JP2001061876A - 採尿バッグの感染防止構造 - Google Patents

採尿バッグの感染防止構造

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JP2001061876A
JP2001061876A JP24275099A JP24275099A JP2001061876A JP 2001061876 A JP2001061876 A JP 2001061876A JP 24275099 A JP24275099 A JP 24275099A JP 24275099 A JP24275099 A JP 24275099A JP 2001061876 A JP2001061876 A JP 2001061876A
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ventilation
collection bag
vent
water
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JP24275099A
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Seiichi Sobashima
誠一 傍嶋
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Three Kk F
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F THREE KK
Three Kk F
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円滑に導尿を行うことができ、尿や臭気を漏
らさず細菌等の侵入や放出を防ぎ感染を防止する採尿バ
ッグの感染防止構造を提供すること。 【解決手段】 採尿バッグ1は、表側シート10fと裏
側シート10bが溶着されて袋状の尿収容部11を備
え、導尿された尿Urを導尿チューブTから流入部3か
ら尿収容部11に流入させて貯留する。逆流防止部31
は、尿Urが流入する場合には弁体部31bが開放して
尿Urの流入を許容し、尿収容部11の内圧が高まった
場合には弁体部31bを閉鎖して尿Urの逆流を防止し
て***を防止する。また、内圧が高まった場合には
通気部4から内部のガスを通気体44の多孔質樹脂成形
体44mに含有された抗菌剤と消臭剤を通過させて殺
菌、消臭し、そして通気部4には吸水性高分子化合物粒
子44wが分散され、尿Urが侵入すると膨潤して通気
部4の通過を規制して、感染を防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院等において導
尿を行う場合に使用する採尿バッグの感染防止構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、手術後の患者や寝たきりの老
人等の排尿時に、尿道に挿入する導尿カテーテルと、こ
れに連通して尿を導出する導尿チューブと、導出された
尿を貯留する尿貯留部を備えた採尿バッグを用いた導尿
を行っていた。この導尿に使用する採尿バッグは、一般
に完全に密封されたようなものが使用されていた。しか
しこのように密閉されたタイプの採尿バッグでは、尿の
貯留量が多くなった場合に、尿と一緒に流入した空気
や、内部から発生した気体により内圧が高まり、この内
圧のために採尿バッグへの尿の流入がスムーズに行われ
なくなって導尿が円滑にできなくなる場合が生じること
があった。さらに採尿バッグの内圧が高まれば採尿バッ
グから導尿チューブに逆流して採尿バッグ内で細菌数が
増加した尿により***を引き起こすおそれもあっ
た。そのため、このように採尿バッグ内の内圧が高まっ
た場合に内部のガスを排出し内圧を下げて導尿を円滑に
するように採尿バッグ本体にガス抜きの通気口を穿設し
たようなものがあった。この通気口は、埃等の異物が侵
入しないように、ガーゼや不織布によりその開口部を覆
って使用していた。このような構成の採尿バッグであれ
ば、通気口からガスを放出することができるため採尿バ
ッグ内の内圧が高まることはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、採尿バ
ッグ本体にガス抜きの通気口を穿設したような構成の採
尿バッグでは、尿の貯留量が多くなると、その水位が上
昇し、この通気口から尿が漏出してしまうことがあると
いう問題があった。また、尿の貯留量が少なくても、不
用意に採尿バッグを押さえたりすることでこの通気口か
ら尿が漏出してしまうことがあるという問題もあった。
また、尿から発生する臭気も外部に排出するガスと同時
に外部に漏れ、患者等が不快になるという問題があっ
た。さらに、尿や採尿バッグ内の気体が排出されること
により、採尿バッグ内で増殖した微生物が採尿バッグの
外に排出され、院内感染を引き起こす可能性もあった。
逆に、この通気口から細菌等の微生物が侵入すれば、採
尿バッグ内で増殖し導尿チューブを介して***し、
このような***により感染した患者の尿によりさら
に医療従事者を介して、他の患者に感染する院内感染を
引き起こすという大きな問題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、円滑に導尿を行うことができるとともに、尿や臭気
を漏らさず且つ細菌等の侵入や放出を防ぎ、感染を防止
する採尿バッグの感染防止構造を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の採尿バッグの感染防止構造で
は、尿を貯留可能な袋状の尿収容部と、導尿カテーテル
から導尿チューブを介して導尿された尿を前記尿収容部
に流入させる流入部と、貯留した尿を排出する排出部と
を備え、前記流入部は、前記導尿チューブを前記尿収容
部に連通させて、導尿された尿の流入を円滑に受け入れ
るための所定の空間を有するチャンバーと、前記導尿チ
ューブから前記チャンバーへの尿の流入を許容し、且つ
前記チャンバーから前記導尿チューブへの尿の逆流を防
止する逆流防止弁とを備えたことを特徴とする。
【0006】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、導尿チューブからの導尿された尿が円滑に尿収容
部に流下するとともに、尿収容部内に尿とともに流入し
た空気や尿から発生した気体等で尿収容部での内圧が高
まっても、尿収容部に収容された尿が導尿チューブに逆
流することがなく、且つ不用意に尿収容部に圧力がかか
っても、導尿チューブにその圧力がかからず患者に負担
をかけることなく***を防止できる。
【0007】また、請求項2に係る発明の採尿バッグの
感染防止構造では、請求項1に記載の採尿バッグの感染
防止構造の構成に加え、前記尿収容部は、前記尿収容部
に穿設された通気口と、当該通気口を覆う抗菌材を含有
させた多数の孔又は空隙を有す通気体と、小孔が穿設さ
れるとともに前記通気体を覆って、前記通気体を前記尿
収容部に密着させるカバー部材とを有した通気部を備え
たことを特徴とする。
【0008】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、抗菌材を含有させた多数の孔又は空隙を有す通気
体を備えた通気部から尿収容部に溜まった気体を排出す
ることができるため、尿収容部内の内圧が高まることが
なく、円滑に導尿ができる。また、通気部から排出され
た気体は、通気体に含まれる抗菌剤によりここを通過す
る微生物を殺菌することができるため、病原菌等の排出
を防止して第三者の感染を防止することができる。ま
た、落下菌等の外部からの病原菌等も通気体の抗菌剤に
より殺菌されるため、外部から病原菌が尿収容部に侵入
するすることがなく、導尿される患者も、逆流防止弁の
作用と相俟って感染を防止することができる。
【0009】請求項3に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造では、請求項1に記載の採尿バッグの感染防止構
造の構成に加え、前記尿収容部は、前記尿収容部に穿設
された通気口と、当該通気口を覆う抗菌材を含有させた
多数の孔又は空隙を有す通気体と、当該通気体の尿収容
部側に配置された透湿防水フィルムと、孔が穿設される
とともに前記通気体及び前記透湿防水フィルムを覆っ
て、前記通気体を前記尿収容部に密着させるカバー部材
とを有した通気部を備えたことを特徴とする。
【0010】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、通気部に透湿防水フィルムが配設されているた
め、尿収容部に収容されている尿の量が多くなったり、
不用意な圧力を受けてその水面が通気部に達しても、通
気部から尿が漏れるようなことがない。また、通気部に
尿が付着しても、通気体には尿が付着せず、気体の排出
は引き続き可能なため、その後の使用にも障害がない。
【0011】請求項4に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造では、請求項1に記載の採尿バッグの感染防止構
造の構成に加え、前記尿収容部は、前記尿収容部に穿設
された通気口と、当該通気口の尿収容部内側に配置さ
れ、当該通気口を覆う抗菌材を含有させた多数の孔又は
空隙を有す通気体と、前記通気体を覆って、前記通気体
を前記尿収容部に密着させる透湿防水フィルムを備えた
カバー部材とを有した通気部を備えたことを特徴とす
る。
【0012】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、通気部を構成するカバー部材自体が透湿防水フィ
ルムを備えて形成されているため、尿収容部に収容され
ている尿の量が多くなったり、不用意な圧力を受けてそ
の水面が通気部に達しても、通気部から尿が漏れるよう
なことがない。また、通気部に尿が付着しても、通気体
には尿が付着せず、気体の排出は引き続き可能なため、
その後の使用にも障害がない。
【0013】請求項5に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造では、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の
採尿バッグの感染防止構造の構成に加え、前記通気体
は、その孔又は空隙に吸水性高分子化合物の粒子を収納
し、当該吸水性高分子化合物の粒子が吸水することによ
り膨潤して通水及び通気を規制することを特徴とする。
【0014】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、万一、通気体に尿が侵入した場合でも、吸水性高
分子化合物の粒子が吸水することにより膨潤して通水及
び通気を規制するため、外部に尿が漏れることがない。
そのため、病原菌等の排出を防止して第三者への感染を
防止することができる。
【0015】請求項6に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造では、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の
採尿バッグの感染防止構造の構成に加え、前記通気体
は、消臭剤を含有させたことを特徴とする。
【0016】この構成に係る採尿バッグの感染防止構造
では、尿収容部から通気部を通過して外部に排出する気
体の悪臭物質を消臭することで、患者や第三者の悪臭に
よる不快感を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る採尿バッグの
感染防止構造を好ましい1の実施の形態である採尿バッ
グ1により、添付図面を参照して説明する。
【0018】図1は、採尿バッグ1の外観構成を示す正
面図である。また、図2は、採尿バッグ1を図1のA−
A部分における矢視断面図である。最初に、採尿バッグ
1の構成について図1、図2を参照しながらその概略を
説明する。以下の説明において、図1における紙面手前
側、図2における左側を表側という。また、図1におけ
る向かって右側を右側という。
【0019】採尿バッグ1は、半透明の2枚の略長方形
の合成樹脂製の表側シート10fと裏側シート10bと
が周囲の溶着部9aで溶着されて全体が略長方形の袋状
に形成されたバッグ本体10を備える。このバッグ本体
10の上端からおよそ7分の1程度の部分は、表側シー
ト10fと裏側シート10bが溶着部9bにより水平に
溶着されて、その上部に吊下部12が設けられる。ま
た、吊下部12の下部に連続して内部に尿Urを収用可
能な尿収容部11が設けられる。そして尿収容部11の
下端には排出部13が設けられる。
【0020】吊下部12には、中央部が幅広に形成され
た横長板状の部材で、幅広の中央部に横長小判形のグリ
ップ孔15が開口されたPP(ポリプロピレン)製の部
材である芯材16が、グリップ孔15の開口方向を水平
に向け且つ長手方向を水平に配設される。芯材16は、
バッグ本体10を形成している上述の2枚の合成樹脂製
の表側シート10fと裏側シート10bの間に挟まれる
ように配置され、上方で表側シート10fと裏側シート
10bが溶着部9aにより左右の両肩部において芯材1
6に沿って溶着されるとともに、表側シート10fと裏
側シート10bは中央部がグリップ孔15の周縁下部に
沿って切り欠かれ、グリップ孔15が露出されている。
また、芯材16の下方は表側シート10fと裏側シート
10bが芯材16に沿って溶着部9cにより溶着され、
この溶着部9cの中央部と溶着部9bは重なるように溶
着されている。また、前述のようにグリップ孔15の周
縁下部に沿うように切り欠かれた表側シート10fと裏
側シート10bの端部が溶着部9dにより溶着されてい
る。従って、芯材16は、周囲の表側シート10fと裏
側シート10bが溶着部9a,9b,9c,9dにより
溶着され、その位置が固定されている。
【0021】芯材16の上部中央はグリップ孔15の周
縁上部の近傍まで切り欠かれ、そのためグリップ孔15
の上方には、水平な細い棒状の支持部16aが形成され
ている。その支持部16aには、導尿チューブTを通し
てガイドするためのチューブガイド17が下方に突設さ
れる。チューブガイド17は、U字状の部材で、その両
端が支持部16aに連続するように芯材16と一体に成
型されている。チューブガイド17の両端部は肉薄に形
成され、前後方向に揺動可能となっている。また、支持
部16a部分の中央部には、吊り下げベルトBTを通し
て支持するためのベルト通し14が上方に突設される。
ベルト通し14は、縦横比がおよそ1:2の下方が開放
したコ字状の部材で、その端部が支持部16a上端に連
続するように芯材16と一体に成形される。
【0022】尿収容部11は、表側シート10fと裏側
シート10bが上端を溶着部9b、左右両端を溶着部9
a、下端をが溶着部9eにより溶着されて密閉した袋状
に形成される。尿収容部11の表側シート10fの上端
部近傍の中央には、尿Urを流入させる流入部3が配設
される。流入部3には略半球状のチャンバー33が溶着
部35により溶着されて配設され、導尿チューブTが連
通されて、導尿された尿Urが流入する。また、表側シ
ート10fの上端部近傍の左側には、通気部4が設けら
れる。通気部4は、密閉された尿収容部11の内圧を調
整するために内部の気体を排出する通気口である。な
お、流入部3と通気部4については後に詳述する。尿収
容部11の下端は、溶着部9eが、左下がりに形成さ
れ、尿収容部11に収容された尿Urを図1の左下端部
に誘導する。なお、図1に示すように尿収容部11の表
側シート10fの表面には、尿収容量を指示する尿収容
目盛21、尿小目盛22が設けられ、尿Urの増加、貯
留、排出量が測定される。
【0023】なお、導尿チューブTは、柔軟性を有する
透明な材料、例えばシリコンゴムにより形成され、その
一端は、上記のように流入部3に連通されるが、導尿チ
ューブTの他の一端にはPC(ポリカーボネート)やP
ET(ポリエチレンテレフタレート)等により形成され
たジョイントが備えられ、ここから人体に挿入して導尿
を行うための不図示の導尿カテーテルを装着する。ま
た、このジョイントに、採尿バッグ1に収容される前
の、導尿された尿Urを注射器等で採尿するシリコンゴ
ムを張設した採尿ポートを設けてもよい。
【0024】排出部13は、図1において尿収容部11
の左下端部に設けられ、ここから収容した尿Urを排出
する部分である。排出部13は、尿収容部11に連通す
るようにL字形のエルボー部を有するパイプ状の排出口
13bが、鍔状の溶着部13aにより溶着される。L字
形の排出口13bは、図1において右方向に開口して、
軟質ビニル等の柔軟性を有する透明な材料により形成さ
れた排出チューブ18が連通される。その排出チューブ
18には、図2に示すようなストッパ19が外嵌され、
排出チューブ18の開放、閉鎖を行う。ストッパ19は
幅の狭い閉溝19aと、ここに連続して形成された幅の
広い開孔19bを有した硬質樹脂製の長方形の板状部材
で、排出チューブ18を閉溝19aに差し込めば排出チ
ューブ18が押しつぶされて閉塞された閉鎖位置になり
尿収容部11の尿Urを貯留する。図12は、ストッパ
19の開放位置を示す図である。図12に示すように、
ストッパ19を、排出チューブ18が開孔19bにくる
ようにスライド変位させれば排出チューブ18は開放さ
れて開放位置になる。
【0025】図1に示すように、尿収容部11の下端部
の溶着部9eと、バッグ本体10の下端部の溶着部9a
の間であって、前述の排出口13bの右方には、排出口
13b側に開口部が設けられるようにU字形の溶着部9
fにより表側シート10fと裏側シート10bが溶着さ
れて収納ポケット20が設けられる、収納ポケット20
の中には、排出チューブ18の外径と略同じ内径を持つ
比較的硬質で摩擦係数の小さいPP等から形成された収
納鞘20aが予め挿入されており、収納ポケット20が
潰れないようにし且つ摩擦を小さくして排出チューブ1
8の挿入を容易にしている。
【0026】図11は、尿収容部11に収容された尿U
rを排出する場合の排出部13の状態を示す。尿収容部
11に収容された尿Urを排出する場合は、図11に示
すように、排出チューブ18の先端を収納ポケット20
から脱抜して、別の容器や排水設備に向け、ストッパ1
9を図12に示すような開放位置に移動すれば、排出口
13bを通って排出チューブ18の先端から尿Urが排
出される。尿Urの排出が完了したら、再びストッパ1
9を閉鎖位置に移動して排出作業を終了する。そして、
通常時は図1に示すように排出チューブ18の先端が収
納ポケット20の中の収納鞘20aに挿入されて収めら
れる。このとき、排出チューブ18の外径と収納鞘20
aの内径が略同じであるため、排出チューブ18は略密
閉され、排出チューブ18の内部に付着した尿Ur等が
外気に触れにくく、その臭気やそこに付着した菌等が外
部に漏れにくくなっている。
【0027】次に、流入部3について詳説する。図4
は、チャンバー33を正面から見た図であり、図5は、
図4のB−B部分における断面図である。図6は、図5
において尿が流入する状態を示す図である。
【0028】流入部3は、チャンバー33、チューブ接
続部34、溶着部35、逆流防止部31から構成され
る。図1に示すように、チャンバー33が、尿収容部1
1の上端付近中央に溶着部35により表側シート10f
に溶着されている。そして、図5に示すように、チャン
バー33は、チューブ接続部34を介して導尿チューブ
Tに連通するように構成される。また、チャンバー33
の底部は、表側シート10fが切り欠かれて表側シート
10fに連通するように構成される。
【0029】図4に示すように、チャンバー33は、全
体が概ね半球状で内部が空洞の球面部33rにより形成
され、図5に示すように表側シート10fに穿設された
開口部を覆うように設置され、その周縁が溶着部35に
より溶着されて密封、固定されている。そして、球面部
33rの底面における中心下側で、この底面の中心角の
およそ70〜75°に対応する水平な弦を含み、且つ、
この球面部33rの半球の底面とおよそ60°の内角を
形成するような平面部分である傾斜平面33sが形成さ
れている。
【0030】そして球面部33rの上部から球面部33
r内部に貫通するようにパイプ状の部材であるチューブ
接続部34の流入パイプ34aが配設される。流入パイ
プ34a内は、導尿チューブTの外径と略同型の内径を
有する。そして流入パイプ34aには、導尿チューブT
が挿入されて連通するように接続されたときに挿入され
た導尿チューブTに当接させて導尿チューブTの固定位
置を規制する当接部34bが環状に突設されている。チ
ューブ接続部34は、球面部33rの略頂点付近で底面
側に90°屈曲され、底面側に向かって流出パイプ34
cが垂直に設けられ、全体にL字状のパイプを構成して
いる。このチャンバー33は、球面部33r、傾斜平面
33s、チューブ接続部34が例えばPCのような樹脂
により一体に形成されている。
【0031】導尿チューブTから流入する尿Urは、チ
ューブ接続部34を通り、チャンバー33に流入する。
このとき導尿チューブTを流下する尿Urが、導尿チュ
ーブT内の尿Urの進行方向にある空気を移動させなが
ら移動することもあるが、もし表側シート10fと裏側
シート10bが密着しているようなときでもこの空気は
チャンバー33側に移動してもチャンバー33に大きな
体積の空気があるため、圧縮されて流下する尿Urの動
きを阻害するような大きな内圧にはならない。従って導
尿チューブTを流下する尿Urは、導尿チューブT内の
空気を移動させながら円滑に流下する。このときチャン
バー33に流入した尿Urは、表側シート10fと裏側
シート10bが密着していると尿収容部11に流下でき
ないが、図6に示すようにチャンバー33に尿Urがあ
る程度貯留されると尿Urの重量が傾斜平面33sと裏
側シート10bにくさびのように働き、密着している表
側シート10fと裏側シート10bの間を離間させる方
向に力が働いて表側シート10fと裏側シート10bは
離間し、その間に尿Urが流れ込む。一旦離間すれば、
後は円滑に尿Urは尿収容部11に流入する。
【0032】もし、チャンバー33がなく尿収容部11
に直接導尿チューブTが接続されている場合には、導尿
チューブTから流下する尿Urは、密着している表側シ
ート10fと裏側シート10bの間に入り込めず、後か
ら流下する尿Urは、導尿チューブT内の空気が移動し
ないため、導尿チューブTの途中で詰まってしまう。ま
た、導尿チューブTの端部まで尿Urが流下したとして
も断面積の小さいチューブ内に貯留され、そのため貯留
した尿Urの重量も密着している表側シート10fと裏
側シート10bを引き離すような力となり得ない。従っ
て、流下する尿Urの流れが阻害され円滑な導尿が困難
になってしまう。
【0033】チューブ接続部34の流出パイプ34cの
先端部34dには、逆流防止部31が装着される。図7
は、逆流防止部31を表面側から見た図である。図8
は、図7のC−C部分における断面図である。
【0034】図7に示すように、逆流防止部31は、チ
ューブ接続部34の流出パイプ34cの先端に環装され
る環状の装着部31aに、装着部31aの内側に突設さ
れた肉薄のヒンジ部31cにより、前面側に凸に球面状
の円板からなる逆流防止弁である弁体部31bが、装着
部31aと同心上に配置される。また、図8に示すよう
に、円筒形の流出パイプ34cの先端に環装された逆流
防止部31は、通常の状態では、弁体部31bがヒンジ
部31cの弾性により先端部34d側に付勢されてお
り、弁体部31bは先端部34dに常時密着するように
構成される。逆流防止部31は、軟質のPPから装着部
31a、弁体部31b、ヒンジ部31cが一体成型され
ている。また、ヒンジ部31cは、その材料にもよる
が、本実施の形態では、尿Urの流れによっても弾性変
形しやすい厚さである厚さ0.2(mm)程度に形成さ
れているので、容易に弾性変形して弁体部31bを開放
させる。
【0035】従って、図7及び図8のように構成された
逆流防止部31は、尿収容部11側(図8右側)から力
を受けると、弁体部31bが流出パイプ34cの先端部
34dに押し付けられ、液体及び気体の通過を阻止す
る。一方、チューブ接続部34側(図8左側)から力を
受けると、図6に示すようにヒンジ部31cが容易に弾
性変形し弁体部31bは、流出パイプ34cの先端部3
4dから離間し、流出パイプ34cからの液体及び気体
の通過、流入を許容する。つまり、逆流防止部31は、
導尿された尿Urの尿収容部11への流入を円滑に行う
とともに、尿収容部11から導尿チューブTへの尿Ur
や気体の逆流を防止する。特に、弁体部31bは、チャ
ンバー33内の空間に配置されているので、弁体部31
bの動きが、裏側シート10b等に当たることなく、
又、弁体部31bが尿Urの中に水没することなく自由
な動きが確保され、逆流防止部31の機能が確保され
る。
【0036】次に、通気部4を詳説する。図9は、通気
部4を表側から見た図である。図10は、図9のD−D
部分における断面図である。図10、図13、図14に
おいてInは尿収容部11の内側、Outは尿収容部1
1の外側を示す。通気部4は、図1に示すように、表側
シート10fの流入部3と略同じ高さであって、表側か
ら見てその左側(図1参照)に配設される。
【0037】通気体44は、所定の大きさ、例えば厚さ
1(mm)程度の厚さで、縦15(mm)、横15(m
m)の正方形に形成される。この通気体44は、通気性
を有するとともに吸水により非通水性を呈する機能を有
する材料から形成される。このような機能を有する通気
体44の材料としては、三次元方向に連通曲折した網目
構造を有する合成樹脂製多孔質体の空孔部分に、吸水性
高分子化合物粒子44wを収容した多孔質樹脂成形体4
4mを用いることが好適である。
【0038】この多孔質樹脂成形体44mは以下のよう
な熱可塑性樹脂により構成される。熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピ
レンの共重合体、エチレン又はプロピレンとブテン等の
α−オレフィンとの共重合体、エチレンとプロピレンと
ブテン等のα−オレフィンとの共重合体等のポレオレフ
ィン、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリ
ル酸メチル等のアクリル酸系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリエステル等を利用で
き、特に、高密度ポリエチレンが、成型性、物理的及び
化学的強度等の観点から好適である。また、加工用の熱
可塑性樹脂の粉粒体の大きさは特に限定されるものでは
ないが、平均粒径を0.03〜3.6(mm)の範囲に
選定することが望ましい。このような粉粒体を得るに
は、熱可塑性樹脂のペレットを冷凍粉砕した後、粉砕物
を篩等により分級することにより得ることができる。
【0039】吸水性高分子化合物粒子44wとしては、
吸水性を有し、吸水により数十から数百倍に膨らむこと
によって非通水性を発揮する公知の高分子化合物材料を
利用できる。例えば、デンプンにアクリル酸塩をグラフ
トしたデンプン系のものや、カルボキシルメチルセルロ
ースにアクリル酸塩をグラフトしたセルロース系のもの
や、ポリアクリル酸塩系、酢酸ビニル・アクリル酸共重
合体系、イソブチレン・マイレン共重合体系、ポリビニ
ルアルコール系等の合成ポリマー系のものが挙げられ
る。これらの吸水性高分子化合物粒子は、例えばポリア
クリル酸では、吸水材料1(g)に対して純水を400
〜650(g)を吸収できる。なお、電解質を含んだ尿
等では吸収量は減るが、通気体44を通過して外部に尿
Urが漏れるのを防止するには十分な吸水量がある。ま
た、一旦吸水した水はゲル化して固定され、強い力で結
合するため外力が与えられた場合でも容易には流出させ
ない。そして、吸水して膨潤することで、通水性を失
い、且つ収容された通気部4内部に密着して通気部4で
の通水及び通気を規制する。
【0040】次に、抗菌剤及び脱臭剤について説明す
る。抗菌剤としては、パラホルムアルデヒドや硫酸オキ
シキノリン等の固体殺菌剤や、主に無機化合物である金
属系の銀、銅、亜鉛、酸化チタン等も使用可能である
が、本実施の形態では、抗菌剤として固体物質や多孔性
ポリマー等に殺菌剤を固定して用いる固定化殺菌剤を用
いている。また、殺菌剤には、消臭剤が混入されてお
り、殺菌と同時に消臭効果を持たせる。
【0041】本実施の形態では、抗菌剤及び消臭剤とし
て、住友化学株式会社製F−101を原料とする住友精
化株式会社製LDPEを消臭・抗菌仕様にしたMG−1
01−Nを用いている。副資材として、消臭剤としてテ
イカ株式会社製のK−フレッシュZCを0.5%と、抗
菌剤として三愛石油株式会社製サンアイバックBACT
を1.0%とを添加し、川崎三興化成株式会社製のミキ
サーでドライブレンドして調製したものである。
【0042】以下、抗菌剤として配合された三愛石油株
式会社製サンアイバックBACTの抗菌試験の結果を示
す。
【0043】この試験の目的は、サンアイバックBAC
Tを有する医療用尿採取袋のエアー抜き用フィルターの
抗菌試験として、サンアイバックBACTを有する検体
と、サンアイバックBACTを有しない検体であるブラ
ンクとの比較を行うものである。
【0044】試験方法は、ドロップ法を用いたフィルム
密着法によるバクテリア抵抗性試験と、薄膜法によるバ
クテリア抵抗性試験とによった。バクテリア抵抗性試験
である「フィルム密着法」は、以下のように行った。各
試験検体を4.5(cm)×4.5(cm)に切断し、
滅菌シャーレ中央に置き、各菌液を0.5(ml)接種
する。ここで「菌液」とは、大腸菌(Escherichia col
i)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)以上2菌
種をそれぞれ肉汁培養液中で培養させ、滅菌精製水で5
00倍にした肉汁培養液を用いて約10(個/ml)
に調整したものをいう。ここで「肉汁培養液」とは、肉
エキス5(g)、ペプトン10(g)、塩化ナトリウム
5(g)を1000(ml)の蒸留水に溶解させ、12
1℃で15分、オートクレーブで滅菌したものをいう。
【0045】まず、4.5(cm)×4.5(cm)に
切断された各試験検体と同サイズに切断したポリエチレ
ンフィルムをのせ、24時間、35±2℃に調整した恒
温槽内で培養し,生菌数の増減を計測する。ここで、
「生菌数の計測」とは、24時間培養した試料にSCD
LP培地を4.5(ml)入れ、10倍に希釈する。な
お、「SCDLP培地」とは、日本製薬株式会社製SC
DLP培地38(g)を1000(ml)の蒸留水に溶
解させ、121℃、15分、オートクレーブで滅菌した
ものをいう。生理食塩水を用いて、10〜10倍ま
で順次希釈し、シャーレに1(ml)ずつ分注した後、
肉汁寒天培地を加えよく攪拌し、放置後培地が固化した
後、シャーレを傾倒して28±2℃に調整した恒温槽内
に入れ2日間培養する。培養後生育したコロニー数を数
えて生菌数を求める。ここで、「肉汁寒天培地」とは、
肉エキス5(g)、ペプトン10(g)、塩化ナトリウ
ム5(g)、寒天15(g)を1000(ml)の蒸留
水に溶解させ、121℃で15分、オートクレーブで滅
菌したものをいう。
【0046】次に、バクテリア抵抗性試験である「薄膜
法」は、以下のように行った。試験片を大腸菌(Escher
ichia coli)及びTTC試薬(TTC:塩化2,3,5
トリフェニルテトラゾリウム)を添加した希薄肉汁寒天
培地の中央に貼り付け、さらに培地を試験検体を覆う程
度加えた。また、試験検体を黄色ブドウ球菌(Staphyloc
occus aureus)を添加したマンニット食塩培地の中央に
貼り付け、さらに試験検体を覆う程度に加えた。培地が
固化した後、35±2℃に調整した恒温槽内に入れ、2
日間培養した。ここで、「希薄肉汁寒天培地」とは、肉
エキス1(g)、ペプトン2(g)、塩化ナトリウム1
(g)、寒天15(g)を1000(ml)の蒸留水に
溶解させた後、121℃で15分、オートクレーブで滅
菌し、ここに、菌数約10(個/ml)の大腸菌(Es
cherichia coli)を1%、TTC試薬(TTC:塩化
2,3,5トリフェニルテトラゾリウム)を0.1
(g)接種したものをいう。また、「マンニット食塩培
地」とは、日水製薬株式会社製マンニット食塩培地11
1(g)を1000(ml)の蒸留水に溶解させ、12
1℃で15分、オートクレーブ滅菌したものであり、こ
れに菌数約10(個/ml)の黄色ブドウ球菌(Staph
ylococcus aureus)を1%添加したものである。マンニ
ットを分解する黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s)は、発育した集落周辺の培地を黄変させる。
【0047】以下に、まずドロップ法を用いたフィルム
密着法によるバクテリア抵抗性試験の結果を示す。ここ
で、表1は、大腸菌(Escherichia coli)についてのフ
ィルム密着法の試験結果を示す。表2は、黄色ブドウ球
菌(Staphylococcus aureus)についてのフィルム密着法
の試験結果を示す。表1、表2に示すように、ドロップ
法を用いたフィルム密着法によるバクテリア抵抗性試験
の試験結果は表のような結果となった。
【0048】表1に示す実験において、大腸菌(Escheri
chia coli)の接種菌数は、3.6×10(個/ml)
である。ここで「滅菌率」とは、滅菌率(%)={(接
種菌数−24時間後の生菌数)/接種菌数}×100の
式により求められたものをいう。まず大腸菌(Escherich
ia coli)についてのフィルム密着法の試験結果を表1
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示すように、サンアイバックBAC
Tを添加しないブランクにおいては、滅菌されていない
が、サンアイバックBACTを添加したものは滅菌率が
100%であった。
【0051】次に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus au
reus)についてのフィルム密着法の試験結果を表2に示
す。表2に示す実験において、黄色ブドウ球菌(Staphyl
ococcus aureus)の接種菌数は、2.7×10(個/m
l)である。
【0052】
【表2】
【0053】表2に示すように、サンアイバックBAC
Tを添加しないブランクにおいては、殆ど滅菌されてい
ないが、サンアイバックBACTを添加したものは滅菌
率が100%であった。
【0054】以上の結果から、サンアイバックBACT
には、著しい抗菌作用があることが確認できた。
【0055】次に、薄膜法によるバクテリア抵抗性試験
の判定基準は次のように行った。試験検体上のバクテリ
アの発達は認められない場合を「−」、試験検体上に認
められるバクテリアの発育状態の面積が、全面積の1/
3を越えない場合を「±」、試験検体上に認められるバ
クテリアの発育状態の面積が、全面積の1/3を越える
場合を「+」とした。
【0056】ここで、表3は、薄膜法によるバクテリア
抵抗性試験の試験結果を示す。表3に示すように、薄膜
法によるバクテリア抵抗性試験の試験結果は表のような
結果となった。
【0057】
【表3】
【0058】即ち、表3に示すように、サンアイバック
BACTを添加した実験例では、大腸菌(Escherichia c
oli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のいず
れも試験検体上にバクテリアの発育が認められなかっ
た。
【0059】上記の実験結果から明らかなように、尿収
容部11で感染源となりやすい大腸菌(Escherichia col
i)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のいず
れにも、フィルム密着法によるバクテリア抵抗性試験及
び薄膜法によるバクテリア抵抗性試験のいずれにおいて
も、サンアイバックBACTは、高いバクテリア抵抗性
が見られた。
【0060】次は、消臭剤として配合されるK−フレッ
シュZCについて説明する。なお、テイカ株式会社製の
K−フレッシュZAについては、塗装と塗料No.56
2(1997年5月発行)に詳しく記載されているの
で、一部を引用して簡単に説明すると、「層状化合物」
とは、一定の組成を有する平面格子(層)が何枚も積み
重なった二次元的な化合物で、層同士はファンデルワー
ス力、静電気力あるいは水素結合等で弱く結合されてい
るにすぎない。この弱い結合を破って、層間に異質の分
子、原子やイオンを挿入することができ、この反応をイ
ンターカレーションという。この反応組成物を「層間化
合物(インターカレーション化合物)」と呼び、層状構
造の母結晶を「ホスト」、層間に入り込む化学種を「ゲ
スト」と呼ぶ。例えばK−フレッシュZAを構成するト
リポリリン酸二水素アルミニウムは、層化リン酸塩のひ
とつで層間化合物を形成する物質である。そしてK−フ
レッシュZAは、層間化合物を利用した吸着剤である。
【0061】K−フレッシュZAは、リン酸塩をホスト
層とし、ある種のアミンをゲストとするインターカレー
ションを利用したものであり、ホストのリン酸塩のみで
はアルデヒド類の吸着効果は見られないが、ゲスト分子
のアミンはアルデヒド類の吸着性に優れるため、予めア
ミンをリン酸塩の層間に吸着しておくことにより、リン
酸塩にアルデヒド吸着能を付与する。
【0062】さらに、本実施の形態のK−フレッシュZ
Cは、上記アルデヒドの吸着能の優れたK−フレッシュ
ZAに、アルデヒド以外の消臭に効果のある他の消臭成
分を加え、さらに複合化して、尿臭全般に対して効果的
な消臭効果を示すものである。以下、このK−フレッシ
ュZCの消臭実験の結果を示す。
【0063】実験は、検体として、ブランク(何も含ま
ない樹脂スティック)と、K−フレッシュZC−Aを1
0%練り込んだ樹脂スティックと、K−フレッシュZC
−Aを20%練り込んだ樹脂スティックとを準備し、こ
れを尿臭の悪臭ガス成分である初期濃度が20(pp
m)に調製されたホルムアルデヒドと、アンモニアと、
酢酸を3リットルの臭い袋に入れ、ここに各検体0.5
(g)(7cm)を入れて密封し、経時的に臭い袋内の
悪臭ガスの残存濃度を、ガス検知管にて測定した。
【0064】ホルムアルデヒドに対する消臭効果は、表
4に示すような結果になった。なお、表中K−FZCと
は、K−フレッシュZCを表す。
【0065】
【表4】
【0066】表4に示すように、K−フレッシュZC−
Aを20%練り込んだものは、3時間後には検出でき
ず、K−フレッシュZC−Aを10%練り込んだものに
ついても、24時間後には検出されなかった。一方、ブ
ランクでは、24時間経過した後でもまだ11(pp
m)残存しており、顕著な効果の差が得られた。
【0067】次にアンモニアに対する消臭効果は、表5
に示すような結果になった。
【0068】
【表5】
【0069】表5に示すように、K−フレッシュZC−
Aを20%練り込んだものは、1時間後には9(pp
m)と半分以下の濃度になっており、24時間経過後に
は2(ppm)にまで減少していた。K−フレッシュZ
C−Aを10%練り込んだものについても、3時間経過
後には8(ppm)と半分以下の濃度になっており、2
4時間後には4(ppm)となっていた。一方、ブラン
クでは、24時間経過した後でもまだ8(ppm)残存
しており、顕著な効果の差が得られた。
【0070】次に酢酸に対する消臭効果は、表6に示す
ような結果になった。
【0071】
【表6】
【0072】表6に示すように、K−フレッシュZC−
Aを20%練り込んだものは、1時間後には検出され
ず、K−フレッシュZC−Aを10%練り込んだものに
ついても、3時間経過後には検出できなかった。一方、
ブランクでは、24時間経過した後でもまだ4(pp
m)残存しており、顕著な効果の差が得られた。
【0073】以上の消臭実験からわかるように、K−フ
レッシュZCは、ホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸
に対する吸着能が、その練り込んだ量に比例してあるこ
とが確認され、さらにこの結果から他のアルデヒド、ア
ミン類、カルボン酸類に対する効果が推定できるもので
ある。
【0074】以上のような熱可塑性樹脂の粉粒体、抗菌
剤、消臭剤、吸水性高分子化合物粒子44wを用いて、
多孔質樹脂成形体44mを成形する方法について説明す
る。多孔質樹脂成形体44mを成形するには、金型に熱
可塑性樹脂の粉粒体、吸水性高分子化合物粒子、粒子状
の抗菌材及び脱臭材を充填し、金型の外部から加熱すれ
ば、熱可塑性樹脂の粉粒体の表層部が相互に熱融着さ
れ、粉粒体の集合により全体が一体化された多孔質樹脂
成形体44m、即ち、三次元方向に連通曲折した網目構
造を有する合成樹脂製多孔質体が成形されるとともに、
当該合成樹脂製多孔質体の空孔部分に、吸水性高分子化
合物粒子44wが分散され、抗菌材及び脱臭材が溶着さ
れた多孔質樹脂成形体44mが得られる。
【0075】なお、金型を外部から加熱する方法として
は、所定温度の熱風炉又は油浴の中に金型を所定時間放
置すればよい。この場合、熱風炉や油浴の温度は熱可塑
性樹脂の融点よりも高くするとともに、加熱時間は5〜
60分程度とする。例えば、高密度ポリエチレンでは、
熱風炉や油浴の温度を200〜220℃,加熱時間を3
0分程度とすることができる。また、抗菌材を含ませる
ことにより、吸水された通気体44に外部から手等を触
れても衛生面が十分に確保されるとともに、脱臭材を含
ませることにより、外部への尿臭気の拡散が防止され
る。
【0076】このように成形される通気体44の空孔率
(空隙率)、即ち、網目構造による空孔部分の割合は概
ね30〜50(%)程度、空孔部分の平均径(空孔径)
は概ね5〜600(μm)となるように、加圧力、温
度、時間等の条件を調整することが望ましい。
【0077】上記のように構成された通気体44は、以
下のように表側シート10fに装着される。まず、表側
シート10fの上端付近に直径3(mm)程度の小孔を
10(mm)間隔で、2列2段の計4つ穿設して外側小
孔部43を形成する。そして、外側小孔部43の内側に
15(mm)角に形成された通気体44を外側小孔部4
3が四隅に均等に配置されるように置く。次に、中央部
に直径3(mm)程度の内側小孔部46が穿設された表
側シート10fと同素材からなるおよそ30(mm)角
の正方形のカバー部材45を、通気体44と同じ向きで
且つ中央に来るように内面側に積層する。次に、通気体
44の周縁に沿って設けられた溶着部47において表側
シート10fの内面とカバー部材45を溶着することに
より、通気体44の回りを密封する。これにより、通気
体44は外側小孔部43と内側小孔部46以外は完全に
密閉された空間に収容される。
【0078】次に、本実施の形態の採尿バッグ1の変形
例であって、通気部4と異なる構成の通気部104を備
える採尿バッグ101について説明する。図13(a)
は、採尿バッグ101の通気部104の構成を示す図で
ある。なお、採尿バッグ101の構成は、通気部104
以外は、採尿バッグ1と同じ構成であるのでその説明を
省略する。図13(a)に示すように、通気部104
は、通気体144の多孔質樹脂成形体144mの空隙に
吸水性高分子化合物粒子が存在しないことと、内側小孔
部146と通気体144の間に透湿防水フィルム149
が配設されている点が、採尿バッグ1の通気部4と異な
る。
【0079】ここで、「透湿防水フィルム」とは、微細
多孔質構造の膜状の部材で、この微細な孔は液体である
水では通過できないが、水蒸気や酸素分子等の気体が透
過できる大きさに形成されている。単体のフィルム状の
ものや織物や不織布の表面に、ポリアミノ酸ウレタンコ
ーティング等を施したものがある。例えば、帝人株式会
社の「テクノセンサー(商標名)」やジャパンゴアテッ
クス株式会社の「ゴアテックス(商標名)」等が挙げら
れるが、その他紙おむつや生理用品等にも広く用いられ
ているものが好適に使用できる。従って、尿Urは透過
しないが、尿収容部の気体は排出できる構成とすること
ができる。
【0080】図13(a)に示すように、表側シート1
10fには、外側小孔部143が設けられ、その孔を覆
うように通気体144が配置され、その上をカバー部材
145が覆って、溶着部147により表側シート110
fに密封されるように溶着されている。カバー部材14
5には内側小孔部146が穿設される。そして、カバー
部材145と通気体144の間に、内側小孔部146を
覆うように透湿防水フィルム149が配置される。な
お、透湿防水フィルム149は、カバー部材145に溶
着又は接着等により密着して固定される。なお、透湿防
水フィルム149を通気体144に直接コーティングす
るような構成でもよい。
【0081】このように通気部104を構成すること
で、採尿バッグ101が不用意な圧力を受けることで尿
Urが通気部104に達しても、尿Urに含まれる水を
筆頭とする液体成分は、通気部104内には侵入でき
ず、通気部104から漏出することがない。一方、空気
Ar等は透湿防水フィルム149を容易に通過すること
ができるので、尿収容部内の内圧が高まることがない。
特に、尿Urが不用意に通気部104に達しても、通気
部104の通気機能は損なわれず、そのまま使い続ける
ことができるという効果がある。
【0082】図13(b)は、図13(a)に示す変形
例の採尿バッグ101の通気部104の別の配置を示す
図である。図13(b)に示すように、通気体144は
表側シート110fの外側に配置し、カバー部材145
を外側から覆うような構成にしてもよい。この場合も、
透湿防水フィルム149は、通気体144の内側に配置
され、内側小孔部146を覆うように密着して設けられ
る。
【0083】次に、採尿バッグ101とは異なる変形例
であって、異なる構成の通気部204を備える採尿バッ
グ201について説明する。図14は、採尿バッグ20
1の通気部204の構成を示す図である。なお、採尿バ
ッグ201の構成は、通気部104以外は、採尿バッグ
1と同じ構成であるのでその説明を省略する。図14に
示すように、通気部204は、通気体244の多孔質樹
脂成形体244mの空隙に吸水性高分子化合物粒子が存
在しないことと、カバー部材245自体が透湿防水フィ
ルムから構成され、カバー部材245には小孔が穿設さ
れていない点が、採尿バッグ1の通気部4と異なる。
【0084】図14に示すように、表側シート210f
に外側小孔部243が穿設され、その孔を覆うように通
気体244が配設される。そしてこの通気体244を内
側から透湿防水フィルムから形成されたカバー部材24
5で覆うようにして溶着部247で密封するように溶着
する。もちろん強度的に不足な場合は、織物や不織布等
に透湿防水フィルムをコーティングしたような構成でも
よい。なお、カバー部材245には、別途に小孔は設け
られていない。
【0085】このように通気部204を構成すること
で、採尿バッグ201が不用意な圧力を受けることで尿
Urが通気部204に達しても、尿Urに含まれる水を
主とする液体成分は、通気部204内には侵入できず、
通気部204から漏出することがない。一方、空気Ar
等は透湿防水フィルムから形成されたカバー部材245
を容易に通過することができるので、尿収容部内の内圧
が高まることがない。特に、尿Urが不用意に通気部2
04に達しても、通気部204の通気機能は損なわれ
ず、そのまま使い続けることができるという効果があ
る。
【0086】次に、本実施例に係る採尿バッグの感染防
止構造を備えた採尿バッグ1の使用法及び機能につい
て、図1、図2、図3、図5、図6、図10を参照して
説明する。
【0087】まず、採尿バッグ1は、図1に示すよう
に、ベルト通し14に吊り下げベルトBTを通して、病
院や老人ホーム等におけるベッドに付設される図示しな
いフレーム部材に掛け、吊り下げベルトBTをループ状
に結合することにより、フレーム部材に採尿バッグ1を
吊り下げて設置する。一方、採尿バッグ1に付設された
導尿チューブTのジョイントを介し、ベッドに寝たきり
の病人や老人等の人体から尿Urを導出する図示しない
導尿カテーテルに接続する。このとき、導尿カテーテル
より採尿バッグ1は低い位置に取り付けられるので、導
尿カテーテルより導尿された尿Urは、採尿バッグ1に
その自重で流下する。なお、吊下部12に図示しないワ
イヤ挿入孔を1又は複数穿設し、ここに通した吊下用ワ
イヤ等によりフレーム部材に掛けるような構成のもので
あってもよい。
【0088】このように設置された採尿バッグは、導尿
時には、導尿カテーテルから導かれた尿Urが、図2に
矢印で示す方向に導尿チューブTを通って、図6に示す
ように導尿チューブTからバッグ本体10の流入部3の
チューブ接続部34に流入する。このとき、逆流防止部
31の弁体部31bは、常態は閉鎖状態にあるが、ヒン
ジ部31cを中心に流入した尿Urにより、尿収容部1
1側(図6において右側)方向に揺動して、弁体部31
bが開放位置になって、チューブ接続部34からチャン
バー33へ尿Urが流入する。
【0089】このとき、弁体部31bは、チャンバー3
3により確保された空間により、その動きが阻害される
ことがない。また、チャンバー33内に尿Urが進入し
たとき、図5に示すように、チューブ接続部34から流
出する尿Urは、チャンバー33により流入する空間が
確保されているため、尿Urを円滑に流入させることが
できる。もし、表側シート10fと裏側シート10bが
密着しているようなときでも、一旦チャンバー33に尿
Urが流入すると、図5に示すように傾斜平面33sと
裏側シート10bとがくさび形の断面に形成されている
ため、ここに貯留された尿Urの重量により、傾斜平面
33sと裏側シート10bとを離間させる分力が生じ、
もって傾斜平面33sと裏側シート10bは離間する。
そうすると表側シート10fと裏側シート10bも離間
して間隙が生じ、この間隙に尿Urが流入する。一旦表
側シート10fと裏側シート10bの間に流入すれば、
流入した尿Urがさらにくさびのように働いて、尿収容
部11内を流下し、尿収容部11の底部に貯留する。
【0090】このようにして順次尿Urが尿収容部11
に蓄尿される。蓄尿された尿の量は図1に示すように尿
収容目盛21により計測できる。量が少ないときは、排
出口13bを下にするようにして尿小目盛22を読み取
れば少量の尿も正確に読み取ることができる。なお、患
者名や日時等は表側シート10f表面に直接書き込んで
もよいし、図示しない記録面を設けてもよい。
【0091】尿収容部11に尿Urが収容されれば、収
容された尿Urの増加に伴って、尿Urとともに導尿チ
ューブTを介して尿収容部11に流入した空気Arや、
蓄尿された尿Urが経時的に分解して発生した悪臭成分
や水蒸気等の気体等が尿収容部11に溜まってゆき、尿
収容部11の内圧が高まる。採尿バッグ1では、尿収容
部11の内圧が高まると、尿収容部11の内部空気Ar
が、図10に示すように通気部4から排出される。詳細
に説明すると、内側小孔部46を通って通気性を有する
通気体44の間隙を通過する。このとき通気体44を構
成している多孔質樹脂成形体44mに練り込まれて配合
されている抗菌剤により、空気Ar中の細菌等の微生物
が殺菌されるとともに、多孔質樹脂成形体44mに練り
込まれて配合されている消臭剤により、空気Ar中の尿
Urの悪臭成分が吸着されて消臭される。そして、殺菌
および消臭された空気Arは、外側小孔部43から排出
される。この結果、尿収容部11の内圧が高まることな
く、導尿チューブTから尿収容部11内に尿Urが円滑
に収容される。なお、この場合、多孔質樹脂成形体44
mは、尿収容部11の内部空気Arを外部に排出する機
能に加え、外気中の落下菌が通気部4を介して尿収容部
11の内部に侵入するのを阻止する機能を併せ持つとと
もに、抗菌材によりバッグ本体10の内部のFOG滅菌
を速やかに行うことができる。
【0092】さらに、図3に示すように収容された尿U
rが増加し、尿収容部11の尿Urの液面が、L1のレ
ベルまで上昇した場合でも、通気部4から内部の空気A
rが排出されるので内圧が高まるようなことはなく、円
滑に導尿チューブTからの尿Urが流入する。
【0093】ここで、さらに、収容された尿Urが増加
し、尿収容部11の尿Urの液面が、L2のレベルまで
上昇した場合には、通気部4を通って尿Urの漏出が起
きてしまう。ところがこの場合、図10に示すように、
尿収容部11に収容された尿Urは、内側小孔部46か
ら進入するが、進入した尿Urは、多孔質樹脂成形体4
4mからなる通気体44を通過しなければ、外側小孔部
43から外部には漏出できない。ここで、多孔質樹脂成
形体44mがその空隙に吸水性高分子化合物粒子44w
を保持しているため、内側小孔部46から進入した尿U
rは、この吸水性高分子化合物粒子44wに吸水され、
多孔質樹脂成形体44mの空隙は吸水性高分子化合物粒
子44wが膨潤するため完全に閉塞される。その結果、
通気体44は尿Urを通過させず、外部への尿Urの漏
れが確実に防止される。
【0094】また、尿Urの蓄尿量が少ない場合でも、
不用意に採尿バッグ1に外部から強い圧力を加えられた
場合や、吊り下げベルトBTが外れ落下した場合にも吸
水性高分子化合物粒子44wに尿Urが吸入され、多孔
質樹脂成形体44mの空隙は吸水性高分子化合物粒子4
4wが膨潤するため完全に閉塞され、速やかに尿Urの
流出を防止する。なお、このような場合吸水性高分子化
合物粒子44wに吸収された尿Urは固定化されるため
外部から通気部4を通って微生物が進入しがたいため、
尿収容部11内が病原菌に汚染されることが少ない。
【0095】図3は、尿収容部11に尿Urが貯留され
た場合の水位と通気部4の位置関係を示す図である。尿
の貯留量が図3のL1のレベルであれば、尿収容部11
から尿Urを排出して再び尿Urの貯留をすることがで
きる。
【0096】そして、導尿が終了したなら導尿カテーテ
ルから導尿チューブTを離脱する。この際、採尿バッグ
1を水平状態にしても収容された尿Urはチャンバー3
3と逆流防止部31により、チューブ接続部34から導
尿チューブT側に漏出しにくい。また、通気部4は、尿
Urが侵入して吸水性高分子化合物粒子44wが膨潤し
て閉塞されるので通気部4から尿が漏れることもない。
そして、採尿バッグ1に収容された尿Urを前述のよう
に排出部13から排出し、使用後の採尿バッグ1は廃棄
する。
【0097】本実施の形態の採尿バッグ1は、上記のよ
うな構成及び作用を備えるため、以下のような効果があ
る。即ち、導尿チューブTからの導尿された尿Urが円
滑に尿収容部11に流下するとともに、尿収容部11内
に尿Urとともに流入した空気Arや尿Urから発生し
た気体等で尿収容部11での内圧が高まっても、尿収容
部11に収容された尿Urが導尿チューブTに逆流する
ことを防止できるため患者の***を防止できるとい
う効果がある。また、不用意に尿収容部11に圧力がか
かっても、導尿チューブTにその圧力がかかることがな
く患者に負担をかけることなく***を防止できると
いう効果がある。特に、弁体部31bは、ヒンジ部31
cの弾性によりチューブ接続部34の先端部34dに当
接するように付勢されているため、常時閉鎖状態になっ
ているため、尿収容部11内で病原菌等が増殖しても、
***を起こしにくいという効果がある。
【0098】また、抗菌材及び消臭剤を含有させた多数
の孔又は空隙を有する通気体44を備えた通気部4から
尿収容部11に溜まった気体を排出することができると
いう効果がある。そのため、尿収容部11内の内圧が高
まることがなく、円滑に導尿ができるという効果を奏す
る。また、通気部4から排出された気体は、通気体44
に含まれる抗菌剤によりここを通過する微生物を殺菌す
ることができるという効果があるため、病原菌等の排出
を防止して第三者の感染を防止することができるという
効果を奏する。また、落下菌等の外部からの病原菌等も
通気体44の抗菌剤により殺菌されるという効果がある
ため、導尿される患者も、逆流防止弁の作用と相俟って
感染を防止することができるという効果を奏する。さら
に、尿収容部11から通気部4を通過して外部に排出す
る気体の悪臭物質を消臭することができるという効果が
ある。従って、患者や第三者の悪臭による不快感を防止
することができるという効果を奏する。
【0099】そして、万一、通気体44に尿が侵入した
場合でも、吸水性高分子化合物粒子44wが吸水するこ
とにより膨潤して通水及び通気を規制するという効果が
ある。そのため、外部に尿が漏れることがなく、病原菌
等の排出を防止して第三者への感染を防止することがで
きるという効果を奏する。
【0100】以上、1の実施の形態及びその変形例に基
づいて本発明を詳細に説明したが、本発明は、このよう
な実施の形態に限定されるものではない。
【0101】例えば、抗菌材又は消臭材は、通気体44
に双方を含ませているが、どちらか一方を含ませてもよ
い。また、表側シート10fや裏側シート10bをはじ
め、各部分自体を抗菌処理してもよいし、尿収容部11
内に抗菌剤、消臭剤を封入してもよい。また、チューブ
接続部34や導尿チューブT内に抗菌フィルターを設け
ることも望ましい。
【0102】その他、各部の構成、形状、素材等におい
て、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更して実
施ができることはいうまでもない。
【0103】
【発明の効果】上記説明より明らかなように、請求項1
に係る発明の採尿バッグの感染防止構造によれば、導尿
チューブからの導尿された尿が円滑に尿収容部に流下す
るとともに、尿収容部内に尿とともに流入した空気や尿
から発生した気体等で尿収容部での内圧が高まっても、
尿収容部に収容された尿が導尿チューブに逆流すること
を防止できるため患者の***を防止できるという効
果がある。また、不用意に尿収容部に圧力がかかって
も、導尿チューブにその圧力がかからず患者に負担をか
けることなく***を防止できるという効果がある。
【0104】また、請求項2に係る発明の採尿バッグの
感染防止構造によれば、請求項1に係る発明の採尿バッ
グの感染防止構造の効果に加え、抗菌材を含有させた多
数の孔又は空隙を有す通気体を備えた通気部から尿収容
部に溜まった気体を排出することができるという効果が
ある。そのため、尿収容部内の内圧が高まることがな
く、円滑に導尿ができるという効果を奏する。また、通
気部から排出された気体は、通気体に含まれる抗菌剤に
よりここを通過する微生物を殺菌することができるとい
う効果があるため、病原菌等の排出を防止して第三者の
感染を防止することができるという効果を奏する。ま
た、落下菌等の外部からの病原菌等も通気体の抗菌剤に
より殺菌されるという効果があるため、外部から病原菌
が尿収容部に侵入することがなく、導尿される患者も、
逆流防止弁の作用と相俟って感染を防止することができ
るという効果を奏する。
【0105】請求項3に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造によれば、請求項1に係る発明の採尿バッグの感
染防止構造の効果に加え、通気部に透湿防水フィルムが
配設されているため、尿収容部に収容されている尿の量
が多くなったり、不用意な圧力を受けてその水面が通気
部に達しても、通気部から尿が漏れるようなことがない
という効果がある。また、通気部に尿が付着しても、通
気体には尿が付着せず、気体の排出は引き続き可能なた
め、その後の使用にも障害がないという効果がある。
【0106】請求項4に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造によれば、請求項1に係る発明の採尿バッグの感
染防止構造の効果に加え、通気部を構成するカバー部材
自体が透湿防水フィルムを備えて形成されているため、
尿収容部に収容されている尿の量が多くなったり、不用
意な圧力を受けてその水面が通気部に達しても、通気部
から尿が漏れるようなことがないという効果がある。ま
た、通気部に尿が付着しても、通気体には尿が付着せ
ず、気体の排出は引き続き可能なため、その後の使用に
も障害がないという効果がある。
【0107】請求項5に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造によれば、請求項2乃至請求項4のいずれかに係
る発明の採尿バッグの感染防止構造の効果に加え、万
一、通気体に尿が侵入した場合でも、吸水性高分子化合
物の粒子が吸水することにより膨潤して通水及び通気を
規制するという効果がある。そのため、外部に尿が漏れ
ることがなく、病原菌等の排出を防止して第三者への感
染を防止することができるという効果を奏する。
【0108】請求項6に係る発明の採尿バッグの感染防
止構造によれば、請求項2乃至請求項5のいずれかに係
る発明の採尿バッグの感染防止構造の効果に加え、尿収
容部から通気部を通過して外部に排出する気体の悪臭物
質を消臭することができるという効果がある。従って、
患者や第三者の悪臭による不快感を防止することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】採尿バッグ1の外観構成を示す正面図である。
【図2】採尿バッグ1を図1のA−A部分における矢視
断面図である。
【図3】尿収容部11に尿Urが貯留された場合の水位
と通気部4の位置関係を示す図である。
【図4】チャンバー33を正面から見た図である。
【図5】図4のB−B部分における断面図である。
【図6】図5において尿が流入する状態を示す図であ
る。
【図7】逆流防止部31を表面側から見た図である。
【図8】図7のC−C部分における断面図である。
【図9】通気部4を表側から見た図である。
【図10】図9のD−D部分における断面図である。
【図11】尿収容部11に収容された尿Urを排出する
場合の排出部13の状態を示す図である。
【図12】ストッパ19の開放位置を示す図である。
【図13】(a) 採尿バッグ101の通気部104の
構成を示す図である。 (b) 図13(a)に示す変形例の採尿バッグ101
の通気部104の別の配置を示す図である。
【図14】採尿バッグ201の通気部204の構成を示
す図である。
【符号の説明】
1 採尿バッグ 3 流入部 4 通気部 10 バッグ本体 10f 表側シート 10b 裏側シート 11 尿収容部 13 排出部 13a 溶着部 13b 排出口 18 排出チューブ 31 逆流防止部 31a 装着部 31b 弁体部 31c ヒンジ部 33 チャンバー 33r 球面部 33s 傾斜平面 34 チューブ接続部 43 外側小孔部 44 通気体 44m 多孔質樹脂成形体 44w 吸水性高分子化合物粒子 45 カバー部材 46 内側小孔部 47 溶着部 149 透湿防水フィルム BT 吊り下げベルト T 導尿チューブ Ar 空気 Ur 尿

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿を貯留可能な袋状の尿収容部と、導尿
    カテーテルから導尿チューブを介して導尿された尿を前
    記尿収容部に流入させる流入部と、貯留した尿を排出す
    る排出部とを備え、 前記流入部は、前記導尿チューブを前記尿収容部に連通
    させて、導尿された尿の流入を円滑に受け入れるための
    所定の空間を有するチャンバーと、 前記導尿チューブから前記チャンバーへの尿の流入を許
    容し、且つ前記チャンバーから前記導尿チューブへの尿
    の逆流を防止する逆流防止弁とを備えたことを特徴とす
    る採尿バッグの感染防止構造。
  2. 【請求項2】 前記尿収容部は、 前記尿収容部に穿設された通気口と、 当該通気口を覆う抗菌材を含有させた多数の孔又は空隙
    を有する通気体と、 小孔が穿設されるとともに前記通気体を覆って、前記通
    気体を前記尿収容部に密着させるカバー部材とを有した
    通気部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の採尿
    バッグの感染防止構造。
  3. 【請求項3】 前記尿収容部は、 前記尿収容部に穿設された通気口と、 当該通気口を覆う抗菌材を含有させた多数の孔又は空隙
    を有す通気体と、 当該通気体の尿収容部側に配置された透湿防水フィルム
    と、 孔が穿設されるとともに前記通気体及び前記透湿防水フ
    ィルムを覆って、前記通気体を前記尿収容部に密着させ
    るカバー部材とを有した通気部を備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載の採尿バッグの感染防止構造。
  4. 【請求項4】 前記尿収容部は、 前記尿収容部に穿設された通気口と、 当該通気口の尿収容部内側に配置され、当該通気口を覆
    う抗菌材を含有させた多数の孔又は空隙を有す通気体
    と、 前記通気体を覆って、前記通気体を前記尿収容部に密着
    させる透湿防水フィルムを備えたカバー部材とを有した
    通気部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の採尿
    バッグの感染防止構造。
  5. 【請求項5】 前記通気体は、 その孔又は空隙に吸水性高分子化合物の粒子を収納し、
    当該吸水性高分子化合物の粒子が吸水することにより膨
    潤して通水及び通気を規制することを特徴とする請求項
    2乃至請求項4のいずれかに記載の採尿バッグの感染防
    止構造。
  6. 【請求項6】前記通気体は、 消臭剤を含有させたことを特徴とする請求項2乃至請求
    項5のいずれかに記載の採尿バッグの感染防止構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008206879A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 医療用排出用具及び医療用排出用具セット
JP2012105947A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 Sasae Ishibashi 蓄尿用容器及び尿量測定装置
JP2021529033A (ja) * 2018-06-26 2021-10-28 楊国煌 体液収集装置

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