JP2001066895A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001066895A
JP2001066895A JP24545199A JP24545199A JP2001066895A JP 2001066895 A JP2001066895 A JP 2001066895A JP 24545199 A JP24545199 A JP 24545199A JP 24545199 A JP24545199 A JP 24545199A JP 2001066895 A JP2001066895 A JP 2001066895A
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JP24545199A
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Makoto Nonomura
真 野々村
Yukihiro Ozeki
行弘 大関
Katsuhiro Sakaizawa
勝弘 境澤
Manami Sekiguchi
真奈実 関口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一成分接触現像方式において、像保持体
と現像剤担持体との当接に伴う負荷によって、現像剤及
び部材の機能劣化が生じるのを抑制する。 【解決手段】 像保持体と現像剤担持体との当接部にお
いてトナーにかかる荷重を、そのトナーが弾性を示す限
界荷重以下とすることで、現像剤への負担を軽減する。
すなわち、トナー一粒子あたりの最大弾性圧縮荷重がP
[N]であり且つその体積平均径がd[mm]であるト
ナーに対して、像保持体及び現像剤担持体との当接部の
ニップ幅A[mm]と、像保持体及び現像剤担持体と当
接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]が、 【数1】 という関係式(1)を満足させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像剤担持体上の
一成分現像剤を静電潜像保持体と接触させた状態で現像
を行う電子写真式画像形成装置及び静電記録装置等に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来技術に基づく画像形成装置の一例
を、図7に示す。この画像形成装置は、一成分現像剤を
静電潜像を保持した像保持体と接触させた状態で反転現
像を行う電子写真式プリンタである。以下にこの画像形
成装置を簡単に説明する。
【0003】この画像形成装置は、静電潜像を保持する
像保持体たる感光体ドラム101、感光体ドラム101
上に静電潜像を記録する露光手段102、感光体ドラム
101上の静電潜像を現像する現像器103、感光体ド
ラム101上で現像されたトナー像を転写材に転写する
転写手段たる転写ローラー104、転写材上に転写され
たトナー像を固定化するための定着手段たるヒートロー
ラー105、及び、転写材に転写されなかった残トナー
をクリーニングするクリーナー106とを有している。
【0004】この画像形成装置による画像形成は、以下
に示すように行われる。画像情報は、露光手段102に
よって感光体ドラム101上に静電潜像として記録され
る。感光体ドラム101上の静電潜像は、感光体ドラム
101と当接して配置された現像器103によって供給
される現像剤により、不図示の電源により形成される現
像電界の作用下で現像されて、トナー像として可視化さ
れる。このトナー像は、感光体ドラム101と転写ロー
ラー104間に形成された転写電界の作用下で、転写材
に転写された後に、ヒートローラーによる加熱、加圧に
よって転写材上に固定化される。また、転写材上に転移
されなかったトナー像の残り(残トナー)は、クリーナ
ー106との当接位置に至り、内部に設けられたスクレ
イパにより機械的に掻き落とされクリーナー内へ回収さ
れる。
【0005】上記画像形成プロセスにおける静電潜像の
現像に当たっては、現像剤を像保持体と接触させる構成
をとるために、この現像器103内に設けられた現像剤
担持体は、例えば、ゴムローラー、スポンジローラー等
の弾性体によって構成される。
【0006】図8に現像器103の拡大図を示す。現像
器103は、図中の矢印方向に回転する一成分現像剤を
表面に担持し現像剤担持体である現像ローラー11、現
像剤を規制する現像剤規制部材であるブレード12、図
中の矢印方向に、感光体ドラムよりも速い周速を持って
回転する現像ローラー11へ現像剤を供給する現像剤供
給手段であるとともに、現像に供されなかった現像剤を
回収する現像剤回収手段でもある供給ローラ13、現像
剤の攪拌ならびに搬送を行う攪拌パドル14、現像ロー
ラー11の下部からの現像剤の飛散を防止する吹き出し
防止シ―ト15、ならびに現像剤を収容する現像剤容器
16から構成されている。
【0007】この現像器103の動作を簡単に説明す
る。現像剤容器16に収容されている現像剤は、攪拌パ
ドル14によって、現像ローラー11および供給ローラ
ー13近傍の領域Rへと搬送される。搬送された現像剤
は、供給ローラー13の回転に伴い、この領域Rにおい
て、一度密な状態となることで、均一化される。その
後、互いにカウンタ回転で当接する現像ローラー11お
よび供給ローラー13との摺擦に伴う摩擦帯電により電
荷が付与される。このようにして、電荷を付与された現
像剤は、帯電電荷によって、現像ローラー11からの鏡
映力を受けることで、現像ローラー11上へ供給され
る。現像ローラー11には、現像ローラー11に加圧さ
れた状態で当接するブレード12が設けられており、現
像ロ−ラー上に供給された現像剤は、このブレードによ
る規制によって現像ローラー上に薄層に塗布されること
で、現像ローラー101、ブレ―ド102それぞれの表
面との摩擦帯電により現像に供されるに至る電荷を付与
される。これらの動作によって、現像に供される至った
電荷を持った現像剤が現像ローラー11上に薄層に塗布
され、これが現像に供される。また、現像ローラー上に
塗布されたものの、現像に供されなかった現像剤は、供
給ローラー13による摺擦によつて現像ローラー上から
剥ぎ取られ、一部は新たに供給されたトナーとともに再
び供給ローラー13によって現像ローラー11へと供給
され、残りは現像剤容器16へと戻される。
【0008】一方、感光体ドラム101は、現像ローラ
ー11と、当接して配置されており、現像ローラー11
上に塗布された現像剤は感光体ドラムと接触した状態で
現像に供される。感光体ドラム101と現像ローラー1
1間には、現像電界が形成されるように不図示の電源が
接続されており、この現像電界の作用下で、現像ローラ
ー11上に塗布された現像剤が、感光体ドラム101上
に保持された静電潜像に転移することで、現像が行われ
る。なお、現像ローラー11上に担持される現像剤は、
薄層に塗布されていており、十分な画像濃度得る為に、
通常、現像ローラー11は、感光体ドラム101よりも
速く駆動される。
【0009】上述のような一連の動作をよって、画像形
成プロセスが進行する。また、この種の画像形成装置に
おいては、クリーナー106のような独立したクリーニ
ング機構を省き、所謂、現像同時クリーニングプロセス
を用いることによって、現像器により、像保持体上の残
トナーのクリーニングを行う簡易な構成も可能である。
【0010】このような構成においては、先の画像形成
に伴い生じた残トナーは、現像器103との当接位置に
至り、この当接位置において、極近接した感光体ドラム
及び現像ローラー間に形成される上記現像電界の作用に
よって、現像ローラー11へと転移し、回収されて再利
用される。また、この回収に当たっては、感光体ドラム
101と現像ローラー11との摺擦による機械的な掻き
取り作用による回収促進効果がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術に基づいた画像形成装置においては、感光体ド
ラムと、現像ローラーとの当接部における負荷によりト
ナーの機能劣化が生じたり、損傷を受けたトナーが装置
内の部材に固着して部材の機能劣化が引き起こされる場
合がある。そのためこの種の装置においては、画像形成
速度を高速化すること、装置の寿命が長くすることは困
難であった。
【0012】このようなトナーの機能劣化は、主に二つ
の現象からなると考えられる。一つはトナー表面に付着
しているかまたは現像剤中に混合されている流動性付与
剤、潤滑剤、研磨剤、クリーニング助剤、抵抗調節剤お
よび荷電制御剤等の外添剤が、負荷受けることによって
トナー内部へ埋め込まれてしまうことにより量的に減少
し、その効果が低下することによる機能劣化である。も
う―つは負荷によって、トナーそのものが損傷、変形
し、形状に起因する特性(摩擦帯電性、転がり性、付着
性、流動性等)が変化してしまう機能劣化である。
【0013】また、上記部材の機能劣化としては、例え
ば現像剤規制部材たるブレードに関して説明すれば、そ
の表面に固着したトナーによって新たに搬送されたトナ
ーとブレード表面との摩擦帯電が阻害されたり、固着し
たトナーが物理的な障害物となって、トナーが均一な薄
層として塗布されることが阻害されること等が挙げられ
る。
【0014】更に、このような機能劣化の問題は、例え
ば公知の懸濁重合法によって製造される球形トナーを用
いる際に発生することが多い。このような球形トナ―
は、以下に述べるように、球形状であるために種々の有
用な特性を有しているが、画像形成プロセスでその形状
が損傷または変形した場合、その機能劣化は、例えば粉
砕法等により製造された不定形のトナーの形状が損傷ま
たは変形した場合の機能劣化と比べると、非常に大きな
ものとなってしまう。
【0015】したがって、本発明の目的は、このような
トナー及び部材の機能劣化を抑制することで、画像形成
速度を高速化でき、長期間使用できる寿命が長い画像形
成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、トナーを有す
る一成分現像剤と、静電潜像を保持するための像保持
体、静電潜像を現像するための一成分系現像剤を表面に
担持するための現像剤担持体、及び、現像剤担持体に担
持される現像剤を薄層に規制して現像に供する現像剤の
量を調節する現像剤規制部材を備えた現像装置と、像保
持体及び現像剤担持体の間に現像電界を形成する現像電
解手段とを備え、前記現像電界の作用下において、現像
剤担持体上の現像剤を像保持体と接触させる状態で現像
を行う構成を有する画像形成装置において、前記トナー
の粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重がP[N]で
あり且つ体積平均径がd[mm]であり、該トナーに対
して、像保持体と現像剤担持体との当接部のニッブ幅A
[mm]と、像保持体及び現像剤担持体との当接部の当
接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]が、
【0017】
【数5】 なる関係式(1)を満足させる構成とすることを特徴と
する画像形成装置である。
【0018】このような構成によれば、像保持体と現像
剤担持体との当接部における当接圧の大きさを、現像剤
に使用されるトナーが弾力性を有する範囲内とすること
で、画像形成プロセスに伴ってトナー及び部材へ係る負
荷が低減され、トナー及び部材の機能劣化を抑制するこ
とできる。
【0019】また、前記現像装置は、像保持体と現像剤
担持体とを接触させた状態で、現像する現像手段と像保
持体上の残トナーのクリーニングを行うクリーニング手
段を有するのが好ましい。この構成によれば、像保持体
上にトナーを現像しつつ、残トナーを現像装置内へ回収
できるため、装置が簡易化されるとともに、残トナーが
再利用されるので残トナーを廃棄する必要がない。
【0020】更に、一成分現像剤に使用されるトナーと
しては、球形度を表す形状係数SF−1の値が100〜
160である球形トナーを用いることが好ましい。この
球形トナーは、球形の形状をしているため良好な転がり
性を有し、均一な摩擦帯電が行われ、帯電電荷量のばら
つきが少なくなることにより良好な現像特性が得られ、
高画質な画像を得ることができる。一成分現像剤に使用
されるトナーとしては、円形度を表す形状係数SF−2
の値をSF−1の値で除した値(SF−2)/(SF−
1)の値が0.8〜1.0である平滑な表面を有するト
ナーを用いることが好ましい。このようなトナーは、円
形な形状をしているために付着力のばらつきが少なくな
り、電界への追従性が良く、転写材への良好な転写性を
生じるので、現像の際の残トナー量は低減される。従っ
て、残トナーの再利用に当たって、混入した残トナーに
よる現像剤の特性(流動性等)変化を小さく抑えること
ができる。
【0021】また、本発明は、上記の関係式(1)を満
たし、上記の一成分現像剤、静電潜像保持体、現像剤担
持体、及び現像剤規制部材を備える現像装置ユニットで
ある。この現像装置ユニットは、現像剤担持体上の現像
剤を像保持体と接触させる状態で現像を行うのに使用さ
れる。そして、この現像装置ユニットは画像形成装置本
体に脱着可能である。
【0022】また、本発明は、上記の関係式(1)を満
たし、上記の一成分現像剤、現像剤担持体、及び、現像
剤規制部材とを備える現像手段である。この現像手段
は、現像剤担持体上の現像剤を静電潜像保持体と接触さ
せる状態で現像を行うのに使用される。
【0023】また、本発明は、この現像手段、並びに、
電子写真感光体、帯電手段およびクリーニング手段から
なる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持
し、画像形成装置本体に脱着可能であるプロセスカート
リッジである。
【0024】さらに、本願発明は、トナーを有する一成
分現像剤を用いる画像形成方法であって、静電潜像を像
保持体上に保持する工程と、現像剤を薄層に規制して現
像剤担持体の表面に担持する工程と、像保持体と現像剤
担持体の間に現像電界を形成させることにより、現像剤
担持体上の現像剤を像保持体と接触させる状態で現像を
行う工程と、を含む画像形成方法であって、上記の関係
式(1)を満足させる構成とすることを特徴とする画像
形成方法である。
【0025】このように、本発明は、上記のような、関
係式(1)を満足することを特徴とするものである。こ
のような関係式(1)を満足する構成によれば、像保持
体と現像剤担持体との当接部における当接圧の大きさ
を、現像剤に使用されるトナーが弾力性を有する範囲内
とすることで、画像形成プロセスに伴ってトナー及び部
材へ係る負荷が低減され、トナー及び部材の機能劣化を
抑制することできる。
【0026】以下、本発明の特徴である、上記の関係式
(1)を添付の図1にしたがって説明する。図1は、画
像形成動作後の現像剤の損傷と、部材の機能劣化による
画像への影響の関係を示したものである。この図1は、
横軸は、当接部における単位面積当たりの当接圧F’
(即ち、
【0027】
【数6】 縦軸は、最大弾性圧縮荷重値P[N]を、そのトナーの
体積平均粒径を直径とする円の面積で除した値P’(即
ち、
【0028】
【数7】 を示している。そして、発明の実施の態様で説明するよ
うに、パラメータF,A,P,dを適宜変更させた条件
で画像形成を行い、その画像結果を、プロットしたもの
である。画像不良が発生したものは×、画像不良が生じ
なかったものは○で示している。
【0029】この図1におけるパラメーターの設定は、
それぞれ独立している(直交している)変数である、ト
ナーの特性(d及びP)と、当接状態(F及びA)を一
意的に決定できるものとして上記のように選択した。
【0030】像保持体(例えば、感光体ドラム)と現像
剤担持体(例えば、現像ローラー)の当接部において、
トナー粒子、一個当たりにかかる荷重fが、弾性圧縮領
域の範囲内である場合には、その荷重に対するトナーか
らの反力f*は同じ大きさであって、つり合っている。
この時の荷重fは、当接ニップ幅A及び当接圧Fより、
【数8】 と考えることができる(ここでは、トナーを球として近
似している)。一方、かかる荷重に対するトナーからの
反力f*は、最大弾性圧縮荷重Pを、最大値とすること
から、f*≦Pである。
【0031】従って、荷重fと反力f*のつり合ってい
る領域においては、
【0032】
【数9】 が成り立つとと考えられることから、この式の両辺を独
立した変数に整理したものに基づいて、上記の縦軸、横
軸のパラメータの選択を行った。
【0033】そして、図1において良好な画像形成を示
す範囲と、画像不良が生じる範囲を区分する境界線Lを
基準として導かれたのが、
【0034】
【数10】 なる関係式(1)である。
【0035】このようにして、本願発明の関係式(1)
を導くことができる。したがって、上記の関係式(1)
を満たす条件を設定すれば、現像剤の損傷と、部材の機
能劣化を抑制することができ、良好な画像形成を行うこ
とができる。
【0036】上記式の意味するところについて補足説明
すれば、右辺の示すトナーが弾性を示す限界の荷重値P
に対して、左辺では当接部においてトナーにかかる荷重
の定数倍をもって、大小の比較が行われている。この定
数倍は、実際の当接部における、トナーの耐荷重性の変
化を示していると考えられる。これは、この関係式にお
いて考えられている荷重が、あくまで静圧に対するもの
であり、実際の当接部において生じている摩擦熱の影響
による、トナーの軟化や、感光ドラム及び現像ローラー
の相対運動による、当接方向以外からの加圧、荷重の影
響が加味されるべきと考えられるからである。
【0037】
【発明の実施の形態】この画像形成装置は、例えば、図
2に示されるもので、一成分現像剤を使用して、接触現
像方式をもって画像形成を行うものである。この装置の
特徴は、像保持体と現像剤担持体との当接部における当
接圧の大きさを、現像剤に使用されるトナーが弾力性を
有する範囲内としたことにある。
【0038】以下に、この画像形成装置の具体的な構成
について説明する。なお、特に言及しないその他の構成
に関しては、前述の従来技術ないしは公知技術に準じた
ものを用いている。
【0039】本発明の画像形成装置は、トナーを有する
一成分現像剤と、現像装置、現像電解手段とを備えるこ
とを特徴とする。そして、この現像装置は、静電潜像を
保持するための像保持体、現像剤担持体、及び、現像剤
規制部材とを備えている。この現像剤規制部材は、現像
剤担持体に担持される現像剤を薄層に規制して現像に供
する現像剤の量を調節することができる。また、本発明
は電解現像手段により、像保持体と現像剤担持体の間に
現像電界が形成され、現像剤担持体上の現像剤を像保持
体と接触させる状態で現像が行われる。
【0040】本願発明の現像装置は、像保持体としての
感光体ドラム101を、例えば、周速100〜250m
m/secの駆動速度で動作し、感光体ドラム101に
接触配置される現像器103内の現像剤担持体としての
現像ローラー1を対感光体ドラム周速の120〜200
%の速度で動作し、反転現像によりトナー像の形成す
る。
【0041】図3において示される現像器103は、本
発明の一例で、非磁性トナーを用いた一成分現像剤を使
用するもので、図中の矢印方向に回転し、弾性を有する
現像剤担持体たる現像ローラー1、現像ローラー1に当
接し、現像ローラー1上の現像剤量を規制すると共に、
摩擦帯電により現像剤への電荷付与を行う現像剤規制部
材たる規制ブレード2、図中の矢印方向に回転し、現像
ローラー1に当接配置され、現像ローラー1へトナーを
塗布するとともに、現像に供されなかった現像剤を回収
する現像剤供給手段である供給ローラー3、図中の矢印
方向に回転し、現像剤の供給ならびに攪拌を行う攪拌部
材4、現像器内部からの現像剤の飛散を防止する吹き出
し防止シート5、および一成分現像剤を収容する現像剤
容器6により構成されるものであり、従来例において説
明されたものと同様の動作をする。このように本発明の
画像形成装置の基本的構成は従来例のものと同様である
が、像保持体と現像剤担持体との当接部における当接圧
の大きさを、現像剤に使用されるトナーが弾力性を有す
る範囲内とすることで、画像形成プロセスに伴ってトナ
ー及び部材へ係る負荷が低減され、トナー及び部材の機
能劣化を抑制するものである。このため、上記の関係式
(1)の条件を満たすことを特徴とする。
【0042】まず、この関係式(1)で用いられている
パラメーターとの関係で、現像剤(トナー)と現像剤特
性によるパラメーター(d及びP)について説明し、次
に、本発明の画像形成装置の特徴である現像装置とその
当接状態によるパラメーター(F及びA)について説明
する。
【0043】<1>現像剤 本現像装置において使用される現像剤は、一成分接触現
像方式に用いるものであれば、特に限定されるももので
はなく、非磁性トナーであっても、磁性トナーのいずれ
も使用することができるが、非磁性トナーを使用するの
が好ましい。非磁性トナーの中では負帯電性非磁性トナ
ーが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、スチレンア
クリル系樹脂等の高分子材料を使用する。これらのトナ
ーは、例えば、熱処理による表面平滑化が行程に加わっ
た、粉砕法により製造することができる。このような非
磁性トナーは、樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着
色剤、荷電制御剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー
又は、メディア分散機を用い均一に分散させた後に、機
械的にまたはジェット気流下でターゲットに衝突させ、
所望のトナー粒径に微粉砕化させ、表面平滑化処理を行
った後に、分級工程をへて、粒度分布を所望の分布にそ
ろえるのが好ましい。このようなトナーの表面形状は、
粉砕のみによるものと比べて突起部が少なく、滑らかな
ものとなる。なお、使用するトナーの製法は、特に限定
されるものではなく、その他の製法、例えば、公知の懸
濁重合法のように各種の重合法等が利用可能である。
【0044】本発明の画像形成装置で使用されるトナー
粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重がP[N]であ
り且つ体積平均粒径がd[mm]である。これらのトナ
ー粒子、一個あたりの最大弾性圧縮荷重P[N]およ
び、体積平均径d[mm]について以下説明する。
【0045】(a)トナーの体積平均粒径d[mm] トナーの体積平均粒径dは、以下の測定法により測定し
た。測定装置として、コールターカウンターTA−ll
型(コールター社製)を使用し、個数平均分布、体積平
均分布を出力するインターフエイス(日科機製)を介し
てバーソナルコンピュータを接続しデータ処理を行う。
【0046】測定は、以下の手順による。電解液は、一
級塩化ナトリウムを用いて調整したNaCl水溶液(1
wt%)を用いた。この電解水溶液100〜150ml
中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルべン
ゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試
料を0.5〜50mg加えて分散処理を行う。試料を懸
濁した電解液を、超音波分散器にて約1〜3分、分散処
理した後に、前記コールターカウンターTA−ll型に
より、粒度分布を測定して体積分布を求める。その際の
アパーチャーとして100μmのものを用い、粒子分布
範囲は2〜40μmとする。このようにして、求められ
た個数分布及び体積分布によりサンプルの体積平均粒子
径d[mm]を算出する。
【0047】(b)トナーの最大弾性圧縮加重P[N] 本発明で使用するトナーの機械的強度は、各種の測定法
により測定可能であるが、ここでは、以下の測定法に基
づいて、トナー一粒子に対する荷重と圧縮変位の関係か
ら導き出される特性値(最大弾性圧縮加重値)をもって
評価した。
【0048】具体的には、(株)島津製作所製の微小圧
縮試験機MCTM−200を使用し、温度25℃、湿度
50%の条件下にて測定を行った結果に基づいている。
この試験器は、上部加圧圧子と下部加圧圧子を備え、上
部加圧圧子には、ダイヤモンドからなる50μm径の平
面圧子、下部加圧圧子にはSKS平板を用いるもので、
試験条件は、以下の条件にて行う。
【0049】 1.試験の種類 :軟質材料用試験モード 2.試料形状 :粒子モード 3.負荷速度定数 :10(荷重の負荷速度9.1mg
f/sec) このようにな条件にて測定される荷重と変位を、図4に
示すように、縦軸に荷重、横軸に圧縮変位をとり、相関
曲線をプロットする。この相関曲線の、ゼロ点における
接線と、変曲点における接線の交点における荷重値を
(トナー粒子、一個あたりの)最大弾性圧縮荷重値と定
義し、機械的強度を示す特性値とした。なお、測定は、
トナー粒子、1個づつ行い、測定を10回以上行って得
た値を平均した値を用いる。
【0050】このように得られた相関曲線の示すところ
と、最大弾性圧縮荷重値の意味について図4を参照し補
足説明をする。一般に、この相関曲線は、図中のように
逆S字形の軌跡を描く。この曲線は、その変位と、曲線
の変化の仕方から、3つの異なる状態の領域に分割する
ことができる。
【0051】ア)弾性圧縮領域 : 粒子に荷重がかか
るものの、その弾性によって、粒子自体が可逆変形する
領域(変位がゼロ点からA点までの間の領域) イ)不可逆変形領域: 粒子が、荷重によって降伏し、
不可逆な変形を生じる領域(A点からB点(変曲点)ま
での間の領域) ウ)つぶれ領域 : 粒子が、荷重によって完全につ
ぶれてしまった領域(B点より変位が大なる領域) 従って、上記で定義された最大弾性圧縮荷重値とは、粒
子が、荷重に降伏することなく、その弾性によって可逆
変形可能な最大荷重の大きさを示すものである。即ち、
トナーに作用する荷重が、この特性値以下であれば、ト
ナーは変形したり、大きく損傷を受けないことを意味す
る。
【0052】また、この種の製法によるトナーの場合、
例えば、バインダー樹脂に使用する材料そのものを変更
したり、同じバインダー樹脂材質ではあっても、低分子
量のものと高分子量のものとを組み合わせた、2ピーク
の分子量分布を持たせたものを用いて、おのおのの組み
合わせや割合を変更すること等により、最大弾性圧縮荷
重値が異なるトナーを用いることができる。
【0053】また、このようなトナーには、必要に応じ
て、公知の流動性付与剤、潤滑剤、研磨剤、クリーニン
グ助剤、抵抗調節剤、荷電制御剤等を外添することが可
能である。外添する際の、外添剤被覆率は、5〜99%
であるのが好ましく、10〜99%であるのが更に好ま
しい。
【0054】この外添剤被覆率は、以下のように定義さ
れる。即ち、日立製作所製FE−SEM(S−8O0)
を用いトナー粒子の像を100個を無作為にサンプリン
グし、その画像情報をインターフエースを介してニコレ
社製画像解析装置(Luzex3)に導入する。得られ
た画像情報を、トナー粒子表面部分と外添剤部分との明
度が異なることを利用して、2値化処理し、外添剤部分
の面積SGとトナー粒子部分の面積(外添剤部分の面積
も含む)STを求め、以下の式をもって外添剤被覆率を
定義した。
【0055】
【数11】添剤被覆率(%)=(SG/ST)×100 また、使用される外添剤としては、トナーに添加した時
の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の1/1
0以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径
とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により
求めたその平均粒径を意味する。
【0056】外添剤としては、具体的には、金属酸化物
(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチ
ウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,
酸化錫,酸化亜鉛など)・窒化物(窒化ケイ素など)・
炭化物(炭化ケイ素など)金属塩(硫酸カルシウム,硫
酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ス
テアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カー
ボンブラック・シリカ等が利用可能である。
【0057】これら外添剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.01〜10重量部が用いられ、好ましく
は、0.05〜5重量部が用いられる。これら外添剤
は、単独で用いても、又、複数の外添剤を併用して使用
しても良い。また、それぞれ環境変動に伴いトナーの特
性が変動するのを抑制する為に、疎水化処理を行ったも
のがより好ましい。
【0058】トナー粒子の体積平均粒子径d[mm]
は、上記の関係式(1)を満たせば、特に限定されるも
のではないが、おおよそ、400dpiを上回る画素密
度をもって記録された微小な静電潜像を忠実に再現する
には、その粒子径は、4〜10μmであるようなトナー
を用いる必要があり、特に高画質を得るには、その体積
平均粒子径dは、4〜7μmの範囲内のものを使用する
のが望ましい。粒子径が7μm以上のトナーを用いる
と、形成された画像では、粒状性、均一性等のノイズ
が、人間の視覚特性において低感度な領域へ追いやら
れ、知覚しづらくなるからである。
【0059】また、この粒子径が4μm未満のトナー粒
子を用いると、転写効率の低下から感光体ドラムや転写
材上に転写残のトナー粒子が多くなり、更に、かぶり、
転写不良に基づく画像の不均一なムラの原因となりやす
いため好ましくない。更に、この粒子径が10μmを超
える場合には、感光体ドラム表面、および各種部材等へ
の融着が起きやすい。さらに、トナー粒子の個数分布に
おける変動係数が35%を超えると更にその傾向が強ま
る。トナー粒子の個数分布における変動係数Bは下記式
から算出される。
【0060】
【数12】変動係数B=[S/D1]×100 式中、Sは、トナー粒子の個数分布における標準偏差値
を示し、D1はトナ一粒子の個数平均粒子径(μm)を
示す。
【0061】また、このようなトナーの外形の状態は、
画像解析装置で測定される球形度を表す形状係数SF−
1の値は100〜140であるのが好ましく、100〜
120であるのが更に好ましい。また、円形度を表す形
状係数SF−2の値をSF−1の値で除した値(SF−
2)/(SF−1)の値は0.7〜1.0であるのが好
ましく0.9〜1.0であるのが更に好ましい。これら
の範囲内であれば、トナーは、球形状で且つ平滑な表面
形状を有する。
【0062】上記平滑な表面形状を有するトナーは、そ
の形状故に良好な転がり性を有し、摩擦帯電において、
均一な帯電が行われやすい。そのため、画像かぶりの原
因となる、未帯電ないしは反転トナーの量を低減しやす
く有利である。また、トナーが均一に帯電されること
で、電界に対する一様な追従性に優れるため、良好な現
像性能及び転写性能が発揮される。従って、高画質化に
あたって、微小な静電潜像の再現が要求される場合にお
いても有利であり、良好な転写性能により残トナ―量も
少なくすることができる。
【0063】なお、前記形状係数SF−1、SF−2と
は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍
率500倍に拡大したトナー像を100個、無作為にサ
ンプリングし、その画像情報はインターフェースを介し
てニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解
析を行い以下に定義される式に基づき得られた値であ
る。
【0064】
【数13】SF−1={(MXLNG)2/AREA}
×(π/4)×100
【0065】
【数14】SF−2={(PERI)2/AREA}×
(1/4π)×100 AREA:トナー投影面積、MXLNG:絶対最大長、
PERI:周長 なお、形状係数と、実際の形状との対応関係は、SF−
1はトナー粒子の丸さの度合を示し、数値が大きくなる
に従い、球形から徐々に不定形となることに対応する。
また、SF−2はトナー粒子の凹凸度合を示し、同様
に、数値が大きくなるに従い、トナー表面の凹凸が顕著
となることに対応するものである。
【0066】また、この装置において用いられるトナー
としては、機能分離をした内部構造を有するものの利用
も望ましい。例えば、低軟化点物質をコアとし、これを
重合によって、外殻樹脂で被覆した、所謂、コア/シェ
ルの内部構造を形成することで、低融点、低軟化点化を
なしたもの、一度形成した粒子に対して、更にSEED
重合等を施して最外殻の機械的強度を強めることで、耐
荷重性を高めたもの等の利用が可能である。
【0067】この種のトナーに使用される低軟化点物質
としては、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線
において、昇温時に40〜130℃の領域に最大吸熱ピ
ークを有するものが用いられる。この最大吸熱ピーク温
度の測定は、「ASTM D3418−8」に準じ、バ
ーキンエルマー社製DSC−7を用いて行った。装置検
出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量
の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サ
ンブルにはアルミニウム製パンを用い、対照用に空パン
をセットし、1回昇温−降温させ前履歴をとった後、昇
温速度10℃/minで測定を行う。上記温度領域に最
大吸熱ピークを有することにより低温定着に大きく貢献
しつつ、離型性をも効果的に発現する。これにより、定
着器にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する必要が無
くなり、定着器構成を簡素化することも可能となる。
【0068】上記低軟化点物質としては、具体的には、
バラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッ
シャートロピィシュワックス、アミドワックス、高級脂
肪酸、エステルワックスおよびこれらの誘導体または、
これらのグラフト/ブロック化合物等が利用可能であ
る。この低軟化点物質はトナー中へ、5〜30重量%添
加することが好ましい。
【0069】また、このトナーは透過電子顕微鏡(TE
M)を用いたトナー粒子の断層面観察において、ワック
ス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球状及
び/又は紡錘形で島状に分散されていることが好まし
い。ワックス成分を上記の如く分散させ、トナー中に内
包化させることによりトナーの劣化や画像形成装置への
汚染等を防止することができるので、良好な帯電性が維
持され、ドット再現に優れたトナー画像を長期にわたっ
て形成し得ることが可能となる。また、加熱時にはワッ
クス成分が効率よく作用するため、低温定着性と耐オフ
セット性を満足なものとすることができる。
【0070】このようなトナー粒子の特徴的な内部構造
は、その断面を観察することによって識別される。具体
的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナ
ー粒子を十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日
間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム(必要
により四三酸化オスミウムを併用し)染色を施した後、
ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサ
ンプルを切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)を用いト
ナー粒子の断層形態を観察する。本発明においては、用
いるワックス成分と外殻を構成する樹脂との若干の結晶
化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるた
め四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。
このトナー粒子は、ワックス成分が外殻樹脂で内包化さ
れていることが観測された。
【0071】次に、上記の物性を有するトナーを使用し
て画像形成を行う、本発明の画像形成装置において特徴
となる現像装置について以下説明する。なお、現像装置
以外については、通常の画像形成装置に使用されている
ものを適宜選択して使用することができる。
【0072】<2>現像装置 本発明の現像装置は、静電潜像保持体、現像剤担持体、
及び、現像電界手段とを備えることを特徴とする。
【0073】まず、現像剤担持体について説明する。現
像剤担持体は、静電潜像を現像するための一成分系現像
剤を表面に担持することができれば、特に限定されるも
のではなく、例えば現像ローラーを使用することができ
る。
【0074】現像ローラーは弾性材料の材質でできたも
のであれば、特に限定されるものではない。例えば、上
記トナーを使用する現像器内の現像ローラーは、低硬度
の発泡弾性体ローラーであって、感光体ドラムに当接す
る際には、その弾性によって変形することで、均一な当
接ニップを形成しつつ、その当接圧が、上記トナーが弾
性力を有する範囲内となるものを用いる。例えば以下の
ような構成をとることができる。
【0075】具体的な構成としては、例えば、外径Φ1
2mmのSUS材の芯金に対して、低硬度の導電ヒドリ
ンゴムからなるソリッド弾性体層を設け、現像剤担持面
たる最表層に、ウレタン系樹脂層を設けて構成された外
径Φ20mm、体積抵抗値103〜109Ω・cmの半導
電性弾性体ローラーが好ましくは挙げられる。
【0076】また、別の構成としては、例えば外径Φ1
2mmのSUS材の芯金に対して、カ―ボン等の導電剤
を混合したシリコンからなる肉圧3mmの発泡体層を設
け、その外周にシリコンゴムからなるソリッド層を設け
た上で、現像剤担持面たる最表層に、ボリアミド系樹脂
層を設けて構成された外径Φ20mmの半導電性弾性体
ローラーである。なお、このローラーの現像剤担持面で
ある最表層は、使用する現像剤に対する摩擦帯電による
電荷付与を高めるために、摩擦帯電系列において、使用
するトナーの摩擦帯電極性に対して、逆極性側に位置す
る材質を用いることが望ましい。
【0077】これらのローラーの硬度は、感光体ドラム
101との十分且つ均一な当接状態を形成し、安定した
現像性能が生じると同時に、トナーが弾力性を有する範
囲を越える過剰な当接圧が生じないように、Asker
−C硬度で、30°〜55°を用いるのが好ましくは、
35°〜45°の範囲内にある柔らかいものを用いるの
がさらに好ましい。更に、弾性体層は、少なくとも2m
mの肉厚をなすことが望ましい。肉厚が2mm未満で
は、低硬度の弾性体を用いた場合であっても、感光体ド
ラム101との当接部における弾性層の変形が阻害され
ため、不均一な当接状態が形成されるとともに、過剰な
当接圧が生じる場合があり望ましくない。
【0078】上述のような弾性を得るに当たっては、前
記弾性体層を、前記のシリコンゴムやヒドリンゴム以外
にも、天然ゴム、NBR、フッ素ゴム、ウレタンゴム、
シリコンゴム、アクリルゴム等の低硬度ゴム材または発
泡体、およびこれらの組み合わせからなるものをもって
構成してもよい。また、このようなローラー表面は、そ
の表面積を増加させることで、トナーに対する電荷付与
性を安定化させ、現像剤の搬送量を確保する為、適当な
表面粗さを有することが望ましい。その手段としては、
ローラーの芯金に対して弾性層を形成後、その最表層を
研磨加工したのちに、現像剤担持面をなす樹脂層を10
μm程度の薄層にロールコート、スプレーコート、ディ
ッピング等の手法により形成することが挙げられる。ま
た、弾性層の研磨加工を行う代わりに、現像剤担持面を
成す樹脂層中に、適度な大きさの粒子を分散し、層の表
面部に凹凸を形成することで、所望の表面粗度を得ても
よい。
【0079】具体的な表面粗さは、使用するトナーの体
積平均粒径が1〜10μmの範囲内にあるものに対して
は、JIS B0601により定義され、十点の平均粗
さ:Rzおよび最大高さ:Rmaxにより規定されてお
り、Rzは3〜15μmの範囲内にあり、Rmaxは1
5μm以下であるのが好ましい。Rzがこの範囲を下回
る場合には、その表面積が小さくなりトナーに対する摩
擦帯電が不均一となり易く、トナーの有する帯電量分布
がブロードになり、電界に対する追従性に劣ることで現
像性能が低下すると共に、現像剤の搬送量が少なく不安
定となるため望ましくない。また、Rzがこの範囲を上
回る場合には、一度担持されたトナーが表面の凹凸に埋
もれたままの状態となることで、その上層に担持される
トナーの摩擦帯電が阻害され、未帯電及び反転トナーが
増加するため望ましくない。特に、Rmaxが15μm
を上回る場合には、表面の凹凸が大きすぎるため、上記
問題が顕著となり望ましくない。なお、該表面粗さの測
定には、表面粗さ試験機「SE−30H」(小坂研究所
製)を用いた。
【0080】この感光体ドラム101と、前記現像ロー
ラー1は、ローラー両端に設けられた現像ローラー外径
よりもわずかに小さな径をもつ「ころ」が、感光ドラム
101と当接することで、現像ローラーの弾性体部の侵
入量(変形)を規制し、均一な当接状態を形成すること
ができる。
【0081】(c)当接状態(ニッブ幅A[mm]及
び、当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]) 本発明は、上記のような当接状態を形成するように、関
係式(1)を満足することを特徴とするものである。こ
の関係式(1)を満足するような好適な当接状態は、上
記のトナーに対して、像保持体と現像剤担持体との当接
部のニッブ幅A[mm]と、像保持体及び現像剤担持体
との当接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]を
適宜設定して調整する。
【0082】当接ニップ幅Aは、感圧紙または圧力セン
サーを、当接部に挿入す測定する。また、当接圧Fとし
ては、引き抜き線圧をもって表す。引き抜き線圧とは、
当接部間に、「引き抜き板」を挟んだ「挟み板」を挿入
し、当接部の接線方向に「引き抜き板」を一定の速度で
引き抜き、その時の力(すなわち動摩擦力)を、単位幅
当たりの線圧に換算したものである。
【0083】具体的な引き抜き線圧の測定方法として
は、平滑な厚さ30μmのSUS製の薄板を用いて作成
した、長さ100mm×幅15mmの引き抜き板と、同
じく長さ180mm×幅30mmの薄板を長さを半分に
するように折って作成した挟み板を用意し、この引き抜
き板及び挟みを現像ローラ及び感光体ドラムとの当接部
に挿入するとともに、引き抜き板の一端に、ばねばかり
等を接続する。その状態で引き抜き板を一定速度で引き
抜き、そのときの力を測定し、引き抜き板の幅15mm
で除算して、単位を[N/mm]とした引き抜き線圧が
求められる。当接ニップ幅Aと、当接圧Fの値は、上述
の構成をなす像保持体(感光体ドラム)と現像剤担持体
(現像ローラー)との組み合わせにより、
【0084】
【数15】 なる関係式を満足するようにニップ幅Aと当接圧(引き
抜き線圧)Fを調整する。
【0085】また、現像器103内で、現像ローラー1
と当接配置される規制ブレード2は、L字形状を有する
SUS製の板ばねであって、図3に示されるように、L
字形状のエッジ部において現像ローラー1と当接し、こ
の規制により、現像ローラー上に担持される現像剤は、
所定の層厚の薄層になり現像に供される。このときの当
接圧は、引き抜き線圧で1.0〜4.5g/mmが好適
である。当接圧が、1.0g/mm未満では、規制力が
不十分なため、現像剤を所定の層厚に安定して規制する
ことが難しくなることに加えて、トナーに対する帯電付
与が不十分となり易い。逆に、4.5g/mmを上回る
場合には、規制力によるストレスで、トナーの機能劣化
を生じやすくなり望ましくない。なお、引き抜き線圧の
測定方法は上述に準ずる。
【0086】更に、SUS製の板ばねをエッジ当接させ
て用いたが、板ばねの材質は特に限定されるものではな
く、金属ないしは樹脂からなる板ばねを面当接させるこ
とも可能である。その場合には、エッジ当接に対して線
圧を0.5〜1.0g/mm程度増した状態とすること
が望ましい。なお、上記規制部材の材質および形状は、
現像ローラーとの該当接状態が再現されるのであれば、
別種の材質および形状のものでも代替可能であり、現像
剤担持体との当接によって、機械的な現像剤規制が行わ
れるのであれば、上述の金属の板ぱねを用いた構成のみ
に限定されず、利用可能である。上記の説明の構成に基
づき、装置を動作させることで、画像形成が行われる。
【0087】本願発明の現像装置は、上記のような現像
剤担持体の他に、静電潜像保持体、現像剤規制部材を有
する。現像剤規制部材は、現像剤担持体に担持される現
像剤を薄層に規制して現像に供する現像剤の量を調節す
る。これらの静電潜像保持体、現像剤規制部材は、特に
限定されるものではなく、通常現像装置に使用されてい
るものを適宜使用することができる。静電潜像保持体と
しては、例えば感光体ドラムが挙げられる。また、本発
明の画像形成装置は現像電解手段を備え、この現像電解
手段により、静電潜像保持体としての感光体ドラムと、
現像剤担持体といての現像ローラーの間に現像電界が形
成させる。
【0088】本発明の画像形成装置は、トナーを含む一
成分系現像剤、上記の現像装置と現像電解手段の他に、
通常の画像形成装置と同様に、静電潜像保持体上に静電
潜像を記録する露光手段、現像装置で現像されたトナー
像を転写材に転写する転写手段、転写材上に転写された
トナー像を固定化するための定着手段、及び、転写材に
転写されなかった残トナーをクリーニングするクリーナ
ーとを併せて有している。なお、クリーナーについて
は、後述するように、別途独立して備えている必要はな
い。
【0089】また、本発明は、上記の関係式(1)を満
たし、上記の一成分現像剤、静電潜像保持体、現像剤担
持体、及び現像剤規制部材を備える現像装置ユニットで
ある。この現像装置ユニットは、現像剤担持体上の現像
剤を像保持体と接触させる状態で現像を行うのに使用さ
れる。そして、この現像装置ユニットは画像形成装置本
体に脱着可能であり、通常の画像形成装置に適宜組み合
わせて使用することができる。また、本発明は、上記の
関係式(1)を満たし、上記の一成分現像剤、現像剤担
持体、及び、現像剤規制部材とを備える現像手段であ
る。この現像手段は、現像剤担持体上の現像剤を静電潜
像保持体と接触させる状態で現像を行うのに使用され
る。
【0090】また、本発明は、この現像手段、並びに、
電子写真感光体、帯電手段およびクリーニング手段から
なる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持
し、画像形成装置本体に脱着可能であるプロセスカート
リッジである。このプロセスカートリッジは通常の画像
形成装置に適宜組み合わせて使用することができる。
【0091】さらに、本願発明は、トナーを有する一成
分現像剤を用いる画像形成方法であって、静電潜像を像
保持体上に保持する工程と、現像剤を薄層に規制して現
像剤担持体の表面に担持する工程と、像保持体と現像剤
担持体の間に現像電界を形成させることにより、現像剤
担持体上の現像剤を像保持体と接触させる状態で現像を
行う工程と、を含む画像形成方法であって、上記の関係
式(1)を満足させる構成とすることを特徴とする画像
形成方法である。
【0092】この画像形成装置による画像形成は、例え
ば、以下に示すように行われる。画像情報は、露光手段
によって感光体ドラム上に静電潜像として記録される。
また、現像剤は現像剤規制部材により薄層に規制され現
像剤担持体の表面に担持される。そして、感光体ドラム
上の静電潜像は、感光体ドラムと当接して配置された現
像装置によって供給される現像剤により、電源により形
成される現像電界の作用下で現像されて、トナー像とし
て可視化される。このトナー像は、感光体ドラムと転写
ローラー間に形成された転写電界の作用下で、転写材に
転写された後に、転写材上に固定化される。すなわち、
これらの画像形成方法は、上記の関係式(1)を満たす
こと以外は、通常使用されている一成分現像剤を用いる
画像形成方法と同様である。
【0093】次に、現像装置が、現像をする現像手段と
残トナーの回収する(クリーニングする)クリーニング
手段とを備える構成と有する装置について、以下説明す
る。この現像装置では、現像と同時にクリーニングプロ
セスによる残トナーの回収、及び再利用を行うことがで
きる。これを簡単に説明する。
【0094】像保持体たる感光体ドラム101は、現像
器103内の現像剤担持体たる現像ローラー1と接触配
置されており、この感光体ドラム101は、現像ローラ
ー1との接触部において、現像ローラー1が、その弾性
により変形することで当接ニップを形成し、現像電界の
作用により、感光体101上の静電潜像が現像される。
同時に、先の画像形成における転写残トナーは、現像電
界の作用及び現像ローラー1による機械的な摺擦によっ
て、現像ローラー1へ転移し、回収される。これによっ
て、感光体ドラムのクリーニングが行われる。
【0095】具体的には、この時の現像電界は、例え
ば、感光体ドラム101表面の感光体層は、静電潜像に
おいて−100V、背景部において−680Vの対接地
電圧を有しており、一方、現像ローラー1には、−35
OVの対接地電圧が不図示の電源により印可され、図5
で示されるような電位の序列関係が成立している。即
ち、静電潜像に対しては、250Vの電位差(現像コン
トラスト)をもって、負極性に帯電しているトナーが現
像ローラー1から転移(現像)する方向の電界が形成さ
れ、その一方で、背景部に対しては、330Vの電位差
(かぶりとりコントラスト)をもって、トナーが、現像
ローラー1へ引き付けられる方向の電界が形成されてい
る。従って、感光体ドラム101上の転写残トナーは、
静電潜像部分にある場合には、最終的に静電潜像に残
り、背景部にある場合には、前述のかぶりとりコントラ
ストにより現像ローラー1へと転移し、回収されること
になる。
【0096】更に、この当接二ップは、均一な当接状態
を形成するとともに、残トナーの回収を行うに当たっ
て、十分な当接時間を得るために、A=0.5〜3.5
mmとすることが好ましく、1.0〜2.5mmとする
のが更に好ましい。このニッブ幅Aが、3.5mmを超
えると、当接部における摩擦熱等の熱的ストレスによ
り、トナーの機能劣化が生じ易くなり望ましくない。
【0097】また、当接部における機械的な摺擦によっ
て、残トナーの回収効率を高めるために、現像ローラー
周速を、少なくとも対感光ドラム周速の160%よりも
早くとすることが望ましい。これは、現像ローラー周速
が、160%以下では、十分な摺擦がえられず、回収効
率向上への寄与が少ないからである。
【0098】
【実施例】以下実施例により、本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0099】
【実施例1】実施例1における画像形成装置は、図2に
示されるもので、残トナーをクリーニングする独立した
クリーニング機構を有し、非磁性トナーを用いた一成分
現像剤を使用して、接触現像方式をもって画像形成を行
うものである。
【0100】現像ローラーは、外径Φ12mmのSUS
材の芯金に対して、カ―ボン等の導電剤を混合したシリ
コンからなる肉圧3mmの発泡体層を設け、その外周に
シリコンゴムからなるソリッド層を設けた上で、現像剤
担持面たる最表層に、ボリアミド系樹脂層を設けて構成
された外径Φ20mmの半導電性弾性体ローラーであ
る。このローラーの硬度は、Asker−C硬度で、3
8°であり、その体積抵抗値は、103〜109Ω・cm
の範囲内のものである。
【0101】また、上記現像ローラーと当接配置される
感光体ドラム101は、AIのシリンダー上に負帯電性
有機感光体層を設け、その外径をΦ30mmとした。
【0102】トナーは、粉砕法により製造したポリエス
テル樹脂を熱処理による表面平滑化した負帯電性非磁性
トナーを主とする一成分現像剤を使用した。トナーの体
積平均粒径(d)はd=7μmである。トナー一粒子当
たりの最大弾性圧結荷重値が、5.4×10-4Nである
ものを用いた。
【0103】また、ニップ幅A=1.1[mm]、当接圧
(引き抜き線圧)F=4.2×10 -2[N/mm]とし
た。
【0104】なお、この実施例1は、トナー粒子の物性
は、表1のトナーDに該当し、当接状態は、表2の当接
状態Cに該当する。
【0105】
【比較例A】実施例1における画像形成装置に、最大弾
性圧縮荷重値Pがより小さいトナーを使用した一成分現
像剤を用いたものを比較例Aとする。
【0106】具体的には、実施例1におけるトナーと、
同じ体積平均粒子径(d=7μm)であり、同材質のポ
リエステル樹脂ではあるが、低分子量のもとと高分子量
のものを組み合わせた、2ピークの分子量分布を持たせ
たものを使用した。そして、2種類のトナーの組み合わ
せを変更することによって、前記関係式(1)の範囲外
になるように、最大弾性圧縮荷重値P=3.5×10-4
Nであるトナーを用いた。
【0107】なお、この比較例Aは、トナー粒子の物性
は、表1のトナーBに該当し、当接状態は、表2の当接
状態Cに該当する。
【0108】
【比較例B】実施例1における画像形成装置に、より高
い当接圧Pを示す現像ローラーを用いたものを比較例B
とする。
【0109】具体的には、実施例1における現像ローラ
ーに比べ、より硬度の高い弾性体層を有する現像ローラ
ーを用いて、同じ当接ニップ幅Aが形成されるように当
接状態を調整し、その当接圧Fを、前記関係式(1)の
範囲外になるようにF=6.4×10-2[N/mm]と
した。
【0110】なお、この比較例Bは、トナー粒子の物性
は、表1のトナーDに該当し、当接状態は、表2の当接
状態Eに該当する。
【0111】<画像形成の評価>実施例および比較例の
現像剤を含む画像形成装置を用いて画像形成を行い、そ
の画質の評価を行った。
【0112】実施例1における画像形成装置を、感光体
ドラム周速100mm/sec、現像ローラー周速を、
対感光体ドラム周速比150%である150mm/se
cで駆動させ、一万回程度の画像形成動作を行ったとこ
ろ、トナー及び部材の機能劣化は許容範囲内であり、良
好な画像形成が行われた。
【0113】これに対して、比較例Aにおける画像形成
装置は、同様な動作を行った場合に、3000回程度の
時点で、トナー及び部材の機能劣化による、画像濃度む
ら、画像かぶり等の画像不良が生じた。また、比較例B
における画像形成装置では、5000回程度の動作時点
で、トナ―及び部材の機能劣化による、画像不良が発生
した。
【0114】また、実施例1における装置を用いて、以
下の表1に示すトナーを用いた現像剤と、数種の弾性層
の構成及び材料が異なる現像ローラーを組み合わせるこ
とで、表2に示されるような当接状態を形成した場合
の、現像剤及び部材の機能劣化の有無を評価した結果を
図1に示す。なお、評価は5000回の画像形成動後に
行った。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】 この図1は、前述のとおり画像形成動作後の現像剤の損
傷と、部材の機能劣化による画像への影響の関係を示
し、横軸は、当接部における単位面積当たりの当接圧
F’(即ち、
【0117】
【数16】 縦軸は、最大弾性圧縮荷重値P[N]を、そのトナーの
体積平均粒径を直径とする円の面積で除した値P’(即
ち、
【0118】
【数17】 を示している。そして、画像不良が発生したものを×、
画像不良が生じなかったものを○でプロットして示して
いる。
【0119】これらの結果から、本願発明の関係式
(1)の条件を満たす場合、すなわち、境界線Lよりも
上半分の場合は、良好な画像形成を行うことができるこ
とがわかる。
【0120】
【実施例2】本実施例における画像形成装置は、実施例
1の画像形成装置を改造し、現像装置が、現像手段とク
リーニング手段とを有する簡易な構成としたものであ
る。その基本的構成は、実施例1の装置に準じ、特徴的
な相違点のみを詳述する。
【0121】この装置の特徴的は、実施例1と同様に、
像保持体と現像剤担持体との当接部における当接圧の大
きさを、現像剤に使用されるトナーが弾性力を有する範
囲内としたことにある。また、その他の特徴として、現
像剤は、良好な現像特性を得るために、良好な転がり性
を生じる球形状であることに加えて、現像同時クリーニ
ングプロセスにおいて回収されるトナーの絶対量を抑え
るために、平滑な表面形状でもあるトナーを含んでいる
ことにある。
【0122】この装置は、感光体ドラム101を周速7
8.3〜200mm/secの駆動速度で動作し、これ
に接触配置される現像器103内の現像ローラー1は、
対感光体ドラム周速の160〜200%の速度で動作
し、反転現像によりトナー像を形成する。
【0123】本現像装置において使用される現像剤は、
公知の懸濁重合法による製造した、スチレンアクリル系
樹脂からなる負帯電性非磁性トナーを用いた。このトナ
ーは、その外形が、良好な現像特性及び転写性を生じる
ように、平滑な表面形状を有し、且つ球形状であるも
の、すなわち、上記のSF−1が130、SF−2が1
18のトナーを用いた。その(トナー粒子、一個当たり
の)最大弾性圧縮荷重値Fは、4.3×10-4Nで、d
=6.5μmのものを用いた。
【0124】また、現像装置の、具体的な構成として
は、外径Φ12mmのSUS材の芯金に対して、カ―ボ
ン等の導電剤を混合したシリコンからなる肉圧3mmの
発泡体層を設け、その外周にシリコンゴムからなるソリ
ッド層を設けた上で、現像剤担持面たる最表層に、ボリ
アミド系樹脂層を設けて構成された外径Φ20mmの半
導電性弾性体ローラーである。このローラーの硬度は、
Asker−C硬度で、38°であり、その体積抵抗値
は、103〜109Ω・cmの範囲内のものである。そし
て、ニップ幅A=1.2[mm]、当接圧(引き抜き線
圧)F=3.7x10-2[N/mm]とした。これらの
条件は、関係式(1)を満たす。
【0125】上述の構成を持つ、現像剤及び現像ローラ
ーを用いて、装置を動作させることで、画像形成が行わ
れる。
【0126】本画像形成装置を、感光体ドラム周速15
0mm/sec、現像ローラー周速を、対感光体ドラム
周速の180%である270mm/secで駆動させ、
各種画像の出力を行うとともに、1万回程度の画像形成
動作を行ったが、現像剤及び部材の機能劣化は、許容範
囲内であり画像不良の発生は見られなかった。
【0127】なお、この実施例2は、トナー粒子の物性
は表1のトナーCに該当し、当接状態は表2の当接状態
Aに該当する。
【0128】
【実施例3】この実施例においては、実施例2における
画像形成装置を改造し、像保持体側に弾性を有する材料
を用い、現像剤担持体には、剛体のローラーを用いたも
のである。なお、特に記載のないものについては、実施
例2と同様となっている。
【0129】具体的には、図6に示されるように、像保
持体として、ボリアミド等からなる基材のべルト上に電
極を設け、その上に負帯電性有機感光体を塗布して作成
したべルト感光体101を用い、これに当接する現像器
103内の現像ローラーとして、Alの金属ローラー上
に導電樹脂コート層を設けたものを用いる。
【0130】この装置において使用されるトナーは、前
述の通り、体積平均粒径d=6.5μm、(トナー粒
子、一個当たりの)最大弾性圧縮荷重値は、4.3×1
-4Nのものを用いる。また、べルト感光体101と、
現像ローラーとの当接状態は、ニッブ幅A=1.7[m
m]、当接圧(引き抜き線圧)F=4.9×10-2[N
/mm]とした。これらの条件は、関係式(1)を満足
する。
【0131】この装置を、べルト感光体駆動周速150
mm/sec、現像ローラー周速を、対べルト感光体駆
動周速の180%である270mm/secで駆動さ
せ、各種画像の出力を行うとともに、1万回程度の画像
形成動作を行ったが、現像剤及び部材の機能劣化は、許
容範囲内であり画像不良の発生は見られなかった。
【0132】なお、この実施例3は、トナー粒子の物性
は表1のトナーCに該当し、当接状態は表2の当接状態
Dに該当する。
【0133】
【発明の効果】本発明によれば、一成分接触現像方式に
より画像形成を行う構成を有する画像形成装置におい
て、像保持体と現像剤担持体との当接部においてトナー
へかかる荷重を、そのトナーが弾性を示す限界荷重以下
とすることにより、現像剤への負荷を低減することで画
像形成速度の高速化を可能にし、また、現像剤及び部材
の機能劣化を抑制することで長期間使用できる寿命が長
い装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における、トナーの最大弾
性圧縮荷重、及び像保持体と現像剤担持体との当接部に
おいてトナーのかかる荷重と組み合わせと、現像剤及び
部材の機能劣化との相関関係を示した図
【図2】実施例1における画像形成装置の解説図
【図3】実施例1における現像器の解説図
【図4】トナーの機械的強度に関する特性を説明する図
【図5】現像同時クリーニングプロセスにおける、感光
体ドラム、残トナー、および現像ローラーとの電位の序
列を示した解説図
【図6】実施例3における画像形成装置の解説図
【図7】従来技術に基づく画像形成装置の解説図
【図8】従来例で示される画像形成装置に用いられる現
像装置の拡大図
【符号の説明】
1 現像ローラー 2 規制ブレード 3 供給ローラー 4 攪拌部材 5 吹き出し防止シート 6 現像剤容器 101 感光体ドラム 102 露光手段 103 現像器 104 転写ローラー 105 ヒートローラー 106 クリーナー 11 現像ローラー 12 ブレード 13 供給ローラ 14 攪拌パドル 15 吹き出し防止シ―ト 16 現像剤容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 境澤 勝弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 関口 真奈実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 EA05 FA07 2H077 AD06 AD13 AD17 AD23 AD35 BA07 EA11 EA15 FA26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーを有する一成分現像剤と、静電潜
    像を保持するための像保持体、静電潜像を現像するため
    の一成分系現像剤を表面に担持するための現像剤担持
    体、及び、現像剤担持体に担持される現像剤を薄層に規
    制して現像に供する現像剤の量を調節する現像剤規制部
    材を備えた現像装置と、像保持体及び現像剤担持体の間
    に現像電界を形成する現像電解手段とを備え、前記現像
    電界の作用下において、現像剤担持体上の現像剤を像保
    持体と接触させる状態で現像を行う構成を有する画像形
    成装置において、 前記トナーの粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重が
    P[N]であり且つ体積平均径がd[mm]であり、該
    トナーに対して、像保持体と現像剤担持体との当接部の
    ニッブ幅A[mm]と、像保持体及び現像剤担持体との
    当接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]が、 【数1】 なる関係式(1)を満足させる構成とすることを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記現像装置は、像保持体と現像剤担持
    体上の現像剤とを接触させた状態で、現像する現像手段
    と像担持面上の残トナーをクリーニングするクリーニン
    グ手段とを有する構成とすることを特徴とする請求項1
    記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記トナーは、球形度を表す形状係数S
    F−1の値が100〜160である球形トナーであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トナーは、円形度を表す形状係数S
    F−2の値をSF−1の値で除した値(SF−2)/
    (SF−1)の値が0.8〜1.0である平滑な表面を
    有するトナーであることを特徴とする請求項1〜3項の
    何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 トナーを有する一成分現像剤と、静電潜
    像を保持するための像保持体、静電潜像を現像するため
    の一成分系現像剤を表面に担持するための現像剤担持
    体、及び、現像剤担持体に担持される現像剤を薄層に規
    制して現像に供する現像剤の量を調節する現像剤規制部
    材を備えた現像装置とを有する、現像剤担持体上の現像
    剤を像保持体と接触させる状態で現像を行う、現像装置
    ユニットであって、前記現像装置ユニットは画像形成装
    置本体に脱着可能であり、 前記トナーの粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重が
    P[N]であり且つ体積平均径がd[mm]であり、該
    トナーに対して、像保持体と現像剤担持体との当接部の
    ニッブ幅A[mm]と、像保持体及び現像剤担持体との
    当接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]が、 【数2】 なる関係式(1)を満足させる構成とすることを特徴と
    する現像装置ユニット。
  6. 【請求項6】 トナーを有する一成分現像剤と、静電潜
    像を現像するための一成分系現像剤を表面に担持するた
    めの現像剤担持体、及び、現像剤担持体に担持される現
    像剤を薄層に規制して現像に供する現像剤の量を調節す
    る現像剤規制部材とを備え、現像剤担持体上の現像剤を
    静電潜像保持体と接触させる状態で現像を行う現像手段
    であって、 前記トナーの粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重が
    P[N]であり且つ体積平均径がd[mm]であり、現
    像の際には、該トナーに対して、像保持体と現像剤担持
    体との当接部のニッブ幅A[mm]と、像保持体及び現
    像剤担持体との当接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N
    /mm]が、 【数3】 なる関係式(1)を満足させる構成とすることを特徴と
    する現像手段。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の現像手段、並びに、電
    子写真感光体、帯電手段およびクリーニング手段からな
    る群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持
    し、画像形成装置本体に脱着可能であるプロセスカート
    リッジ。
  8. 【請求項8】 トナーを有する一成分現像剤を用いる画
    像形成方法であって、 静電潜像を像保持体上に保持する工程と、 現像剤を薄層に規制して現像剤担持体の表面に担持する
    工程と、 像保持体と現像剤担持体の間に現像電界を形成させるこ
    とにより、現像剤担持体上の現像剤を像保持体と接触さ
    せる状態で現像を行う工程と、を含む画像形成方法であ
    って、 前記トナーの粒子は、一個あたりの最大弾性圧縮荷重が
    P[N]であり且つ体積平均径がd[mm]であり、該
    トナーに対して、像保持体と現像剤担持体との当接部の
    ニッブ幅A[mm]と、像保持体及び現像剤担持体との
    当接部の当接圧(引き抜き線圧)F[N/mm]が、 【数4】 なる関係式(1)を満足させる構成とすることを特徴と
    する画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004198539A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2005331567A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Oki Data Corp 画像形成装置
US11036161B2 (en) 2019-04-18 2021-06-15 Canon Kabushiki Kaisha Developer bearing member, developing apparatus, process cartridge, and image forming apparatus

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