JP2001067643A - 磁気カ−ドおよび磁気カ−ド用ポリイミド多孔フィルム - Google Patents

磁気カ−ドおよび磁気カ−ド用ポリイミド多孔フィルム

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JP2001067643A
JP2001067643A JP23728499A JP23728499A JP2001067643A JP 2001067643 A JP2001067643 A JP 2001067643A JP 23728499 A JP23728499 A JP 23728499A JP 23728499 A JP23728499 A JP 23728499A JP 2001067643 A JP2001067643 A JP 2001067643A
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magnetic card
porous film
film
polyimide
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Nobuo Oya
修生 大矢
Shigeru Yao
滋 八尾
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、基体より熱分解しやすい結
合剤を磁性塗料に用い、多孔質のフィルムをコ−ティン
グ層とする磁気カ−ドであって、バインダ−の揮発物が
逸散しやすく、しかも磁気カ−ドの磁気層に膨れが生じ
ない磁気カ−ドおよび磁気カ−ド用多孔質フィルムを提
供することである。 【解決手段】 本発明は、基体の少なくとも一部に該基
体より低い熱分解温度を有する結合剤を含む磁性層を設
け、該磁性層上に微細な連続孔を有し、空孔率30〜8
5%、平均孔径0.01〜5μm、最大孔径15μm以
下、膜厚5〜100μm、透気度30〜2000秒/1
00cc、耐熱温度200℃以上であるポリイミド多孔
フィルム層を設けた磁気カ−ド、および磁気カ−ド用多
孔質フィルムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カ−ドおよび
磁気カ−ド用ポリイミド多孔フィルムに関し、特に、微
細な連続孔を有し、空孔率30〜85%、平均孔径0.
01〜5μm、最大孔径15μm以下、膜厚5〜100
μm、透気度30〜2000秒/100cc、耐熱温度
200℃以上であるポリイミド多孔フィルム層を設けた
磁気カ−ドおよび前記フィルムからなる磁気カ−ド用ポ
リイミド多孔フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】乗車券、テレフォンカ−ドあるいはプリ
ペイドカ−ド等の金券として利用されている磁気カ−ド
類は、利用するごとに所定の装置で、磁性層に残金等の
所定の情報を書き換えることにより使用されている。
【0003】これらの磁気カ−ドには、変造防止策とし
て、磁性層に保護層を設ける、あるいは、磁性層を多層
にする等の工夫が施されている。
【0004】ところが、磁気カ−ドの普及と共に、磁気
カ−ドの情報を再生、記録する装置技術も発達し、記録
した情報を容易に読み取り、さらには、情報を書き込む
ことまで可能となった。具体的には、磁気カ−ドの使用
ごとに、新しい情報を含む全情報が、旧情報の上に上書
きされる形で書き換えられるため、情報を記録、再生す
る装置があれば、容易に情報の書き換えが行える。この
ことにより、近年、磁気カ−ドの変造が増加してきた。
【0005】この問題に関して、特開平10−2152
6号公報には、記録した磁気情報を上書きし書き換える
などの変造防止に優れた磁気カ−ドが開示されている。
この磁気カ−ドには、耐熱性の多孔ポリイミドフィルム
からなるコ−ティング層が使われている。
【0006】しかしながら、前記公報には多孔ポリイミ
ドフィルムがピンホ−ルを有しているために、バインダ
−の揮発物が逸散するのに好都合であるとしているが、
ピンホ−ルの孔が大きすぎると、記録した情報の消去が
不完全になるし、また、小さすぎると、多孔質の役目を
果たたさない。つまり、バインダ−の揮発物が逸散しな
くなる傾向があり、磁気カ−ドの磁気層が膨れるという
不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基体
より、熱分解しやすい結合剤を磁性塗料に用い、多孔質
のフィルムをコ−ティング層とする磁気カ−ドであっ
て、バインダ−の揮発物が逸散しやすくしかも、磁気カ
−ドの磁気層に膨れが生じない磁気カ−ドおよび磁気カ
−ド用多孔質フィルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体の少なく
とも一部に該基体より低い熱分解温度を有する結合剤を
含む磁性層を設け、該磁性層上に微細な連続孔を有し、
空孔率30〜85%、平均孔径0.01〜5μm、最大
孔径15μm以下、膜厚5〜100μm、透気度30〜
2000秒/100cc、耐熱温度200℃以上である
ポリイミド多孔フィルム層を設けた磁気カ−ドに関す
る。
【0009】また、本発明は、基体の少なくとも一部に
該基体より低い熱分解温度を有する結合剤を含む磁性層
を設け、該磁性層上に多孔質フィルムをコ−ティングし
た磁気カ−ドに使用される、微細な連続孔を有し、空孔
率30〜85%、平均孔径0.01〜5μm、最大孔径
15μm以下、膜厚5〜100μm、透気度30〜20
00秒/100cc、耐熱温度200℃以上である磁気
カ−ド用ポリイミド多孔フィルムに関する。
【0010】
【発明実施の形態】本発明におけるポリイミド多孔フィ
ルムは、例えばポリイミド前駆体0.3〜60重量%と
溶媒99.7〜40重量%からなる溶液を調製し、前記
溶液をフィルム状に流延し、溶媒置換速度調整材を介し
て凝固溶媒に接触させることによってポリイミド前駆体
を析出、多孔質化した後、該ポリイミド前駆体多孔質フ
ィルムを熱処理或いは化学処理することによって製造で
きる。
【0011】前記のポリイミド多孔フィルムの製造法で
は、溶媒置換速度調整材として、フィルム状に流延した
ポリイミド前駆体溶液の少なくとも片面に、透気性を有
する不織布或は多孔膜を積層することが好ましい。
【0012】前記のポリイミド多孔質フィルムの製造法
では、凝固溶媒として、ポリイミド前駆体の非溶媒また
はポリイミド前駆体の溶媒0.1〜60重量%と非溶媒
99.9〜40重量%からなる混合溶媒を用いることが
好ましい。
【0013】前記のポリイミド前駆体とは、テトラカル
ボン酸成分とジアミン成分の好ましくは芳香族化合物に
属するモノマ−を重合して得られたポリアミック酸或い
はその部分的にイミド化したものであり、熱処理或いは
化学処理することで閉環してポリイミド樹脂とすること
ができる。ポリイミド樹脂とは、後述のイミド化率が約
50%以上の耐熱性ポリマ−である。
【0014】ポリイミド前駆体の溶媒として用いる有機
溶媒は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレゾ−ル
などが挙げられる。
【0015】テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、
対数粘度(30℃、濃度;0.5g/100mL NM
P)が0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前
駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の温度で
行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミ
ド前駆体が製造される。
【0016】芳香族ジアミンとしては、例えば、一般式
(1)又は(2) H2N―Ar(R1)―A―Ar(R1)−NH2 (1) または H2N―Ar(R2)―Ar(R2)−NH2 (2) (ただし、前記一般式において、R1またはR2は、水
素、低級アルキル、低級アルコキシなどの置換基であ
り、Aは、O、S、CO、SO2、SO、CH2、C(C
32などの二価の基である)で示される芳香族ジアミ
ン化合物が好ましい。
【0017】具体的な化合物としては、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル(以下、DADEと略記するこ
ともある。)、3,3’−ジメチル −4,4’−ジア
ミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジエトキシ −
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルなどが挙げられ
る。前記の芳香族ジアミン成分としては、一般式(3) H2N−Py−NH2 (3) (ただし、Pyは置換あるいは非置換のピリジン残基で
ある。)で示されるジアミノピリジンであってもよく、
具体的には、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジア
ミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジ
アミノピリジンなどが挙げられる。また上記芳香族ジア
ミン類の混合物であっても良い。
【0018】テトラカルボン酸成分としては、ビフェニ
ルテトラカルボン酸成分、例えば、3,3’,4,4’
− ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−
BPDAと略記することもある)、2,3,3’,4’
− ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−
BPDAと略記することもある)が好ましいが、2,
3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸、あるいは2,3,3’,4’−
又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
の塩またはそれらのエステル化誘導体であってもよい。
ビフェニルテトラカルボン酸成分は、上記の各ビフェニ
ルテトラカルボン酸類の混合物であってもよい。
【0019】また、上記のテトラカルボン酸成分は、前
述のビフェニルテトラカルボン酸類のほかに、テトラカ
ルボン酸として、ピロメリット酸、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸,2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン,ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン,ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル,ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル,ブタ
ンテトラカルボン酸,あるいはそれらの酸無水物、塩ま
たはエステル化誘導体などのテトラカルボン酸類を、全
テトラカルボン酸成分に対して10モル%以下、特に5
モル%以下の割合で含有してもよい。
【0020】重合されたポリイミド前駆体は、前記有機
溶媒に0.3〜60重量%、好ましくは1%〜30重量
%の割合で溶解してポリイミド前駆体溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。ポリイミド前駆
体の割合が0.3重量%より小さいと多孔質膜を作製し
た際のフィルム強度が低下するので適当でなく、60重
量%より大きいと多孔質膜のイオン透過性が低下するた
め、またポリイミド前駆体が均一な溶液になりにくいた
め、上記範囲の割合が好適である。また、調製されたポ
リイミド前駆体溶液の溶液粘度は10〜10000ポイ
ズ、好ましくは40〜3000ポイズである。溶液粘度
が10ポイズより小さいと多孔質膜を作製した際のフィ
ルム強度が低下するので適当でなく、10000ポイズ
より大きいとフィルム状に流延することが困難となるの
で、上記範囲が好適である。
【0021】ポリイミド前駆体溶液は、フィルム状に流
延された後、少なくとも片面に溶媒置換速度調整材を配
した積層フィルムとされる。ポリイミド前駆体溶液の流
延積層フィルムを得る方法としては特に制限はないが、
該ポリイミド前駆体溶液を基台となるガラス等の板上或
いは可動式のベルト上に流延した後、流延物表面を溶媒
置換速度調整材で覆う方法、該ポリイミド前駆体溶液を
スプレ−法或いはドクタ−ブレ−ド法を用いて溶媒置換
速度調整材上に薄くコ−ティングする方法、該ポリイミ
ド前駆体溶液をTダイから押出して溶媒置換速度調整材
間に挟み込み、両面に溶媒置換速度調整材を配した3層
積層フィルムを得る方法などの手法を用いることができ
る。
【0022】溶媒置換速度調整材としては、前記多層フ
ィルムを凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体を析出
させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適
切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するも
のが好ましい。溶媒置換速度調整材の膜厚は5〜500
μm、好ましくは10〜100μmであり、フィルム断
面方向に貫通した0.01〜10μm、好ましくは0.
03〜1μmの孔が十分な密度で分散しているものが好
適である。溶媒置換速度調整材の膜厚が上記範囲より小
さいと溶媒置換速度が速すぎる為に析出したポリイミド
前駆体表面に緻密層が形成されるだけでなく凝固溶媒と
接触させる際にシワが発生する場合があるので適当でな
く、上記範囲より大きいと溶媒置換速度が遅くなる為に
ポリイミド前駆体内部に形成される孔構造が不均一とな
る。
【0023】溶媒置換速度調整材としては、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、セルロース、テフロンなどを材料とした不織布或い
は多孔膜などが用いられ、特にポリオレフィン製の微多
孔質膜を用いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィ
ルム表面の平滑性に優れるので好適である。
【0024】複層化されたポリイミド前駆体流延物は、
溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させること
でポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミ
ド前駆体の凝固溶媒としては、エタノ−ル、メタノ−ル
等のアルコ−ル類、アセトン、水等のポリイミド前駆体
の非溶媒またはこれら非溶媒99.9〜50重量%と前
記ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜50重量%とのの混
合溶媒を用いることができる。非溶媒及び溶媒の組合わ
せには特に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒から
なる混合溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体
の多孔質構造が均一となるので好適である。
【0025】多孔質化されたポリイミド前駆体フィルム
は、ついで熱処理或いは化学処理が施される。ポリイミ
ド前駆体フィルムの熱処理は、溶媒置換速度調整材を取
除いたポリイミド前駆体多孔質フィルムをピン、チャッ
ク或いはピンチロ−ル等を用いて熱収縮が生じないよう
に固定し、大気中にて280〜500℃で5〜60分間
行われる。
【0026】ポリイミド前駆体多孔質フィルムの化学処
理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として
用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として
行われる。また、特開平4−339835号公報のよう
に、イミダ−ル、ベンズイミダゾ−ル、もしくはそれら
の置換誘導体を用いても良い。
【0027】このようにして製造されるポリイミド多孔
フィルムは、前記製造条件の選択によっても多少異なる
が、空孔率30〜85%、好ましくは40〜70%、平
均孔径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1μm
で最大孔径15μm以下、好ましくは10μm以下であ
る。ポリイミド多孔質フィルムの空孔率が低すぎると磁
気カ−ド用コ−ティング層として使用したときの、機能
が十分でなく、また大きすぎると機械的強度が悪くな
る。また、平均孔径が大きすぎると、レ−ザ−で消去し
たはずの情報が不完全に消去できなくなる。また、小さ
すぎると、多孔質の役目を果たさないことになる。つま
り、バインダ−の揮発物が逸散しなくなる傾向があり不
適当である。また、フィルム全体の膜厚が5〜100μ
m、透気度30〜2000秒/100ccに調製され、
ポリイミド多孔質層の耐熱温度は200℃以上である。
前記の範囲外であると、フィルム自体の製造が困難であ
ったり、多孔質の役目を果たさなかったりあるいは磁気
カ−ドに記録した情報の消去が不完全になりいずれも適
当ではない。
【0028】本発明の磁気カ−ドは、ポリエチレンテレ
フタレ−ト(以下PETと略記することもある。)樹脂
等からなる基体の主面上に、磁性層を形成し、その上に
接着剤等を用いて接着層を形成し多孔性ポリイミドフィ
ルムのコ−ティング層を形成したものが好ましい。接着
層を形成する接着剤としては、ポリシリコ−ンイミドな
どが好ましい。
【0029】磁性層は、たとえば磁性粉末バリウムフェ
ライト40重量部、結合剤としてポリエチレン45重量
部をトルエンを溶剤100重量部として、混合し、磁性
塗料を作製できる。得られた磁性塗料を、PETの基体
上に、20μmの厚さに塗布、その後、乾燥したするこ
とによって、磁気カ−ドを作製することができる。
【0030】そして、加熱により磁性層中の結合剤をレ
−ザ−で熱分解し、磁性粒子のN極〜S極を整列させ
て、上書きを防止し、変造を困難にすることが可能とな
る。その際、コ−ティング層に使用する耐熱性の多孔質
ポリイミドの孔径を前記の範囲にすることにより、レ−
ザ−処理で、バインダ−の揮発物が円滑に逸散すること
ができる。
【0031】
【実施例】次に実施例及び比較例を示し、本発明の磁気
カ−ドおよび磁気カ−ド用多孔フィルムについて更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0032】参考例1 ポリイミド多孔フィルムの作製 テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを、ジアミン
成分としてDADEを用い、s−BPDAに対するDA
DEのモル比が0.994で且つ該モノマー成分の合計
重量が20重量%になるようにNMPに溶解し、温度4
0℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体を得た。ポ
リイミド前駆体溶液の溶液粘度は500ポイズであっ
た。
【0033】得られたポリイミド前駆体溶液を、ガラス
板上に厚みが約150μmになるように流延し、溶媒置
換速度調整材として透気度550秒/100ccのポリ
オレフィン微多孔膜(宇部興産株式会社製 ユ−ポアUP
2015)でシワの生じないように表面を覆った。該積層物
をメタノール中に5分間浸漬し、溶媒置換速度調整材を
介して溶媒置換を行うことでポリイミド前駆体の析出、
多孔質化を行った。
【0034】析出したポリイミド前駆体多孔質フィルム
を水中に15分間浸漬した後、ガラス板及び溶媒置換速
度調整材から剥離し、ピンテンタ−に固定した状態で、
大気中にて300℃、10分間熱処理を行った。ポリイ
ミド多孔質フィルムのイミド化率は80%であり、フィ
ルム断面方向に連続孔を有していた。
【0035】得られた多孔ポリイミドの評価は下記のよ
うに従って行った。 透気度 JIS P8117に準じて測定した。透気度をガ−レ
−値で表した。 空孔率 次式に従って求めた。Sは多孔質フィルムの面積、dは
膜厚、wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味
し、ポリイミドの密度は1.34とした。 空孔率(%)=100−100×(W/D)/(S×
d) 平均孔径 多孔質フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真より、50
点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平
均値から次式に従って孔形状が真円であるとした際の平
均直径を計算より求めた。次式のSaは孔面積の平均値
を意味する。 平均孔径=2×(Sa/π)1/2
【0036】得られたポリイミド多孔質フィルムの膜厚
は、44μm、透気度378秒/100cc、空孔率59
%、平均孔径0.75μmであった。
【0037】実施例1 参考例1で得られたポリイミド多孔質フィルムを磁気カ
−ドのコ−ティング層として用いた。磁性層は、たとえ
ば磁性粉末バリウムフェライト40重量部、結合剤とし
てポリエチレン45重量部をトルエン100重量部と混
合し、磁性塗料を作製した。得られた磁性塗料を、PE
Tの基体上に、20μmの厚さに塗布、その後、乾燥し
た。その上に接着剤[商品名;ユピタイトUPA−83
(THF溶液)、宇部興産株式会社製]を塗布した参考
例1で得られたポリイミド多孔質フィルムを張り合わせ
てポリイミド多孔フィルムのコ−ティング層を形成し
た。
【0038】磁気カ−ド性能試験 磁気ヘッド(発生磁界5kG)を用いて記録を行った。
これを磁気カ−ドリ−ダを用いて記録した情報を読み取
ったところ、全情報を読み取ることができた。
【0039】次に、磁気情報を記録した部分の一部をレ
−ザ照射により加熱し、磁性層の結合剤を熱分解した。
磁性粒子が結合剤から分離した状態で、N極〜S極が整
列していると思われる。磁気カ−ドリ−ダを用いて、記
録した情報を読み取ったところ、レ−ザ照射部分の情報
は読み取ることができなかった。
【0040】さらに、磁気ヘッドを用いて別の情報の記
録を行い、磁気カ−ドリ−ダを用いて記録した情報を読
み取ったところ、レ−ザ照射部分の情報は読み取れず、
レ−ザ照射部分には、情報の記録が行われていないこと
がわかった。
【0041】比較例1 膜厚50μmの孔の空いていないポリイミドフィルム
(宇部興産製ユ−ピレックスR)に、レ−ザ−で直径1
0μmの穴をあけ、空孔率2%の穴あきポリイミドフィ
ルムを作製した。このフィルムを実施例1と同様の工程
で磁気カ−ドのコ−ティング層に適用した。文字情報を
記憶させて、レ−ザ−で加熱したところ、情報消去は不
完全であった。
【0042】比較例2 ピロメリット酸無水物とDADEとからなるポリアミッ
ク酸溶液とポリエステルポリオ−ルとトリレン−2,4
−ルイジンイソシアネ−トからなるポリウレタン溶液か
らなるポリイミド前駆体を温度200℃で1時間加熱し
て、ポリ(イミド−ウレタン)(I/U=8:2)を得
た。その後、温度350℃に加熱し、ウレタン成分を熱
分解して多孔質ポリイミドを得た。この多孔性ポリイミ
ドは平均孔径2.1μm、透気度2100秒/100cc、
空孔率24% であった。この多孔フィルムを実施例1
と同様の工程でコ−ティング層に適用して磁気カ−ドを
作製した。情報記録を消そうとしてレ−ザ−加熱してみ
たところ、バインダ−の揮発分が逸散せず、磁気カ−ド
が少し膨れていた。
【0043】比較例3 ピロメリット酸無水物とDADEとからなるポリアミッ
ク酸溶液とポリエステルポリオ−ルとトリレン−2,4
−ルイジンイソシアネ−トからなるポリウレタン溶液か
らなるポリイミド前駆体を温度200℃で1時間加熱し
て、ポリ(イミド−ウレタン)(I/U=8:2)を得
た。その後、温度350℃に加熱し、ウレタン成分を熱
分解して多孔質ポリイミドを得た。この多孔性ポリイミ
ドは平均孔径2.1μm、透気度2100秒/100c
c、空孔率24%であった。この多孔フィルムを実施例
1と同様の工程でコ−ティング層に適用して磁気カード
を作製した。情報記録を消そうとして、レ−ザ−加熱し
てみたところ、バインダ−の揮発分が逸散せず、磁気カ
−ドが少し膨れていた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、連続孔を有し特定の孔
を有する多孔質ポリイミドフィルムをコ−ティング層に
用いることによって、記録した磁気情報を上書きし書き
換える等の変造の防止に優れた磁気カ−ドを提供するこ
とが可能となった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA02 PC016 RA35 SA06 SB01 TA14 TA22 UA122 UA131 UA132 UA361 UB022 UB121 UB122 UB282 UB302 UB402 VA021 VA022 VA041 VA062 YA06 ZB11 5D006 AA01 AA05 BA11 DA01 FA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の少なくとも一部に該基体より低い
    熱分解温度を有する結合剤を含む磁性層を設け、該磁性
    層上に、微細な連続孔を有し、空孔率30〜85%、平
    均孔径0.01〜5μm、最大孔径15μm以下、膜厚
    5〜100μm、透気度30〜2000秒/100c
    c、耐熱温度200℃以上であるポリイミド多孔フィル
    ム層を設けた磁気カ−ド。
  2. 【請求項2】 基体の少なくとも一部に該基体より低い
    熱分解温度を有する結合剤を含む磁性層を設け、該磁性
    層上に多孔質フィルムをコ−ティングした磁気カ−ドに
    使用される、微細な連続孔を有し、空孔率30〜85
    %、平均孔径0.01〜5μm、最大孔径15μm以
    下、膜厚5〜100μm、透気度30〜2000秒/1
    00cc、耐熱温度200℃以上である磁気カ−ド用ポ
    リイミド多孔フィルム。
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