JP2001048664A - 炭素繊維強化炭素材の製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素材の製造方法

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JP2001048664A
JP2001048664A JP11227080A JP22708099A JP2001048664A JP 2001048664 A JP2001048664 A JP 2001048664A JP 11227080 A JP11227080 A JP 11227080A JP 22708099 A JP22708099 A JP 22708099A JP 2001048664 A JP2001048664 A JP 2001048664A
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孝義 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的気相浸透法により製品形状のくずれが
なく、緻密で高密度の炭素繊維強化炭素材の製造方法を
提供する。 【解決手段】 炭素繊維成形体の空隙部に化学的気相浸
透法により析出した炭素を充填する炭素繊維強化炭素材
の製造方法において、炭素繊維成形体の表層部に樹脂濃
度が0.2〜2重量%の熱硬化性樹脂液により熱硬化性
樹脂被膜を形成し、硬化、焼成炭化処理したのち、化学
的気相浸透法により炭素を析出、充填することを特徴と
する炭素繊維強化炭素材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材質組織が緻密
で、高密度の炭素繊維強化炭素材(以下、「C/C材」
ともいう)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C/C材は、炭素繊維の複合化による卓
越した比強度、比弾性率を有し、特に1000℃を超え
る高温においても比強度、比弾性率に優れ、また、炭素
材特有の軽量性と優れた耐熱性および化学的安定性を備
えているため、航空・宇宙機用の構造材料をはじめ、高
温苛酷な条件下で使用される各種部材、例えばCZ法に
よる単結晶引上用のルツボ、ヒータ、炉材などの高温炉
用部材として有用されている。
【0003】このC/C材を製造する代表的な技術とし
ては、 (1)マトリックスとなる熱硬化性樹脂液を含浸し
た炭素繊維の織布を積層し、プレス等で所定形状に圧縮
成形したのちプリプレグ成形体を非酸化性雰囲気下で焼
成炭化処理する方法、 (2)マトリックスとなる熱硬化性
樹脂液に浸した炭素繊維のトウをフィラメントワインデ
ィング法で所定形状に成形し、このプリプレグ成形体を
同様に焼成炭化処理する方法、 (3)炭素繊維で形成した
成形体(炭素繊維プリフォーム)の空隙組織中に化学的
気相蒸着法(CVD)や化学的気相浸透法(CVI)に
より気相析出させた炭素を沈着させる方法、などが知ら
れている。
【0004】このうち、(1) 、(2) の方法は、プリプレ
グ成形体を焼成炭化する過程でマトリックスとなる熱硬
化性樹脂液に含まれる揮発性成分が揮散するために、得
られるC/C材の材質組織には微細な空孔が生じ、低密
度化、低強度化し易い難点があり、更に、圧縮成形時に
熱硬化性樹脂液の一部が外部に圧出するために高密度の
ものが得難い欠点がある。そこで、C/C材の材質組織
の空隙中に炭化性のフェノール樹脂やフラン樹脂などの
バインダー樹脂あるいは石炭系や石油系のピッチを強制
含浸したのち焼成する二次的な緻密化処理が一般に行わ
れている。
【0005】例えば、特開平2−283666号公報に
は二次元乃至三次元に配向させたピッチ系の炭素繊維に
コールタールピッチ及び/又は石油系ピッチを含浸さ
せ、次いで含浸させた状態で炭化処理を施し、次いでこ
の処理材に2000〜3000℃で黒鉛化処理を施し、
次いで緻密化処理として、黒鉛化されたものに軟化点が
150〜250℃で実質的にキノリン不溶分を含まない
コールタールピッチ及び/又は石油系ピッチを含浸さ
せ、続いて炭化−黒鉛化処理を施す工程を所望の密度に
なるまで繰り返すC/C材の製造方法が、また、特開平
5−139832号公報には軟化点が200〜300℃
の光学的等方性コールタールピッチを10〜60重量%
含む熱硬化性樹脂との混合物を炭素繊維に含浸させプリ
プレグをつくり、これを成形し次いで炭化処理を行って
得られた一次焼成体に、実質的にキノリン不溶分を含ま
ず軟化点が150〜250℃の高軟化点ピッチを含浸さ
せ、引き続き空気中で200〜350℃で不融化した
後、不活性雰囲気下で炭化−黒鉛化処理を行う工程を、
嵩密度が1.6g/cc以上になるまで繰り返す炭素材料の
製造方法が提案されている。
【0006】また、本出願人も炭素繊維を残炭率45%
以上の熱硬化性樹脂液からなるマトリックス結合材とと
もに複合成形したのち非酸化性雰囲気下で1400〜1
700℃の温度範囲により炭化処理して気孔率1%以下
の一次焼成体を形成し、該一次焼成体に残炭率45%以
上の熱硬化性樹脂液を含浸硬化し、ついで非酸化性雰囲
気下で2000℃以上の温度域で加熱処理するC/C材
の製造方法(特開平5−229868号公報)を開発し、更
に、高密度で強度特性に優れたC/C材の製造方法とし
て、炭素繊維にマトリックス結合材を含浸して複合成形
したのち非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られたC/
C複合体を基材とし、該C/C基材にピッチを含浸し非
酸化性雰囲気下800〜1200℃で焼成炭化する処理
を複数回反復して材質の嵩密度を1.1〜1.5g/ccに
する第1緻密化工程と、次いで熱硬化性樹脂液を含浸硬
化し非酸化性雰囲気下800〜1200℃で焼成炭化す
る処理を複数回反復して材質の嵩密度を1.6g/cc以上
にする第2緻密化工程を、順次に施すC/C材の製造方
法(特開平8−245273号公報)を提案している。
【0007】しかしながら、これらの熱硬化性樹脂液や
ピッチなどを含浸して二次的に緻密化する方法では、含
浸−加圧−焼成という操作を繰り返し行うために製造に
手間がかかり、コスト高となる欠点がある。更に、液状
の熱硬化性樹脂やピッチをC/C材の微細な空隙の深部
にまで充分に含浸させることが難しく、また、空隙に含
浸した熱硬化性樹脂やピッチが焼成炭化する際にも揮発
性成分が放出されて新たな空隙が形成されるので、繰り
返し行っても緻密化には限界がある。
【0008】一方、(3) の炭素繊維で形成した成形体
(炭素繊維プリフォーム)の空隙組織中に化学的気相蒸
着法(CVD;Chemical Vapor Deposition )や化学的
気相浸透法(CVI;Chemical Vapor Infiltration )
により気相反応させて析出した炭素を沈着させる方法
は、微細な空隙内部にまで熱分解炭素を沈着させること
ができ、更に、原子単位で炭素が析出するので炭素繊維
プリフォームとの密着性が高いという利点がある。
【0009】例えば、特開平1−212277号公報に
は炭素繊維成形体10〜70 Vol%および炭素質マトリ
ックス5〜80 Vol%から構成され、かつ空隙率が10
〜55%であるC/C材料の空隙部に気相熱分解により
炭素を沈積充填し、続いてこの充填物の表面に気相熱分
解により炭素を沈積被覆するC/C材の製造法が、特開
平8−2976号公報には炭素繊維で作られた成形体
に、メタンと水素の混合ガスを、温度を1200〜13
00℃、メタンと水素の混合ガスの全圧を20〜80To
rr、メタンの分圧を10〜32.5Torrとして気相浸透
法による熱分解炭素を沈積させるようにしたC/C材の
製造方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によれ
ば、効率よく緻密なC/C材を製造することができる
が、炭素繊維成形体は炭素繊維織布によって所望の製品
形状に作製されるので比較的柔軟で、変形し易い難点が
ある。例えば、化学的気相浸透法(以下、「CVI」と
もいう)により炭素を析出させて空隙内を充填する際
に、炭素繊維成形体に歪みや変形が生じ易く、また炭素
繊維が解れ易く、所定の製品形状を維持できなくなる問
題点がある。そこで、成形体の形状を維持するために、
上記の特開平8−2976号公報の実施例では、炭素繊
維の成形体をグラファイトの型板を用いてボルト・ナッ
トで挟持した状態でCVI装置の反応器に入れている。
【0011】しかしながら、このような手法で炭素繊維
成形体の形状歪みや繊維解れを抑制すると、気相熱分解
用の原料ガスが炭素繊維成形体の内部に均等に侵入し難
くなるために、空隙部に析出し、沈着する炭素量に差が
生じ、均質、緻密なC/C材を作製し難い問題点があ
る。
【0012】そこで、本発明者らは上記の問題点を解消
するために鋭意研究を進めた結果、CVIにより気相析
出した熱分解炭素を炭素繊維成形体の空隙中に沈着させ
る際に、炭素繊維成形体の表層部に薄く炭素被膜を形成
して補強することにより、炭素繊維成形体の歪み、変形
や繊維解れが効果的に抑制され、良好な保形性が付与で
きることを見出した。
【0013】本発明は、この知見に基づいて開発された
もので、その目的は化学的気相浸透法による製品形状の
くずれがなく、緻密で高密度の炭素繊維強化炭素材の製
造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による炭素繊維強化炭素材の製造方法は、炭素
繊維成形体の空隙部に化学的気相浸透法により析出した
炭素を充填する炭素繊維強化炭素材の製造方法におい
て、炭素繊維成形体の表層部に樹脂濃度が0.2〜2重
量%の熱硬化性樹脂液により熱硬化性樹脂被膜を形成
し、硬化、焼成炭化処理したのち、化学的気相浸透法に
より炭素を析出、充填することを構成上の特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】炭素繊維成形体は、ポリアクリロ
ニトリル系、レーヨン系、ピッチ系などの原料系から製
造された平織、朱子織、綾織などの炭素繊維織布を一次
元または多次元方向に配向した繊維体、フエルト、トウ
などの織布から形成される。この炭素繊維の織布などか
らなる成形体には、織布内や繊維間に微細で多様な空隙
が多数存在しており、この空隙部に化学的気相浸透法
(CVI)により原料ガスを気相熱分解させて析出した
炭素を沈着させて、充填することにより炭素繊維強化炭
素材(C/C材)が製造される。なお、炭素繊維の織布
は炭素繊維の解れを防止して、成形体の賦形性を高める
上で、予めサイジング処理されたものが好ましく用いら
れる。
【0016】化学的気相浸透法は、炭素繊維成形体をC
VI反応装置にセットして、反応系内を数十〜数Torrに
減圧し、所定温度に加熱したのち、原料ガスを導入して
CVI反応により原料ガスを気相熱分解させて析出した
炭素を、炭素繊維成形体の空隙内に沈着、充填するもの
である。気相熱分解反応により炭素を析出させる原料ガ
スとしてはメタン、プロパン、プロピレン、ベンゼンな
どの易熱分解性の炭化水素ガスが好ましく用いられ、こ
れらの炭化水素ガスと水素ガスとの混合ガスをCVI反
応装置に導入して気相還元熱分解反応により炭素を析出
させる。
【0017】本発明は、この製造方法において、炭素繊
維成形体をCVI反応装置にセットする前に、予めその
表層部に樹脂濃度が0.2〜2重量%の熱硬化性樹脂液
により熱硬化性樹脂被膜を形成して硬化し、更に焼成炭
化することを特徴とする。
【0018】熱硬化性樹脂液はフェノール系、フラン
系、エポキシ系、メラミン系、ポリイミド系、ユリア系
などの熱硬化性樹脂を単独または混合して、アルコー
ル、アセトン、クロロホルムなどの有機溶媒や水に溶解
して調製した溶液、または該熱硬化性樹脂をエマルジョ
ンあるいはディスパージョンとして水に分散して調製し
た分散液が用いられる。熱硬化性樹脂液の濃度は熱硬化
性樹脂分が0.2〜2重量%の範囲になるように調製さ
れる。なお、この熱硬化性樹脂の溶液あるいは分散液に
は、必要に応じて硬化触媒を添加することもできる。
【0019】炭素繊維成形体の表層部に熱硬化性樹脂被
膜を形成する方法は、熱硬化性樹脂の溶液または分散液
を炭素繊維成形体の表面に塗布する、あるいは熱硬化性
樹脂の溶液または分散液に炭素繊維成形体を浸漬する、
などの方法で行うことができるが、表層部のみに熱硬化
性樹脂被膜を形成させるためには塗布法が好ましい。次
いで、減圧脱気や加熱乾燥して熱硬化性樹脂中に含まれ
る揮発性成分および有機溶媒や水などの揮発成分を除去
したのち硬化し、非酸化性雰囲気中で焼成炭化処理され
る。
【0020】このようにして、炭素繊維成形体の表層部
は熱硬化性樹脂が炭化した炭素被膜により被覆され、補
強される。しかしながら、この炭素被膜による補強は被
膜の膜厚が厚くなると、CVIにより炭素を気相析出さ
せ、炭素繊維成形体の空隙中に沈着させる際に、原料ガ
スの侵入を妨げることとなり、炭素繊維成形体の空隙部
を均等に析出炭素で充填することが困難となる。そこ
で、CVIにより炭素を析出、充填させる際に、原料ガ
スの侵入の妨げとならず、かつ炭素繊維成形体の保形性
を維持するために、熱硬化性樹脂液の樹脂濃度は0.2
〜2重量%の範囲に設定される。
【0021】熱硬化性樹脂液の樹脂濃度が0.2重量%
を下回ると、炭素繊維成形体が充分に補強されないため
に、CVIにより熱分解炭素を沈着、充填させる際に炭
素繊維成形体に歪みや変形が生じたり炭素繊維の解れが
発生して、保形性を充分に維持することができず、製品
形状にくずれが発生することとなる。しかしながら、熱
硬化性樹脂液の樹脂濃度が2重量%を超えると、炭素繊
維成形体の保形性は充分に維持することができるが、炭
素繊維成形体の表層部に形成された炭素被膜の膜厚が厚
くなり、原料ガスの円滑、均等な侵入が阻害されること
となり、均質な炭素繊維強化炭素材を製造することが困
難となる。
【0022】CVI反応は、反応装置の基材受台に炭素
繊維成形体を載置して加熱し、供給した原料ガスを気相
熱分解して炭素繊維成形体の内部に炭素を析出させるも
のであり、熱分解温度は原料ガスの種類によって異なる
が、概ね900〜1300℃の温度範囲に設定する。
【0023】このようにして、炭素繊維成形体の空隙部
を熱分解炭素によって均等に充填することができ、材質
組織が緻密で、高密度、高強度の材質性状を備えた炭素
繊維強化炭素材を製造することが可能となる。なお、こ
のようにして製造された炭素繊維強化炭素材は、更にハ
ロゲンガスによる高純度化処理や表面に耐酸化コーティ
ングなどを施すことにより、汚染を嫌う半導体分野にお
ける部材などとして好適に用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0025】実施例1 ポリアクリロニトリル系高強度高弾性タイプの3次元方
向に配向した平織炭素繊維織布を用いて50×50×5
mmの炭素繊維成形体を作製した。フェノール樹脂初期縮
合物(残炭率50重量%)をアセトンに溶解して樹脂濃
度0.4重量%のフェノール樹脂溶液を調製し、このフ
ェノール樹脂溶液を炭素繊維成形体の表面に塗布した。
48時間風乾してアセトンおよびフェノール樹脂初期縮
合物中の揮発性成分を除去したのち加熱し、250℃の
温度で樹脂成分を硬化した。次いで、窒素ガス雰囲気に
保持した炉内で1000℃の温度で焼成炭化して、炭素
繊維成形体の表層部に炭素被膜を形成した。得られた炭
素繊維成形体の見掛け密度は約1g/cm3 、開気孔率は約
40%であった。
【0026】高周波誘導加熱方式のCVI反応装置の基
材受台に、上記の炭素繊維成形体をセットした。原料ガ
スとしてプロパンと水素の混合ガス(プロパン濃度15
モル%)を用い、混合ガスを1.0リットル/分の流量
で供給して、炉内圧力50Torr、温度1000℃の条件
でCVI反応を行った。なお、析出した炭素の空隙内へ
の沈着、充填度合を均一化するために、CVI反応を1
5時間行ったのち、基材受台上の炭素繊維成形体の上下
面を反転させて、更に15時間、計30時間実施した。
このようにして得られた炭素繊維強化炭素材は形状の歪
みや炭素繊維の解れは認められず、見掛け密度は1.3
3g/cm3 に増大し、開気孔率は13%に減少した。
【0027】実施例2〜3、比較例1〜3 フェノール樹脂溶液の樹脂濃度を変更したほかは、実施
例1と同じ方法により炭素繊維強化炭素材を製造した。
得られた炭素繊維強化炭素材について、形状を観察する
とともに、見掛け密度および開気孔率を測定した。これ
らの結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、炭素繊維成形体の表層部に樹脂
濃度が0.2〜2重量%のフェノール樹脂溶液を塗布
し、焼成炭化して薄い炭素被膜を形成したのち、CVI
により緻密化した実施例1〜3の炭素繊維強化炭素材
は、CVI処理時に炭素繊維成形体の形状が歪んだり、
繊維の解れが生じることなく、気相熱分解により析出し
た炭素が空隙内に沈着、充填され、見掛け密度の増大お
よび開気孔率の減少が図られていることが判る。これに
対して、炭素繊維成形体の表層部に炭素被膜を形成しな
い比較例1では、原料ガスが円滑に炭素繊維成形体内に
拡散、浸透するので見掛け密度の増大および開気孔率の
減少を図ることができるが、補強されていないためにC
VI時に炭素繊維成形体の歪みおよび炭素繊維の解れが
生じ、成形体の形状が保持できない。一方、樹脂濃度が
高い比較例2、3では炭素被膜が厚く形成されているの
で形状保持性は良好であるが、原料ガスの拡散、浸透が
円滑でないために見掛け密度が低く、空隙部への炭素の
充填が充分でないことが認められる。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の炭素繊維強化炭
素材の製造方法によれば、CVIにより気相析出した熱
分解炭素を炭素繊維成形体の空隙中に沈着させる際に、
原料ガスの侵入の妨げとならず、かつ炭素繊維成形体の
形状を維持することのできる薄い炭素被膜により補強す
るために、樹脂濃度が0.2〜2重量%の熱硬化性樹脂
液により熱硬化性樹脂被膜を形成し、硬化、焼成炭化す
るので、炭素繊維成形体の形状を維持するとともに熱分
解炭素が円滑、かつ均等に空隙部に沈着、充填され、緻
密組織で高密度の炭素繊維強化炭素材を製造することが
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 孝臣 東京都港区北青山一丁目2番3号 東海カ ーボン株式会社内 Fターム(参考) 4G032 AA13 AA14 AA52 BA01 GA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維成形体の空隙部に化学的気相浸
    透法により析出した炭素を充填する炭素繊維強化炭素材
    の製造方法において、炭素繊維成形体の表層部に樹脂濃
    度が0.2〜2重量%の熱硬化性樹脂液により熱硬化性
    樹脂被膜を形成し、硬化、焼成炭化処理したのち、化学
    的気相浸透法により炭素を析出、充填することを特徴と
    する炭素繊維強化炭素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維成形体を形成する炭素繊維がサ
    イジング処理されたものである、請求項1記載の炭素繊
    維強化炭素材の製造方法。
JP11227080A 1999-08-11 1999-08-11 炭素繊維強化炭素材の製造方法 Pending JP2001048664A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005115945A1 (en) * 2004-05-28 2005-12-08 Dacc Co. Ltd. Method of producing carbon fiber reinforced ceramic matrix composites
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CN110981525A (zh) * 2020-01-12 2020-04-10 陕西美兰德炭素有限责任公司 一种炭炭复合材料的修补方法
CN112723898A (zh) * 2020-12-30 2021-04-30 内蒙古栢特新材料科技有限公司 一种天然气化学气相沉积炉用炭/炭内胆的制备方法

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