JP2000169250A - 炭素繊維強化炭素複合材の製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材の製造方法

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JP2000169250A
JP2000169250A JP10343936A JP34393698A JP2000169250A JP 2000169250 A JP2000169250 A JP 2000169250A JP 10343936 A JP10343936 A JP 10343936A JP 34393698 A JP34393698 A JP 34393698A JP 2000169250 A JP2000169250 A JP 2000169250A
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densification treatment
carbon
pressure cvd
densification
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Takaomi Sugihara
孝臣 杉原
Hidenori Daitoku
秀徳 大徳
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CC材の空隙に熱分解炭素を効率よく析出充
填して緻密化処理することにより高密度、高強度の材質
性状を備えたCC材の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素繊維にマトリックス結合材を含浸し
て複合成形し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られ
たCC複合体を基材とし、該CC基材の空隙中に減圧C
VDまたはパルスCVIにより熱分解炭素を基材の気孔
径0.5 〜30μm の気孔容量の75〜90%に析出充填する第
1緻密化処理、次いでマトリックス樹脂液を含浸して硬
化し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化し基材の気孔径10〜
300 の気孔量の60〜70%を充填する第2緻密化処理、更
に減圧CVDまたはパルスCVIにより熱分解炭素を基
材の気孔径の0.5 〜30μm の気孔量の80〜95%に析出充
填する第3緻密化処理、を順次に施し、かつ、第1緻密
化処理および第3緻密化処理における減圧CVDまたは
パルスCVIを施す際に、CC基材を減圧CVDまたは
パルスCVI反応装置の基材受台との間に1〜5mmの間
隔を設けてセットすることを特徴とするCC材の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緻密な材質組織を
有し、高密度、高強度の材質性状を備える炭素繊維強化
炭素複合材(以下「CC材」ともいう)の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】CC材は、炭素繊維の複合化による卓越
した比強度、比弾性率を有するうえに炭素材特有の軽量
性と優れた耐熱性および化学的安定性を備えているた
め、航空・宇宙機用の構造材料をはじめホットプレス用
ダイス、高温炉用部材など高温苛酷な条件下で使用され
る用途分野で有用されている。このCC材を製造する代
表的な技術としては、 (1)マトリックス結合材を含浸し
た炭素繊維の織布を積層し、プレス等で所定形状に圧縮
成形したのちプリプレグ成形体を非酸化性雰囲気下で焼
成炭化処理する方法、 (2)マトリックス結合材に浸した
炭素繊維のトウをフィラメントワインディング法で所定
形状に成形し、このプリプレグ成形体を同様に焼成炭化
処理する方法、 (3)炭素繊維のプリフォーム組織中にC
VD(化学的気相蒸着法)を用いて炭素を沈着させる方
法等が知られている。
【0003】このうち、大型のCC材を得るためには
(1)の方法が工業的手段として最も実用性に優れてい
る。しかしながら、 (1)の方法を採る場合には圧縮成形
時に相当量のマトリックス結合材が外部に圧出したり、
プリプレグ成形体を焼成炭化する過程でマトリックス結
合材に含まれる揮発性成分が揮散する等の現象が起こる
ために、得られるCC材の材質組織は低密度、低強度な
ものとなりやすい。そこでCC材の材質組織の空隙中に
炭化性のフェノール樹脂やフラン樹脂などのバインダー
樹脂あるいは石炭系や石油系のピッチを強制含浸したの
ち焼成する二次的な緻密化処理が一般に行われている。
【0004】例えば、特開平2−283666号公報に
は二次元乃至三次元に配向させたピッチ系の炭素繊維に
コールタールピッチ及び/又は石油系ピッチを含浸さ
せ、次いで含浸させた状態で炭化処理を施し、次いでこ
の処理材に2000〜3000℃で黒鉛化処理を施し、
次いで緻密化処理として、黒鉛化されたものに軟化点が
150〜250℃で実質的にキノリン不溶分を含まない
コールタールピッチ及び/又は石油系ピッチを含浸さ
せ、続いて炭化−黒鉛化処理を施す工程を所望の密度に
なるまで繰り返すCC材の製造方法が、また特開平5−
139832号公報には軟化点が200〜300℃の光
学的等方性コールタールピッチを10〜60重量%含む
熱硬化性樹脂との混合物を炭素繊維に含浸させプリプレ
グをつくり、これを成形し次いで炭化処理を行って得ら
れた一次焼成体に、実質的にキノリン不溶分を含まず軟
化点が150〜250℃の高軟化点ピッチを含浸させ、
引き続き空気中で200〜350℃で不融化した後、不
活性雰囲気下で炭化−黒鉛化処理を行う工程を、嵩密度
が1.6g/cc以上になるまで繰り返す炭素材料の製造方
法が提案されている。
【0005】また、本出願人は炭素繊維を残炭率45%
以上の熱硬化性樹脂液からなるマトリックス結合材とと
もに複合成形したのち非酸化性雰囲気下で1400〜1
700℃の温度範囲により炭化処理して気孔率1%以下
の一次焼成体を形成し、該一次焼成体に残炭率45%以
上の熱硬化性樹脂液を含浸硬化し、ついで非酸化性雰囲
気下で2000℃以上の温度域で加熱処理するCC材の
製造方法(特開平5−229868号公報)を開発、提案し
た。
【0006】更に、本出願人は高密度で強度特性に優れ
たCC材の製造方法として、炭素繊維にマトリックス結
合材を含浸して複合成形したのち非酸化性雰囲気下で焼
成炭化して得られたCC複合体を基材とし、該CC基材
にピッチを含浸し非酸化性雰囲気下800〜1200℃
で焼成炭化する処理を複数回反復して材質の嵩密度を
1.1〜1.5g/ccにする第1緻密化工程と、次いで熱
硬化性樹脂液を含浸硬化し非酸化性雰囲気下800〜1
200℃で焼成炭化する処理を複数回反復して材質の嵩
密度を1.6g/cc以上にする第2緻密化工程を、順次に
施すCC材の製造方法(特開平8−245273号公報)を提
案した。
【0007】また、CVD(Chemical Vapor Depositio
n : 化学的気相蒸着法)やCVI(Chemical Vapor Inf
iltration : 化学的気相浸透法)等により炭素を沈着さ
せて緻密化を図る方法も開発されており、例えば特開平
1−212277号公報には炭素繊維成形体10〜70
Vol%および炭素質マトリックス5〜80 Vol%から構
成され、かつ空隙率が10〜55%であるCC材料の空
隙部に気相熱分解により炭素を沈積充填し、続いてこの
充填物の表面に気相熱分解により炭素を沈積被覆するC
C材の製造法が、特開平8−2976号公報には炭素繊
維で作られた成形体に、メタンと水素の混合ガスを、温
度を1200〜1300℃、メタンと水素の混合ガスの
全圧を20〜80Torr、メタンの分圧を10〜32.5
Torrとして気相浸透法による熱分解炭素を沈積させるよ
うにしたCC材の製造方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、CVDやC
VIにより気相析出した熱分解炭素をCC材の空隙中に
充填して緻密化する方法について更に検討を進めた結果
開発に至ったもので、その目的はCC材の空隙に熱分解
炭素を効率よく析出充填して緻密化処理することによ
り、高密度、高強度のCC材の製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による炭素繊維強化炭素複合材の製造方法
は、炭素繊維にマトリックス結合材を含浸して複合成形
し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られたCC複合
体を基材とし、該CC基材の空隙中に減圧CVDまたは
パルスCVIにより熱分解炭素を基材の気孔径0.5〜
30μm の気孔容量の75〜90%に析出充填する第1
緻密化処理、次いでマトリックス樹脂液を含浸して硬化
し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化し基材の気孔径10〜
300μmの気孔容量の60〜70%を充填する第2緻
密化処理、更に減圧CVDまたはパルスCVIにより熱
分解炭素を基材の気孔径0.5〜30μm の気孔容量の
80〜95%に析出充填する第3緻密化処理、を順次に
施し、かつ、第1緻密化処理および第3緻密化処理にお
ける減圧CVDまたはパルスCVIを施す際に、CC基
材を減圧CVDまたはパルスCVI反応装置の基材受台
との間に1〜5mmの間隔を設けてセットすることを構成
上の特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において強化材となる炭素
繊維としては、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、
ピッチ系等の各種原料から製造された平織、朱子織、綾
織などの織布を一次元または多次元方向に配向した繊維
体、フエルト、トウ等が使用される。また、マトリック
ス結合材には、例えば、フェノール系、フラン系等の残
炭率が50重量%以上の熱硬化性樹脂液あるいは石炭系
や石油系のピッチ等が好適に用いられる。
【0011】炭素繊維をマトリックス結合材に浸漬また
は塗布することにより、炭素繊維にマトリックス結合材
を含浸し、その表面を結合材で充分に濡らしたのち半硬
化してプリプレグを形成し、ついで積層加圧成形して複
合成形体を作製する。なお、この複合時に、炭素繊維量
がCC複合体とした場合の繊維体積含有率(Vf)として5
0〜70%になるように予め設定することが強度確保の
面から望ましい。
【0012】複合成形体は樹脂成分等を加熱硬化したの
ち、常法により非酸化性雰囲気に保持された炭化炉中で
焼成炭化することによりCC複合体が得られる。炭化炉
としては、コークス粉のような炭素質パッキング材で被
包しながら焼成炭化する形式のリードハンマー炉や系内
を窒素、アルゴン等の非酸化性ガスで保持された電気炉
等が用いられ、焼成炭化は通常800℃以上の温度で行
われる。
【0013】本発明は、このようにして得られたCC複
合体を基材として、このCC基材は0.1〜300μm
の気孔があり、気孔率は13〜18%である。該CC複
合体基材の空隙に第1緻密化処理、第2緻密化処理およ
び第3緻密化処理の緻密化処理を順次に施すことを特徴
とするものである。
【0014】第1緻密化処理はCC基材の空隙の気孔径
0.5〜30μm の気孔中を主に減圧CVD(Chemical
Vapor Deposi-tion :化学的気相蒸着法)またはパルス
CVI(Chemical Vapor Infiltration : 化学的気相浸
透法)により熱分解炭素を析出充填させる工程である。
減圧CVDは反応系内を数十〜数mmHgに減圧してCC基
材の空隙内に存在する気体を排出したうえで原料ガスを
導入してCVD反応を行う方法であり、パルスCVIは
反応系内の真空排気、原料ガスの瞬間導入、原料ガスの
保持分解、を短周期の減圧、昇圧下で間欠的に繰り返し
行う方法である。気相熱分解反応により炭素を析出させ
る原料ガスとしてはメタン、プロパン、プロピレン、ベ
ンゼン等の易熱分解性の炭化水素ガスを用いることが好
ましい。
【0015】CVD反応およびCVI反応は、反応装置
の基材受台にCC基材を載置して加熱し、供給した原料
ガスを熱分解して炭素を析出させるものである。熱分解
温度は原料ガスの種類によって異なるが、概ね900〜
1300℃に加熱して熱分解反応させる。この熱分解時
に、CC基材には温度分布が生じ易く、特にCC基材の
表面温度が基材内部の温度より高くなる傾向がある。こ
のような場合にはCC基材の表面部に炭素が析出し易く
なり、空隙部の入口付近に熱分解炭素が析出することと
なる。その結果、空隙部の内部に炭素が充填される前に
空隙の入口部に熱分解炭素が堆積することとなり、空隙
部の中に熱分解炭素を効率よく析出充填することが困難
となる。
【0016】そこで、本発明では減圧CVDあるいはパ
ルスCVIにより原料ガスを分解するとともに、CC基
材を減圧CVDあるいはパルスCVI反応装置の基材受
台に載置する際に、CC基材と基材受台との間に1〜5
mmの間隔を設けてセットすることによりCC基材内部の
温度分布の緩和および充填速度向上を図るものである。
その結果CC基材の表面部と内部との温度差が小さくな
って温度分布が均等化し、CC基材の表面部における熱
分解炭素の析出を抑制することができ、空隙部の深部に
まで熱分解炭素を短時間に析出充填することが可能とな
る。なお、間隔が1mm未満では温度分布の均等化が充分
でなく、一方5mmを越えると熱効率が低下するうえに温
度分布の向上効果が認められないためである。
【0017】第2緻密化処理は、第1緻密化処理を施し
たCC基材にマトリックス樹脂液を含浸して硬化し、非
酸化性雰囲気下で焼成炭化する処理である。この処理に
よりCC基材の空隙10〜300μm の気孔内部に樹脂
液が入り炭化され、CC基材の持つ空隙の10〜300
μm の気孔が主に充填されることとなる。マトリックス
樹脂液にはフェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂の初期縮合物が用いられ、これらのマ
トリックス樹脂液に浸漬または塗布することにより含浸
することができるが、加圧含浸により含浸することが好
ましい。例えば第1緻密化処理を施したCC基材にマト
リックス樹脂液を5〜15kg/cm2の圧力で加圧含浸し、
次いで加熱硬化したのち非酸化性雰囲気下で800℃以
上、好ましくは800〜2000℃の温度に加熱して樹
脂成分を焼成炭化する。
【0018】この第2緻密化処理により、第1緻密化処
理時に充填されなかった空隙部の細孔部などに浸透した
マトリックス樹脂液が炭化し、細孔部に充填され緻密化
が図られる。しかしながら、樹脂成分の加熱硬化および
焼成炭化時に縮合水やガスの放出が起こるために新たな
微細空隙が発生することとなる。
【0019】第3緻密化処理は、これらの微細空隙部
(気孔径0.5〜300μm の気孔のうち気孔径0.5
〜30μm の気孔)を効率的に熱分解炭素を析出充填さ
せることにより緻密化を図るものである。第3緻密化処
理は第1緻密化処理と同一の方法で行うことができ、減
圧CVDまたはパルスCVIにより微細空隙部に熱分解
炭素を析出充填して緻密化が図られる。
【0020】このようにしてCC基材の空隙部が熱分解
炭素によって充填され、材質組織が緻密化し、高密度、
高強度の材質性状を備えたCC材を製造することができ
る。なお、このようにして製造されたCC材は、ハロゲ
ンガスによる高純度化処理も行うことができ、また必要
に応じて表面に耐酸化コーティングを施すこともでき
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0022】実施例1 (1)CC基材の作製:ポリアクリロニトリル系高強度高
弾性タイプの平織炭素繊維織布にマトリックス結合材と
してフェノール樹脂初期縮合物を塗布して十分に含浸さ
せ、48時間風乾してプリプレグシートを作成した。こ
のプリプレグシートを積層してモールドに入れ、温度1
10℃、圧力20kg/cm2の熱圧条件で複合成形したの
ち、250℃の温度に加熱して樹脂成分を硬化した。次
いで、窒素ガス雰囲気に保持された焼成炉内に移し、5
℃/hrの昇温速度で1000℃に加熱し、5時間保持し
て焼成炭化した。このようにして、100×100×5
mmのCC基材を作製した。得られたCC基材の炭素繊維
体積含有率(Vf)は65%、嵩密度は1.33g/cc、気孔
率15.7%、0.5〜30μm の気孔容量19mm3/g
、30〜300μmの気孔容量99mm3/g であった。
【0023】(2)第1緻密化処理:高周波誘導加熱方式
の減圧CVD装置の反応炉内の基材受台に、上記のCC
基材を2mmの間隔を設けてセットした。原料ガスとして
プロパンを用い、系内を真空引きして、炉内圧力50To
rrの減圧下に、温度1050℃の条件で20時間反応さ
せ、熱分解炭素を析出させてC/C基材の空隙中に充填
した。熱分解炭素が0.5〜30μm の気孔を主に充填
し、嵩密度1.41g/cc、気孔率10.6%、0.5〜
30μm の気孔容量3mm3/g 、30〜300μm の気孔
容量87mm3/g であった。
【0024】(3)第2緻密化処理:第1緻密化処理を施
した上記のCC基材をフェノール樹脂初期縮合物中に浸
漬し、常温で系内を8kg/cm2に加圧してフェノール樹脂
初期縮合物を含浸したのち、250℃に加熱して樹脂を
硬化した。次いで窒素ガス雰囲気に保持された焼成炉に
入れ、5℃/hrの昇温速度で2000℃の温度に加熱
し、5時間保持して焼成炭化した。得られたCC複合材
は0.5〜30μm の気孔容量19mm3/g 、30〜30
0μm の気孔容量28mm3/g であった。
【0025】(4)第3緻密化処理:第1緻密化処理と同
一の処理を施した。すなわち、高周波誘導加熱方式の減
圧CVD装置の反応炉内の基材受台に2mmの間隔を設け
て第2緻密化処理を施したCC基材をセットした。原料
ガスとしてプロパンを用い、炉内圧力50Torr、温度1
050℃で40時間反応させた。得られたCC複合材は
嵩密度1.75g/cc、気孔率2.5%、0.5〜30μ
m の気孔容量3mm3/g 、30〜300μm の気孔容量1
1mm3/g であった。
【0026】実施例2〜5、比較例1〜2 実施例1と同じ方法により作成したCC基材を用いて、
第1緻密化処理および第3緻密化処理を施す際に基材受
台との間隔を変えて減圧CVD反応装置の基材受台にセ
ットし、また熱分解温度を変えて緻密化処理を施した。
なお、第2緻密化処理は全て実施例1と同じ方法で行っ
た。
【0027】比較例3 実施例1と同じ方法により作成したCC基材を用いて、
第3緻密化処理を施さないほかは、実施例1と同じ方法
で緻密化処理を施した。
【0028】比較例4 実施例1と同じ方法により作成したCC基材を用いて、
第1緻密化処理を施さないほかは、実施例1と同じ方法
で緻密化処理を施した。
【0029】得られたCC材について、嵩密度、3点曲
げ強度および気孔率を測定し、第1緻密化処理、第3緻
密化処理条件と対比して表1に、また各緻密化処理によ
り気孔が充填されて気孔容量が変化する推移を表2に示
した。なお、3点曲げ強度は長さ150mm、幅12.5
mm、厚さ4mmの試験片を支点間距離64mm、クロスヘッ
ドスピード6mm/min、その他の条件はASTM D79
0に準じて試験した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1の結果から、本発明の製造方法により
製造された実施例1〜5のCC材は本発明の製造要件を
外れる製造方法により製造された比較例1〜4のCC材
に比べて、いずれも3点曲げ強度が高く、嵩密度も大き
く、気孔率も低いことが判る。また、実施例1の第3緻
密化処理を省いた比較例3、同じく実施例1の緻密化処
理を行わなかった比較例4のCC材は、CC基材との間
隔を2mmにセットしたにも関わらず3点曲げ強度、嵩密
度とも低位にあることが判明する。また、表2の結果か
ら、本発明の製造方法により製造された実施例1〜5の
CC材は、第1緻密化処理工程および第3緻密化処理工
程により気孔径0.5〜30μm の気孔に効率よく充填
され、第2緻密化処理工程により気孔径30〜300μ
m の気孔が効率よく充填されていることが判明する。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば特定の条
件下に第1緻密化処理、第2緻密化処理および第3緻密
化処理の3段階の緻密化処理を施すことにより、CC材
の空隙中に熱分解炭素を効果的に析出充填させることが
できる。したがって、材質組織が緻密で、高強度、高密
度のCC材の製造方法として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維にマトリックス結合材を含浸し
    て複合成形し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られ
    たCC複合体を基材とし、該CC基材の空隙中に減圧C
    VDまたはパルスCVIにより熱分解炭素を基材の気孔
    径0.5〜30μm の気孔容量の75〜90%に析出充
    填する第1緻密化処理、次いでマトリックス樹脂液を含
    浸して硬化し、非酸化性雰囲気下で焼成炭化し基材の気
    孔径10〜300μm の気孔容量の60〜70%を充填
    する第2緻密化処理、更に減圧CVDまたはパルスCV
    Iにより熱分解炭素を基材の気孔径0.5〜30μm の
    気孔容量の80〜95%に析出充填する第3緻密化処
    理、を順次に施し、かつ、第1緻密化処理および第3緻
    密化処理における減圧CVDまたはパルスCVIを施す
    際に、CC基材を減圧CVDまたはパルスCVI反応装
    置の基材受台との間に1〜5mmの間隔を設けてセットす
    ることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076429A (ja) * 2008-07-21 2010-04-08 Snecma Propulsion Solide 熱構造複合材部品の製造方法およびそれによって得られる部品
US8084079B2 (en) * 2005-01-24 2011-12-27 Snecma Propulsion Solide Method for chemical infiltration in the gas phase for the densification of porous substrates with pyrolytic carbon

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