JP2001048668A - セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置 - Google Patents

セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置

Info

Publication number
JP2001048668A
JP2001048668A JP11223789A JP22378999A JP2001048668A JP 2001048668 A JP2001048668 A JP 2001048668A JP 11223789 A JP11223789 A JP 11223789A JP 22378999 A JP22378999 A JP 22378999A JP 2001048668 A JP2001048668 A JP 2001048668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
brazing material
ceramic
joined body
joining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11223789A
Other languages
English (en)
Inventor
Miho Maruyama
美保 丸山
Masaru Fukuya
賢 福家
Mamoru Izumi
守 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP11223789A priority Critical patent/JP2001048668A/ja
Publication of JP2001048668A publication Critical patent/JP2001048668A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】接合温度より高温で使用できる金属とセラミッ
クスの接合方法を提供する。この接合方法を用いて 600
℃以上で使用できる接合体を提供する。また、PZT接
合体によって超音波トランスデューサとして使用するこ
とのできる接合強度を有する圧電振動装置を提供する。 【解決手段】ろう接時に、ろう材2に溶け込み融点を高
める改質材4をろう材中に拡散させることによって、ろ
う材の融点を上昇させる。また、PZTとAg−Cuろ
う材との界面に、Ti−Oからなる相とTi−Zr−O
からなる相を形成させることによって、良好な濡れ性と
強固な接合強度を達成し、超音波トランスデューサとし
て使用することのできるPZT接合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波センサ等に
用いられるセラミックスと金属の接合方法およびこの接
合方法によって得られる接合体およびこの接合体を用い
た圧電振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いろいろな設備や装置の非破壊検査に用
いられる超音波センサを構成するには、PZT(ジルコ
ン酸チタン酸鉛),PT(チタン酸鉛),LiNbO3
(ニオブ酸リチウム)などのセラミックスからなる圧電
振動子をFe(鉄)基,Ni(ニッケル)基,Ti(チ
タン)基合金などからなる金属ケースの内部に固定する
必要がある。このための固定方法としては、バッキング
材を用いて機械的に固定する方法、接合表面を水素ラジ
カルを用いて活性化し直接接合する方法(Y.Ishida (e
d.):Interface Science and Materials Interconnectio
n, JIM(1996)p177.)、ハンダを用いてろう接する方法
(例えば特開平5-11042 号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】600℃以上の高温でも
使用できる超音波センサ等の圧電振動装置を製作しよう
とする場合、セラミックスの圧電振動子を機械的に固定
する方法では、位置ずれや比較的脆弱な部材の破壊が起
こり、センサー特性の信頼性が低くなる。表面活性化直
接接合では、もともと接合強度は必ずしも高くなく、昇
温により非平衡な状態が平衡な状態に変化する過程で接
合強度が低下する可能性があり、やはり信頼性が低い。
【0004】圧電振動子を金属にろう接する方法の場
合、 600℃ではハンダが溶融してしまう。Al−Si
(アルミニウム−シリコン)系ろう材でも融点直下とな
るため使用できない。融点が 780℃程度のAg−Cu
(銀−銅)系ろう材が使用条件を満たす。したがって高
温で使用できるセンサを製作するための接合にはAg−
Cu系ろう材を用いたろう接が適していると考えられ
る。しかしこの場合でも、センサーの使用温度はAg−
Cu系ろう材の融点により制限される。また、セラミッ
クスがPZTである場合、Ag−Cu系ろう材ではろう
材の濡れ性が悪く、非常に弱い接合強度しか得られな
い。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、接合温度よりも高い温度で使用でき、また高い
接合強度の得られるセラミックスと金属の接合方法およ
び接合体およびこの接合体を備え超音波センサ等に使用
し得る圧電振動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、セラミックス、AgとCuからなるろう材および金
属を積層し、セラミックスとAg−Cuろう材の間に、
あるいはセラミックスとAg−Cuろう材の間およびA
g−Cuろう材と金属の間に、ろう材に溶け込み融点を
高める改質材を介在させ、ろう接時に溶融したろう材中
に前記改質材を溶け込ませて、接合部の溶融温度を接合
温度より高温にすることを特徴とするセラミックスと金
属の接合方法である。
【0007】請求項2に対応する発明は、改質材を、
鉄,コバルト,ニッケル,チタン,銅,銀および金の少
くともいずれか1種類の元素とする接合方法である。請
求項3に対応する発明は、請求項1記載のセラミックス
と金属の接合方法によって得られ、セラミックス/Cu
とNiの濃度の高いCu−Niリッチ相/Agの濃度の
高いAgリッチ相/金属からなる接合部断面構造を有す
るセラミックスと金属の接合体である。
【0008】請求項4に対応する発明は、上記セラミッ
クスと金属の接合体において接合部の厚さは5μm〜 2
00μmであることを特徴とする。請求項5に対応する発
明は、請求項3記載のセラミックスと金属の接合体と、
この接合体の前記金属と反対の面に接合されたバッキン
グ材とを備え、前記接合体に電圧を印加・取出しするリ
ード線を接続したことを特徴とする圧電振動装置であ
る。
【0009】請求項6に対応する発明は、セラミックス
をジルコン酸チタン酸鉛として請求項1記載のセラミッ
クスと金属の接合方法によって得られ、接合部にTi−
Oからなる相とTi−Zr−Oからなる相を有する接合
体を提供する。
【0010】請求項7に対応する発明は、上記Ti−O
からなる相とTi−Zr−Oからなる相の厚さは、 0.1
μm〜10μmであることを特徴とする接合体である。請
求項8に対応する発明は、金属をモリブデンとした請求
項6記載のセラミックスと金属の接合体と、この接合体
のモリブデンと反対の面に接合されたバッキング材とを
備え、前記接合体に電圧を印加、取出しするリード線を
接続したことを特徴とする圧電振動装置である。
【0011】このように本発明は、セラミックス、Ag
−Cuろう材、金属を積層し、セラミックスとAg−C
uろう材の間に、あるいはセラミックスとAg−Cuろ
う材の間およびAg−Cuろう材と金属の間に、Ag−
Cuろう材に溶け込み融点を高める元素(改質材)を挿
入し、ろう接時にこの元素をろう材中に拡散させること
で、接合温度より高温で使用できるようにしたものであ
る。
【0012】また、セラミックスがPZTの場合にはA
g−Cu系ろう材ではろう材の濡れ性が悪いため、非常
に弱い接合強度しか得られないが、Ti−Oからなる相
とTi−Zr−Oからなる相を有するPZTの接合体に
よって、十分な接合強度を有するPZT接合体の提供す
るようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のセラミック
スと金属の接合方法においては、図1に示すように、セ
ラミックス1,Ag−Cuろう材2,金属3を積層し、
セラミックス1とAg−Cuろう材2の間に、あるいは
セラミックス1とAg−Cuろう材2の間およびAg−
Cuろう材2と金属3の間に、ろう材に溶け込み融点を
高める元素(改質材4)を挿入する。図1は接合前の接
合部材の組み合わせを示す断面図である。
【0014】ろう接時にAg-Cu ろう材中に拡散し、ろう
材の組成を変えることで、接合後のろう材の見かけの溶
融温度を上昇させる改質材としては、Fe(鉄),Co
(コバルト),Ni(ニッケル),Ti(チタン),C
u(銅),Ag(銀),Au(金)などが挙げられる。
Ag−Cuろう材との濡れ性のよいNi,Cu,Agな
どを用いれば、少量のろう材でも接合部に濡れ広がるこ
とが可能であり、気孔等の欠陥(ポア)が発生する可能
性を低くすることができるので望ましい。
【0015】改質材4は、セラミックス1の表面、ある
いはセラミックス1と金属3の両者の表面に、蒸着、ス
パッタなどのPVD法で供給してもよく、メッキ等の手
法で供給してもよい。また箔や線材、粉体、あるいは粉
体をペースト化した形態で供給してもよい。
【0016】高温センサ用の圧電振動装置を構成する場
合、圧電振動子用の代表的なセラミックスとしてPZ
T,PT,LiNbO3 などが挙げられる。また、圧電
振動子を固定するケースの金属としてはFe基,Ni
基,Ti基合金などが挙げられるが、熱膨張係数の小さ
い42アロイやインバー、スーパーインバー、Mo(モリ
ブデン),W(タングステン),Ta(タンタル)等が
望ましい。
【0017】上述した組み合わせの部材を、10-3Paオ
ーダー以上の高真空中で 780〜 830℃まで加熱し、1〜
20分間保持した後、冷却する。10-3Paオーダー以上の
高真空はCuやTiなどの構成元素が酸化しないように
するために最低限必要な真空度である。熱処理時間は、
圧電振動子にダメージを与えないように短時間とするこ
とが望ましい。例えばLiNbO3 の場合、長時間熱処
理を行うと酸素欠陥を生じるため、昇温速度は10℃/mi
n 以上、保持時間は10分以内とすることが望ましい。
【0018】真空中熱処理によりろう材が溶融すると、
ろう材は改質材と密に接触し、改質材の元素がろう材中
に拡散する。改質材がNi,Tiの場合、ろう材構成元
素であるCuと反応し、固溶体(Cu,Ni),Cu−
Ti化合物などを形成する。この反応と共にろう材の液
相線温度が上昇し、ろう材の見かけの溶融温度が上昇す
る。
【0019】この系の場合、接合後のろう材の組成をA
g:Cu:Ni:Ti=59.9:39.9:0.1 :0.1 〜52:
34:9:5の範囲とすることが望ましい。これ以下のN
i,Ti組成では、本発明の効果を得ることが難しく、
これ以上のNi,Ti組成では、Cu−Ti化合物の生
成により気孔等の欠陥(ポア)が形成しやすくなるため
である。
【0020】本発明の実施の形態の接合体の断面組織図
を図2に示すように、接合後には、改質材を配置した界
面の近傍に、改質材元素の濃度の高い領域が生成してい
る。例えば、改質材としてNi/Ti膜を用いた場合、
界面近傍に固溶体(Cu,Ni,Ti)相5が生成す
る。ろう材組織の中央部はAgの組成が相対的に高いA
gリッチ相6となる。中央部のAgリッチ相6は通常の
共晶Ag−Cu組織よりもヤング率が低くなる。よって
中央部のヤング率の低いAgリッチ相6が応力緩和層と
して機能し、セラミックス1に発生する残留応力を低く
することが可能となる。
【0021】接合後の接合部7の厚さは、接合体の超音
波センサーとしての特性を高く保つためには 200μm以
下とすることが望ましい。また接合部のろう材不足を起
こさないためには、5μm以上とすることが望ましい。
【0022】本実施の形態の圧電振動装置を図3に示
す。すなわち、PZT,PT,LiNbO3 などのセラ
ミックスからなる圧電振動子8と42アロイ,Moなどか
らなるケース前面板9とを上記実施の形態の接合方法に
よって接合して上記実施の形態の接合体を形成し、圧電
振動子8の他の面には接合部10を介して多孔質セラミッ
クスからなるバックキング材11を接合し、圧電振動子8
の側面にリード線12およびその先にケーブル13を接合
し、ケース前面板9に接合したケース14内に収容した構
成である。圧電振動子8とバッキング材11間の接合部1
0、すなわちセラミックス/セラミックス間の接合もA
g−Cuろう材と改質材を用いて形成してもよい。本実
施の形態の圧電振動装置は高温用の超音波発振子やセン
サとして使用することができる。
【0023】このように本実施の形態においては、Ag
−Cuろうを用いたろう接において、ろう材の溶融時に
ろう材の融点を上昇させる元素(改質材)をろう材中に
拡散させ、ろう材の見かけの溶融温度を上昇させる。す
なわち接合部の溶融温度を接合温度よりも上げることが
でき、接合温度よりも高温の使用が可能となる。
【0024】上記実施の形態においてセラミックスがP
ZTであり、Ag−Cuろう材、金属と積層して接合体
を形成する場合は、溶融するろう材層にTiを供給して作
成するのが特によい。Tiは、これら構成材の表面に蒸
着、スパッタなどのPVD法で供給してもよく、メッキ
等の方法で供給してもよい。また箔や粉体、あるいは粉
体をペースト化した形態で供給してもよい。あるいはA
g−Cuろう材にTiを添加して供給してもよい。
【0025】PZTと金属との間のろう材層の厚さは、
5μm〜 200μmとする。これ以下では、ろう材不足に
よりポアが形成される可能性があり、これ以上ではろう
材層により発生する残留応力によりPZTが破壊する可
能性があるからである。Tiの添加量は、Ti−Oから
なる相とTi−Zr−Oからなる相を形成させるに足る
量とする。
【0026】これら接合部材を10-3Paオーダー以上の
真空中あるいはAr(アルゴン)などの不活性雰囲気中
で 780〜 850℃まで加熱し、1〜20分間保持した後、冷
却し、接合体を作成する。10-3Paオーダー以上の真空
はCuやTiなどの構成元素が酸化しないために最低限
必要な真空度である。熱処理時間は、できる限りPZT
のPb(鉛)成分が昇華しないように短時間とすること
が望ましい。また昇温速度も10℃/min 以上とすること
が望ましい。
【0027】上記の接合部材構成によって上記の接合熱
処理を行なうことによって、添加したTiとPZTが反
応し、図4のSEM(走査型電子顕微鏡)観察像に示す
ように、Ti−Oからなる相16とTi−Zr−Oからな
る相17がPZT15とAg−Cuろう材12との界面に形成
される。これらの反応層の厚さは、 0.1μm〜10μmで
あることが望ましい。 0.1μm以下ではPZTとの界面
の全面にわたってこれらの反応層が形成できず、良好な
接合強度が得られない。また、10μm以上ではこれらの
反応層に過剰反応によりポアが発生するため、接合強度
の低下が起こるためである。
【0028】また、本実施の形態によるPZT接合体を
用いて超音波トランスデューサ等の圧電振動装置を作成
する場合には、図5に示すように、Mo/ろう材/Ti
−Oからなる相およびTi−Zr−Oからなる相を含む
層/PZT の構造とすることが望ましい。PZTを固
定するケース前面板9としてMoを用いるのは、Moの
熱膨張係数がPZTに近く、かつMoの強度が高いため
他の金属と比較して容易にケース材の板厚を薄くするこ
とが可能であるといった特長を有するためである。
【0029】このように本実施の形態によれば、PZT
とAg−Cuろう材との界面に、Ti−Oからなる相と
Ti−Zr−Oからなる相を生成させることによって、
接合部の溶融温度がろう材の溶融温度よりも高くなると
ともに良好な濡れ性と強固な接合強度を達成し、よって
高温用の超音波トランスデューサとして使用することの
できるPZT接合体および圧電振動装置を得ることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。 (実施例1)厚さ 0.2mm、面積1cm×1cmのLiNbO
3 と、厚さ 0.2mm、面積 1.5cm× 1.5cmのインバーの表
面にスパッタでTi膜50nm,Ni膜1μmをそれぞれ成
膜した。ついでこれら接合する部材の中間に厚さ50μ
m、面積 0.5cm× 0.5cmのAg−28wt%Cuろう箔を配
置し、10-3Paオーダーの真空中で1℃/sで昇温し、 7
90℃で5分保持したのち、炉内で冷却した。断面組織を
SEMを用いて観察したところ、図6に示すような組織
が観察された。接合材に接する反応層の厚さは7〜10μ
mであった。
【0031】本実施例と比較するために、同じ寸法のL
iNbO3 およびインバーを、同じ寸法のAg−27wt%
Cu−1wt%Tiろう箔を用いて同じ熱処理条件で接合
した比較例を作成した。断面組織をSEMを用いて観察
したところ、図7に示すように、Ag−Cuの共晶組織
22中にCu−Ti化合物21が均一に分散した組織が観察
された。両者を 790℃まで加熱したところ、本実施例に
よる接合体は変化がなかったが、比較例はろう材が溶融
しLiNbO3 およびインバーは分離した。
【0032】(実施例2)直径5cm、厚さ 0.5mmのMo
製の円筒の端部に厚さ 0.1mmのMo板をEB(電子ビー
ム)溶接し、この内部にMo膜50nm,Ni膜1μmを成
膜したのち、直径1cm、厚さ 0.2mmのLiNbO3 を、
直径1cm、厚さ50μmのAg−28wt%Cuろう箔を用い
て接合し、超音波センサーを作成した。熱処理条件は、
10-3Paオーダーの真空中で 0.5℃/s で昇温し、 800
℃で5分保持であった。
【0033】本実施例と比較するために、同じ寸法のL
iNbO3 およびインバーを、同じ寸法のAg−27wt%
Cu−1wt%Tiろう箔を用いて同じ熱処理条件で接合
した比較用のセンサーを作成した。両者を 780℃まで加
熱したところ、本実施例によるセンサーは良好な音響特
性を維持したが、比較用センサーでは信号がとれなくな
った。
【0034】(実施例3)厚さ0.5mm 、面積1cm×1cm
のPZTと、厚さ 0.2mm、面積 1.5cm× 1.5cmのMoの
表面にスパッタ装置でTi膜50nm,Ni膜1μmをそれ
ぞれ成膜した。ついでこれら接合する部材の中間に厚さ
50μm、面積 0.5cm× 0.5cmのAg−27wt%Cu−2wt
%Ti箔を配置し、10-3Paオーダーの真空中で1℃/s
で昇温し、830℃で15分保持したのち、炉冷した。断面
組織をSEMを用いて観察したところ、図8に示すよう
にPZT15との界面にTi−Oからなる相16とTi−Z
r−Oからなる相17からなる層が観察された。この反応
層の厚さは3〜4μmであった。
【0035】本実施例と比較するために、同じ寸法のP
ZTおよびMo表面に同様にTi、Ni膜を成膜し、同
じ寸法のAg−27wt%Cuろう箔を用いて同じ熱処理条
件で接合し、比較例を作成した。断面組織をSEMを用
いて観察したところ、図9に示すように、PZT15との
界面にはTi組成の高いTi偏析相23が認められた。し
かし、Ti−Oからなる相とTi−Zr−Oからなる相
は明瞭には認められなかった。両者をピール試験に供し
たところ、比較例はPZTとの界面から容易に剥離した
が、本実施例による接合体は容易には剥離せずPZTの
内部より破壊した。
【0036】(実施例4)厚さ 0.5mm、面積1cm×1cm
のPZTと、厚さ 0.2mm、面積 1.5cm× 1.5cmのMoの
中間に厚さ50μm、 0.5cm× 0.5cmのAg−27wt%Cu
−2.5 wt%Ti箔を配置し、10-3Paオーダーの真空中
で1℃/sで昇温し、 830℃で15分保持したのち、炉冷し
た。断面組織をSEMを用いて観察したところ、実施例
3と同様にPZTとの界面にTi−Oからなる相とTi
−Zr−Oからなる相からなる層が観察された。この反
応層の厚さは4〜5μmであった。
【0037】本実施例と比較するために、同じ寸法のP
ZTおよびインバー表面に同様にTi、Ni膜を成膜
し、同じ寸法のAg−27wt%Cu−5wt%Tiろう箔を
用いて同じ熱処理条件で接合し、比較例を作成しようと
したが、PZTと界面反応層の界面から容易に剥離して
しまい、接合体を作成することができなかった。
【0038】(実施例5)直径5cm、厚さ 0.5mmのMo
製の円筒の端部に厚さ 0.1mmのMo板をEB溶接し、こ
の内部にTi膜50nm,Ni膜1μmを成膜したのち、直
径1cm、厚さ 0.2mmのPZTを、直径1cm、厚さ50μm
のAg−27wt%Cu−2wt%Tiろう箔を用いて接合
し、超音波トランスデューサを作成した。熱処理条件
は、10-3Paオーダーの真空中で0.5 ℃/sで昇温、 850
℃で15分保持であった。
【0039】本実施例と比較するために、同じ寸法のP
ZTおよびインバーを、同じ寸法のAg−27wt%Cu−
0.5 wt%Tiろう箔を用いて同じ熱処理条件で接合した
比較用の超音波トランスデューサを作成した。
【0040】両者のエコーパルス特性を測定したとこ
ろ、本実施例による超音波トランスデューサは図10に示
すように良好なエコーパルス特性を示したが、比較用超
音波トランスデューサではエコーが得られなかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接合方法
を用いることにより、ろう接後にろう接温度以上でも使
用できる接合体を作成することが可能となる。また、高
温においても良好なパルスエコー特性を有する超音波ト
ランスデューサ等の圧電振動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の接合方法による接合部材
の組み合わせを示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態の接合体の断面を模式的に
示す図。
【図3】本発明の実施の形態の圧電振動装置の断面図。
【図4】本発明の実施の形態の接合体の断面SEM像を
示す写真。
【図5】本発明の実施の形態の圧電振動装置の一例とし
てのPZT超音波トランスデューサを示す図。
【図6】実施例1による本発明の実施例の接合体の断面
を模式的に示す図。
【図7】実施例1による比較材の接合部の断面を模式的
に示す図。
【図8】実施例3による本発明の実施例の接合体の断面
SEM写真。
【図9】実施例3による比較材の接合部の断面SEM写
真。
【図10】実施例4による本発明の実施例の超音波トラ
ンスデューサのエコーパルスを示すオシログラム。
【符号の説明】
1…セラミックス、2…Ag−Cuろう材、3…金属、
4…改質材、5…(Cu,Ni,Ti)相、6…Agリ
ッチ相、7…接合部、8…圧電振動子、9…ケース前面
板、10…接合部、11…バッキング材、12…リード線、13
…ケーブル、14…ケース、15…PZT、16…Ti−Oか
らなる反応相、17…Ti−Zr−Oからなる反応相、18
…Ti−Oからなる相とTi−Zr−Oからなる相を含
む層、19…LiNbO3 、20…インバー、21…(Cu,
Ti)化合物、22…共晶Ag−Cu、23…Ti偏析相。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉 守 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2G047 AA06 AA09 AB05 AB07 CA01 GB11 GB35 4G026 BA01 BB21 BF16 BF31 BF32 BF34 BF35 BG02 BH09 5D019 AA17 BB02 BB25 BB30 FF03 HH02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス、AgとCuからなるろう
    材および金属を積層し、セラミックスとAg−Cuろう
    材の間に、あるいはセラミックスとAg−Cuろう材の
    間およびAg−Cuろう材と金属の間に、ろう材に溶け
    込み融点を高める改質材を介在させ、ろう接時に溶融し
    たろう材中に前記改質材を溶け込ませて、接合部の溶融
    温度を接合温度より高温にすることを特徴とするセラミ
    ックスと金属の接合方法。
  2. 【請求項2】 改質材は、鉄,コバルト,ニッケル,チ
    タン,銅,銀および金の少くともいずれか1種類の元素
    を含む材料であることを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミックスと金属の接合方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセラミックスと金属の接
    合方法によって得られ、セラミックス/Cu−Niリッ
    チ相/Agリッチ相/金属からなる接合部断面構造を有
    することを特徴とするセラミックスと金属の接合体。
  4. 【請求項4】 接合部の厚さは5μm〜 200μmである
    ことを特徴とする請求項3記載のセラミックスと金属の
    接合体。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のセラミックスと金属の接
    合体と、この接合体の前記金属と反対の面に接合された
    バッキング材とを備え、前記接合体に電圧を印加・取出
    しするリード線を接続したことを特徴とする圧電振動装
    置。
  6. 【請求項6】 セラミックスをジルコン酸チタン酸鉛と
    して請求項1記載のセラミックスと金属の接合方法によ
    って得られ、接合部にTi−Oからなる相とTi−Zr
    −Oからなる相を有することを特徴とするセラミックス
    と金属の接合体。
  7. 【請求項7】 Ti−Oからなる相とTi−Zr−Oか
    らなる相の厚さは、0.1μm〜10μmであることを特徴
    とする請求項6記載のセラミックスと金属の接合体。
  8. 【請求項8】 金属をモリブデンとした請求項6記載の
    セラミックスと金属の接合体と、この接合体のモリブデ
    ンと反対の面に接合されたバッキング材とを備え、前記
    接合体に電圧を印加、取出しするリード線を接続したこ
    とを特徴とする圧電振動装置。
JP11223789A 1999-08-06 1999-08-06 セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置 Pending JP2001048668A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223789A JP2001048668A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223789A JP2001048668A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001048668A true JP2001048668A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16803746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11223789A Pending JP2001048668A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001048668A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007086180A1 (ja) * 2006-01-26 2007-08-02 Hitachi Medical Corporation 超音波探触子
JP2019203809A (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 一般社団法人日本建設機械施工協会 Pc構造物の劣化現象検査用の移動型aeセンサ
CN113909613A (zh) * 2021-11-05 2022-01-11 北京航空航天大学 一种SiCf/SiC陶瓷基复合材料与镍基高温合金钎焊的方法
CN114043026A (zh) * 2021-11-12 2022-02-15 哈尔滨工业大学 一种陶瓷-金属中的应力缓解方法
CN115502538A (zh) * 2022-09-19 2022-12-23 哈尔滨工业大学 一种以MAX或Mxene为阻隔层的方钴矿基热电材料与金属电极的连接方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007086180A1 (ja) * 2006-01-26 2007-08-02 Hitachi Medical Corporation 超音波探触子
US7969067B2 (en) 2006-01-26 2011-06-28 Hitachi Medical Corporation Ultrasound probe
JP2019203809A (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 一般社団法人日本建設機械施工協会 Pc構造物の劣化現象検査用の移動型aeセンサ
JP7152878B2 (ja) 2018-05-24 2022-10-13 一般社団法人日本建設機械施工協会 Pc構造物の劣化現象検査用の移動型aeセンサ
CN113909613A (zh) * 2021-11-05 2022-01-11 北京航空航天大学 一种SiCf/SiC陶瓷基复合材料与镍基高温合金钎焊的方法
CN114043026A (zh) * 2021-11-12 2022-02-15 哈尔滨工业大学 一种陶瓷-金属中的应力缓解方法
CN114043026B (zh) * 2021-11-12 2023-08-29 哈尔滨工业大学 一种陶瓷-金属中的应力缓解方法
CN115502538A (zh) * 2022-09-19 2022-12-23 哈尔滨工业大学 一种以MAX或Mxene为阻隔层的方钴矿基热电材料与金属电极的连接方法
CN115502538B (zh) * 2022-09-19 2023-08-11 哈尔滨工业大学 一种方钴矿基热电材料与金属电极的连接方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001010874A (ja) 無機材料とアルミニウムを含む金属との複合材料の製造方法とその関連する製品
JP2001522143A (ja) 構成素子および該構成素子の製造法
JP3040203B2 (ja) 高温安定性複合体及びその製法
JPS60131874A (ja) セラミツクと金属との接合方法
JPH08255973A (ja) セラミックス回路基板
JP2003212670A (ja) 異種材料の接合体及びその製造方法
JP2001048668A (ja) セラミックスと金属の接合方法および接合体および圧電振動装置
JPH0777989B2 (ja) セラミックスと金属の接合体の製造法
JPS59232692A (ja) セラミツクと金属等との接合用ろう材及びこれを用いたセラミツクと金属等の複合体
JPS6033269A (ja) 金属とセラミツクの接合方法
JPH07507973A (ja) 窒化アルミニウムの薄膜金属化及びロウ付け
JP3681824B2 (ja) セラミックスの接合体およびセラミックスの接合方法
JP3504716B2 (ja) 応力緩衝金属層を有するセラミックス接合体
JP2002292474A (ja) チタン材又はチタン合金材の接合方法
JPH05319946A (ja) 金属板接合セラミック基板
JPH0657622B2 (ja) ろう付けペースト
JPH0337165A (ja) セラミックスと金属との接合方法
JP2854619B2 (ja) 接合方法
JP2007266369A (ja) 配線基板
JP3316578B2 (ja) セラミックス部材とアルミニウム部材との接合体の製造方法
JP7379813B2 (ja) 接合体及び接合体の製造方法
JPH0426568A (ja) 金属―セラミックス接合体
JPS63170279A (ja) セラミックスの接合方法
JP3041531B2 (ja) セラミックスと金属の接合方法
JP2729751B2 (ja) アルミナセラミックスとアルミニウムの接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees