JP2001064403A - マスターバッチ及び樹脂組成物 - Google Patents

マスターバッチ及び樹脂組成物

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JP2001064403A
JP2001064403A JP24534299A JP24534299A JP2001064403A JP 2001064403 A JP2001064403 A JP 2001064403A JP 24534299 A JP24534299 A JP 24534299A JP 24534299 A JP24534299 A JP 24534299A JP 2001064403 A JP2001064403 A JP 2001064403A
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weight
resin
polymer
acid
masterbatch
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JP24534299A
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English (en)
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高粘度ポリマー用添加剤の含有を可能にした
マスターバッチの提供。 【解決手段】 (A)JIS−K2410規定の25℃
における動粘度が5000センチストークス以上のポリ
マー用添加剤と、(B)平均粒子径0.001〜100
μmであり、250℃で溶融しない粉体とからなるマス
ターバッチ、とりわけ(A)がポリオルガノシロキサン
であり、(B)がシリカであるマスターバッチとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスターバッチ及
びそれを加えて得られる樹脂組成物に関するものであ
る。更に詳しくは、このようなマスターバッチを使用す
ることにより卓越した機械的強度を発現する樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、エラストマー等の重合体
は、金属、ガラス等に比較して、優れた耐衝撃性、成形
性を有するために自動車部品、電気・電子材料、建築材
料を始めとする多岐の分野で使用されている。近年かか
る分野でより高機能化のために各種ポリマ−用添加剤が
用いられている。例えば、加工性を改良するために流動
パラフィン(ミネラルオイル)を添加したり、また難燃
性を付与するために難燃剤を混合することが行なわれ、
その製造法として通常溶融押出法が採用されている。し
かしながら、溶融押出する際に、液状で特に高粘度のポ
リマー用添加剤を添加するのに特殊なフィード設備が必
要となるだけでなく、取り扱いが煩雑である。その上、
粘度の高い液状ポリマー用添加剤と重合体とを溶融混合
する場合には、高粘度添加剤の分散不良のために、生産
性を低下させるだけでなく、外観を損ねたり、機械的特
性が低下するという問題があった。
【0003】この問題に対しては、例えば、樹脂と液状
ポリマー用添加剤を溶融混合せずに、樹脂に液状ポリマ
ー用添加剤を比較的低温で吸収させる従来技術があり、
吸油性樹脂と液体添加剤とからなる樹脂組成物または特
性改良方法が開示されている。例えば、多孔質スチレン
ージビニルベンゼン共重合体に液状油を吸着せしめた含
油樹脂及び熱硬化樹脂からなる樹脂組成物(特公平7ー
122024号公報)、吸油性架橋重合体に添加剤を含
有させた樹脂改質用添加剤と、樹脂からなる樹脂組成物
を用いた添加剤のブリード防止方法(特開平5ー214
114号公報)、樹脂に特定の架橋重合体を練り込むこ
とにより、艶消しされた外観を得る方法(特開平6ー5
7007号公報)、樹脂に特定の架橋重合体を練り込む
ことにより、耐衝撃性を向上させる方法(特開平6ー7
3190号公報)、非晶質シリカにリン系難燃剤を含浸
させた粉末状難燃剤(特開平7ー331244号公
報)、無機質粉体に担持されたリン系難燃剤(特許番号
第2588331号公報)、ゲル化剤で固形化した液状
添加剤を合成樹脂に混合した樹脂組成物の製造方法(特
公昭56ー42619号公報)、ホスフェート系化合物
を溶媒に溶解させたものをポリプロピレンに溶融混練に
より分散させる方法(特開平4ー1233号公報)、樹
脂用添加剤と吸油性重合体からなるマスターバッチ(特
開平9ー52956号公報)が知られている。上記公報
で用いられている液状添加剤は低粘度であり、高粘度添
加剤のマスターバッチ化には必ずしも有効ではなく、特
に高粘度添加剤において高濃度のマスターバッチが求め
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち高粘度添
加剤を含有したマスターバッチを提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はポリマー用
添加剤を含有したマスターバッチを鋭意検討した結果、
特定の粉体を用いることにより、驚くべきことにポリマ
ー用添加剤を高濃度に含有可能である事を見出し、本発
明を完成した。即ち本発明は、(A)JIS−K241
0規定の25℃における動粘度が5000センチストー
クス以上のポリマー用添加剤と、(B)平均粒子径0.
001〜100μmであり、250℃で溶融しない粉体
とからなるマスターバッチ、とりわけ(A)がポリオル
ガノシロキサンであり、(B)がシリカであるマスター
バッチを提供するものである。上記(A)は重合体に耐
摩耗性、難燃性、流動性等の機能性を付与するための成
分であり、(B)は(A)を保持するための成分であ
る。ここで、(B)は平均粒子径0.001〜1000
μmであり、250℃で溶融しない粉体であることが重
要であり、この要件を満足することにより高粘度添加剤
を高濃度に保持可能であることを見出し、本発明を完成
した。以下、本発明に関して詳しく述べる。
【0006】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において(A)として使用するポリマー用
添加剤は、重合体に特殊機能を付与可能するための成分
であり、かつJIS−K2410規定の25℃における
動粘度が5000センチストークス以上であれば、特に
制限されない。ここで(A)は、耐摩耗性改良剤、可塑
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、滑
剤、香料、発煙抑制剤、粘着付与剤、防腐剤、保温剤、
耐衝撃性向上剤、忌避剤、湿潤剤、界面活性剤、乳化
剤、不安定化剤、凝固剤、消泡剤、凍結防止剤、クリー
ミング剤、増粘剤、感熱剤、起泡剤から選ばれた少なく
とも一種のポリマー用添加剤であり、特にケイ素含有耐
摩耗性改良剤が最も好ましい。
【0007】上記(A)の使用量は、マスターバッチ中
で、好ましくは0.0001〜99重量%、より好まし
くは1〜90重量%、更に好ましくは10〜80重量
%、最も好ましくは30〜70重量%である。上記
(A)の耐摩耗性改良剤は、重合体の傷つき性、摩耗性
を改良するための成分であり、特にケイ素含有耐摩耗性
改良剤が好ましく、具体的には高分子量ポリオルガノシ
ロキサンが好適に使用することができる。このような高
分子量ポリオルガノシロキサンは、粘調な水飴状からガ
ム状の様態であり、直鎖状ポリマーまたは少量の分岐を
含有した直鎖ポリマーが好ましい。またJIS−K24
10規定の動粘度(25℃)が5000センチストーク
ス(以下、CSと記す)以上であることが必須条件であ
る。該成分(C)の動粘度が5000CSを超えること
により、耐摩耗性や手触り感の向上に優れた効果を発揮
する。
【0008】上記動粘度の上限に関しては、実際に粘度
測定が可能な範囲は数百万CS程度までであるが、当該
領域の高分子量ポリオルガノシロキサンを用いても、本
発明の趣旨に沿った良好なマスターバッチを得ることが
可能である。加えて、更に粘度測定不可能な領域のガム
状高分子量ポリオルガノシロキサンを用いても、良好な
組成物が得られることから、上限に関しては限定されな
い。本発明に用いられる高分子量ポリオルガノシロキサ
ンの動粘度(25℃)は、5000CS以上であり、更
に好ましくは、1万CS以上、最も好ましくは5万CS
以上である。本発明において有用な高分子量ポリオルガ
ノシロキサンは、一般にアルキル、ビニル及び/または
アリール基置換シロキサン単位を含むランダムポリマー
であり、その構造は化1に示される。その中でもR1〜
R4が全てメチル基であるポリジメチルシロキサンが最
も好ましい。
【0009】
【化1】 (R1〜R4は炭素数1〜20の炭化水素であり、同一
でも異なっていても良い。nは1以上の整数であり、2
5℃における動粘度が5000CS以上の範囲で変動す
る。) 前記(A)としての難燃剤は、ハロゲン系またはリン系
等の難燃剤である。とりわけリン系難燃剤の中でも有機
リン化合物が好ましい。
【0010】上記有機リン化合物の例としては、ホスフ
ィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウ
ム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル等である。より具体的には、トリフェニルフォスフ
ェート、メチルネオベンチルフォスファイト、ヘンタエ
リスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペ
ンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォス
フェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフ
ェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジ
ネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテ
コールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフ
ェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートであ
る。ここで、特に有機リン化合物として、芳香族系リン
酸エステル単量体(化2)、芳香族系リン酸エステル縮
合体(化3)が好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】 (但し、Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar4 、Ar5
、Ar6 はフェニル基、キシリル基、エチルフェニル
基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、4,
4’−ジオキシジアリ−ルアルカン基から選ばれる芳香
族基である。また、nは0〜3の整数を表わし、mは1
以上の整数を表わす。) 本発明における(B)は、本発明の要件を満足しておれ
ば特に制限されない。例えばケイ素含有化合物、熱硬化
性樹脂、金属、金属含有化合物、ハロゲン含有化合物、
窒素含有化合物、補強剤、セラミック、耐光剤、着色剤
等の粉体であり、中でもシリカ等のケイ素含有化合物が
好ましい。また平均粒子径については、0.001μm
〜10μmであり、好ましくは0.01μm〜10μ
m、更に好ましくは0.1μm〜5μmであり、最も好
ましくは0.1μm〜2μmである。
【0013】本発明の(B)として、特に表面処理され
た粉体が好ましく機械的強度に優れている。表面処理剤
として、例えば有機酸またはシランカップリング剤が知
られている。上記有機酸の中でも、2ーエチルヘキサン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸が好まし
い。前記ケイ素含有化合物は、無定形の二酸化ケイ素で
あるシリカまたはシリコーン樹脂、シリケート等であ
り、特にシリカが好ましい。前記熱硬化性樹脂は、フェ
ノ−ル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、
シリコ−ン樹脂、ジアリルフタレ−ト、アラミド等であ
る。前記金属は、アルミニウム、鉄、チタン、マンガ
ン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、
ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の単
体または、それらの複合体である。
【0014】前記金属含有化合物は、酸化アルミニウ
ム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、
酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングス
テン等の単体または、それらの複合体(合金)、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイ
ドロタルサイト、ゼオライト、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニ
ウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、
ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭
酸亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカルシウム、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、カオリン、モンモリロナイト、
ベントナイト、クレー、マイカ、タルク等である。
【0015】前記ハロゲン含有化合物は、芳香族ハロゲ
ン化合物、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポ
リフェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデカブ
ロモジフェニルオキサイド、ブロム化ポリスチレン、ブ
ロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブロ
ムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハロ
ゲンリン酸エステル等のハロゲン系難燃剤等である。
【0016】前記窒素含有化合物は、メラミン、メラ
ム、メレム、メロン(600℃以上でメレム3分子から
3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌ
レ−ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポ
グアナミン、メチルグルタログアナミン等のトリアジン
骨格含有化合物等である。(B)の量は、マスターバッ
チ中で、0.1〜200重量部であり、好ましくは1〜
150重量部、より好ましくは1〜100重量部、更に
好ましくは5〜50重量部、最も好ましくは10〜50
重量部である。
【0017】上記(A)の使用量は、マスターバッチ中
で、好ましくは1〜99.9999重量%、より好まし
くは10〜99重量%、更に好ましくは20〜90重量
%、最も好ましくは30〜70重量%である。本発明の
マスターバッチにおいて、必要に応じて(A)の保持性
等の向上のために相溶化剤を配合したり、またマスター
バッチの取扱性向上のために付着防止剤を配合したり、
またマスターバッチの柔軟性、強度向上のために重合体
を配合することが可能である。
【0018】上記(A)の保持性等の向上のための相溶
化剤は、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミ
ド、または高級脂肪族アルコ−ル等を挙げることがで
き、マスターバッチ中に好ましくは0.01〜20重量
%、更に好ましくは、0.1〜10重量%、最も好まし
くは、1〜5重量%含有する。前記相溶化剤としての脂
肪族炭化水素は、流動パラフィン、天然パラフィン、マ
イクロワックス、ポリオレフィンワックス、合成パラフ
ィン、及びこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩
化物等である。
【0019】前記高級脂肪酸は、飽和脂肪酸、及びリシ
ノ−ル酸、リシンベライジン酸、9−オキシ12オクタ
デセン酸等の不飽和脂肪酸等である。前記高級脂肪酸ア
ミドは、フェニルステアリン酸アミド、メチロ−ルステ
アリン酸アミド、メチロ−ルベヘン酸アミド等の飽和脂
肪酸のモノアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド、
ラウリン酸ジエタノ−ルアミド、及びヤシ油脂肪酸ジエ
タノ−ルアミド、オレイン酸ジエタノ−ルアミド等の
N,N’−2置換モノアミド等であり、さらに、メチレ
ンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス
(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド、ヘ
キサメチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステア
リン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、及びm−キシ
リレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸
アミド等の芳香族系ビスアミドである。
【0020】前記相溶化剤としての高級脂肪族アルコ−
ルは、ステアリルアルコ−ルやセチルアルコ−ル等の1
価のアルコ−ル、ソルビト−ルやマンニト−ル等の多価
アルコ−ル、及びポリオキシエチレンドデシルアミン、
ポリオキシエチレンボクタデシルアミン等であり、さら
に、ポリオキシエチレンアリル化エ−テル等のポリアル
キレンエ−テルユニットを有するアリル化エ−テル、及
びポリオキシエチレンラウリルエ−テル、ポリオキシエ
チレントリドデシルエ−テル、ポリオキシエチレンセチ
ルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルエ−テル、
ポリオキシエチレンオレイルエ−テル等のポリオキシエ
チレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エ−テル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−
テル、ポリエピクロルヒドリンエ−テル、ポリオキシエ
チレンビスフェノ−ルAエ−テル、ポリオキシエチレン
エチレングリコ−ル、ポリオキシプロピレンビスフェノ
−ルAエ−テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコ−ルエ−テル等のポリアルキレンエ−テルユ
ニットを有する2価アルコ−ルである。
【0021】本発明のマスターバッチの取扱性向上のた
めに配合される付着防止剤は、250℃で溶融し、例え
ば、金属石鹸等の有機酸金属塩類、金属酸化物類、無機
塩類、ワックス類、鉱物類、繊維類等であり、これらの
一種または二種以上を用いることができる。中でも平均
粒子径が0.01〜300μmの粉体化合物が好まし
い。この平均粒子径が0.01μm未満では、粉体同士
の凝集が起こり、また300μmを越えると(A)の保
持性を低下させる傾向にある。
【0022】上記付着防止剤の一つとしての有機酸金属
塩は、例えば酪酸、カプロン酸、ペラルゴン酸、カプリ
ン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の直鎖飽和脂肪
酸;オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の直鎖不
飽和脂肪酸;イソステアリン酸等の分岐脂肪酸;リシノ
ール酸、12ーヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ
ル基含有脂肪酸;安息香酸;ナフテン酸;アビエチン
酸;デキストロピマル酸等のロジン酸を代表とする有機
カルボン酸類のリチウム塩、銅塩、ベリリウム塩、マグ
ネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウ
ム塩、亜鉛塩、カドミウム塩、アルミニウム塩、セリウ
ム塩、チタン塩、ジルコニウム塩、鉛塩、クロム塩、マ
ンガン塩、コバルト塩、ニッケル塩等を挙げることがで
きる。
【0023】本発明のマスターバッチにおいて、必要に
応じてマスターバッチの柔軟性、強度向上のために配合
される重合体は、有機系、無機系あるいは有機、無機の
ハイブリッドでも良く、例えばゴム状重合体、熱可塑性
樹脂、または熱硬化性樹脂等であるが、特にその中でも
熱可塑性樹脂が好ましい。上記ゴム状重合体は、ガラス
転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好まし
く、−30℃を越えると耐衝撃性が低下する傾向にあ
る。このようなゴム状重合体の例としては、ポリブタジ
エン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロ
ニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエ
ンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴ
ム及びエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プ
ロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPD
M)、エチレンーオクテン共重合体ゴム等の架橋ゴムま
たは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑
性エラストマー等を挙げることができる。
【0024】上記熱可塑性エラストマーの中でも、特に
スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、芳香族ビ
ニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、
または上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加され
たブロック共重合体であり、特に熱安定性の観点から、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが更に好まし
い。上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル単量
体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメ
チルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチレ
ンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族
ビニル単量体を共重合してもよい。
【0025】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。そして、ブロック共重合体のブ
ロック構造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロッ
クをSで表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に
水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示
する場合、SB、S(BS)n 、(但し、nは1〜3
の整数)、S(BSB)n 、(但し、nは1〜2の整
数)のリニア−ブロック共重合体や、(SB)n X
(但し、nは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化
スズ、ポリエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)
で表示される、B部分を結合中心とする星状(スタ−)
ブロック共重合体であることが好ましい。なかでもSB
の2型、SBSの3型、SBSBの4型のリニア−ブロ
ック共重合体が好ましい。
【0026】上記ブロック共重合体中の芳香族ビニル単
量体の割合は、1〜99重量%であり、好ましくは10
〜90重量%、更に好ましくは20〜80%、最も好ま
しくは30〜70%であり、上記範囲内では卓越した衝
撃強度が発現する。本発明のマスターバッチに配合可能
なゴム状重合体の一つの水素添加スチレン系熱可塑性エ
ラストマーは、上述の芳香族ビニル単位と共役ジエン単
位からなるブロック共重合体を公知の方法で水素添加す
ることにより得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Ame
r.Chem.Soc.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラ
ン触媒を用いて水素添加する方法、Hung Yu Chen,J.Pol
ym.Sci.Polym.Letter Ed.,15,271(1977)記載のトルエン
スルフォニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あ
るいは特公昭42ー8704号公報に記載の有機コバル
トー有機アルミニュウム系触媒あるいは有機ニッケルー
有機アルミニュウム系触媒を用いて水素添加する方法、
1,2ービニル結合を1,4ー結合に先立って選択的に
水素添加できる触媒を使用する特開昭52ー41890
号公報に示される方法、あるいは低温、低圧の温和な条
件下で水素添加が可能な触媒を用いる特開昭59ー13
3203号、特開昭60ー220147号公報に示され
る方法である。
【0027】本発明のマスターバッチに配合することが
可能な重合体の中でも最も好ましい熱可塑性樹脂は、
(A)(B)と相溶もしくは均一分散し得るものであれ
ばとくに制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリ
フェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビ
ニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレ
ンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレ
ート系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用
することができる。特に熱可塑性重合体としてポリフェ
ニレンエーテル系、ポリスチレン系、ポリカーボネート
系の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0028】本発明のマスターバッチには、その特徴を
損ねない程度にその他の添加剤、例えば、有機・無機顔
料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡
剤、帯電防止剤、抗菌剤等を配合することができる。本
発明のマスターバッチの製造には、通常の樹脂組成物、
エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリーミキ
サー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の一般的
な方法を採用することが可能である。
【0029】本発明のマスターバッチを重合体に配合す
ることにより、重合体に特殊機能を付与することが可能
である。マスターバッチを配合することができる重合体
は、有機系、無機系あるいは有機、無機のハイブリッド
でも良く、例えばゴム状重合体、熱可塑性樹脂、または
熱硬化性樹脂等であるが、特にその中でも熱可塑性樹脂
が好ましく、特に(C)ゴム状重合体と(D)熱可塑性
樹脂とからなる樹脂組成物が好ましく、極めて好ましく
は(C)架橋性ゴム状重合体と(D)熱可塑性樹脂とか
らなる樹脂組成物である。
【0030】本発明において(C)架橋性ゴム状重合体
は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であること
が好ましく、このようなゴム状重合体は、例えば、ポリ
ブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ア
クリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上
記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアク
リル系ゴム及びエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム
(EPDM)、エチレンーオクテン共重合体ゴム等の架
橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有す
る熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0031】本発明において(C)架橋性ゴム状重合体
の中でも、特にエチレン・αーオレフィン共重合体が好
ましく、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフ
ィンが更に好ましい。上記炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとしては、例えば、プロピレン、ブテンー1、ペン
テンー1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でも
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1
が好ましく、特に好ましくは炭素数6〜12のα−オレ
フィンであり、とりわけオクテン−1が最も好ましい。
オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られ
た共重合体は機械的強度に優れている。
【0032】本発明において好適に用いられる(C)エ
チレン・αーオレフィン共重合体は、公知のメタロセン
系触媒を用いて製造することが好ましい。一般にはメタ
ロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属
のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合
触媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒
と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重
合体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフ
ィンの分布が均一である。
【0033】本発明において用いられる(C)エチレン
・αーオレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合
比率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重
量%である。α−オレフィンの共重合比率が60重量%
を越えると、組成物の硬度、引張強度等の低下が大き
く、一方、1重量%未満では柔軟性、機械的強度が低下
する。(C)エチレン・αーオレフィン共重合体の密度
は0.8〜0.9g/cm3の範囲にあることが好まし
い。この範囲の密度を有するオレフィン系エラストマー
を用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の低いエラス
トマー組成物を得ることができる。
【0034】本発明にて用いられる(C)エチレン・α
ーオレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが
望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落
とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重
量%)に比して、密度をより小さくすることが可能とな
り、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ること
ができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマー
としては、USP5278272等に記載されている。
【0035】また、(C)エチレン・αーオレフィン共
重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有すること
が望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。また、本発明にて用いられる(C)のメル
トインデックスは、0.01〜100g/10分(19
0℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用い
られ、更に好ましくは0.2〜10g/10分である。
100g/10分を越えると、組成物の架橋性が不十分
であり、また0.01g/10分より小さいと流動性が
悪く、加工性が低下して望ましくない。
【0036】本発明にて用いられる(C)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明において(C)の中でも好ましい架橋性ゴム状重合
体の一つとして、熱可塑性エラストマーがあるが、その
中でも特にポリスチレン系熱可塑性エラストマ−が好ま
しく、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロ
ック共重合体、または上記共役ジエン単位部分が部分的
に水素添加またはエポキシ変性されたブロック共重合体
等が挙げられる。
【0037】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。また、上
記ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体は、
1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができ
る。
【0038】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を
結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合体である
ことが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、
SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好まし
い。
【0039】本発明において(D)熱可塑性樹脂は、
(C)と相溶もしくは均一分散し得るものであればとく
に制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニ
レンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンス
ルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート
系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用する
ことができる。特に熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹
脂等のオレフィン系樹脂が好ましい。
【0040】本発明で最も好適に使用されるプロピレン
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。これらの樹脂から選ばれる少なく
とも1種以上の(D)熱可塑性樹脂が、(C)と(D)
の合計100重量部中、1〜99重量部の組成比で用い
られる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは2
0〜80重量部、最も好ましくは20〜70重量部であ
る。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下
し、99重量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であ
り、望ましくない。
【0041】また、本発明にて用いられるプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10
分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ま
しく用いられる。100g/10分を越えると、熱可塑
性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不十分で
あり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪
く、成形加工性が低下して望ましくない。本発明におい
て、(D)の中でも、エチレンとプロピレンとのランダ
ム共重合樹脂等のオレフィン系ランダム共重合樹脂また
はポリエチレン系樹脂と、オレフィン系ブロック共重合
樹脂またはポリプロピレン系樹脂との組み合わせが最も
好ましい。このような二種のオレフィン系樹脂を組み合
わせることにより更に機械的強度が向上する。
【0042】本発明のマスターバッチを配合する(C)
と(D)とからなる樹脂組成物100重量部において、
(C)は、1〜99重量部の組成比で用いられる。好ま
しくは5〜90重量部、更に好ましくは20〜80重量
部である。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が
低下し、99重量部を越えると組成物の柔軟性が不十分
であり、望ましくない。本発明のマスターバッチを配合
する(C)と(D)とからなる樹脂組成物は、必要に応
じて(E)架橋剤を用いることができる。このような架
橋剤は、(E−1)架橋開始剤あるいは(E−1)架橋
開始剤および(E−2)架橋助剤等からなる。
【0043】ここで、好ましく使用される(E−1)架
橋開始剤は、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカ
ル開始剤等が挙げられ、の具体的な例として、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−
t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t
−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピ
ルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマ
レイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキ
シエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0044】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。これらのラジカル開始剤は、(C)と
(D)からなる組成物100重量部に対し0.02〜3
重量部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用いられ
る。0.02重量部未満では架橋が不十分であり、3重
量部を越えても組成物の物性は向上せず、好ましくな
い。
【0045】本発明において、(E)架橋剤の一つの
(Eー2)架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダ
イアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシ
ム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニ
ルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−
フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テト
ラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好
ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併
用して用いてもよい。
【0046】これらの(E−2)架橋助剤は、(C)と
(D)からなる組成物100重量部に対し0.1〜5重
量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。
0.1重量部未満では架橋が不十分であり、5重量部を
越えても組成物の物性は向上せず過剰の架橋助剤が残存
し、好ましくない。本発明のマスターバッチを配合する
(C)と(D)とからなる組成物に、必要に応じて加工
性の向上のために、(F)軟化剤を配合することができ
る。
【0047】上記(F)は、パラフィン系、ナフテン系
などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の硬
度、柔軟性の調整用に5〜500重量部、好ましくは1
0〜150重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、加
工性が不足し、500重量部を越えるとオイルのブリー
ドが顕著となり望ましくない。また、部分的または完全
に架橋された樹脂組成物を製造するためには、通常の樹
脂組成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバン
バリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、
等の一般的な方法を採用することが可能である。とりわ
け効率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好
ましく用いられる。2軸押出機は、オレフィン系エラス
トマーとプロピレン系樹脂とを均一かつ微細に分散さ
せ、さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせし
め、本発明の組成物を連続的に製造するのに、より適し
ている。
【0048】このような好適な具体例として、次のよう
な加工工程を経由して製造することができる。すなわ
ち、マスターバッチ、オレフィン系エラストマーとプロ
ピレン系樹脂とをよく混合し、押出機のホッパーに投入
する。架橋剤、架橋助剤を、オレフィン系エラストマー
とプロピレン系樹脂とともに当初から添加してもよい
し、押出機の途中から添加してもよい。またオイルを押
出機の途中から添加してもよいし、当初と途中とに分け
て添加してもよい。オレフィン系エラストマーとプロピ
レン系樹脂の一部を押出機の途中から添加してもよい。
押出機内で加熱溶融し混練される際に、前記エラストマ
ーと架橋剤および架橋助剤とが架橋反応し、さらにオイ
ル等を添加して溶融混練することにより架橋反応と混練
分散とを充分させたのち押出機から取り出すことによ
り、ペレットとして得ることができる。本発明のマスタ
ーバッチを重合体に配合して得られた組成物は任意の成
形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押
出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡
成形等が好ましく用いられる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これら実施例および比較例にお
いて、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りであ
る。 (1)(B)成分の平均粒子径 電子顕微鏡により各粒子の数平均粒子直径を求め、平均
粒子径とした。即ち、各粒子を球と仮定し、長径と短径
の算術平均を各粒子の平均直径とする。そして、100
個の粒子の平均直径の算術平均により数平均粒子直径を
求めた。 (2)引張破断強度[kgf/cm2] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (3)引張破断伸度[%] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (4)耐摩耗性 射出成形により、表面皮シボの成形体を作製し、次いで
学振型摩耗試験機を用いて耐摩耗性の評価を行った。評
価条件は以下の通り。
【0050】 温度条件 :23℃雰囲気下 ストローク:120mm 周波数 :1往復/2秒 荷重 :1kg 摩擦物 :綿布100% かなきん3号(JIS L
0803準拠)三つ折りにして装着 接触面積 :1平方cm 評価は、成形品表面皮シボが消滅するまでの摩擦往復回
数 (5)手触り感(官能テスト) 23℃雰囲気下にて、実際に手で触ってそのさらっと感
(べたつきの無いこと)と指紋跡が成形品表面に残るか
否かを評価した。
【0051】 ◎:極めて手触り感が良好かつさらっとしており、指紋
跡も残らない。 ○:成形品表面に指紋の跡が残るが、べたつきは感じら
れない。 ×:指紋跡が残り、べたつき感や、ぬめり感がある。 (7)押出安定性(品質の安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物から引張破断強度
を測定し、その強度変化から連続生産性(品質の安定
性)を評価した。10時間の最大と最小の引張破断強度
の差を押出安定性の指標とした。
【0052】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)ポリマー用添加剤:ポリオルガノシロキサン 信越化学(株)製、JIS−K2410規定の25℃に
おける動粘度の異なったポリジメチルシロキサン(Me
SIと称する) (ロ)250℃で溶融しない粉体 シリカ 市販のシリカ(SiO2)をボールミルで粉砕した。そ
の際に粉砕時間を制御する事により、異なった平均粒子
直径のSiO2を製造した。(SIと称する) また表面処理は、ボールミル粉砕の際にステアリン酸を
添加して粉砕しながら表面処理を行った。
【0053】No 表面処理 平均粒子径(μm) SIー1 無 0.0005 SI−2 無 0.001 SIー3 無 0.15 SI−4 無 1.0 SI−5 無 10.0 SIー6 無 100.0 SI−7 無 1000.0 SI−8 無 1050.0 SI−9 有 1.0
【0054】炭酸カルシウム 市販の炭酸カルシウム表面処理無し、平均粒子径1.0
μm(CaCO3と称する) (ハ)エチレン・αーオレフィン共重合体 エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−1) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテンー1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPEー1と称する) エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテンー1の組成比は、72/2
8(重量比)である。(TPEー2と称する)
【0055】エチレン・プロピレン・ジシクロペンタ
ジエン共重合体(TPE−3) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である。(TPEー3と称する) (ニ)オレフィン系樹脂 ポリプロピレン 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する) (ホ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する) (ヘ)架橋剤:架橋開始剤 日本油脂(株)製、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン( 商品名パーヘキ
サ25B)(POXと称する) (ト)架橋剤:架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)
【0056】
【実施例1〜18、比較例1〜7】ヘンシェルミキサー
で23℃で、表1〜4記載の組成物を混合し、マスター
バッチ(MB)を作製し(第一段)、引き続きバレル中
央部に注入口を有した二軸押出機(40mmφ、L/D
=47)を用いて表1記載の組成、200℃の温度条件
で溶融混練を行った(第二段)。スクリューとしては注
入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。
一方で比較のために、MBを製造することなく全成分を
上記二軸押出機に投入し、同条件で溶融押出を行った。
【0057】このようにして得られた組成物から200
℃にて圧縮成形により2mm厚のシートを作成し、各機
械的特性を評価した。その結果を表1〜4に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】表1〜4によると、本願の要件を満足する
粉体を用いることにより、ポリマー用添加剤が高濃度に
吸収または吸着されるために高濃度のMBの製造が可能
となる。また本発明のMBを用いることにより、卓越し
た機械的特性が発現するだけでなく、押出安定性が向上
するために安定した品質が維持される。そして、特に
(C)として、メタロセン系触媒を用いて製造された、
エチレンとオクテン−1との共重合体は卓越した機械的
強度を付与する事が分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明のマスターバッチは高粘度添加剤
の含有を可能にし、またこのようなマスターバッチを、
重合体に配合することにより卓越した機械的強度を発現
させるだけでなく、生産性が向上するために品質の安定
化をも可能にする。本発明のマスターバッチを用いて得
られた組成物は、優れた機械的物性を有しているため
に、自動車用部品、自動車用内装材、エアバッグカバ
ー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベルト、
玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等を始め
とする用途に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役
割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/16 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F070 AA04 AA12 AA13 AA16 AC23 AC92 AE30 FA05 FA17 FB03 FC05 4J002 AC03W AC06W AC07W AC09W AC11W BB00X BB05W BB15W BC03X BD03X BG04W BG05X CF00X CG00X CH07X CL00X CN01X CP033 DJ016 FB236 FD173 FD206 GT00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)JIS−K2410規定の25℃
    における動粘度が5000センチストークス以上のポリ
    マー用添加剤と(B)平均粒子径0.001〜1000
    μmであり、250℃で溶融しない粉体とからなること
    を特徴とするマスターバッチ。
  2. 【請求項2】 (A)がポリオルガノシロキサンであ
    り、(B)がシリカである請求項1記載のマスターバッ
    チ。
  3. 【請求項3】 (C)ゴム状重合体と(D)熱可塑性樹
    脂に請求項1または2のマスターバッチ加えて得られる
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)がエチレンと炭素数3〜20のα
    −オレフィンからなるエチレン・αーオレフィン共重合
    体であり、(D)がオレフィン系樹脂である請求項3記
    載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載の樹脂組成物
    を部分的または完全に架橋してなる樹脂組成物。
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KR20150105371A (ko) * 2013-01-08 2015-09-16 릴라이언스 인더스트리즈 리미티드 중합체 조성물과 이의 제조방법

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