JP2001060343A - 情報記録担体用基体の製造方法及び情報記録担体用基体 - Google Patents

情報記録担体用基体の製造方法及び情報記録担体用基体

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JP2001060343A
JP2001060343A JP2000159805A JP2000159805A JP2001060343A JP 2001060343 A JP2001060343 A JP 2001060343A JP 2000159805 A JP2000159805 A JP 2000159805A JP 2000159805 A JP2000159805 A JP 2000159805A JP 2001060343 A JP2001060343 A JP 2001060343A
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JP2000159805A
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Tetsuya Kondo
哲也 近藤
Eiji Nakagawa
栄治 中川
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Victor Company of Japan Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より一段と微細化された微細パターンを
形成することが可能な情報記録担体用基体の超微細な加
工方法を提供する。 【解決手段】 被触刻部材1上に形成したエネルギー線
感応層2上に、エネルギー線を照射して、所定の微細ト
ラックパターンに応じて、感応層2を露光する工程と、
露光部分2aの下層に位置する部材1aを露出する工程
と、触刻を行なって部材1の露出部分1aを深さEに刻
設すると同時に、感応層2上に堆積層4を厚さDに形成
する工程と、感応層2及び堆積層4を除去する工程とを
備え、所定の微細トラックパターンのトラック幅W2よ
りも狭いトラック幅W4のトラックパターン30を部材
1上に形成し、かつ触刻速度と堆積速度との比を調整し
て、トラックパターン30のトラック幅W4を適宜設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光又は磁気を記録
再生に利用したディスク、カード、テープなどの情報記
録担体、特に再生専用型や光磁気や相変化などの記録再
生型情報記録担体に好適な情報記録担体用基体の製造方
法及び情報記録担体用基体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高密度に情報を再生または記
録再生する情報記録担体として、光カードや光ディス
ク、光テープがあった。特にディスク状であり、再生専
用型情報記録担体としては、音楽情報やプログラムなど
が記録されるCD、画像情報が記録されるLD、ビデオ
CDなどが知られている。一方近年では記録再生に使用
する半導体レーザーが従来の830、780nmに代わ
り650nm近傍の波長で登場し、記録パターン微細化
により7倍近い記録容量としたDVD(デジタルバーサ
タイルディスク)が開発された。このため市場ではCD
はDVDオーディオやSACDに、またLD、ビデオC
DはDVDビデオに置き変わりつつある。このような事
情は記録再生型でも同様であり、光磁気ディスクは従来
のMOディスクから、GIGAMOやASMOに、相変
化ディスクはPDからDVD−RAM、DVD−RW、
DVD+RWに置き変わりつつある。またCD−Rのよ
うな追記型ディスクも同様に、DVD−Rに置き換わり
つつある。
【0003】更に、最近では半導体レーザーの波長が6
50nmから400nmへと、より短波長化したものが
開発されている。従来の60%近い波長短縮が行われる
ので、記録容量が更に増大するものと期待されている。
これに伴って、より微細なパターンを刻み込むいわゆる
マスタリング技術の開発が進められている。しかしなが
ら今までのところ、波長短縮に見合った超微細なマスタ
リングはまだ達成されていない。
【0004】ハードディスクに代表される磁気ディスク
でも事情は同じであり、高密度化が急ピッチで進められ
ている。PERMディスクに代表される、ガイド溝やア
ドレスピットを予めマスタリングするディスクが次世代
の候補であり、開発途上である。本発明人はこのよう
な、高密度時代、短波長時代に相応しいマスタリング技
術について鋭意検討を行い、本発明に至ったものであ
る。
【0005】いわゆるマスタリング技術の一つに、触刻
反応を利用する技術がある。図5はそのような一連の工
程(a)〜(e)を図示したものであり、この一連の工
程によって情報記録担体用の基体Fを製作する。
【0006】工程(a)は、表面が光学グレード並みに
フラットな被触刻部材1を用意する工程である。ここで
はあらかじめ表面が調整された被触刻部材1を用意して
もよいし、不浄な被触刻部材1に対し、表面を平滑化、
洗浄化して、フラットな表面を用意してもよい。なお被
触刻部材1は、表面が後に部分的に触刻される材料であ
り、触刻材料(図示せず)との相性を考慮して選択され
る。例えば被触刻部材1は石英ガラスである。
【0007】続いて、工程(b)は、被触刻部材1の表
面にエネルギー線感応層2を形成する工程である。この
エネルギー線感応層2は例えばフォトレジストであり、
特定の波長に対して感光する性質を持っている。
【0008】続いて、工程(c)は、エネルギー線感応
層2に対して、エネルギー線(図示せず)を所定の微細
トラックパターンに応じて、部分的に照射する工程であ
る。部分的とは、情報記録担体A(図6)に刻まれるべ
き微細パターン3の凹凸(トラック)に対応したもので
あり、例えば再生されるべき信号(例えばピット)であ
ったり、記録する際に必要なガイド(例えばグルーブ)
であったりする。ここでエネルギー線を照射した部分、
及び照射しなかった部分に対応して凹凸が形成される。
具体的には例えば458nmのレーザーを変調して凹凸
を記録し、これにアルカリ水溶液処理を施すことによっ
て、露光部分のエネルギー線感応層2aを除去すること
により凹凸を形成するものである。
【0009】続いて、工程(d)は、この記録表面に対
して触刻を行う工程である。例えば真空中で、触刻材料
であるCF4ガス(図示せず)を流し、プラズマを生成
して行う触刻反応である。このような処理により所定の
深さEまで触刻され、反応を停止させる。
【0010】最後に、工程(e)は、エネルギー線感応
層2を剥離する工程である。例えばアッシング処理によ
ってフォトレジストを分解し、剥離する。こうして、情
報記録担体用基体Fが完成する。基体Fの片面には前記
した微細パターン3が形成されている。そして図6に示
した如く、情報記録担体用基体Fの微細パターン3の形
成面上に、記録層5、保護層6などを重ね形成して、情
報記録担体Aが完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】さて、前記した微細パ
ターン3の寸法という観点で一連の工程(a)〜(e)
を詳しく見ると、エネルギー線感応層2に記録を行った
時点で、微細パターン3に対応する部分3Aは断面方向
(厚み方向)にテーパーを有していることが多い。すな
わちエネルギー感応層2にはある程度厚みがあるため
に、工程(c)では、エネルギー感応層2の開口部の幅
W1とその底部の幅W2は相違するものとなる。多くの
場合、エネルギー感応層2の内部でエネルギー線は吸収
されるので先細りとなり、W2<W1となる。特定の材
料をエネルギー感応層2として使用しても、せいぜいW
2=W1である。そして触刻反応を行う工程(d)で
は、この微細パターン3に対応する部分の底部3Bの形
状が忠実に被触刻部材1に刻まれる。従って被触刻部材
1の開口部の幅W3とその底部の幅W4は略同じにな
り、しかもW3=W4=W2となる。この微細パターン
3に対応する部分の底部3Bの幅W4がトラック幅であ
る。
【0012】このように、情報記録担体用基体Fに刻ま
れた微細パターン3(すなわち被触刻部材1の底部3B
に形成されたトラックパターン)は、前記したエネルギ
ー感応層2上に形成された凹凸に応じた微細パターン
(すなわち被触刻部材1の開口部)と同一か、やや小さ
く(細く、狭く)なる。この結果、前記した工程(d)
における触刻反応は情報記録担体用基体Fに刻まれた微
細パターン3の微細化(狭トラック化)に若干ながら貢
献しているが、前記したように、微細パターン3の開口
部の幅W3とその底部の幅W4は、エネルギー感応層2
の底部の幅W2に依存しているから、この幅W2が一段
と狭くできないと、開口部の幅W3とその底部の幅W4
は一段と狭くできないため、微細パターン3の微細化は
これ以上なし得なかった。
【0013】そこで、本発明はこのような課題に対して
打開策を提案するものである。具体的には、前記した工
程(d)における触刻工程を、後述する触刻及び堆積工
程に置換するものである。これ以外の工程(a)〜
(c),(e)は変更しない。この触刻及び堆積工程
は、エネルギー感応層2の開口部を通して行われる触刻
反応によって、被触刻部材1上に微細パターン3を刻設
するのと並行して、エネルギー感応層2上に堆積層を堆
積させるものである。この工程では触刻の速度と堆積層
の堆積速度とを適宜調整することが重要となる。この触
刻及び堆積工程によって、刻設途中の微細パターン3の
上方に位置するエネルギー感応層2の開口部の周縁近傍
に亘り、新たな堆積層が堆積されるから、この結果、こ
の堆積の度合いに応じて、開口部の幅W1及び底部の幅
W2が従来よりも狭められることになる。一方、前述し
たように、触刻反応を行う過程では、この微細パターン
に対応する部分の底部の形状が忠実に被触刻部材1に刻
まれる。従って被触刻部材1の開口部の幅W3とその底
部の幅W4は、従来よりもその幅が狭められたエネルギ
ー感応層2の底部の幅W2に比例して、従来よりもその
幅を一段と狭めることができるのである。こうして、本
発明は、従来よりも一段と微細化された微細パターンを
形成することが可能な超微細な加工方法である情報記録
担体用基体の製造方法及び情報記録担体用基体を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、下記(1),(2)の構成になる情
報記録担体用基体の製造方法及び情報記録担体用基体を
提供する。 (1) 図1〜図4に示すように、被触刻部材1上に形
成したエネルギー線感応層2上に、エネルギー線を照射
して、所定の微細トラックパターンに応じて、前記エネ
ルギー線感応層2を露光する第1工程(工程(a),
(b))と、次に、露光部分又は未露光部分2aの前記
エネルギー線感応層2を除去して、下層に位置する前記
被触刻部材1aを、前記微細トラックパターンのトラッ
ク幅W2で露出する第2工程(工程(c))と、次に、
前記被触刻部材1の露出部分1aを所定の深さEに触刻
すると同時に、前記エネルギー線感応層2上に所定の厚
さDの堆積層4を形成する第3工程(工程(d),(d
1)〜(d3),(d11)〜(d31))と、次に、
前記エネルギー線感応層2及び堆積層4を除去する第4
工程(工程(e))とを備え、前記第3工程における触
刻速度と堆積速度との比を調整して、前記被触刻部材1
上に、前記所定の微細トラックパターンのトラック幅W
2よりも狭いトラック幅W4のトラックパターンを形成
することを特徴とする情報記録担体用基体の製造方法。 (2) 請求項1記載の情報記録担体用基体の製造方法
によって製造された情報記録担体用基体であって、前記
被触刻部材1上に形成されている前記トラックパターン
30は、前記所定の微細トラックパターンのトラック幅
W2よりも狭いトラック幅W4を有することを特徴とす
る情報記録担体用基体。
【0015】また、本発明は、下記(A)〜(G)の構
成になる情報記録担体用基体の製造方法及び情報記録担
体用基体を提供できる。 (A) 図1〜図4に示すように、被触刻部材1上に形
成したエネルギー線感応層2上に、エネルギー線を照射
して、所定の微細トラックパターンに応じて、前記エネ
ルギー線感応層2を露光する第1工程(工程(a),
(b))と、次に、露光部分又は未露光部分の前記エネ
ルギー線感応層2を除去して、下層に位置する前記被触
刻部材を、前記微細トラックパターンのトラック幅で露
出する第2工程(工程(c))と、次に、触刻と同時に
堆積を行う第3工程(工程(d),(d1)〜(d
3),(d11)〜(d31))と、次に、前記エネル
ギー線感応層2及び堆積層4を除去する第4工程(工程
(e))とを少なくとも備えたことを特徴とする情報記
録担体用基体の製造方法。 (B) 上記(A)記載の情報記録担体用基体の製造方
法であって、第3工程が、触刻を行なって前記被触刻部
材1の露出部分を所定の深さEに刻設すると同時に、堆
積を行って前記エネルギー線感応層2上に堆積層4を所
定の厚さDに形成する工程であることを特徴とする情報
記録担体用基体の製造方法。 (C) 上記(A)又は(B)記載の情報記録担体用基
体の製造方法であって、第2工程において露出した被触
刻部材のトラック幅W2を形成し、第3工程において、
前記トラック幅W2よりも狭いトラック幅W4のトラッ
クパターンを前記被触刻部材上に形成し、かつ触刻速度
と堆積速度との比を調整して、前記被触刻部材上に形成
された前記トラックパターンのトラック幅W4を適宜設
定することを特徴とする情報記録担体用基体の製造方
法。 (D) 上記(A)〜(C)のいずれか記載の情報記録
担体用基体の製造方法であって、第3工程が、真空装置
中で、特定の反応環境条件の下、特定の反応材料中でグ
ロー放電することによって、触刻と同時に堆積を行う工
程であることを特徴とする情報記録担体用基体の製造方
法。 (E) 上記(D)記載の情報記録担体用基体の製造方
法であって、特定の反応環境条件が1〜500mtor
rのガス圧であり、特定のガスが、フッ素または塩素ま
たは臭素を含むガスと水素を含むガスを混合又は化合し
たガスとしたことを特徴とする情報記録担体用基体の製
造方法。 (F) 上記(A)〜(E)のいずれか記載の情報記録
担体用基体の製造方法によって製造された情報記録担体
用基体であって、前記被触刻部材1上に形成されている
前記トラックパターン30は、前記所定の微細トラック
パターンのトラック幅W2よりも狭いトラック幅W4を
有することを特徴とする情報記録担体用基体。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明の情報記録担体用基
体の製造方法及び情報記録担体用基体の実施例を、図1
〜図4を用いて詳しく説明する。前述したものと同一の
ものには同一符号を付し、その説明を省略する。
【0017】本発明者は上記問題点に鑑み、前述したよ
うに、被触刻部材1の底部の幅W4がエネルギー感応層
2の底部の幅W2(従来のトラック幅)を下回る微細な
加工方法を鋭意検討した結果、本発明に至ったものであ
る。即ち、本発明は、従来の触刻反応を行う図5に示し
た工程(d)の触刻工程に置き換えて、触刻反応と同時
に堆積反応を行う触刻・堆積工程を導入することによっ
て、前記微細な加工方法を達成するものである。
【0018】図1は本発明になる情報記録担体用基体を
製作する工程を図示したものであり、一連の工程(a)
〜(e)を図示したものであり、この一連の工程によっ
て情報記録担体用基体Bを製作する。この工程(a)〜
(c),(e)は上述した図5に示した工程(a)〜
(c),(e)と同様である。
【0019】工程(a)は、表面が光学グレード並みに
フラットな被触刻部材1を用意する工程である。ここで
はあらかじめ表面が調整された被触刻部材1を用意して
もよいし、不浄な被触刻部材1に対し、表面を平滑化、
洗浄化して、フラットな表面を用意してもよい。被触刻
部材1は、表面が後に部分的に触刻される材料であり、
触刻材料との相性を考慮して選択される。例えば被触刻
部材1は、シリコン、タンタル、モリブデン、クロム、
アルミニウム、金、白金、ニオブ、チタン、タングステ
ンやこれらの合金(酸化物、窒化物、炭化物の例を含
む)などから選ばれる。この被触刻部材1に対し、直接
光を入射して信号を読み出し、または記録する場合に
は、その光波長に対し略透明(透過率50%以上)であ
ることが必要である。
【0020】続いて、工程(b)は、被触刻部材1の表
面にエネルギー線感応層2を形成する工程である。この
エネルギー線感応層2は例えば波長10〜1500nm
の電磁波(γ線、X線、極端紫外線、遠紫外線、紫外
線、可視光、赤外線など)に感応する材料や、粒子線
(α線、β線、陽子線、中性子線、電子線など)に感応
する材料から選ばれ、薄く塗布する。前者の代表例とし
て紫外線感光型のいわゆるフォトレジストや、感光性色
素、相変化材料、低融点材料があり、後者の代表例とし
て電子線(EB)レジストなどが挙げられる。エネルギ
ー線感応層2は一層に限らず、複層であってもよく、例
えば光学的なコントラストを増強する意味で、退色性色
素などと二層化してもよい。また被触刻部材1とエネル
ギー線感応層2の間に密着性を向上させる目的で、極薄
い密着剤膜、望ましくは単分子膜を介在させてもよい。
例えばエネルギー線感応層2がいわゆるレジストや感光
性色素である場合は、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤を
用いることができる。特にシランカップリング剤の例と
して、ヘキサメチルジシラザンやγ−2−アミノエチル
−アミノプロピルトリメトキシシランが効果的である。
【0021】続いて、工程(c)は、エネルギー線感応
層2に対して、エネルギー線(図示せず)を所定の微細
トラックパターンに応じて、部分的に照射する工程であ
る。部分的とは、情報記録担体A(図6)に刻まれるべ
き微細パターン30の凹凸(トラック)に対応したもの
であり、例えば再生されるべき信号(例えばピット)で
あったり、記録する際に必要なガイド(例えばグルー
ブ)であったりする。ここでエネルギー線を照射した部
分、及び照射しなかった部分に対応して凹凸が形成され
る。なお、ここで照射した瞬間に凹凸が形成されなくと
も、照射後の液相処理または気相処理によって凹凸が形
成されるものも含む。具体的には例えばエネルギー線感
応層2として、感光性色素、相変化材料、低融点材料を
選択した場合には、エネルギー線の照射により加熱溶融
し、穴が空いたり、気化したりして直ちに凹凸が形成さ
れるので、照射後の液相処理または気相処理は不要であ
る。しかし、エネルギー線感応層2としていわゆるレジ
ストを選択した場合には、照射自体では形状が変わら
ず、後にアルカリ現像処理または有機溶剤処理といった
液相中処理、または酸素プラズマ処理といった気相中処
理を施すことによって、凹凸を形成することになる。こ
のときいわゆるポジ型レジストでは露光部分のエネルギ
ー線感応層2aが除去される。また、いわゆるネガ型レ
ジストでは未露光部分のエネルギー線感応層が除去され
る。このようにして微細パターン30に対応してその下
層の被触刻部材1aは露出し、それ以外の部分はエネル
ギー線感応層2が残存する。なお、以下の説明では2が
ポジ型レジストであるとして説明する。
【0022】続いて、工程(d)は、この記録表面に対
して触刻と堆積反応とを同時に行う。この反応は液相
中、気相中を問わないが、特に気相中での処理が微細パ
ターン30の形成に相応しい。ここで触刻とは露出した
被触刻部材1を選択的に触刻することを意味する。また
堆積とは、反応による生成物を残存したエネルギー線感
応層2の表面に選択的に堆積させることを意味する。す
なわち、エネルギー線感応層2の表面には堆積が起こ
り、堆積層4が生成するが、被触刻部材1には実質的に
堆積しない。一方、被触刻部材1の表面は選択的に触刻
されるので、堆積と触刻が同時に進行する。このような
特殊な選択性は後述する反応材料(触刻・堆積材料、図
示せず)や反応環境条件(触刻・堆積動作条件)により
与えられるものである。堆積層4が生成するために、エ
ネルギー線感応層2の開口部の幅W1及びその底部の幅
W2の寸法は、見かけ上従来よりも小さくなる。従っ
て、触刻が所定深さE、堆積層4の厚みがDに達したと
き、被触刻部材1の底部の幅W4は、エネルギー線感応
層2の底部の幅W2よりも小さくなっている。
【0023】最後に、工程(e)は、エネルギー線感応
層2及び堆積層4を剥離する工程である。これらは同時
に剥離してもよいし、堆積層4、エネルギー線感応層2
の順に剥離してもよい。これらエネルギー線感応層2及
び堆積層4の剥離は化学的、または物理的に分解する材
料によって行うことができる。例えば化学的方法として
は硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、酢酸や、無機アルカリ、有
機アルカリ、過酸化水素水などによる液相分解反応(例
えば摂氏30〜200度の温度環境下)や、酸素、オゾ
ンガスを主とするプラズマ雰囲気中での気相分解反応に
よって達成することができる。また、物理的な方法とし
てはミクロンオーダーの粒子によるブラスト法がある。
こうして、情報記録担体の基体Bが完成する。基体Bの
片面には前記した微細パターン30が形成されており、
その微細パターン30の寸法(即ち被触刻部材1の底部
の幅W4)は、エネルギー線感応層2の底部の幅W2よ
りも小さくなり、微細化が行われる。この形成面に対し
て公知の方法で記録層5や保護層6などを重ね形成し
て、高密度の情報記録担体Aを完成することができる
(図6)。
【0024】ここで触刻と堆積とを同時に行う前記した
工程(d)について詳しく図説しておく。本発明の主点
は、被触刻部材1の表面には従来どおり触刻を行うと同
時に、エネルギー線感応層2の表面では反応生成物を堆
積させて堆積層4を形成させることである。特に堆積層
4の形成は残存したエネルギー線感応層2の表面、側面
全面に起こり、あたかも後天的にエネルギー線感応層2
の露出面全体をマスクしたようになる。その位置精度は
極めて正確であり、自己整合的な形成が行われる。触刻
と堆積、この2つの過程は同時に起こる競争過程である
が、その2つの過程の速度比により、微細パターン形成
の模様がやや異なる。
【0025】図3は図1に示した工程(d)を、触刻反
応及び堆積の進行に対応して、3段階の工程(d1)〜
(d3)に分けて図示したものであり、堆積速度よりも
触刻速度の方が速い場合の例示である。ただし説明を平
易なものとするために、エネルギー線感応層2の微細パ
ターン30の位置に対応する凹部は略垂直な断面形状で
ある(即ち、エネルギー線感応層2の開口部の幅W1=
その底部の幅W2とする)。
【0026】工程(d1)は触刻の初期であり、触刻の
深さがE1進むと同時に堆積の厚さがD1起こってい
る。ここで触刻の深さE1>堆積の厚さD1であるの
で、堆積開始より前に触刻は開始され、触刻の起点はエ
ネルギー線感応層2の底部(幅W2)となる。
【0027】工程(d2)では時間が経過し、触刻の深
さがE2(E2>E1)、堆積の厚さがD2(D2>D
1)まで進行した模様を表している。触刻・堆積の進行
によって、堆積は微細パターン30の内壁30Aまで進
行し、このため微細パターン30の内壁はテーパーの付
いた形状となる。
【0028】最後の工程(d3)では、触刻の深さが所
定の寸法Eまで進んでいる(E3>E2>E1)。この
とき、堆積も所定の厚さDまで進んでおり(D3>D2
>D1)、被触刻部材1上の微細パターン30の寸法
は、W3=W2、W4=W2−2×D3となる。
【0029】このように、図3に示すように堆積速度よ
りも触刻速度の方が速い場合には、被触刻部材1の開口
部の幅W3がエネルギー線感応層2の底部の幅W2と同
一になるという特徴と、微細パターン30の内壁のテー
パー角度が比較的急峻になるという特徴がある。
【0030】一方、図4は図1に示した工程(d)を、
触刻反応及び堆積の進行に対応して、3段階の工程(d
11)〜(d31)に分けて図示したものであり、堆積
速度よりも触刻速度の方が遅い場合の例示である。ここ
でも説明を平易なものとするために、エネルギー線感応
層2の微細パターン30の位置に対応する凹部は略垂直
な断面形状である(即ち、エネルギー線感応層2の開口
部の幅W1=その底部の幅W2とする)。
【0031】工程(d11)は触刻の初期であり、触刻
の深さがE11進むと同時に堆積の厚さがD11起こっ
ている。ここで触刻の深さE11<堆積の厚さD11で
あるので、触刻開始より前に堆積は開始され、触刻の起
点はエネルギー線感応層2の底部(幅W2)よりも内側
となる。
【0032】工程(d21)では時間が経過し、触刻の
深さがE21(E21>E11)、堆積の深さがD21
(D21>D11)まで進行した模様を表している。触
刻・堆積の進行によって、堆積は微細パターン30の内
壁30Aまで進行し、ここでも微細パターン30の内壁
はテーパーの付いた形状となる。
【0033】最後の段階(工程(d31))では、触刻
の深さが所定の寸法Eまで進んでいる(E32>E22
>E11)。このとき、堆積も所定の厚さDまで進んで
おり(D31>D21>D11)、エネルギー線感応層
2の開口部はかなり狭く、被触刻部材1上の微細パター
ン30の底部の幅W4も同様にかなり狭いものになっ
て、W3<W2、W4=W2−2×D31となる。
【0034】このように、図4に示すような堆積速度よ
りも触刻速度の方が遅い場合には、微細パターン30の
内壁のテーパー角度が緩やかになるという特徴があるも
のの、被触刻部材1の開口部の幅W3がエネルギー線感
応層2の底部の幅W2より小さくなり、図3の工程に比
較して、微細化には有利である。
【0035】このように、触刻と堆積との速度比によっ
て、得られる微細パターン30の形状は若干異なるもの
となる。しかしながらいずれにしても、エネルギー線感
応層2の元の微細パターン(開口部の幅W1、底部の幅
W2)よりも小さな、被触刻部材1上の微細パターン3
0の底部の幅W4を得ることができる(即ち、エネルギ
ー線感応層2上で露光した微細トラックパターン幅の微
細トラックパターンのトラック幅W4)。特に堆積の速
度が触刻速度を上回った場合には、開口部の幅W3、底
部の幅W4は共に元の微細パターン(W1、W2)より
も小さくすることができる。
【0036】次に、このような触刻と堆積を同時に行え
る化学反応について、反応装置(触刻・堆積装置)、反
応材料(触刻・堆積材料)、反応環境条件(触刻・堆積
動作条件)の順で説明する。触刻、堆積とも同時に発生
させるのは特定の化学反応を利用する。
【0037】気相中での反応装置(触刻・堆積装置)
は、真空装置の一種であるグロー放電装置を用いること
ができる。すなわち排気部材と少なくとも2枚の電極と
高電圧印加部材を有した真空装置である。本発明の製造
方法では、このうち特に少なくとも5mtorrまでの
排気能力、望ましくは0.01mtorr、より望まし
くは0.001mtorrまでの排気能力のある排気部
材を内蔵したものを使用する。例えば回転ポンプ、拡散
ポンプ、ターボ分子ポンプ、回転ブースターポンプなど
から選択して1つまたは複数内蔵したものである。そし
てガス導入部材(例えばガスボンベ)と高電圧印加部材
(例えば高電圧電源)を内蔵したものである。
【0038】本発明ではガス導入部材に後述する反応材
料(触刻・堆積材料)のボンベを接続し、流量計を介し
て導入できるようにしておく。
【0039】動作手順は、主に3つの工程1)〜3)か
らなる。すなわち、 工程1) 装置中に、前記した工程(c)の微細パター
ン化した被触刻部材1を投入し、片側の電極上に設置す
る。 工程2) 次に、真空排気後、反応材料(触刻・堆積材
料)を装置内部に導入し、後述する反応環境条件(触刻
・堆積動作条件)を形成する。 工程3) 2枚の電極間に高電圧を印加し、グロー放電
を発生させる。この3つの工程の結果、本発明が達成さ
れ、選択的な堆積と、選択的な触刻を同時に発生させる
ことができる。
【0040】次に反応材料(触刻・堆積材料)について
説明する。反応材料(触刻・堆積材料)は、被触刻部材
1やエネルギー線感応層2と選択的な反応をするのであ
るから、被触刻部材1と反応材料(触刻・堆積材料)と
の組み合わせはある程度限定される。例えば被触刻部材
1にシリコン、タンタル、モリブデン、金、白金、ニオ
ブ、チタン、タングステンやこれらの合金(酸化物、窒
化物、炭化物の例を含む)から選択し、エネルギー線感
応層2にいわゆるレジストや感光性色素などの有機物を
選択した場合、触刻性ガスとしてフッ素を含むガスを、
堆積性ガスとして水素を含むガスが適当である。フッ素
を含むガスの例としては、CF4、C2 4、C26、C3
6、C38、C48、C410、C58、C614、C
3CFOCF2、C65CF2CFCF2、CF3Br、
CF3I、C25I、SF6、NF3、WF6、CF3
r、C25Cl、C24Cl2、CF3Cl、CF2
2、CFCl3などがある。水素を含むガスとしては、
2、CH4、CH3CH3、CH3CH2CH3、CH3CH
2CH2CH3、CH2CH2、CH2CHCH3、CH2CH
2CH2CH2、HCCH、CH3CCHなどがある。
【0041】また、被触刻部材1にクロム、アルミニウ
ム、金やこれらの合金(酸化物、窒化物、炭化物の例を
含む)を選択し、エネルギー線感応層2にいわゆるレジ
ストや感光性色素などの有機物を選択した場合、触刻性
ガスとして塩素または臭素を含むガスを、堆積性ガスと
して水素を含むガスが適当である。塩素または臭素を含
むガスの例としては、Cl2、CCl4、SiCl4、B
Cl3、PCl3、CBrF3、BBr3、C2ClF5、C
2Cl24、CClF3、CCl22、CCl3Fなどが
ある。水素を含むガスとしては、H2、CH4,CH3
3、CH3CH2CH3、CH3CH2CH2CH3、CH2
CH2、CH2CHCH3、CH2CH2CH2CH2、HC
CH、CH3CCHなどがある。いずれの場合にして
も、これらを所定の混合比とすることによって、触刻と
堆積を同時に発生させることができる。またこの混合比
を、調整することにより、堆積速度と触刻速度の比を変
えることができる。なお被触刻部材1上とエネルギー線
感応層2上の反応が、それぞれ異なる理由については明
確なメカニズムが現時点で分かっていない。しかしなが
らX線光電子スペクトル分析(XPS)を用いた堆積層
4の分析などから、ガス中のハロゲンと被触刻部材1が
親和性が良いために触刻反応になり、ガス中の水素とエ
ネルギー線感応層2が親和性が良いために堆積反応に結
びついていると推定している。
【0042】次に反応環境条件(触刻・堆積動作条件)
について説明する。気相反応の場合、本発明を達成する
反応環境条件は真空中であり、ガスの種類や流量にもよ
るが例えば圧力は1〜500mtorrの間で達成する
ことができる。そしてこの範囲の中で、ガス流量や圧
力、電源種、電力をコントロールすることによって、堆
積と触刻の速度比を可変することができる。先述の反応
材料は大流量、高圧条件下では堆積の性質が強く、低流
量、低圧力では触刻の性質が強く出る。なお、グロー放
電を発生させる高電圧は、直流または交流であり、後者
の場合0.1〜10000MHzの高周波を用いること
ができる。必要に応じてバイアスした交流であってもよ
いし、パルス変調したものであってもよい。また使用す
るガスに、希釈や反応の安定化、速度調整を目的として
He、N2、Ne、Ar、Kr、Xe、O2、O3、C
O、CO2、H2O(水蒸気)などを適量添加してもよ
い。
【0043】なお、本発明はこの要点に基づいた種々改
変が可能である。例えば反応材料は、触刻性ガスと堆積
性ガスを別々に用意する以外に、予め混合されたガスを
用いてもよい。またこれらが化学的に結合されたガスで
あってもよい。このような化合ガスは、堆積性と触刻性
の両方の性質を併せ持っており、ガス流量や、ガス圧
力、放電電源種、放電電力などの環境によって、両者の
性質の比率を変えることができるものである。例えば被
触刻部材1にシリコン、タンタル、モリブデン、金、白
金、ニオブ、チタン、タングステンやこれらの合金(酸
化物、窒化物、炭化物の例を含む)を選択し、エネルギ
ー線感応層2にレジストや感光性色素などの有機物を選
択した場合、CHF3、CH22、CHF2CF3、CH2
FCF3、CH3CHF2、C233、C3HF7、CF3
CH2CF3、C65CHCH2、などが代表例である。
また被触刻部材1にクロム、アルミニウム、金やこれら
の合金(酸化物、窒化物、炭化物の例を含む)を選択
し、エネルギー線感応層2にレジストや感光性色素など
の有機物を選択した場合、HCl、CH2Cl2、CHC
3、HBrなどが代表例である。この場合も反応環境
条件(触刻・堆積動作条件)については、やはりガスの
種類や流量にもよるが、例えば圧力は1〜500mto
rrの間で達成することができる。
【0044】また、例えば被触刻部材1をそのまま情報
記録担体の基体Bとなる例について説明してきたが、本
発明はこれに限るものではない。例えば触刻とは無関係
な平板10を用意し、この上に被触刻部材1を被着させ
てもよい。そしてこの被触刻部材1に対し、同様な触刻
・堆積処理を行って本発明を達成してもよい。なおここ
で被触刻部材1の厚みを予めEと同じにしておくと、安
定した深さEを得ることができ、好適である。また被触
刻部材1が高価な場合であっても材料コストを低くする
ことができる。なおこの工程については後述する実施例
2〜5で具体的に説明を行う。
【0045】また、公知のスタンパー製作手法に乗っ取
って、本発明なる基体Bをガラスマスターに見立てて、
スタンパーを作製してもよい。この場合、製作したスタ
ンパーから情報記録担体の基体(例えばプラスチック成
形による)を多量に複製することができ、大量配布が可
能となる。なおこの工程については後述する実施例4、
5で具体的に説明を行う。
【0046】実施例1 図1に従って、実施例1を説明する。表面があらかじめ
光学グレード並みに調整された被触刻部材1、石英ガラ
スを用意した。なお石英ガラスはシリコンの酸化物Si
O2が99%以上を占めるものである。そしてサイズは
外径120ミリ、内径15ミリ、厚み0.6ミリのドー
ナツ状とした(工程(a))。
【0047】続いて、被触刻部材1の表面にエネルギー
線感応層2を形成した。ここでは波長400nm台の可
視光に感光するナフトキノンジアジド系ポジ型フォトレ
ジスト、TSMR−V3(東京応化工業(株)製)を使
用した(工程(b))。続いて、エネルギー線感応層2
に対して、413nmのエネルギー線(クリプトンレー
ザーの輝線の1つ、図示せず)を部分的に照射した。情
報記録担体Aに刻まれるべきは微細パターン30であ
り、ここでは螺旋状にEFM変調信号を記録した。この
信号は、3T〜11Tまでの整数長、すなわち合計9種
類の長さの信号からなるものである。なお螺旋の間隔
(トラックピッチ)は0.485ミクロンとした。この
記録を施したエネルギー線感応層2に対してアルカリ水
溶液である燐酸水素ナトリウム水溶液を塗布して、現像
処理を行った。この結果得られた凹凸は、記録時の微細
パターン30に対応しており、最短ピット(3T)の場
合、最短ピット長は0.26ミクロン(開口部は0.2
65ミクロン、底部が0.260ミクロン)、開口部の
幅であるピット幅W1は0.35ミクロン、底部の幅W
2は0.30ミクロンであった(工程(c))。続い
て、この記録表面に対して気相中で触刻・堆積を行っ
た。ここでは装置に高周波グロー放電装置CSE−11
10(日本真空技術(株)製)を用い、チャンバーのカ
ソード電極に設置した後、真空に排気した。続いて触刻
性ガスとしてCF4を50sccm、堆積性ガスとして
2を2sccm流し、全ガス圧が100mtorrと
なるように排気量を調節した。続いて13.56MHz
の高周波を印加して、グロー放電を行った。この結果石
英ガラス1に対し触刻と、ポジ型レジスト2に対し堆積
が開始された。2.3分の処理の後にそれぞれの反応結
果を測定した。触刻深さEは80nmであり、堆積層4
の厚みDは90nm(0.09ミクロン)であった。な
お堆積層4の材料について、X線光電子スペクトル分析
(XPS)により分析を行ったところ、PTFE(4フ
ッ化エチレン)と類似したフッ素系ポリマーであった。
続いて寸法の計測を行い、開口部の幅W3は0.25ミ
クロン、底部の幅W4は0.12ミクロンであった。こ
れらはポジ型レジスト上の微細寸法の開口部の幅W1、
底部の幅W2を下回っており、微細化ができていた。ま
たW3<W2であり、またW4=W2−2Dの関係を満
足していた(工程(d))。言い換えれば図4のモデル
に従って、反応が進行したことが確認できた。最後に摂
氏110度に加温した硫酸、過酸化水素水混合液に浸漬
して、堆積層4とエネルギー線感応層2を同時に剥離
し、基体Bを完成させた。被触刻部材1に微細パターン
3が刻まれており、寸法W3,W4も工程(d)と同じ
であることを確認した。
【0048】続いてこの基体Bの表面上に、再生専用デ
ィスク用記録層5としてアルミニウムを70nm形成
し、保護層6として紫外線硬化樹脂XR11(住友化学
工業(株)製)を7ミクロン形成した(図6)。このよ
うにして得た情報記録担体に対し、基体1側より、収束
した紫レーザーを照射して信号再生を行った。レーザー
の波長は430nm(SHG光)、対物レンズ開口数N
Aは0.6である。この結果、EFMの信号が良好に再
生でき、ジッター6.4%の低ノイズ信号が得られた。
これより再生波長に見合ったディスクであることが確認
できた。なお半径22〜58mmまで記録した場合、そ
の記録容量は10GBと大容量になるものである。
【0049】なお、ここで記録層5を、アルミニウムに
変えてアルミニウム・チタン合金、アルミニウム・タン
タル合金、多元素系アルミニウム合金A6061、銀と
してもほぼ同様な信号特性が得られた。また金とした場
合は7.9%であった。
【0050】実施例2 図2に従って、実施例2を説明する。外径120ミリ、
内径15ミリ、厚み1.2ミリのドーナツ状とした平板
10を用意した。ここではソーダー石灰ガラスを用い
た。この表面にオルガノシラザン(例えば東京応化工業
(株)製TCPS)を光学グレード並みの平坦度でコー
ティングし、窒素雰囲気中で焼成することによって80
nmの被触刻部材1を形成した。なおオルガノシラザン
は、非酸素雰囲気中で焼成することによってシリコンの
窒化物と炭化物が三次元編み目構造を取るものである
(工程(a))。続いて被触刻部材1の表面にエネルギ
ー線感応層2を形成した。ここでは波長300nm台の
紫外線に感光するナフトキノンジアジド系ポジ型フォト
レジスト、THMR−iP3100(東京応化工業
(株)製)を使用した(工程(b))。
【0051】続いてエネルギー線感応層2に対して、3
64nmのエネルギー線(アルゴンレーザーの輝線の1
つ、図示せず)を部分的に照射した。情報記録担体Aに
刻まれるべき微細パターン30であり、ここでは螺旋状
にEFMプラスの変調信号(8−16変調)を記録し
た。この信号は、3T〜11Tまでの整数長及び14T
の合計10種類の長さの信号からなるものである。なお
記録にあたっては3T信号の強度を他よりも上げ、強調
して記録した。また螺旋の間隔(トラックピッチ)は
0.350ミクロンとした。この記録を施したエネルギ
ー線感応層2に対してアルカリ水溶液であるテトラメチ
ルアンモニウムヒドリド水溶液を塗布して、現像処理を
行った。この結果得られた凹凸は、記録時の微細パター
ン3に対応しており、最短ピット(3T)の場合、最短
ピット長は0.26ミクロン(開口部は0.265ミク
ロン、底部が0.260ミクロン)、開口部の幅である
ピット幅W1は0.29ミクロン、底部の幅W2は0.
26ミクロンであった(工程(c))。続いてこの記録
表面に対して気相中で触刻・堆積を行った。ここでは装
置に高周波グロー放電装置CSE−1110(日本真空
技術(株)製)を用い、チャンバーのカソード電極に設
置した後、真空に排気した。続いて触刻性と堆積性を兼
ね備えたガスとしてCHF3を40sccm流し、全ガ
ス圧が45mtorrとなるように排気量を調節した。
続いて13.56MHzの高周波を印加して、グロー放
電を行った。この結果被触刻部材1上に触刻と、エネル
ギー線感応層2上に堆積が開始された。1.4分の処理
の後にそれぞれの反応結果を測定した。触刻深さEは8
0nmであり、堆積層4の厚みは85nm(0.085
ミクロン)であった。なお堆積層4の材料について、X
線光電子スペクトル分析(XPS)により分析を行った
ところ、PTFE(4フッ化エチレン)と類似したフッ
素系ポリマーであった。続いて寸法の計測を行い、開口
部の幅W3は0.24ミクロン、底部の幅W4は0.0
9ミクロンであった。これらはポジ型レジスト上の微細
寸法、開口部の幅W1、底部の幅W2を下回っており、
微細化ができていた。またW3<W2であり、またW4
=W2−2Dの関係を満足していた(工程(d))。言
い換えれば図4のモデルに従って、反応が進行したこと
が確認できた。最後に加温した有機アミン系洗浄剤、剥
離液105(東京応化)に浸漬して、堆積層4とエネル
ギー線感応層2を同時に剥離し、基体Cを完成させた。
被触刻部材1に微細パターン3が刻まれており、寸法W
3,W4も工程(d)と同じであることを確認した。
【0052】続いてこの基体C表面上に記録層5とし
て、銀を50nm形成し、保護層6としてアクリルシー
ト100ミクロンを、紫外線硬化型接着剤XR−98
(住友化学工業(株)製)20ミクロンを介して形成し
た(図6)。このようにして得た情報記録担体Aに対
し、保護層6側より、収束した紫レーザーを照射して信
号再生を行った。430nm(SHG光)、対物レンズ
開口数NAは0.7である。この結果、EFMプラスの
信号が良好に再生でき、ジッター8.5%の低ノイズ信
号が得られた。なおここでジッターは、DVD規格のジ
ッター測定法(JIS−X−6241附属書F)に乗っ
取って測定した。これより再生波長に見合ったディスク
であることが確認できた。なお半径22〜58mmまで
記録した場合、その記録容量は15GBと大容量になる
ものである。
【0053】実施例3 図2に従って、実施例3を説明する。外径120ミリ、
内径15ミリ、厚み1.1ミリのドーナツ状とした平板
10を用意した。ここでは硼珪酸ガラス3を使用した。
この表面にはオルガノシラザン(例えば東京応化工業
(株)製TCPS)を光学グレード並みの平坦度でコー
ティングし、酸素雰囲気中で焼成することによって85
nmの被触刻部材1を形成した。なおオルガノシラザン
は、酸素雰囲気中で焼成することによってシリコンの酸
化物と炭化物が三次元編み目構造を取るものである(工
程(a))。続いて被触刻部材1の表面にエネルギー線
感応層2を形成した。ここでは波長300nm台の紫外
線に感光するポジ型フォトレジスト、THMR−iP3
600(東京応化工業(株)製)を使用した(工程
(b))。続いてエネルギー線感応層2に対して、35
1nmのエネルギー線(クリプトンレーザーの輝線の1
つ、図示せず)を部分的に照射した。情報記録担体Aに
刻まれるべき微細パターン30であり、ここでは螺旋状
に8−15変調信号を記録した。なお記録にあたっては
3T信号の強度を他よりも上げ、強調して記録した。ま
た螺旋の間隔(トラックピッチ)は0.341ミクロン
とした。この記録を施したエネルギー線感応層2に対し
てアルカリ水溶液であるテトラメチルアンモニウムヒド
リド及び微量の界面活性剤を添加した水溶液を塗布し
て、現像処理を行った。この結果得られた凹凸は、記録
時の微細パターン30に対応しており、最短ピット(3
T)の場合、最短ピット長は0.24ミクロン(開口部
は0.245ミクロン、底部が0.240ミクロン)、
開口部の幅であるピット幅W1は0.28ミクロン、底
部の幅W2は0.25ミクロンであった(工程
(c))。続いてこの記録表面に対して気相中で触刻・
堆積を行った。ここでは装置に高周波グロー放電装置C
SE−1110(日本真空技術(株)製)を用い、チャ
ンバーのカソード電極に設置した後、真空に排気した。
続いて触刻性と堆積性を兼ね備えたガスとしてCHF3
を30sccm流し、全ガス圧が10mtorrとなる
ように排気量を調節した。続いて13.56MHzの高
周波を印加して、グロー放電を行った。この結果被触刻
部材1上に触刻と、エネルギー線感応層2上に堆積が開
始された。1.8分の処理の後にそれぞれの反応結果を
測定した。触刻深さEは85nmであり、堆積層4の厚
みは85nm(0.085ミクロン)であった。続いて
寸法の計測を行い、開口部の幅W3は0.25ミクロ
ン、底部の幅W4は0.08ミクロンであった。これら
はポジ型レジスト上の微細寸法W1、W2を下回ってお
り、微細化ができていた。またW3とW2はほぼ同じで
あり、またW4=W2−2Dの関係を満足していた(工
程(d))。言い換えれば図3のモデルに従って、反応
が進行したことが確認できた。最後にオゾンガスプラズ
マによるアッシッグを行って、堆積層4とエネルギー線
感応層2を同時に剥離し、基体Cを完成させた。被触刻
部材1に微細パターン3が刻まれており、寸法W3,W
4も工程(d)と同じであることを確認した。続いてこ
の基体C表面上に記録層5としてアルミ・タンタル合金
を50nm形成し、保護層6として紫外線硬化樹脂SK
−7000(ソニーケミカル(株)製)を120ミクロ
ン形成した(図6)。このようにして得た情報記録担体
Aに対し、保護層5側より、収束した紫レーザーを照射
して信号再生を行った。レーザーの波長は400nm
(半導体レーザー)、対物レンズ開口数NAは0.7で
ある。この結果、EFMプラスの信号が良好に再生で
き、ジッター9.8%の低ノイズ信号が得られた。これ
より再生波長に見合ったディスクであることが確認でき
た。なお半径22〜58mmまで記録した場合、その記
録容量は18GBと大容量になるものである。
【0054】実施例4 図2に従って、実施例4を説明する。外径185ミリ、
内径20ミリ、厚み6ミリのドーナツ状とした平板10
を用意した。ここではソーダ石灰ガラスを用いた。この
表面にオルガノシロキサン(例えば東京応化工業(株)
製OCDtype7)を光学グレード並みの平坦度でコ
ーティングし、焼成することによって80nmの被触刻
部材1を用意した。なおオルガノシロキサンは焼成する
ことによってシリコンの酸化物と炭化物が三次元編み目
構造を取るものである(工程(a))。続いて被触刻部
材1の表面にエネルギー線感応層2を形成した。ここで
は波長400nm台の可視光に感光するナフトキノンジ
アジド系ポジ型フォトレジスト、AZP1350(クラ
リアントジャパン(株)製)を使用した(工程
(b))。続いてエネルギー線感応層2に対して、45
8nmのエネルギー線(図示せず)を部分的に照射し
た。情報記録担体Aに刻まれるべき微細パターン30で
あり、ここでは螺旋状にグルーブを記録(DC記録)し
た。また螺旋の間隔(トラックピッチ)は0.56ミク
ロンとした。この記録を施したエネルギー線感応層2に
対してアルカリ水溶液である燐酸水素ナトリウムの水溶
液を塗布して、現像処理を行った。この結果得られた凹
凸は、記録時の微細パターン30に対応しており、開口
部の幅であるグルーブ幅W1は0.46ミクロン、底部
の幅W2は0.36ミクロンであった(工程(c))。
続いてこの記録表面に対して気相中で触刻・堆積を行っ
た。ここでは装置に高周波グロー放電装置CSE−11
10(日本真空技術(株)製)を用い、チャンバーのカ
ソード電極に設置した後、真空に排気した。続いて触刻
性ガスとしてC58を60sccm、堆積性ガスとして
CH 2を10sccm流し、更に反応安定化のためにO2
を3sccm流し、全ガス圧が65mtorrとなるよ
うに排気量を調節した。続いて13.56MHzの高周
波を印加して、グロー放電を行った。この結果被触刻部
材1上に触刻と、エネルギー線感応層2上に堆積が開始
された。4分の処理の後にそれぞれの反応結果を測定し
た。触刻深さEは80nmであり、堆積層4の厚みは2
0nm(0.02ミクロン)であった。続いて寸法の計
測を行い、開口部の幅W3は0.08ミクロン、底部の
幅W4は0.04ミクロンであった。これらはエネルギ
ー線感応層2上の微細寸法W1、W2を下回っており、
微細化ができていた。またW3<W2であり、W4=W
2−2Dの関係を満足していた(工程(d))。言い換
えれば図4のモデルに従って、反応が進行したことが確
認できた。最後に酸素ガスプラズマによるアッシッグを
行って、堆積層4を除去し、続いてアセトンに浸漬し
て、エネルギー線感応層2を剥離し、基体Cを完成させ
た。被触刻部材1上に微細パターン3が刻まれており、
寸法W3,W4も工程(d)と同じであることを確認し
た。
【0055】続いてこの基体Cをガラスマスターと見立
てて、公知のスタンパー工程により、スタンパーを製作
した。そしてスタンパーから、ポリカーボネート樹脂を
用いて公知の射出成形することによって、外径120ミ
リ、内径15ミリ、厚み1.2ミリのドーナツ状のディ
スク基板(図示せず)を得た。この表面には微細パター
ン3が転写されており、その寸法は工程(d)と同じで
あった。
【0056】次に、この基板に記録層5と保護層6を形
成した。記録層5は記録再生型光磁気記録膜として、D
WDD型4層膜(GdFeCoAl,TbFe,TbF
eAl,TbFeCo)をSiN誘電体層でサンドイッ
チし、更に反射膜であるアルミ・チタンを積層した構造
とした。次に保護層6として紫外線硬化樹脂であるSD
−1700(大日本インキ化学工業(株)製)を4ミク
ロン厚で形成した(図6)。このようにして得た情報記
録担体Aに対し、グルーブ側をアニールすることで磁気
分断して記録再生に供した。そして基板側より収束した
赤レーザーを照射し、磁界変調記録により信号の記録、
そして再生を行った。記録装置は波長650nm(半導
体レーザー)、レンズ開口数0.6であり、記録パワー
は4mW、再生パワーは2mWとした。記録信号はマー
ク長0.1ミクロンの単一周波数信号とした。この結果
信号は良好に再生でき、C/N(搬送波対雑音比)36
dBと低ノイズの信号が得られた。
【0057】実施例5 図2に従って、実施例5を説明する。外径200ミリ、
厚み10ミリの円盤状とした平板10を用意した。ここ
ではアルミノ珪酸ガラスを用いた。この表面にはスパッ
タリング法を用い、光学グレード並みの平坦度で酸化シ
リコンを形成することによって45nmの被触刻部材1
を形成した(工程(a))。続いて被触刻部材1の表面
にエネルギー線感応層2を形成した。ここでは波長20
0nm台の遠紫外線に感光する化学増幅型ポジ型フォト
レジスト、TDUR−P007(東京応化工業(株)
製)を使用した(工程(b))。続いてエネルギー線感
応層2に対して、266nmのエネルギー線(532n
mレーザーのSHG、図示せず)を部分的に照射した。
情報記録担体Aに刻まれるべき微細パターン30であ
り、ここでは螺旋状にグルーブを記録(DC記録)し
た。また螺旋の間隔(トラックピッチ)は0.5ミクロ
ンとした。この記録を施したエネルギー線感応層2に対
してアルカリ水溶液であるテトラメチルアンモニウムヒ
ドリド及び微量の界面活性剤の水溶液を塗布して、現像
処理を行った。この結果得られた凹凸は、記録時の微細
パターン3に対応しており、開口部の幅であるグルーブ
幅W1は0.15ミクロン、底部の幅W2は0.09ミ
クロンであった(工程(c))。続いてこの記録表面に
対して気相中で触刻・堆積を行った。ここでは装置に高
周波グロー放電装置CSE−1110(日本真空技術
(株)製)を用い、チャンバーのカソード電極に設置し
た後、真空に排気した。続いて触刻性ガスとしてCF4
を5sccm、堆積性ガスとしてH2を0.5sccm
流し、全ガス圧が1mtorrとなるように排気量を調
節した。続いて13.56MHzの高周波を印加して、
グロー放電を行った。この結果被触刻部材1上に触刻
と、エネルギー線感応層2上に堆積が開始された。1.
5分の処理の後にそれぞれの反応結果を測定した。触刻
深さEは45nmであり、堆積層4の厚みは20nm
(0.02ミクロン)であった。続いて寸法の計測を行
い、開口部の幅W3は0.09ミクロン、底部の幅W4
は0.05ミクロンであった。これらはエネルギー線感
応層2上の微細寸法W1、W2を下回っており、微細化
ができていた。またW3とW2は同じであり、またW4
=W2−2Dの関係を満足していた(工程(d))。言
い換えれば図3のモデルに従って、反応が進行したこと
が確認できた。最後に水蒸気を混合した酸素ガスプラズ
マによるアッシッグを行って、堆積層4を除去し、続い
てNメチル−2−ピロリドンに浸漬して、エネルギー線
感応層2を剥離し、基体Cを完成させた。被触刻部材1
上に微細パターン3が刻まれており、寸法W3,W4も
工程(d)と同じであることを確認した。続いてこの基
体Cをガラスマスターと見立てて、公知のスタンパー工
程により、スタンパーを製作した。そしてスタンパーか
ら、ポリカーボネート樹脂を用いて公知の射出成形する
ことによって、外径130ミリ、内径15ミリ、厚み
0.6ミリのドーナツ状のディスク基板(図示せず)を
得た。この表面には微細パターン3が転写されており、
その寸法は工程(d)と同じであった。次に、この基板
に記録層5と保護層6を形成した。記録層5は記録再生
型相変化記録膜GeSbTeNを、ZnS・SiO誘電
体層でサンドイッチし、更に反射膜であるアルミ・チタ
ンを積層した構造とした。次に保護層6として紫外線硬
化樹脂であるSD−1700(大日本インキ化学工業
(株)製)を8ミクロン厚で形成した(図6)。このよ
うにして得た情報記録担体Aに対し、公知のイニシャラ
イズ(初期化)を行って記録再生に供した。そして基板
側より、収束した緑レーザーを照射して信号の記録・再
生を行った。記録装置は波長532nm(SHG光)、
レンズ開口数0.6であり、記録パワーは8mW、消去
パワーは3.5mW、再生パワーは1mWであった。記
録信号は8−16変調のランダム信号を使用し、最短マ
ーク長である3Tは0.35ミクロンとした。この結
果、EFMプラスの信号が良好に再生でき、再生ジッタ
ーは7.9%と低ノイズ信号が得られた。これより再生
波長に見合ったディスクであることが確認できた。
【0058】実施例6 図2に従って、実施例6を説明する。外径240ミリ、
厚み6ミリの円盤状とした平板10を用意した。ここで
は光学グレード並みの平坦度で作られた無アルカリガラ
スを用いた。この表面にはスパッタリング法を用い、光
学グレード並みの平坦度でクロムを形成することによっ
て60nmの被触刻部材1を形成した(工程(a))。
続いて被触刻部材1の表面にエネルギー線感応層2を形
成した。ここでは波長400nm台の紫外線に感光し、
穴が形成される昇華型感光性樹脂を使用した(工程
(b))。続いてエネルギー線感応層2に対して、40
7nmのエネルギー線(図示せず)を部分的に照射し
た。情報記録担体Aに刻まれるべき微細パターン30で
あり、ここでは螺旋状にグルーブを記録(DC記録)し
た。また螺旋の間隔(トラックピッチ)は0.50ミク
ロンとした。この記録によって、感光と像形成が同時に
行われて、凹凸が得られた。この結果得られた凹凸は、
記録時の微細パターン3に対応しており、開口部の幅で
あるグルーブ幅W1は0.33ミクロン、底部の幅W2
は0.29ミクロンであった(工程(c))。続いてこ
の記録表面に対して気相中で触刻・堆積を行った。ここ
では装置に高周波グロー放電装置CSE−1110(日
本真空技術(株)製)を用い、チャンバーのカソード電
極に設置した後、真空に排気した。続いて触刻性ガスと
してCCl4を100sccm、堆積性ガスとしてCH
4を30sccm流し、全ガス圧が80mtorrとな
るように排気量を調節した。続いて13.56MHzの
高周波を印加して、グロー放電を行った。この結果被触
刻部材1上に触刻と、エネルギー線感応層2上に堆積が
開始された。1.5分の処理の後にそれぞれの反応結果
を測定した。触刻深さEは60nmであり、堆積層4の
厚みは95nm(0.095ミクロン)であった。続い
て寸法の計測を行い、開口部の幅W3は0.23ミクロ
ン、底部の幅W4は0.10ミクロンであった。これら
はエネルギー線感応層2上の微細寸法W1、W2を下回
っており、微細化ができていた。またW3<W2であ
り、またW4=W2−2Dの関係を満足していた(工程
(d))。言い換えれば図4のモデルに従って、反応が
進行したことが確認できた。最後に摂氏120度に加温
した硫酸、過酸化水素水混合液に浸漬して、堆積層4と
エネルギー線感応層2を同時に剥離し、基体Cを完成さ
せた。被触刻部材1に微細パターン30が刻まれてお
り、寸法W3,W4も工程(d)と同じであることを確
認した。
【0059】実施例7 図2に従って、実施例7を説明する。外径200ミリ、
厚み6ミリの円盤状とした平板10を用意した。ここで
は光学グレード並みの平坦度で作られたバリウム硼珪酸
ガラスを用いた。この表面にはスパッタリング法を用
い、光学グレード並みの平坦度で酸化シリコンを形成す
ることによって16nmの被触刻部材1を形成した(工
程(a))。続いて被触刻部材1の表面にエネルギー線
感応層2を形成した。ここでは波長300nm台の紫外
線に感光するポジ型フォトレジスト、THMR−iP3
650(東京応化工業(株)製)を使用した(工程
(b))。続いてエネルギー線感応層2に対して、32
5nmのエネルギー線を部分的に照射した。情報記録担
体Aに刻まれるべき微細パターン30であり、ここでは
同芯円状にグルーブを記録(DC記録)した。また同芯
円の間隔(トラックピッチ)は0.40ミクロンとし
た。この記録を施したエネルギー線感応層2に対してア
ルカリ水溶液である水酸化カリウム水溶液を塗布して、
現像処理を行った。この結果得られた凹凸は、記録時の
微細パターン30に対応しており、開口部の幅であるグ
ルーブ幅W1は0.20ミクロン、底部の幅W2は0.
17ミクロンであった(工程(c))。続いてこの記録
表面に対して気相中で触刻・堆積を行った。ここでは装
置に高周波グロー放電装置CSE−1110(日本真空
技術(株)製)を用い、チャンバーのカソード電極に設
置した後、真空に排気した。続いて触刻性と堆積性を兼
ね備えたガスとしてCH2F2を20sccm流し、全
ガス圧が15mtorrとなるように排気量を調節し
た。続いて13.56MHzの高周波を印加して、グロ
ー放電を行った。この結果被触刻部材1上に触刻と、エ
ネルギー線感応層2上に堆積が開始された。0.3分の
処理の後にそれぞれの反応結果を測定した。触刻深さE
は18nmであり、堆積層4の厚みは35nm(0.0
35ミクロン)であった。続いて寸法の計測を行い、開
口部の幅W3は0.13ミクロン、底部の幅W4は0.
10ミクロンであった。これらはエネルギー線感応層2
上の微細寸法W1、W2を下回っており、微細化ができ
ていた。またW3<W2であり、またW4=W2−2D
の関係を満足していた(工程(d))。言い換えれば図
4のモデルに従って、反応が進行したことが確認でき
た。最後に摂氏110度に加温した硫酸、過酸化水素水
混合液に浸漬して、堆積層4とエネルギー線感応層2を
同時に剥離し、基体Cを完成させた。被触刻部材1に微
細パターン30が刻まれており、寸法W3,W4も工程
(d)と同じであることを確認した。
【0060】実施例8 図2に従って、実施例8を説明する。外径240ミリ、
厚み10ミリの円盤状とした平板10を用意した。ここ
では光学グレード並みの平坦度で作られたアルミニウム
を用いた。この表面にはスパッタリング法を用い、光学
グレード並みの平坦度でモリブデンシリサイドを形成す
ることによって25nmの被触刻部材1を形成した(工
程(a))。続いて被触刻部材1の表面にエネルギー線
感応層2を形成した。ここでは電子線に露光するポジ型
フォトレジスト、ZEP100(日本ゼオン(株)製)
を使用した(工程(b))。続いてエネルギー線感応層
2に対して、電子線を部分的に照射した。情報記録担体
Aに刻まれるべき微細パターン30であり、ここでは螺
旋状にグルーブを記録(DC記録)した。また螺旋の間
隔(トラックピッチ)は0.20ミクロンとした。この
記録を施したエネルギー線感応層2に対してアルカリ水
溶液である水酸化ナトリウム水溶液を塗布して、現像処
理を行った。この結果得られた凹凸は、記録時の微細パ
ターン30に対応しており、開口部の幅であるグルーブ
幅W1は0.10ミクロン、底部の幅W2は0.07ミ
クロンであった(工程(c))。続いてこの記録表面に
対して気相中で触刻・堆積を行った。ここでは装置に高
周波グロー放電装置CSE−1110(日本真空技術
(株)製)を用い、チャンバーのカソード電極に設置し
た後、真空に排気した。続いて触刻性と堆積性を兼ね備
えたガスとしてCHF3を5sccm流し、全ガス圧が
5mtorrとなるように排気量を調節した。続いて1
3.56MHzの高周波を印加して、グロー放電を行っ
た。この結果被触刻部材1上に触刻と、エネルギー線感
応層2上に堆積が開始された。0.2分の処理の後にそ
れぞれの反応結果を測定した。触刻深さEは25nmで
あり、堆積層4の厚みは50nm(0.050ミクロ
ン)であった。続いて寸法の計測を行い、開口部の幅W
3は0.07ミクロン、底部の幅W4は0.06ミクロ
ンであった。これらはエネルギー線感応層2上の微細寸
法W1、W2を下回っており、微細化ができていた。ま
たW3とW2はほぼ同じであり、またW4=W2−2D
の関係を満足していた(工程(d))。言い換えれば図
3のモデルに従って、反応が進行したことが確認でき
た。最後に酸素ガスプラズマによるアッシングを行っ
て、堆積層4とエネルギー線感応層2を同時に剥離し、
基体Cを完成させた。被触刻部材1に微細パターン30
が刻まれており、寸法W3,W4も工程(d)と同じで
あることを確認した。
【0061】以上の如く、本発明なる触刻と同時に堆積
を行う加工方法では、いずれも記録した微細パターン
(開口部の幅W1,底部の幅W2)を下回る加工寸法で
底部の幅W4が出来上がっており、本発明の効果が明瞭
であった。
【0062】以上、本発明の情報記録担体用基体を用い
た情報記録担体複製用原盤及びこれらから形成される情
報記録担体について縷々説明を行ってきた。本発明はこ
れら実施例に記載した内容に限定されるものではなく、
本発明の要点を損なわないものであれば、種々改変が可
能である。例えば各構成材料や寸法は、必要に応じ随時
変更することができる。
【0063】例えば情報記録担体Aの形状はディスク状
に限らず、カード状やテープ状であってもよい。また情
報記録担体用基体B、Cにはピットやグルーブ以外に、
認証マーク、ホログラム画像、バーコードなどが刻まれ
てあってもよい。
【0064】次に使用する材料について補足する。記録
層5は再生専用型の場合、アルミニウム、金、銀、タン
タル、チタン以外に、銅、クロム、ニッケル、シリコ
ン、モリブデン、鉄、亜鉛、ガリウム、砒素、硫黄など
の金属又はその合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物
の例を含む)を用いることができる。屈折率の異なる膜
を複数積層して干渉効果を持たせて使用してもよいもの
である。
【0065】また記録型の場合、これら記録層は公知の
記録材料に置き換えることができる。例えば繰り返し書
き換え可能な光磁気記録としては、テルビウム、コバル
ト、鉄、ガドリニウム以外に、ネオジム、ジスプロシウ
ム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、
プロセオジム、パラジウム、エルビウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム、錫、マンガン、チタン、クロムなどの
合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物の例を含む)を
用いることができ、特に遷移金属と希土類の合金で構成
するのが好適である。またコバルトと白金の交互積層膜
を用いて光磁気記録層としてもよい。
【0066】また、繰り返し書き換え可能な相変化記録
としては、ゲルマニウム、アンチモン、テルル以外にイ
ンジウム、セレン、白金、金、銀、銅、錫、硫黄、砒
素、ガリウムなどの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭
化物の例を含む)を用いることができる。インジウム合
金とテルル合金の積層膜を用いて相変化記録層としても
よい。
【0067】更に、1回のみ書き込める追記型相変化記
録としては、テルル、ビスマスなどの低融点金属や合金
(合金とは酸化物、窒化物、炭化物の例を含む)を用い
ることができる。
【0068】更にまた、1回のみ書き込める追記型色素
記録としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナ
フタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フ
ルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用
いることができる。
【0069】なお、これら光磁気記録層、相変化記録
層、追記型相変化記録層、追記型色素記録層に再生出力
向上の目的で、光学干渉膜(SiN、SiO、ZnS、
ZnSSiO、AlO、MgF、InO、ZrOなど)
や光反射膜(アルミニウム、金など)を併用して積層し
てもよい。また、高密度記録再生を行うために、公知の
超解像マスク膜やコントラスト増強膜を併用して積層し
ても良い。
【0070】保護層6としては紫外線硬化樹脂やアクリ
ルシートを使用したが、これに限定されず、可視光を含
む各種放射線硬化樹脂や電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂、
湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、アセテートシー
ト、ポリカーボネートシートなどを用いてもよい。また
必要に応じ保護層6の上に印刷やシール等による内容表
示を施してもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、触刻と同
時に堆積を行う加工方法を提供し、エネルギー線感応層
上の微細トラックパターンのトラック幅よりも狭いトラ
ック幅のトラックパターンを被触刻部材上に形成するこ
とができる。また、これにより形成された情報記録担体
用基体を用いることによって、情報記録担体の高密度、
大容量化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録担体用基体の製造方法を説明
するための図である。
【図2】本発明の情報記録担体用基体の製造方法を説明
するための図である。
【図3】本発明の情報記録担体用基体の製造方法の要部
である、触刻及び堆積工程を説明するための図である。
【図4】本発明の情報記録担体用基体の製造方法の要部
である、触刻及び堆積工程を説明するための図である。
【図5】従来の情報記録担体用基体の製造方法を説明す
るための図である。
【図6】情報記録担体の積層構造を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 被触刻部材 1a,2a 露光部分 2 エネルギー線感応層 4 堆積層 30 トラックパターン D 厚さ E 深さ W1〜W4 幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被触刻部材上に形成したエネルギー線感
    応層上に、エネルギー線を照射して、所定の微細トラッ
    クパターンに応じて、前記エネルギー線感応層を露光す
    る第1工程と、 次に、露光部分又は未露光部分の前記エネルギー線感応
    層を除去して、下層に位置する前記被触刻部材を、前記
    微細トラックパターンのトラック幅で露出する第2工程
    と、 次に、前記被触刻部材の露出部分を所定の深さに触刻す
    ると同時に、前記エネルギー線感応層上に所定の厚さの
    堆積層を形成する第3工程と、 次に、前記エネルギー線感応層及び前記堆積層を除去す
    る第4工程とを備え、 前記第3工程における触刻速度と堆積速度との比を調整
    して、前記被触刻部材上に、前記所定の微細トラックパ
    ターンのトラック幅よりも狭いトラック幅のトラックパ
    ターンを形成することを特徴とする情報記録担体用基体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第3工程が、真空装置中で特定の反応
    環境条件の下、特定の反応材料中でグロー放電すること
    によって、触刻と同時に堆積を行う工程であることを特
    徴とする請求項1に記載の情報記録担体用基体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記特定の反応環境条件が、1〜500m
    torrのガス圧であることを特徴とする請求項2に記
    載の情報記録担体用基体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記特定の反応材料が、フッ素または塩素
    または臭素を含むガスと水素を含むガスを混合又は化合
    したガスとしたことを特徴とする請求項2又は請求項3
    に記載の情報記録担体用基体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4いずれかに記載の情
    報記録担体用基体の製造方法によって製造された情報記
    録担体用基体であって、 前記被触刻部材上に形成されている前記トラックパター
    ンは、前記所定の微細トラックパターンのトラック幅よ
    りも狭いトラック幅を有することを特徴とする情報記録
    担体用基体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005263605A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Ulvac Japan Ltd 珪酸ガラスのエッチング方法及びマイクロレンズアレイ

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JP2005263605A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Ulvac Japan Ltd 珪酸ガラスのエッチング方法及びマイクロレンズアレイ

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