JP2001056496A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2001056496A
JP2001056496A JP2000171231A JP2000171231A JP2001056496A JP 2001056496 A JP2001056496 A JP 2001056496A JP 2000171231 A JP2000171231 A JP 2000171231A JP 2000171231 A JP2000171231 A JP 2000171231A JP 2001056496 A JP2001056496 A JP 2001056496A
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JP
Japan
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cartridge chamber
cartridge
film
lock
chamber lid
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Pending
Application number
JP2000171231A
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English (en)
Inventor
Yoji Naka
洋二 那珂
Takashi Kamoda
隆 鴨田
Haruo Onozuka
春夫 小野塚
Noboru Shimada
昇 島田
Kazuhiko Onda
和彦 恩田
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Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムカートリッジの遮光蓋の開放中は、
カートリッジ室蓋をロックする。 【解決手段】 カム板33は、カメラ本体を覆うスライ
ドカバーに取り付けられている。フイルムカートリッジ
8が装填されるカートリッジ室のカートリッジ室蓋は、
スライドカバーによって常時覆われており、スライドカ
バーがカートリッジ交換位置にあるときだけ開放可能と
なる。フイルム給送機構内のフリクション板67は、フ
イルム巻上げ時と巻戻し時とに外周のロック用カム片6
7a,67bでロックレバー71をカメラ本体外に向け
て押圧する。ロックレバー71は、ロック爪35をカム
板33の側面33eに係合させて、スライドカバーのカ
ートリッジ交換位置へのスライドを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラに関し、更
に詳しくは、カートリッジ室蓋の誤開放を防止するカメ
ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラには、フイルムカートリッジが装
填されるカートリッジ室とこのカートリッジ室を開閉す
るカートリッジ室蓋とが設けられている。また、カート
リッジ室内にフイルムカートリッジが装填されている際
のカートリッジ室蓋の開放を防止するために、以下に記
すような各種方法が発明されている。
【0003】例えば、特開平7−319057号公報に
は、フイルム給送用モータのフイルム巻上げ方向への回
転を利用してカートリッジ室蓋をロックする発明が記載
されている。また、特開平7−199305号公報に
は、カートリッジ本体から写真フイルムが出ているか否
かを検出し、写真フイルムが出ている場合にカートリッ
ジ室蓋をロックする方法が記載されている。更に、特開
昭63−70540号公報には、アクチュエータやモー
タ等を利用して、カートリッジ室蓋をロックする方法が
記載されている。
【0004】また、スプールの停止位置によって写真フ
イルムの使用状態を表示する使用状態表示機構を備えた
IX240タイプのフイルムカートリッジが装填される
カメラでは、使用状態表示が未使用,撮影途中,撮影済
みの各位置にあるときにのみカートリッジ室蓋の開放を
許容する方法も発明されている。
【0005】また、特開平7−13242号公報には、
使用位置と不使用位置との間でスライド自在なスライド
カバーを備えたカメラが記載されており、このスライド
カバーによってカートリッジ室蓋を押さえることで、カ
ートリッジ室の開放を阻止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−319057号公報記載の発明は、給送用モータが
フイルム巻戻し方向に回転されている間は、カートリッ
ジ室蓋がロックされないという問題があった。
【0007】また、IX240タイプのフイルムカート
リッジを使用するカメラでは、写真フイルムの巻き戻し
後に、フイルム出入り口の遮光蓋を開放した状態で使用
状態表示機構のセットが行われる。そのため、特開平7
−199305号公報記載の発明では、使用状態表示機
構のセット時にカートリッジ室蓋が開放されてしまうこ
とがあった。
【0008】更に、特開昭63−70540号公報記載
の発明は、消費電力の上昇,コストアップ等の問題が発
生し、配置スペースの確保も必要となる。
【0009】また、フイルムカートリッジの使用状態表
示機構を利用した方法では、フイルムカートリッジのス
プールの回転とともに使用状態表示が変化するため、写
真フイルムの巻上げ,巻戻し時に特定のタイミングでカ
ートリッジ室蓋が開放されてしまうことがあった。
【0010】更に、特開平7−13242号公報記載の
カメラでは、スライドカバーにロック機構が設けられて
いないため、いつでもスライドカバーをスライドさせて
カートリッジ室蓋を開放することができた。
【0011】また、カートリッジ室蓋のロック解除動作
を行なっている際に、カートリッジ室蓋が無理に開き方
向に付勢されると、ロック機構の動作が妨げられたり、
ロック機構が破損してしまうという問題があった。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためのも
ので、フイルムカートリッジの遮光蓋が開放している状
態で、カートリッジ室蓋が確実にロックされるようにし
たカメラを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のカメラは、給送用モータの回転方向が切
り換わってから一定量の回転を行った後に、給送用モー
タの回転をフイルム給送機構に遅れて伝達する遅延機構
と、フイルム巻上げ駆動時とフイルム巻戻し駆動時と
に、遅延機構によってフイルム給送機構が駆動されない
期間の給送用モータの回転を利用してカートリッジ室蓋
を閉じ位置でロックするカートリッジ室蓋ロック機構と
を設けたものである。
【0014】また、カートリッジ室蓋ロック機構のロッ
ク解除は、フイルム巻戻し完了後に給送用モータをフイ
ルム巻上げ方向に回転させ、遅延機構によってフイルム
給送機構が駆動されない期間の給送用モータの回転を利
用して行うようにしたものである。
【0015】更に、カートリッジ室蓋ロック機構は、遅
延機構によってフイルム給送機構が駆動されない期間の
給送用モータの回転により、巻上げロック位置と、巻戻
しロック位置との間で移動するカム部材と、このカム部
材が巻上げロック位置と巻戻しロック位置とにある際に
カム部材に押圧されてカートリッジ室蓋開閉機構に係合
してロックするロック部材とから構成したものである。
また、カートリッジ室蓋ロック機構のロック解除は、カ
ム部材がロック解除位置にある際に、ロック部材をカー
トリッジ室蓋開閉機構から離すことにより行なってい
る。
【0016】また、カートリッジ室蓋ロック機構による
ロック解除を検出するロック解除検出用センサを設ける
とともに、給送用モータの回転開始から一定時間経過後
に解除信号が検出されない際には、解除エラー処理を行
うようにしたものである。更に、フイルム給送用モータ
の回転を検出するモータ用センサを設け、カートリッジ
室蓋のロックを解除する際のフイルム巻上げ方向への給
送用モータの一定量の回転を制御するようにしたもので
ある。
【0017】また、給送用モータの回転方向の切り替え
時に、カートリッジ室蓋がロックされるまでの期間だけ
給送用モータの回転速度を速くして、カートリッジ室蓋
のロックが解除される領域を早く通過するようにしたも
のである。
【0018】更に、カートリッジ室蓋ロック機構は、ロ
ック解除動作時にカートリッジ室蓋が開き位置に向けて
付勢されても、ロック解除動作を妨げないようにしたも
のである。
【0019】また、カートリッジ室蓋開閉機構として、
撮影が行われないようにする不撮影位置と、撮影が行え
るようにする撮影位置と、フイルムカートリッジの交換
を行えるようにするカートリッジ交換位置との間で移動
自在とされ、不撮影位置と撮影位置とにある際にカート
リッジ室蓋を覆ってカートリッジ室蓋の開閉を阻止する
カバー部材を用いたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1,図2,図3は、本発明を実
施したカメラ2の不使用時,撮影時,カートリッジ交換
時のそれぞれの状態を示す外観斜視図である。カメラ2
は、各種撮影機構が組み込まれた略矩形形状のカメラ本
体3と、このカメラ本体3に側方から被せられるように
取り付けられてスライド自在とされたスライドカバー4
とからなる。カバー部材であるスライドカバー4は、例
えばプラスチックや、アルミニウム,チタン等の軽量で
強度の高い材料にて形成されている。
【0021】カメラ2は、不使用時にカメラ本体3のほ
ぼ全域がスライドカバー4内に収められることでコンパ
クトになり、更に外装面の凹凸が無くなって携帯性が向
上する。撮影時には、スライドカバー4からカメラ本体
3が引き出されてグリップとして使用される。また、カ
ートリッジ交換時では、スライドカバー4の底面によっ
て隠されていたカートリッジ室蓋6が完全に露呈され
る。これにより、カートリッジ室蓋6によって塞がれて
いたカートリッジ室7に、IX240タイプのフイルム
カートリッジ8を装填あるいは取り出しすることができ
る。
【0022】スライドカバー4はカメラ本体3に対し
て、図1に示す不撮影位置と、図2に示す撮影位置と、
図3に示すカートリッジ交換位置と、撮影位置とカート
リッジ交換位置との間の図示しないロック位置との4つ
の位置で停止される。また、スライドカバー4は、電源
スイッチの操作部材としての機能も有しており、撮影位
置にスライドされた際にカメラ本体3の電源がオンし、
撮影位置以外の位置にある際にはカメラ本体3の電源が
オフする。
【0023】カメラ本体3の前面及び上面には、レンズ
鏡筒10,ストロボ発光部11,ファインダ12,測光
用受光窓13,測距用投光窓14a及び測距用受光窓1
4b,ロック解除操作部材15等が設けられている。測
距用受光窓14bは、スライドカバー4の前面に設けら
れた開口に透明な保護板が取り付けられてなり、スライ
ドカバー4が撮影位置にスライドされた際に、カメラ本
体3の前面に設けられた測距用の受光センサに対面す
る。
【0024】レンズ鏡筒10は、撮影レンズ16を含む
望遠光学系が組み込まれており、カメラ2の電源オフ時
にカメラ本体3内に沈胴し、オンすると同時に繰り出さ
れる。ストロボ発光部11は、カメラ本体3からポップ
アップされる露呈位置と、カメラ本体3内に収納される
収納位置との間で回動自在とされており、カメラ本体3
がスライドカバー4から引き出されると同時にバネ付勢
により露呈位置に移動する。ロック解除操作部材15
は、スライドカバー4を撮影位置からカートリッジ交換
位置に移動させる際に、スライドカバー4を撮影位置で
ロックしているカバーロック機構を解除する。
【0025】カメラ本体3からスライドカバー4を取り
外した状態を表す図4に示すように、カメラ本体3の背
面には、液晶パネル18,各種設定スイッチ19,撮影
サイズ切換えスイッチ20,二つのズームスイッチ21
a,21b等が設けられている。各種設定スイッチ19
の中には、途中巻戻しスイッチ等も含まれている。ズー
ムスイッチ21a,21bは、スライドカバー4が撮影
位置にスライドされた際に、スライドカバー4の背面に
設けられた半円形状のズームボタン22a,22bが対
面する。これにより、ズームボタン22a,22bを介
してズームスイッチ21a,21bを操作することがで
きる。
【0026】また、カメラ本体3の上面には、半押し時
にカメラ本体3内の測距装置,測光装置に測距,測光を
行わせ、全押し時にシャッタユニットにシャッタレリー
ズを行わせるシャッタスイッチ24が設けられている。
このシャッタスイッチ24は、スライドカバー4が撮影
位置にある際にスライドカバー4の上面に設けられたシ
ャッタボタン25が対面し、シャッタボタン25を介し
て操作される。
【0027】カメラ本体3の底面には、カートリッジ室
7を開閉するカートリッジ室蓋6が取り付けられてい
る。図5に示すように、このカートリッジ室蓋6は、略
板形状とされており、一辺6aがカメラ本体3の底面の
中央部近傍に軸着され、同図(A),(B)に示すよう
に、カートリッジ室7を閉鎖する閉じ位置と、同図
(C)に示すように、カートリッジ室7を開放する開き
位置との間で回動自在とされている。レンズ鏡筒10を
挟むカートリッジ室7の反対側には、カートリッジ本体
30から引き出された写真フイルム31が巻き上げられ
るフイルム室(図示せず)が設けられている。
【0028】カメラ本体3の底面でカートリッジ室7の
側方には、カメラ本体3の電源として使用される電池2
7が収納される電池室(図示せず)が設けられている。
この電池室は、電池蓋28によって開閉される。
【0029】スライドカバー4の底面には大きな切欠4
aが形成されている。この切欠4aは、図5(C)に示
すように、スライドカバー4がカートリッジ交換位置に
スライドされた際にカートリッジ室蓋6を完全に露呈さ
せ、カートリッジ室7を開放できるようにする。また、
同図(A)に示すように、スライドカバー4が不撮影位
置にある際や、同図(B)に示すように、スライドカバ
ー4がロック位置にある際には、スライドカバー4の底
面でカートリッジ室蓋6を押さえ、カートリッジ室蓋6
の不用意な開放を阻止する。これにより、スライドカバ
ー4には、カートリッジ室蓋を閉じ位置で保持し、開放
操作に応じて開き位置に移動させるカートリッジ室蓋開
閉機構としての機能が与えられている。
【0030】なお、スライドカバー4の底面で押さえら
れるカートリッジ室蓋6の部位は、軸着部6aとは反対
の先端部6bであるため、スライドカバー4とカメラ本
体3との間の隙間によってカートリッジ室蓋6が開いて
しまうことはない。また、切欠4aは、スライドカバー
4が不撮影位置にある場合でも電池蓋28を塞がないた
め、カメラ2の電池交換は不撮影状態で行うことができ
る。
【0031】スライドカバー4の背面側内壁には、長方
形のカム板33が取り付けられている。また、カメラ本
体3の背面のカム板33に対面する位置には、カム板3
3の各部に係合する撮影位置用ロック爪34,カートリ
ッジ交換用ロック爪35,取外し用ロック爪36の3個
のロック爪が突出されている。カメラ本体3の開口3a
からは、カム板33の下部に設けられた噛合歯33a,
33bに噛合する伝達ギヤ75の一部分が突出されてい
る。
【0032】撮影位置用ロック爪34は、スライドカバ
ー4を撮影位置でロックするカバーロック機構を構成す
る。撮影位置用ロック爪34は、カム板33に形成され
たスリット33c内に挿入され、このスリット33cの
内壁に係合することでスライドカバー4を撮影位置で停
止させる。この撮影位置用ロック爪34は、カメラ本体
3の上面に設けられたロック解除操作部材15の操作に
よってカメラ本体3内に引き込まれ、カム板33との係
合が解除される。
【0033】カートリッジ交換用ロック爪35は、スラ
イドカバー4のカートリッジ交換位置へのスライドを阻
止するセーフティーロック機構を構成する。カートリッ
ジ交換用ロック爪35は、スライドカバー4が撮影位置
からカートリッジ交換位置へとスライドされる途中で、
カム板33の下方に形成されたロック片33dの側面3
3eに当接し、スライドカバー4が不用意にカートリッ
ジ交換位置にスライドされるのを阻止する。このカート
リッジ交換用ロック爪35は、カートリッジ室7内に装
填されているフイルムカートリッジ8の遮光蓋39が開
放されている際に、セーフティーロック機構によってカ
メラ本体3から突出され、写真フイルム31がカートリ
ッジ本体3に巻き戻されて遮光蓋39が閉じられるとカ
メラ本体3内に引き込まれる。
【0034】また、取外し用ロック爪36は、スライド
カバー4がカートリッジ交換位置にスライドされた際
に、カートリッジ交換用ロック爪35と同じロック片3
3dの側面33eに当接して、スライドカバー4がカメ
ラ本体3から取り外されるのを阻止する。この取外し用
ロック爪36は、常にカメラ本体3から突出されてお
り、カメラ2のメンテナンス時等に、カートリッジ室7
内から操作されることでカメラ本体3内に引き込まれ
る。
【0035】カートリッジ室7に装填されるフイルムカ
ートリッジ8は、カートリッジ本体30と、このカート
リッジ本体30内に収納される写真フイルム31とから
なる。カートリッジ本体30内には、写真フイルム31
が巻き付けられるスプール42が回転自在に組み込まれ
ている。図6に示すように、スプール42の端部には、
カメラ等に設けられた駆動軸が係合する係合穴42aが
形成されており、カートリッジ本体30の両端面から露
呈されている。また、カートリッジ本体30内には、ス
プール42のフイルム送り出し方向への回転によって、
写真フイルム31をフイルム出入り口30b(図7参
照)から送り出すフイルム送出機構が組み込まれてい
る。
【0036】カートリッジ本体30のフイルム出入り口
30bの奥には、フイルム出入り口30bを開閉する棒
状の遮光蓋39が回動自在に組み込まれている。この遮
光蓋39の中央部分は、図7に示すように板形状とされ
ており、同図(B)に示すようにフイルム出入り口30
bを塞ぐ閉じ位置と、同図(A)に示すように、フイル
ム出入り口30bを開放する開き位置との間で回動され
る。また、遮光蓋39の両端部には、カメラ等の機器に
設けられた駆動軸が係合される係合穴39aが形成され
ており、カートリッジ本体30の両端面から露呈されて
いる。
【0037】また、カートリッジ本体30内には、スプ
ールとともに回転する部材として、データディスク44
と表示板45(図8参照)とが組み込まれている。デー
タディスク44は、スプール42の端部に固着された円
形の板状部材であり、その表面にはカートリッジ本体3
0内に収納されている写真フイルム31の種類,感度,
撮影枚数等のデータがバーコードによって記されてい
る。このデータディスク44のバーコードは、カートリ
ッジ本体30の一方の端面に形成された開口30aから
露呈され、カメラ等の機器に組み込まれたバーコードリ
ーダによって読み取られる。
【0038】表示板45は、フイルムカートリッジ8の
使用状態表示機構を構成する部品であり、略扇形の板部
材とされている。この表示板45は、データディスク4
4と同様にスプール42の反対側の端部に固着されてい
る。表示板45が組み込まれている側のカートリッジ本
体30の端面には、使用状態表示機構を構成する4個の
表示開口47a〜47dが形成されている。これらの表
示開口は、円形の表示開口47aが「未使用」を、半円
形の表示開口47bが「撮影途中」を、X字形状の表示
開口47cが「撮影済み」を、四角形の表示開口47d
が「現像済み」をそれぞれ表している。そして、スプー
ル42の回転停止時に表示板45が確認できる表示開口
が表す使用状態が、収納している写真フイルム30の使
用状態を表す。
【0039】写真フイルム30は、支持体の一方の面に
感材層が形成され、他方の面に透明な磁性体が全域にわ
たって塗布されて磁気記録層が形成されている。各撮影
コマの下部には磁気記録部が設けられており、カメラや
プリントプロセサ等の機器に組み込まれた磁気記録装置
によって、各種データが記録,読み出しされる。
【0040】図6及び図9は、カートリッジ室7の上部
や外側に配置されるフイルム給送機構,遅延機構,カー
トリッジ室蓋ロック機構等の構成を示す分解斜視図及び
平面図である。なお、本実施形態では、カートリッジ室
蓋6を直接ロックするカメラではなく、スライドカバー
4をロックすることでカートリッジ室蓋6の不用意な開
放を阻止するようにしたカメラを例にしているため、カ
ートリッジ室蓋ロック機構は、スライドカバー4のカー
トリッジ交換位置へのスライドを禁止するセーフティー
ロック機構として説明している。
【0041】符合49は、フイルム給送機構を構成する
歯付きベルトであり、ゴム等の柔軟な材質で形成されて
いる。この歯付きベルト49は、2個のスプロケット5
0とテンションローラ51とに掛けられてカメラ本体3
の下部に組み込まれ、フイルム室の近傍まで達してい
る。図示しない側のスプロケット50は、複数の減速ギ
ヤを介してフイルム室内に組み込まれた給送用モータ5
2(図21参照)により駆動されている。
【0042】スプロケット50の上部には、小径のD1
ギヤ53が一体に設けられており、このD1ギヤ53に
はD2ギヤ54が噛合する。カートリッジ室7の側方に
は、両端にD3ギヤ55とD4ギヤ56とが取り付けら
れた連結軸57が回転自在に取り付けられており、D3
ギヤ55はD2ギヤ54に噛合する。これにより、カメ
ラ本体3の下部を通して伝達された給送用モータ52の
回転が、カートリッジ室7の上方に伝達される。
【0043】連結軸57のD4ギヤ56は、カートリッ
ジ室7の上面に軸支されるD5ギヤ59に噛合する。D
5ギヤ59の上部には、同軸でD6ギヤ60が取り付け
られる。D6ギヤ60の下面には、回転対称に配置され
た2個の係合片60aが一体に形成されており、D5ギ
ヤ59にはD6ギヤ60の係合片60aがそれぞれ係合
する扇型のスリット59aが二つ形成されている。この
D5ギヤ59のスリット59aとD6ギヤ60の係合片
60aとが、本発明の遅延機構を構成する。
【0044】D6ギヤ60は、大径のD7ギヤ62に噛
合する。このD7ギヤ62の下面には、カートリッジ本
体30のスプール42の係合穴42aに係合する駆動軸
63が一体に形成されている。駆動軸63のキー63a
は、押圧されると弾性変形して駆動軸63内に入り込む
ようになっているため、フイルムカートリッジ8のスプ
ール42の回転位置に関わらず係合穴42aに挿入する
ことができる。
【0045】上記遅延機構は、次のように動作する。例
えば、不使用状態にあるカメラ2や、写真フイルム31
の最後のコマへの撮影が終了してフイルム巻き戻しを行
う直前の状態のカメラ2では、D5ギヤ59とD6ギヤ
60とが、図10に示すような状態で停止されている。
D7ギヤ62を図中反時計方向のフイルム巻戻し方向に
回転させるために、D3ギヤ55とD4ギヤ56とを図
中反時計方向に回転させると、D4ギヤ56に噛合する
D5ギヤ59は時計方向に回転するが、D5ギヤ59の
回転は、係合片60aがスリット59aに当接するまで
D6ギヤ60には伝達されない。これにより、給送用モ
ータ52の回転が遅延してスプール42に伝達されるこ
ととなる。また、図11に示すように、フイルム巻上げ
方向への回転時にも、D5ギヤ59の回転は、係合片6
0aがスリット59aに当接するまでD6ギヤ60には
伝達されず、給送用モータ52の回転がスプール42に
遅延して伝達される。
【0046】また、D5ギヤ59は、D7ギヤ62の下
方に配置されるD8ギヤ65に噛合している。D8ギヤ
65は、中央に大径の開口65aが形成されており、こ
の開口65aを利用してカートリッジ室7の上面に設け
られたボス(図示せず)に回転自在に支持される。D8
ギヤ65の上部には、円環形状の嵌合部66が一体に設
けられており、この嵌合部66には、金属薄板等で略C
字形状に形成されたカム部材であるフリクション板67
が嵌合してフリクション結合する。そのため、フリクシ
ョン板67に負荷が掛かった場合には、嵌合部66とフ
リクション板67との間でスリップしてD8ギヤ65の
みが回転する。
【0047】フリクション板67の外周には、一対のロ
ック用カム片67a,67bと、これらのロック用カム
片67a,67bの間に設けられた解除用カム面67c
と、検出用切片67dとが一体に形成されている。検出
用切片67dは、フリクション板67の下方に配置され
たロック解除センサ68によって検出される。このロッ
ク解除センサ68は、反射型フォトセンサを用いてい
る。カートリッジ室7の上面でフリクション板67の外
周には、ロック用カム片67aと検出用接片67dとに
それぞれ当接して、フリクション板67の回転を規制す
る一対の規制ピン69a,69bが設けられている。
【0048】フリクション板67の側方には、ロックレ
バー71が揺動自在に取り付けられている。このロック
レバー71とフリクション板67とが、セーフティーロ
ック機構を構成し、ロックレバー71がカム部材に対す
るロック部材として作用する。ロックレバー71には、
略円筒形状の軸着部71aと、フリクション板67の外
周面に当接するカム部71bと、カメラ本体3外に突出
されるカートリッジ交換用ロック爪35と、バネ掛け片
71cとが設けられている。ロックレバー71は、軸着
部71aに上方から取り付けられる捩じりバネ72によ
って、図中時計方向に付勢されており、カム部71bが
フリクション板67の外周に常に当接する。捩じりバネ
72の一端は、ロックレバー71のバネ掛け部71cに
掛けられ、他端はロックプレート73のバネ掛け部73
aに掛けられる。
【0049】上記フリクション板67は、給送用モータ
52の停止制御と、規制ピン69a,69bとの作用に
よって、3つの停止位置で停止される。フリクション板
67の一つ目の停止位置は、図9に示すように、解除用
カム面67cがロックレバー71のカム部71bに対面
するロック解除位置である。フリクション板67がロッ
ク解除位置にある際には、ロックレバー71のカートリ
ッジ交換用ロック爪35がカメラ本体3から突出されな
いため、図12に示すように、カム板33のロック片3
3dが取外し用ロック爪36に当接するカートリッジ交
換位置まで、スライドカバー4をスライドさせることが
でき、当然カートリッジ室蓋6を開閉操作することもで
きる。
【0050】フリクション板67の2つ目の停止位置
は、図13に示すように、検出用接片67dが規制ピン
69bに当接し、ロック用カム片67aがロックレバー
71のカム部71bに当接する巻戻しロック位置であ
る。フリクション板67が巻戻しロック位置にある際に
は、カートリッジ交換用ロック爪35がフリクション板
67に押圧されてカメラ本体3から突出される。そのた
め、図14に示すように、スライドカバー4をカートリ
ッジ交換位置へとスライドさせると、カートリッジ交換
用ロック爪35と、スライドカバー4に取り付けられた
カム板33の側面33eとの当接により、スライドカバ
ー4のカートリッジ交換位置へのスライドが防止され
る。
【0051】また、フリクション板67の3つ目の停止
位置は、図15に示すように、ロック用カム片67aが
規制ピン69aに当接し、ロック用カム片67bがロッ
クレバー71のカム部71bに当接する巻上げロック位
置である。フリクション板67が巻上げロック位置にあ
る際には、カートリッジ交換用ロック爪35がフリクシ
ョン板67に押圧されてカメラ本体3から突出されるた
め、巻戻しロック位置の場合と同様に、スライドカバー
4のカートリッジ交換位置へのスライドが防止される。
【0052】図14に示すように、ロックレバー71
は、セーフティーロック機構の解除動作時にスライドカ
バー4がカートリッジ交換位置に向けて無理に付勢され
ると、スライドカバー4に押圧されてフリクション板6
7から離れる方向に回動する。これにより、ロックレバ
ー71がフリクション板67に圧接して、フリクション
板67の回転が阻害されたり、セーフティーロック機構
が破損することはない。また、ロック解除動作中、ある
いはロック解除動作後にスライドカバー4のカートリッ
ジ交換位置への付勢をやめれば、ロックレバー71は捩
じりバネ72の付勢によってフリクション板67に当接
する方向に回動するので、セーフティーロック機構が解
除されてスライドカバー4をカートリッジ交換位置に向
けてスライドできるようになる。
【0053】ロックプレート73には、カメラ本体3外
に突出される取外し用ロック爪36が一体に形成されて
いる。このロックプレート73は、取外し用ロック爪3
6がカメラ本体3から突出するように、カートリッジ室
7の上面に取り付けられる。また、メンテナンス等の際
にカメラ本体3からスライドカバー4を取り外す必要が
生じた際には、カートリッジ室7内から固定用のネジが
取り外される。すると、ロックプレート73は、バネ掛
け部73aに掛けられた捩じりバネ72の付勢によって
カメラ本体3内に引き込まれ、スライドカバー4の取り
外しが可能となる。
【0054】ロックレバー71のカートリッジ交換用ロ
ック爪35と、ロックプレート73の取外し用ロック爪
36とは、カム板33のロック片33dの側面33eに
係合する。ロック片33dの下方には、駆動用ラックギ
ヤ32を構成する2個の噛合歯33a,33bが形成さ
れている。カートリッジ室7の背面側外壁には、駆動用
ラックギヤ32が噛合する伝達ギヤ75が軸支されてい
る。伝達ギヤ75は、1回転することがないため、外周
に数個の歯のみが形成されており、この数個の歯のうち
の略中央部分の3個の歯75aの肉厚が厚くされて、開
口3aからカメラ本体3外に突出される。上記駆動用ラ
ックギヤ32は、開口3aから突出された歯75aに噛
合する。
【0055】また、伝達ギヤ75には、ラック板77に
一体に設けられた垂直ラックギヤ78が噛合する。ラッ
ク板77は、2個のスリット77a,77bにカートリ
ッジ室7上部に設けられたピンが挿通されることで、カ
ートリッジ室7上部にスライド自在に取り付けられる。
また、ラック板77には、平面ラックギヤ79が一体に
設けられており、この平面ラックギヤ79は遮光蓋駆動
部材80に一体に設けられたピニオンギヤ81に噛合す
る。
【0056】遮光蓋駆動部材80は、カートリッジ本体
30の遮光蓋39の係合穴39aに係合する駆動軸83
と、上述したピニオンギヤ81と、このピニオンギヤ8
1の上部に一体に設けられた保持板84とからなる。保
持板84の下面には、金属薄板で形成された接片部材8
5が取り付けられる。この接片部材85は、カートリッ
ジ室7の上面に取り付けられるプリント基板87に摺接
する。これらカム板33と、伝達ギヤ75と、ラック板
77と遮光蓋開閉部材80とが、遮光蓋開閉機構を構成
する。
【0057】前記保持板84上に設けられたピン84a
と、ロックレバー71上に設けられたピン71eとに
は、コイルバネ88が掛けられる。このコイルバネ88
は、遮光蓋駆動部材80の回動位置に合わせてトグルバ
ネのような働きをし、遮光蓋駆動部材80を遮光蓋39
の開き位置と閉じ位置とに保持する。
【0058】上記遮光蓋駆動部材80の、遮光蓋39の
開き位置と閉じ位置との間での回動は、スライドカバー
4の撮影位置とカートリッジ交換位置との間の僅かなス
ライド量の間に行われる。図9及び図16に示すよう
に、スライドカバー4が不撮影位置にある際には、カム
板33の駆動用ラックギヤ32と伝達ギヤ75とは噛合
せず、遮光蓋駆動部材80は遮光蓋39の開き位置で保
持されている。また、図15及び図17に示すように、
スライドカバー4が不撮影位置から撮影位置へとスライ
ドされても、駆動用ラックギヤ32と伝達ギヤ75とは
噛合せず、遮光蓋駆動部材80は遮光蓋39の開き位置
で保持される。なお、図17〜図19では、駆動用ラッ
クギヤ32の歯33a,33bにハッチングを施し、垂
直ラックギヤ78と区別しやすくしている。
【0059】図14及び図18に示すように、スライド
カバー4が撮影位置からカートリッジ交換位置までスラ
イドされると、カム板33の噛合歯33a,33bと伝
達ギヤ75の歯75aとが噛合し、伝達ギヤ75は図中
反時計方向に回動される。伝達ギヤ75が反時計方向に
回動されると、カメラ本体3内で伝達ギヤ75に垂直ラ
ックギヤ78が係合しているラック板77は、図中左方
にスライドされる。ラック板77がスライドすると、水
平ラックギヤ79にピニオンギヤ81が噛合している遮
光蓋駆動部材80は、図12に示すように、遮光蓋39
の閉じ位置に合致する位置に向けて回動される。なお、
スライドカバー4をカートリッジ交換位置から撮影位置
までスライドさせると、上述した動作とは逆の動作が行
われ、遮光蓋39が開放される。
【0060】このように、複雑で部品点数の多い機構を
用いなくとも、スライドカバー4の僅かな範囲内のスラ
イドによって、遮光蓋駆動部材80を遮光蓋39の開き
位置と閉じ位置との間で回動させることができるので、
カメラ2のコストダウンをすることができる。
【0061】なお、カートリッジ室7に装填されている
フイルムカートリッジ8から写真フイルム31が引き出
されている状態で、スライドカバー4を撮影位置からカ
ートリッジ交換位置までスライドさせようとした場合に
は、図14及び図19に示すように、カム板33がロッ
クレバー71のカートリッジ交換用ロック爪35に当接
するため、スライドカバー4のそれ以上のスライドが阻
止される。また、スライドカバー4がロック位置にある
際には、伝達ギヤ75とピニオンギヤ81とが僅かに遮
光蓋39の閉じ位置に向けて回動されるが、図7(C)
に示すように、遮光蓋39はフイルム出入り口30bと
の間に写真フイルム31を挟み込むほどは回動しないの
で、写真フイルム31に傷等が発生することはない。
【0062】図20(A)は、遮光蓋駆動部材80が遮
光蓋39の開き位置にある際の、同図(B)は、遮光蓋
駆動部材80が遮光蓋39の閉じ位置にある際の接片部
材85の状態を示す平面図である。プリント基板87に
は、接片部材85の接片85aが当接する接点87a
と、接片85bが当接する接点87b,87cとが設け
られており、これらが遮光蓋39の開閉の状態を検出す
る遮光蓋開閉検出スイッチ86を構成する。また、遮光
蓋開閉検出スイッチ86の状態によってスライドカバー
4の位置を検出することができるため、遮光蓋開閉検出
スイッチ86は、カバー位置検出スイッチと兼用され
る。
【0063】接点87aはコモン用の接点であり、遮光
蓋駆動部材80がどの回動位置にあっても接片85aは
接点87aに接触している。接点87bは開き位置用の
接点であり、接片85bが接点87bに接触している際
には、接点87aと87bとが接続され、マイクロコン
ピュータ90に遮光蓋39が開き位置にあることを示す
検出信号が入力される。また、接点87cは開き位置以
外用の接点であり、接片85bが接点87cに接触して
いる際に、マイクロコンピュータ90に遮光蓋39が開
き位置以外の位置にあることを示す検出信号を入力す
る。なお、接片85a,85bは、接点に対する接触不
良を防止するために、それぞれ2本ずつ設けられてい
る。
【0064】図20(C)は、スライドカバー4がロッ
ク位置にある際の接片部材85の状態を示す。プリント
基板87の接点87bは、接点87cよりも面積が小さ
くされているため、遮光蓋駆動部材80が僅かでも閉じ
位置に向けて回動されると、遮光蓋開閉検出スイッチ8
6は、遮光蓋39が開き位置以外の位置に回動されたこ
とを検出する。これにより、スライドカバー4が撮影位
置からカートリッジ交換位置に向けてスライドされたこ
とを検出することができる。
【0065】図21は、カメラ2のスライドカバー4の
ロックに関わる電気的構成を表すブロック図である。カ
メラ2は、マイクロコンピュータ90によって各部が制
御される。マイクロコンピュータ90には、ROM9
1,EEPROM92が接続されており、ROM91に
記憶された制御プログラムとデータとにしたがってカメ
ラ2の各部を制御し、エラー発生等の一時的なデータを
EEPROM92に記憶する。
【0066】フイルム給送用モータ52にはパルスモー
タが使用されており、モータドライバ94を介してマイ
クロコンピュータ90により制御される。給送用モータ
52の回転は、モータ用センサであるエンコーダ95に
よって検出され、マイクロコンピュータ90に入力され
る。
【0067】また、マイクロコンピュータ90には、ロ
ック解除センサ68や、カートリッジ室7内に組み込ま
れてフイルムカートリッジ8が装填されたことを検出す
るカートリッジ検出スイッチ96,フイルムカートリッ
ジ8のデータディスク44のバーコードを読み取るバー
コードリーダー97,フイルムカートリッジ8の使用状
態を検出する使用状態検出センサ93,遮光蓋開閉検出
スイッチ86,写真フイルム31の磁気記録部に各種デ
ータを読み書きする磁気ヘッド99等から、検出信号や
データが入力される。磁気ヘッド99は、ヘッドドライ
バ100により駆動される。磁気ヘッド99による写真
フイルム31へのデータ書き込みは、撮影後の1コマ巻
上げ時に行われる。
【0068】ところで、給送用モータ52の回転方向が
切り換えられた直後には、フリクション板67の解除用
カム面67cがロックレバー71のカム部71bに当接
してしまうため、ロックレバー70によるスライドカバ
ー4のロックが一瞬の間だけ解除されてしまう。そのた
め、給送用モータ52の回転方向の切り替え時にスライ
ドカバー4のスライド操作が行われていると、タイミン
グによってはスライドカバー4がカートリッジ交換位置
にスライド操作されてしまう場合がある。
【0069】このような誤動作の発生確率を減少させる
ため、図22のタイミングチャートに示すように、マイ
クロコンピュータ90は、給送用モータ52の回転方向
の切り換え直後の回転開始から、フリクション板67と
ロックレバー71とによってスライドカバー4がロック
されるまでの期間だけ、給送用モータ52の回転速度を
フイルム巻上げ,巻戻し時の常用速度よりも高速にして
いる。これによれば、スライドカバー4のロック解除時
間が短くなるので、誤動作の発生確率を大幅に小さくす
ることができる。なお、スライドカバー4のセーフティ
ーロック解除時には、給送用モータ52を常用速度より
も遅い低速で回転させ、解除エラーが発生しないように
している。
【0070】次に、上記実施形態の作用について、図2
3〜及び図26のフローチャートを参照して説明する。
図1に示すようにスライドカバー4が不撮影位置にあ
り、フイルムカートリッジ8がカートリッジ室7に装填
されていない際には、カートリッジ室7の上部は、図9
に示すような状態となっている。すなわち、遮光蓋駆動
部材80は遮光蓋39の開き位置に対応する位置にあ
り、フリクション板67は、解除用カム面67cがロッ
クレバー71のカム部71bに対面するロック解除位置
で停止されている。また、遅延機構を構成するD5ギヤ
59とD6ギヤ60とは、図10に示すように、係合片
60aがスリット59a内の一端に寄った位置で停止さ
れている。
【0071】フリクション板67がロック解除位置にあ
る際には、ロックレバー71のカートリッジ交換用ロッ
ク爪35がカメラ本体3から突出されていないため、ス
ライドカバー4は、図3,図12,図18に示すよう
に、カム板33のロック片33dが取外し用ロック爪3
6に当接して停止するカートリッジ交換位置までスライ
ドさせることができる。
【0072】なお、スライドカバー4が撮影位置に達す
ると、図3に示すように、カメラ本体3の背面から突出
されている撮影位置用ロック爪34がカム板33のスリ
ット33cに係合するため、スライドカバー4のそれ以
上のスライドが阻止されてしまう。そのため、撮影位置
からカートリッジ交換位置へとスライドカバー4をスラ
イドさせる場合には、ロック解除操作部材15をスライ
ド操作して撮影位置用ロック爪34をカメラ本体3内に
引き込む。
【0073】スライドカバー4を不撮影位置からカート
リッジ交換位置までスライドさせる間、特に撮影位置か
らカートリッジ交換位置までの僅かなスライド量の間で
は、図18に示すように、カム板33の噛合歯33a,
33bが伝達ギヤ75の突出された歯75aに噛合し、
伝達ギヤ75を反時計方向に回動させる。伝達ギヤ75
が反時計方向に回動すると、これに垂直ラックギヤ78
が噛合するラック板77が図中左方に向けてスライドす
る。ラック板77がスライドすると、図12に示すよう
に、水平ラックギヤ79にピニオンギヤ81が噛合する
遮光蓋駆動部材80が遮光蓋39の閉じ位置に向けて回
動する。
【0074】なお、カメラ2は、スライドカバー4が撮
影位置に停止して一定時間経過後にカメラ本体3の電源
が入るように制御されているため、スライドカバー4を
不撮影位置からカートリッジ交換位置までスライドさせ
てもカメラ本体3の電源が無駄にオンすることはない。
【0075】スライドカバー4がカートリッジ交換位置
までスライドされると、図5(C)に示すように、スラ
イドカバー4の切欠4aによってカートリッジ室蓋6が
完全に露呈され、カートリッジ室蓋6を開き位置に回動
させることができる。カートリッジ室7を開放した後
に、遮光蓋39が閉じ位置にあるフイルムカートリッジ
8をカメラ本体3の下方から軸方向に挿入する。遮光蓋
駆動部材80の駆動軸83は、遮光蓋39の閉じ位置に
あるため、駆動軸83と係合穴39aとはすぐに係合さ
れる。また、駆動軸63は、前回のフイルムカートリッ
ジ8の取り出し時の状態によって停止位置が異なってい
るが、キー63aが駆動軸63内に弾性自在に入り込む
ようになっているため、この駆動軸63はスプール42
の係合穴42aに嵌入する。
【0076】フイルムカートリッジ8がカートリッジ室
7に押し込まれる際には、カートリッジ室7内に組み込
まれたカートリッジ検出スイッチ96がオンし、この検
出信号がマイクロコンピュータ90に入力される。フイ
ルムカートリッジ8のカートリッジ室7への装填後に
は、カートリッジ室蓋6を閉じる。
【0077】スライドカバー4をカートリッジ交換位置
から、撮影位置または不撮影位置までスライドさせる
と、図6に示すように、カム板33の二つの噛合歯33
a,33bの移動によって、伝達ギヤ75が回動され
る。伝達ギヤ75が回動すると、この伝達ギヤ75に垂
直ラックギヤ78が噛合しているラック板77が図中右
方にスライドする。また、ラック板77のスライドによ
り、平面ラックギヤ79にピニオンギヤ81が噛合した
遮光蓋駆動部材80が、遮光蓋39の閉じ位置から開き
位置に回動する。これにより、図7(A)に示すよう
に、遮光蓋39は開き位置に回動される。
【0078】遮光蓋駆動部材80が遮光蓋39の開き位
置に回動すると、図20(A)に示すように、接片部材
85の接片85bとプリント基板87の接点87bとが
接触し、遮光蓋39が開き位置に回動されたことを示す
検出信号が遮光蓋開閉検出スイッチ86からマイクロコ
ンピュータ90に入力される。マイクロコンピュータ9
0は、カートリッジ検出スイッチ96と、遮光蓋開閉検
出スイッチ86との検出信号によって、フイルムカート
リッジ8が装填され、スライドカバー4がカートリッジ
交換位置以外の位置にスライドされたことを認識し、使
用状態検出及びデータ読取り処理を開始する。
【0079】使用状態検出及びデータ読取り処理では、
マイクロコンピュータ90はモータドライバ94を介し
て給送用モータ52をフイルム巻戻し方向(逆転)に回
転させる。給送用モータ52が逆転すると、図13に示
すスプロケット50が反時計方向に回転し、D2ギヤ5
4が時計方向に、D3ギヤ55が反時計方向に、D5ギ
ヤ59が時計方向に、D8ギヤ65が反時計方向にそれ
ぞれ回転する。D8ギヤ65が反時計方向に回転する
と、D8ギヤの嵌合部66にフリクション結合されたフ
リクション板67が、同方向に回転する。しかしなが
ら、規制ピン69bに検出用接片67dが当接するた
め、フリクション板67は巻戻しロック位置で停止され
る。D8ギヤ65は、フリクション板67の回転が阻止
されているため、嵌合部66をフリクション板67に摺
接させながら回転を続ける。
【0080】フリクション板67が巻戻しロック位置で
停止されると、ロック用カム片67aがロックレバー7
1のカム部71bに当接し、捩じりバネ72の付勢に抗
してロックレバー71を図中反時計方向のロック位置に
揺動させる。ロックレバー71がロック位置に揺動する
と、ロックレバー71のカートリッジ交換用ロック爪3
5がカメラ本体3外に突出されるので、スライドカバー
4をカートリッジ交換位置にスライドすることができな
くなる。これにより、フイルムカートリッジ装填直後の
使用状態検出及びデータ読取り処理時に、スライドカバ
ー4がカートリッジ交換位置にスライドされることはな
く、同様にカートリッジ室蓋6が開放されることもな
い。
【0081】また、スライドカバー4がロック位置にス
ライドされても、図5(B)に示すように、カートリッ
ジ室蓋6の先端部6bはスライドカバー4の底面に押さ
えられ続けるため、カートリッジ室蓋6が開いて収納し
ている写真フイルム31が曝光することはない。
【0082】また、D5ギヤ59が一定量回転すると、
D5ギヤ59のスリット59aとD6ギヤ60の係合片
60aとが係合するため、D6ギヤ60が図中時計方向
に回転し、D7ギヤ62が反時計方向に回転し、駆動軸
63に係合されたスプール42がフイルム巻戻し方向に
回転される。このスプール42のフイルム巻戻し方向へ
の回転時に、光電センサである使用状態検出センサ93
によってデータディスク44の切欠を検出し、マイクロ
コンピュータ90が切欠の位置をROM91等に記憶し
ている基準データと比較することで、装填されたフイル
ムカートリッジ8の使用状態を確定する。
【0083】また、データ読取り処理では、バーコード
リーダー97によって、データディスク44の表面に形
成されたバーコードが読み取られる。このバーコードに
は、写真フイルム31の種類や感度,撮影枚数等のデー
タが含まれており、適正なシャッタ速度や絞り値を得る
ための撮影データとして使用される。
【0084】なお、装填されたフイルムカートリッジ8
の使用状態が撮影済みまたは現像済みであった場合に
は、このフイルムカートリッジ8は使用することができ
ないため、装填されているフイルムカートリッジ8を取
り出せるようにするための処理が行われる。まず、マイ
クロコンピュータ90は、スプール42をフイルム巻上
げ方向に回転させ、図8に示すように、「撮影済み」と
「現像済み」とを表す表示開口47c、または47dに
表示板45が対面するように、スプール42の回転を停
止させる。この使用状態表示のセット後に、スライドカ
バーのロック解除処理を行い、誤装填されたフイルムカ
ートリッジ8をカートリッジ室7から取り出せるように
なる。
【0085】使用状態表示の確認とデータ読み込みとが
終了すると、写真フイルム31の未露光コマを撮影位置
にセットするフイルムセット処理が行われる。このフイ
ルムセット処理では、マイクロコンピュータ90はモー
タドライバ94を介して給送用モータを正転させる。こ
れにより、図13に示すスプロケット50が時計方向に
回転し、D2ギヤ54が反時計方向に、D3ギヤ55が
時計方向に、D5ギヤ59が反時計方向に、D8ギヤ6
5が時計方向にそれぞれ回転する。
【0086】D8ギヤ65が時計方向に回転すると、嵌
合部65にフリクション結合されたフリクション板67
も同方向に回転する。しかしながら、規制ピン69aに
ロック用カム片67aが当接するため、フリクション板
67のそれ以上の回転が阻止され、嵌合部66をフリク
ション板67に摺接させながらD8ギヤ65のみが回転
を続ける。
【0087】フリクション板67が巻上げロック位置で
停止されると、ロック用カム片67bがロックレバー7
1のカム部71bに当接し、捩じりバネ72の付勢に抗
してロックレバー71を図中反時計方向のロック位置に
揺動させる。ロックレバー71がロック位置に揺動する
と、ロックレバー71のカートリッジ交換用ロック爪3
5がカメラ本体3外に突出されるので、スライドカバー
4をカートリッジ交換位置にスライドすることができな
くなる。これにより、フイルムセット処理時に、スライ
ドカバー4がカートリッジ交換位置にスライドされるこ
とはなく、同様にカートリッジ室蓋6が開放されること
もない。
【0088】なお、フリクション板67が巻戻しロック
位置から巻上げロック位置へと回動する際にロック解除
位置を通過するため、スライドカバー4のロックが一瞬
だけ解除されてしまうが、図22のタイミングチャート
に示すように、給送用モータ52の回転方向切り換え時
には、フリクション板67が再びロック位置に回動する
までの間だけ給送用モータ52の回転速度を速くするよ
うにしたので、誤ってスライドカバー4がカートリッジ
交換位置にスライドされてしまうことはない。
【0089】また、図11に示すように、D5ギヤ59
が一定量回転すると、遅延機構を構成するD5ギヤ59
のスリット59aとD6ギヤ60の係合片60aとが係
合するため、D6ギヤ60が図中反時計方向に回転し、
D7ギヤ62が時計方向に回転し、駆動軸63に係合さ
れたスプール42がフイルム巻上げ方向に回転される。
このスプール42のフイルム巻上げ方向への回転によ
り、図7(A)に示すように、カートリッジ本体30の
フイルム出入り口30bから写真フイルム31の先端が
カメラ2のフイルム通路内に送り出され、レンズ鏡筒1
0の背後のアパーチャーを通過してフイルム室内に送り
込まれる。
【0090】詳しくは図示しないが、フイルム室内では
給送用モータ52によって駆動されている巻取軸が回転
されており、写真フイルム31の先端が巻取軸に巻き取
られる。巻取軸は、D7ギヤ62によるフイルム送り出
し速度よりも若干速い速度で回転しているため、写真フ
イルム31は巻取軸によって巻き取られる。給送用モー
タ52とD7ギヤ62との間、詳しくは歯付きベルト4
9と給送用モータ52との間には、D7ギヤ62を空転
させるクラッチ機構が組み込まれているため、D7ギヤ
はスプール42の回転速度に合わせて空転する。
【0091】装填されたフイルムカートリッジ8が未使
用であった場合には、1コマ目の撮影コマがアパーチャ
ーの背後にセットされる。また、フイルムカートリッジ
8が撮影途中であった場合には、ヘッドドライバ100
により駆動される磁気ヘッド99で写真フイルム31の
各コマの磁気記録の有無を確認し、未露光のコマを検出
してアパーチャーにセットする。未露光コマのセット後
には、カメラ2は撮影準備が整ったスタンバイ状態とな
る。
【0092】ユーザーは、ファインダ12を覗いて被写
体を確認し、被写体の大きさや距離に合わせて、ズーミ
ングボタン22a,22bを操作する。フレーミングが
完了した後には、シャッタボタン25を半押しして、測
光装置と測距装置とに被写体の輝度と距離とを測定させ
る。その後、シャッタボタン25を深く押し込むと、レ
ンズ鏡筒10内の光学系が適性なピント位置に移動し、
適性な絞り値で撮影が行われる。
【0093】シャッタレリーズが完了すると、1コマ巻
上げ処理が行われる。この1コマ巻上げ処理では、給送
用モータ52が正転してフイルム室の巻取軸をフイルム
巻上げ方向に回転させ、写真フイルム31の1コマ分を
フイルム室内に巻き上げる。また、この巻上げ時には、
ヘッドドライバ100により駆動される磁気ヘッド99
によって、写真フイルム31の磁気記録部に撮影データ
の磁気記録が行われる。次の未露光の撮影コマがアパー
チャーにセットされると、給送用モータ52が停止す
る。
【0094】この1コマ撮影後のフイルム巻上げ時にも
フリクション板67は回転しないので、ロックレバー7
1によるスライドカバー4のロックは継続される。その
ため、図14に示すように、スライドカバー4を撮影位
置からカートリッジ交換位置にスライドさせても、カム
板33の側面33eとカートリッジ交換用ロック爪35
との当接により、スライドカバー4がカートリッジ交換
位置にスライドされることはない。また、図7(C)に
示すように、遮光蓋39は、フイルム出入り口30bと
の間で写真フイルム31を挟み込むほど回動されないた
め、写真フイルム31が挟み込まれることはない。
【0095】フイルムカートリッジ8の写真フイルム3
1の全ての撮影コマへの撮影が終了した場合や、途中巻
戻しスイッチが操作されると、フイルム巻戻し処理が実
行される。このフイルム巻戻し処理では、マイクロコン
ピュータ90がモータドライバ94を介して給送用モー
タ52を逆回転させる。これにより、図13に示すよう
に、スプロケット50が反時計方向に回転し、D8ギヤ
65が反時計方向に回転する。D8ギヤ65が反時計方
向に回転すると、フリクション板は67は巻戻しロック
位置で停止される。これにより、フイルム巻戻し処理中
にもスライドカバー4がカートリッジ交換位置にスライ
ドされることはない。
【0096】写真フイルム31が全てカートリッジ本体
30内に巻き戻されると、そのまま給送用モータ52の
逆方向への回転を利用して使用状態表示のセット処理が
行われる。この使用状態表示のセット処理では、図8に
示すように、「撮影途中」または「撮影済み」を表す表
示開口47b,47cのいずれかに表示板45が対面す
るように、スプール42の回転が停止される。この使用
状態表示のセット後には、スライドカバー4のセーフテ
ィーロック機構の解除処理が行われる。
【0097】スライドカバー4のセーフティーロック解
除処理では、マイクロコンピュータ90は、給送用モー
タ52を低速で正転方向に回転させる。また、その回転
量は、エンコーダ95からの入力信号を確認して、フリ
クション板67の解除用カム面67cがロックレバー7
1のカム部71bに当接する一定量となっている。な
お、この一定量の回転では、遅延機構を構成するD5ギ
ヤ59のスリット59aと、D6ギヤ60の係合片60
aとが係合しないため、スプール42が回転して使用状
態表示がずれてしまうことはない。
【0098】解除用カム面67cがロックレバー71の
カム部71bに当接する位置までフリクション板67が
回転されると、検出用接片67dがロック解除センサ6
8によって検出され、この検出信号がマイクロコンピュ
ータ90に入力される。
【0099】なお、セーフティーロック機構の解除動作
時に、スライドカバー4がカートリッジ交換位置に向け
て無理に引っ張られていても、ロックレバー71はスラ
イドカバー4に押されてフリクション板67から離れる
方向に回動するので、ロックレバー71がフリクション
板67の回動を阻害することはなく、セーフティーロッ
ク機構が破損することもない。また、ロック解除動作
中、あるいはロック解除動作後にスライドカバー4のカ
ートリッジ交換位置への付勢をやめれば、ロックレバー
71は捩じりバネ72の付勢によってフリクション板6
7に当接する方向に回動するので、セーフティーロック
機構は確実に解除される。
【0100】また、セーフティーロック機構の解除処理
が開始されてから一定時間Tが経過しても、ロック解除
センサ68から検出信号が入力されない場合には、解除
エラー処理が行われる。この解除エラー処理としては、
給送用モータ52の停止や液晶パネル等へのエラー警告
の表示,EEPROM92へのエラー発生の記録等が行
われる。なお、このエラー発生後には、自動的あるいは
ユーザーによる操作によって、再度、使用状態表示のセ
ットとスライドカバー4のロック解除処理とを行うよう
にしてもよい。
【0101】なお、上記実施形態では、給送用モータ5
2の回転方向の切り換え時に給送用モータ52の回転速
度を速くすることでセーフティーロック機構が解除され
る期間を短くし、スライドカバー4が誤ってカートリッ
ジ交換位置にスライドされる確率を少なくした。実際に
は、給送用モータ52の回転速度のアップのみで充分に
スライドカバー4の誤操作を防止することができるが、
フイルム給送機構に部品を一つ追加するだけで、スライ
ドカバー4の誤開放の発生確率を更に減少させることが
できる。以下に、更にスライドカバー4の誤開放の発生
確率を減少させることのできる実施形態について説明す
る。なお、上記実施形態と同じ部品については、同符合
を用いて詳しい説明を省略する。
【0102】図27に示すように、フイルムカートリッ
ジ8のスプール42に係合する駆動軸63が設けられた
D7ギヤ62の下面には、カム円板105が一体に形成
されている。このカム円板105の外周には、カム板6
7のロック用カム片67a,67bと同半径とされたロ
ック用カム面106a,106b,106cと、これら
のカム面106a,106b,106cよりも半径が小
さく、カム板67の解除用カム面67cと同半径とされ
た切欠部107a,107b,107cとが形成されて
いる。
【0103】切欠部107a,107b,107cは、
カートリッジ本体30の表示板45が「未使用」,「撮
影途中」,「撮影済み」の位置にあるときに、ロックレ
バー71のカム部109に対面する。ロックレバー71
のカム部109は、カム円板105に当接できるよう
に、上方に突出されている。
【0104】給送用モータ52の回転方向の切り換え時
には、カム面106a,106b,106cのいずれか
がロックレバー71のカム部109に当接するため、セ
ーフティーロック機構が解除される確率が減少し、スラ
イドカバー4が誤ってカートリッジ交換位置にスライド
される危険性を大幅に減少させることができる。また、
セーフティーロック機構の解除処理時には、ロックレバ
ー71のカム部109と切欠部107a〜107cのい
ずれかが対面するので、ロックレバー71を揺動させて
セーフティーロック機構を解除させることができる。
【0105】なお、上記実施形態では、カメラ本体の大
部分を覆うスライドカバーを備えたカメラを例に説明し
たが、本発明は、カメラの前面や背面、あるいは上面の
みを開閉するスライドカバーや、前面の一部分のみを開
閉するスライドカバーを備えたカメラにも適用すること
ができる。また、スライドカバーを有しないカメラにも
適用することができ、この場合にはカートリッジ室蓋を
直接ロックすればよい。
【0106】更に、上記実施形態では、IX240タイ
プのフイルムカートリッジを装填したカメラを例に説明
したが、135タイプ等のその他のフォーマットの写真
フイルムが装填されるカメラにも適用することができ
る。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカメラ
は、給送用モータの巻き上げ,巻戻し方向への回転を利
用してカートリッジ室蓋が開放されないようにロックす
るので、カメラがどのような処理を行っているときで
も、カートリッジ室蓋の誤開放を防止して、写真フイル
ムを遮光することができる。また、遅延機構によって給
送用モータの回転がすぐにフイルム給送機構に伝達され
ないようにしたので、使用状態表示機構を備えたフイル
ムカートリッジでも、使用状態の表示内容を変えずにロ
ックとロック解除とを行うことができる。
【0108】更に、ロック部材がカートリッジ室蓋開閉
機構に係合している際に、カートリッジ室蓋が開き位置
に向けて付勢された場合には、ロック部材をカートリッ
ジ室蓋開閉機構で押圧してカム部材から離れるようにし
たので、カム部材の移動を阻害することはなく、ロック
機構を破損させずに確実にロック解除を行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカメラの不使用時の状態を示
す外観斜視図である。
【図2】カメラの撮影時の状態を示す外観斜視図であ
る。
【図3】カメラのカートリッジ交換時の状態を示す外観
斜視図である。
【図4】カメラ本体とスライドカバーとを背面側から見
た外観斜視図である。
【図5】スライドカバーの停止位置に対するカートリッ
ジ室蓋の状態を示す説明図である。
【図6】フイルム給送機構及びセーフティーロック機構
の構成を示す分解斜視図である。
【図7】スライドカバーの停止位置に対する遮光蓋の状
態を示す説明図である。
【図8】カートリッジ本体の使用状態表示機構の構成を
示す外観斜視図である。
【図9】不使用時及びカートリッジ未装填時のフイルム
給送機構及びセーフティーロック機構の状態を示す平面
図である。
【図10】フイルム巻戻し時の遅延機構の状態を示す平
面図である。
【図11】フイルム巻上げ時の遅延機構の状態を示す平
面図である。
【図12】カートリッジ交換時及びカートリッジ未装填
時のフイルム給送機構及びセーフティーロック機構の状
態を示す平面図である。
【図13】使用状態検出及びデータ読取処理時のフイル
ム給送機構及びセーフティーロック機構の状態を示す平
面図である。
【図14】セーフティーロック時のフイルム給送機構及
びセーフティーロック機構の状態を示す平面図である。
【図15】フイルム巻上げ時のフイルム給送機構及びセ
ーフティーロック機構の状態を示す平面図である。
【図16】不使用時の遮光蓋開閉機構の状態を示す正面
図である。
【図17】撮影時の遮光蓋開閉機構の状態を示す正面図
である。
【図18】カートリッジ交換時の遮光蓋開閉機構の状態
を示す正面図である。
【図19】セーフティーロック時の遮光蓋開閉機構の状
態を示す正面図である。
【図20】遮光蓋開閉検出スイッチの動作状態を示す説
明図である。
【図21】フイルム給送機構及びセーフティーロック機
構に関連する電気的構成を示すブロック図である。
【図22】各部の動作状態を示すタイミングチャートで
ある。
【図23】使用状態検出及びデータ読取処理のフローチ
ャートである。
【図24】フイルムセット及び巻上げ処理のフローチャ
ートである。
【図25】フイルム巻戻し処理のフローチャートであ
る。
【図26】スライドカバーのロック解除処理のフローチ
ャートである。
【図27】給送用モータの回転方向切り換わり時のセー
フティーロック機構の解除を防止する別の実施形態を示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
2 カメラ 3 カメラ本体 4 スライドカバー 6 カートリッジ室蓋 7 カートリッジ室 8 フイルムカートリッジ 30 カートリッジ本体 31 写真フイルム 33 カム板 52 給送用モータ 59 D5ギヤ 60 D6ギヤ 62 D7ギヤ 65 D8ギヤ 67 フリクション板 68 ロック解除センサ 71 ロックレバー 80 遮光蓋開閉部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴨田 隆 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 (72)発明者 小野塚 春夫 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 (72)発明者 島田 昇 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 (72)発明者 恩田 和彦 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 Fターム(参考) 2H020 AA09 BA01 BA02 BA04 2H100 AA61 DD04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムカートリッジが装填されるカー
    トリッジ室と、このカートリッジ室を開閉するカートリ
    ッジ室蓋と、このカートリッジ室蓋を閉じ位置で保持
    し、開放操作に応じて開き位置に移動させるカートリッ
    ジ室蓋開閉機構と、写真フイルムの巻き上げと巻き戻し
    とを行うフイルム給送機構と、このフイルム給送機構の
    駆動源となる給送用モータとを備えたカメラにおいて、 前記給送用モータの回転方向が切り換わってから一定量
    の回転を行った後に、給送用モータの回転をフイルム給
    送機構に遅らせて伝達する遅延機構と、フイルム巻上げ
    駆動時とフイルム巻戻し駆動時とに、遅延機構によって
    フイルム給送機構が駆動されない期間の給送用モータの
    回転を利用してカートリッジ室蓋を閉じ位置でロックす
    るカートリッジ室蓋ロック機構とを設けたことを特徴と
    するカメラ。
  2. 【請求項2】 前記カートリッジ室蓋ロック機構は、フ
    イルム巻戻し完了後に給送用モータをフイルム巻上げ方
    向に回転させ、遅延機構によってフイルム給送機構が駆
    動されない期間の給送用モータの回転を利用して、カー
    トリッジ室蓋のロック解除を行うことを特徴とする請求
    項1記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 前記カートリッジ室蓋ロック機構は、前
    記遅延機構によってフイルム給送機構が駆動されない期
    間の給送用モータの回転により、巻上げロック位置と巻
    戻しロック位置との間で移動するカム部材と、このカム
    部材が巻上げロック位置と巻戻しロック位置とにある際
    にカム部材に押圧されて前記カートリッジ室蓋開閉機構
    に係合し、カートリッジ室蓋の開き位置への移動を阻止
    するロック部材とからなることを特徴とする請求項1記
    載のカメラ。
  4. 【請求項4】 前記ロック部材は、カム部材がロック解
    除位置にある際に、カートリッジ室蓋開閉機構から離れ
    てカートリッジ室蓋のロックを解除することを特徴とす
    る請求項3記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 前記カートリッジ室蓋ロック機構による
    ロック解除を検出するロック解除センサを設けたことを
    特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のカメラ。
  6. 【請求項6】 前記給送用モータの回転開始から一定時
    間経過後に解除信号が検出されない際に、解除エラー処
    理を行うことを特徴とする請求項5記載のカメラ。
  7. 【請求項7】 前記給送用モータの回転を検出するモー
    タ用センサを設け、前記カートリッジ室蓋のロックを解
    除する際のフイルム巻上げ方向への給送用モータの一定
    量の回転を制御することを特徴とする請求項1ないし6
    いずれか記載のカメラ。
  8. 【請求項8】 前記給送用モータの回転方向の切り替え
    時に、カートリッジ室蓋がロックされるまでの期間だけ
    給送用モータの回転速度を速くすることを特徴とする請
    求項1ないし7いずれか記載のカメラ。
  9. 【請求項9】 フイルムカートリッジが装填されるカー
    トリッジ室と、このカートリッジ室を開閉するカートリ
    ッジ室蓋と、このカートリッジ室蓋を閉じ位置で保持
    し、開放操作に応じて開き位置に移動させるカートリッ
    ジ室蓋開閉機構と、写真フイルムの巻き上げと巻き戻し
    とを行うフイルム給送機構と、このフイルム給送機構の
    駆動源となる給送用モータと、フイルム巻上げ駆動時と
    フイルム巻戻し駆動時とに、給送用モータの回転を利用
    してカートリッジ室蓋を閉じ位置でロックするカートリ
    ッジ室蓋ロック機構とを備えたカメラにおいて、 前記カートリッジ室蓋ロック機構は、ロック解除動作時
    にカートリッジ室蓋が開き位置に向けて付勢されても該
    ロック解除動作が阻害されないことを特徴とするカメ
    ラ。
  10. 【請求項10】 前記カートリッジ室蓋ロック機構は、
    フイルム巻上げ駆動時に配置される巻上げロック位置
    と、フイルム巻戻し駆動時に配置される巻戻しロック位
    置と、ロック解除位置との間で移動するカム部材と、こ
    のカム部材が巻上げロック位置と巻戻しロック位置とに
    ある際に、カム部材に押圧されてカートリッジ室蓋開閉
    機構に係合し、カム部材がロック解除位置にある際にカ
    ートリッジ室蓋開閉機構から離れてカートリッジ室蓋の
    開放を許容するロック部材とからなり、このロック部材
    は、ロック解除動作中にカートリッジ室蓋が開き位置に
    向けて付勢された場合に、カートリッジ室蓋開閉機構に
    押圧されてカム部材から離れ、該カートリッジ室蓋ロッ
    ク機構のロック解除動作を妨げないことを特徴とする請
    求項9記載のカメラ。
  11. 【請求項11】 前記カートリッジ室蓋開閉機構は、少
    なくとも、撮影が行われないようにする不撮影位置と、
    撮影が行えるようにする撮影位置と、フイルムカートリ
    ッジの交換を行えるようにするカートリッジ交換位置と
    の間で移動自在とされ、不撮影位置と撮影位置とにある
    際にカートリッジ室蓋を覆ってカートリッジ室蓋の開閉
    を阻止し、カートリッジ交換位置にある際にカートリッ
    ジ室蓋を露呈させてフイルムカートリッジの交換を行え
    るようにするカバー部材であることを特徴とする請求項
    1ないし10いずれか記載のカメラ。
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