JP2001050752A - 振動子の駆動装置 - Google Patents

振動子の駆動装置

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JP2001050752A
JP2001050752A JP11316667A JP31666799A JP2001050752A JP 2001050752 A JP2001050752 A JP 2001050752A JP 11316667 A JP11316667 A JP 11316667A JP 31666799 A JP31666799 A JP 31666799A JP 2001050752 A JP2001050752 A JP 2001050752A
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JP11316667A
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Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Daisuke Takai
大輔 高井
Eiji Shinohara
英司 篠原
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は2つの電流出力の振幅に高低差がある
と位相差の中点がずれてしまうため、圧電振動子の駆動
系を高い精度で制御することができなかった。 【解決手段】 2つの電流出力I1,I2をI/V変換
手段41,42で電圧出力V1,V2に変換し、さらに
二値化手段43,44でディジタル出力D1,D2にそ
れぞれ変換する。出力D1とD2は、移相手段31の加
算器31Aで加算され、積分器31Bにより三角波状出
力K0に変換される。三角波状出力K0は、二値化手段
31CにおいてVCC/2を基準にコンパレートされるた
め、2つの信号の位相差の中点から高い精度で位相を9
0degだけシフトさせることができる。これにより、安
定した駆動信号Sを生成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジャイロスコープ
などに使用される振動子の駆動装置に係わり、特に圧電
振動子および静電容量振動子を安定して駆動できるよう
にした振動子の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図23は、従来のジャイロスコープ用の
圧電振動子のドライブ手段および検出手段を示す回路構
成図、図24はジャイロスコープに使用される三脚音叉
型の圧電振動子を示す斜視図、図25は圧電振動子の端
面の一構成例を示し、図24の矢印25方向から見た正
面図、図26は圧電振動子の端面の他の構成例を示す正
面図である。また図27は、従来の2つの電圧出力の位
相差の中点を求める方法を示し、Aは振幅の高低差が零
の場合、Bは振幅に高低差を有する場合をそれぞれ示し
ている。
【0003】図23に示すように、従来のジャイロスコ
ープは、圧電振動子1と、圧電振動子1に駆動信号を供
給するドライブ手段(交流駆動信号源)10および圧電
振動子1からの出力信号を検出する検出手段20から構
成されている。
【0004】先ず、圧電振動子1について説明する。図
24に示すように圧電振動子1は、例えばエリンバなど
の恒弾性材料の平板の表裏両面に圧電材料が貼付された
もの、またはPZTや水晶など全体が圧電材料の板材に
より形成されている。圧電振動子1の先端には、分岐形
成された3つの振動脚1u、1vおよび1wを有してい
る。図24、図25および図26に示すように、各振動
脚1u、1vおよび1wの表面には、先端部から基端部
まで平行に延びた一対の駆動電極1a,1b,a,b,
2a,2bが形成されている。同様に各振動脚1u、1
vおよび1wの裏面には、一対の出力電極(検出電極)
1c,1d,c,d,2c,2dがそれぞれ形成されて
いる。また中央の振動脚1vの裏面の前記出力電極cと
dとの真中には、先端部から基端部まで延びるアース電
極Gが形成されている。
【0005】圧電振動子1の3つの振動脚1u、1vお
よび1wでの圧電材料の誘電分極方向は、図25におい
て矢印で示す通りであり、左右両側の圧電振動子1uと
1wとで誘電分極方向が同じであり、中央の振動子1v
では、左右の振動子1uおよび1wに対し、誘電分極方
向が左右および上下に対称な向きである(差分極型)。
【0006】図25に示す差分極型の圧電振動子1で
は、上記ドライブ手段(交流駆動信号源)10から同一
の駆動信号Sが各駆動電極1a,1b,a,b,2aお
よび2bに供給されると、各振動脚1u、1vおよび1
wは、圧電効果により各振動脚の並び方向となるX方向
へ振動駆動させられる。
【0007】各振動脚1u、1vおよび1wは、X方向
へ一次又は数次のモードによる曲げ変形振動を生じる。
また、両側の振動脚1uと1wとが同じ位相で駆動さ
れ、中央の振動脚1vは、両側の振動脚1u,1wと、
位相がπ(180deg(度))相違するように駆動され
る。すなわち、両側の振動脚1uと1wのある時点での
振幅の方向が+X方向のとき、中央の振動脚1vの振幅
方向は−X方向である。
【0008】上記のように振動駆動された状態でZ軸回
りの回転系に置かれると、各振動脚に対し振動駆動方向
(X方向)と直交する方向へのコリオリ力が作用し、各
振動脚はY方向へ振動する。このコリオリ力による振動
成分も、両側の振動脚1u,1wと、中央の振動脚1v
とで逆の位相となる。ある時点で両側の振動脚1uと1
wがコリオリ力により+Y方向への振幅成分を持つと
き、中央の振動脚1vは−Y方向への振幅成分を持つ。
【0009】また、図26に示されるように、各振動脚
1u,1vおよび1wの誘電分極方向をすべて同じ方向
に形成した圧電振動子(同一分極型)1Bの場合には、
1つの振動脚上の隣り合う駆動電極間には、位相が18
0deg異なる駆動信号S1およびS2がそれぞれ供給さ
れる。すなわち、両側の振動脚1uおよび1wでは、+
X方向の駆動電極1bおよび2bに駆動信号S1が供給
され、−X方向の駆動電極1aおよび2aに駆動信号S
2が供給される。一方、振動脚1vでは+X方向の駆動
電極bに駆動信号S2が供給され、−X方向の駆動電極
aに駆動信号S1が供給される。このように、各振動子
1u,1vおよび1wの各駆動電極に駆動信号S1およ
びS2をそれぞれ供給することにより、上記圧電振動子
1と同じように振動駆動させることができる。
【0010】前記圧電振動子(差分極型)1又は1B
(同一分極型)がある回転系に置かれると、前記アース
電極Gと出力電極cとの間、およびアース電極Gと出力
電極dとの間に互いに位相のずれた正弦波状の電流出力
I1およびI2がそれぞれ出力される。上記圧電振動子
では、電流出力I1とI2の位相差の中点と、前記駆動
信号Sの立ち上りのタイミングとが同期するように駆動
される。正しくは、駆動信号Sが、電流出力I1とI2
の位相差の中点に同期するように、上記ドライブ手段1
0がフィードバック制御されている。
【0011】次に、ドライブ手段10および検出手段2
0の動作について説明する。なお、以下の説明では電流
出力I1と電流出力I2の位相差をλとしたときに、位
相差λの中点であるλ/2を位相の基準点(0deg)と
する。
【0012】図23に示すように、ドライブ手段10
は、I/V(電流/電圧)変換手段(変換手段)11、
加算手段12、第1の移相手段13、カップリングコン
デンサC1、二値化手段14、第2の移相手段15、ゲ
イン可変手段16およびバッファ手段17から構成され
ている。一方検出手段20は、二値化手段21および位
相差検出手段22から構成されている。
【0013】上記圧電振動子1のうち、中央の振動脚1
vの出力電極c,dが、ドライブ手段10の初段に設け
られたI/V変換手段11に接続されている。I/V
(電流/電圧)変換手段11は、オペアンプなどの演算
増幅器を主体とし、その周囲に抵抗やコンデンサなどが
外付けされた2つのI/V変換回路11A,11Bから
構成されている。前記圧電振動子1の出力電極cは、I
/V変換回路11Aの入力端子11a1に接続され、出
力電極dはI/V変換回路11Bの入力端子11b1に
それぞれ接続されている。またアース電極Gは、基準電
位(例えば0ボルト)に接続されている。
【0014】前記出力電極cおよびdから出力される正
弦波状の電流出力I1およびI2は、I/V変換回路1
1A,11Bにおいて電圧出力V1およびV2に変換さ
れる。なお、この電流/電圧変換により、電圧出力V
1,V2は、前記電流出力I1,I2から−180degだ
け位相が遅れる。
【0015】図23に示すように、I/V変換回路11
A,11Bの出力端子11a2および11b2は加算手
段12に接続されている。加算手段12は、例えばI/
V変換回路11A,11Bの出力を分割する抵抗と、高
入力インピーダンスからなるバッファ回路から構成され
(図示せず)、各電圧出力V1およびV2は、加算手段
12によりアナログ的に加算された加算電圧V0とされ
る。なお、ここでは位相のシフトは行われない。
【0016】加算手段12の後段(第3段)には、第1
の移相手段(アナログ移相シフター)13が設けられて
おり、前記加算電圧V0が入力される。第1の移相手段
13は、前記加算手段12の加算電圧V0のピーク値を
前記電圧出力V1とV2の位相差の中点と擬制し、この
ピーク値から前記加算信号を+90degだけシフトした
参照信号(アナログ値)refを生成する。したがって、
前記位相の基準点に対しては−180+(+90)=−
90degだけシフトされたことになる。なお、この参照
信号refは、後述する二値化回路21cに供給されてい
る。
【0017】第1の移相手段13の後段(第4段)に
は、カップリングコンデンサC1が設けられ、参照信号
refの直流成分がカットされている。このカップリング
コンデンサC1の後段(第5段)には、第1の二値化手
段14が設けられている。この第1の二値化手段14で
は、前記参照信号refを「H」レベルの信号および
「L」レベルの信号からなる二値化信号(ディジタル
値)に変換する。すなわち、あるスレッショルドレベル
(電圧)を基準とし、参照信号V0′が前記スレッショ
ルドレベル以上であれば「L」レベルの信号に変換し、
以下であれば「H」レベルの信号に変換する。よって、
この第1の二値化手段14では、位相が−180degだ
け遅れ、これは前記位相の基準点から見ると、−90+
(−180)=−270degだけ遅れることになる。
【0018】第6段目には、第2の移相手段(ディジタ
ル移相シフター)15が設けられている。この第2の移
相手段15では、前記第1の二値化手段14の位相を−
90degだけシフトさせるように機能する。よって、第
2の移相手段15の出力は、−270+(−90)=−
360=0deg、すなわち位相の基準点にシフトされた
ことになる。第2の移相手段15の出力は、その後段
(第7段)に設けられたゲイン可変手段(ドライブ回
路)16により所定の振幅に増幅されるとともに、再び
正弦波状の駆動信号S(駆動電力)に変換される。この
駆動信号Sは、前記位相の基準点に対して位相差が0の
信号であり、上記圧電振動子1の各駆動電極1a,1
b,a,b,2aおよび2bにバッファ手段17を介し
て供給されている。
【0019】一方、検出手段20には、前記I/V変換
手段11の電圧出力V1およびV2を二値化する第2の
二値化手段21が設けられている。第2の二値化手段2
1は、3つの二値化回路21a,21bおよび21cか
ら構成され、このうち二値化回路21aに前記I/V変
換回路11Aの電圧出力V1が入力され、二値化回路2
1bにI/V変換回路11Bの電圧出力V2が入力され
ている。この二値化回路21aおよび21bでは、前記
I/V変換手段11の電圧出力V1およびV2を、所定
のスレッショルドレベルで「H」信号および「L」信号
からなるディジタル出力D1およびD2にそれぞれ変換
される。なお、この二値化回路21aおよび21bで
は、電圧出力V1およびV2が−180degだけシフト
される。したがって、前記位相の基準点から見ると、−
180+(−180)=−360=0degである。
【0020】また、前記ドライブ手段10の第3段目の
第1の移相手段13で位相シフトされた参照信号ref
は、第2の二値化手段21のうち、残りの二値化回路2
1cに入力され、所定のスレッショルドレベル(電圧)
で「H」レベルの信号および「L」レベルの信号からな
るディジタル参照信号Drefに変換される。このとき、
ディジタル参照信号Drefの位相は、前記位相の基準点
に対し−90+(−180)=−270deg(=+90d
eg)となっている。すなわち、前記ディジタル出力D1
およびD2とディジタル参照信号Drefとの間には、9
0degの位相差が生じるように設定されている。
【0021】位相差検出手段22は、1組のExorゲート
23,24、ローパスフィルタ25,26および差動増
幅手段27から構成されている。第1のExorゲート23
では、前記ディジタル出力D1とディジタル参照信号D
refとの排他的論理和が求められ、第2のExorゲート2
4で前記ディジタル出力D2とディジタル参照信号D
refとの排他的論理和が求められる。そして、これらの
各出力は、ローパスフィルタ25,26で積分平滑さ
れ、直流電圧値にそれぞれ変換され、さらに差動増幅手
段27によりコリオリ力に比例した角速度出力Voutが
検出される。
【0022】このようにして検出された角速度出力Vou
tは、さらに図示しない積分手段により数値積分され角
度が求められ、ジャイロスコープの内部信号として利用
される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の圧
電振動子のドライブ手段およびその検出手段では、以下
に示すような問題がある。
【0024】図27Aに示すように、上記ドライブ手段
10の第1の移相手段13では、I/V変換後の電圧出
力V1と電圧出力V2とをアナログ的に加算した加算信
号V0のピーク値VP0の位置P0を、電圧出力V1と電
圧出力V2との位相差λの中点λ/2とし、この位置P
0を基準に加算信号V0が90degだけシフトされる。こ
の方法によれば、電圧出力V1と電圧出力V2との振幅
差が0の場合には、電圧出力V1と電圧出力V2の位相
差λの中点λ/2と加算信号V0のピーク値V P0の位置
0とが一致する。
【0025】しかし、図27Bに示すように、電圧出力
V1と電圧出力V2と振幅のピークが一致しないと、す
なわち電圧出力V1と電圧出力V2との間に振幅の高低
差が生じると、加算信号V0のピーク値VP0の位置P0
が電圧出力V1と電圧出力V2の位相差の中点λ/2の
位置ではなく、電圧出力V1と電圧出力V2とのいずれ
か振幅の大きい方(図27BではV1)に引きずられて
偏ってしまう。よって、ピーク値VP0の位置P0と実際
の位相の中点λ/2との間に位相ずれλ0が生じるた
め、このピーク値VP0の位置P0を基準に加算信号V0
を90degだけシフトした参照信refにばらつきが生じ
る。そして、このようなばらつきが生じると、第1の移
相手段13の後段以降に設けられた各種の手段(第1の
二値化手段14等)でも位相がずれた状態となるため、
結局電流出力I1およびI2に同期した駆動信号Sを圧
電振動子1の各駆動電極1a,1b,a,b,2aおよ
び2bに供給できなくなるという問題が生じる。
【0026】また、二値化回路21cで生成されるディ
ジタル参照信号Drefの位相にもずれが生じるため、デ
ィジタル参照信号Drefとディジタル出力D1との間、
およびディジタル参照信号Drefとディジタル出力D2
との間の位相差をそれぞれ正確に90degに設定できな
くなる。よって、位相差検出手段22から検出される角
速度出力Vout、さらにはこの角速度出力Voutを数値積
分して求められる角度出力に誤差が生じるという問題が
ある。
【0027】また従来は、その他圧電振動子1に供給さ
れる駆動信号Sを検出し、この駆動信号Sと電流出力I
1とI2の中点との位相差を検出し、この位相差が零に
なるように制御するものも在する(図示せず)。しか
し、この構成では、圧電振動子1に駆動信号Sを検出す
るための電極を設ける必要が生じ、圧電振動子1の構造
やその配線処理が複雑になるという問題がある。
【0028】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、振動子の各電流出力をI/V変換した電圧
出力間の位相差の中点から正確に所定の移相量だけ参照
信号をシフトされるようにして、圧電振動子のフィード
バック制御系の安定性を高めた振動子の駆動装置を提供
することを目的としている。
【0029】また本発明は、静電容量型の振動子を安定
して駆動できるようにした振動子の駆動装置を提供する
ことを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動方向と直
交する方向に変位する振動脚と、前記振動脚に駆動信号
を供給する駆動電極と、前記振動脚の面上又は振動脚と
対向する位置に設けられ、前記振動脚の物理的な変位量
を電気信号として取り出す一対の検出電極とを備えた振
動子と、前記一対の検出電極から取り出された電気信号
を所定のスレッショルドレベルで第1及び第2の二値化
信号に変換する二値化手段と、前記第1および第2の二
値化信号から参照信号を生成する参照信号生成手段と、
前記参照信号を基準に前記振動脚を駆動するための駆動
信号を生成する駆動手段と、が設けられており、前記参
照信号生成手段では、前記参照信号が前記第1および第
2の二値化信号の位相差の中心を基準に生成されている
ことを特徴とするものである。
【0031】上記振動子の駆動装置としては、振動脚の
一面に一対の駆動電極および他面に一対の検出電極を備
えた振動子と、前記一対の駆動電極から検出された第1
および第2の電流出力をそれぞれ第1および第2の電圧
出力に変換する第1および第2の変換手段と、前記各電
圧出力を所定のスレッショルドレベルを基準に第1およ
び第2の二値化信号にそれぞれ変換する第1および第2
の二値化手段と、前記第1および第2の二値化信号から
参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記参照信号
から圧電振動子を駆動するための駆動信号を生成する駆
動手段とからなり、前記駆動信号が、前記第1および第
2の電流出力の位相差の中点を基準として生成されるも
のが好ましい。
【0032】本発明では、第1および第2の出力信号
が、最終的にそのパルス幅に比例した第1および第2の
二値化信号に変換され、これら第1および第2の二値化
信号の位相差の中点を基準に駆動信号を生成して振動子
の各駆動電極に供給する。よって、従来のように第1お
よび第2の出力信号の加算信号の振幅のピーク値を位相
差の中点とするものではないため、第1および第2の出
力信号の間に振幅差が生じている場合であっても正確な
駆動信号を生成することができる。よって、駆動装置の
フィードバック系を安定化させることができる。
【0033】また実際に振動子に供給されている駆動信
号を検出し、この駆動信号と出力信号との位相差を検出
し、この位相差が零になるように制御する構成ではない
ため、振動子に駆動信号を検出するための電極を設ける
必要がない。
【0034】上記において、前記参照信号生成手段が、
第1及び第2の二値化手段の出力を加算する加算器、前
記加算器の出力を積分する積分器と、前記積分器の出力
を二値化信号に変換する第3の二値化手段とから成るも
のが好ましい。
【0035】上記構成では、例えば第1および第2の二
値化信号(ディジタル出力)を加算後に積分して二値化
してもよく、あるいは第1および第2の二値化信号(デ
ィジタル出力)をそれぞれ積分し、その積分後の信号を
加算して二値化してもよい。
【0036】また、前記参照信号生成手段が、加算器、
差動増幅器、ローパスフィルタ、VCOおよび分周器お
よび位相差検出手段の一部を構成する位相比較器とから
成るものが好ましい。
【0037】上記構成では、位相差検出手段の一部から
抜き出した信号をPLLとして使用することができ、位
相比較器を位相差検出手段およびPLLに兼用すること
が可能となるため、ジャイロスコープの構成を簡素化す
ることができる。
【0038】また上記構成では、前記参照信号が、第1
および第2の二値化信号の位相差の中点から一定量だけ
位相がずれるものである。
【0039】例えば、前記参照信号が、第1および第2
の二値化信号の位相差の中点から位相が90degだけず
れるものである。
【0040】またその他の振動子の駆動装置としては、
駆動方向と直交する方向に変位する振動脚を備えた振動
子と、前記振動子と対向配置された基材と、前記振動脚
に設けられ、前記振動脚の駆動方向に対して直交する方
向の変位量を検出する検出用可動電極と、前記検出用可
動電極に対向する基材側に前記振動脚の変位方向に位置
をずらして設けられ、且つ前記検出用可動電極との間で
第1および第2の容量を形成する一対の検出用固定電極
と、前記第1及び第2の容量をそれぞれ電気信号に変換
する第1及び第2の変換手段と、前記第1及び第2の変
換手段の各出力信号を、所定のスレッショルドレベルを
基準に第1及び第2の二値化信号にそれぞれ変換する第
1及び第2の二値化手段と、前記第1及び第2の二値化
信号から参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記
参照信号に基づき前記振動脚を駆動するための駆動信号
を生成する駆動手段とからなり、前記参照信号生成手段
が、前記参照信号を前記第1及び第2の二値化信号の位
相差の中点を基準として生成するものである。
【0041】あるいは、駆動方向と直交する方向に変位
する振動脚を備えた振動子と、前記振動子と対向配置さ
れた基材と、前記基材側に設けられ、前記振動脚の駆動
方向に対して直交する方向の変位量を検出する検出用固
定電極と、前記基材と対向する振動脚の一面に前記振動
脚の変位方向に位置をずらして設けられ、且つ前記検出
用固定電極との間で第1および第2の容量を形成する一
対の検出用可動電極と、前記第1及び第2の容量をそれ
ぞれ電気信号に変換する第1及び第2の変換手段と、前
記第1及び第2の変換手段の各出力信号を、所定のスレ
ッショルドレベルを基準に第1及び第2の二値化信号に
それぞれ変換する第1及び第2の二値化手段と、前記第
1及び第2の二値化信号から参照信号を生成する参照信
号生成手段と、前記参照信号に基づき前記振動脚を駆動
するための駆動信号を生成する駆動手段とからなり、前
記参照信号生成手段が、前記参照信号を前記第1及び第
2の二値化信号の位相差の中点を基準として生成するも
のである。
【0042】これら場合にも、前記参照信号生成手段
が、第1及び第2の二値化手段の出力を加算する加算
器、前記加算器の出力を積分する積分器と、前記積分器
の出力を二値化信号に変換する第3の二値化手段とから
成るものである。
【0043】また前記駆動手段が、前記第3の二値化手
段の出力を正弦波に生成する手段からなるものである。
【0044】なお、正弦波を生成する手段としては、例
えばローパスフィルタやその他の公知の手段を使用する
ことができる。
【0045】さらに、前記駆動手段が、前記振動脚に配
置された駆動用可動電極と、前記駆動用可動電極との間
で容量を形成するよう前記基材に対向配置された駆動用
固定電極との間に前記駆動信号を与えるものである。
【0046】そして、上記振動子としては、例えば前記
振動子が、圧電素子からなるものを使用することも可能
である。
【0047】上記においても、前記参照信号が、第1お
よび第2の二値化信号の位相差の中点から一定量だけ位
相がずれているものである。
【0048】この場合においても、前記参照信号が、第
1および第2の二値化信号の位相差の中点から位相が9
0degだけずれるものとすることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0050】図1は本発明におけるジャイロスコープ用
の振動子の駆動装置の実施の形態として、同一分極型の
圧電振動子の場合のブロック構成図、図2は図1のブロ
ック構成図の詳細を示す回路構成図、図3は位相差検出
手段の詳細を示す回路構成図である。
【0051】図1に示すブロック構成図では、符号30
で囲まれる範囲が駆動系、符号40で囲まれる範囲が検
出系、符号50で囲まれる部分が位相差検出手段を示し
ている。なお、振動子は上記従来の圧電振動子1Bと同
様の同一分極型である。すなわち、各振動脚の誘電分極
方向はすべて同一方向に形成されており、各振動脚1
u,1vおよび1wの一方の面には駆動電極1a,1
b,a,b,2aおよび2bが形成され、他方の面には
出力電極1c,1d,c,d,2cおよび2dがそれぞ
れ形成されている(図24および図26参照)。ただ
し、従来中央の振動脚1vの検出側の中央に形成されて
いたアース電極Gは削除されている。なお、図2には、
前記圧電振動子1Bの3つの振動脚1u,1vおよび1
wのうち、中央の振動脚1vのみが示されている。
【0052】図1に示すように、駆動系30は、移相手
段(参照信号生成手段)31、振幅制御手段34、ロー
パスフィルタ35、ドライブ手段(駆動手段)36およ
び反転ドライブ手段(駆動手段)37より構成されてい
る。一方、検出系(検出手段)40は、変換手段(I/
V変換手段)41,42および二値化手段43,44か
ら構成されている。さらに位相差検出手段50は、位相
比較手段51,52、ローパスフィルタ53,54およ
び差動増幅手段57から構成されている。
【0053】上記圧電振動子1の3つの振動脚1u,1
vおよび1wの各駆動電極1a,bおよび2aは、前記
ドライブ手段36に接続され、残りの各駆動電極1b,
aおよび2bは反転ドライブ手段37に接続されてい
る。一方、両側の振動脚1u,1wの出力電極1c,1
d,2cおよび2dは、基準電位(例えば、VCC/2:
CCは電源電圧)に接続されている(図示せず)。そし
て、図2に示すように、中央の出力電極cおよびdは、
I/V変換手段41および42にそれぞれ接続されてい
る。
【0054】次に、検出系40について説明する。図2
に示すように、検出系40の初段となるI/V変換手段
41および42は、主にオペアンプなどの演算増幅器か
ら構成されており、中央の振動脚1vの出力電極cおよ
びdから流出した正弦波状の出力信号、すなわち第1の
電流出力(第1の出力信号))I1および第2の電流出
力(第2の出力信号))I2が、正弦波状の第1および
第2の電圧出力V1およびV2にそれぞれ変換される。
また二値化手段43および44は、オペアンプなどの演
算増幅器を用いたコンパレータから構成され、図2には
いわゆるレベル検出器型のコンパレータX3,X20が
示されている。なお、二値化手段43および44を構成
するコンパレータX3,X20の出力部は、オープンコ
レクタ型であるため、出力端子は抵抗R15,R20を
介して電源電圧VCCに接続されている。
【0055】前記二値化手段43,44では、正弦波状
の電圧出力V1およびV2を、そのパルス幅に比例した
パルス幅からなる矩形波状(ディジタル波形)のディジ
タル出力(二値化信号)D1およびD2に変換する。前
記二値化手段43は、電圧出力V1がスレッショルドレ
ベル(VCC/2)を負から正の方向にクロスすると
「H」レベルの信号を、正から負方向にクロスすると
「L」レベルの信号をそれぞれ出力するように動作する
正転型のコンパレータからなる。また二値化手段44
は、電圧出力V2がスレッショルドレベル(VCC/2)
を負から正の方向にクロスすると「L」レベルの信号
を、負から正方向にクロスすると「H」レベルの信号を
それぞれ出力するように動作する反転型のコンパレータ
からなる。すなわち、二値化手段44と二値化手段43
とは、逆極性の動作を行うものとなっている。
【0056】次に駆動系30について説明する。図2に
示すように、移相手段(参照信号生成手段)31は、加
算器31A,積分器31Bおよび二値化回路(第3の二
値化手段)31Cから構成されている。
【0057】加算器31Aは、抵抗R2およびR4から
構成されている。二値化手段43の出力端子と抵抗R4
の間および二値化手段44の出力端子と抵抗R2の間に
は、カップリングコンデンサC2,C3がそれぞれ設け
られ直流電圧成分がカットされている。したがって、加
算器31Aでは、抵抗R1およびR3を介して新たにバ
イアスされた基準電位VCC/2の上にディジタル出力D
1およびD2の交流成分が載った電圧どうしがアナログ
的に加算されている。積分器31Bは、オペアンプなど
の演算増幅器X5を主体とし、これに前記加算器31A
を構成する抵抗R2,R4およびその他の抵抗R5,R
7、コンデンサC1等が接続されて構成されている。こ
の積分器31Bの反転端子(−端子)には、ディジタル
出力D1とD2とをアナログ的に加算した矩形波状の信
号が入力され、積分器31Bにおいて三角波状の出力
(三角波出力)K0に変換される。積分器31Bの後段
には、二値化回路(第3の二値化手段)31Cが設けら
れている。この二値化回路31Cは、前記二値化手段4
3と同様の正転型のコンパレータX6から構成されてお
り、積分器31Bから出力される三角波出力K0をスレ
ッショルドレベルVCC/2を基準として、Hレベルおよ
びLレベルの信号からなる参照信号Dref(ディジタル
信号)を生成する。なお、二値化回路31Cを構成する
コンパレータX6の出力部はオープンコレクタ型である
ため、その出力端子には抵抗R41を介して電源電圧V
CCが印加されている。
【0058】振幅制御手段34は、反転手段34Aおよ
びカップリングコンデンサC10から構成されている。
反転手段34Aは、上記反転型の二値化手段44と同様
の構成であり、その出力端子にはバイアス電圧Vdが抵
抗R6を介して印加されている。よって、反転手段34
Aにおいて反転させられた参照信号Drefは接地電位
(0ボルト)をLレベル、バイアス電圧VdをHレベル
とする反転参照信号Drefバーとなっている。カップリ
ングコンデンサC10は、反転参照信号Drefバーから
直流電圧成分のカットを行う。カップリングコンデンサ
C10の出力側は、抵抗R30を介して基準電位VCC
2に接続されており、反転参照信号Drefバーは基準電
位VCC/2を中心とするディジタル信号出力とされる。
【0059】ローパスフィルタ35は、ゲイン1のバタ
ーワース型2次ローパスフィルタである。このローパス
フィルタ35では、振幅制御手段34から出力された反
転参照信号Drefバーの位相を−90deg遅らせるととも
に、矩形波が正弦波に復元させられる。
【0060】ドライブ手段36および反転ドライブ手段
37は、ともに反転増幅器X16およびX19から構成
されている。ローパスフィルタ35から出力された正弦
波出力は、まずドライブ手段36に入力され、次にドラ
イブ手段36の出力が反転ドライブ手段37に入力され
ている。
【0061】またドライブ手段36の出力は、抵抗R3
5を介して圧電振動子1Bの駆動電極aに接続されてい
る。一方、反転ドライブ手段37の出力は、抵抗R38
を介して中央の振動子1vの駆動電極bに接続されてい
る。
【0062】なお、抵抗R35およびR38は、圧電振
動子1Bの内部インピーダンスの直流抵抗分が温度変化
する場合の補償用の抵抗である。
【0063】次に、位相差検出手段50について説明す
る。図3に示されるように、位相差検出手段50の初段
の位相比較手段51、52は、排他的論理和出力からな
るExorゲートX7およびNOT回路X9、ExorゲートX
8およびNOT回路X10からそれぞれ構成されてい
る。各ExorゲートX7,X8の一方の入力端子には、デ
ィジタル出力D2およびD1がそれぞれ入力され、他方
の入力端子には、共に参照信号Drefが入力されてい
る。ExorゲートX7の出力EX2の一部はNOT回路X9
に接続されている。そしてNOT回路X9の出力EX2バ
ーと他方のExorゲートX8の出力EX1とが抵抗R25,
R24を介して接続されている。同様に、ExorゲートX
8の出力EX1の一部はNOT回路X10に接続され、こ
のNOT回路X10の出力EX1バーとExorゲートX7の
出力EX2とが抵抗R23,R22を介して接続されてい
る。
【0064】またローパスフィルタ53は、前記抵抗R
22,R23とコンデンサC7からなるパッシブ型のロ
ーパスフィルタ(積分器)と、オペアンプなどの演算増
幅手段X12を主体とし、これに抵抗R10,R39お
よびコンデンサC9が接続されたアクティブ型ローパス
フィルタとから構成されている。同様に、ローパスフィ
ルタ54は、前記抵抗R24,R25と、コンデンサC
8からなるパッシブ型のローパスフィルタと演算増幅手
段X11を主体とし、これに抵抗R9,R40およびコ
ンデンサC4が接続されたアクティブ型ローパスフィル
タとから構成されている。
【0065】また差動増幅手段57は、オペアンプなど
の演算増幅手段X13を主体とし、これに抵抗R26,
R27,R28およびR29が接続されて構成されてい
る。
【0066】上記ジャイロスコープ用の圧電振動子の制
御装置の動作について説明する。圧電振動子1BがX方
向に振動駆動されると、中央の振動脚1vの出力電極c
およびdより、互いに初期位相差が180deg異なる電
流出力I1およびI2が出力される。すなわち、この圧
電振動子1Bの振動脚1vの内部は、誘電分極方向が同
一方向であるため、電流出力I1およびI2は互いに逆
極性出力となる。
【0067】この圧電振動子1BがX方向に振動駆動さ
せ、且つZ軸回りの回転系に置かれると、電流出力I1
とI2との間に回転により発生したコリオリ力に比例す
る位相差λが生じる。なお、以下においては、電流出力
I1とI2とを同極性(初期位相差=0deg)とし、回
転により両者の間に生じた位相差λの中点λ/2を位相
の基準点(0deg)とする。
【0068】電流出力I1およびI2は、I/V変換手
段41および42においてそれぞれ電圧出力V1および
V2に変換される。I/V変換手段41および42は電
流出力I1,I2の位相をそれぞれ180deg反転させ
て出力するものであるため、この時点では、位相の基準
点(0deg)に対し、電圧出力V1の位相は−180deg
だけずれている。一方、電圧出力V2も−180degだ
け位相がずれるため、位相の基準点(0deg)と同位相
の状態となる。
【0069】I/V変換手段41および42の電圧出力
V1およびV2は、二値化手段43および44におい
て、それぞれディジタル出力D1およびD2に変換され
る。上述したように、この二値化手段43および44で
は信号が正弦波のパルス幅に比例したパルス幅からなる
ディジタル出力D1およびD2に変換される。また二値
化手段43のコンパレータX20は正転型であり、二値
化手段44のコンパレータX3は反転型である。よっ
て、この時点では位相の基準点(0deg)に対し、ディ
ジタル出力D1は、そのまま(−180deg)であり、
またディジタル出力D1の位相は0+(−180)=−
180degとなり、ディジタル出力D1とD2とは同極
性の状態となる。ただし、ディジタル出力D1とD2と
の間には、回転により生じた位相差λが存在している。
【0070】図4および図5は、移相手段(参照信号生
成手段)31の入力信号と出力信号とのタイミングを示
し、図4はディジタル出力D1とD2との間の位相差が
零の場合、図5はディジタル出力D1とD2との間の位
相差を徐々に増した場合を示している。なお、図4およ
び図5のAはディジタル出力D1、Bはディジタル出力
D2、Cは位相手段の出力K0をそれぞれ示し、図6は
位相差の中点と参照信号との関係を示す図である。
【0071】図4A,BおよびCに示すように、ディジ
タル出力D1とD2との間の位相差λが零の場合には、
ディジタル出力D1とD2との加算した電圧が積分され
るため、積分器31Bの出力K0は基準電位VCC/2を
中心に振幅する三角波となる。一方、図5A,Bおよび
Cに示すように、ディジタル出力D1とD2との間に位
相差λ(=λ1,λ2,λ3,λ4,…)が生じると、
三角波の頂点が位相差λに相当する時間だけつぶれた台
形波となる。そして、図5Cに示すように、ディジタル
出力D1とD2との間の位相差λが大きいほど三角波の
つぶれ具合も大きくなり、その振幅が徐々に小さくなる
ことがわかる。ただし、台形波が基準電位VCC/2をク
ロスする時間軸t1,t2,t3…に影響はなく、台形
波の振幅が零になるまで正確な時間軸t1,t2,t3
…を得ることが可能である。
【0072】二値化回路31Cでは、基準電位VCC/2
をスレッショルドレベルとして、積分器31Bの出力K
0の二値化を行うが、上記のように積分器31Bの出力
K0は正確な時間軸でスレッショルドレベル(基準電位
CC/2)をクロスするため、図6に示すように積分器
31Bから出力される参照信号Drefは、電流出力I1
とI2との位相差λの中点λ/2から90degだけずれ
た信号とすることができる。
【0073】また、電流出力I1,I2や電圧出力V
1,V2の振幅が変動しても、ディジタル出力D1,D
2のパルス幅に影響は生じず、常に電圧出力V1,V2
のパルス幅に比例したパルス幅とすることが可能であ
る。よって、従来のように電圧出力V1とV2の振幅の
間に高低差が生じた場合であっても、位相差λの中点λ
/2から正確に90degだけ位相がずれた参照信号Dref
を生成するこができる。なお、参照信号Drefは、前記
位相の基準点に対し、−180+(−90)=−270
deg=+90degだけ位相がずれた状態にある。
【0074】前記参照信号Drefは、位相差比較手段5
0および振幅制御手段34に送出され、振幅制御手段3
4の反転手段34Aで反転させられる。よって、反転手
段34Aの出力(反転参照信号Drefバー)の位相は、
前記位相の基準点に対し、−270+(−180)=−
450deg=−90degだけ位相がずれた状態にある。
【0075】反転手段34Aの出力(反転参照信号D
refバー)は、ローパスフィルタ35において、正弦波
に変換され、さらに位相が−90deg遅れる。よって、
ローパスフィルタ35の出力は、位相の中心に対し、−
90+(−90)=−180degだけ遅れた状態とな
る。
【0076】ローパスフィルタ35から出力された正弦
波出力は、反転アンプからなるドライブ手段36で反転
させられ、位相の中心点に対し0deg(同相)に戻され
る。そして、このドライブ手段36で最終的なゲイン調
整され、所定の正弦波状の駆動信号Sが生成される。そ
して、この駆動信号Sは、圧電振動子1Bの各駆動電極
1a,bおよび2aに与えられる。また反転ドライブ手
段では、0degに戻された位相がさらに反転させ、位相
の中心点から−180degだけ遅らされた反転駆動信号
Sバーを生成する。この反転駆動信号Sバーは、圧電振
動子1Bの他方の各駆動電極1b,aおよび2bに与え
られる。
【0077】図3に示す位相差検出手段50では、Exor
ゲートに入力されるディジタル出力D1とD2の位相差
λの中心λ/2と参照信号Drefとの間は常に90degの
位相が維持されているため、ディジタル出力D1とD2
との間の位相差成分のみからなるディジタル信号が生成
され、これがローパスフィルタ53,54に入力される
(図示せず)。またローパスフィルタ53および54は
積分機能を有するため、前記位相差成分のみからなるデ
ィジタル信号を積分し、それぞれ正方向および負方向の
直流電圧成分に平滑する。そして、これら直流電圧成分
は、差動増幅手段57において差動増幅され、コリオリ
力に比例した角速度出力Voutが検出される。
【0078】また上記移相手段(参照信号生成手段)3
1の構成は、下記のように構成することもできる。
【0079】図7は、移相手段(参照信号生成手段)の
他の構成例(第2の構成例)を示す回路構成図である。
【0080】図8はディジタル出力D1とD2の間に位
相差が無い場合における各部の出力波形を示し、Aは一
方の積分器の出力波形、Bは他方の積分器の出力波形、
Cは加算器と二値化回路の出力波形をそれぞれ示す図、
図9はディジタル出力D1とD2の間に位相差を有する
場合における各部の出力波形を示し、Aは一方の積分器
の出力波形、Bは他方の積分器の出力波形、Cは加算器
と二値化回路の出力波形をそれぞれ示す図である。
【0081】なお、ディジタル出力D1およびD2は、
図2に示す正転型の二値化手段43および反転型の二値
化手段44からの出力、または上述したように共に正転
型の二値化手段からの出力であり、両者の間にはコリオ
リ力に比例した位相差のみが存在してる。
【0082】図7に示すように、この移相手段(参照信
号生成手段)60は、積分器61,62、加算器63お
よび二値化回路64から構成されている。積分器61お
よび62は、ともに演算増幅器を主体とする同様の構成
である。また加算器63は、演算増幅器を主体とする一
般的な加算回路であり、二値化回路64はスレッショル
ドレベルを0ボルトとする正転型のコンパレータから構
成されている。
【0083】ディジタル出力D1およびD2は、積分器
61,62に入力される。図8A,Bおよび図9A,B
に示すように、前記ディジタル出力D1およびD2はそ
れぞれ三角波状の出力K1,K2にそれぞれ変換され
る。
【0084】積分器61および62の出力K1およびK
2は、加算器63においてアナログ的に加算され、図8
Cおよび図9Cに示すような加算出力(K1+K2)と
なる。
【0085】すなわち、ディジタル出力D1とD2との
間に位相差がない場合は、図8Cに点線で示すような三
角波状の加算出力(K1+K2)となり、ディジタル出
力D1とD2との間に位相差λを有する場合には、図9
Cに点線で示すような台形状の加算出力(K1+K2)
となる。
【0086】これら加算出力(K1+K2)は、二値化
回路64において矩形波状の参照信号Drefに変換され
る。図8Cおよび図9Cに示すように、この二値化回路
64では、三角波又は台形波状の加算出力(K1+K
2)が、スレッショルドレベル(0ボルト)が、負から
正方向にクロスすると「H」レベルの信号に変換し、正
から負方向にクロスすると「L」レベルの信号に変換す
る。このようにして成形された参照信号Drefは、ディ
ジタル出力D1とD2(三角波又は台形波)の位相差λ
の中心λ/2から90degだけ位相が遅れた矩形波出力
となる。よって、上記同様に、電流出力I1とI2(ま
たは電圧出力V1とV2)の振幅の間に高低差が生じた
場合であっても、位相差λの中点λ/2から正確に90
degだけ位相がずれた参照信号Drefを生成することがで
きる。
【0087】図10は本発明におけるジャイロスコープ
用の圧電振動子の駆動装置の他の実施の形態として、差
分極型の圧電振動子におけるブロック構成図、図11は
図10のブロック構成図の詳細を示す回路構成図であ
る。なお、図11では中央の振動子1vのみが図示され
ている。
【0088】上記において、同一分極型の圧電振動子1
Bの代りに差分極型の圧電振動子1を使用した場合に
は、図10および図11に示すようなブロック構成図お
よび回路構成図となる。図10および図11に示される
ものは、反転ドライブ手段37が不要となる点と、反転
型の二値化手段44の代りに正転型の二値化手段43′
とした点が図1のブロック構成図および図2の回路構成
図と異なる。すなわち、図11に示すように、差分極型
の振動子1vの各駆動電極a,bには、同一の駆動信号
Sのみを供給すればよいため、反転ドライブ手段37は
使用されていない。また中央の振動子1vの出力電極
c,dの出力電流I1,I2は同極性となるため、反転
型の二値化手段43でI/V変換後の出力電圧V1を反
転させる必要がなくなる。よって、正転型の二値化手段
43′が使用されている。なお、その他の各信号の位相
関係は図2に示すものと同様である。
【0089】図12は、移相手段(参照信号生成手段)
として他の構成例(第3の構成例)を用いたジャイロス
コープ用の圧電振動子の駆動装置を示すブロック構成
図、図13は図12のブロック構成図に示される移相手
段(参照信号生成手段)を示す回路構成図、図14はデ
ィジタル出力D1およびD2、参照信号Drefおよび出
力EX1およびEX2との関係を示し、iはディジタル出力
D1,iiはディジタル出力D2,iiiは参照信号D
ref ,ivは出力EX1,vは出力EX2をそれぞれ示してい
る。図15は図11に示す回路の各部の波形出力を示
し、iはExorゲートX8の出力EX1、iiはExorゲートX
7の出力EX2、iiiは図13の加算点αにおける電圧V
α(=EX1+EX2)、ivはVCOの制御電圧Vβをそれ
ぞれ示している。
【0090】図12に示すブロック構成図は、差動分極
型の圧電振動子1を使用している点、および移相手段7
0が主に位相比較手段51,52、加算部71、差動増
幅器72、ローパスフィルタ73、VCO(電圧制御手
段)74、分周器75からなるPLL(フェーズ・ロッ
ク・ループ)で構成されている点が図1のブロック構成
図と異なっている。
【0091】以下、上記相違点について詳述する。図1
2に示すブロック構成図では、差動分極型の圧電振動子
1であるため、上記図10および図11の場合同様に反
転ドライブ手段37が除去され、また二値化手段44は
正転型である。
【0092】図13に示す移相手段は、加算部71が抵
抗RaとRbとから構成され、差動増幅器72およびロ
ーパスフィルタ73は、前記抵抗RaおよびRb、コン
デンサC7と演算増幅器X17からなる積分器で構成さ
れている。また分周器75はフリップフロップなどの演
算回路X18から構成されている。
【0093】ここで、ディジタル出力D1およびD2、
参照信号Drefおよび出力EX1およびEX2との関係は図
14に示される。
【0094】すなわち、出力EX1およびEX2は、ディジ
タル出力D1と参照信号Drefおよびディジタル出力D
2と参照信号Drefとの排他的論理和出力であり、ディ
ジタル出力D1,D2又は参照信号Drefの切り換わり
のタイミングで反転させられる。よって、出力EX1およ
びEX2は、ディジタル出力D1およびD2を2倍した周
波数からなる出力となる。このため、出力EX1とEX2の
位相差λの中点λ/2と参照信号Drefとの間の位相φ
は、ディジタル出力D1とD2の位相差λの中点λ/2
と参照信号Drefとの間の位相φがそのまま維持されて
いる。
【0095】上記加算部71の抵抗RaおよびRbに
は、図3に示すところのExorゲートX8およびX7の出
力EX1およびEX2が入力される。例えば、抵抗Raおよ
びRbに図15のiおよびiiに示すような出力EX1およ
びEX2がそれぞれ入力されると、図13の加算点αにお
ける加算電圧Vαは概念的に図15のiiiに示すようなE
X1+EX2となる(Vα=EX1+EX2)。演算増幅器X
17では、非反転端子(+端子)に入力されている基準
電圧VCC/2と反転端子(−端子)に入力される加算電
圧Vαとが比較される。よって、演算増幅器X17の出
力点βの出力Vβは、図15のivに示すように基準電位
CC/2を基準に積分平滑された直流電圧となり、この
直流電圧VβがVCO74に入力される。直流電圧Vβ
は、VCO74の制御電圧Vβとして作用し、VCO7
4では発振信号refが正確に出力EX1とEX2との位相差
λの中点λ/2から90deg(φ=90deg)だけずれた
ときにロックするように動作する。
【0096】そして、VCO74の発振信号refは、分
周器75において1/2に分周され、ディジタル出力D
1,D2と同じ周波数からなる参照信号Drefとして
(図14参照)、振幅制御手段34および位相比較手段
51,52に出力される。すなわち、このPLLでは、
出力EX1と出力EX2との位相差λの中点λ/2と参照信
号Drefとの間に常に90degの位相差φを生じさせるよ
うに動作する。よって、ディジタル出力D1とD2との
位相差λの中点λ/2と参照信号Drefとの間の位相差
φを常に90degに維持することが可能である。
【0097】図16は、差動分極型の圧電振動子にPL
Lを使用した場合の圧電振動子の駆動装置のブロック構
成図である。
【0098】なお上記図12のブロック構成において、
差動分極型の圧電振動子1の代りに同一分極型の圧電振
動子1Bを使用すると、図16に示すブロック構成図と
することができる。すなわち、上記図1のブロック構成
図同様に、正転型のドライブ手段36と反転型のドライ
ブ手段37を使用することにより、圧電振動子1Bを振
動駆動させることができる。なお、二値化手段44は反
転型とすればよい。
【0099】以上のように、上記いずれの形態において
も、電流出力I1とI2とを変換したディジタル出力
(二値化信号)D1とD2との間の位相差λの中心λ/
2から、正確に90degだけ位相がずれる参照信号Dref
を生成することができるため、圧電振動子の駆動装置に
おける位相を安定化させることができる。よって、位相
差検出手段では、精度の高い角速度出力を得ることが可
能となる。
【0100】以下には、静電容量型の振動子について説
明する。図17は静電容量振動子を用いたジャイロスコ
ープの全体構成を示す斜視図、図18は振動子と電極と
の関係を示す平面図、図19は図18のAA−AA線に
沿う断面図、図20は図18のBB−BB線に沿う断面
図である。なお、図中符号102は静電容量振動子、1
03は駆動電極、104a,104bは検出用の固定電
極(第1および第2の検出用固定電極)、105は上側
ガラス基板(基材)、106は下側ガラス基板(基材)
である。
【0101】図17および図18に示すように、静電容
量振動子(以下、振動子という)102は、上記圧電振
動子1,1B同様に、3本の振動脚(振動片)107
(107u,107vおよび107w)とこれらの基端
側を連結する支持部108とを有している。振動子10
2は、板厚200μm程度の導電性を有する1枚のシリ
コン基板から形成されている。図19および図20に示
すように、振動子102は、上側ガラス基板105と下
側ガラス基板106との間に支持部108が挟持されて
固定される。2枚のガラス基板105、106の内面の
うち、振動子102の上方および下方に位置する領域は
10μm程度の深さの凹部105a、106aとなって
おり、各ガラス基板105、106と振動子102との
間に10μm程度の間隙が形成されることで振動子10
2の各振動脚107が振動可能となっている。
【0102】図17ないし図19に示すように、上側ガ
ラス基板105には、各振動脚107に対応する駆動電
極103が各脚107の長手方向に延在するようにそれ
ぞれ設けられている。
【0103】また、各振動脚107の先端部と対向する
上側ガラス基板105の下面には、1対の検出用の固定
電極(検出用固定電極)104a,104bが、各振動
脚107の変位方向(図示X方向)に位置をずらしてそ
れぞれ設けられている。なお、振動脚107の先端部と
対向する下側ガラス基板106の上面に同様の1対の検
出用の固定電極104a′,104b′を設けたもので
あってもよい。これら駆動電極103および固定電極1
04a,104bは、上側ガラス基板105の下面およ
び下側ガラス基板106の上面上に形成された膜厚30
0nm程度のチタニウム及びプラチナ膜などで構成され
ている。そして、駆動電極103および固定電極104
a、104bには電圧印加用または取り出し用の端子
(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0104】本実施の形態のジヤイロスコーブ101を
使用する際には、駆動電極103にドライブ手段(駆動
手段)36を接続するとともに、固定電極104a、1
04bに容量検出手段を接続し、振動子102を接地し
ておく。そして、ドライブ手段36を駆使して駆動電極
103に数kHz程度の周波数の電圧を印加すると、静
電容量振動子102の各振動脚107が静電引力(クー
ロン力)の作用により鉛直方向(図示Y方向)に振動す
る。すなわち、この振動子102では、上記圧電振動子
1および1Bと異なり、振動脚107u、107wが+
Y方向へのみ曲げ変形させられるとき、中央の脚107
wは−Y方向へのみ曲げ変形するように駆動される。例
えば、この振動子の駆動周期をTとすると、0,T,2
T,3T,……,nT(nは整数)時点では両側の振動
脚107uと107wの静電引力が最大、中央の振動脚
107vの静電引力が0となるよう駆動される。次に、
T/2,3T/2,5T/2,……,(2n−1)T/
2(nは0以外の整数(自然数))時点では、中央の振
動脚107vの静電引力が最大、両側の脚107uと1
07wの静電引力が0となるように駆動される。したが
って、この振動モードを1周期で見ると、両側の脚10
7uと107wとが同じ位相で駆動され、中央の振動脚
107vは両側の振動脚107u,107wと、位相が
T/2周期分(π=180deg)相違するように駆動さ
れる。
【0105】このような静電容量振動子102を上記圧
電振動子1および1Bの場合同様に、各振動脚107を
振動させた状態でZ軸回りの回転系に置くと、各振動脚
107に対し振動方向(Y方向)と直交する方向へのコ
リオリ力が作用し、各振動脚107はX方向に振動す
る。そして、このコリオリ力による振動成分は、両側の
振動脚107u,107wと、中央の振動脚107vと
で逆の位相となる。すなわち、ある時点で両側の振動脚
107uと107wがコリオリ力により+X方向への振
幅成分を持つとき、中央の振動脚107vは−X方向へ
の振幅成分を持つ。
【0106】各振動脚107の上面と各固定電極104
a、104bが対向した状態にあり、この間に容量(キ
ャパシタ)CaおよびCbが形成されている。すなわ
ち、固定電極104a、104bに対向する振動脚10
7の対向面は、検出用の可動電極(検出用可動電極)と
なっている。なお、下側ガラス基板106の上面側にも
1対の固定電極104a′,104b′が設けられてい
る場合には、各振動脚107の下面と各固定電極104
a′,104b′との間に同様の容量CaおよびCbが
形成される。
【0107】そして、各振動脚107にX方向のコリオ
リ力が作用すると、各振動脚107の上面と各固定電極
104a,104bとの対向面積が変化する。これによ
り、隣り合う2個の容量Ca,Cbのうちの一方の容量
の容量値が増加し、その容量増加分だけ他方の容量の容
量値が減少する。この容量変化を後述する容量−電圧
(C−V)変換手段(変換手段)で検出することにより
角速度の検出が行われる。
【0108】以下、静電容量振動子の駆動装置を示すに
ついて説明する。図21は静電容量振動子の駆動装置を
示す回路構成図、図22は他の静電容量振動子の駆動装
置を示す回路構成図であり、共にジャイロスコープ用に
使用されるものである。なお、図21および図22には
中央の振動子107vのみが図示されている。
【0109】図21および図22に示す駆動装置は、上
記圧電振動子1Bの回路構成例と類似する構成となって
いる(図2参照)。すなわち、図21に示すものでは、
振動子102の検出系40がI/V変換手段41,42
およびI/V変換手段41,42から構成され、移相手
段(参照信号生成手段)31が加算器31A,積分器3
1B、二値化回路31(第2の二値化手段)C、振幅制
御手段34、ローパスフィルタ35およびドライブ手段
36から構成されている。一方、図22に示すものは、
検出系40のうち、I/V変換手段41,42の代りに
C−V変換手段(変換手段)41a,42aが設けられ
ている点が異なっている。
【0110】以下には、主に上記圧電振動子1Bの回路
構図(図2)と異なる点について説明する。
【0111】図21および図22では、図示左端側に3
脚形の振動子102のうち中央の振動脚107vのみが
模式的に示されており、便宜上振動脚107vの下面と
対向する位置に駆動電極103が示され、振動脚107
vの上面と対向する位置に検出用の固定電極(検出用固
定電極)104a,104bが示されている。なお、実
際には図17に示すように、駆動電極103および固定
電極104a,104bは、上述の通り振動脚107v
の上面と対向する上側ガラス基板105の下面に設けら
れている。
【0112】図21および図22に示す回路の構成は±
Vccの2電源方式であり、振動子102がアース電位G
に接地されている。よって、振動子102が駆動用およ
び検出用の可動電極を兼ねたものとなっている。なお、
1電源により構成される場合には、上記同様に振動子1
02の電位をVcc/2(中点電位)に接続しておけばよ
い。
【0113】図21に示すものでは、振動子102の検
出用の固定電極104a,104bに一定電圧Vが印加
されている。そして、固定電極104a,104bは、
I/V変換手段41,42にそれぞれ接続されている。
なお、I/V変換手段41,42は、上記同様の演算増
幅器X1,X2から構成されている。
【0114】一方、図22に示すものは、検出用の固定
電極104a,104bにそれぞれ抵抗raおよびrb
が直列接続され、この抵抗raおよびrbはカップリン
グコンデンサCcを介して変調波発振手段80に接続さ
れている。そして、固定電極104a側の容量Caに
は、前記カップリングコンデンサCcおよび抵抗raを
介して一定の周波数からなる変調波Mが印加されてい
る。同様に、固定電極104b側の容量Cbにはカップ
リングコンデンサCcおよび抵抗rbを介して変調波M
が印加されている。前記変調波Mの周波数fmは、振動
脚107を駆動する駆動信号S(駆動信号SaおよびS
b)の駆動周波数fDよりも十分高い周波数に設定され
ている(fm>>fD)。
【0115】また図22に示すものには、上記I/V変
換手段41,42の代りに、FETからなる増幅手段8
1,82、コンデンサおよび抵抗からなるハイパスフィ
ルタ83,84、ダイオードDa,Dbおよびコンデン
サからなるピーク保持回路85,86およびローパスフ
ィルタパスを兼ねた増幅回路87,88から構成される
C−V変換手段(容量−電圧変換手段)41a,42a
が設けられている。
【0116】図22に示すように、振動子102の固定
電極104a,104bが増幅手段81,82を構成す
るFETのゲート端子に入力されている。FETのソー
ス端子とアース電位との間には抵抗が接続されており、
前記抵抗の端子間電圧がハイパスフィルタ83,84を
介してピーク保持回路85,86のダイオードDa,D
bのアノード側に与えられている。そして、ダイオード
Da,Dbのカソード側は、ホールドコンデンサChを
介してアース電位に接続されるとともに、増幅回路8
7,88を構成する演算増幅器X31,X32の反転入
力端子側の抵抗R51,R52にそれぞれ接続されてい
る。なお、前記増幅回路87,88は、演算増幅手段X
31およびX32を主体とする積分器で構成されてい
る。そして、前記C−V変換手段41a,42a(増幅
回路87,88)の出力は反転型のコンパレータからな
る二値化手段43,44に接続されている。なお、その
他の構成は上記図21と同様である。
【0117】以下、図21および図22の動作について
説明する。図21において、振動脚107vにドライブ
手段36より所定駆動信号Sが与えられて鉛直方向に駆
動されているものとする。このとき、容量Ca又はCb
の容量値をC、電荷をq、電圧をV(一定電圧)とする
と、q=C・Vの関係が成り立つ。この状態において振
動脚107vがX方向へ変位すると、容量の対向面積が
変化するため容量値Cが変化する。さらにq=C・Vの
関係を維持しようとして、容量の電荷qが変化する。こ
のとき、各固定電極104a,104bの第1の出力電
流I1(第1の出力信号),第2の電流出力I2(第2
の出力信号)は、電荷qの微分値dq/dtとなるの
で、前記電流出力I1,I2を検出することにより容量
CaおよびCbの容量値Cの変化量、すなわち振動脚1
07vのX方向への変位量を検出することが可能であ
る。
【0118】前記第1の電流出力I1および第2の電流
出力I2は、I/V変換手段41,42の演算増幅器X
1,X2の反転入力端子に与えられる。そして、I/V
変換手段41,42において、前記前記第1および第2
の電流出力I1,I2が第1および第2の電圧出力V
1,V2にそれぞれ変換させられる。これにより、振動
脚107vのX方向の変位量が電圧出力V1,V2とし
てそれぞれ検出され、その後段の第1および第2の二値
化手段43,44により、0ボルトをスレッショルドレ
ベルの基準としてディジタル信号D1およびD2に変換
される。
【0119】一方、図22に示すものでは、固定電極1
04aおよび104bの出力電圧Vg1(第1の出力信
号)および出力電圧Vg2(第2の出力信号)が、抵抗
ra,rbと容量Ca,Cbとのインピーダンスを分圧
することによりそれぞれ与えられる。すなわち、変調波
Mの印加電圧をeとすると、それぞれ以下の数1および
数2で与えられる。
【0120】
【数1】
【0121】
【数2】
【0122】ここで、容量Ca,Cbに与えられる変調
波Mの電圧eおよび抵抗ra,rbを一定値に設定して
おくと、出力電圧Vg1およびVg2はエンベローブ信
号であり、その包絡線が容量Ca,Cbの容量値の変化
を示している。よって、振動脚107vの水平(X)方
向の変位量を出力電圧Vg1およびVg2から求めるこ
とができる。なお、抵抗ra,rbは、その他固定の容
量値からなるコンデンサでもよい。
【0123】前記検出用の固定電極104aおよび10
4bの出力電圧Vg1およびVg2は、増幅手段(FE
T)81,82のゲート端子に与えられて電圧増幅され
る。そして、ハイパスフィルタ83,84で不要な低周
波成分が除去され、ピーク保持回路85,86に送出さ
れる。ピーク保持回路85,86では、増幅後の出力電
圧Vg1およびVg2の正方向の電圧のみをホールドコ
ンデンサCh,Chでピークホールドする。次にローパ
スフィルタパスを兼ねた増幅回路87,88が、ホール
ドコンデンサChのホールド電圧を時間積分することに
より変調波Mを取り除き、前記包絡線から容量Ca,C
bの容量値(振動脚107vの水平方向の変位量)を示
す第1の電圧出力V1′および第2の電圧出力V2′を
生成する。なお、前記増幅回路87,88の第1および
第2の電圧出力V1′,V2′は、負方向のみの信号
(検波信号)である。このため第1および第2の二値化
手段43,44では、反転型のコンパレータにより0ボ
ルト(アース電位)をスレッショルドレベルの基準とし
て前記第1および第2の電圧出力V1′,V2′をディ
ジタル信号(二値化信号)D1およびD2に変換する。
すなわち、第1および第2の電圧出力V1′,V2′が
0ボルトよりも小さいときに「H」レベル(+Vcc)の信
号を出力し、0ボルトのときに「L」レベル(0ボル
ト)を出力する。これにより、振動脚107vの変位量
に相当する容量Ca,Cbの容量値に対応したディジタ
ル信号(二値化信号)D1,D2を生成することが可能
となる。
【0124】上記図21および図22に示すものでは、
第1および第2の二値化手段43,44に変換させられ
たディジタル信号D1およびD2が、上記圧電振動子で
説明した場合同様に移相手段(参照信号生成手段)31
の加算器31Aで加算され、さらに積分器31Bおよび
二値化回路(第3の二値化手段)31Cにおいて参照信
号Drefが生成される。そして、このとき生成される参
照信号Drefは、上記圧電振動子の場合同様にディジタ
ル信号(二値化信号)D1とD2の位相差λの中心から
90degだけ遅れた信号となる。
【0125】前記ディジタル信号D1,D2および参照
信号Drefは、位相差比較手段50および振幅制御手段
34に送出される。そして、前記参照信号Drefは、振
幅制御手段34から二値化回路31C、振幅制御手段3
4、ローパスフィルタ35およびドライブ手段36にお
いて上記圧電振動子1又は1B同様の信号処理が施され
ドライブ手段36に正弦波状の信号が送出される。
【0126】前記ドライブ手段(駆動手段)36では、
一方の演算増幅器X16′が正弦波状の信号を正方向に
オフセット電圧+Voffsetだけバイアスされた駆動信号
Saを生成し、他方の演算増幅器X16′が負方向にオ
フセット電圧−Voffsetだけバイアスされ駆動信号Sb
を生成する。そして、例えば、前記駆動信号Saが振動
脚107vの駆動電極103に、前記駆動信号Sbが振
動脚107u,107wの駆動電極103,103にそ
れぞれ与えられる。これにより、両側の振動脚107
u,107wに対し振動脚107vを交互に振幅駆動さ
せることができる。
【0127】そして、上記圧電振動子の場合同様に、駆
動信号SaおよびSbは、ディジタル信号D1とD2の
位相差λの中心から90degだけ遅れた参照信号Drefに
同期するように与えられるので、振動子102の駆動装
置の位相回りを安定化させることができる。
【0128】また前記位相差検出手段50では、前記デ
ィジタル出力(第1の二値化信号)D1と参照信号D
refとの排他的論理和、および前記ディジタル出力D2
(第2の二値化信号)と参照信号Drefとの排他的論理
和が生成され、さらにローパスフィルタで積分平滑さ
れ、直流電圧値にそれぞれ変換させられる。そして、差
動増幅手段によりコリオリ力に比例した角速度出力が検
出される。
【0129】なお、上記においては、上側ガラス基板1
05側に駆動電極103を設け、且つ振動子102をア
ース電位に接地した状態で、駆動電極103と振動脚1
07との間に駆動信号を与えることにより、振動脚10
7を駆動するものを示したが、その他振動脚107の一
面に絶縁膜を形成しその上に駆動用可動電極を設け、こ
れと対向するガラス基板上に駆動用固定電極を配設し、
両電極間に駆動信号を供給することによっても振動脚1
07を駆動することができる。
【0130】また、上記では、圧電振動子と静電容量振
動子のそれぞれについて説明したが、例えば圧電振動子
の表面に絶縁膜を形成しその上に検出用可動電極を設け
ておくと、駆動系を圧電振動子で構成し、検出系を静電
容量で構成することが可能である。またその反対に、静
電容量振動子の一面に圧電素子を貼付しておくこと、駆
動系を静電容量振動子で構成し、検出系を圧電素子とす
ることも可能である。
【0131】また上記において、参照信号から正弦波信
号を生成する手段として、ローパスフィルタ35を用い
て説明したが、本発明はローパスフィルタに限られるも
のではなく、その他公知の正弦波生成手段を用いること
ができる。
【0132】また振動子そのものを正弦波により駆動し
ているが、その他矩形波や三角波により駆動することも
可能である。ただし、この場合にも参照信号Drefを基
準にこれらの信号を生成するようにすると、駆動装置の
位相回りを安定化することができる。
【0133】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、圧電振動
子および静電容量振動子から出力される2つの出力信号
の位相差の中点を基準に駆動信号を正確に同期させるこ
とができるため、振動子の駆動装置を安定化した位相で
制御することができる。
【0134】また2つの出力信号の位相の中点と参照信
号との間の位相を正確に90degとすることができるた
め、位相差検出手段においてより精度の高い角速度を検
出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるジャイロスコープ用の圧電振動
子の駆動装置の実施の形態として、同一分極型の圧電振
動子の場合におけるブロック構成図、
【図2】図1のブロック構成図の詳細を示す回路構成
図、
【図3】位相差検出手段の詳細を示す回路構成図、
【図4】ディジタル出力D1とD2との間の位相差が零
の場合における移相手段の入力信号と出力信号とのタイ
ミングを示し、Aはディジタル出力D1、Bはディジタ
ル出力D2、Cは位相手段の出力K0、
【図5】ディジタル出力D1とD2との間の位相差を徐
々に増した場合の移相手段(参照信号生成手段)の入力
信号と出力信号とのタイミングを示し、Aはディジタル
出力D1、Bはディジタル出力D2、Cは位相手段の出
力K0、
【図6】位相差の中点と参照信号との関係を示す図、
【図7】移相手段(参照信号生成手段)の他の構成例
(第2の構成例)を示す回路構成図、
【図8】ディジタル出力D1とD2の間に位相差が無い
場合における各部の出力波形を示し、Aは一方の積分器
の出力波形、Bは他方の積分器の出力波形、Cは加算器
と二値化回路の出力波形をそれぞれ示す図、
【図9】ディジタル出力D1とD2の間に位相差を有す
る場合における各部の出力波形を示し、Aは一方の積分
器の出力波形、Bは他方の積分器の出力波形、Cは加算
器と二値化回路の出力波形をそれぞれ示す図、
【図10】ジャイロスコープ用の圧電振動子の駆動装置
の他の実施の形態として、差分極型の圧電振動子におけ
るブロック構成図、
【図11】図10のブロック構成図の詳細を示す回路構
成図、
【図12】移相手段(参照信号生成手段)として他の構
成例(第3の構成例)を用いたジャイロスコープ用の圧
電振動子の駆動装置を示すブロック構成図、
【図13】図12のブロック構成図に示される移相手段
(参照信号生成手段)を示す回路構成図、
【図14】ディジタル出力D1およびD2、参照信号D
refおよび出力EX1およびEX2との関係を示し、iはデ
ィジタル出力D1,iiはディジタル出力D2,iiiは参
照信号Dref ,ivは出力EX1,vは出力EX2、
【図15】図11に示す回路の各部の波形出力を示し、
iはExorゲートX8の出力EX1、iiはExorゲートX7の
出力EX2、iiiは図11の加算点αにおける電圧Vα
(=EX1+EX2)、ivは制御電圧Vβ、
【図16】差動分極型の圧電振動子にPLLを使用した
場合の圧電振動子の駆動装置のブロック構成図、
【図17】静電容量振動子を用いたジャイロスコープの
全体構成を示す斜視図、
【図18】振動子と電極との関係を示す平面図、
【図19】図18のAA−AA線に沿う断面図、
【図20】図18のBB−BB線に沿う断面図
【図21】静電容量振動子の駆動および検出装置を示す
回路構成図、
【図22】他の静電容量振動子の駆動および検出装置を
示す回路構成図、
【図23】従来のジャイロスコープ用の圧電振動子のド
ライブ手段および検出手段を示す回路構成図、
【図24】ジャイロスコープに使用される三脚音叉型の
圧電振動子を示す斜視図、
【図25】圧電振動子の端面の一構成例を示し、図24
の矢印25方向から見た正面図、
【図26】圧電振動子の端面の他の構成例を示す正面
図、
【図27】従来の2つの電圧出力の位相差の中点を求め
る方法を示し、Aは振幅に高低差が零の場合、Bは振幅
に高低差を有する場合、
【符号の説明】
1 圧電振動子(差動分極型) 1B 圧電振動子(同一分極型) 1u,1v,1w 振動脚 11 I/V変換手段(変換手段) 30 駆動系 31,70 移相手段(参照信号生成手段) 34 振幅制御手段 35 ローパスフィルタ 36 ドライブ手段(駆動手段) 40 検出系 41,42 I/V変換手段(変換手段) 41a,42a C−V変換手段(変換手段) 43,44 二値化手段 50 位相差検出手段 101 ジヤイロスコーブ 102 振動子(静電容量振動子) 103 駆動電極 104a,104b 検出電極(検出固定電極) 105 上側ガラス基板(基材) 106 下側ガラス基板(基材) 107u,107v,107w 振動脚(検出可動電
極) a,b 入力電極 c,d 出力電極(検出電極) I1 第1の電流出力(第1の出力信号) I2 第2の電流出力(第2の出力信号) V1 電圧出力(第1の電圧出力) V2 電圧出力(第2の電圧出力) Ca 第1のキャパシタ(容量) Cb 第2のキャパシタ(容量) D1 第1のディジタル出力(第1の二値化信号) D2 第2のディジタル出力(第2の二値化信号) Dref 参照信号 ±VCC 電源電圧 S,Sa,Sb 駆動信号 PLL フェーズ・ロック・ループ M 変調波 λ 位相差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 英司 東京都大田区雪谷大塚1番7号 アルプス 電気株式会社社内 Fターム(参考) 2F105 BB04 BB08 BB20 CC01 CD02 CD03 CD06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動方向と直交する方向に変位する振動
    脚と、前記振動脚に駆動信号を供給する駆動電極と、前
    記振動脚の面上又は振動脚と対向する位置に設けられ、
    前記振動脚の物理的な変位量を電気信号として取り出す
    一対の検出電極とを備えた振動子と、前記一対の検出電
    極から取り出された電気信号を所定のスレッショルドレ
    ベルで第1及び第2の二値化信号に変換する二値化手段
    と、前記第1および第2の二値化信号から参照信号を生
    成する参照信号生成手段と、前記参照信号を基準に前記
    振動脚を駆動するための駆動信号を生成する駆動手段
    と、が設けられており、 前記参照信号生成手段では、前記参照信号が前記第1お
    よび第2の二値化信号の位相差の中心を基準に生成され
    ていることを特徴とする振動子の駆動装置。
  2. 【請求項2】 振動脚の一面に一対の駆動電極および他
    面に一対の検出電極を備えた振動子と、前記一対の駆動
    電極から検出された第1および第2の電流出力をそれぞ
    れ第1および第2の電圧出力に変換する第1および第2
    の変換手段と、前記各電圧出力を所定のスレッショルド
    レベルを基準に第1および第2の二値化信号にそれぞれ
    変換する第1および第2の二値化手段と、前記第1およ
    び第2の二値化信号から参照信号を生成する参照信号生
    成手段と、前記参照信号から圧電振動子を駆動するため
    の駆動信号を生成する駆動手段とからなり、前記駆動信
    号が、前記第1および第2の電流出力の位相差の中点を
    基準として生成される請求項1記載の振動子の駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記参照信号生成手段が、第1及び第2
    の二値化手段の出力を加算する加算器、前記加算器の出
    力を積分する積分器と、前記積分器の出力を二値化信号
    に変換する第3の二値化手段とから成る請求項1記載の
    振動子の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記参照信号生成手段が、加算器、差動
    増幅器、ローパスフィルタ、VCOおよび分周器および
    位相差検出手段の一部を構成する位相比較器とから成る
    請求項1記載の振動子の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記参照信号が、第1および第2の二値
    化信号の位相差の中点から一定量だけ位相がずれている
    請求項1ないし3のいずれか記載の振動子の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記参照信号が、第1および第2の二値
    化信号の位相差の中点から位相が90degだけずれてい
    る請求項5記載の振動子の駆動装置。
  7. 【請求項7】 駆動方向と直交する方向に変位する振動
    脚を備えた振動子と、前記振動子と対向配置された基材
    と、前記振動脚に設けられ、前記振動脚の駆動方向に対
    して直交する方向の変位量を検出する検出用可動電極
    と、前記検出用可動電極に対向する基材側に前記振動脚
    の変位方向に位置をずらして設けられ、且つ前記検出用
    可動電極との間で第1および第2の容量を形成する一対
    の検出用固定電極と、前記第1及び第2の容量をそれぞ
    れ電気信号に変換する第1及び第2の変換手段と、前記
    第1及び第2の変換手段の各出力信号を、所定のスレッ
    ショルドレベルを基準に第1及び第2の二値化信号にそ
    れぞれ変換する第1及び第2の二値化手段と、前記第1
    及び第2の二値化信号から参照信号を生成する参照信号
    生成手段と、前記参照信号に基づき前記振動脚を駆動す
    るための駆動信号を生成する駆動手段とからなり、前記
    参照信号生成手段が、前記参照信号を前記第1及び第2
    の二値化信号の位相差の中点を基準として生成するもの
    である請求項1記載の振動子の駆動装置。
  8. 【請求項8】 駆動方向と直交する方向に変位する振動
    脚を備えた振動子と、前記振動子と対向配置された基材
    と、前記基材側に設けられ、前記振動脚の駆動方向に対
    して直交する方向の変位量を検出する検出用固定電極
    と、前記基材と対向する振動脚の一面に前記振動脚の変
    位方向に位置をずらして設けられ、且つ前記検出用固定
    電極との間で第1および第2の容量を形成する一対の検
    出用可動電極と、 前記第1及び第2の容量をそれぞれ電気信号に変換する
    第1及び第2の変換手段と、前記第1及び第2の変換手
    段の各出力信号を、所定のスレッショルドレベルを基準
    に第1及び第2の二値化信号にそれぞれ変換する第1及
    び第2の二値化手段と、前記第1及び第2の二値化信号
    から参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記参照
    信号に基づき前記振動脚を駆動するための駆動信号を生
    成する駆動手段とからなり、 前記参照信号生成手段が、前記参照信号を前記第1及び
    第2の二値化信号の位相差の中点を基準として生成する
    ものである請求項1記載の振動子の駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記参照信号生成手段が、第1及び第2
    の二値化手段の出力を加算する加算器、前記加算器の出
    力を積分する積分器と、前記積分器の出力を二値化信号
    に変換する第3の二値化手段とから成る請求項1,7,
    8のいずれか記載の振動子の駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動手段が、前記第3の二値化手
    段の出力を正弦波に生成する手段からなる請求項1,
    7,8のいずれか記載の振動子の駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動手段が、前記振動脚に配置さ
    れた駆動用可動電極と、前記駆動用可動電極との間で容
    量を形成するよう前記基材に対向配置された駆動用固定
    電極との間に前記駆動信号を与えるものである請求項
    1,7,8,9,10のいずれか記載の振動子の駆動装
    置。
  12. 【請求項12】 前記振動子が、圧電素子からなる請求
    項1,7,8,9,10,11のいずれかに記載の振動
    子の駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記参照信号が、第1および第2の二
    値化信号の位相差の中点から一定量だけ位相がずれてい
    る請求項1,7,8,9,10,11,12のいずれか
    記載の振動子の駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記参照信号が、第1および第2の二
    値化信号の位相差の中点から位相が90degだけずれて
    いる請求項13記載の振動子の駆動装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010150736A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 ローム株式会社 角速度センサと、それに用いられる同期検波回路
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JP2013029526A (ja) * 2006-12-20 2013-02-07 Seiko Epson Corp 振動ジャイロセンサ

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