65X内部
の参照鏡の位置を基準としてX移動鏡64Xの位置、す
なわち基板WのX位置が検出されるようになっている。
【0038】同様に、図示は省略されているが、基板ホ
ルダー61の+Y側の端部には、平面鏡からなるY移動
鏡がY方向に延設されている。そして、このY移動鏡を
介してY軸レーザー干渉計によって上記と同様にしてY
移動鏡の位置、すなわち基板WのY位置が検出される。
X軸及びY軸それぞれのレーザー干渉計の検出値(計測
値)は制御部9に供給され、制御部9は、各ショット領
域間のステッピング時などにこれらのレーザー干渉計の
検出値をモニターしつつ基板ステージ62の位置制御を
行うようになっている。
【0039】このとき、X、Y軸の各レーザー干渉計、
すなわちレーザー光源やプリズム等の光学部材及びディ
テクタなどは基板室6の外部に配置されているので、レ
ーザー干渉計を構成するディテクタ等から仮に微量の吸
光物質が発生しても、これが露光に対して悪影響を及ぼ
すことがない構成となっている。
【0040】すなわち、本実施形態の露光装置1Aにお
いては、制御部9により基板W上の各ショット領域を露
光位置に順次位置決めするように基板ステージ62を移
動するショット間ステッピング動作と、その位置決め状
態で露光光ELをマスクMに照明してマスクMに形成さ
れたパターンの像を基板W上のショット領域に転写する
露光動作とが繰り返し行われるようになっている。
【0041】基板ホルダー61には、基板Wの載値位置
と異なる位置に、基板Wに照射される露光光ELの照射
量を計測するための計測器10が設けられている。この
計測器10は、例えばフォトダイオードやフォトトラン
ジスタ、あるいはCCDイメージセンサなどの一般的な
光センサによって構成される。
【0042】この計測器10は、露光に先立ち、基板ス
テージ62によって、投影光学系3からの露光光に対応
する露光領域の下に配置されるように位置決めされる。
すなわち、計測器10は基板ホルダー61に保持される
基板Wの面とほぼ同一な面に受光面をほぼ一致させる。
さらに、計測器10は基板ステージ62によって水平方
向(X−Y方向)に走査可能に設けられている。したが
ってこの場合、基板Wの露光面上に照射されるべき露光
光ELの強度(照度)は計測器10によって2次元的に
計測される。
【0043】すなわち、計測器10を基板ステージ62
によって、投影光学系3による投影領域内を走査させる
ことによって、投影領域の各位置における露光光ELの
強度が求められる。したがって、投影領域の各位置に対
応する吸光物質の濃度が求められるので、この範囲にお
ける吸光物質の分布を求めることができる。この計測器
10によって検出された吸光物質の分布は、照度データ
として算出部100に送出されるようになっている。さ
らに、算出部100による算出結果は、制御部9に送出
されるようになっている。
【0044】照明光学系2の照明系ハウジング20とマ
スク室5と投影光学系3の投影系ハウジング30と基板
室6とのそれぞれに形成された内部空間(密閉空間)
は、外部とのガスの出入りを遮断され、且つ光源21か
ら射出され基板Wに照射される露光光ELの光路空間L
Sとなる。
【0045】ところで、真空紫外域の波長の光を露光光
ELとする場合には、その光路空間LSから酸素、水蒸
気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し
強い吸収特性を有するガス(以下、「吸光物質」とい
う)の濃度を低減させる必要がある。このため、光路空
間LSは、図2に示す吸光物質低減装置Rにより、必要
に応じて内部に存在する吸光物質の濃度を低減させる作
業を施される。このとき、光路空間LSは真空紫外域の
光に対する吸収性の少ない特性を有する窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、またはそ
れらの混合ガス(以下、「低吸光物質」あるいは「特定
ガス」という)を満たされる。
【0046】すなわち、光路空間LSに存在する吸光物
質は特定ガスに交換(置換)されることによって低減さ
れる。また、光路空間LS内の吸光物質を低減させる方
法として、上述した光路空間LS内のガスを特定ガスで
置換する他に、排気減圧によっても実現することがで
き、ガス置換と同様の効果が得られる。
【0047】ここで、吸光物質低減装置Rについて図1
及び図2を参照して説明する。吸光物質低減装置Rは、
照明系ハウジング20、マスク室5、投影系ハウジング
30、基板室6からなる光路空間LS内部に存在する吸
光物質の濃度を低減させるものである。この吸光物質低
減装置Rは、低吸光物質(特定ガス)を収容するととも
に給気管路及び排気管路によって光路空間LSに接続さ
れるガス供給装置70と、給気管路に設けられ制御部9
の指示によりガス供給装置70に収容された特定ガスを
給気管路を介して光路空間LSに送るポンプと、給気管
路に設けられ制御部9の指示により開閉することによっ
て光路空間LSに供給される特定ガスの量を調整する給
気弁と、排気管路に設けられ光路空間LSからガス供給
装置70に排出されるガスの量を調整する排気弁とを備
えている。
【0048】このとき、照明系ハウジング20、マスク
室5、投影系ハウジング30、基板室6の各空間のそれ
ぞれの吸光物質の濃度は、吸光物質低減装置Rによって
それぞれ独立して低減されるように設けられている。
【0049】例えば、照明系ハウジング20内部の吸光
物質を低減させる場合には、照明系ハウジング20の光
源21側の一端側に設けられた給気弁11と、その給気
弁11から最も遠い他端側に設けられた排気弁12と、
ポンプP1とが用いられる。図2に示すように、ガス供
給装置70の内部は第1室から第6室までの6つの部屋
に区画されており、各部屋の内部には同一種類の低吸光
物質(特定ガス)が充填されている。また、ガス供給装
置70の各部屋に収容された特定ガスは不図示の温度調
整装置により所定の目標温度に制御されている。このと
き、給気弁11は給気管路を介してガス供給装置70の
第1室の一端に接続され、排気弁12は排気管路を介し
てガス供給装置70の第1室の他端に接続されている。
【0050】排気弁12が設けられている排気管路に
は、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate
Air Filter)あるいはULPAフィルタ(Ultra Low Pe
netration Air Filter)等の塵(パーティクル)を除去
するフィルタ(以下、「エアフィルタ」という)AF1
1と、前述した酸素等の吸光物質を除去するケミカルフ
ィルタCF11とが配置されている。同様に、給気弁1
1が設けられている給気管路には、エアフィルタAF1
2、ケミカルフィルタCF12が配置されているととも
に、ポンプP1が設けられている。
【0051】給気弁11、排気弁12及びポンプP1は
制御部9に接続されており、照明系ハウジング20内の
ガス置換を行うときには、制御部9は給気弁11及び排
気弁12を開くとともにポンプP1を作動させる。これ
により、ガス供給装置70に収容されている特定ガスは
給気管路を介して照明系ハウジング20内部に送り込ま
れるとともに、照明系ハウジング20内部のガスは排気
弁12を介して排気され、排気管路を介してガス供給装
置70に戻されるようになっている。
【0052】排気弁12を介して排気されるガス中に
は、多少の不純物(パーティクル及び吸光物質を含む)
が含まれているが、排気管路に設けられたエアフィルタ
AF11とケミカルフィルタCF11とによって、排気
管路を介してガス供給装置70に戻るガス中の不純物は
ほどんど除去されるようになっている。一方、ガス供給
装置70から給気管路を介して照明系ハウジング20内
部に供給される特定ガス中の不純物は、給気管路に設け
られたエアフィルタAF12及びケミカルフィルタCF
12除去されるようになっている。したがって、特定ガ
スを長時間に渡って循環使用しても、露光に対する悪影
響はほとんど生じないようになっている。
【0053】マスク室5内部の吸光物質を低減させる場
合には、マスク室5の隔壁50に設けられた給気弁13
及び排気弁14と、ポンプP2とが用いられる。図2に
示すように、給気弁13は給気管路を介してガス供給装
置70の第2室の一端に接続され、排気弁14は排気管
路を介してガス供給装置70の第2室の他端に接続され
ている。この場合、排気弁14が設けられた排気管路に
は、エアフィルタAF21、ケミカルフィルタCF21
が設けられている。一方、給気弁13が設けられた給気
管路には、パーティクルを除去するエアフィルタAF2
2、ケミカルフィルタCF22及びポンプP2が設けら
れている。給気弁13、排気弁14、及びポンプP2
は、制御部9に接続されている。制御部9は、前述した
照明系ハウジング20内部のガス置換と同様の手順で、
給気弁13、排気弁14の開閉及びポンプP2の作動・
停止を行って、マスク室5のガス置換を行うようになっ
ている。
【0054】投影光学系3の投影系ハウジング30内部
の吸光物質を低減させる場合には、投影系ハウジング3
0に設けられた給気弁15a、15b、15c及び排気
弁16a、16b、16cと、ポンプP3、P4、P5
とが用いられる。このとき、給気弁15a、15b、1
5c及び排気弁16a、16b、16cは、投影光学系
3の投影系ハウジング30に形成された空間33a、3
3b、33cに対応するように設けられている。すなわ
ち、給気弁、排気弁及びポンプは、ガス置換を行うべき
空間に対してそれぞれ個別に設けられている。
【0055】図2に示すように、それぞれの給気弁15
a、15b、15cは給気管路を介してガス供給装置7
0の第3、4、5室のそれぞれの一端に接続され、排気
弁16a、16b、16cは排気管路を介してガス供給
装置70の第3、4、5室のそれぞれの他端に接続され
ている。この場合、排気弁16a、16b、16cが設
けられた排気管路には、パーティクルを除去するエアフ
ィルタAF31、AF41、AF51と酸素等の吸光物
質を除去するケミカルフィルタCF31、CF41、C
F51とが設けられている。また、給気弁15a、15
b、15cが設けられた給気管路には、エアフィルタA
F32、AF42、AF52、ケミカルフィルタCF3
2、CF42、CF52及びポンプP3、P4、P5が
設けられている。これら給気弁15a、15b、15
c、排気弁16a、16b、16c、及びポンプP3、
P4、P5は制御部9に接続されている。制御部9は、
前述した照明系ハウジング20内部のガス置換と同様の
手順で、給気弁15a、15b、15c、排気弁16
a、16b、16cの開閉及びポンプP3、P4、P5
の作動・停止を行って、投影光学系3の投影系ハウジン
グ30内部のガス置換を行うようになっている。
【0056】基板室6内部の吸光物質を低減させる場合
には、基板室6の隔壁60に設けられた給気弁17及び
排気弁18と、ポンプP6とが用いられる。図2に示す
ように、給気弁17は給気管路を介してガス供給装置7
0の第6室の一端に接続され、排気弁18は排気管路を
介してガス供給装置70の第6室の他端に接続されてい
る。この場合、排気弁18が設けられた排気管路にはパ
ーティクルを除去するエアフィルタAF61と吸光物質
を除去するケミカルフィルタCF61とが設けられてい
る。一方、給気弁17が設けられた給気管路にはエアフ
ィルタAF62、ケミカルフィルタCF62及びポンプ
P6が設けられている。給気弁17、排気弁18、及び
ポンプP6は制御部9に接続されている。制御部9で
は、前述した照明系ハウジング20内部のガス置換と同
様の手順で、給気弁17、排気弁18の開閉及びポンプ
P6の作動・停止を行って、基板室6内部のガス置換を
行うようになっている。
【0057】このように、各室50、33a、33b、
33c、60の給気管路及び排気管路中のエアフィルタ
及びケミカルフィルタの存在により、循環されるガス中
の上記不純物はほどんど除去されるので、特定ガスを長
時間に渡って循環しても、露光に対して悪影響をほとん
ど及ぼさないようになっている。なお、エアフィルタ、
ケミカルフィルタは、いずれも十分な吸光物質除去能力
があれば、単一のものを共用してもよい。
【0058】以上のような構成を持つ露光装置1Aを用
いて、光路空間LSの吸光物質を検出する方法、マスク
Mに形成されたパターンの像を基板W上に転写する方法
について説明する。
【0059】マスクMのマスク室5に対する搬入・搬出
や、基板Wの基板室6に対する搬入・搬出などによっ
て、光路空間LS(すなわち、照明系ハウジング20、
マスク室5、投影系ハウジング30、基板室6)には酸
素等の吸光物質が存在するようになる。したがって、こ
の吸光物質による露光光の吸収を避けるために、露光に
先立ち、上述した吸光物質低減装置Rによって光路空間
LSに存在する吸光物質を低減させる作業を行う。
【0060】なお、光路空間LSに存在する吸光物質の
低減を行っている間、もしくは光路空間LS内に吸光物
質の濃度が所定値以下に到達した時点で、各光路空間L
S内の圧力を大気圧よりわずかに高く設定する。このよ
うに、光路空間LS内の内圧を高めて設定するのは、各
光路空間LS内への外部の外気の混入を防止するためで
ある。その際、内圧は大気圧に対し1〜10%程度高く
設定することが望ましい。
【0061】露光に先立って吸光物質を低減させる作業
が行われたら、光路空間LS内部の吸光物質の濃度を検
出するために、計測器10を投影光学系3の露光領域内
(結像面)に移動させる。そして、計測器10は、光源
21から射出された露光光ELの強度(照度)を計測す
る。計測器10からの計測信号は計測器10に接続され
た算出部100に送出される。なお、ブラインド部4に
おける開口Sを最大開口に設定することにより、吸光物
質の濃度分布を計測することが可能となる。
【0062】光路空間LSに吸光物質が存在している
と、真空紫外線光である露光光ELは吸光物質によって
吸光される。したがって、光路空間LSに存在する吸光
物質の濃度が高いほど、計測器10に達する露光光EL
の強度は減衰される。計測器10は光路空間LSに存在
する吸光物質の濃度に応じた計測信号を算出部100に
送出する。
【0063】算出部100は、計測器10の計測信号に
基づき光路空間LS内の吸光物質の濃度を算出する。算
出部100には、吸光物質の濃度を任意に変化させたと
きの、基板W面上における露光光ELの強度に関する複
数のデータが予め記憶されている。すなわち、算出部1
00には所定状態の光路空間LSを通過後の露光光EL
の強度が記憶されている。算出部100は、この複数の
データ(データテーブル)と、計測器10によって検出
された露光光ELの強度とを比較することによって、そ
のときの吸光物質の濃度を算出する。
【0064】このように、算出部100には、予め実験
的に求められた、所定状態における空間内の吸光物質の
濃度とこの空間を通過した露光光の強度との関係が記憶
されている。なお、この関係には光学部材(光学レン
ズ)の透過率の情報も考慮されていることはもちろんで
ある。
【0065】算出部100は、上述のようなデータテー
ブルを参照しつつ、計測器10の計測結果に基づいてそ
のときの吸光物質の濃度を算出する。算出部100の算
出結果は制御部9に送出される。制御部9には、マスク
Mのパターンの像を基板Wに正常に転写できる状態の吸
光物質の濃度の情報が記憶されており、制御部9はこの
情報と算出部100の算出結果とを比較する。すなわ
ち、基板Wに対するマスクMのパターンの像の転写を正
常に行うことができる吸光物質の濃度と基板Wに導かれ
る露光光の強度(照度分布を含む)データとの関係は予
め求められており、制御部9はこの関係に基づいて、マ
スクMのパターンの像の基板Wへの転写状態を制御す
る。
【0066】さらに具体的に言うと、制御部9には吸光
物質の濃度を任意に変化させたときの基板Wに導かれる
露光光ELの強度データに関する複数のデータが記憶さ
れており、制御部9は、この複数のデータ(データテー
ブル)に基づいて、データテーブルと算出部100によ
って検出された吸光物質の濃度とを比較することによっ
て、適正な転写を行えるか否かを判断する。このよう
に、制御部9には、実験的に求められた、吸光物質の所
定の濃度とこのときの基板Wに導かれる露光光の強度デ
ータとの関係が予め記憶されている。
【0067】なお、制御部9が適正な転写を行えると判
断する状態とは、光路空間LSの吸光物質の濃度が、マ
スクMに形成されたパターンの像を基板Wに転写した際
に、所望の転写精度が得られる状態を指す。
【0068】つまり、吸光物質の濃度が所定値以下(す
なわち、検出した濃度が正常な転写が可能な濃度範囲
内)であるという算出部100の算出結果を得た場合、
制御部9は適正な転写を行える状態であると判断すると
ともに転写を行う判断をする。
【0069】一方、吸光物質の濃度が所定値以上(すな
わち、検出した濃度が正常な転写ができない濃度範囲
内)であるという算出部100の算出結果を得た場合、
制御部9は適正な転写を行えない状態であると判断する
とともに転写を行わない判断をする。このとき、制御部
9は吸光物質低減装置Rによって前述と同様の手順で光
路空間LSの吸光物質の濃度を低減させる作業を維持す
る。そして、この作業を行っている間、露光光ELの強
度を計測器10によって計測し、この計測結果に基づい
て光路空間LSの吸光物質の濃度を検出する。この検出
結果の濃度が所定値以下になったとき、制御部9は転写
を行える状態であると判断する。
【0070】なお、制御部9は、適正な転写を行えるか
否かの判断に応じて、光源21から射出される露光光E
Lのオンオフを制御してもよい。この場合の露光光EL
のオンオフは、光源21の駆動・停止によって実現され
るが、ブラインド部4の調整によっても可能である。
【0071】以上のように、光路空間LSに露光光EL
を照射し、この光路空間LSを通過した露光光ELの強
度に関する情報を計測することにより、この計測結果に
基づいて光路空間LS内の吸光物質の濃度は短時間で効
率良く検出される。したがって、基板WへのマスクMの
パターンの像の転写は効率良く行われるので、生産性は
向上される。
【0072】吸光物質の濃度は短時間で検出されるの
で、吸光物質を低減させる作業は効率良く行える。すな
わち、吸光物質を低減させる作業はある程度の時間を必
要とするが、吸光物質の濃度は短時間で把握できるので
この濃度に応じた作業を行えばよい。つまり、過剰な作
業が防止されるので、作業性は向上される。
【0073】また、吸光物質の濃度検出用光線として露
光光ELを用いることにより、吸光による転写への影響
を直接且つ正確に把握することができる。
【0074】計測器10を2次元的光学情報を検出可能
なCCDイメージセンサなどによって構成することによ
り、計測器10を走査させることなく2次元的な露光光
ELの強度分布が求められるので、吸光物質の濃度及び
分布が求められる。
【0075】吸光物質の分布が偏っている場合には、吸
光物質低減装置Rによって光路空間EL内のガスをフロ
ーさせる等により、吸光物質の分布は均一化される。
【0076】この露光光ELを用いた吸光物質の濃度の
検出は、基板Wの交換時に行うことによって、効率良く
行われる。すなわち、露光光ELを用いた吸光物質の濃
度の検出は、基板W上へのマスクMのパターンの像の非
転写時に行われる。
【0077】制御部9は、吸光物質の濃度によって転写
を行うか否かを判断する他に、基板Wに転写されたパタ
ーンの像の形状が適正か否かを判断することができる。
この場合、基板Wに形成されたパターンの形状を計測す
るための形状計測機(線幅計測機)を設け、この形状計
測機の計測結果に基づいて、制御部9は適正な転写状態
か否かを判断してもよい。
【0078】《第2実施形態》次に、図3を用いて本発
明の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の
第2実施形態に関わる露光装置1Bを説明するための概
略構成図であり、第1実施形態における露光装置1Aと
同様の箇所については説明を省略し、第2実施形態の特
徴部分について説明する。
【0079】この場合、露光装置1Bは、マスク室5内
に配され、この露光光ELの一部分を通過前計測器80
に導くハーフミラー52を備えている。このハーフミラ
ー52は、マスク室5内部においてマスクホルダー51
の露光光ELの光路方向下流側に設けられており、露光
光ELの大部分を投影光学系3側に導くとともに残りの
部分を光の強度を計測可能な通過前計測器80に導く。
そして、通過前計測器80は投影光学系3を通過する前
の露光光ELの強度に関する情報を計測するようになっ
ている。
【0080】このような構成を持つ露光装置1Bを用い
て、光路空間LSの吸光物質を検出する方法、マスクM
に形成されたパターンの像を基板W上に転写する方法に
ついて説明する。
【0081】第1実施形態同様、基板Wに対するマスク
Mに形成されたパターンの像の転写に先立ち、吸光物質
低減装置Rを用いて、光路空間LS内の吸光物質を低減
させる作業を行う間、又は行った後、吸光物質の濃度を
計測するために光源21を駆動して露光光ELを光路空
間LSに通過させる。
【0082】そして、投影光学系3の投影系ハウジング
30内に照射される露光光ELのうち、投影光学系3を
通過前の露光光ELの強度に関する情報と通過後の露光
光ELの強度に関する情報とを、それぞれ通過前計測器
80と計測器10とによって計測する。
【0083】計測器10及び通過前計測器80の計測信
号は算出部100に送出される。このとき、通過前計測
器80にはハーフミラー52の作用によって露光光EL
の一部分が照射されるが、算出部100は通過前計測器
80の計測結果と予め分かっているハーフミラー52の
特性とに基づいて、ハーフミラー52の位置(つまり投
影光学系3への露光光ELの入射位置)における100
%の露光光ELの値を求める。同様に、算出部100は
計測器10の計測結果とハーフミラー52の特性とに基
づいて、投影光学系3を通過後の位置における100%
の露光光ELの値を求める。
【0084】計測器10及び通過前計測器80に計測さ
れる光線は真空紫外線光からなる露光光ELであり、吸
光物質によって吸光される。したがって、この場合、投
影光学系3の投影系ハウジング30に存在する吸光物質
の濃度が高いほど、計測器10に達する露光光ELの強
度は減衰される。
【0085】算出部100は、これら各計測器に計測さ
れる投影光学系3の入射位置における露光光ELの強度
と投影光学系3を通過後の強度とを比較する(例えば、
強度の差を求める)ことによって、投影光学系3内の吸
光物質の濃度を求める。強度の比較により、投影光学系
3を通過した露光光ELの強度がどのくらい減衰したか
を求めることができる。
【0086】一方、算出部100には吸光物質の濃度と
この吸光物質の存在する空間を通過する露光光ELの強
度(照度)との関係が記憶されている。したがって、算
出部100はこの関係と投影光学系3を通過する露光光
ELの入射位置と通過後位置とにおける強度の差とに基
づいて投影系ハウジング30内の吸光物質の濃度を算出
する。
【0087】このとき、算出部100に記憶されている
関係は実験的に求めて得られたデータ(データテーブ
ル)である。算出部100は上述のようなデータテーブ
ルを参照しつつ、各計測器80、10の計測結果に基づ
いてそのときの投影光学系3の吸光物質の濃度を算出す
る。
【0088】制御部9は、算出部100の算出結果に基
づき、投影光学系3が適正に転写を行えるか否かを判断
し、適正であると判断した場合には転写を行い、不適正
であると判断した場合には吸光物質低減装置Rによって
投影光学系3内の吸光物質の濃度を低減させる作業を維
持する。
【0089】このように、投影系ハウジング30内での
吸光による露光光ELの強度低下分のみを検出すること
ができるので、吸光物質の濃度の検出はより高精度に行
われる。
【0090】一方、本実施形態においては、吸光物質の
濃度は投影光学系3において検出されるが、光路空間L
Sの任意の範囲内で検出可能である。例えば、照明系ハ
ウジング20内部の吸光物質の濃度を検出したい場合に
は、通過前計測器80及びこの通過前計測器80に露光
光ELを導くハーフミラー52をフライアイインテグレ
ータ24の下流側に設置し、照射系ハウジング20を通
過した露光光ELを計測する計測器10をマスク室5の
上流側に設けることができる。例えば、光量モニター7
が透過前計測器80を兼用してもよい。なお、この場合
の濃度検出は、基板W上へのパターンの非転写時に行わ
れる。
【0091】《第3実施形態》次に、図4を用いて本発
明の第3実施形態について説明する。図4に示す露光装
置1Cは第2実施形態の変形例であり、露光光ELの通
過する光路空間LSに露光光ELとは別の光線Bを照射
する照射部90を備える構成である。
【0092】照射部90は光路空間LSにおける吸光物
質の濃度を検出するための光線Bを射出するものであっ
て、例えば、重水素ランプやエキシマランプなどによっ
て構成される。光線Bは吸光物質に吸光されるものであ
って、例えば真空紫外線光である。なお、照射部90
は、光源21に置き換えて配置してもよいし、光源21
と並列に配置し、光源21と照射部90とを光路切換え
ミラーで切換えるようにしてもよい。
【0093】照射部90から照射される光線Bは露光光
ELの光軸AXと平行に照射されるようになっており、
その大部分はマスク室5及びマスク室5に設けられたハ
ーフミラー52、投影光学系3を通過して、基板室6の
計測器10に達する。一方、照射部90から照射される
光線Bの一部分は、ハーフミラー52によって透過前計
測器80に導かれる。本実施形態における光線Bを用い
た吸光物質の濃度検出は、基板W上へのパターンの非転
写時に行われる。
【0094】なお、第1〜第3実施形態において、露光
光ELあるいは光線Bの強度を計測するための計測器
は、露光光ELの光路上に複数配置させることが可能で
ある。この場合、各計測器は露光光ELの光路に対し
て、駆動機構及びガイド軸を備えた計測器移動機構(不
図示)によって出入り可能に設けられる。つまり、吸光
物質の濃度を検出する場合には、基板Wへのパターンの
非転写時においてこれら計測器が露光光ELの光路上に
移動し、この状態で光線B(または露光光EL)が射出
される。
【0095】また、計測器を光線B(あるいは露光光E
L)の光路に出入り可能に設けることにより、例えば第
2、3実施形態に示したようなハーフミラー52がなく
ても光線B(露光光EL)の強度は検出可能となる。
【0096】露光光ELの光路上、あるいは基板W上に
相当する位置に計測器を設置する場合には、制御部9は
基板Wの交換時において計測器を所定の位置に設置し、
光線の強度計測を行う。このとき、作業性及び生産性は
向上される。
【0097】ところで、計測器を露光光ELの光路上に
配置させるに際し、駆動機構及びガイド軸を備えた計測
器移動機構を用いる場合について説明したが、透過型照
度計を用いることにより計測器移動機構は不要となる。
すなわち、吸光物質の濃度検出を露光光ELあるいはこ
の露光光ELの光軸AXに平行な光線Bを用いて行う場
合、例えば投影光学系3の各光学部材31a〜31cの
それぞれに透過型照度計を設置する。この透過型照度計
とは、光学部材中でわずかに吸収される光のエネルギー
を温度上昇として、もしくは、その光音響効果として測
定する照度計である。この透過型照度計を用いて吸光物
質の濃度の検出を行う場合には、マスクMのパターンの
像を基板Wに対して転写する要領で露光光ELを照射す
る。投影系ハウジング30に入射した露光光ELは、各
光学部材31a〜31cに設けられた透過型照度計によ
ってそれぞれの位置における照度を検出される。そし
て、これら各透過型照度計の計測結果に基づいて、各光
学部材31a〜31cにおける吸光物質の濃度、あるい
は、各光学部材の間の空間33a〜33c内の吸光物質
の濃度が検出される。
【0098】この場合、各空間33a〜33cにおける
それぞれの吸光物質の濃度が独立して検出可能なので、
所定値以上の吸光物質の濃度又は分布を有している空間
に対してのみ吸光物質を低減させる作業を行えば良く、
迅速且つ適正な環境を実現することができ、作業性・生
産性は向上される。
【0099】《第4実施形態》次に、図5、図6を用い
て本発明の第4実施形態について説明する。図5、6
は、本発明の第4実施形態に関わる露光装置1Dを説明
するための概略構成図であり、第1実施形態における露
光装置1Aと同様の箇所については説明を省略し、第4
実施形態の特徴部分について説明する。
【0100】この場合、露光装置1Dは、投影光学系3
の投影系ハウジング30外部に配されこの投影光学系3
を通過する露光光ELの光路を横断するように光線Bを
照射する照射部200と、投影光学系3の光軸AXを挟
んで照射部200の対向する位置に設けられ、投影系ハ
ウジング30を通過後の光線Bの強度(照度)を検出す
る計測器201とを備えている。このとき、光線Bの照
射面積(光束の太さ)は任意に設定可能となっている。
【0101】照射部200から射出される光線Bは、光
路空間LSにおける吸光物質の濃度を検出するためのも
のであって、例えば真空紫外線光からなる。図5におい
て、照射部200から射出された光線Bの大部分は、ハ
ーフミラー203を透過した後、投影光学系3の空間
(レンズ室)33bを通過し、反射ミラー204によっ
て計測器201に導かれる。計測器201は空間33b
を通過した光線Bの強度を検出する。
【0102】一方、光線Bの一部分は投影光学系3の入
射位置に設けられたハーフミラー203によって透過前
計測器202に導かれる。すなわち、照射部200から
射出される光線Bの強度は光路空間LSの入射位置と光
路空間LSを通過後の位置とでそれぞれ検出される。
【0103】なお、投影系ハウジング30において光線
Bが入射される部分及び出射される部分には、この光線
Bを透過可能な光透過窓が設けられている。このとき、
光透過窓を構成する光透過部材の取り付け部分からのガ
ス漏れが生じないように、取り付け部にはインジウムや
銅等の金属シールやフッ素系樹脂による封止(シーリン
グ)が施されている。
【0104】このような構成において、光路空間LSの
吸光物質を検出する方法、及びマスクMに形成されたパ
ターンの像を基板W上に転写する方法について説明す
る。
【0105】マスクMに形成されたパターンの像を基板
Wに転写するに先立ち、吸光物質低減装置Rを用いて空
間33b(光路空間LS)内の吸光物質を低減させる作
業を行う。この作業を終えたら、吸光物質の濃度検出の
ために照射部200から光線Bが空間33bに向かって
照射される。
【0106】露光光ELの光路である空間33bを横断
するように照射される光線Bのうち、空間33bを通過
する前の強度と空間33bを通過後の強度とが、通過前
計測器202と計測器201とによって計測される。計
測器201及び通過前計測器202の計測信号は算出部
100に送出される。算出部100は計測器201及び
通過前計測器202の計測信号に基づき、前記実施形態
と同様の手順で、光線Bの通過する空間33b内の吸光
物質の濃度を算出する。
【0107】算出部100は算出結果を制御部9に送出
する。制御部9は、算出結果に基づいて適正な転写を行
えるか否かを判断する。すなわち、制御部9は、光路空
間LSのうち空間33bの吸光物質の濃度が適正範囲内
にあるか否かを判断することによって、光路空間LS
(露光装置1D全体)が適正な転写を行える状態である
か否かを判断する。
【0108】一方、吸光物質の濃度が所定値以上、すな
わち適正な転写を行えない状態であると判断された場
合、制御部9は吸光物質低減装置Rを駆動し、空間33
bの吸光物質を低減させる作業を維持する。そして、所
定時間経過後、制御部9は光線Bを空間33bに向かっ
て再び照射し、空間33bの吸光物質の濃度検出を行
う。そして、制御部9によって、吸光物質の濃度が所定
値以下になり、適正な転写を行える状態であるか否かを
判断する。
【0109】この場合、吸光物質低減装置Rを駆動しな
がら空間33bに光線Bを照射することもできる。すな
わち、空間33bの吸光物質の濃度を検出しつつ吸光物
質を低減させる作業を行うことができる。この場合、吸
光物質低減装置Rの駆動は、制御部9によって吸光物質
の濃度が所定値以下と判断されるまで継続される。
【0110】ところで、光線Bを露光光ELの光路を横
断するように照射することによって吸光物質の検出をパ
ターンの像の転写と同時に行うことができる。すなわ
ち、本実施形態においては、マスクMのパターンの像を
基板Wに転写中に光線Bの強度に関する情報を計測する
ことが可能である。
【0111】この場合、例えばパターンの像の転写中に
空間33bの吸光物質の濃度が上昇し適正な転写を行え
ないと判断された場合、制御部9は光源21を停止させ
ることによって基板Wに対するパターンの像の転写を中
断するとともに、吸光物質低減装置Rにより空間33b
(光路空間LS)の吸光物質の濃度を低減させる。そし
て、前述した手順と同じように空間33b(光路空間L
S)の吸光物質の濃度を検出する。この検出結果の濃度
が所定値以下であると判断された場合、制御部9は基板
Wに対するマスクMのパターンの像の転写を再び開始す
る。
【0112】一方、吸光物質の濃度が所定値以下である
と判断されている間は、パターンの像の転写は継続され
る。なお、空間33bの吸光物質の濃度検出は、露光装
置が稼働中、継続して行ってもよいし、所定時間経過毎
に行ってもよい。
【0113】このように、制御部9は算出部100の算
出結果である吸光物質の濃度に基づいてパターンの像の
転写を行うか否かを判断するとともに、光源21から射
出される露光光ELや照射部200から射出される光線
Bのオンオフを制御するようになっている。
【0114】以上のように、吸光物質の濃度検出用の光
線Bを露光光ELの光路を横断するように照射すること
によって、パターンの像の転写と吸光物質の濃度検出と
を同時に行うことができる。したがって、生産性・作業
性は向上される。
【0115】さらに、露光光ELの光路を横断するよう
に照射される光線Bを露光光ELの光軸AX方向に沿う
所定間隔位置においてそれぞれ照射し、それぞれの光線
Bの強度に関する情報を計測することによって、これら
各位置における吸光物質の濃度を検出することができ
る。
【0116】つまり、図5においては、照射部200と
計測器201とを備えた検出装置は投影光学系3の空間
33bに対応した位置に設置されてこの空間33bの吸
光物質の濃度を検出するようになっているが、各空間3
3a〜33cに対応する位置に照射部200及び計測器
201をそれぞれ設けることによって各空間33a〜3
3c内の吸光物質の濃度を個別に検出することができ
る。また、照射部200及び検出器201を備えた検出
装置は投影光学系3に限らず光路空間ELの任意の位置
に設置可能であることはもちろんである。例えば、前記
検出装置は照明光学系2、マスク室5、基板室6など、
吸光物質の濃度を検出したい箇所に任意に設置可能であ
る。
【0117】このとき、所定の空間に対してのみ、吸光
物質を低減させる作業を施すことができる。例えば、あ
る空間(例えば空間33a)のみの吸光物質の濃度が高
い場合には、その空間に対してのみ吸光物質低減装置R
によって吸光物質を低減させる作業を行うことができ
る。このように、吸光物質を低減させる作業を最低限に
抑えることができるので、作業性は向上する。
【0118】また、算出部100は、光路空間LSに照
射される光線Bのうち、リファレンスとして入射位置に
おける強度と光路空間LSを通過後の強度とを計測し、
これら各強度を比較することによって吸光物質の濃度の
求めるようになっているので、透過窓など計測対象でな
い吸光物質の影響は相殺される。したがって、吸光物質
の濃度の検出はより高精度に行われる。
【0119】一方、図7に示すように、光線Bの光路空
間LSに対する入射位置の強度を求めずに吸光物質の濃
度を求めることも可能である。この場合の吸光物質の濃
度は第1実施形態に示したような手順で検出可能であ
る。すなわち、所定状態における光路空間LSを通過し
た光線Bの強度を予め求め、この求めた値と計測器20
1の計測結果とを比較することによって吸光物質の濃度
を求めることができる。このような構成は通過前計測器
202を設ける必要が無く、機器の数を低減させること
ができるので、装置全体の低コスト化、簡素化を実現す
ることができる。
【0120】《第5実施形態》次に、図8を用いて本発
明の第5実施形態について説明する。図8に示す露光装
置1Eは第4実施形態の変形例であり、露光光ELの光
路空間LSに光線Bを照射する照射部300と、この光
路空間LSを通過した光線Bの強度に関する情報を計測
する計測器301と、この計測器301の計測結果に基
づき、光路空間LS内の吸光物質の濃度を求める算出部
100とを備えている。このとき、光線Bは、第4実施
形態と同様に、露光光ELの光路を横断するように照射
される。
【0121】照射部300は、光線Bを異なる光路で照
射するように複数(図8では3つ)設けられているとと
もに、計測器301は各照射部300からの光線Bに対
応して複数(図8では6つ)設けられ、算出部100は
複数の計測器301のそれぞれの計測結果に基づいて光
路空間LS内の吸光物質の濃度及び分布を求めるように
なっている。
【0122】すなわち、照射部300は光路空間LSの
外部(例えば投影系ハウジング30外部)にほぼ等間隔
に複数設けられており、光線Bはこれら各照射部300
から独立して光路空間LSに射出される。一方、計測器
301は各照射部300から射出される光線Bを計測可
能な位置に複数設けられている。この場合、各照射部3
00の数と計測器301の数とは一致していても異なっ
ていてもよい。さらに、照射部300及び計測器301
の設置位置は、照明系ハウジング20、マスク室5、投
影系ハウジング30、基板室6のいずれでもよい。
【0123】このように、光路空間LSに向かって光線
Bを異なる光路で照射するとともにこの光路空間LSを
通過後の光線Bのそれぞれの照度を計測することによ
り、光線Bのそれぞれの光路上における吸光物質の濃度
を検出することができる。したがって、光路空間LSに
おける吸光物質の濃度とともに分布を求めることができ
る。この場合、光線Bの光路を増やす(すなわち、照射
部300及び計測器301の数を増やす)ことにより吸
光物質の分布はより精度良く求められる。
【0124】算出部100は各計測器301の計測信号
に基づき投影光学系3内のうち各光線Bが通過する部分
の吸光物質の濃度を算出する。このとき、複数の異なっ
た光路を有する光線Bによって空間内における吸光物質
の濃度及び分布が求められる。制御部9にはマスクMの
パターンの像を基板Wに正常に転写できる状態の吸光物
質の濃度及び分布の情報が記憶されており、制御部9は
この情報と算出部100の算出結果とを比較し、吸光物
質の濃度及び分布が適正な転写を行える状態にあるか否
かを判断する。
【0125】制御部9によって適正な転写を行える状態
であると判断された場合にはパターンの像の転写が行わ
れ、不適正な転写状態になると予測されると判断された
場合には吸光物質低減装置Rにより吸光物質を低減させ
る。
【0126】このように、光線Bを異なる光路で複数照
射するとともに、これら各光線Bの強度に関する情報を
計測することによって、空間における吸光物質の濃度及
び分布を検出することができる。
【0127】なおこの場合、各光線Bに対して空間を通
過する前の光線Bの強度に関する情報を計測する通過前
計測器を設け、光線Bの空間への入射位置におけるリフ
ァレンスとしての強度と空間を通過後の強度とを計測し
これら各強度を比較することによって、吸光物質の濃度
及び分布の検出はより高精度に行われる。
【0128】各照射部300及び各計測器301を、露
光光ELの光軸AX方向に沿う所定間隔位置に設けるこ
とによって、この位置に対応する空間の吸光物質の濃度
及び分布を個別に検出することができる。この場合、吸
光物質の濃度及び分布を低減させる作業は、濃度及び分
布が異常値を示す空間に対してのみ行えばよいなど、作
業性を向上させることができる。
【0129】また、複数の異なる光路を有する光線Bを
生成する方法として、図9に示すように、照射部400
から照射される光線Bを空間内においてそれぞれ異なる
光路で往復させる反射板402を備える構成とすること
も可能である。この場合、照射部400の設置数を低減
させることができ、装置全体の低コスト化、簡素化を実
現することができる。
【0130】《検出用光線》ところで、吸光物質の濃度
検出用の光線Bとして広い吸光波長域を備える真空紫外
線光を用いることにより、空間中に存在する全ての吸光
物質による吸光を計測することができるが、空間に存在
する複数の吸光物質の個々の濃度を検出することは困難
である。この場合、空間に波長域の異なる複数の光線B
を照射し、それぞれの光線Bの強度に関する情報を計測
し、この計測結果に基づいて空間に存在する複数の吸光
物質のそれぞれの濃度を検出することができる。すなわ
ち、空間に存在する複数の吸光物質のそれぞれに対応し
た吸光波長域を備える真空紫外線光を照射し、それぞれ
の真空紫外線光の強度に関する情報を計測し、この計測
結果に基づいて空間に存在する複数の吸光物質のそれぞ
れの濃度を検出する。
【0131】例えば、水銀ランプや重水素ランプなどに
おいては真空紫外域に複数の輝線を発するものがある。
この場合、これら輝線のうち複数の輝線を用いて第1〜
第5実施形態に示したものを実現する。着目する複数の
吸光物質の分子毎に吸光断面積が卓越した波長域におけ
る輝線を選定するようにする。
【0132】F2 レーザー光を用いた露光装置では酸素
分子と水分子とによる吸光が大きいが、これらの分子の
吸光が卓越している波長域は異なっている。具体的に
は、170nm近傍では水分子の吸収断面積は酸素分子
の吸収断面積の10倍程度であり145nm近傍におけ
る酸素分子の吸収断面積は水分子の吸収断面積の15倍
程度である。これらの違いを利用しそれぞれの輝線によ
る吸光の計測結果からそれぞれの分子の濃度を検出する
ことができる。
【0133】酸素分子は空気中に最も大量に存在するF
2 レーザー光を吸収する物質である。したがって、酸素
分子の濃度が高いということは露光に先立つガス置換
(初期ガス置換)が不十分であるということを示してい
る。したがって、光路空間LSに存在する空気(吸光物
質)を低減させる作業が必要である。一方、水分子は構
造部材からの脱離ガスとして支配的な物質であり、水分
子の濃度が高い場合には特定ガスの流量を増やすなどし
て水分子の濃度を低減させる作業を行う必要がある。
【0134】このように、吸光を支配する物質を特定す
ることで光路空間LS中における吸光物質の濃度上昇の
原因を突き止めることが可能となるので、適切な対策を
行うことができる。したがって、作業性は向上されると
ともに適正な露光環境を迅速に実現することができる。
【0135】第3〜第5実施形態において、吸光物質の
検出用光線Bとして、可視光、近赤外線光、あるいはマ
イクロ波のいずれかを用いることにより、空間を通過後
の光線Bの強度に関する情報及びスペクトルを検出する
ことによって複数の吸光物質のそれぞれの種類の濃度を
求めることができる。
【0136】例えば、可視光領域や近赤外線領域には分
子中の外殻電子の励起によるエネルギー準位が存在し、
赤外線領域やマイクロ波領域では分子の振動・回転によ
るエネルギー準位が存在する。これらはいずれも分子に
固有な波長の光を吸収する。例えば、酸素分子であれば
764nm近傍に電子レベルの遷移によるエネルギー準
位があり、水分子であれば1310nm近傍の広い領域
にわたって分子回転によるエネルギー準位がある。
【0137】前記の分子に固有なエネルギー準位による
吸収を利用して、光路空間LS内に存在する複数の吸光
物質のうち着目する吸光物質の種類毎の濃度を検出する
ことができる。これによって、光路空間LS内の吸光物
質を同定することができる。
【0138】また、複数の波長の光を用いることで複数
の分子の濃度を検出することが可能であり、これによっ
て吸光物質の濃度上昇の原因を特定することが可能とな
る。なお、光源(照射部)としては種々のものが考えら
れるが、直進性を考慮した場合、レーザー光が有効であ
る。例えば、半導体レーザーやヨウ素レーザーなどでは
発振レーザー波長が可変であり、これによれば1台の光
源(照射部)で複数種類の分子による吸光を検出するこ
とができる。吸光量が不十分な場合においては、第5実
施形態に示したように、光路空間LSに光線Bを複数の
異なる光路で照射することにより、検出感度は上昇され
る。
【0139】以上のように、本発明によれば、空間内に
光線を照射し、この空間を通過後の光線の強度に関する
情報を計測することによって、空間内の吸光物質の濃度
及び分布(濃度不均一性)は高い応答速度で正確に検出
される。つまり、応答性の低い化学反応を利用した濃度
センサを用いる必要が無いので、生産性及び作業性は向
上される。
【0140】上述したいずれの実施形態においても吸光
物質を低減させる作業が必要であり、その手段としては
減圧やガスフローなどが挙げられる。このとき、従来の
ような化学反応を利用した濃度センサでは構造上減圧に
対応していないものやセンサへガスを取り込むためのフ
ローが必要となるなど制約が多かった。しかしながら、
本発明によれば、光路空間LSの内圧やガスフローの有
無にかかわらずあらゆるパージ方法において有効であ
る。したがって、様々な機器に対応することができる。
【0141】なお、第3実施形態において、照射部90
を複数設置してその位置を変更したり光線Bの照射方向
を変更して吸光物質の濃度及び分布の安定した検出が実
現される。計測器10を、露光光ELの光路上の複数箇
所に該光路に対して出入り可能に設けてもよい。この構
成によれば、各箇所における光線の強度に関する情報を
計測することができる。
【0142】照明光学系2、マスク室5、投影光学系
3、基板室6など、光路空間LSの各部分によって吸光
物質の濃度の所定値(基準値)は異なる。この場合、一
般的に照明光学系2及び投影光学系3における吸光物質
の濃度の基準値は厳しく設定されている。このとき、本
発明により各部分における吸光物質の検出は迅速且つ容
易に行えるので、各部分の吸光物質の濃度をモニターし
ながらそれぞれの所定値を満足するように吸光物質の低
減作業の重みを設定すればよい。したがって、作業性は
向上される。
【0143】第1、第2実施形態のように、吸光物質の
濃度検出用の光線として露光光ELを用いる場合、露光
によって光源21は劣化するが、この光源21の劣化に
よる照度低下は、例えば光源21の直後に照度計を設け
ることにより検出することができる。そして、この照度
計によって求められた光源21の照度低下の情報に基づ
いて計測器10の計測結果を補正することにより吸光物
質の濃度及び分布の検出は安定する。
【0144】なお、光学部材等に付着している吸光物質
(酸素や水分子など)は、露光光ELが照射されること
によって分解される性質を有する。したがって、これら
の光学部材に所定時間露光光ELを照射してから吸光物
質の濃度検出を行うことにより、空間内の吸光物質の濃
度検出はより正確になる。一方、光学部材に付着してい
る吸光物質の量を予め同定し、この光学部材に付着した
吸光物質の分を差し引いてから吸光物質の濃度検出を行
うことももちろん可能である。
【0145】本発明に係る基板Wとしては、半導体デバ
イス用の半導体ウェーハのみならず、薄膜磁気ヘッド用
のセラミックウェーハや、液晶表示デバイス用のガラス
プレートであってもよい。
【0146】露光装置としては、マスクMと基板Wとを
静止した状態でマスクMのパターンを露光し、基板Wを
順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方
式の露光装置(ステッパー)に限らず、マスクMと基板
Wとを同期移動してマスクMのパターンを基板Wに露光
するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー)にも適用することができ
る。
【0147】露光装置の種類としては、上記半導体ウェ
ーハ製造用のみならず、薄膜磁気ヘッド製造用の露光装
置や、液晶表示デバイス製造用の露光装置、撮像素子
(CCD)あるいはマスクMなどを製造するための露光
装置などにも広く適用できる。
【0148】照明光学系2の光源21として、水銀ラン
プから発生する輝線(g線(436nm)、h線(40
4.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマ
レーザ(248nm)や、X線や電子線などの荷電粒子
線などを用いることができる。例えば、電子線を用いる
場合には、電子銃として熱電子放射型のランタンヘキサ
ボライト(LaB6 )、タンタル(Ta)を用いること
ができる。また、YAGレーザや半導体レーザなどの高
周波などを用いてもよい。
【0149】投影光学系3の倍率は、縮小系のみなら
ず、等倍系および拡大系のいずれでもよい。
【0150】また、投影光学系3としては、エキシマレ
ーザーなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や
蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2 レーザ
やX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系
にし(マスクMも反射型タイプのものを用いる)、また
電子銃を用いる場合には光学系として電子レンズおよび
偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子
線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもな
い。
【0151】なお、基板室外部、すなわち光透過窓より
外部の測長ビームの光路部分を、両端に光透過窓が設け
られた容器で覆い、この容器の内部のガスの温度、圧力
等を制御するようにしてもよい。あるいは、この容器内
部を真空にしてもよい。これにより、その外部の光路上
の空気揺らぎに起因する測長誤差を低減することができ
る。かかる詳細は、例えば特開平10−105241号
公報等に開示されている。
【0152】基板ステージやマスクステージにリニアモ
ータを用いる場合には、エアベアリングを用いたエア浮
上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた
磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、基板ステー
ジ、マスクステージは、ガイドに沿って移動するタイプ
でもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであって
もよい。
【0153】ステージの駆動装置として平面モ−タを用
いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニット
のいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電
機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に
設ければよい。
【0154】なお、レーザー干渉計用の参照鏡(固定
鏡)を投影光学系に固定し、これを基準としてX移動
鏡、Y移動鏡の位置を計測することも比較的多く行われ
るが、かかる場合には、参照ビームと測長ビームとを分
離する偏光ビームスプリッタ(プリズム)より先の光学
素子を基板室内部に収納し、レーザー光源、ディテクタ
等を基板室外に配置するようにしてもよい。
【0155】基板ステージの移動により発生する反力
は、特開平8−166475号公報に記載されているよ
うに、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃が
してもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装
置においても適用可能である。
【0156】マスクステージの移動により発生する反力
は、特開平8−330224号公報に記載されているよ
うに、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃が
してもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置
においても適用可能である。
【0157】以上のように、本願実施形態の露光装置
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0158】半導体デバイスは、図10に示すように、
デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この
設計ステップに基づいたマスクを製作するステップ20
2、シリコン材料から基板(ウェーハ)を製造するステ
ップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスク
のパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステッ
プ206等を経て製造される。
【0159】
【発明の効果】本発明の吸光物質検出方法、並びに露光
方法及び装置は以下のような効果を有するものである。
【0160】本発明の吸光物質検出方法によれば、空間
内の吸光物質の濃度は空間を通過後の光線の強度に関す
る情報の計測結果に基づいて検出することができ、短時
間で効率良く行われる。また、異なる光路で複数の光線
を照射するとともに、それぞれの光線の強度に関する情
報を計測することにより、この計測結果に基づいて前記
空間内の吸光物質の分布を求めることができる。空間に
光線として、波長域の異なる複数の光線を照射し、それ
ぞれの光線の強度に関する情報を計測することにより、
この計測結果に基づいて前記空間に存在する複数の吸光
物質のそれぞれの濃度を検出することができる。これに
よって、空間の吸光物質の濃度上昇の原因を特定するこ
とが容易となる。
【0161】本発明の露光方法及び露光装置によれば、
吸光物質の濃度の検出が、光路空間に光線を照射すると
ともにこの光路空間を通過後の光線の強度に関する情報
に基づいて行われるので、光路空間の状態を把握しつつ
露光処理を行うことが可能である。したがって、生産性
及び作業性は向上される。例えば、吸光物質の所定値以
上の濃度を検出した場合、パターンの像の転写を停止す
るとともに、光路空間内における吸光物質の濃度を低減
させる作業を行い、光路空間内における吸光物質の濃度
が所定値以下になった後、パターンの像の転写を開始す
ることによって、パターンの像の転写は適切な状態で行
うことができる。また、パターンの像を転写中に強度に
関する情報を計測することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】吸光物質低減装置を説明するための図である。
【図3】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第2実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第3実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第4実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第4実施形態を示す構成図である。
【図7】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第4実施形態の他の例を示す構成図である。
【図8】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第5実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明の吸光物質の検出装置を備えた露光装置
の第5実施形態の他の例を示す構成図である。
【図10】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフロ
ーチャート図である。
【符号の説明】
1A〜1E 露光装置 2 照明光学系 3 投影光学系 4 ブラインド部 5 マスク室 6 基板室 9 制御部(制御系) 10、201、301、401 計測器 21 光源(照射部) 90、200、300、400 照射部 100 算出部 402 反射板 B 光線 M マスク W 基板 LS 光路空間(空間) EL 露光光(光線)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA01 AA05 BB01 CC20 DD13 EE01 FF06 GG01 GG07 GG08 GG10 HH03 JJ02 JJ11 JJ12 JJ13 JJ22 KK01 KK04 MM05 MM10 5F046 AA22 BA05 CA04 CA08 CB20 CB21 DA01 DA02 DA27 DA30 DB01 DB11 DC02 DC12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光エネルギー発生源からの露光エネル
    ギーのもとでマスクのパターンの像を基板に転写する
    際、前記露光エネルギー発生源と前記基板との間に形成
    される少なくとも1つの空間内で、前記露光エネルギー
    を吸収する吸光物質を検出する吸光物質検出方法におい
    て、 前記露光エネルギーの通過する空間に所定の光線を照射
    し、該空間を通過した前記所定の光線の強度に関する情
    報を計測し、この計測結果に基づいて前記空間内の吸光
    物質の濃度を検出することを特徴とする吸光物質検出方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吸光物質検出方法にお
    いて、 異なる光路で照射される複数の光線のそれぞれの強度に
    関する情報を計測し、この計測結果に基づいて前記空間
    内の吸光物質の分布を求めることを特徴とする吸光物質
    検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の吸光物質検出方
    法において、 前記空間に前記光線として、波長域の異なる複数の光線
    を照射し、 前記それぞれの光線の強度に関する情報を計測し、 この計測結果に基づいて前記空間に存在する複数の吸光
    物質のそれぞれの濃度を検出することを特徴とする吸光
    物質検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の吸光物
    質検出方法において、前記光線として、前記露光エネル
    ギーを用いることを特徴とする吸光物質検出方法。
  5. 【請求項5】 マスクに露光光を照明することにより該
    マスクに形成されたパターンの像を基板上に転写する露
    光方法において、 前記露光光の通過する光路空間に所定の光線を照射し、
    該光路空間を通過した前記所定の光線の強度に関する情
    報を計測し、この計測結果に基づいて前記光路空間内の
    吸光物質の濃度を検出し、前記転写状態を制御すること
    を特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の露光方法において、 前記吸光物質の所定値以上の濃度を検出した場合、前記
    パターンの像の転写を停止するとともに、前記光路空間
    内における吸光物質の濃度を低減させる作業を行い、 前記光路空間内における吸光物質の濃度が所定値以下に
    なった後、 前記パターンの像の転写を開始することを特徴とする露
    光方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の露光方法において、 前記パターンの像を転写中に前記強度に関する情報を計
    測することを特徴とする露光方法。
  8. 【請求項8】 マスクに露光光を照明することにより該
    マスクに形成されたパターンの像を基板上に転写する露
    光装置において、 前記露光光の通過する光路空間へ所定の光線を照射する
    照射部と、 前記光路空間を通過した所定の光線の強度に関する情報
    を計測する計測器と、 この計測器の計測結果に基づき前記光路空間内の吸光物
    質の濃度を求める算出部と、 この算出部の算出結果に基づき前記転写状態を制御する
    制御系とを備えることを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の露光装置において、 前記計測器は前記露光光の光路上の複数箇所に該光路に
    対して出入り可能に設けられることを特徴とする露光装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の露光装置にお
    いて、 前記制御系からの指示により駆動し且つ前記光路空間内
    の吸光物質の濃度を低減させるための吸光物質低減装置
    を備えることを特徴とする露光装置。
JP24235299A 1999-08-27 1999-08-27 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置 Withdrawn JP2001068400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24235299A JP2001068400A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24235299A JP2001068400A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001068400A true JP2001068400A (ja) 2001-03-16

Family

ID=17087926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24235299A Withdrawn JP2001068400A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001068400A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001093319A1 (fr) * 2000-05-31 2001-12-06 Nikon Corporation Systeme d'alimentation en gaz, dispositif d'exposition et procede de fabrication associe
WO2003036695A1 (fr) * 2001-10-23 2003-05-01 Nikon Corporation Procede d'alimentation en gaz de purge d'un appareil d'exposition, appareil d'exposition, et procede de fabrication de cet appareil
WO2003054936A1 (fr) * 2001-12-21 2003-07-03 Nikon Corporation Procede de purge de gaz et systeme d'exposition, ainsi que procede de production de dispositifs
WO2004027771A1 (ja) * 2002-09-19 2004-04-01 Tdk Corporation 電子線照射装置、電子線照射方法、ディスク状体の製造装置及びディスク状体の製造方法
WO2004078868A1 (ja) * 2003-03-06 2004-09-16 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 真空紫外線接着装置
JP2005136423A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
WO2005114711A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Jsr Corporation 液浸露光用液体および液浸露光方法
JP2010008099A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 液体または溶融材料の光学測定装置および光学測定方法
JP2011133492A (ja) * 2004-05-14 2011-07-07 Kla-Tencor Corp 試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001093319A1 (fr) * 2000-05-31 2001-12-06 Nikon Corporation Systeme d'alimentation en gaz, dispositif d'exposition et procede de fabrication associe
WO2003036695A1 (fr) * 2001-10-23 2003-05-01 Nikon Corporation Procede d'alimentation en gaz de purge d'un appareil d'exposition, appareil d'exposition, et procede de fabrication de cet appareil
WO2003054936A1 (fr) * 2001-12-21 2003-07-03 Nikon Corporation Procede de purge de gaz et systeme d'exposition, ainsi que procede de production de dispositifs
WO2004027771A1 (ja) * 2002-09-19 2004-04-01 Tdk Corporation 電子線照射装置、電子線照射方法、ディスク状体の製造装置及びディスク状体の製造方法
WO2004078868A1 (ja) * 2003-03-06 2004-09-16 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 真空紫外線接着装置
JP2005136423A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
JP2009065222A (ja) * 2003-10-30 2009-03-26 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
JP2011133492A (ja) * 2004-05-14 2011-07-07 Kla-Tencor Corp 試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法
WO2005114711A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Jsr Corporation 液浸露光用液体および液浸露光方法
US7580111B2 (en) 2004-05-21 2009-08-25 Jsr Corporation Liquid for immersion exposure and immersion exposure method
JP2010008099A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 液体または溶融材料の光学測定装置および光学測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6614504B2 (en) Exposure apparatus, exposure method, and device manufacturing method
JP3913976B2 (ja) リソグラフ投影装置に用いる洗浄ガスシステム
JP4610545B2 (ja) リソグラフィ装置及び清浄装置
US20030206280A1 (en) Optical apparatus and exposure apparatus incorporating the apparatus
JP4429201B2 (ja) リソグラフィック装置及びデバイス製造方法
US20030047692A1 (en) Measuring method and measuring apparatus, exposure method and exposure apparatus
JP4265257B2 (ja) 露光装置及び露光方法、フィルム構造体
JP2000091192A (ja) 露光装置
JP2001068400A (ja) 吸光物質検出方法、並びに露光方法及び装置
JP2004063847A (ja) 露光装置、露光方法、及びステージ装置
JP2005064210A (ja) 露光方法、該露光方法を利用した電子デバイスの製造方法及び露光装置
US6798495B2 (en) Exposure apparatus, exposure method and device production method
JP2002164267A (ja) 露光装置及びデバイスの製造方法
JP2001345264A (ja) 露光装置及び露光方法並びにデバイスの製造方法
JP2003257822A (ja) 光学装置及び露光装置
JP2003257821A (ja) 光学装置及び露光装置
JP2001250765A (ja) 露光装置及び光源装置
JP2002260998A (ja) 露光方法及び露光装置並びにデバイスの製造方法
JP2003115433A (ja) 露光方法及び露光装置
JP2002329906A (ja) 光源装置、露光装置、並びにデバイス製造方法
JP2002033267A (ja) 排気方法及び排気装置、露光方法及び露光装置
JP2001230202A (ja) ガス置換方法及び装置、露光方法及び装置、並びにデバイスの製造方法
JP2004241478A (ja) 露光方法及びその装置、並びにデバイス製造方法
JP2003257820A (ja) ガス供給システム、露光装置、並びにフィルタ
JP2002006240A (ja) ビームエネルギー量調整装置及び露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061107