JP2001062610A - スローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents

スローアウェイチップのクランプ機構

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JP2001062610A
JP2001062610A JP23617699A JP23617699A JP2001062610A JP 2001062610 A JP2001062610 A JP 2001062610A JP 23617699 A JP23617699 A JP 23617699A JP 23617699 A JP23617699 A JP 23617699A JP 2001062610 A JP2001062610 A JP 2001062610A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スローアウェイチップのクランプ状態を安定
させる。 【解決手段】 クランプ部22に、ボルト26のボルト
頭部を収容するためのボルト穴31を形成した。ボルト
穴31にはボルト頭部のボルト頭部下面の一部に当接す
るように、水平面に対して所定角だけ傾斜した受け面を
形成した。クランプ機構12の支点βと作用点γとを結
ぶ直線L1に対して、ボルト穴31の受け面を、ボルト
26の中心軸Qから、直線L1を含み中心軸Qと平行な
平面Tとボルト頭部下面の外周との交差点V1に向かっ
て上昇傾斜するように形成した。クランプ部22とチッ
プ取付座との間に設けたスリットの基端部32aは平面
Tに直交するように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばぬすみ穴加
工や溝入れ加工等の切削加工に用いるスローアウェイ式
切削工具におけるスローアウェイチップのクランプ機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば回転するワークにぬすみ穴
加工や溝入れ加工等を行うための切削工具として、工具
本体の先端部分に超硬合金製のチップを着脱可能にクラ
ンプ保持して構成されたスローアウェイ式切削工具が知
られている。このスローアウェイ式切削工具は、旋盤又
はマシングセンタ等の工作機械の主軸に支持されて、高
速に回転するワークにスローアウェイチップが押しつけ
られた状態でワークに対して相対的に移動させられるこ
とで、スローアウェイチップに形成された切刃によって
ワークを切削していくものである。図6は上述した従来
技術の一例によるスローアウェイ式切削工具の平面図で
あり、図7は図6に示すスローアウェイ式切削工具の先
端部分の要部拡大平面図であり、図8は図7に示すスロ
ーアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに直交する方向
から見た要部正面図であり、図9は図7に示すスローア
ウェイ式切削工具の要部側面図であり、図10は図7に
示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに沿っ
た方向から見た要部正面図である。
【0003】このスローアウェイ式切削工具10は、工
作機械のチャック等に把持される工具本体11の先端側
に設けられたクランプ機構12に、スローアウェイチッ
プ(以下、単にチップと呼ぶ)13が着脱可能にクラン
プ保持されて構成されている。チップ13は、例えば超
硬合金等の硬質材料からなり、図10に示すように、例
えば断面視略五角形の角柱状に形成されており、チップ
13の長手方向の両端部において、すくい面とされる略
円形の上面14aと、上面14aと対向して着座面をな
す底部14bと、上面14aと底部14bとの間に形成
された側面14cとを備えて構成されている。そして、
上面14aと側面14cとの交差稜線部には切刃15が
形成されている。底部14bは第1下面14dと第2下
面14eとが略鈍角に交差してなる断面視略山型に形成
されている。また、側面14cは底部14bから上面1
4aに向けて外側に傾斜しており、すくい面とされる上
面14aに対して逃げ角が取られて逃げ面とされてい
る。なお、図6及び図7に示すように、チップ13はそ
の長手方向において中心位置を境に対称形状となるよう
に形成されており、クランプ機構12に装着される向き
を変えることによって、長手方向の両端に形成された切
刃15,15のうち工具本体10aの先端側に突出させ
る切刃15を入れ替えて使用することができる。
【0004】スローアウェイチップのクランプ機構12
は、台座部21と、クランプ部22とを備えて構成され
ており、工具本体11の先端において、工具本体11の
幅方向(軸線Oと直交する方向)の両端部のうちの一方
の端部のみをスローアウェイ式切削工具10の先端に向
かい突出すると共に、この突出部分が工具本体11の軸
線Oと所定角θで交差するように形成されている。すな
わち、工具本体11の軸線Oと所定角θで交差する方向
に沿って、工具本体11の先端部と接続されるクランプ
機構12のの基端部と、チップ13をクランプ保持する
クランプ機構12の先端部とが軸線Oを間に挟んで互い
に反対側に位置するようにされており、チップ13は軸
線Oからずれた位置でクランプ保持されている。台座部
21は、工具本体11の軸線Oと所定角θで交差する方
向に沿って、工具本体11の先端部からスローアウェイ
式切削工具10の先端側に向かい突出する略長方形板状
に形成されており、図8及び図9に示すように、工具本
体11の幅方向及び軸線Oと直交する方向で対向する台
座部上面21C及び台座部下面21Dのうち、台座部下
面21Dは工具本体11の底面11Dに滑らかに接続さ
れており、台座部上面21Cは工具本体11の先端面1
1Aと交差して配置されている。
【0005】そして、図10に示すように、台座部上面
21Cにはチップ取付座23が形成されており、このチ
ップ取付座23は、第1着座面23aと第2着座面23
bとが交差してなる断面視略V字形状の凹溝状に形成さ
れており、第1着座面23aはスローアウェイチップ1
3の第1下面14dと、第2着座面23bは第2下面1
4eとそれぞれ当接するようにされている。なお、図8
に示すように、チップ取付座23の基端側にはぬすみ2
3cが形成されている。
【0006】クランプ部22は、図7に示すように、平
面視略L字型に形成されており、平面視略多角形状のク
ランプ部基端部22aと、工具本体11よりも短い幅の
台座部21と等しい幅を有するクランプ部先端部22b
とから構成されており、クランプ部基端部22aは工具
本体11の先端部と対向するように、クランプ部先端部
22bは台座部21と対向するようにそれぞれ配置され
ている。図8及び図9に示すように、クランプ部基端部
22aの基端側は工具本体11に連結されており、クラ
ンプ部基端部22aのクランプ部基端部下面22Aと、
工具本体11の先端部上面11Bとの間には所定の間隔
が設けられており、いわば工具本体11の先端側から基
端側に向かってチップ取付座23と略平行に切り込まれ
たようなスリット24が設けられている。
【0007】さらに、クランプ部先端部22bのクラン
プ部先端部下面22Bは、基端側に形成されたぬすみ2
2dから先端側に向かい下方(図8における下側)に傾
斜して設けられている。そして、クランプ部先端部下面
22Bの先端には、チップ13の上面14aの略中間部
分を押圧する、例えば平坦面状の押圧部25がチップ1
3の上面14aと略平行に設けられている。そして、ク
ランプ部基端部22aは、基端側から先端側にかけて上
方(図8における上側)に張り出すように肉厚に形成さ
れると共に、基端側、すなわちクランプ部22の付け根
部分が肉薄に形成されていて、この付け根部分を支点に
して弾性変形することでクランプ部先端部22bの先端
に設けられた、例えば平坦面状の押圧部25をチップ取
付座23に対して近接する方向に変位できるように配さ
れている。
【0008】ここで、クランプ部基端部22aの肉厚に
形成される部分で工具本体11の軸線Oの近傍には、図
7及び図8に示すように、ボルト26のボルト頭部26
aを収容するためのボルト穴27が形成されており、ボ
ルト穴27にはボルト頭部26aのボルト頭部下面(当
接面)26bに当接する受け面27aが形成されてお
り、さらに、ボルト26のねじ部26cが螺着されるボ
ルト装着孔28が、ボルト穴27と同軸にクランプ部2
2からスリット24を介して工具本体11の先端部を貫
通するように貫設されている。
【0009】次に、上述のクランプ機構12により、チ
ップ13を工具本体11に装着する方法について説明す
る。先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23
に着座させ、さらに、図6に示すように、チップ13の
基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させ
て、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25と
の間に位置させる。そして、ボルト穴27及びボルト装
着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト
装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26
bによってボルト穴27の受け面27aを押圧し、これ
によってクランプ部22の押圧部25でチップ13をチ
ップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を押圧固定
する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術の一例によるスローアウェイチップ13のクランプ機
構12によれば、ボルト頭部下面26bとボルト穴27
に設けられる受け面27aとは面接触するので、ボルト
頭部下面26bが受け面27aを押圧してクランプ部2
2をチップ取付座23に向けて押圧する力は、受け面2
7aのボルト頭部下面26bとの接触面の全面に亘って
ほぼ均等に加えられることとなる。このため、図7から
図9に示すように、ボルト頭部下面26bが受け面27
aを押圧する力点、すなわちクランプ機構12における
力点αは、近似的にボルト26の中心軸Q上に位置する
こととなる。さらに、図8及び図9に示すように、クラ
ンプ機構12における支点βは近似的に軸線O上でクラ
ンプ部22の付け根部分、すなわちスリット24の基端
部24a近傍に位置し、作用点γはクランプ部22の押
圧部25に位置する。
【0011】この場合、図7に示す平面図内において、
支点βは工具本体10aの軸線O上に位置し、作用点γ
はクランプ部22の押圧部25とチップ13との接触点
となり、チップ13の上面14aにおける中心点を含み
長手方向に沿って伸びるチップ中心線R上に位置するこ
ととなる。従って、クランプ機構12の力点αは、支点
βと作用点γとを結ぶ直線L1を含みボルト26の中心
軸Qに平行な平面T内に位置せず、ボルト26のねじ部
26cをボルト装着孔28に螺着緊締すると、図10に
示すような直線L1周りのねじりモーメントMが発生し
てクランプ部22が直線L1から力点αに向かい下降傾
斜するようになり、ボルト26の中心軸Qに直交する水
平面Hに対して傾斜角ψのねじれが発生する。
【0012】ここで、平坦面状の押圧部25はチップ1
3の平坦面状の上面14aと略平行に設けられているた
め、水平面Hに対するねじれに伴って、クランプ部22
の押圧部25のうち最も下方(図10における下側)に
位置するのはクランプ部22の端部であり、この端部は
押圧部25とチップ13の上面とが接触する第1接触部
ε1となる。このように、第1接触部ε1は、図10に
示すチップ中心線Rに対する断面図のように、チップ中
心線Rと直交するチップ軸線Pからチップ側面14cへ
と向かってずれた位置であってチップ13の上面14a
とチップ側面14cとの交差稜線部近傍に位置すること
となり、この第1接触部ε1が新たにクランプ機構12
における作用点γとなる。さらに、チップ13の底部1
4bとチップ取付座23とは、台座部21の上面すなわ
ち第1着座面23a及び台座部21の側面の交差稜線部
に位置する第2接触部ε2と、第2着座面23b及び台
座部21の側面の交差稜線部に位置する第3接触部ε3
とにおいて接触することとなる。
【0013】ところで、上記のようなスローアウェイ式
切削工具10では、ワークを切削加工する際の切削抵抗
によるチップ13のびびり(振動)を抑えてワークの加
工精度を向上させる必要があり、チップ13を工具本体
部11に強固に固定しなければならない。しかしなが
ら、上述したようにクランプ部22の押圧部25とチッ
プ13の上面とが接触する第1接触部ε1がチップ軸線
Pから大きくずれた位置となった場合には、たとえ第2
及び第3接触部ε2,ε3がチップ軸線Pを間に挟んで
対称な位置に配置されていても、第2及び第3接触部ε
2,ε3においてチップ取付座23から作用する抗力、
すなわち第1接触部ε1において押圧部25がチップ1
3の上面14aを押圧する力に対する抗力に大きなアン
バランスが生じてしまうという問題がある。
【0014】しかも、図7に示すように、クランプ部2
2がチップ取付座23に対して近接する方向に変位する
際には、実際には支点βを含み直線L1と直交する線分
L2全体が支点となるが、クランプ部22の付け根部
分、すなわちスリット24の基端部24aは工具本体1
0aの軸線Oと直交するように形成されているため、工
具本体部11においてスリット24の基端部24aと、
線分L2とで囲まれる領域Aに不要な圧縮応力が作用す
ることとなり、この圧縮応力の発生に伴って支点βと作
用点γとを結ぶ直線L1周りにねじりモーメントMが発
生し、押圧部25によるチップ13のクランプ状態が不
安定となって、例えばワークの加工時にびびり振動が生
じやすくなってワークの加工精度が低下してしまった
り、例えば切削加工時にチップ13がチップ取付座23
から脱落してしまう恐れがある。本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、スローアウェイチップのクランプ
状態を向上させて、安定に固定することが可能なスロー
アウェイチップのクランプ機構を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のスロ
ーアウェイチップのクランプ機構は、切削工具の工具本
体の先端にスローアウェイチップを載置するチップ取付
座が形成され、前記スローアウェイチップを押圧固定す
る押圧部を先端に有するクランプ部の基端側が前記工具
本体に弾性変形可能に連結されており、前記クランプ部
と前記工具本体とを締結することによって、前記チップ
取付座と前記クランプ部との間に設けられたスリットを
狭めるように、前記押圧部を前記チップ取付座に向けて
変位させる締結部材を備えてなるスローアウェイチップ
のクランプ機構において、前記スリットの基端部は前記
工具本体の軸線に直交する方向に対して適宜の角度で交
差するように形成されていることを特徴としている。
【0016】上記構成のスローアウェイチップのクラン
プ機構によれば、スリットの基端部が工具本体の軸線に
直交する方向に沿って形成されている場合に比べて、ス
リットの基端部を支点としてクランプ部がチップ取付座
に向かい変位する際にスリットの基端部近傍で発生する
圧縮応力を低減することができる。
【0017】さらに、請求項2に記載の本発明のスロー
アウェイチップのクランプ機構は、前記クランプ部が弾
性変形する際の支点と前記押圧部が前記スローアウェイ
チップを押圧する作用点とを含み前記クランプ部が変位
する方向に平行な平面内に、前記締結部材が前記クラン
プ部を押圧する力点を通り前記スリットの基端部と直交
する直線が含まれることを特徴としている。
【0018】上記構成のスローアウェイチップのクラン
プ機構によれば、クランプ部がスリットの基端部を支点
として弾性変形する際にスリットの基端部に発生する圧
縮応力を抑制することができる。これにより、クランプ
機構の支点と作用点とを結ぶ直線の周りにねじりモーメ
ントが発生することを防止して、押圧部によるスローア
ウェイチップのクランプ状態の安定性を向上させること
ができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやす
くなってワークの加工精度が低下してしまったり、例え
ば切削加工時にスローアウェイチップがチップ取付座か
ら脱落してしまう等の問題が発生することを防ぐことが
可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスローアウェイチ
ップのクランプ機構の一実施形態について添付図面を参
照しながら説明する。図1は本発明のスローアウェイチ
ップのクランプ機構の一実施形態に係るスローアウェイ
式切削工具の先端部分の要部拡大平面図であり、図2は
図1に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線R
に直交する方向から見た要部正面図であり、図3は図1
に示すスローアウェイ式切削工具の要部側面図であり、
図4は図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−B線
断面図であり、図5は図1に示すスローアウェイ式切削
工具をチップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図
である。なお、上述した従来技術と同一部分には同じ符
号を配して説明を簡略または省略する。本実施の形態に
よるスローアウェイチップのクランプ機構を備えるスロ
ーアウェイ式切削工具30は、工具本体部11と、クラ
ンプ機構12と、スローアウェイチップ(チップ)13
とを備えて構成されており、チップ13をクランプ保持
するクランプ機構12は、台座部21とクランプ部22
とを備えて構成されている。
【0020】ここで、クランプ部22の肉厚に形成され
る部分で工具本体30aの軸線Oの近傍には、図1から
図4に示すように、ボルト26のボルト頭部26aを収
容するためのボルト穴31が形成されており、ボルト穴
31にはボルト頭部26aのボルト頭部下面26bの一
部に当接するように、水平面Hに対して所定角δだけ傾
斜した受け面31aが形成されており、さらに、ボルト
26のねじ部26cが螺着されるボルト装着孔28が、
ボルト26の中心軸Qが水平面Hと直交するようにクラ
ンプ部22からスリット32を介して工具本体11の先
端部を貫通するように貫設されている。ここで、ボルト
穴31の受け面31aは略円形に形成されており、図1
及び図2に示すように、クランプ部22の付け根部分で
近似的に工具本体30aの軸線O上に位置するクランプ
機構12における支点βと、クランプ部22の押圧部2
5とチップ13との接触点であってチップ13の上面1
4aにおけるチップ中心線R上に位置する作用点γとを
結ぶ直線(第1の直線)L1に対して、この直線L1を
含みボルト26の中心軸Qと平行な平面T内に、ボルト
頭部下面26bの外周と受け面31aとが接触してなる
クランプ機構12の力点αが位置するように配されてい
る。すなわち、受け面31aはボルト26の中心軸Qか
らクランプ機構12の力点αに向かい上昇傾斜するよう
に形成されており、ボルト26の中心軸Qからクランプ
機構12の力点αに向かう方向における受け面31aの
端部Wが最も上方(図2における上側)に位置してい
る。なお、図1においては、ボルト頭部下面26bの外
周と平面Tとは2つの交差点V1,V2において交差す
るが、この場合は作用点γ側の交差点V1がクランプ機
構12の力点αとなるように設定されている。こうし
て、クランプ機構12の力点αと、支点βと、作用点γ
とは、クランプ部22の変位方向と平行な同一平面T内
に配置されている。
【0021】クランプ部22は、図2及び図3に示すよ
うに、工具本体11の先端側から基端側に向かってチッ
プ取付座23と略平行な面に沿って切り込まれたスリッ
ト32により、基端側が工具本体11に連結された状態
でチップ取付座23に対向するようにして設けられてい
る。ここで、スリット32の基端部32aは、クランプ
機構12の力点αと支点βと作用点γとが配置された平
面Tに直交するように形成されており、図1に示すよう
に、工具本体30aの軸線O方向と直交する工具本体1
1の幅方向(図1における上下方向)に対して所定の角
度で傾斜するようにされている。この場合、クランプ機
構12の支点βは近似的にスリット32の基端部32a
に沿って工具本体11の幅方向の両端からの距離が等し
い位置、すなわちスリット32の基端部32aと、軸線
Oとの交差する位置とされる。
【0022】次に、上述のクランプ機構12により、チ
ップ13を工具本体11に装着する方法について説明す
る。先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23
に着座させ、さらに、図3に示すように、チップ13の
基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させ
て、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25と
の間に位置させる。そして、ボルト穴31及びボルト装
着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト
装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26
bによってボルト穴31の受け面31aの一部を押圧
し、これによってクランプ部22の押圧部25でチップ
13をチップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を
押圧固定する。この場合、クランプ機構12の力点α
は、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1を含みクランプ
部22の変位方向と平行な平面T内に位置しており、ボ
ルト26のねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締
することによってクランプ部22が弾性変形して、押圧
部25がチップ取付座23に近接する方向に変位して
も、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1周りにねじりモ
ーメントが発生することはない。しかも、スリット32
の基端部32aは、クランプ機構12の力点αと支点β
と作用点γとが配置された平面Tに直交するように形成
されているため、クランプ部22がチップ取付座23に
対して近接する方向に変位する場合に、スリット32の
基端部32a近傍に圧縮応力が作用することはない。
【0023】上述したように本実施の形態によるスロー
アウェイチップのクランプ機構10によれば、クランプ
部22とチップ取付座23との間に設けられたスリット
32の基端部32aが、クランプ機構12の支点β及び
作用点γを含みクランプ部22が変位する方向に平行な
平面Tに対して直交するように形成されているため、ク
ランプ部22がスリット32の基端部32aを支点とし
て弾性変形する際に、支点βと作用点γとを結ぶ直線L
1周りにねじりモーメントを生じさせるような圧縮応力
の発生を抑制することができる。これにより、押圧部2
5によるチップ13のクランプ状態の安定性を向上させ
ることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生
じやすくなってワークの加工精度が低下してしまった
り、例えば切削加工時にスローアウェイチップ13がチ
ップ取付座23から脱落してしまう等の問題が発生する
ことを防ぐことが可能となる。
【0024】なお、本実施の形態においては、ボルト穴
31の受け面31aを水平面Hに対して傾斜するように
形成するとしたが、これに限定されず、水平な受け面2
7aに対して、例えばワッシャ等の仲介部材をボルト頭
部下面26bと受け面27aとの間に挿入しても良い。
この場合、ワッシャの上面を水平面Hに対して傾斜する
ように形成すれば良い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスローア
ウェイチップのクランプ機構によれば、スリットの基端
部が工具本体の軸線に直交する方向に沿って形成されて
いる場合に比べて、クランプ部がチップ取付座に向かい
弾性変形する際にスリットの基端部近傍で発生する圧縮
応力を低減することができる。さらに、請求項2に記載
の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構によれ
ば、スリットの基端部が、クランプ機構の支点及び作用
点を含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に対し
て直交するように形成されているため、クランプ部が弾
性変形する際に発生する圧縮応力を抑制することができ
る。これにより、クランプ機構の支点と作用点とを結ぶ
直線の周りにねじりモーメントが発生することを防止し
て、押圧部によるスローアウェイチップのクランプ状態
の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイチップのクランプ機
構の一実施形態に係るスローアウェイ式切削工具の先端
部分の要部拡大平面図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイ式切削工具をチッ
プ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図である。
【図3】 図1に示すスローアウェイ式切削工具の要部
側面図である。
【図4】 図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−
B線断面図である。
【図5】 図1に示すスローアウェイ式切削工具をチッ
プ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。
【図6】 従来技術の一例によるスローアウェイ式切削
工具の平面図である。
【図7】 図6に示すスローアウェイ式切削工具の先端
部分の要部拡大平面図である。
【図8】 図7に示すスローアウェイ式切削工具をチッ
プ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図である。
【図9】 図7に示すスローアウェイ式切削工具の要部
側面図である。
【図10】 図7に示すスローアウェイ式切削工具をチ
ップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。
【符号の説明】
10,30 スローアウェイ式切削工具 11 工具本体 13 スローアウェイチップ(チップ) 22 クランプ部 23 チップ取付座 24,32 スリット 25 押圧部 26 ボルト(締結部材) α 力点 β 支点 γ 作用点 M ねじりモーメント
フロントページの続き (72)発明者 麻生 典夫 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 Fターム(参考) 3C046 EE12 EE14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削工具の工具本体の先端にスローアウ
    ェイチップを載置するチップ取付座が形成され、前記ス
    ローアウェイチップを押圧固定する押圧部を先端に有す
    るクランプ部の基端側が前記工具本体に弾性変形可能に
    連結されており、 前記クランプ部と前記工具本体とを締結することによっ
    て、前記チップ取付座と前記クランプ部との間に設けら
    れたスリットを狭めるように、前記押圧部を前記チップ
    取付座に向けて変位させる締結部材を備えてなるスロー
    アウェイチップのクランプ機構において、 前記スリットの基端部は前記工具本体の軸線に直交する
    方向に対して適宜の角度で交差するように形成されてい
    ることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機
    構。
  2. 【請求項2】 前記クランプ部が弾性変形する際の支点
    と前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作
    用点とを含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平
    面内に、前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点
    を通り前記スリットの基端部と直交する直線が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチッ
    プのクランプ機構。
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