JP2000281144A - 包装体 - Google Patents

包装体

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JP2000281144A
JP2000281144A JP11084854A JP8485499A JP2000281144A JP 2000281144 A JP2000281144 A JP 2000281144A JP 11084854 A JP11084854 A JP 11084854A JP 8485499 A JP8485499 A JP 8485499A JP 2000281144 A JP2000281144 A JP 2000281144A
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catheter
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package
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JP11084854A
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Kenichi Shimura
賢一 志村
Yuji Nakagawa
雄司 中川
Masaomi Imai
正臣 今井
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/002Packages specially adapted therefor ; catheter kit packages
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
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    • A61M2205/58Means for facilitating use, e.g. by people with impaired vision
    • A61M2205/588Means for facilitating use, e.g. by people with impaired vision by olfactory feedback, i.e. smell

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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便にかつ無菌的に器具と液体との接触を可能
にし、器具の使用後、外部への臭気の放散や、汚染、感
染等を防止することができる包装体を提供すること。 【解決手段】包装体1の包材2は、シート材と融着して
得られたものであり、その内部には、仕切部22で区画
された第1の空間4と第2の空間5とが形成されてい
る。仕切部22には、弱シール部23が形成されてい
る。第1の空間4内には、カテーテル7と、通気性を有
する容器81に入れられた脱臭剤8とが収納されてい
る。また、第2の空間5には、流動性物質10が収納さ
れている。弱シール部23が剥離され、流動性物質10
が第1の空間4内に流入し、カテーテル7と接触する
と、カテーテル7の表面は、湿潤して摩擦抵抗が低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカテーテル
のような器具を包装した包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】気管、消化管、尿道、血管、その他の体
腔や、各種臓器、生体組織等へ挿入されるカテーテル、
該カテーテルに挿入されるガイドワイヤー等の医療用器
具の表面は、一般に、血栓、組織接着または異物反応が
数多く確認される。従って、生体組織への損傷を低減
し、目的部位へ確実に挿入することが必要となる。ま
た、生体組織内での留置の際の粘膜炎症や粘膜損傷を抑
制するために、器具表面に潤滑性を持たせることが必要
とされる。
【0003】このため、低摩擦材料を基材として用いた
り、使用に先立ち、器具表面に水、生理等張液もしくは
潤滑剤を塗布したりしている。より詳しく説明すると、
カテーテルの基材を多層積層構造とし、その最外層(ま
たは最内層)に、フッ素樹脂やポリエチレン樹脂等の低
摩擦素材を用いたり、器具表面に水、生理等張液、グリ
セリン、オイル等の潤滑剤を塗布したりしている。
【0004】しかしながら、カテーテル基材の材質の選
択では、摺動性の向上に限界があり、満足できるレベル
に到達することが困難である。
【0005】また、潤滑剤等を付与する場合、これらを
医療用器具と接触させた状態で製品化を行おうとすれ
ば、医療用器具が使用されるまでの長時間の間に、潤滑
剤の変質、劣化や、医療用器具表面からの剥離等が懸念
され、安定性(保存性)およびこれに伴う安全性の面で
課題があった。
【0006】さらに、使用時に医療用器具と潤滑剤とを
無菌的に接触させることは非常に困難であり、細菌感染
等のおそれがあるという問題もある。
【0007】また、緊急時には、患者の生命を維持する
ことが最優先であるため、潤滑剤の塗布の作業が煩わし
いものとなり、場合によっては、潤滑剤を塗布せず、表
面が乾燥状態のままで使用されることがある。
【0008】医療用器具の表面に湿潤すると潤滑性を発
現する化合物を存在させる方法として、国際出願WO9
001344には、ポリウレタン表面にコーティング操
作により、アルカリ金属アルコラート、アミノ基、アル
カリ金属アミド基、カルボン酸基、スルホン酸基、マグ
ネシウムハライド基およびフッ素ホウ素系錯体基の少な
くとも一つを導入し、さらにコーティング操作により、
これら官能基と反応しうる親水性ポリマーを表面に固定
化する技術が開示されている。
【0009】また、同様に、医療用器具の表面に湿潤す
ると潤滑性を発現する化合物を存在させる方法は、特公
平6−32652号、特開平6−7426号、国際出願
WO9219289、特表平10−502854号、特
表平10−502855号、特表平10−502856
号等にも開示されている。
【0010】しかしながら、これらの方法では、乾燥で
は潤滑性を発現することはなく、使用時には、医療用器
具を包材から取り出し、その医療用器具の表面に水、生
理等張液等の液体を供給し、接触させる操作が必須であ
る。しかも、この操作を無菌的に行うことは、特別な操
作や施設を利用する場合を除き、非常に困難であった。
そのため、前述したように、感染のおそれを免れず、ま
た、緊急時に、表面が乾燥状態のまま、直接、気管、消
化管、尿道、血管等へ挿入することもあり、粘膜等の損
傷が懸念されるものであった。
【0011】一方、血液が血管内皮細胞以外の異物と接
触すると、異物表面に血漿タンパク、血小板の粘着、血
液凝固が惹起され、血栓が生成される。この血栓形成
は、カテーテル、ガイドワイヤー等の医療用器具の使用
時において問題となる。
【0012】そのため、血液中にヘパリン等の血液抗凝
固剤を投与するか、あるいは医療用器具の表面に血液抗
凝固剤等を付与したり基材として抗血栓性材料を用いた
りすることが行われている。
【0013】しかしながら、前者の場合には、患者に出
血傾向等の弊害をもたらし、また、後者の場合には、使
用時に液体との接触操作が必要であり、この操作を無菌
的に行うことは、非常に困難であるという点で、前記と
同様である。
【0014】さらに、緊急時には、患者の生命を維持す
ることが最優先であるため、抗凝固操作を行わずに直接
使用することもあり、血栓形成による弊害が懸念される
ものであった。
【0015】また、これら医療用器具の使用後は、医療
廃棄物として廃棄処理されるが、通常は、体液や血液中
の細菌、ウイルスなどの不活化操作(消毒・殺菌操作)
や脱臭操作を施さずに、感染性を有したまま、あるいは
臭気の放出を許容したままの状態で廃棄されていた。
【0016】そのため、医療用器具の使用後、焼却処分
されるまでの間に、臭気が放散されたり、尿や血液等の
体液が漏れ出し、周囲の汚染や感染を生じることがあっ
た。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡便にかつ
無菌的に器具と液体との接触を可能にし、また、器具の
使用後、外部への臭気の放散や、汚染、感染等を防止す
ることができる包装体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0019】(1) 仕切部により互いに隔離され、必
要時に連通可能な第1の空間および第2の空間を有する
包材と、前記第1の空間に収納され、生体に挿入または
装着して使用される器具と、前記第1の空間に収納さ
れ、臭気を消滅または低減させる物質と、前記第2の空
間に収納され、前記器具の表面と接触してその摩擦抵抗
を低減させることができる流動性物質とを備えることを
特徴とする包装体。
【0020】(2) 前記臭気を消滅または低減させる
物質の主成分が酸化チタンである上記(1)に記載の包
装体。
【0021】(3) 仕切部により互いに隔離され、必
要時に連通可能な第1の空間および第2の空間を有する
包材と、前記第1の空間に収納され、生体に挿入または
装着して使用される器具と、前記第1の空間に収納さ
れ、少なくとも微生物の増殖を抑制する機能を有する物
質と、前記第2の空間に収納され、前記器具の表面と接
触してその摩擦抵抗を低減させることができる流動性物
質とを備えることを特徴とする包装体。
【0022】(4) 前記微生物の増殖を抑制する機能
を有する物質の主成分が酸化チタンである上記(3)に
記載の包装体。
【0023】(5) 仕切部により互いに隔離され、必
要時に連通可能な第1の空間、第2の空間および第3の
空間を有する包材と、前記第1の空間に収納され、生体
に挿入または装着して使用される器具と、前記第2の空
間に収納され、前記器具の表面と接触してその摩擦抵抗
を低減させることができる流動性物質と、前記第3の空
間に収納され、液体を吸収、保持し得る物質とを備える
ことを特徴とする包装体。
【0024】(6) 仕切部により互いに隔離され、必
要時に連通可能な第1の空間、第2の空間および第3の
空間を有する包材と、前記第1の空間に収納され、生体
に挿入または装着して使用される器具と、前記第2の空
間に収納された血液抗凝固剤と、前記第3の空間に収納
され、液体を吸収、保持し得る物質とを備えることを特
徴とする包装体。
【0025】(7) 前記第1の空間と前記第2の空間
とが隣接して形成され、かつ、前記第1の空間と前記第
3の空間とが隣接して形成されている上記(5)または
(6)に記載の包装体。
【0026】(8) 前記第2の空間は、前記第1の空
間の内側に形成されている上記(1)ないし(7)のい
ずれかに記載の包装体。
【0027】(9) 前記仕切部は、前記包材を構成す
るシート材を融着してなるシール部で構成されている上
記(1)ないし(8)のいずれかに記載の包装体。
【0028】(10) 前記仕切部の少なくとも一部
が、他の部分より接合強度が弱い弱シール部で構成され
ている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の包装
体。
【0029】(11) 前記第1の空間から前記器具を
取り出すための開封部と、該開封部を開封後、その開封
口を封止する封止手段とを有する上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載の包装体。
【0030】(12) 前記包材は、水蒸気バリヤー性
を有するものである上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の包装体。
【0031】(13) 前記器具は、カテーテルまたは
ガイドワイヤーである上記(1)ないし(12)のいず
れかに記載の包装体。
【0032】(14) 前記器具は、尿道に挿入して使
用されるカテーテルである上記(1)ないし(12)の
いずれかに記載の包装体。
【0033】(15) 前記器具の少なくとも一部の表
面に、湿潤により潤滑性が発現する化合物が付与されて
いる上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の包装
体。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の包装体を添付図面
に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0035】図1は、本発明の包装体の第1実施例を示
す平面図(内部透視図)である。同図に示すように、包
装体1は、第1の空間および第2の空間を有する包材2
を有している。
【0036】包材2は、後述するようなシート材を融着
(または接着)により所望のパターンにシールして袋状
としたものである。包材2の外周部等には、帯状のシー
ル部21が形成されている。
【0037】また、包材2の途中には、仕切部22が形
成されている。この仕切部22は、前記シール部21と
同様にシート材を帯状に融着(または接着)したもので
ある。この仕切部22により、包材2内は、それぞれ独
立した(互いに隔離された)第1の空間4および第2の
空間5に区画されている。
【0038】図1中斜線を施して示すように、仕切部2
2の一部は、他の部分(シール部21)より接合強度
(剥離強度)が弱い弱シール部(イージーピールシール
部)23で構成されている。この弱シール部23を剥離
(破断)することにより、第1の空間4と第2の空間5
とが連通する。
【0039】シール部21は、対向するシート材同士が
完全に融着され、強固な接合状態であるのに対し、弱シ
ール部23は、それより低温で融着する等により、対向
するシート材同士の融着がある程度不完全であるような
状態とされる。ただし、弱シール部23においても、液
密性(気密性)は、確保されている。そして、その効果
は、経時的に持続する。
【0040】弱シール部23を剥離(破断)するには、
包材2の第2の空間5を画成する部分を押圧(圧迫)
し、第2の空間5の内圧を高めることにより可能とな
る。また、その他、弱シール部23を手で揉みほぐして
もよく、さらには、これらの方法を併用してもよい。こ
のように、極めて簡単な操作で、第1の空間4と第2の
空間5とを連通させることができる。
【0041】なお、弱シール部23は、仕切部22の2
箇所以上に形成されていてもよく、あるいは、仕切部2
2のほぼ全体にわたって形成されていてもよい。
【0042】また、包材2の図1中上端部のシール部2
1にも、前記弱シール部23と同様の弱シール部(開封
部)24が形成されている。この弱シール部24を剥離
(破断)して包材2を開封し、第1の空間4内の収納物
を出し入れすることができる。
【0043】また、弱シール部24の図1中上端側の近
傍には、開閉可能なジッパー(封止手段)3が設けられ
ている。弱シール部24を剥離(破断)して包材2を開
封した後でも、このジッパー3を閉じることにより、こ
の開封口を封止することができる。また、ジッパー3を
開ければ、再び開封口を開放することができる。
【0044】なお、ジッパー3としては、例えば、互い
に嵌合する溝および突条で構成されたもの等、公知の任
意の構成のものが使用可能である。
【0045】第1の空間4には、生体に挿入または装着
して使用される器具と、臭気を消滅または低減させる物
質とが収納されている。生体に挿入または装着して使用
される器具としては、カテーテルまたはガイドワイヤー
が好ましく、本実施例では、第1の空間4内に、カテー
テル7と脱臭剤(消臭剤)8とが収納されている。
【0046】カテーテル7としては、例えば、気管、消
化管、尿道、膣、血管、リンパ管、胆管、その他の体腔
や、例えば肺、心臓、腎臓等の各種臓器、その他の生体
組織等へ挿入される種々のカテーテル、バルーンカテー
テルが挙げられるが、特に、尿道に挿入して使用される
カテーテル(尿道カテーテル、導尿カテーテル)が好ま
しい。
【0047】排尿障害における導尿法は、留置カテーテ
ルではなく無菌間歇導尿法が好ましいが、近年、患者自
身がカテーテルを使って尿を排出する自己導尿が有効な
治療方法として普及してきている。排尿障害は、前立腺
肥大症、結石、腫瘍などによる尿道閉塞や、脳・脊髄お
よび骨盤神経などの障害により見られる神経因性膀胱に
よって起こるが、尿を完全に出しきれない状態になる
と、尿路内圧が上がって腎臓に負担をかけるので、定期
的に尿を排出する必要がある。この際に行われる自己導
尿法は、低圧で完全に尿を排出できるので、既にある尿
感染が低減する、頻尿、尿失禁が治る、膀胱と腎臓に負
担をかけない等の利点があり、患者自身が1日4〜6回
程度、尿道から膀胱内にカテーテルを挿入し、尿の排出
が終了したら抜去する。その頻度は、例えば、昼間は4
〜5時間毎、夜間は就寝前とされる。
【0048】カテーテル7の表面には、例えば、湿潤に
より潤滑性を発現する物質が付与されているのが好まし
い。このような物質としては、例えば、特開昭60−2
59269、特開平1−195863号公報に記載され
ているような親水性ポリマーが挙げられる。また、例え
ば、特公平6−32652号、特開平6−7426号、
国際出願WO8802623、国際出願WO89075
21、国際出願WO8909246、国際出願WO90
01344、国際出願WO9219289、国際出願W
O9311751、国際出願WO9529722、特表
平10−502854号、特表平10−502855
号、特表平10−502856号に開示されている物質
や方法を用いてもよい。このような物質は、カテーテル
7の表面に、湿潤していない状態(乾燥状態)で存在し
ている。
【0049】このような物質は、カテーテル7の基材表
面に化学結合されたポリマーであって、カテーテル7の
基材表面からの剥離は、水、生理等張液、その他潤滑剤
等への溶出が生じ難いものが、潤滑性の持続性、安全性
の点から好ましい。
【0050】脱臭剤(消臭剤)8は、市販されている脱
臭剤、消臭剤、芳香剤等、いずれのものを使用してもよ
い。この場合、脱臭剤8の臭気除去機構においても、物
理的消臭法(活性炭、ゼオライト等の多孔性物質)、化
学的消臭法(各種有機・無機化合物、植物抽出物、オゾ
ン、貴金属系酸化触媒)、生物学的消臭法(微生物、人
工酵素)、感覚的消臭法(芳香系化合物、植物製油)
等、第1の空間4に収納可能であればいかなるものでも
よい。
【0051】脱臭剤8として特に好ましいものとして
は、酸化チタン(TiO2)が挙げられる。この酸化チ
タンは、次のような利点を有する。
【0052】1)無害な無機酸化物であり、環境との調
和が可能である。 2)紫外光励起の結果、強力な酸化力を有し、吸着した
有機物の常温分解が可能である。 3)吸着した酸素を酸素ラジカルに変化させ、このラジ
カルにより吸着した有機物の常温分解が可能である。 4)上記2)3)の効果が、日常の生活空間の照明光で
惹起される。
【0053】このような酸化チタンの持つ優れた機能に
より、脱臭効果のみならず、抗菌、抗カビ効果も得られ
る。このような酸化チタンは、好ましくは、紙、不織布
などの有機合成繊維や、パルプなどの有機化合物から構
成される繊維の基材に担持させたものが好ましい。
【0054】このような脱臭剤8は、通気性を有する容
器(包材)81に収納された状態とされている。この容
器81は、気体は透過するが液体は透過できないような
材料で構成されているのが好ましい。このような容器8
1の構成材料としては、例えば、ポリエチレン製不織
布、ポリテトラフルオロエチレン製多孔質体のような水
不透過性多孔質体が挙げられる。
【0055】第2の空間5には、前記カテーテル7の表
面と接触してその摩擦抵抗を低減させることができる流
動性物質(液状または半液状物)10が収納(充填)さ
れている。
【0056】この流動性物質10の例としては、水、生
理等張液(生理食塩水)、グリセリン、シリコーンオイ
ル、オリーブオイル等のオイル類、キシロカインゼリー
等(以下、これらを総称して「潤滑剤」と言う)が挙げ
られる。
【0057】カテーテル7の表面に前述したような湿潤
により潤滑性を発現する物質が付与されている場合、流
動性物質10は、この物質を湿潤させることができるも
のであればいかなるものでもよく、その典型例として
は、水、生理等張液(生理食塩水)、グリセリン水溶液
等が選択される。
【0058】包材2(好ましくは包材2全体)は、水蒸
気バリヤー性を有するのが好ましい。ここで、水蒸気バ
リヤー性とは、水蒸気透過度が、好ましくは30g/m
2・24hrs・25μm厚・40℃・90%RH以
下、より好ましくは10g/m 2・24hrs・25μ
m厚・40℃・90%RH以下、さらに好ましくは1g
/m2・24hrs・25μm厚・40℃・90%RH
以下であることを言う。この水蒸気透過度は、JIS
K7129(A法)に記載の方法により測定される。
【0059】このように包材2が水蒸気バリヤー性を有
することにより、包材2の内部、特に第2の空間5から
の水分の蒸散が防止できる。その結果、第2の空間5内
の液剤(流動性物質10等)の減少、濃縮を防止するこ
とができるとともに、該液剤の量が必要最少限の量で済
み、包装体1全体の容積や重量を小さくすることができ
る。また、包材2の外部や第2の空間5からの第1の空
間4内への水蒸気の侵入も防止することができる。
【0060】包材2を構成するシート材(フィルム)、
特に前記水蒸気バリヤー性を有するシート材としては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン樹脂、これらポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体等の単層フィルム、これらのフィルムにアルミニウ
ム、シリカ等を蒸着したもの、アルミニウムフィルム、
アルミニウムラミネートフィルム等の金属箔または金属
箔を含むフィルムを使用することができる。さらには、
これら各フィルムを2層以上積層したものを用いること
もできる。
【0061】なお、弱シール部23、24においては、
直接融着に関与する層(シーラント層)が2種以上の互
いに相溶しないポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂、も
しくは2種以上の互いに相溶しないポリオレフィンをセ
グメントに有するランダムもしくはブロック共重合体で
構成されていることが好ましい。
【0062】本発明では、包材2全体または包材2の少
なくとも第2の空間5を画成する部分が、水蒸気バリヤ
ー性を有するシート材で構成されているのが好ましい。
このようなシート材は、例えば、[1]1種のポリオレ
フィン樹脂で構成される単層フィルム、[2]2種以上
の互いに相溶しないポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂
より構成される単層フィルム、[3]シーラント層(融
着に関与する層)にポリオレフィン樹脂(ポリオレフィ
ン樹脂のブレンド樹脂も使用可能)を用いたポリオレフ
ィン樹脂もしくはポリエステル樹脂の多層フィルム、等
が挙げられる。
【0063】より高い水蒸気バリヤー性を得るには、例
えば、[4]シーラント層がポリオレフィン樹脂(ポリ
オレフィン樹脂のブレンド樹脂も使用可能)より構成さ
れるフィルム、外層がポリ塩化ビニリデンをコーティン
グしたポリオレフィンまたはポリエステルフィルム等で
構成される多層フィルム、[5]シーラント層がポリオ
レフィン樹脂(ポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂も使
用可能)より構成されるフィルム、外層がアルミ蒸着も
しくはシリカ蒸着されたポリオレフィンフィルムまたは
ポリエステルフィルム等で構成される多層フィルム、が
挙げられる。
【0064】さらに、極めて高い水蒸気バリヤー性を得
るには、例えば、[6]シーラント層がポリオレフィン
樹脂(ポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂も使用可能)
より構成されるフィルム、中間層がアルミニウムフィル
ム、最外層がポリエステルフィルム等で構成される多層
フィルム、が挙げられる。この場合、対向する一対のシ
ート材のうちの一方を不透明なアルミニウムフィルム、
他方をシリカ蒸着フィルム等の透明な水蒸気バリヤー性
フィルムとすれば、包材2の内容物の視認による確認が
行えるので、さらに好ましい。なお、アルミニウムフィ
ルムは、必要に応じその一部もしくは全部が剥離除去可
能であってもよい。
【0065】包材2を構成するシート材(単層または多
層積層体)の厚さは、その層構成や用いる素材の特性
(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて
適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常
は、60〜700μm程度であるのが好ましく、100
〜500μm程度であるのがより好ましい。
【0066】このような包材2を構成するシート材は、
例えば、インフレーション法、Tダイ法、ブロー成型
法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、
共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプ
レス法等の種々の方法により製造することができる。
【0067】次に、本発明の包装体の第2実施例につい
て、前記第1実施例との相違点を中心に説明し、同様の
事項の説明は省略する。
【0068】第2実施例の包装体は、図1に示す包装体
1において、脱臭剤8に代え、少なくとも微生物(細
菌、ウイルス等)の増殖(繁殖)を抑制する機能を有す
る物質を収納したものである。この物質の代表的なもの
としては、抗菌剤が挙げられ、以下、この抗菌剤で代表
的に説明する。ここで、抗菌剤とは、殺菌、消毒、除
菌、抗菌または制菌作用を有する物質の総称を言う。
【0069】抗菌剤としては、有機系抗菌剤、無機系抗
菌剤のいずれでもよいが、耐性菌の出現の防止等、安全
性をより重視するという点では、例えば、金属、金属酸
化物、各種セラミックス等の無機系抗菌剤が好ましい。
【0070】また、抗菌剤は、その作用機序から、細胞
壁合成阻害、細胞膜障害、蛋白合成阻害、DNA合成障
害、細胞内代謝障害等に分類できるが、本発明では、い
かなる作用機序のものでもよい。
【0071】このような抗菌剤の特に好ましいものとし
ては、前述した酸化チタン(TiO 2)が挙げられる。
この酸化チタンについては、前述した通りである。
【0072】また、抗菌剤は、例えば、織布、メッシュ
(網状体)等で構成された通気性および通液性を有する
容器(包材)、あるいは前述した容器(包材)81に収
納された状態で、第1の空間4内に収納されているのが
好ましい。
【0073】図2は、本発明の包装体の第3実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第3実施例の包
装体について、前記第1実施例との相違点を中心に説明
し、同様の事項の説明は省略する。
【0074】図2に示すように、第3実施例の包装体1
は、包材2の第1の空間4内に抗菌剤(少なくとも微生
物の増殖を抑制する機能を有する物質)として、シート
状の抗菌剤、すなわち、抗菌シート9を収納したもので
ある。
【0075】抗菌シート9としては、例えば、シート、
多孔質体等の基材に、有機系抗菌剤、銀、銅、亜鉛など
の抗菌活性を有する金属、セラミックス等の抗菌剤を担
持させたものが挙げられる。特に、耐性菌の出現の懸念
の少ない無機系抗菌剤が好ましい。
【0076】なお、図示の構成では、抗菌シート9は、
第1の空間4の一部分に配置されているが、第1の空間
4のほぼ全域をカバーするような大きさの抗菌シートを
用いることもできる。また、抗菌シート9は、複数枚収
納されていてもよい。
【0077】第2および第3実施例のように、第1の空
間4内に抗菌剤を収納したことにより、包材2の開封前
または開封後のカテーテル7は勿論のこと、使用済みの
カテーテル7を第1の空間4内へ戻した際にも、カテー
テル7に対し抗菌作用を発揮することができ、廃棄まで
の間の運搬や廃棄処理を衛生的で安全に行うことができ
る。
【0078】図3は、本発明の包装体の第4実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第4実施例の包
装体について、前記第1実施例との相違点を中心に説明
し、同様の事項の説明は省略する。
【0079】図3に示すように、第4実施例の包装体1
は、第2の空間5が第1の空間4の内側に形成されてい
るものである。すなわち、包材2は、第1の空間4を有
し、その中には、前述したカテーテル7と、脱臭剤8
(または抗菌剤)と、小包材(袋体)11とが収納され
ている。
【0080】小包材11は、前述した包材2を構成する
シート材と同様のシート材を重ね、その外周部を融着
(または接着)によりシールして袋状としたものであ
り、その内部には、第2の空間5が形成される。この第
2の空間5には、前述した流動性物質10が収納(充
填)されている。
【0081】小包材11の外周のシール部は、第2の空
間5と第1の空間4とを区画する仕切部22を構成す
る。この仕切部22の一部には、前記と同様の弱シール
部23が形成されている。この弱シール部23を剥離
(破断)することにより、第1の空間4と第2の空間5
とが連通し、流動性物質10を第1の空間4へ流入させ
ることができる。
【0082】このような構成の包装体1は、次のような
効果(利点)を有する。まず第1に、第1の空間4内に
入れる小包材11の容量を選択することにより、小包材
11の内容物(流動性物質10等)の量や重量を容易に
設定することができる。第2に、小包材11が第1の空
間4内で移動可能であるため、弱シール部23を剥離
(破断)する操作や、その後小包材11内から流動性物
質10等をしごき出す操作を容易に行うことができる。
第3に、2重包装であるため、流動性物質10の容器で
ある小包材11には、要求される水蒸気バリヤー性のレ
ベルが前記第1〜第3実施例に比べて低くてよく、よっ
て、小包材11の構成材料の選択の自由度が広がり、ま
た、シート厚をより薄くできる等、製造上有利となる。
第4に、小包材11は単独で製造可能なので、製造・管
理がしやすい。
【0083】なお、第4実施例の包装体1の場合、小包
材11のみが、水蒸気バリヤー性を有するものであって
もよい。
【0084】次に、上述した各包装体1の使用方法(作
用)について説明する。
【0085】例えば前述したような方法により弱シール
部23を剥離(破断)すると、第1の空間4と第2の空
間5とが連通し、第2の空間5内に収納されていた流動
性物質10が第1の空間4内に流入し、カテーテル7の
表面に接触する。これにより、カテーテル7の表面に潤
滑性が発現し、摩擦抵抗が低減する。なお、弱シール部
23を剥離(破断)後、必要に応じ、包材2の外部から
手で押圧(圧迫)する等して、第2の空間5から流動性
物質10等をしごき出す操作を行ってもよい。
【0086】第1の空間4および第2の空間5は、予め
滅菌処理がなされており、しかも、このようなカテーテ
ル7の表面に潤滑性を発現させる操作は、密閉された包
材2の内部で外気と接触することなく行われるため、カ
テーテル7は、無菌性を保持することができる。
【0087】なお、第1の空間4に流入した流動性物質
10は、容器81を透過することはできないので、容器
81内の脱臭剤8は、流動性物質10で濡れることはな
く、よって、脱臭機能(消臭機能)の低下を生じること
が防止される。
【0088】従来では、細菌感染を防ぐために、カテー
テルを生体内に挿入する前に、そのカテーテルを例えば
1%ポピドンヨードグリセリン液のような消毒液に浸漬
し、消毒する操作を行っていた。しかし、消毒液の調整
が非常に煩雑なことや、消毒液の入手自体が困難な場合
も多々あり、患者自身への負担が大きく、安全性の確保
が十分ではなかった。また、同一のカテーテルに対し、
消毒を繰り返し行って複数回使用すると、カテーテル表
面へのバイオフィルムの形成等により細菌繁殖の温床に
なることもあった。これに対し、本発明では、前述した
ように、包材2を開封することなくカテーテル7を使用
可能な状態(低摩擦状態)とすることができ、かつ、カ
テーテル7の無菌性を保持したままそのような状態とす
ることができるので、かかる従来の問題点が解消され
る。
【0089】カテーテル7の表面に潤滑性を発現させる
操作が終了したら、弱シール部24を剥離(破断)し、
ジッパー3を開いて、第1の空間4内のカテーテル7を
取り出し、生体の目的部位に挿入または装着する。カテ
ーテル7が尿道カテーテル(導尿カテーテル)である場
合には、そのカテーテル7を尿道および膀胱に挿入し、
該カテーテル7を介して排尿する。このとき、カテーテ
ル7の挿入は、カテーテル7の表面が潤滑性を有してい
るため、円滑かつ安全に行うことができる。排尿が終了
したら、カテーテル7を尿道から抜き取る。
【0090】使用済みのカテーテル7は、廃棄される
が、カテーテル7を単独で廃棄するのではなく、カテー
テル7を再び包材2の第1の空間4内に戻し、ジッパー
3を閉じ、包材2ごと廃棄するのが好ましい。
【0091】特に、患者による自己導尿においては、外
出時においてトイレの個室内でカテーテル7を使用した
後、設置してあるゴミ箱にそれを捨てることは難しく、
そのため、自宅に持ち帰り、廃棄することを希望する。
また、帰宅途中(運搬移動中)において、使用したカテ
ーテル7から発せられた尿臭気が外部へ漏れることは好
ましくない。さらに、カテーテル7に残存する尿によ
り、尿中の細菌、ウイルス等が繁殖することが懸念さ
れ、衛生的に好ましくない。
【0092】本発明では、使用済みのカテーテル7を包
材2の第1の空間4内に収納した際、脱臭剤8がカテー
テル7から発せられる尿臭気等の臭気を消滅または減少
させる。また、抗菌剤(酸化チタン、抗菌シート9等)
が細菌、ウイルス等の増殖を抑制する。これにより、上
記のような問題が解消され、使用済みのカテーテル7を
臭気の放散を生じることなく、衛生的に搬送することが
できる。
【0093】図4は、本発明の包装体の第5実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第5実施例の包
装体について、前記第1実施例等との相違点を中心に説
明し、同様の事項の説明は省略する。
【0094】図4に示すように、第5実施例の包装体1
は、包材2内に、仕切部25により仕切られた第1の空
間4、第2の空間5および第3の空間6を有するもので
ある。
【0095】包材2の外周部等には、包材2を構成する
シート材を融着(または接着)した帯状のシール部21
が形成されている。
【0096】仕切部25は、シール部21と同様にシー
ト材を帯状に融着(または接着)したものであり、T字
状をなしている。この仕切部25により、包材2内は、
それぞれ独立した(互いに隔離された)第1の空間4、
第2の空間5および第3の空間6に区画されている。
【0097】この場合、第1の空間4、第2の空間5お
よび第3の空間6は、互いに隣接して配置されている。
従って、後述するような第2の空間5から第1の空間4
への液体の移動、および第1の空間4から第3の空間6
への移動等を迅速、確実に行うことができる。
【0098】仕切部22には、前記弱シール部23と同
様の弱シール部26および27が形成されている。弱シ
ール部26を剥離(破断)することにより、第1の空間
4と第2の空間5とが連通し、弱シール部27を剥離
(破断)することにより、第1の空間4と第3の空間6
とが連通する。
【0099】第1の空間4内には、前述したカテーテル
7が収納されており、第2の空間5には、前述した流動
性物質10が収納されている。
【0100】第3の空間6には、液体を吸収、保持し得
る物質として、吸水性材料12が収納されている。この
吸水性材料12としては、例えば、ポリアクリル酸塩
系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、
ポリオキシエチレン系またはマレイン酸系材料などの合
成ポリマーや、デンプン、セルロース、アルギン酸のよ
うな多糖類材料などの天然材料などのような高分子吸水
性材料が好ましい。また、その他、例えば、スポンジ、
綿、ガーゼ、不織布や、それらに上記高分子吸水性材料
を担持したもの(例えば、おむつ、生理用品などに用い
られているもの)が挙げられる。これらの吸水性材料1
2は、例えば、粉末状、フィルム状、シート状、繊維状
(繊維の集合体)などの種々の形態をとることができ
る。
【0101】なお、第1の空間4または第3の空間6
に、前述した脱臭剤および/または抗菌剤が収納されて
いてもよい。特に、第3の空間6にこれらを収納する場
合、吸水性材料12に、前述したような脱臭剤(脱臭機
能を有する成分)および/または抗菌剤(抗菌機能を有
する成分)が担持された構成とすることが好ましい。
【0102】図5は、本発明の包装体の第6実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第6実施例の包
装体について、前記第5実施例等との相違点を中心に説
明し、同様の事項の説明は省略する。
【0103】図5に示すように、第6実施例の包装体1
は、第1の空間4と第3の空間6とが弱シール部27を
有する仕切部25により隔離され、第2の空間5が第1
の空間4の内側に形成されているものである。すなわ
ち、包材2の第1の空間4内には、前述したカテーテル
7と、前記と同様の小包材(袋体)11とが収納されて
いる。
【0104】小包材11の外周部は、弱シール部23を
有する仕切部22で構成され、その内側には、第2の空
間5が形成されている。この第2の空間5には、前述し
た流動性物質10が収納(充填)されている。弱シール
部23を剥離(破断)することにより、第1の空間4と
第2の空間5とが連通し、流動性物質10を第1の空間
4へ流入させることができる。
【0105】また、第3の空間6内には、前記と同様の
吸水性材料(液体を吸収、保持し得る物質)12が収納
されている。
【0106】このような構成の包装体1は、前記第4実
施例の包装体1と同様の効果(利点)を有する。
【0107】図6は、本発明の包装体の第7実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第7実施例の包
装体について、前記第5実施例、第6実施例等との相違
点を中心に説明し、同様の事項の説明は省略する。
【0108】図6に示すように、第7実施例の包装体1
は、第2の空間5および第3の空間6がそれぞれ第1の
空間4の内側に形成されているものである。すなわち、
包材2の第1の空間4内には、前述したカテーテル7
と、小包材(袋体)14とが収納されている。
【0109】小包材14は、前述した包材2を構成する
シート材と同様のシート材を重ね、その外周部および途
中を融着(または接着)によりシールして袋状としたも
のであり、その内部には、仕切部28を介して第2の空
間5と第3の空間6とが形成されている。
【0110】第2の空間5には、前述した流動性物質1
0が収納(充填)され、第3の空間6には、前述した吸
水性材料(液体を吸収、保持し得る物質)12が収納さ
れている。
【0111】小包材14の外周部および途中を横断する
シール部は、第1の空間4、第2の空間5および第3の
空間6を隔離(区画)する仕切部28を構成する。この
仕切部28の一部には、第2の空間5を開封するための
弱シール部26と、第3の空間6を開封するための弱シ
ール部27とが形成されている。なお、本実施例では、
弱シール部27は、2箇所に設けられている。
【0112】このような構成の包装体1は、次のような
効果(利点)を有する。まず第1に、第1の空間4内に
入れる小包材14の容量(第2の空間5および第3の空
間6のそれぞれの容量)を選択することにより、小包材
14の内容物(流動性物質10および吸水性材料12)
の量や重量を容易に設定することができる。第2に、小
包材14が第1の空間4内で移動可能であるため、弱シ
ール部26、27を剥離(破断)する操作や、第2の空
間5から流動性物質10等をしごき出す操作、第3の空
間6へ液体を回収する操作を容易に(適正な位置で)行
うことができる。また、前述した小包材11の第3およ
び第4の利点についても同様である。
【0113】なお、本実施例では、1つの小包材14に
第2の空間5および第3の空間6が形成されているが、
これに限らず、第1の空間4内に2つの分離された小包
材が収納され、それらの小包材にそれぞれ第2の空間5
および第3の空間6が形成された構成であってもよい。
この構成の場合にも、前記と同様の効果が得られる。
【0114】図7は、本発明の包装体の第8実施例を示
す平面図(内部透視図)である。以下、第8実施例の包
装体について、前記第5実施例等との相違点を中心に説
明し、同様の事項の説明は省略する。
【0115】図7に示すように、第8実施例の包装体1
は、その下端部側にU字状の第2の空間5を有し、該第
2の空間5内には、前述した流動性物質10が収納(充
填)されている。
【0116】また、第2の空間5の内側(包材2の中心
側)には、U字状の仕切部29を介して第3の空間6が
形成され、該第3の空間6内には、前述した吸水性材料
(液体を吸収、保持し得る物質)12が収納されてい
る。
【0117】仕切部25は、第1の空間4と第2の空間
5、および第1の空間4と第3の空間6とをそれぞれ隔
離している。この仕切部25には、第3の空間6を開封
するための弱シール部27が形成されている。
【0118】仕切部25の一方の側部には、破断して開
封可能な封止部材13が設置されている。この封止部材
13は、仕切部25と交差するように仕切部25に挟ま
れて融着されている。以下、封止部材13の構成につい
て説明する。
【0119】図8は、封止部材13の構成例を示す縦断
面図である。同図に示すように、封止部材13は、例え
ば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂によ
り構成された短チューブ131と、この短チューブ13
1内に液密に嵌入され、中実柱状部133によりその一
端が閉塞された筒体132とで構成されている。
【0120】短チューブ131の図8中上端部は、第1
の空間4に連通し、筒体132の図8中下端部は、第2
の空間5に連通している。
【0121】筒体132の途中の外周には、薄肉で脆弱
な破断部134が形成されている。手指等により短チュ
ーブ131の外部から短チューブ131ごと中実柱状部
133を折り曲げて破断部134を破断し、中実柱状部
133を分離することにより、封止部材13の内部流路
が開通する。これにより、第1の空間4と第2の空間5
とが連通し、第2の空間5内の流動性物質10を第1の
空間4へ流入させることができる。
【0122】筒体132の構成材料としては、例えば、
硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル
等の硬質材料が挙げられる。
【0123】また、中実柱状部133の上端部135
は、くさび形状(扁平形状)をなしている。これによ
り、中実柱状部133の破断分離後に中実柱状部133
が短チューブ131を閉塞せず、十分な液流通を確保す
ることができる。
【0124】また、短チューブ131の図8中上端部
は、その内径が縮径しており、破断分離後の中実柱状部
133がこの縮径部136を通過することができないよ
うになっている。これにより、破断分離された中実柱状
部133が第1の空間4内に入り、第1の空間4内で自
由に移動することを防止することができる。
【0125】前記第5実施例、第6実施例、第7実施例
および第8実施例においては、第2の空間5には流動性
物質10が収納されていたが、これらの各実施例におい
て、流動性物質10に代わり、第2の空間5内に血液抗
凝固剤(抗血栓剤)を含有する液体が収納されていても
よい。これにより、カテーテル7を使用するに際し、カ
テーテル7に血液抗凝固機能を付与することができる。
血液抗凝固剤としては、例えば、下記表1に示すものが
挙げられる。
【0126】
【表1】
【0127】以上の各実施例では、包材2として、可撓
性を有するシート材で構成されたものを挙げたが、これ
に限らず、例えば、一部が比較的硬質な材料で構成され
たものでもよい。その具体例としては、いわゆるブリス
ター容器と呼ばれるものが挙げられる。このブリスター
容器は、比較的硬質な材料で構成され、収納空間(例え
ば第1の空間)を形成する凹部を有する本体と、前記凹
部の開口部を気密的に封止するフィルムとで構成され、
該フィルムを剥がすことにより開封するものである。
【0128】次に、第5〜第8実施例の各包装体1の使
用方法(作用)について説明する。弱シール部23また
は26を剥離(破断)すると(第8実施例の場合には、
封止部材13の中実柱状部133を破断分離すると)、
第1の空間4と第2の空間5とが連通し、第2の空間5
内に収納されていた流動性物質10が第1の空間4内に
流入し、カテーテル7の表面に接触する。これにより、
カテーテル7の表面に潤滑性が発現し、摩擦抵抗が低減
する。なお、必要に応じ、包材2の外部から手で押圧
(圧迫)する等して、第2の空間5から流動性物質10
等をしごき出す操作を行ってもよい。
【0129】第1の空間4および第2の空間5は、予め
滅菌処理がなされており、しかも、このようなカテーテ
ル7の表面に潤滑性を発現させる操作は、密閉された包
材2の内部で外気と接触することなく行われるため、カ
テーテル7は、無菌性を保持することができる。このよ
うに、包材2を開封することなくカテーテル7を使用可
能な状態(低摩擦状態)とすることができ、かつ、カテ
ーテル7の無菌性を保持したままそのような状態とする
ことができるので、前述した従来の問題点が解消され
る。
【0130】カテーテル7の表面に潤滑性を発現させる
操作が終了したら、弱シール部24を剥離(破断)し、
ジッパー3を開いて、第1の空間4内のカテーテル7を
取り出し、生体の目的部位に挿入または装着する。カテ
ーテル7が尿道カテーテル(導尿カテーテル)である場
合には、そのカテーテル7を尿道および膀胱に挿入し、
該カテーテル7を介して排尿する。このとき、カテーテ
ル7の挿入は、カテーテル7の表面が潤滑性を有してい
るため、円滑かつ安全に行うことができる。排尿が終了
したら、カテーテル7を尿道から抜き取る。
【0131】使用済みのカテーテル7は、廃棄される
が、カテーテル7を単独で廃棄するのではなく、カテー
テル7を再び包材2の第1の空間4内に戻し、ジッパー
3を閉じ、包材2ごと廃棄するのが好ましい。
【0132】このとき、前述したような方法により、弱
シール部27を剥離(破断)し、開封する。これによ
り、第1の空間4と第3の空間6とが連通し、カテーテ
ル7の表面に付着し、またはカテーテル7内に残存して
いる尿等の体液を、第3の空間6内に収納されている吸
水性材料12で吸収し、保持することができる。その結
果、尿等の体液の漏れ出しをより確実に防止することが
でき、使用済みのカテーテル7を包材2ごと衛生的に搬
送し、廃棄することができる。
【0133】特に、吸水性材料12に、脱臭剤(脱臭機
能を有する成分)および/または抗菌剤(抗菌機能を有
する成分)が担持されている場合には、臭気の放散や細
菌、ウイルス等の増殖を抑制し、より衛生的で安全に搬
送、廃棄処理を行うことができる。
【0134】以上のように、本発明の包装体1によれ
ば、簡便にかつ無菌的に潤滑剤、血液抗凝固剤等とカテ
ーテルとの接触を可能にし、患者等による運搬、開封操
作等も簡単であるばかりでなく、カテーテルの使用後も
衛生的に安全に運搬し、廃棄することができる。
【0135】本発明において、第1の空間4に収納され
る器具としては、以下のようなものが挙げられる。
【0136】・ 胃管カテーテル、栄養カテーテル、経
管栄養用チューブ、酸素カテーテル、酸素カヌラ、気管
内チューブのチューブやカフ、気管切開チューブのチュ
ーブやカフ、気管内吸引カテーテル等の経口または経鼻
的に挿入、留置されるカテーテル類。
【0137】・ 吸引カテーテル、排液カテーテル、腹
腔カテーテル、直腸カテーテル、トロッカー等の各種体
腔、臓器、組織内に挿入、留置されるカテーテル類。
【0138】・ 血管造影用カテーテル、PTCA用バ
ルーンカテーテル、IABP用バルーンカテーテル、静
脈留置カテーテル、動注用カテーテル等の血管内に挿
入、留置されるカテーテル類。
【0139】・ 単独で、または、前記各カテーテル類
とともに使用される各種ガイドワイヤー。 ・ 人工血管、ステント、人工肛門、人工骨、人工関
節、補綴物、義眼。 ・ 注射針、留置針、シース、カテーテルイントロデュ
ーサ。
【0140】・ 内視鏡、心拍出量測定器具、超音波測
定・診断器具、超音波破砕プローブ、ペースメーカー、
体温計。 ・ 縫合用または結さつ用の糸 ・ 浣腸 ・ コンタクトレンズ ・ コンドーム等の避妊具
【0141】また、本発明において、第1の空間4、第
2の空間5、第3の空間6の配置は、図示の各実施例の
ものに限らず、例えば、第2の空間、第1の空間および
第3の空間が、この順に一列に配置された構成であって
もよい。また、包材は、さらに第4の空間を有していて
もよい。
【0142】また、第1の空間4、第2の空間5および
第3の空間6には、それぞれ、前述した以外の任意のも
のが収納されていてもよい。
【0143】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0144】(実施例1A)ポリプロピレン(XF18
00、チッソ(株)製)60重両部とスチレン系エラス
トマー(ハイブラHVS‐3、クラレ(株)製)40重
量部を用いて、共押出成形によるインフレーションシー
ト(厚さ300μm、水蒸気透過度15g/m2・24
hrs・25μm厚・40℃・90%RH)を得た。こ
のシートを熱融着によりシールして、図1に示す構成の
包材を成形した。
【0145】包材の第1の空間には、尿道に挿入して使
用されるカテーテルとしてのネラトンカテーテル(サフ
ィード、14Fr、テルモ(株)製)と、水不透過性多
孔質体であるポリエチレン製不織布(商標名:タイペッ
ク、旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツ(株)
製)により包装された消臭・芳香剤(商標名:エアニッ
プ、有限会社タクト製)とを入れた。なお、このネラト
ンカテーテルとしては、表面が、0.2wt%ポリビニ
ルピロリドン−クロロホルム溶液(商標名:コリドンK
30、BASFジャパン(株)製)でコーティングさ
れ、親水性高分子材料の層が形成されているものを用い
た。また、包材の第2の空間には、水10mlを入れ、
密封した。
【0146】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、110℃、60分間高圧蒸気
滅菌を行った。
【0147】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、水とカテーテルと
の接触はなかった。
【0148】次に、包材を手で押圧、圧迫し、弱シール
部23に負荷をかけたところ、弱シール部23のみが剥
離し、第2の空間内の水が第1の空間内へ流出し、カテ
ーテルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に水
とカテーテルとの接触が可能であることが確認された。
【0149】また、水とカテーテルとの接触後、弱シー
ル部24を開封し、カテーテルを取り出して表面を擦っ
て見たところ、表面が潤滑性を示し、摩擦抵抗が低減し
ており、体腔への挿入操作の操作性の向上が示唆され
た。
【0150】その後、カテーテルを下記表2に示す成分
の人工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包
材の第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封し、所定
時間放置した。包材に顔を近づけたが、尿臭気を感じる
等、不快な感じは確認されなかった。
【0151】よって、患者は、カテーテル使用後、その
カテーテルを簡便に、また、周辺に気兼ねすることなく
自宅へ持ち帰ることが可能であり、精神的負担から開放
されるばかりでなく、外気へ尿臭気が漏洩しないため、
衛生上も好ましいことが示唆された。
【0152】
【表2】
【0153】(実施例2A、3A、4A)実施例1Aと
同様のインフレーションシートを熱融着によりシールし
て、図1に示す構造の包材を成形した。
【0154】包材の第1の空間には、前記と同様のネラ
トンカテーテル(表面のコーティングなし)を入れ、第
2の空間には、下記表3に示す組成の潤滑剤を入れ、そ
れぞれを密封した。また、第1の空間には、下記表3に
示す水不透過性多孔質体で包装された消臭剤、芳香剤等
を入れた。
【0155】
【表3】
【0156】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、110℃、60分間高圧蒸気
滅菌を行った。
【0157】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、第2の空間内の液
体とカテーテルとの接触はなかった。
【0158】次に、包材を手で押圧、圧迫し、弱シール
部23に負荷をかけたところ、弱シール部23のみが剥
離し、第2の空間内の液体が第1の空間内へ流出し、カ
テーテルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に
液体とカテーテルとの接触が可能であることが確認され
た。
【0159】また、第2の空間内の液体とカテーテルと
の接触後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り
出して表面を擦って見たところ、カテーテルが乾燥状態
のときと比較して、表面の摺動抵抗値が低減しており、
体腔への挿入操作の操作性向上が示唆された。
【0160】その後、カテーテルを表2に示す成分の人
工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包材の
第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封し、所定時間
放置した。包材に顔を近づけたが、尿臭気を感じる等、
不快な感じは確認されなかった。
【0161】よって、患者は、カテーテル使用後、その
カテーテルを簡便に、また、周辺に気兼ねすることなく
自宅へ持ち帰ることが可能であり、精神的負担から開放
されるばかりでなく、外気へ尿臭気が漏洩しないため、
衛生上も好ましいことが示唆された。
【0162】(実施例5A、6A)実施例1Aと同様の
インフレーションシートを熱融着によりシールして、図
2に示す構造の包材を成形した。
【0163】包材の第1の空間には、前記と同様のネラ
トンカテーテル(表面のコーティングなし)を入れ、第
2の空間には、下記表4に示す組成の潤滑剤を入れ、そ
れぞれを密封した。また、第1の空間には、下記表4に
示す抗菌シートを入れた。
【0164】
【表4】
【0165】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、110℃、60分間高圧蒸気
滅菌を行った。
【0166】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、第2の空間内の液
体とカテーテルとの接触はなかった。
【0167】次に、包材を手で押圧、圧迫し、弱シール
部23に負荷をかけたところ、弱シール部23のみが剥
離し、第2の空間内の液体が第1の空間内へ流出し、カ
テーテルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に
液体とカテーテルとの接触が可能であることが確認され
た。
【0168】また、第2の空間内の液体とカテーテルと
の接触後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り
出して表面を擦って見たところ、カテーテルが乾燥状態
のときと比較して、表面の摺動抵抗値が低減しており、
体腔への挿入操作の操作性向上が示唆された。
【0169】その後、カテーテルを表2に示す成分の人
工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包材の
第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封し、所定時間
放置した。包材に顔を近づけたが、尿臭気を感じる等、
不快な感じは確認されなかった。さらに、抗菌シートの
抗菌作用により、カテーテルに付着、残存している尿中
の細菌、ウイルス等の増殖が抑制された。
【0170】よって、患者は、カテーテル使用後、その
カテーテルを簡便に、また、周辺に気兼ねすることなく
自宅へ持ち帰ることが可能であり、精神的負担から開放
されるばかりでなく、外気へ尿臭気が漏洩せず、細菌感
染のおそれもないため、衛生上も好ましいことが示唆さ
れた。
【0171】(実施例7A)実施例1Aと同様のインフ
レーションシートを熱融着によりシールして、図2に示
す構造の包材を成形した。
【0172】包材の第1の空間には、前記と同様のネラ
トンカテーテル(表面に実施例1Aと同様のコーティン
グを施したもの)を入れ、第2の空間には、水10ml
を入れ、それぞれを密封した。また、第1の空間には、
酸化チタンを含む脱臭・抗菌シート(商標名:PM‐I
N‐CD、三菱製紙(株)製)を入れた。
【0173】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、110℃、60分間高圧蒸気
滅菌を行った。
【0174】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、第2の空間内の液
体とカテーテルとの接触はなかった。
【0175】次に、包材を手で押圧、圧迫し、弱シール
部23に負荷をかけたところ、弱シール部23のみが剥
離し、第2の空間内の水が第1の空間内へ流出し、カテ
ーテルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に水
とカテーテルとの接触が可能であることが確認された。
【0176】また、第2の空間内の水とカテーテルとの
接触後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り出
して表面を擦って見たところ、カテーテルが乾燥状態の
ときと比較して、表面の摺動抵抗値が大幅に低減してお
り、体腔への挿入操作の操作性向上が示唆された。
【0177】その後、カテーテルを表2に示す成分の人
工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包材の
第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封し、所定時間
放置した。包材に顔を近づけたが、尿臭気を感じる等、
不快な感じは確認されなかった。さらに、脱臭・抗菌シ
ートの抗菌作用により、カテーテルに付着、残存してい
る尿中の細菌、ウイルス等の増殖が抑制された。
【0178】よって、患者は、カテーテル使用後、その
カテーテルを簡便に、また、周辺に気兼ねすることなく
自宅へ持ち帰ることが可能であり、精神的負担から開放
されるばかりでなく、外気へ尿臭気が漏洩せず、細菌感
染のおそれもないため、衛生上も好ましいことが示唆さ
れた。
【0179】(実施例8A)実施例1Aと同様のインフ
レーションシートを熱融着によりシールして、図3に示
す構造の小包材を内蔵する包材を成形した。
【0180】包材の第1の空間には、実施例1Aと同様
のネラトンカテーテルと小包材とをを入れ、密封した。
小包材の第2の空間には、水20mlを入れ、密封し
た。また、第1の空間には、水不透過性多孔質体である
ポリエチレン製不織布(商標名:タイペック、旭・デュ
ポンフラッシュスパンプロダクツ(株)製)により包装
された消臭・芳香剤(商標名:エアニップ、有限会社タ
クト製)を入れた。
【0181】包材および小包材のシール部(弱シール部
以外の部位)は、200℃、4秒、0.25kgf/c
2で、弱シール部は、105℃、4秒、0.25kg
f/cm2でそれぞれヒートシールし、110℃、60
分間高圧蒸気滅菌を行った。
【0182】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、第2の空間内の液
体とカテーテルとの接触はなかった。
【0183】次に、小包材を包材の上から手で押圧、圧
迫し、弱シール部23に負荷をかけたところ、弱シール
部23のみが剥離し、第2の空間内の水が第1の空間内
へ流出し、カテーテルと接触した。これにより、簡便に
かつ無菌的に水とカテーテルとの接触が可能であること
が確認された。なお、包材内で小包材を好適な位置へ移
動してこの操作を行ったため、小包材の開封操作をより
簡便、確実に行うことができた。
【0184】また、第2の空間内の水とカテーテルとの
接触後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り出
して表面を擦って見たところ、カテーテルが乾燥状態の
ときと比較して、表面の摺動抵抗値が大幅に低減してお
り、体腔への挿入操作の操作性向上が示唆された。
【0185】その後、カテーテルを表2に示す成分の人
工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包材の
第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封し、所定時間
放置した。包材に顔を近づけたが、尿臭気を感じる等、
不快な感じは確認されなかった。さらに、脱臭・抗菌剤
の抗菌作用により、カテーテルに付着、残存している尿
中の細菌、ウイルス等の増殖が抑制された。
【0186】よって、患者は、カテーテル使用後、その
カテーテルを簡便に、また、周辺に気兼ねすることなく
自宅へ持ち帰ることが可能であり、精神的負担から開放
されるばかりでなく、外気へ尿臭気が漏洩せず、細菌感
染のおそれもないため、衛生上も好ましいことが示唆さ
れた。
【0187】(実施例1B)ポリプロピレン(XF18
00、チッソ(株)製)60重両部とスチレン系エラス
トマー(ハイブラHVS‐3、クラレ(株)製)40重
量部を用いて、共押出成形によるインフレーションシー
ト(厚さ300μm、水蒸気透過度15g/m2・24
hrs・25μm厚・40℃・90%RH)を得た。こ
のシートを熱融着によりシールして、図4に示す構造の
包材を成形した。
【0188】包材の第1の空間には、前記実施例1Aと
同様のネラトンカテーテルを入れ、第2の空間には、水
10mlを入れ、第3の空間には、吸水性材料である架
橋ポリアクリル酸ナトリウム(商標名:アクアリック、
日本触媒化学工業(株)製)1gを入れ、それぞれを密
封した。
【0189】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、2Mradでγ線滅菌を行っ
た。
【0190】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、水とカテーテルと
の接触および水と吸水性材料との接触はなかった。
【0191】次に、包材を手で押圧、圧迫し、弱シール
部26に負荷をかけたところ、弱シール部26のみが剥
離し、第2の空間内の水が第1の空間内へ流出し、カテ
ーテルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に水
とカテーテルとの接触が可能であることが確認された。
【0192】また、水とカテーテルとの接触後、弱シー
ル部24を開封し、カテーテルを取り出して表面を擦っ
て見たところ、表面が潤滑性を示し、摩擦抵抗が低減し
ており、体腔への挿入操作の操作性の向上が示唆され
た。
【0193】その後、カテーテルを牛血に30秒間浸
し、次いで、このカテーテルを包材の第1の空間に戻
し、ジッパーを閉じて密封した。
【0194】次に、弱シール部27を開封して第1の空
間と第3の空間とを連通させ、包材を振動させたとこ
ろ、カテーテルの表面および内部に付着、残存していた
血液が第3の空間内の吸水性材料に吸収され、保持され
た。そのため、ジッパーを開封しても血液の漏洩は生じ
なかった。
【0195】よって、使用済みのカテーテルを包材に入
れて搬送し、包材ごと廃棄しても、その間に血液の漏洩
がなく、血液による汚染、感染が防止され、安全性が高
いことが示唆された。
【0196】(実施例2B)実施例1Bと同様のインフ
レーションシートを熱融着によりシールして、図5に示
す構造の小包材を内蔵する包材を成形した。
【0197】包材の第1の空間には、前記実施例1Aと
同様のネラトンカテーテルおよびガイドワイヤー(カテ
ーテルの内腔に挿入された状態)と、小包材とを入れ、
密封した。小包材の第2の空間には、血液抗凝固剤液と
して前記表1に示すCPDA−1液18mlを入れ、密
封した。包材の第3の空間には、吸水性材料である架橋
ポリアクリル酸ナトリウム(商標名:アクアリック、日
本触媒化学工業(株)製)2gを入れ、密封した。
【0198】包材および小包材のシール部(弱シール部
以外の部位)は、200℃、4秒、0.25kgf/c
2で、弱シール部は、105℃、4秒、0.25kg
f/cm2でそれぞれヒートシールし、2Mradでγ
線滅菌を行った。
【0199】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、抗凝固剤液とカテ
ーテルとの接触および抗凝固剤液と吸水性材料との接触
はなかった。
【0200】次に、小包材を包材の上から手で押圧、圧
迫し、弱シール部23に負荷をかけたところ、弱シール
部23のみが剥離し、第2の空間内の抗凝固剤液が第1
の空間内へ流出し、カテーテルと接触した。これによ
り、簡便にかつ無菌的に抗凝固剤液とカテーテルとの接
触が可能であることが確認された。なお、包材内で小包
材を好適な位置へ移動してこの操作を行ったため、小包
材の開封操作をより簡便、確実に行うことができた。
【0201】また、抗凝固剤液とカテーテルとの接触
後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り出して
表面を擦って見たところ、抗凝固剤液の水分によりカテ
ーテル表面が潤滑性を示し、摩擦抵抗が低減しており、
体腔への挿入操作の操作性の向上が示唆された。また、
カテーテルの表面には、抗凝固剤が付着しているため、
血管内へ挿入した際に、優れた抗凝固作用を発揮するも
のと考えられる。
【0202】その後、カテーテルを牛血に30秒間浸
し、次いで、このカテーテルを包材の第1の空間に戻
し、ジッパーを閉じて密封した。
【0203】次に、弱シール部27を開封して第1の空
間と第3の空間とを連通させ、包材を振動させたとこ
ろ、カテーテルの表面および内部に付着、残存していた
血液が第3の空間内の吸水性材料に吸収され、保持され
た。そのため、ジッパーを開封しても血液の漏洩は生じ
なかった。
【0204】よって、使用済みのカテーテルを包材に入
れて搬送し、包材ごと廃棄しても、その間に血液の漏洩
がなく、血液による汚染、感染が防止され、安全性が高
いことが示唆された。
【0205】(実施例3B)実施例1Bと同様のインフ
レーションシートを熱融着によりシールして、図6に示
す構造の小包材を内臓する包材を成形した。
【0206】包材の第1の空間には、前記実施例1Aと
同様のネラトンカテーテルおよびガイドワイヤー(カテ
ーテルの内腔に挿入された状態)と、小包材とを入れ、
密封した。小包材の第2の空間には、血液抗凝固剤液と
して前記表1に示すヘパリン液18mlを入れ、第3の
空間には、吸水性材料である架橋ポリアクリル酸ナトリ
ウム(商標名:アクアリック、日本触媒化学工業(株)
製)2gを入れ、それぞれを密封した。
【0207】包材および小包材のシール部(弱シール部
以外の部位)は、200℃、4秒、0.25kgf/c
2で、弱シール部は、105℃、4秒、0.25kg
f/cm2でそれぞれヒートシールし、2Mradでγ
線滅菌を行った。
【0208】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離は観察されず、抗凝固剤液とカテ
ーテルとの接触および抗凝固剤液と吸水性材料との接触
はなかった。
【0209】次に、小包材の図6中上半分を包材の上か
ら手で押圧、圧迫し、弱シール部26に負荷をかけたと
ころ、弱シール部26のみが剥離し、第2の空間内の抗
凝固剤液が第1の空間内へ流出し、カテーテルと接触し
た。これにより、簡便にかつ無菌的に抗凝固剤液とカテ
ーテルとの接触が可能であることが確認された。なお、
包材内で小包材を好適な位置へ移動してこの操作を行っ
たため、弱シール部26の開封操作をより簡便、確実に
行うことができた。
【0210】また、抗凝固剤液とカテーテルとの接触
後、弱シール部24を開封し、カテーテルを取り出して
表面を擦って見たところ、抗凝固剤液の水分によりカテ
ーテル表面が潤滑性を示し、摩擦抵抗が低減しており、
体腔への挿入操作の操作性の向上が示唆された。また、
カテーテルの表面には、抗凝固剤が付着しているため、
血管内へ挿入した際に、優れた抗凝固作用を発揮するも
のと考えられる。
【0211】その後、カテーテルを牛血に30秒間浸
し、次いで、このカテーテルとガイドワイヤーとを包材
の第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封した。
【0212】次に、小包材の弱シール部27を開封して
第1の空間と第3の空間とを連通させ、包材を振動させ
たところ、カテーテルの表面および内部に付着、残存し
ていた血液が第3の空間内の吸水性材料に吸収され、保
持された。そのため、ジッパーを開封しても血液の漏洩
は生じなかった。なお、包材内で小包材を好適な位置へ
移動してこの操作を行ったため、弱シール部27の開封
操作および残存血液の吸収をより簡便、確実に行うこと
ができた。
【0213】よって、使用済みのカテーテルを包材に入
れて搬送し、包材ごと廃棄しても、その間に血液の漏洩
がなく、それによる汚染、感染が防止され、安全性が高
いことが示唆された。
【0214】(実施例4B、5B、6B)実施例1Bと
同様のインフレーションシートを熱融着によりシールし
て、図7に示す構造の包材を成形した。
【0215】包材の第1の空間には、前記実施例1Bと
同様のネラトンカテーテル(表面のコーティングなし)
を入れ、第2の空間には、下記表5に示す組成の潤滑剤
等を入れ、それぞれを密封した。また、第3の空間に
は、下記表5に示す吸水性材料を入れ、密封した。
【0216】
【表5】
【0217】包材のシール部(弱シール部以外の部位)
は、200℃、4秒、0.25kgf/cm2で、弱シ
ール部は、105℃、4秒、0.25kgf/cm2
それぞれヒートシールし、2Mradでγ線滅菌を行っ
た。
【0218】滅菌後、この包装体を激しく振動させた
が、弱シール部の剥離や封止部材の破断は観察されず、
潤滑剤とカテーテルとの接触および潤滑剤と吸水性材料
との接触はなかった。
【0219】次に、包材の外側から封止部材(図8に示
す構造)を手で折り曲げ、中実柱状部を破断部にて破断
分離し、包材の第2の空間の部分を圧迫したところ、第
2の空間内の潤滑剤が第1の空間内へ流出し、カテーテ
ルと接触した。これにより、簡便にかつ無菌的に潤滑剤
とカテーテルとの接触が可能であることが確認された。
【0220】また、潤滑剤とカテーテルとの接触後、弱
シール部24を開封し、カテーテルを取り出して表面を
擦って見たところ、表面が潤滑性を示し、摩擦抵抗が低
減しており、体腔への挿入操作の操作性の向上が示唆さ
れた。
【0221】その後、カテーテルを表2に示す成分の人
工尿に30秒間浸し、次いで、このカテーテルを包材の
第1の空間に戻し、ジッパーを閉じて密封した。
【0222】次に、弱シール部27を開封して第1の空
間と第3の空間とを連通させ、包材を振動させたとこ
ろ、カテーテルの表面および内部に付着、残存していた
人工尿が第3の空間内の吸水性材料に吸収され、保持さ
れた。そのため、ジッパーを開封しても人工尿の漏洩は
生じなかった。
【0223】よって、使用済みのカテーテルを包材に入
れて搬送し、包材ごと廃棄しても、その間に尿等の体液
の漏洩がなく、それによる汚染、感染が防止され、安全
性が高いことが示唆された。
【0224】(実施例1C)包材を構成するシートとし
て、ポリプロピレン(三菱化学(株)製、SPX960
0)の単層フィルム(フィルム厚300μm、水蒸気透
過度21g/m2・24hrs・25μm厚・40℃・
90%RH)を用いた以外は、実施例1Aと同様にし
て、図1に示す構成の包装体を製造した。包材の第1の
空間および第2の空間内の収納物も、実施例1Aと同様
である。
【0225】(実施例2C)包材を構成するシートとし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、ノバテックLL UF340)とポリプロピレン
(チッソ(株)製、チッソポリプロ K7714)との
ポリマーブレンドによる単層フィルム(フィルム厚30
0μm、水蒸気透過度18g/m2・24hrs・25μ
m厚・40℃・90%RH)を用いた以外は、実施例1
Aと同様にして、図1に示す構成の包装体を製造した。
包材の第1の空間および第2の空間内の収納物も、実施
例1Aと同様である。
【0226】(実施例3C)包材を構成するシートとし
て、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとのポ
リマーブレンドフィルムによる第1層、およびシリカ蒸
着ポリエチレンテレフタレートフィルムによる第2層か
ら構成される2層積層フィルム(大日本印刷(株)製、
フィルム厚300μm、水蒸気透過度0.6g/m2・2
4hrs・25μm厚・40℃・90%RH)を、第1
層同士が接合されるように用いた以外は、実施例1Aと
同様にして、図1に示す構成の包装体を製造した。包材
の第1の空間および第2の空間内の収納物も、実施例1
Aと同様である。
【0227】(実施例4C)包材を構成するシートとし
て、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとのポ
リマーブレンドフィルムによる第1層、アルミニウムフ
ィルムによる第2層、およびポリエチレンテレフタレー
トフィルムによる第3層から構成される3層積層フィル
ム(東洋アルミニウム(株)製、フィルム厚300μ
m、水蒸気透過度0.3g/m2・24hrs・25μ
m厚・40℃・90%RH)を、第1層同士が接合され
るように用いた以外は、実施例1Aと同様にして、図1
に示す構成の包装体を製造した。包材の第1の空間およ
び第2の空間内の収納物も、実施例1Aと同様である。
【0228】(実施例5C)第2の空間に収納した液体
をグリセリン水溶液(健栄製薬(株)製、グリセリン濃
度:84〜87%)10mlとした以外は、実施例4C
と同様の包装体を製造した。
【0229】<試験1>実施例1C〜5Cの各包装体を
温度40℃、湿度75%RHの環境下で4週間放置し、
1週間後、2週間後および4週間後に、それぞれ、第2
の空間内に収納された液体の減少率の経時変化を調べ
た。その結果を下記表6に示す。ここで、液体の減少率
は、次式により算出した。
【0230】減少率(%)=(W0−W)/W0×100 ここで、 W0:試験開始時の液体の総重量(10g) W :1、2、4週間後のそれぞれの液体の重量
【0231】
【表6】
【0232】表6に示すように、実施例1C〜5Cの包
装体は、いずれも、包材が水蒸気バリヤー性を有するた
め、液体の減少率が低く、従って、第2の空間内の液体
の減少、濃縮を防止することができるとともに、第1の
空間内への水蒸気の侵入も防止することができることが
確認された。
【0233】特に、水蒸気透過度が1g/m2・24h
rs・25μm厚・40℃・90%RH以下の実施例3
C〜5Cの包装体は、液体の減少率が極めて少なく、こ
のような効果がより顕著に発現する。なお、実施例5C
においては、第2の空間内に収納される液体が、水より
も揮発性の低いグリセリン水溶液であったため、液体の
減少は、ほとんど生じなかった。
【0234】<試験2>実施例1C〜5Cの各包装体に
ついて、前記環境下でさらに4週間放置したが、弱シー
ル部23、24の剥離は認められず、第2の空間からの
水の漏れ出しは生じなかった。
【0235】また、その後、包材の第2の空間を形成す
る部分を手で押圧、圧迫したところ、いずれの包装体に
ついても、弱シール部23を容易かつ確実に剥離するこ
とができ、イージーピールシール性が確保されているこ
とが確認された。
【0236】<包装体の有効保存期間の検討>本実施例
の包装体において、第2の空間内に収納されている液体
が蒸散により減少し、その重量が約半分以下になると、
加圧による弱シール部の開封(剥離)がし難くなってく
る。従って、本試験条件下において、第2の空間内に収
納されている液体の量が半分まで減少する時間を次式に
より算出した。
【0237】 時間(年)=(5g/ΔW)×(28日/365日) ここで、ΔW:4週間後の液体の減少量 ΔW=10g×(4週間後の液体の減少率/100)
【0238】その結果、実施例1Cで1.9年、実施例
2Cで2.2年、実施例3Cで5.4年、実施例4で1
2.7年、実施例5Cで38.0年となる。
【0239】以上の結果より、実施例1C〜5Cのよう
な水蒸気バリヤー性を有する包材を用いることにより、
収納される液体の減少を抑制し、長期間保持することが
可能であることが分かった。
【0240】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、簡
便にかつ無菌的にカテーテル等の器具と液体とを接触さ
せることができる。特に、包材内の隔離された空間同士
の連通操作や、包材の開封操作を容易かつ確実に行うこ
とができる。
【0241】また、第2の空間に収納する液体の種類、
組成、量等の選択により、器具に対し種々の機能、特
に、表面の潤滑性、抗凝固性(抗血栓性)等の、器具を
生体に挿入または装着するに際しての有利な機能を付与
することができる。
【0242】また、使用済みの器具を包材内に収納する
ことにより、外部への臭気の放散、微生物の増殖、また
は器具に付着または残存した液体の漏れ出しによる汚
染、感染等を防止することができ、安全性の向上にも寄
与する。また、包装体の小型化にも有利である。そのた
め、使用済みの器具の廃棄処理、または廃棄処理までの
間の運搬、保管に有利となる。
【0243】特に、患者自身がカテーテルを使って排尿
する自己導尿においては、外出時の使用済みカテーテル
の搬送、廃棄において、労力や精神的負担が軽減される
ため、患者の快適な生活(クオリティー・オブ・ライ
フ)に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装体の第1実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図2】本発明の包装体の第3実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図3】本発明の包装体の第4実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図4】本発明の包装体の第5実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図5】本発明の包装体の第6実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図6】本発明の包装体の第7実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図7】本発明の包装体の第8実施例を示す平面図(内
部透視図)である。
【図8】封止部材の構成例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 包装体 2 包材 21 シール部 22 仕切部 23、24 弱シール部 25 仕切部 26、27 弱シール部 28、29 仕切部 3 ジッパー 4 第1の空間 5 第2の空間 6 第3の空間 7 カテーテル 8 脱臭剤 81 容器 9 抗菌シート 10 流動性物質 11 小包材 12 吸水性材料 13 封止部材 131 短チューブ 132 筒体 133 中実柱状部 134 破断部 135 上端部 136 縮径部 14 小包材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 正臣 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号 テル モ株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AA11 AB83 AB96 AB97 AC06 BB12A BB14A BB15A BB16A BB25A CA05 CA09 CA24 EA06 EA25 EB17 EE21 GB15 GC05 GD08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕切部により互いに隔離され、必要時に
    連通可能な第1の空間および第2の空間を有する包材
    と、 前記第1の空間に収納され、生体に挿入または装着して
    使用される器具と、 前記第1の空間に収納され、臭気を消滅または低減させ
    る物質と、 前記第2の空間に収納され、前記器具の表面と接触して
    その摩擦抵抗を低減させることができる流動性物質とを
    備えることを特徴とする包装体。
  2. 【請求項2】 前記臭気を消滅または低減させる物質の
    主成分が酸化チタンである請求項1に記載の包装体。
  3. 【請求項3】 仕切部により互いに隔離され、必要時に
    連通可能な第1の空間および第2の空間を有する包材
    と、 前記第1の空間に収納され、生体に挿入または装着して
    使用される器具と、 前記第1の空間に収納され、少なくとも微生物の増殖を
    抑制する機能を有する物質と、 前記第2の空間に収納され、前記器具の表面と接触して
    その摩擦抵抗を低減させることができる流動性物質とを
    備えることを特徴とする包装体。
  4. 【請求項4】 前記微生物の増殖を抑制する機能を有す
    る物質の主成分が酸化チタンである請求項3に記載の包
    装体。
  5. 【請求項5】 仕切部により互いに隔離され、必要時に
    連通可能な第1の空間、第2の空間および第3の空間を
    有する包材と、 前記第1の空間に収納され、生体に挿入または装着して
    使用される器具と、 前記第2の空間に収納され、前記器具の表面と接触して
    その摩擦抵抗を低減させることができる流動性物質と、 前記第3の空間に収納され、液体を吸収、保持し得る物
    質とを備えることを特徴とする包装体。
  6. 【請求項6】 仕切部により互いに隔離され、必要時に
    連通可能な第1の空間、第2の空間および第3の空間を
    有する包材と、 前記第1の空間に収納され、生体に挿入または装着して
    使用される器具と、 前記第2の空間に収納された血液抗凝固剤と、 前記第3の空間に収納され、液体を吸収、保持し得る物
    質とを備えることを特徴とする包装体。
  7. 【請求項7】 前記第1の空間と前記第2の空間とが隣
    接して形成され、かつ、前記第1の空間と前記第3の空
    間とが隣接して形成されている請求項5または6に記載
    の包装体。
  8. 【請求項8】 前記第2の空間は、前記第1の空間の内
    側に形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載
    の包装体。
  9. 【請求項9】 前記仕切部は、前記包材を構成するシー
    ト材を融着してなるシール部で構成されている請求項1
    ないし8のいずれかに記載の包装体。
  10. 【請求項10】 前記仕切部の少なくとも一部が、他の
    部分より接合強度が弱い弱シール部で構成されている請
    求項1ないし9のいずれかに記載の包装体。
  11. 【請求項11】 前記第1の空間から前記器具を取り出
    すための開封部と、該開封部を開封後、その開封口を封
    止する封止手段とを有する請求項1ないし10のいずれ
    かに記載の包装体。
  12. 【請求項12】 前記包材は、水蒸気バリヤー性を有す
    るものである請求項1ないし11のいずれかに記載の包
    装体。
  13. 【請求項13】 前記器具は、カテーテルまたはガイド
    ワイヤーである請求項1ないし12のいずれかに記載の
    包装体。
  14. 【請求項14】 前記器具は、尿道に挿入して使用され
    るカテーテルである請求項1ないし12のいずれかに記
    載の包装体。
  15. 【請求項15】 前記器具の少なくとも一部の表面に、
    湿潤により潤滑性が発現する化合物が付与されている請
    求項1ないし14のいずれかに記載の包装体。
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